JPH0827322A - 樹脂組成物及び肉薄成形体 - Google Patents

樹脂組成物及び肉薄成形体

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JPH0827322A
JPH0827322A JP16720394A JP16720394A JPH0827322A JP H0827322 A JPH0827322 A JP H0827322A JP 16720394 A JP16720394 A JP 16720394A JP 16720394 A JP16720394 A JP 16720394A JP H0827322 A JPH0827322 A JP H0827322A
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ethylene
copolymer
resin composition
resin
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JP16720394A
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English (en)
Inventor
Yukio Okamoto
幸夫 岡本
Koji Nagaoka
孝司 長岡
Yasuhiro Mikawa
泰広 三河
Hirotaka Takoshi
宏孝 田越
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車のインストウルメントパネル等の用途
において、ドローダウン性、真空成形時の耐穴開き性、
真空成形時の深絞り性等の良好な塩化ビニル系樹脂シー
トに変わり得るポリオレフィン系材料からなる真空成形
用シート樹脂組成物及び該組成物を成形した肉薄成形体
を提供する。 【構成】 (A)(a)エチレンと少なくともラジカル
重合性酸無水物を構成モノマーとして含む共重合体であ
り、その他のラジカル重合性コモノマー基の成分濃度が
0〜20重量%であるエチレン系共重合体、(b)分子
内に2個以上の水酸基を有する多価アルコール化合物及
び(c)反応促進剤を含有し、成分(a)中のラジカル
重合性酸無水物に由来する単位に対し、成分(b)であ
る多価アルコール化合物中の水酸基の単位のモル比が
0.01〜10の範囲であり、且つ成分(c)である反
応促進剤が成分(a)であるエチレン系共重合体100
重量部に対して0.001〜20重量部の範囲である架
橋性樹脂組成物95〜20重量%及び(B)ポリプロピ
レン系樹脂5〜80重量%よりなる樹脂組成物、及び該
組成物を成形して得られる肉薄成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂組成物及びその肉
薄成形体、更に詳しくは、例えば、自動車のインストゥ
ルメントパネル等の部材穴を塞ぐ為の用途に好適に用い
られる真空成形用樹脂組成物及びシート等の肉薄成形体
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インストゥルメントパネルの
製造においては、あらかじめ成形した基材の上に、あら
かじめ真空成形された表皮材を重ね両者の中空部にクッ
ション性を保たせる目的でウレタンを注入発泡する方法
が採られている。このような方法においては、ウレタン
注入発泡時に、基材に設けてある部材挿入用の穴からウ
レタン樹脂が露出することを防ぐ必要がある。そこで従
来は、部材用穴および真空引き用穴を設けた成形済みの
インストゥルメントパネル用基材に溶剤系接着剤を噴霧
塗布し、これを金型上にセッした後、ヒーターで加熱さ
れた厚さ100μm以上の塩化ビニル系樹脂シートを真
空圧着させて、部材挿入用の穴を遮閉する工程を経てい
た。しかるに、近年環境問題への関心の高まりから、燃
焼時に多量の塩素系ガスを出す塩化ビニル系樹脂のリサ
イクル使用の可能なポリオレフィン系樹脂へ代替するこ
とが望まれてきていた。しかしながら、従来からあるポ
リオレフィン系樹脂ではヒーターの加熱時のドローダウ
ン性や真空成形時の耐穴開き性、真空成形時の深絞り性
等に問題があり、塩化ビニル系樹脂シートを代替するこ
とができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ドローダウ
ン性,真空成形時の耐穴開き性,真空成形時の深絞り性
等の良好な塩化ビニル系樹脂シートに変わり得るポリオ
レフィン系材料からなる真空成形用シート樹脂組成物及
び該組成物を使用したシートを提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、前記課題を解決す
るために、発明者らは鋭意研究を重ねた結果、(A)
(a)エチレンと少なくともラジカル重合性酸無水物を
構成モノマーとして含む共重合体であり、その他のラジ
カル重合性コモノマー基の成分濃度が0〜20重量%で
あるエチレン系共重合体、(b)分子内に2個以上の水
