JPH08273600A - 低圧水銀蒸気放電灯およびこれを用いた照明装置 - Google Patents

低圧水銀蒸気放電灯およびこれを用いた照明装置

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JPH08273600A
JPH08273600A JP7561695A JP7561695A JPH08273600A JP H08273600 A JPH08273600 A JP H08273600A JP 7561695 A JP7561695 A JP 7561695A JP 7561695 A JP7561695 A JP 7561695A JP H08273600 A JPH08273600 A JP H08273600A
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JP
Japan
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bulb
mercury
phosphor coating
low
vapor discharge
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Application number
JP7561695A
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English (en)
Inventor
Naoyuki Toda
尚之 戸田
Takashi Yorifuji
孝 依藤
Takeo Hashimoto
剛夫 橋本
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】バルブ内に放出される不純ガスにより始動電圧
が上昇したりバルブ黒化が生じるのを抑止することがで
きる低圧水銀蒸気放電灯および照明装置を提供する。 【構成】電極5を備えたバルブ1内面にバルブ軸方向に
沿って膜厚差を有する蛍光体被膜7を形成し、このバル
ブ内の上記蛍光体被膜7の膜厚の厚い方のバルブ端部に
水銀放出金属基体8を固着したことを特徴とする低圧水
銀蒸気放電灯。 【作用】水銀放出金属基体を蛍光体被膜の膜厚の厚い方
のバルブ端部に固着したから、この水銀放出金属基体ま
たは水銀合金から放出される不純ガスは、蛍光体被膜に
吸着されるようになり、不純ガスの拡散が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水銀放出金属基体を用
いて水銀を定量封入した螢光ランプなどのような低圧水
銀蒸気放電灯およびこれを用いた照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に螢光ランプで代表される水銀蒸気
放電灯は、両端部に電極を封装するとともに内面に螢光
体被膜を形成したバルブ内に所定量の水銀を封入して構
成されているが、このバルブ内に水銀を封入する方法と
しては液状の水銀をバルブ端部に接続した排気管から滴
下する方法が一般的である。しかし、このような封入方
法は水銀を定量に封入することが困難であり、これを解
決するため水銀を合金の形態にして水銀合金ペレットを
作り、このに水銀合金ペレットをバルブ内に投入し、こ
の水銀合金を外部から加熱して水銀を放出させる方法が
研究および実用化されている。この水銀合金ペレット
は、例えば亜鉛と水銀との合金であり、亜鉛が水銀放出
金属基体となっており、これに水銀が過剰溶融していて
熱を加えると過剰水銀が放出される物質である。過剰水
銀が放出された後は適正量の水銀が金属と合金を形成し
ている水銀放出金属基体が残る。このような水銀合金ペ
レットであれば、水銀を合金粒塊の状態で取り扱えるか
ら、定量管理が容易であり、封入量を高精度に規制する
ことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような水銀合金ペレットは、この合金ペレットの製造過
