JPH08273530A - 電子放出素子、電子源、表示パネルおよび画像形成装置の製造方法 - Google Patents

電子放出素子、電子源、表示パネルおよび画像形成装置の製造方法

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JPH08273530A
JPH08273530A JP9770895A JP9770895A JPH08273530A JP H08273530 A JPH08273530 A JP H08273530A JP 9770895 A JP9770895 A JP 9770895A JP 9770895 A JP9770895 A JP 9770895A JP H08273530 A JPH08273530 A JP H08273530A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 従来技術における電子放出部形成用薄膜の製
造工程を簡略化し、低コストの電子放出素子、電子源、
表示パネルおよび画像形成装置の製造方法を提供する。 【構成】 電極2,3間に、電子放出部5が形成された
導電性膜4を有する電子放出素子の製造方法において、
電子放出部が形成される導電性膜の形成工程が、金属コ
ロイドを含む水溶液を液滴化して基板上に付与する工程
と、付与された該水溶液を加熱する工程とを有する電子
放出素子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子放出素子の製造方法
に関し、更に詳しくはインクジェット方式を利用して形
成した電子放出素子およびそれを用いた電子源、表示パ
ネルおよび画像形成装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子としては熱電子源と
冷陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源に
は電界放出型素子(以下FE型素子と略す)、金属/絶
縁層/金属型素子(以下MIM素子と略す)、表面伝導
型電子放出素子等がある。
【0003】FE型素子の報告例としてはW.P. Dyke &
W.W. Dolan, “Field emission”,Advance in Electro
n Physics, 8, 89(1956)や“Physical properties of t
hin-film field emission cathodes with molybdenum c
ones”,J. Appl. hys., 47,5248(1976)等が知られてい
る。MIM素子の報告例としてはC.A. Mead, ”Thetun
nel-emission amplifier ”A.Appl. Phys., 32, 646(19
61)等が知られている。表面伝導型電子放出素子の報告
例としてはM.I. Elinson, Radio Eng. Electron Phys.,
10,(1965)等がある。
【0004】表面伝導型電子放出素子は基板上に形成さ
れた小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことによ
り、電子放出が起こる現象を利用するものである。この
電子放出素子としては前記エリンソン等によるSnO2
薄膜を用いたもののほか、Au薄膜を用いたもの[G.Di
ttmer:“Thin Solid Films”, 9, 317(1972)] 、In2
3 /SnO2 薄膜を用いたもの[M. Hartwell and C.
G. Fonstad: ”IEEE Trans. ED Conf.”, 519(1975)]、
カーボン薄膜を用いたもの[荒木久 他:真空、第26
巻、第1号、22頁(1983)]等が報告されている。
【0005】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成として前述のM.ハートウェルの素子構成を
図14により説明する。同図において1は絶縁性基板、
2および3は素子に電圧を印加するための一対の素子電
極、4は電子放出部を含む薄膜で、スパッタで形成され
た金属酸化物薄膜等からなり、後述の通電フォーミング
と呼ばれる通電処理により電子放出部5が形成される。
尚、図中の素子電極間隔Lは、0.5mm〜1mm、素
子の幅W’は約0.1mmで設定されている。Wは素子
電極の幅、dは素子電極の厚さを表している。また、電
子放出部5の位置及び形状については模式図とした。
【0006】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に電子放出部形成用薄膜を
予めフォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出
部5を形成するのが一般的であった。即ち、フォーミン
グとは前記電子放出部形成用薄膜の両端に電極2、3を
用いて電圧を印加通電し、電子放出部形成用薄膜を局所
的に破壊、変形もしくは変質させることにより、電気的
に高抵抗な状態の電子放出部5を形成することである。
なお、フォーミングにより電子放出部形成用薄膜の一部
に亀裂が発生しその亀裂付近から電子放出が行われ電子
放出部5となる場合もある。
【0007】前記のフォーミング処理をした表面伝導型
電子放出素子は、上述の電子放出部を含む薄膜4に電圧
を印加して素子表面に電流を流すことにより、上述の電
子放出部5より電子を放出するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
電子放出素子は主に半導体プロセスに準じたフォトリソ
グラフ技術を利用して製造されたため、大面積基板に素
子を形成することが困難であるとともに、製造コストが
高い問題があった。本発明の目的は、上記従来技術にお
ける電子放出部形成用薄膜の製造工程を簡略化し、低コ
ストの電子放出素子およびそれを用いた電子源、表示パ
ネルおよび画像形成装置の製造方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電子放出素子の
製造方法は、電極間に、電子放出部が形成された導電性
膜を有する電子放出素子の製造方法において、電子放出
部が形成される導電性膜の形成工程が、金属コロイドを
含む水溶液を液滴化して基板上に付与する工程と、付与
された該水溶液を加熱する工程とを有することを特徴と
する電子放出素子の製造方法を特徴とするものである。
【0010】さらに本発明の別の態様は、このような電
子放出素子の製造方法により形成された電子放出素子を
用いた電子源、表示パネルおよび画像形成装置の製造方
法に関するものである。
【0011】以下、本発明による電子放出素子の製造方
法について説明する。
【0012】本発明で用いられる前記の金属コロイドと
しては化学反応により製造されたもの、または物理的操
作により製造されたものを用いることができる。化学反
応としてはプロタルビン酸ナトリウム法により製造され
た水溶液、物理的操作としてはガス中蒸発法により製造
された独立分散超微粒子が挙げられる。コロイドとは、
任意の均質な媒体中に任意の大きさ(10〜1000オ
ングストローム程度)の分散体が含まれるものを意味
し、例えばImhausen社提供のコロイド状Au粒
子の場合、その粒径は電子顕微鏡写真により直径が30
0オングストロームを中心にガウス分布することが報告
されている(V.Borries,Kausche「コ
ロイド化学」B.ヤーゲンソンス/M.E.ストラウマ
ニス共著より抜載)。図6にそのコロイド状Au粒子の
直径の頻度分布を示す。なお、比較のために理論的ガウ
ス曲線(実験点のない破線)も示す。このように、金属
コロイド溶液を薄膜の原料とすることにより、初めから
比較的粒径のそろった微粒子を作成することができるた