酸基を有する多価アルコール化合物及び(c)反応促進
剤を含有し、成分(a)中のラジカル重合性酸無水物に
由来する単位に対し、成分(b)である多価アルコール
化合物中の水酸基の単位のモル比が0.01〜10の範
囲であり、且つ成分(c)である反応促進剤が成分
(a)であるエチレン系共重合体100重量部に対して
0.001〜20重量部である架橋性樹脂組成物95〜
20重量%及び(B)ポリプロピレン系樹脂5〜80重
量%よりなる樹脂組成物、及び該組成物を成形して得ら
れる肉薄成形体がドローダウン性、真空成形時の深絞り
性に優れることを見いだした。本発明はかかる知見に基
づいて完成されたものである。
【0005】以下本発明の内容を詳細に説明する。本発
明に関わる樹脂組成物の構成樹脂である架橋性樹脂組成
物(A)のうち、成分(a)のエチレン系共重合体は、
すくなくともエチレンとラジカル重合性酸無水物とを共
重合してなるエチレン系共重合体である。本エチレン系
共重合体は必要に応じて他のラジカル重合性コモノマー
(以下第3モノマーと言う)を共重合して用いることが
できる。本発明に使用するラジカル重合性酸無水物とし
ては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水エンディ
ック酸、無水シトラコン酸、1−ブテン−3,4−ジカ
ルボン酸無水物、炭素数が多くとも18である末端に二
重結合を有するアルケニル無水コハク酸、炭素数が多く
とも18である末端に二重結合を有するアルカジエニル
無水コハク酸等を挙げることができる。これらは2種類
以上同時に併用しても差し支えない。このうち、無水マ
レイン酸、無水イタコン酸が好適に用いられる。
【0006】本発明に関するエチレン系共重合体におい
て、ラジカル重合性酸無水物に由来する単位は0.1〜
20重量%の範囲であり、好ましくは0.5〜10重量
%の範囲である。該ラジカル重合性酸無水物に由来する
単位が0.1重量%よりも少なくなると、本樹脂組成物
の耐熱性や機械的強度が低下するため好ましくない。ま
た、20重量%を越えると、本樹脂組成物の柔軟性、耐
吸湿性等の性質を損なう上、コストが高くなるため好ま
しくない。
【0007】前記ラジカル重合性酸無水物と併用するこ
とができる第3モノマーとしては、エチレン系不飽和エ
ステル化合物、エチレン系不飽和アミド化合物、エチレ
ン系不飽和酸化合物、エチレン系不飽和エーテル化合
物、エチレン系不飽和炭化水素化合物等を挙げることが
できる。
【0008】これらを具体的に記せば、エチレン系不飽
和エステル化合物としては、酢酸ビニル、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
ベンジル、フマル酸メチル、フマル酸エチル、フマル酸
プロピル、フマル酸ブチル、フマル酸ジメチル、フマル
酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、
マレイン酸メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸プロ
ピル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイ
ン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブ
チル、等を例示する事ができる。
【0009】エチレン系不飽和アミド化合物としては、
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリル
アミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アク
リルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N
−オクチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)ア
クリルアミド、等を例示することができる。
【0010】エチレン系不飽和カルボン酸化合物として
は(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、等を例
示することができる。エチレン系不飽和エーテル化合物
としてはメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
オクタデシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテ
ル、等を例示することができる。エチレン系不飽和炭化
水素化合物及びその他の化合物としてはスチレン、α−
メチルスチレン、ノルボルネン、ブタジエン、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、アクロレイン、クロト
ンアルデヒド、トリメトキシビニルシラン、トリエトキ
シビニルシラン等を挙げることができる。これらの第3