程や保管時に外部の不純ガスが吸着されることが多い。
このような水銀合金ペレットをバルブに投入して外部か
ら加熱すると、水銀とともに不純ガスもバルブ内に放出
される。
【0004】このような不純ガスは、始動電圧を引き上
げる原因になり、またバルブ壁に付着して黒化を発生さ
せ、早期に光束の低下を招くなどの不具合がある。本発
明はこのような事情にもとづきなされたもので、その目
的とするのは、蛍光体被膜がゲッタ作用を奏する点に着
目し、水銀合金や水銀放出金属基体から放出された不純
ガスを蛍光体被膜が吸着するようにし、始動電圧の上昇
やバルブの黒化を防止することができる低圧水銀蒸気放
電灯およびこれを用いた照明装置を提供しようとするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電極
手段を有するバルブの内面に蛍光体被膜を形成し、この
バルブ内に、ランプ動作時のバルブ壁温度を越えかつバ
ルブの軟化温度未満で溶融し、水銀放出後は実質的に水
銀を再吸収しない水銀放出金属基体を封入してなり、上
記蛍光体被膜はバルブ軸方向に沿って膜厚差を有してお
り、この蛍光体被膜の膜厚の厚い方のバルブ端部に上記
水銀放出金属基体が固着されていることを特徴とする低
圧水銀蒸気放電灯である。
【0006】請求項2の発明は、請求項1の低圧水銀蒸
気放電灯において、蛍光体被膜の膜厚差は、最大の膜厚
が最小の膜厚に対して1.3倍以上であることを特徴と
する。
【0007】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2に記載の低圧水銀蒸気放電灯において、バルブは、ガ
ラスチューブと、このガラスチューブの端部を封止する
とともに上記電極を支持するステムとを備え、水銀放出
金属基体は、蛍光体被膜の膜厚の厚い方のバルブ端部に
位置して上記ガラスチューブとステムとの境界部分に固
着されていることを特徴とする。
【0008】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3のいずれか1に記載の低圧水銀蒸気放電灯において、
バルブは環形であり、水銀放出金属基体は、上記環形バ
ルブの排気管が接続された端部と反対側の端部に固着さ
れていることを特徴とする。
【0009】請求項5の発明は、請求項4に記載の低圧
水銀蒸気放電灯において、環形バルブの端部には節部が
形成されており、この節部に水銀放出金属基体が固着さ
れていることを特徴とする。
【0010】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
5のいずれか1に記載の低圧水銀蒸気放電灯において、
水銀放出金属基体は、亜鉛を主体とすることを特徴とす
る。請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいず
れか1に記載の低圧水銀蒸気放電灯と;このランプを点
灯させる点灯回路装置と;これら蛍光ランプおよび点灯
回路装置が取り付けられた照明器具と;を具備したこと
を特徴とする照明装置である。
【0011】
【作用】請求項1の発明によると、水銀放出金属基体が
蛍光体被膜の膜厚の厚い方のバルブ端部に固着されてい
るから、水銀放出金属基体およびこれが水銀放出前の合
金状態のときに放出される不純ガスは、蛍光体被膜に良
好に吸着される。蛍光体は本来的に不純ガスを吸着する
ゲッタ作用を有しており、しかも体積が大きい程吸着能
力に優れていることから、蛍光体被膜の膜厚の大きい方
のバルブ端部に水銀放出金属基体を固着すれば、この水
銀放出金属基体から放出された不純ガスは距離の近い箇
所にある吸着能力の大きな蛍光体被膜に吸着されること
になり、バルブ全体に拡散するのが防止される。このた
め、水銀放出金属基体および水銀合金から放出された不
純ガスがバルブ内に残留する割合が少なくなり、始動電