め、作成される薄膜は均一でムラのないものとなる。前
記溶液の金属濃度範囲は、用いる金属元素の種類によっ
て最適な範囲が多少異なるが、一般には重量で0.01
%以上、5%以下の範囲が適当である。金属濃度が低す
ぎる場合、基板に所望の量の金属を付与するために多量
の前記溶液の液滴の付与が必要になり、その結果液滴付
与に要する時間が長くなるのみならず、基板上に無用に
大きな液溜りを生じてしまい所望の位置のみに金属を付
与する目的が達成できなくなる。逆に前記溶液の金属濃
度が高すぎると、基板に付与された液滴が後の工程で乾
燥あるいは焼成される際に著しく不均一化し、その結果
として電子放出部の導電膜が不均一になり電子放出素子
の特性を悪化させる。
【0013】本発明で用いられる前記の金属コロイドの
金属元素としては、Pd,Pt,Ru,Ag,Au,T
i,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,
Pbのいずれかを用いることができる。
【0014】本発明で用いられる、電子放出部導電膜の
形成のために基板に付与される液体は、上記の金属コロ
イドを含む水溶液である。さらに発明者は極性溶媒を上
記金属コロイド化合物とともに水に加えると、これを加
えない場合よりも金属コロイドの均一性が向上すること
と、基板面に付与された溶液の液滴の付着安定性が向上
することをみいだした。この溶液に適当な極性溶媒とし
てはジメチルスルホキシドが挙げられる。さらにこの極
性溶媒の濃度の範囲は重量で0.005%から70%で
ある。0.005%以下では添加の効果がほとんど確認
できない。70%以上では基板上に付与された液滴の乾
燥が遅く、工程上の取り扱いが面倒になる。
【0015】上記の金属コロイド溶液を基板に付与する
手段は、液滴を形成し付与することが可能ならば任意の
方法でよいが、特に微小な液滴を効率良く適度な精度で
発生付与でき制御性も良好なインクジェット方式が便利
である。インクジェット方式にはピエゾ素子等のメカニ
カルな衝撃により液滴を発生付与するものや、微小ヒー
タ等で液を加熱し突沸により液滴を発生付与するバブル
ジェット方式があるが、いずれの方式でも十ナノグラム
程度から数十マイクログラム程度までの微小液滴を再現
性良く発生し基板に付与することができる。
【0016】上記手段で基板に付与された金属コロイド
溶液は乾燥、焼成工程を経て導電性微粒子膜とすること
により、基板上に電子放出のための微粒子膜を形成す
る。なおここで述べる微粒子膜とは複数の微粒子が集合
した膜であり、微視的に微粒子が個々に分散配置した状
態のみならず、微粒子が互いに隣接あるいは重なり合っ
た状態(島状も含む)の膜をさす。また微粒子膜の粒径
とは、前記状態で粒子形状が認識可能な微粒子について
の径を意味する。
【0017】乾燥工程は通常用いられる自然乾燥、送風
乾燥、熱乾燥等を用いればよい。焼成工程は通常用いら
れる加熱手段を用いれば良く、300〜350℃で10
〜15分が好ましい。その際、有機金属材料を用いる時
のように熱分解させる必要はない。乾燥工程と焼成工程
とは必ずしも区別された別工程として行う必要はなく、
連続して同時に行ってもかまわない。
【0018】
【作用】上記のような方法に従い微粒子膜を形成して電
子放出用導電性薄膜とするならば、液滴付与工程におい
て基板上の任意の部位にのみ液滴を選択的に付与でき
る。従って有機金属等を基板全面に塗布し焼成してから
不要部分の導電性無機微粒子膜をフォトリソグラフ技術
を適用して除去するといった従来工程を簡略で低コスト
な工程に置き換えることができる。
【0019】本発明の製造方法に用いる、基板に液滴と
して付与する液体に含まれるジメチルスルホキシド等の
極性溶媒は水と任意に混合しやすい有機溶媒である。こ
れらは水溶液においても前記の金属コロイドを均一に分
散させるものである。このことが本発明の方法に用いる
金属コロイドの均一性が増し前記溶液の液滴が基板上で
乾く際に均一な膜を与えることに寄与するのではないか
と考えられる。
【0020】さらに、本発明で用いる金属コロイドは初
めから無機微粒子であるため、有機金属材料を用いるも
のに比べ、焼成工程を簡略化させることができ(熱分解
させる必要がない)、また電子放出部形成の際のフォー
ミングパワーを20〜30%低下させることができる。
【0021】次に、本発明の製造方法により形成される
電子放出素子の基本的な構成としては、平面型及び垂直
型の2つの構成が上げられる。
【0022】まず、電子放出素子の構成について説明す
る。
【0023】図1はそれぞれ本発明に好適な基本的な電
子放出素子の基本的な構成を示す模式的平面図である。
図1を用いて本発明に好適な基本的な電子放出素子の基
本的な構成を説明する。
【0024】図1において、1は絶縁性基板、2、3は
素子電極、4は導電性薄膜、5は電子放出部である。絶
縁性基板1としては、石英ガラス、Naなどの不純物含
有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガラスにスパ
ッタ法等により形成したSiO2 を積層したガラス基板
等及びアルミナ等のセラミックス等が用いられる。
【0025】対向する素子電極2、3の材料としては、
一般的導体材料が用いられ、例えばNi,Cr,Au,
Mo,W,Pt,Ti,Al,Cu,Pd等の金属或は
合金およびPd,Ag,Au,RuO2 ,Pd−Ag等
の金属或は金属酸化物とガラス等から構成される印刷導
体、In23 −SnO2 等の透明導体およびポリシリ
コン等の半導体材料等より適宜選択される。
【0026】素子電極間隔(L)及び素子電極長さ
(W)の形状等は、応用される形態等によって適宜設計
される。
【0027】素子電極間隔(L)は、好ましくは、数百
オングストロームより数百マイクロメートルであり、よ
り好ましくは、素子電極間に印加する電圧等により、数
マイクロメートルより数十マイクロメートルである。
【0028】素子電極長さ(W)は、好ましくは、電極
の抵抗値、電子放出特性により、数マイクロメートルよ
り数百マイクロメートルであり、また素子電極2、3の
膜厚dは、数百オングストロームより数マイクロメート
ルである。
【0029】尚、図1の構成だけでなく、絶縁性基板1
の上に、導電性薄膜4、対向する素子電極2、3の順に
積層構成としてもよい。
【0030】導電性薄膜4は、良好な電子放出特性を得
るためには微粒子で構成された微粒子膜が特に好まし
く、その膜厚は素子電極2、3へのステップカバレー
ジ、素子電極2、3間の抵抗値及び後述する通電フォー
ミング条件等によって、適宜設定され、好ましくは数オ
ングストロームより数千オングストロームで、特に好ま
しくは10オングストロームより500オングストロー
ムであり、その抵抗値は、10の2乗から10の7乗オ
ーム/□のシート抵抗値である。
【0031】なお、ここで述べる微粒子の粒径は、数オ
ングストロームより数千オングストローム、好ましくは
10オングストロームより200オングストロームであ
る。また、前記導電性薄膜4を構成する材料は、Pd,
Pt,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,Cr,F
e,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金属、PdO、S
nO2 、In23 、PbO、Sb23 等の金属酸化
物、HfB2 、ZrB2 、LaB6 、CeB6 、YB
4 、GdB4 等の金属硼素化物、TiC、ZrC、Hf
C、TaC、SiC、WC等の金属炭化物、TiN、Z
rN、HfN等の金属窒化物、Si、Ge等の半導体、
カーボン等があげられる。
【0032】前記電子放出部5は、導電性薄膜4の一部
に形成される高抵抗の亀裂であり、導電性薄膜4の膜