モノマーは、必要に応じて2種類以上同時に併用しても
よい。
【0011】上記第3モノマーを併用する場合、本エチ
レン系共重合体中の該第3モノマー成分の含量は20重
量%以下であることが好ましい。20重量%を越えると
得られるシートの真空成形時の耐孔開き性等の物性が低
下するため好ましくない。エチレン系共重合体のMFR
(JIS K−7210 表1の条件4に従う)は、
0.1〜1000g/10分の範囲が好ましい。本エチ
レン系共重合体は、一般的に知られている方法、即ち、
塊状、溶液、懸濁、またはエマルジョン等の重合プロセ
スにより製造することができるが、基本的に通常の低密
度ポリエチレンの製造設備および技術を利用することが
できる。
【0012】樹脂組成物の成分(b)である、少なくと
も分子内に水酸基を2つ以上有する多価アルコール化合
物としては、具体的には、例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等
のグリコール類;1,4ブタンジオール、1,6ヘキサ
ンジオール、1,8オクタンジオール、1,10デカン
ジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール等のアルコール化合物;ア
ルビトール、ソルビトール、ソルビタン、キシロース、
アラミノース、グルコース、ガラクトース、ソルボー
ス、フルクトース、パラチノース、マルトトリオース、
マレジトース等の糖類;エチレン−酢酸ビニル共重合体
の鹸化物、ポリビニルアルコール、水酸基を複数有する
ポリオレフィン系オリゴマー、エチレン−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート共重合体等の分子内に水酸基
を複数有する重合体等が挙げられる。
【0013】また、前記多価アルコール化合物として
は、一般式(1)または(2) (R)a C(CH2 OH)b …………… (1) (式中、Rは水素、炭素原子数1〜12個の鎖状或いは
環状アルキル基またはアラルキル基を表し、aは0〜2
の整数を表し、bは2〜4の整数を表し、且つa+b=
4を満足するように選択される。) HO−CH2 CH(OH)CH2 − [CH2 CH(OH)CH2 −O]n −H …………… (2) (式中、nは0〜10の整数である。)で示される多価
アルコール化合物にエチレンオキシドまたはプロピレン
オキシドを付加させた構造を有するポリオキシアルキレ
ン化合物及び一般式(3) R’−COOH …………… (3) (式中、R’は炭素原子数2〜25個の鎖状または環状
のアルキル基またはアラルキル基を表す。)で示される
有機カルボン酸化合物と、前記一般式(2)で示される
ポリグリセリンとを脱水縮合して得られる、分子内に2
個以上の水酸基を有するポリグリセリンエステルを用い
ることもできる。
【0014】さらに、前記多価アルコール化合物として
は、ソルビタンあるいは分子内に2個以上の水酸基を有
するソルビタン誘導体と、一般式(3)で表される有機
カルボン酸化合物とのソルビタンアルキルエステルを用
いることができる。これらのポリオキシアルキレン化合
物としては、具体的には例えば、1,3ジヒドロキシプ
ロパン、2,2−ジメチル−1,3−ジヒドロキシプロ
パン、トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロ
ールプロパン、1,1,1−トリメチロールヘキサン、
1,1,1−トリメチロールドデカン、2−シクロヘキ
シル−2−メチロール−1,3−ジヒドロキシプロパ
ン、2−(p−メチルフェニル)−2−メチロール−
1,3ジヒドロキシプロパン、ペンタエリスリトール、
グリセリン、ジグリセリン、ヘキサグリセリン、オクタ
グリセリン、デカグリセリン等にエチレンオキシドもし
くはプロピレンオキシドを付加反応させたものが挙げら
れる。
【0015】また、前記のようなポリグリセリンエステ
ルとしては、具体的には例えば、グリセリンモノステア
レート、グリセリンモノオレエート、グリセリンモノラ
ウレート、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモ
ノヘキサノエート、グリセリンモノフェネチルエステ
ル、グリセリンモノプロピオネート、ジグリセリンモノ
ステアレート、ジグリセリンジステアレート、ジグリセ
リンモノオレエート、ジグリセリンモノヘキサノエー
ト、ジグリセリンジオクタノエート、テトラグリセリン
モノステアレート、テトラグリセリントリステアレー
ト、テトラグリセリンテトラステアレート、テトラグリ
セリントリヘキサノエート、テトラグリセリンモノフェ
ネチルエステル、ヘキサグリセリンモノステアレート、
ヘキサグリセリンジステアレート、ヘキサグリセリンペ
ンタステアレート、ヘキサグリセリントリオレエート、
ヘキサグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンペ
ンタラウレート、デカグリセリンモノステアレート、デ