圧の上昇を抑止し、バルブの黒化を防止することができ
る。なお、バルブ内面に蛍光体被膜を形成した場合、蛍
光体塗布液の流れ具合によりバルブの軸方向に沿って膜
厚の差が生じる。このため、膜厚の厚い方のバルブ端部
に水銀放出金属基体を固着すればよい。
【0012】請求項2の発明によれば、蛍光体被膜の膜
厚差が、最大膜厚が最小膜厚の1.3倍以上である場合
に膜厚の厚い方のバルブ端部に水銀放出金属基体を固着
するから、反対側に固着するよりも顕著な効果が得られ
る。
【0013】請求項3の発明によれば、水銀放出金属基
体を、ガラスチューブとステムとの境界部分に固着した
から、この部分は蛍光体被膜が存在しない部分であり、
水銀合金から水銀を蒸発飛散させる場合に外部から加熱
しても、蛍光体被膜を熱劣化させることがない。
【0014】請求項4の発明によれば、バルブは環形に
曲げられた形状をなしているから、曲げ加工において蛍
光体被膜に膜厚差が顕著に発生する。特に排気管が接続
された端部側が他端側に比べて大きく伸び、したがっ
て、この膜厚の厚い方のバルブ端部に水銀放出金属基体
を固着すれば、さらにゲッタ機能が高くなり、始動電圧
の上昇が抑止され、バルブの黒化も防止される。
【0015】請求項5の発明によれば、環形バルブの端
部に形成された節部に水銀放出金属基体が固着されてい
るから、水銀放出金属基体の固着接触面積が大きく、脱
落し難い。
【0016】請求項6の発明によれば、水銀放出金属基
体は亜鉛を主体とするから、亜鉛と水銀の合金はランプ
動作時のバルブ壁温度を越えかつバルブの軟化温度未満
で溶融するので、外部からの加熱によりこの温度範囲で
容易に溶融してバルブに固着させることができる。請求
項7の発明によれば、上記蛍光ランプの特徴を兼ね備え
た照明装置を提供することができる。
【0017】
【実施例】以下本発明について、図1ないし図3に示す
第1の実施例にもとづき説明する。図において1は環形
螢光ランプのバルブであり、鉛成分を含むソーダライム
ガラスからなるチューブを略円環形に曲げて形成されて
いる。バルブ1の両端部は互いに向かい合うように対向
されており、これら両端部にはそれぞれフレアステム
2、2が封着されている。これらステム2、2にはそれ
ぞれ排気管3、3およびウエルズ4、4が気密に貫通さ
れており、これらウエルズ4、4にはフィラメント電極
5が架設されている。電極5はタングステンワイヤを2
重コイルまたは3重コイルに形成して構成されており、
図示しないエミッタが塗布されている。
【0018】なお、一方の排気管3はこのステム2をバ
ルブ1に溶着する前に閉塞されており、他方の排気管3
は封止工程の後に封止切りされている。上記バルブ1の
端部には、バルブ1を曲げ加工する場合に曲げマシン側
のチャックで掴み易くなるように、モールド成形により
縮径加工された節部6a、6bが形成されている。
【0019】バルブ1の内面には蛍光体被膜7が形成さ
れている。蛍光体被膜7は3波長発光形蛍光体または白
色発光蛍光体からなり、バルブ1の内面全体に被着され
ている。バルブ1の内面に蛍光体被膜7を形成する場合
は、バルブ1が未だ曲げられていない直管形チューブの
ときにバルブ軸を垂直方向にして支持し、上端開口部か
ら蛍光体溶液を流し、バルブ内面に塗布する。この場
合、蛍光体溶液は重力により垂れ落ちるから、蛍光体被
膜7はバルブ1の上端側に比べて下端側で肉厚が厚くな
る。したがって、バルブ1の管軸方向に沿って蛍光体被
膜7は膜厚差を有することになる。このような直管形バ
ルブの場合、蛍光体被膜7の両端の膜厚差は約1.3倍
程度である。
【0020】しかも本実施例のランプは環形であるか
ら、上記直管形のガラスチューブを曲げ加工して得られ
る。この曲げ加工は、バルブ1の一端から突出されてい
る未だ封止切りされていない排気管3を図示しない排気
マシンに接続し、この排気管3側の上記節部6aを排気
マシンのチャックで挾持し、他端側の節部6bを曲げ成
形用ドラム側のチャックで挾持する。この状態でバルブ