厚、膜質、材料及び後述する通電フォーミングなどの製
法に依存して形成される。また、数オングストロームよ
り数百オングストロームの粒径の導電性微粒子を有する
こともある。この導電性微粒子は、導電性薄膜4を形成
する材料の元素の一部、あるいは全てと同様のものであ
る。また、電子放出部5及びその近傍の導電性薄膜4に
は、炭素及び炭素化合物を有することもある。
【0033】次に本発明に好適な別な構成の電子放出素
子である垂直型電子放出素子について説明する。
【0034】図2は、本発明に好適な基本的な垂直型電
子放出素子の構成を示す模式的図面である。図2におい
て、図1と同一の符号のものは同一である。21は段差
形成部である。基板1、素子電極2、3、導電性薄膜
4、電子放出部5は前述した平面型電子放出素子と同様
の材料で構成されたものであり、段差形成部21は、真
空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成されたSiO2
等の絶縁性材料で構成され、段差形成部21の膜厚が先
に述べた平面型電子放出素子の素子電極間隔Lに対応
し、数百オングストロームより数十マイクロメートルで
あり、段差形成部の製法及び素子電極間に印加する電圧
により設定されるが、好ましくは数百オングストローム
より数十マイクロメートルである。
【0035】導電性薄膜4は、素子電極2、3と段差形
成部21を作成後に形成するため、素子電極2、3の上
に積層される。なお、電子放出部5は、図2において、
段差形成部21に直線状に示されているが、作成条件、
通電フォーミング条件などに依存し、形状、位置ともこ
れに限るものではない。
【0036】上述の電子放出素子の製造方法としては様
々な方法が考えられるが、その一例を図3に示す。
【0037】以下に順を追って電子放出素子の製造方法
の概略を図1及び図3に基づいて説明する。図1と同一
の符号のものは同一の部材を示す。
【0038】以下、順をおって電子放出素子の製造方法
の概略を図に基づいて説明する。
【0039】1)絶縁性基板1を洗剤、純水および有機
溶剤により十分に洗浄後、電極材料の堆積とフォトリソ
グラフィー技術等による同材料の部分的除去工程によっ
て、あるいは印刷技術によって、前記絶縁性基板1の面
上に素子電極2、3を形成する(図3(a))。
【0040】2)液滴付与手段21を用いて、例えば、
無機コロイドを含む水溶液の液滴22を、絶縁性基板の
素子電極2と3のギャップ部分に、両電極にまたがるよ
うに付与して液溜り23を形成する(図3(b))。こ
の基板を乾燥、焼成して電子放出部形成用薄膜4を形成
する(図3(c))。
【0041】3)つづいて、真空容器中においてフォー
ミングと呼ばれる通電処理を行う。素子電極2、3間に
電圧を不図示の電源によりパルス状あるいは、高速の昇
電圧による通電処理がおこなわれると、電子放出部形成
用薄膜4の部位に構造の変化した電子放出部5が形成さ
れる(図3(d))。この電子放出部5は電子放出部形
成用薄膜4が前記の通電処理により局所的に破壊、変形
もしくは変質し、構造の変化した部位である。先に説明
したように、電子放出部5は導電性微粒子で構成されて
いることが観察されている。
【0042】フォーミング処理の電圧波形を図4に示
す。図4中、T1およびT2は電圧波形のパルス幅とパ
ルス間隔であり、T1を1マイクロ秒〜10ミリ秒、T
2を10マイクロ秒〜100ミリ秒とし、三角波の波高
値(フォーミング時のピーク電圧)は4V〜10V程度
である。フォーミング処理は真空雰囲気下で素子の電極
間に前記の電圧波形を数十秒間程度適宜印加して行っ
た。
【0043】以上の説明では電子放出部の形成のため
に、素子の電極間に三角波パルスを印加してフォーミン
グ処理を行っているが、素子の電極間に印加する波形は
三角波に限定することはなく、矩形波など所望の波形を
用いても良く、その波高値およびパルス幅、パルス間隔
等についても上述の値に限ることなく、電子放出部が良
好に形成されれば所望の値を選択することができる。
【0044】4)つづいて上記フォーミングを行った素
子に、活性化と呼ばれる処理を行うことが望ましい。こ
こに言う活性化は、適当な真空度、例えば10-4〜10
-5torrの真空度の下に前記のフォーミングと同様の
パルス電圧を素子に繰り返し印加する処理のことであ
る。活性化処理は希薄に存在する有機化合物に由来する
炭素あるいは炭素化合物を電子放出部形成用薄膜上に堆
積させ、電子放出素子の素子電流If、放出電流Ieを
著しく変化させる。活性化は、例えば放出電流Ieがほ
ぼ飽和に達した時点で終了させればよい。
【0045】上述のような素子構成と製造方法によって
作成された本発明にかかわる電子放出素子の基本特性に
ついて図5、図6を用いて説明する。
【0046】図5は、図1で示した構成を有する素子の
電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略構成
図である。電子放出素子の素子電流If、放出電流Ie
の測定にあたっては、素子電極2、3に電源31と電流
計30とを接続し、該電子放出素子の上方に電源33と
電流計32とを接続したアノード電極34を配置してい
る。図5において、1は絶縁性基体、2および3は素子
電極、4は電子放出部を含む薄膜、5は電子放出部を示
す。また、31は素子に素子電圧Vfを印加するための
電源、30は素子電極2、3間の電子放出部を含む薄膜
4を流れる素子電流Ifを測定するための電流計、34
は素子の電子放出部より放出される放出電流Ieを捕捉
するためのアノード電極、33はアノード電極34に電
圧を印加するための高圧電源、32は素子の電子放出部
3より放出される放出電流Ieを測定するための電流計
である。
【0047】また、本電子放出素子およびアノード電極
34は真空装置内に設置され、その真空装置には不図示
の排気ポンプおよび真空計等の真空装置に必要な機器が
具備されており、所望の真空下で本素子の測定評価を行
えるようになっている。なお、アノード電極の電圧は1
kV〜10kV、アノード電極と電子放出素子との距離
Hは2mm〜8mmの範囲で測定した。
【0048】さらに、本発明者等は、上述の本発明に係
わる電子放出素子の特性を鋭意検討した結果、本発明の
原理となる特性上の特徴を見いだした。図5に示した測
定評価装置により測定された放出電流Ieおよび素子電
流Ifと素子電圧Vfの関係の典型的な例を図5に示
す。なお、放出電流Ieは素子電流Ifの大きさは著し
く異なる。図6ではIf、Ieの変化の定性的比較のた
めにリニアスケールで任意単位で表記した。
【0049】本電子放出素子は放出電流Ieに対する三
つの特徴を有する。まず第一に、図6からも明らかなよ
うに、本素子はある電圧(しきい値電圧と呼ぶ、図6中
のVth)以上の素子電圧を印加すると急激に放出電流
Ieが増加し、一方しきい値電圧Vth以下では放出電
流Ieがほとんど検出されない。すなわち、放出電流I
eに対する明確なしきい値電圧Vthを持った非線形素
子である。第二に、放出電流Ieが素子電圧Vfに依存
するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御できる。
第三に、アノード電極34に捕捉される放出電荷は、素
子電圧Vfを印加する時間に依存する。すなわち、アノ
ード電極34に捕捉される電荷量は、素子電圧Vfを印
加する時間により制御できる。以上のような特性を有す
るため、本発明にかかわる電子放出素子は、多方面への
応用が期待できる。
【0050】また、素子電流Ifが素子電圧Vfに対し
て単調増加する特性(MI特性と呼ぶ)の例を図6に示
したが、この他にも素子電流Ifが素子電圧Vfに対し
て電圧制御型負性抵抗特性(VCNR特性と呼ぶ)を示
す場合もある(不図示)。なおこの場合も、本電子放出