カグリセリンオクタステアレート、デカグリセリンペン
タオレエート、デカグリセリンジラウレート、ペンタデ
カグリセリンジステアレート、ペンタデカグリセリンデ
カオレエート、オクタデカグリセリンテトラステアレー
ト等が挙げられる。
【0016】さらに、ソルビタンアルキルエステルとし
ては、具体的には例えば、ソルビタンモノステアレー
ト、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレ
ート、ソルビタンモノカプリレート、ソルビタンモノヘ
キサノエート、ソルビタンモノフェネチルエステル、ソ
ルビタンモノプロピオネート、ソルビタントリステアレ
ート、ソルビタンテトラステアレート等が挙げられる。
【0017】そして、これら成分(b)の分子内に2個
以上の水酸基を有する多価アルコール化合物は、上記の
多価アルコール化合物のうち、融点300℃以下である
ものが好ましく、特に、ポリオキシアルキレン化合物及
びポリグリセリンエステルが好適に用いられる。そし
て、これらの多価アルコール化合物は、単独で用いても
良く、また2種類以上混合して用いることもできる。成
分(b)の多価アルコールの使用量は、成分(a)のエ
チレン系共重合体中に含まれる不飽和カルボン酸無水物
に由来する単位に対して多価アルコール化合物中に含ま
れる水酸基のモル比が0.01〜10の範囲、より好ま
しくは0.05〜5の範囲であることが望ましい。この
モル比が0.01よりも少ない場合は、得られるシート
の耐熱性及び強度が不十分となり、該モル比が10より
も多いとき、場合によっては成形を行なう際加工温度に
よっては成形が極めて困難となるため好ましくない。
【0018】樹脂組成物の(c)成分である反応促進剤
とは、エチレン系二元共重合体もしくはエチレン系多元
共重合体中に含まれる不飽和カルボン酸無水物に由来す
る単位に含まれるカルボニルを活性化し、水酸基と酸無
水物との反応を促進させる化合物である。そのような反
応促進剤の一例として、有機カルボン酸の金属塩が挙げ
られる。有機カルボン酸の金属塩の例としては、炭素数
1〜30の脂肪酸である酢酸、酪酸、オクタン酸、デカ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等のカルボン酸と、周
期表のIA族、IIA族、IIB族、 IIIB族の金属(例え
ばLi、Na、K、Mg、Ca、Zn、Al等)との金
属塩である。具体的に示せば、酢酸リチウム、酢酸ナト
リウム、酢酸マグネシウム、酢酸アルミニウム、酪酸カ
リウム、酪酸カルシウム、酪酸亜鉛、オクタン酸ナトリ
ウム、オクタン酸カルシウム、デカン酸カリウム、デカ
ン酸マグネシウム、デカン酸亜鉛、ラウリン酸リチウ
ム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カルシウム、ラ
ウリン酸アルミニウム、ミリスチン酸カリウム、ミリス
チン酸ナトリウム、ミリスチン酸アルミニウム、パルミ
チン酸ナトリウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マ
グネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カ
リウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、
オレイン酸ナトリウム、ベヘン酸ナトリウム、等を挙げ
る事ができる。好適には、ラウリン酸リチウム、ラウリ
ン酸ナトリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸ア
ルミニウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸ナト
リウム、ミリスチン酸アルミニウム、パルミチン酸ナト
リウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン
酸ナトリウム等が用いられる。
【0019】有機カルボン酸の金属塩の他の例として
は、カルボン酸の金属塩構造を有する樹脂がある。この
ような樹脂としては、エチレンとラジカル重合性不飽和
カルボン酸のIA族、IIA族、IIB族、 IIIB族の金属
(例えばLi、Na、K、Mg、Ca、Zn、Al等)
塩とを共重合した構造を持つ物、或いはエチレンと該ラ
ジカル重合性カルボン酸の金属塩と他のラジカル重合性
不飽和カルボン酸及び/またはその誘導体とを多元共重
合した構造を持つ物が挙げられる。
【0020】更に、ポリエチレン、ポリプロピレン、遊
離エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系
樹脂に、該ラジカル重合性不飽和カルボン酸の金属塩
(遊離の不飽和カルボン酸を重合し、後で中和しても良
い。)をグラフト重合させた構造を持つ物、ポリオレフ
ィン系樹脂に該ラジカル重合性カルボン酸の金属塩と他
のラジカル重合性不飽和カルボン酸及び/またはその誘