を加熱して軟化し、曲げ成形用ドラムを回転させること
によりこのドラムの外周に上記ガラスチューブを巻き取
るようにする。すると、バルブは曲げ成形用ドラムの外
周に倣って環形に曲げ加工される。この際、バルブにし
わが発生しないようにバルブを引っ張りながらドラムに
巻き取るようになっており、よってバルブ1は開放され
た排気管3を備えた一端側が他端側に比べて伸びる。こ
の伸びに伴い、内面に形成されている蛍光体被膜7も上
記開放された排気管3を備えた一端側が他端側に比べて
大きく伸びるという傾向にある。このため蛍光体被膜7
は、開放された排気管3を備えた一端側よりも排気管の
ない他端側の膜厚が厚くなる。この場合の蛍光体被膜7
の膜厚差は1.5倍以上になることもある。
【0021】バルブ1内には水銀放出金属基体8が固定
されている。この水銀放出金属基体8は例えば亜鉛と水
銀の合金からなり、バルブ1に投入される前は水銀が過
剰に溶融されたペレット状になっており、このペレット
は水銀濃度が50〜60重量%の粒状になっていて、直
径約1.5mm程度の大きさの粒となっている。
【0022】このような合金ペレットは上記開放された
排気管3を通じてバルブ1内に投与され、外から加熱す
ることにより過剰水銀を放出し、同時バルブ壁に溶着さ
れる。この場合、水銀合金は蛍光体被膜7が形成されて
いないバルブ1の端部に固着され、しかも上記螢光体被
膜7の膜厚が厚い方の端部に固定されている。
【0023】本実施例の環形蛍光ランプの場合は、水銀
合金ペレットを既に封止されている排気管3側のバルブ
端部に固定し、しかも節部6bよりもバルブ端部側に位
置し、ガラスチューブとステム2との境界部分に溶着さ
せてある。この加熱溶着により水銀が放出され、よって
溶着後の水銀合金ペレットは適正量の水銀が残留した亜
鉛との合金であり、これを水銀放出金属基体8と称して
いる。この水銀放出金属基体8は過剰水銀を放出した後
は、水銀の再吸収は実質的に行われず、アマルガムのよ
うにバルブ内の水銀蒸気圧に影響を及ぼす程再吸収しな
い 上記バルブ1内には、上記合金ペレットから蒸発された
水銀およびアルゴンなどからなる希ガスを含む可電離性
媒体が封入されている。
【0024】このようなランプは以下のようにして製造
される。直管形のソーダライムガラスからなるチューブ
をバルブ軸を垂直方向にして支持し、上端開口部から蛍
光体溶液を流し、バルブ内面に塗布する。この蛍光体被
膜7が乾燥すると、外部から加熱してこの蛍光体被膜7
を焼成する。これにより、蛍光体被膜7の膜厚はバルブ
1の下端側が上端側に比べて厚く形成される。
【0025】上記ガラスチューブの両端部に、電極5と
排気管3を備えた鉛ガラスからなるステム2をそれぞれ
封止する。このとき、上記バルブ1の下端側に相当する
一方の排気管3は閉塞されており、上端側に相当する他
方の排気管3は開放されている。また、上記ステム2を
封止するとき、ガラスが柔らかいうちにガラスチューブ
とステム2の境界部に節部6a,6bをモールド成形す
る。
【0026】この後、上記開放された排気管3が連結さ
れたバルブ端部を上にしてバルブ1を垂直姿勢にし、こ
の排気管3を図示しない排気マシンに接続するととも
に、この上端部の節部6aを排気マシンのチャックで挾
持し、かつ下端部の節部6bを曲げ成形用ドラム側のチ
ャックで挾持する。この状態でバルブ全体を加熱して軟
化させる。この軟化後、曲げ成形用ドラムを回転させて
このドラムの外周に上記軟化したバルブ1を巻き付け
る。すると、バルブ1は曲げ成形用ドラムの外周に沿っ
て環形に曲げ加工される。このとき、バルブ1内のガス
圧を高めバルブが潰れないようにし、同時にバルブを引
っ張りながらドラムに巻き取るようにしてバルブにしわ
が発生しないようにする。
【0027】このような曲げ成形により、開放されない
排気管が連結されているバルブ端部、すなわち節部6b
側の蛍光体被膜7の膜厚が、反対側端部の膜厚より漸次