素子は上述した三つの特性上の特徴を有する。
【0051】なお、以上電子放出素子の基本的な構成、
製法について述べたが、本発明の思想によれば、電子放
出素子の特性で前記の3つの特徴を有すれば、上述の構
成等に限定されず、後述の電子源、表示装置等の画像形
成装置に於ても利用できる。
【0052】次に、本発明の電子源、表示パネルおよび
画像形成装置の製造方法およびこれらの方法によって得
られる電子源、表示パネルおよび画像形成装置について
説明する。まず、電子源の製造方法は、電子放出素子
と、該素子への電圧印加手段とを具備する電子源の製造
方法であって、該電子放出素子を上記の本発明の電子放
出素子の製造方法で作製することを特徴とする方法であ
る。また、表示パネルの製造方法は、電子放出素子およ
び該素子への電圧印加手段を具備する電子源と、該素子
から放出される電子を受けて発光する発光体とを具備す
る表示パネルの製造方法であって、該電子放出素子を上
記の本発明の電子放出素子の製造方法で作製することを
特徴とする方法である。さらに、画像形成装置の製造方
法は、電子放出素子および該素子への電圧印加手段を具
備する電子源と、該素子から放出される電子を受けて発
光する発光体と、外部信号に基づいて該素子へ印加する
電圧を制御する駆動回路とを具備する画像形成装置の製
造方法であって、該電子放出素子を上記の本発明の電子
放出素子の製造方法で作製することを特徴とする方法で
ある。
【0053】基板上への電子放出素子の配列の方式に
は、例えば、従来例で述べた多数の電子放出素子を並列
に配置し、個々の素子の両端を配線で接続し、電子放出
素子の行を多数配列し(行方向と呼ぶ)、この配線と直
交する方向に(列方向と呼ぶ)、該電子源の上方の空間
に設置された制御電極(グリッドとも呼ぶ)により、電
子放出素子からの電子を制御駆動するはしご状配置や、
次に述べるm本のX方向配線の上にn本のY方向配線を
層間絶縁を介して設置し、電子放出素子の一対の電子電
極にそれぞれX方向配線、Y方向配線を接続した配置法
が上げられる。これを単純マトリクス配置と以降呼ぶ。
まず、単純マトリクス配置について詳述する。
【0054】前述した本発明にかかわる電子放出素子の
基本的特性の3つの特徴によれば、単純マトリクス配置
された電子放出素子においても、電子放出素子からの放
出電子は、しきい値電圧以上では対向する素子電極間に
印加するパルス状電圧の波高値と巾に制御される。一
方、しきい値電圧以下においては電子は殆ど放出されな
い。この特性によれば、多数の電子放出素子を配置した
場合においても、個々の素子に上記パルス状電圧を適宜
印加すれば、任意の電子放出素子を選択することがで
き、その電子放出量を制御できることとなる。
【0055】以下この原理に基づき構成した電子源基板
の構成について図7を用いて説明する。図7において7
1は電子源基板、72はX方向配線、73はY方向配
線、74は電子放出素子、75は結線である。なお電子
放出素子74は前述した平面型あるいは垂直型どちらで
あってもよい。
【0056】同図において、電子源基板71は前述した
ガラス基板等であり、その大きさおよびその厚みは電子
源基板71に設置される電子放出素子の個数および個々
の素子の設計上の形状、および電子源の使用時容器の一
部を構成する場合には、その容器を真空に保持するため
の条件等に依存して適宜設定される。
【0057】m本のX方向配線72はDX1,DX2,
・・・DXmからなり、電子源基板71上に真空蒸着
法、印刷法、スパッタ法等で形成した導電性金属等であ
る。また、多数の電子放出素子にほぼ均等な電圧が供給
されるように材料、膜厚、配線巾等が適宜設定される。
Y方向配線73はDY1,DY2,・・・DYnのn本
の配線よりなり、X方向配線72と同様に作成される。
これらm本のx方向配線72とn本のY方向配線73間
には、不図示の層間絶縁層が設置され、電気的に分離さ
れて、マトリックス配線を構成する。このm,nは、共
に正の整数である。
【0058】不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等でありX方向
配線72を形成した絶縁性基板71の全面或は一部に所
望の形状で形成され、特に、X方向配線72とY方向配
線73の交差部の電位差に耐え得るように、膜厚、材
料、製法が適宜設定される。また、X方向配線72とY
方向配線73は、それぞれ外部端子として引き出されて
いる。
【0059】さらに前述と同様にして、電子放出素子7
4の対向する電極(不図示)が、m本のX方向配線72
とn本のY方向配線73と、真空蒸着法、印刷法、スパ
ッタ法等で形成された導電性金属等からなる結線75に
よって電気的に接続されているものである。
【0060】ここで、m本のX方向配線72とn本のY
方向配線73と結線75と対向する素子電極の導電性金
属は、その構成元素の一部あるいは全部が同一であって
も、またそれぞれ異なってもよく、前述の素子電極の材
料等より適宜選択される。尚、これら素子電極への配線
は、素子電極と配線材料が同一である場合は、素子電極
と総称する場合もある。また電子放出素子は、基板71
あるいは不図示の層間絶縁層上のどちらに形成してもよ
い。
【0061】また、詳しくは後述するが、前記X方向配
線72には、X方向に配列する電子放出素子74の行を
入力信号に応じて、走査するための走査信号を印加する
ための不図示の走査信号発生手段と電気的に接続されて
いる。
【0062】一方、Y方向配線73には、Y方向に配列
する電子放出素子74の列の各列を入力信号に応じて、
変調するための変調信号を印加するための不図示の変調
信号発生手段と電気的に接続されている。
【0063】さらに、電子放出素子の各素子に印加され
る駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信
号の差電圧として供給されるものである。
【0064】上記構成において、単純なマトリクス配線
だけで個別の素子を選択して独立に駆動可能になる。
【0065】つぎに、以上のようにして作成した単純マ
トリクス配置の電子源による表示等に用いる画像形成装
置について、図8と図9及び図10を用いて説明する。
図8は、画像形成装置の表示パネルの基本構成図であ
り、図9は蛍光膜、図10は画像形成装置をNTSC方
式のテレビ信号に応じて表示を行なう例の駆動回路のブ
ロック図である。
【0066】図8において71は、上述のようにして電
子放出素子を作製した電子源基板、81は電子源基板7
1を固定したリアプレート、86はガラス基板83の内
面に蛍光膜84とメタルバック85等が形成されたフェ
ースプレート、82は支持枠であり、リアプレート8
1、支持枠82及びフェースプレート86をフリットガ
ラス等を塗布し、大気中あるいは窒素中で、400〜5
00度で10分以上焼成することで封着して、外囲器8
8を構成する。
【0067】図8において、74は図1における電子放
出部に相当する。72、73は電子放出素子の一対の素
子電極と接続されたX方向配線及びY方向配線である。
【0068】外囲器88は上述の如く、フェースプレー
ト86、支持枠82、リアプレート81で外囲器88を
構成したが、リアプレート81は主に基板71の強度を
補強する目的で設けられるため、基板71自体で十分な
強度を持つ場合は別体のリアプレート81は不要であ
り、基板71に直接支持枠82を封着し、フェースプレ
ート86、支持枠82、基板71にて外囲器88を構成
しても良い。またさらには、フェースプレート86、リ
アプレート81間に、スペーサーとよばれる不図示の支
持体を設置することで、大気圧に対して十分な強度をも
つ外囲器88の構成にすることもできる。
【0069】図9は蛍光膜である。蛍光膜84は、モノ
クロームの場合は蛍光体のみから成るが、カラーの蛍光