導体を同時に共グラフト重合した構造を持つ物が挙げら
れる。ここで用いられるラジカル重合性不飽和カルボン
酸及びその誘導体の例としては、(メタ)アクリル酸、
マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノメチル、フマル
酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、フマル酸モノエ
チル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノブチル、
(メタ)アクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、フマ
ル酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチ
ル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル等を挙げる
事ができる。
【0021】反応促進剤の他の例としては、三級アミン
化合物を挙げる事ができる。ここで用いられる三級アミ
ン化合物の具体例としては、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリイソプロピルアミン、トリヘキシルア
ミン、トリオクチルアミン、トリオクタデシルアミン、
ジメチルエチルアミン、メチルジオクチルアミン、ジメ
チルオクチルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、
N,N−ジエチル−4−メチルシクロヘキシルアミン、
ジエチルシクロドデシルアミン、N,N−ジエチル−1
−アダマンタナミン、1−メチルピロリジン、1−エチ
ルピロリジン、1−エチルピペリジン、キヌクジリン、
トリフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,
N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−m−フェネ
チアジン、4−t−ブチル−N,N−ジメチルアニリン
等が挙げられる。
【0022】反応促進剤のその他の例としては、四級ア
ンモニウム塩を挙げる事もできる。ここで用いられる四
級アンモニウム塩の具体例としては、テトラメチルアン
モニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモ
ニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラメチルアン
モニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミ
ド、テトラエチルアンモニウムヨージド、メチルトリ−
n−ブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモ
ニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミ
ド、テトラヘプチルアンモニウムブロミド、フェニルト
リメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルア
ンモニウムクロリド等が挙げられる。
【0023】更に、反応促進剤の別の例としては、IA
族、IIA族、IIB族、 IIIB族の金属の水酸化物が挙げ
られる。具体例としては、水酸化カルシウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム等を挙げる事ができ
る。またIIA族、IIB族の金属のハロゲン化物が挙げら
れる。具体例としては、塩化カルシウム、臭化カルシウ
ム、塩化マグネシウム等を挙げる事ができる。
【0024】更に、オキソ酸とIA族、IIA族、IIB
族、 IIIB族の金属の塩を本発明に関わる反応促進剤の
他の例として挙げる事ができる。その具体例としては、
硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛、硝酸マグ
ネシウム、硝酸アルミニウム、燐酸ナトリウム、燐酸カ
ルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウ
ム、硫酸アルミニウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリ
ウム、沃素酸ナトリウム等があげられる。
【0025】更には、LiBF4 、NaBF4 、KBF4、NaPF6
KPF6、NaPCl6、KPCl6 、NaFeCl4 、NaSnCl4 、NaSbF6
KSbF6 、NaAsF6、KAsCl6等のルイス酸のアルカリ金属塩
も反応促進剤の他の例として挙げる事ができる。以上に
例示した反応促進剤の内、好適には有機カルボン酸の金
属塩が用いられる。また以上に例示した反応促進剤は、
必要に応じて2種類以上同時に併用しても差し支えな
い。ここで用いられる反応促進剤の使用量は、エチレン