大きくなる。
【0028】この曲げ成形が終わると、ランプ全体を加
熱しながら開放されている排気管3から排気を行い、希
ガスとガス置換する。そして、この排気管3より水銀合
金ペレットをバルブ1内に投与する。この後、排気管3
をチップオフする。
【0029】次にバルブ1の姿勢を変えて、投入した水
銀合金ペレットを他方の節部6b側の端部に移動させ、
この節部6bのガラスチューブとステム2の境界部に位
置させる。この状態で、外部から水銀合金ペレットを加
熱する。この時の加熱温度は、ランプ動作時のバルブ管
壁温度を越え、しかしながらガラスの軟化温度未満であ
る。この加熱により水銀合金ペレットは過剰水銀を放出
し、かつ溶融して上記節部6bのガラスチューブとステ
ム2の境界部に固着する。したがって、この境界部には
過剰水銀が放出された後の水銀放出金属基体8が溶融固
着される。
【0030】上記水銀合金ペレットを加熱する場合は、
以下の条件を満足することが望ましい。水銀と亜鉛が5
0重量%:50重量%からなる直径約1.5mmの水銀合
金ペレットは、ランプ動作時のバルブ管壁温度を越え、
かつガラスの軟化温度未満の温度、すなわちバルブ壁の
温度が300℃程度になるように加熱し、この状態を3
0秒間保つ。これにより水銀合金ペレットは過剰水銀を
放出し、かつ溶融する。この後、水銀合金ペレットを自
然冷却により固化させるが、この際、バルブ1に0.0
9〜0.35G程度の微小振動を20秒間与えて溶融状
態の水銀合金ペレットを揺すり、ガラス面に馴染ませて
濡れ性を高める。
【0031】これにより水銀放出金属基体8が節部6b
のガラスチューブとステム2の境界部に固着されること
になる。この水銀放出金属基体8の固定位置は、蛍光体
被膜7における膜厚の厚い方のバルブ端部となる。
【0032】上記のような構成の蛍光ランプは、図3に
示されるような照明器具10に取り付けられて照明装置
を構成する。照明器具10は反射傘11と、安定器ハウ
ジング12とからなり、安定器ハウジング12には点灯
回路部品としての安定器13が収容されている。上記照
明器具10に取り付けられた蛍光ランプは安定器13に
より点灯が保たれる。
【0033】このような構成の第1実施例の蛍光ランプ
および照明装置の作用を説明する。ランプを点灯する
と、水銀が電離および励起されて紫外線が放出され、こ
の紫外線は蛍光体被膜7により可視光に変換されてバル
ブ1の外部に放射される。このようなランプから出た光
は、例えば照明器具10の反射傘11を介して反射さ
れ、下方照明として機能する。
【0034】上記蛍光ランプにおいては、水銀合金ペレ
ットおよびこのペレットから過剰水銀が放出されて残っ
た水銀放出金属基体8は、蛍光体被膜7における膜厚の
厚い方のバルブ端部に固着されているから、水銀ペレッ
トのときまたは水銀放出金属基体8から不純ガスが放出
されるようなことがあってもこの不純ガスは距離的に近
い箇所の蛍光体被膜7のゲッタ作用により吸着される。
特に、この水銀放出金属基体8の近傍の蛍光体被膜7は
膜厚が厚く形成されているから、ゲッタ作用が大きく、
したがって水銀ペレットのとき、または水銀放出金属基
体8から放出される不純ガスは、バルブ1の空間に拡散
するまえに膜厚の厚い箇所の蛍光体被膜7に吸着される
ようになる。このため、水銀および希ガスを含む放電媒
体に不純ガスが混合されず、よって始動電圧が高くなっ
たり、蛍光体やバルブ壁が黒化することがなくなる。
【0035】蛍光体被膜7の膜厚差は、最大膜厚が最小
膜厚の1.3倍以上である場合に水銀放出金属基体8を
膜厚の厚い方のバルブ端部に固着すると顕著な効果が得
られる。膜厚差が1.3倍未満であると、区別すること
による顕著な差異が確認できない。特に、環形蛍光ラン
プの場合、バルブ1を曲げ加工する場合、開放された排
気管3が接続された端部側が他端側に比べて大きく伸
び、同時に蛍光体被膜7も大きく伸びて膜厚が薄くな
る。よって、バルブの排気管が接続された端部と反対側