膜の場合は、蛍光体の配列によりブラックストライプあ
るいはブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電材9
1と蛍光体92とで構成される。ブラックストライプ、
ブラックマトリクスが設けられる目的は、カラー表示の
場合必要となる三原色蛍光体の、各蛍光体92間の塗り
分け部を黒くすることで混色等を目立たなくすること
と、蛍光膜84における外光反射によるコントラストの
低下を抑制することである。ブラックストライプの材料
としては、通常よく用いられている黒鉛を主成分とする
材料だけでなく、導電性があり、光の透過及び反射が少
ない材料であればこれに限るものではない。
【0070】ガラス基板93に蛍光体を塗布する方法は
モノクローム、カラーによらず、沈殿法や印刷法が用い
られる。
【0071】また、蛍光膜84の内面側には通常メタル
バック85が設けられる。メタルバックの目的は、蛍光
体の発光のうち内面側への光をフェースプレート86側
へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、電子ビ
ーム加速電圧を印加するための電極として作用するこ
と、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージ
からの蛍光体の保護等である。メタルバックは、蛍光膜
作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィル
ミングと呼ばれる)を行い、その後A1を真空蒸着等で
堆積することで作製できる。
【0072】フェースプレート86には、更に蛍光膜8
4の導電性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明電
極(不図示)を設けてもよい。
【0073】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないた
め、十分な位置合わせを行なう必要がある。
【0074】外囲器88は不図示の排気管を通じ、10
のマイナス7乗トール程度の真空度にされ、封止を行な
われる。また、外囲器88の封止後の真空度を維持する
ために、ゲッター処理を行なう場合もある。これは、外
囲器88の封止を行なう直前あるいは封止後に、抵抗加
熱あるいは高周波加熱等の加熱法により、外囲器88内
の所定の位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱
し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッターは通常Ba
等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、たとえ
ば1X10マイナス5乗ないしは1X10マイナス7乗
[Torr]の真空度を維持するものである。尚、電子
放出素子のフォーミング以降の工程は、適宜設定され
る。
【0075】次に、単純マトリクス配置の電子源を用い
て構成した表示パネルを、NTSC方式のテレビ信号に
もとづきテレビジョン表示を行なう為の駆動回路の概略
構成を、図10のブロック図を用いて説明する。101
は前記表示パネルであり、また、102は走査回路、1
03は制御回路、104はシフトレジスタ、105はラ
インメモリ、106は同期信号分離回路、107は変調
信号発生器、VxおよびVaは直流電圧源である。
【0076】以下、各部の機能を説明していくが、まず
表示パネル101は、端子Dox1ないしDoxm、お
よび端子Doy1ないしDoyn、および高圧端子Hv
を介して外部の電気回路と接続している。このうち、端
子Dox1ないしDoxmには、前記表示パネル内に設
けられている電子源、すなわちM行N列の行列状にマト
リクス配線された電子放出素子群を一行(N素子)ずつ
順次駆動していく為の走査信号が印加される。
【0077】一方、端子Dy1ないしDynには、前記
走査信号により選択された一行の電子放出素子の各素子
の出力電子ビームを制御する為の変調信号が印加され
る。また、高圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、た
とえば10K[V]の直流電圧が供給されるが、これは
電子放出素子より出力されるでんしビームに蛍光体を励
起するのに十分なエネルギーを付与する為に加速電圧で
ある。
【0078】次に、走査回路102について説明する。
同回路は、内部にM個の各スイッチング素子を備えるも
ので(図中、S1ないしSmで模式的に示している)、
スイッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしく
は0[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択
し、表示パネル101の端子Dx1ないしDxmと電気
的に接続するものである。S1ないしSmの各スイッチ
ング素子は、制御回路103が出力する制御信号Tsc
anに基づいて動作するものだが、実際にはたとえばF
ETのようなスイッチング素子を組み合わせる事により
容易に構成する事が可能である。
【0079】尚、前記直流電圧源Vxは、本実施態様の
場合には前記電子放出素子の特性(電子放出しきい値電
圧)に基づき、走査されていない素子に印加される駆動
電圧が電子放出しきい値電圧以下となるような一定電圧
を出力するよう設定されている。
【0080】また、制御回路103は、外部より入力す
る画像信号に基づいて適切な表示が行なわれるように各
部の動作を整合させる働きをもつものである。次に説明
する同期信号分離回路106より送られる同期信号Ts
yncに基づいて、各部に対してTscanおよびTs
ftおよびTmryの各制御信号を発生する。
【0081】同期信号分離回路106は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と
輝度信号成分とを分離する為の回路で、よく知られてい
るように周波数分離(フィルター)回路を用いれば、容
易に構成できるものである。同期信号分離回路106に
より分離された同期信号は、よく知られるように垂直同
期信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜
上、Tsync信号として図示した。一方、前記テレビ
信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上DAT
A信号と表すが、同信号はシフトレジスタ104に入力
される。
【0082】シフトレジスタ104は、時系列的にシリ
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路103より送られる制御信号Tsftにもとづい
て動作する。(すなわち、制御信号Tsftは、シフト
レジスタ104のシフトクロックであると言い換えても
良い。)シリアル/パラレル変換された画像1ライン分
(電子放出素子N素子分の駆動データに相当する)のデ
ータは、Id1ないしIdnのN個の並列信号として前
記シフトレジスタ104より出力される。
【0083】ラインメモリ105は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路103より送られる制御信号Tmryにし
たがって適宜Id1ないしIdnの内容を記憶する。記
憶された内容は、I’d1ないしI’dnとして出力さ
れ、変調信号発生器107に入力される。
【0084】変調信号発生器107は、前記画像データ
I’d1ないしI’dnの各々に応じて、電子放出素子
の各々を適切に駆動変調する為の信号源で、その出力信
号は、端子Doy1ないしDoynを通じて表示パネル
101内の電子放出素子に印加される。
【0085】前述したように本発明に関わる電子放出素
子は放出電流Ieに対して以下の基本特性を有してい
る。すなわち、前述したように、電子放出には明確なし
きい値電圧Vthがあり、Vth以上の電圧を印加され
た時のみ電子放出が生じる。
【0086】また、電子放出しきい値以上の電圧に対し
ては、素子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化
していく。尚、電子放出素子の材料や構成、製造方法を
変える事により、電子放出しきい値電圧Vthの値や、
印加電圧に対する放出電流の変化の度合いが変わる場合
もあるが、いずれにしても以下のような事がいえる。
【0087】すなわち、本素子にパルス状の電圧を印加
する場合、例えば電子放出閾値以下の電圧を印加しても
電子放出は生じないが、電子放出閾値以上の電圧を印加
する場合には電子ビームが出力される。その際、第一に
は、パルスの波高値Vmを変化させる事により出力電子
ビームの強度を制御する事が可能である。第二には、パ
ルスの幅Pwを変化させる事により出力される電子ビー
ムの電荷の総量を制御する事が可能である。
【0088】従って、入力信号に応じて、電子放出素子
を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調
方式等があげられ、電圧変調方式を実施するには、変調
信号発生器107としては、一定の長さの電圧パルスを
発生するが入力されるデータに応じて適宜パルスの波高
値を変調するような電圧変調方式の回路を用いる。
【0089】また、パルス幅変調方式を実施するには、
変調信号発生器107としては、一定の波高値の電圧パ
ルスを発生するが入力されるデータに応じて適宜電圧パ
ルスの幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用
いるものである。
【0090】以上に説明した一連の動作により、表示パ
ネル101を用いてテレビジョンの表示を行なえる。
尚、上記説明中、特に記載しなかったが、シフトレジス
タ104やラインメモリ105は、デジタル信号式のも
のでもアナログ信号式のものでも差し支えなく、要は画
像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が所定の速度で
行なわれればよい。
【0091】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路106の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これは106の出力部にA/D変換
器を備えれば容易に可能であることは言うまでもない。
また、これと関連してラインメモリ105の出力信号が
デジタル信号かアナログ信号かにより、変調信号発生器
107に用いられる回路が若干異なったものとなるのは
言うまでもない。すなわち、デジタル信号の場合には、
電圧変調方式の場合、変調信号発生器107には、たと
えばよく知られるD/A変換回路を用い、必要に応じて
増幅回路などを付け加えればよい。またパルス幅変調方
式の場合、変調信号発生器107は、たとえば、高速の
発振器および発振器の出力する波数を計数する計数器
(カウンタ)および計数器の出力値と前記メモリの出力
値を比較する比較器(コンパレータ)を組み合せた回路
を用いれば当業者であれば容易に構成できる。必要に応
じて、比較器の出力するパルス幅変調された変調信号を
電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅
器を付け加えてもよい。
【0092】一方、アナログ信号の場合には、電圧変調
方式の場合、変調信号発生器107には、たとえばよく
知られるオペアンプなどを用いた増幅回路を用いればよ
く、必要に応じてレベルシフト回路などを付け加えても
よい。また、パルス幅変調方式の場合には、たとえばよ
く知られた電圧制御型発振回路(VCO)を用いればよ
く、必要に応じて電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増
幅するための増幅器を付け加えてもよい。
【0093】以上のように完成した本発明に好適な画像
表示装置において、こうして各電子放出素子には、容器
外端子Dox1ないしDoxm、Doy1ないしDoy
nを通じ、電圧を印加することにより電子放出させ、高
圧端子Hvを通じ、メタルバック85、あるいは透明電
極(不図示)に高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍
光膜84に衝突させ、励起・発光させることで画像を表
示することができる。
【0094】以上述べた構成は、表示等に用いられる好
適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成であ
り、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容に限
られるものではなく、画像形成装置の用途に適するよう
適宜選択する。また、入力信号例として、NTSC方式
をあげたが、これに限るものでなく、PAL、SECA
M方式などの諸方式でもよく、また、これよりも、多数
の走査線からなるTV信号(例えば、MUSE方式をは
じめとする高品位TV)方式でもよい。
【0095】次に、前述のはしご型配置の電子源及び画
像形成装置について図11、図12を用いて説明する。
【0096】図11において、110は電子源基板、1
11は電子放出素子、112はDx1〜Dx10は、前
記電子放出素子を配線するための共通配線である。電子
放出素子111は、基板110上に、X方向に並列に複
数個配置される。(これを素子行と呼ぶ)。この素子行
が複数個配置され、電子源となる。各素子行の共通配線
間に適宜駆動電圧を印加することで、各素子行を独立に
駆動することが、可能である。すなわち、電子ビームを
放出したい素子行には、電子放出しきい値以上の電圧
を、電子ビームを放出しない素子行には、電子放出しき
い値以下の電圧を印加すればよい。また、各素子行間の
共通配線Dx2〜Dx9を、例えばDx2、Dx3を同
一配線とする様にしても良い。
【0097】図12は、はしご型配置の電子源を備えた
画像形成装置の表示パネル構造を示すための図である。
120はグリッド電極、121は電子が通過するための
空孔、122はDox1,Dox2...Doxmより
なる容器外端子、123はグリッド電極120と接続さ
れたG1、G2...Gnからなる容器外端子、124
は前述の様に、各素子行間の共通配線を同一配線とした
電子源基板である。尚、図8、11と同一の符号は、同
一のものを示す。前述の単純マトリクス配置の画像形成
装置(図8に示した)との大きな違いは、電子源基板1
10とフェースプレート86の間にグリッド電極120
を備えている事である。
【0098】基板110とフェースプレート86の中間
には、グリッド電極120が設けられている。グリッド
電極120は、電子放出素子から放出された電子ビーム
を変調することができるもので、はしご型配置の素子行
と直交して設けられたストライプ状の電極に電子ビーム
を通過させるため、各素子に対応して1個ずつ円形の開
口121が設けられている。グリッドの形状や設置位置
は必ずしも図12のようなものでなくてもよく、開口と
してメッシュ状に多数の通過口を設けることもあり、ま
たたとえば電子放出素子の周囲や近傍に設けてもよい。
【0099】容器外端子122およびグリッド容器外端
子123は、不図示の制御回路と電気的に接続されてい
る。
【0100】本画像形成装置では、素子行を1列ずつ順
次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極列に