の端部に蛍光体被膜はさらに膜厚が厚くなり、例えば膜
厚差が1.5倍にも達することもある。よって、この膜
厚の厚い方のバルブ端部に水銀放出金属基体8を固着す
れば、その効果が顕著になる。
【0036】さらに、上記実施例のランプは環形蛍光ラ
ンプであり、この環形蛍光ランプはバルブ1の端部に節
部6a、6bが形成されるから、その一方の節部6bに
水銀放出金属基体8を固着すれば、水銀放出金属基体8
のバルブに対する接触面積が大きくなり、固着強度が大
きくなるから脱落し難い。
【0037】そして、さらに水銀放出金属基体8を、ガ
ラスチューブとステム2との境界部分に固着すれば、こ
の部分は蛍光体被膜7が存在しない位置であるから、水
銀合金ペレットから水銀を蒸発飛散させる場合に外部か
ら加熱しても、蛍光体被膜7を熱劣化させることはな
い。
【0038】そしてまた、水銀放出金属基体7を、亜鉛
を主体とする水銀合金により形成すれば、この合金は3
00℃程度の温度で30秒間加熱すれば、過剰水銀を放
出するとともに溶融してバルブ2に固着する。この加熱
温度は、ランプ動作時のバルブ壁温度を越え、しかしな
がらバルブの軟化温度未満であるから、バルブが軟化す
る心配がなく、熱変形が防止できる。
【0039】そして、このような蛍光ランプを光源とし
て用いた図3の照明装置であれば、ランプ自身の黒化が
防止されるので、長期に亘り高い光束を維持することが
できる。
【0040】なお、上記実施例では環形蛍光ランプの場
合について説明したが、本発明はこれに限らず、図4に
示す第2の実施例のように、直管形蛍光ランプであって
も実施できる。直管形蛍光ランプの場合、直管形のバル
ブ2の内面に蛍光体被膜7を形成する場合、バルブ軸を
鉛直姿勢にして支持し、上端開口部から蛍光体溶液を流
してバルブ内面に塗布する。この場合、蛍光体溶液が垂
れ流れるから、蛍光体被膜7の膜厚はバルブ1の下端側
が上端側に比べて厚く形成される。
【0041】したがって、水銀放出金属基体8は蛍光体
被膜7の膜厚の厚い方のバルブ端部に固着すれば、この
蛍光体被膜7のゲッタ作用により、合金ペレットや水銀
放出金属基体8から放出された不純ガスが効果敵に的に
吸着されることになる。
【0042】また、本発明は上記各実施例に示された蛍
光ランプに限らず、その他、U字、W字、H字、鞍形な
どの屈曲形蛍光ランプ、または要するに水銀合金ペレッ
トを用いてバルブ内に水銀を封入してなる低圧金属蒸気
放電灯には実施可能である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、水銀放出金属基体を蛍光体被膜の膜厚の厚い方の
バルブ端部に固着したから、水銀放出金属基体およびこ
れが水銀放出前のときに放出される不純ガスは、蛍光体
被膜に良好に吸着されるようになり、不純ガスがバルブ
全体に拡散するのが防止される。このため、始動電圧の
上昇が抑止され、かつバルブの黒化が防止される。
【0044】請求項2の発明によれば、蛍光体被膜の膜
厚差が1.3倍以上である場合に膜厚の厚い方のバルブ
端部に水銀放出金属基体を固着したから、反対側に固着
するよりも顕著な効果が得られる。
【0045】請求項3の発明によれば、水銀放出金属基
体をガラスチューブとステムとの境界部分に固着したか
ら、この部分は蛍光体被膜が存在しない部分であり、水
銀合金から水銀を蒸発飛散させる場合に外部から加熱し
ても蛍光体被膜を熱劣化させることがない。
【0046】請求項4の発明によれば、バルブは環形に
曲げられた形状をなしているから蛍光体被膜に大きな膜
厚差が発生し、特に排気管が接続された端部側が他端側
に比べて大きく伸び、したがってこの膜厚の厚い方のバ
ルブ端部に水銀放出金属基体を固着すれば、さらにゲッ
タ機能が高くなり、始動電圧の上昇を抑止し、バルブの
黒化も防止する。
【0047】請求項5の発明によれば、環形バルブの端
部に形成された節部に水銀放出金属基体を固着したか
ら、水銀放出金属基体の固着接触面積が大きく、脱落し