画像1ライン分の変調信号を同時に印加することによ
り、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像を1
ラインずつ表示することができる。
【0101】また、本発明の思想によれば、テレビジョ
ン放送の表示装置のみならず、テレビ会議システム、コ
ンピューター等の表示装置として、好適な画像形成装置
が提供される。さらには、感光性ドラム等とで構成され
た光プリンターとしての画像形成装置としても用いるこ
ともできる。
【0102】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0103】実施例1 電子放出素子として図1に示すタイプの電子放出素子を
作成した。図1(a)は本素子の平面図を、図1(b)
は断面図を示している。また、図1(a)、(b)中の
記号1は絶縁性基板、2および3は素子に電圧を印加す
るための一対の素子電極、4は電子放出部を含む薄膜、
5は電子放出部を示す。なお、図中のLは素子電極2と
素子電極3の素子電極間隔、Wは素子電極の幅、dは素
子電極の厚さ、W’は素子の幅を表している。
【0104】図3を用いて、本実施例の電子放出素子の
作成方法を述べる。絶縁性基板1として石英ガラス基板
を用い、これを有機溶剤により充分に洗浄後、基板面上
にNiからなる素子電極2、3を形成した(図3の
(a))。素子電極間隔Lは3ミクロンとし、素子電極
の幅Wを500ミクロン、その厚さdを1000オング
ストロームとした。
【0105】本実施例では、金属コロイド溶液としてパ
ラジウムコロイド溶液を用いた。パラジウムコロイド溶
液の作成方法を次に示す。プロタルビン酸ナトリウム2
gに水50ccの割合で溶かしてから水酸化ナトリウム
の溶液を少し過剰に加え、次に無水の塩化パラジウムP
bCl2 1.6gを水25ccの割合で溶かしたものを
徐々に加える。すると赤褐色の透明な溶液が得られるの
で、それに水加ヒドラジンNH2 ・NH2 ・2H2 Oを
滴々加えると窒素の気泡によって泡立ってくる。それを
約3時間放置して反応を完全に終結させてから、得られ
た黒色の溶液を透析にかけて、過剰の水酸化ナトリウ
ム、ヒドラジンおよび生成した塩化ナトリウムとを完全
に取り除くと、安定なパラジウムのコロイド水溶液が得
られた。このコロイド水溶液をパラジウム重量濃度0.
4%となるよう調整した。
【0106】上記の液滴をバブルジェット方式のインク
ジェット装置によって電極2、3を形成した石英基板の
上に電極2、3にまたがるように付与し、80℃で2分
乾燥させた。次に300℃で12分焼成して無機微粒子
膜4を形成した(図3(c))。
【0107】次に、真空容器中で素子電極2および3の
間に電圧を印加し、電子放出部形成用薄膜4を通電処理
(フォーミング処理)することにより、電子放出部5を
作成した(図3(d))。フォーミング処理の電圧波形
を図4に示す。
【0108】本実施例では電圧波形のパルス幅T1を1
ミリ秒、パルス間隔T2を10ミリ秒とし、三角波の波
高値(フォーミング時のピーク電圧)は4Vとし、フォ
ーミング処理は約1×10-6torrの真空雰囲気下で
60秒間行った。このように作成された電子放出部3
は、パラジウム元素を主成分とする微粒子が分散配置さ
れた状態となり、その微粒子の平均粒径は100オング
ストロームであった。以上のようにして作成された素子
について、その電子放出特性を図5の構成の測定評価装
置により測定した。本電子放出素子およびアノード電極
54は真空装置内に設置されており、その真空装置には
不図示の排気ポンプおよび真空計等の真空装置に必要な
機器が具備されており、所望の真空下で本素子の測定評
価を行えるようになっている。なお本実施例では、アノ
ード電極と電子放出素子間の距離を4mm、アノード電
極の電位を1kV、電子放出特性測定時の真空装置内の
真空度を1×10-6torrとした。
【0109】以上のような測定評価装置を用いて、本電
子放出素子の電極2および3の間に素子電圧を印加し、
その時に流れる素子電流Ifおよび放出電流Ieを測定
したところ、図6に示したような電流−電圧特性が得ら
れた。本素子では、素子電圧7V程度から急激に放出電
流Ieが増加し、素子電圧12Vでは素子電流Ifが
0.8mA、放出電流Ieが0.62μAとなり、電子
放出効率η=Ie/If(%)は0.05%であった。
【0110】以上説明した実施例中、電子放出部を形成
する際に、素子の電極間に三角波パルスを印加してフォ
ーミング処理を行っているが、素子の電極間に印加する
波形は三角波に限定することなく、矩形波など所望の波
形を用いても良く、その波高値およびパルス幅・パルス
間隔等についても上述の値に限ることなく、電子放出部
が良好に形成されれば所望の値を選択することができ
る。
【0111】実施例2 実施例1と全く同様にして得られたパラジウムのコロイ
ド水溶液に、ジメチルスルホキシドの割合が水に対し4
0重量%になるように溶液を調整しパラジウムの重量濃
度0.4%の溶液を得た。この液をバブルジェット方式
のインクジェット装置により基板に付与することによ
り、実施例1と同様にして電子放出素子を作成し、電子
放出が見られることを確認した。
【0112】実施例3 ガス中蒸発法により製造されたパラジウムの超微粒子粉
体を、ジメチルスルホキシド30重量%水溶液に加えパ
ラジウム重量濃度0.25%となるように調整して溶液
を得た。この液をバブルジェット方式のインクジェット
装置により基板に付与することにより、実施例1と同様
にして電子放出素子を作成し、電子放出が見られること
を確認した。
【0113】実施例4 16行16列の256個の素子電極とマトリクス状配線
とを形成した基板(図7)の各対向電極に対してそれぞ
れ実施例1と同様にして金属コロイド溶液液滴をバブル
ジェット方式のインクジェット装置により付与し、焼成
したのち、フォーミング処理を行い電子源基板とした。
この電子源基板にリアプレート81、支持枠82、フェ
ースプレート86を接続し真空封止して図8の概念図に
従う画像形成装置を作成した。端子Dox1ないしDo
x16と端子Doy1ないしDoy16を通じて各素子
に時分割で所定電圧を印加し端子Hvを通じてメタルバ
ックに高電圧を印加することによって、任意のマトリク
ス画像パターンを表示することができた。
【0114】比較例1 実施例1において、薄膜の原料として有機パラジウム錯
体を用いた以外は全く同様にして無機微粒子膜を作成し
た。次にこれを真空容器中で通電処理(フォーミング処
理)する際に、本比較例ではフォーミング時のピーク電
圧は5Vと実施例に比べ20%程高くする必要があっ
た。
【0115】このように、薄膜の原料に金属コロイドを
用いることにより電子放出部作成の際のフォーミングパ
ワーを20〜30%低下させることができる。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように本発明の方法に従い
電子放出素子を製造するならば、所定の位置に必要なだ
けの金属コロイド溶液を付与することができ、また前記
溶液付与工程が電子放出用薄膜の二次元パターニング工
程をも兼ねるため、材料コストと作業コストを低減する
ことができる。さらに、二次元パターンの変更が必要と
なった場合には液体付与手段の制御系を変更するだけで
済み、一般には前記制御系のソフトウエアのみの変更で
対応可能であるため、フォトマスク等の変更を必要とす
るフォトリソグラフ技術を用いる製造方法に比べて変更
が容易である。したがって小量多品種生産に容易に適用
できる。
【0117】また、金属コロイド溶液を用いることによ
り初めから比較的粒径のそろった微粒子からなる薄膜を
作成することができるため作成された薄膜は均一でムラ
がない。
【0118】さらに、金属コロイドは初めから無機微粒
子であることから電子放出部咲くしの際のフォーミング
パワーを有機金属材料を用いるものに比べ20〜30%
低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に好適な基本的な電子放出素子の構成
を示す模式的平面図及び断面図である。
【図2】 本発明に好適な基本的な垂直型電子放出素子
の構成を示す模式的図である。
【図3】 本発明に好適な電子放出素子の製造方法の1
例である。
【図4】 本発明に好適な通電フォーミングの電圧波形
の例である。
【図5】 電子放出特性を測定するための測定評価装置
の概略構成図である。
【図6】 本発明に好適な電子放出素子の放出電流Ie
および素子電流Ifと素子電圧Vfの関係の典型的な例
である。
【図7】 単純マトリクス配置の電子源である。
【図8】 画像形成装置の表示パネルの概略構成図であ
る。
【図9】 蛍光膜である。
【図10】 画像形成装置をNTSC方式のテレビ信号
に応じて表示を行う例の駆動回路のブロック図である。
【図11】 梯子配置の電子源である。
【図12】 画像形成装置の表示パネルの概略構成図で
ある。
【図13】 本発明の電子放出素子作成のための有機金
属化合物溶液乾燥物の熱分解を示す示差走査熱分析曲線
である。
【図14】 従来の電子放出素子の模式図である。
【符号の説明】
1:基板、2、3:素子電極、4:導電性薄膜、5:電
子放出部、21:段さ形成部、50:素子電極2、3間
の導電性薄膜4を流れる素子電流Ifを測定するための
電流計、51:電子放出素子に素子電圧Vfを印加する
ための電源、53:アノード電極54に電圧を印加する
ための高圧電源、54:素子の電子放出部より放出され
る放出電流Ieを捕捉するためのアノード電極、55:
素子の電子放出部5より放出される放出電流Ieを測定
するための電流計、56:真空装置、57:排気ポン
プ、71:電子源基板、72:X方向配線、73:Y方
向配線、74:電子放出素子、75:結線、81:リア
プレート、82:支持枠、83:ガラス基板、84:蛍
光膜、85:メタルバック、86:フェースプレート、
87:高圧端子、88:外囲器、91:黒色導電材、9
2:蛍光体、93:ガラス基板、101:表示パネル、
102:走査回路、103:制御回路、104:シフト
レジスタ、105:ラインメモリ、106:同期信号分
離回路、107:変調信号発生器、VxおよびVa:直
流電圧源、110:電子源基板、111:電子放出素
子、112:Dx1〜Dx10は、前記電子放出素子を
配線するための共通配線、120:グリッド電極、12
1:電子が通過するための空孔、122:Dox1,D
ox2……Doxmよりなる容器外端子、123:グリ
ッド電極120と接続されたG1、G2……Gnからな
る容器外端子、124:電子源基板。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項01】 電極間に、電子放出部が形成された導
    電性膜を有する電子放出素子の製造方法において、電子
    放出部が形成される導電性膜の形成工程が、金属コロイ
    ドを含む水溶液を液滴化して基板上に付与する工程と、
    付与された該水溶液を加熱する工程とを有することを特
    徴とする電子放出素子の製造方法。
  2. 【請求項02】 前記水溶液に極性溶媒を添加すること
    を特徴とする請求項1に記載の電子放出素子の製造方
    法。
  3. 【請求項03】 前記極性溶媒として、ジメチルスルホ
    キシドを用いることを特徴とする請求項2に記載の電子
    放出素子の製造方法。
  4. 【請求項04】 前記の金属コロイドが、還元による化
    学反応またはガス中蒸発法により生成されたコロイド水
    溶液であることを特徴とする請求項1ないし3に記載の
    電子放出素子の製造方法。
  5. 【請求項05】 前記の金属コロイドが、Pd,Pt,
    Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Z
    n,Sn,Ta,W,Pbのいずれかであることを特徴
    とする請求項1ないし4に記載の電子放出素子の製造方
    法。
  6. 【請求項06】 前記の金属コロイドがプロタルピン酸
    ナトリウム法またはガス中蒸発法により生成されたPd
    コロイドであることを特徴とする請求項1ないし5に記
    載の電子放出素子の製造方法。
  7. 【請求項07】 前記の水溶液の前記金属含有量が0.
    01重量%から5重量%の範囲であることを特徴とする
    請求項1ないし6に記載の電子放出素子の製造方法。
  8. 【請求項08】 前記の液体の極性溶媒濃度が0.00
    5重量%から70重量%の範囲であることを特徴とする
    請求項1ないし7に記載の電子放出素子の製造方法。
  9. 【請求項09】 前記水溶液の基板上への付与は、イン
    クジェット方式を用いて行われる請求項1〜8に記載の
    電子放出素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記インクジェット方式は、バブルジ
    ェット方式であることを特徴とする請求項1〜9に記載
    の電子放出素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の工
    程にて形成された前記導電性膜に、電子放出部を形成す
    るためのフォーミング処理を施す工程を有することを特
    徴とする電子放出素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記フォーミング処理は、前記導電性
    膜に通電する工程を含む請求項11に記載の電子放出素
    子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記電子放出素子は、表面伝導型電子
    放出素子である請求項1〜12いずれかに記載の電子放
    出素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 電子放出素子と、該素子への電圧印加
    手段とを具備する電子源の製造方法であって、該電子放
    出素子を請求項1〜13のいずれかに記載の方法で作製
    することを特徴とする電子源の製造法。
  15. 【請求項15】 電子放出素子及び該素子への電圧印加
    手段を具備する電子源と、該素子から放出される電子を
    受けて発光する発光体とを具備する表示パネルの製造方
    法であって、該電子放出素子を請求項1〜13いずれか
    に記載の方法で作製することを特徴とする表示パネルの
    製造方法。
  16. 【請求項16】 電子放出素子及び該素子への電圧印加
    手段を具備する電子源と、該素子から放出される電子を
    受けて発光する発光体と、外部信号に基づいて該素子へ
    印加する電圧を制御する駆動回路とを具備する画像形成
    装置の製造方法であって、該電子放出素子を請求項1〜
    12いずれかに記載の方法で作製することを特徴とする
    画像形成装置の製造方法。
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JP2006229254A (ja) * 2006-05-29 2006-08-31 Morimura Chemicals Ltd 透光体の製造方法
JP2006270118A (ja) * 2006-05-29 2006-10-05 Morimura Chemicals Ltd 回路基板の製造方法
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