難い。請求項6の発明によれば、水銀放出金属基体は亜
鉛を主体とするから、亜鉛と水銀の合金はランプ動作時
のバルブ壁温度を越えかつバルブの軟化温度未満で溶融
するので、外部からの加熱によりこの温度範囲で容易に
溶融してバルブに固着させることができる。請求項7の
発明によれば、上記蛍光ランプの特徴を兼ね備えた照明
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す環形螢光ランプの
平面図。
【図2】同実施例の環形螢光ランプの端部を示す拡大し
た断面図。
【図3】同実施例の環形螢光ランプを光源とした照明装
置の構成を示す図。
【図4】本発明の第2の実施例を示す直管形螢光ランプ
の断面図。
【符号の説明】
1…バルブ 2…ステム 3…排気管 4…ウエルズ 5…電極 6a、6b…節部 7…蛍光体被膜 8…水銀放出金属基体 10…照明器具 13…安定器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水銀および希ガスを含む放電媒体が封入
    されたバルブと;このバルブ内に放電を発生させる電極
    手段と;このバルブの内面に形成されバルブ軸方向に沿
    って膜厚差を有する蛍光体被膜と;上記バルブ内で、上
    記蛍光体被膜の膜厚の厚い方のバルブ端部に固着され、
    ランプ動作時のバルブ壁温度を越えかつバルブの軟化温
    度未満で溶融し、上記水銀放出後は実質的に水銀を再吸
    収しない水銀放出金属基体と;を具備したことを特徴と
    する低圧水銀蒸気放電灯。
  2. 【請求項2】 上記蛍光体被膜は、最大の膜厚が最小の
    膜厚に対して1.3倍以上であることを特徴とする請求
    項1に記載の低圧水銀蒸気放電灯。
  3. 【請求項3】 上記バルブは、ガラスチューブと、この
    ガラスチューブの端部を封止するとともに上記電極を支
    持するステムとを備え、上記水銀放出金属基体は、上記
    蛍光体被膜の膜厚の厚い方のバルブ端部に位置して上記
    ガラスチューブとステムとの境界部分に固着されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の低圧
    水銀蒸気放電灯。
  4. 【請求項4】 上記バルブは環形であり、上記水銀放出
    金属基体は、上記環形バルブの排気管が接続された端部
    と反対側の端部に固着されていることを特徴とする請求
    項1ないし請求項3のいずれか1に記載の低圧水銀蒸気
    放電灯。
  5. 【請求項5】 上記環形バルブの端部には節部が形成さ
    れており、この節部に水銀放出金属基体が固着されてい
    ることを特徴とする請求項4に記載の低圧水銀蒸気放電
    灯。
  6. 【請求項6】 水銀放出金属基体は、亜鉛を主体とする
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1
    に記載の低圧水銀蒸気放電灯。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか1に
    記載の低圧水銀蒸気放電灯と;このランプを点灯させる
    点灯回路装置と;これら蛍光ランプおよび点灯回路装置
    が取り付けられた照明器具と;を具備したことを特徴と
    する照明装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008288156A (ja) * 2007-05-21 2008-11-27 Dialight Japan Co Ltd 蛍光発光管
JP2010198768A (ja) * 2009-02-23 2010-09-09 Nichia Corp 蛍光ランプ及び蛍光ランプの製造方法

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