系二元共重合体もしくはエチレン系多元共重合体100
重量部に対して0.001重量部以上20重量部以下の
範囲、より好ましくは0.01重量部以上15重量部の
範囲である。この量が0.001重量部よりも少ない場
合は、反応が遅くなり過ぎて樹脂組成物中に架橋構造を
効果的に導入することが困難となる。またこの量が20
重量部よりも多い場合は反応速度を向上させる点におい
て無意味であるだけでなく経済的にも好ましくない。
【0026】本発明に関わる一方の構成樹脂であるポリ
プロピレン系樹脂(B)としてはプロピレン単独重合
体,エチレン−プロピレンランダム或いはブロック共重
合体,プロピレン−α- オレフィン共重合体(但し、α
- オレフィンの炭素数は4〜10)などが単独に、もし
くは2種類以上の混合物の形として適用される。好適に
は、エチレンもしくは炭素数4〜10のα- オレフィン
の含量が1〜7重量%含まれるエチレン−プロピレン共
重合体,α- オレフィン−プロピレン共重合体,エチレ
ン−α- オレフィン−プロピレン共重合体及び全体のエ
チレン含量が5〜15重量%であって、プロピレン単独
重合体に対し、エチレン−プロピレン共重合体を5〜2
5重量%混合したブレンド物等を挙げることができる。
ここで用いられるポリプロピレン系樹脂のMFR(JI
S K7210 表1条件14に従う)は0.01〜1
00g/10分の範囲、好ましくは0.1〜50g/1
0分の範囲である。
【0027】ここで用いられるポリプロピレン系樹脂の
使用量は、架橋性樹脂組成物(A)に対して5〜80重
量%の範囲、より好ましくは10〜75重量%の範囲、
さらに好ましくは20〜70重量%の範囲である。この
量が80重量%より多い場合は、架橋性樹脂の効果が小
さくなりすぎて耐熱性(ドローダウン性)が低下する
為、好ましくない。逆に3重量%より少ない場合には得
られる樹脂組成物の強度が低下して、例えば、該組成物
を成形して得られるシートの真空成形時の強度が不足す
るため、好ましくない。ポリプロピレン系樹脂(B)を
用いることによって、得られるシートの真空成形時の強
度、特に耐孔開き性が大きく改善される。従って例え
ば、200μm程度のシートの厚みでは10mmφの大
きな真空孔であっても孔開きすることなく真空成形が可
能となり、従来のポリオレフィン系樹脂組成物では達し
得ない物性を付与することができる。
【0028】本発明に関する樹脂組成物には、該組成物
の特徴を損なわない範囲で各種の添加剤、配合剤、充填
剤を使用することが可能である。これらを具体的に示せ
ば、酸化防止剤(耐熱安定剤)、紫外線吸収剤(光安定
剤)、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、滑剤(スリップ
剤、アンチブロッキング剤)、ガラスフィラー等の無機
充填剤、有機充填剤、補強剤、着色剤(染料、顔料)、
香料等が挙げられる。本発明の樹脂組成物の製造法に
は、通常知られている種々の樹脂の混合方法を用いるこ
とができる。その具体的方法を例示すれば、各成分を溶
融状態で混合する方法、すなわち一般に用いられている
加圧ニーダー、ロール、バンバリーミキサー、スタティ
ックミキサー、スクリュー式押出機等を用いる方法を挙
げることができる。また、上記の樹脂組成物の成形時に
各成分を溶融混合することも可能である。すなわち、各
成分をペレット、粉体の状態で混合(ドライブレンド)
し、シ−ト等の製造段階を利用して溶融混合することも
可能である。上記のような樹脂組成物を用いることによ
って、優れた物性を有するシートもしくはフィルム等の
肉薄成形体を製造することができる。
【0029】本発明の肉薄成形体は、従来から知られて
いる方法で成形することによって得ることができる。そ
のような成形方法としては、(共)押出成形法,インフ
レーション成形法,射出成形法,熱プレス成形法,カレ
ンダー成形法等を挙げることができる。成形する際の温
度は、ポリオレフィンを成形する温度条件100〜28
0℃の範囲、より好ましくは、150〜250℃の範囲
である。本発明の肉薄成形体の厚みは、製品の使用目的
に応じて自由に選択できるが、特に真空成形用シートの
用途に対しては100〜500μmの範囲で選択され
る。また、本発明の肉薄成形体、特にシートの場合は、
その表面は成形時叉は成形後にマットロール加工,エン
ボス加工等を施すことにより、表面を粗面化したり立体
的な模様を付したりすることができる。
【0030】本発明に関わる肉薄成形体は、特に真空成
形用シートに対して好適な物性を示す。このような用途
に対しては厚さ100〜500μmの範囲、好ましくは
120〜300μmの範囲で用いられる。シートの厚さ
が100μm以下ではシートの絶対強度が不足し、実用
上好ましくない。叉、500μm以上の厚さでは真空成
形時のシート加熱に時間を要することになる上、真空引
きによる型追随性が不足する事になり好ましくない。上
記のようなシートは、特にインスツゥルメントパネルの
部材孔遮閉用シートとして用いる場合、加熱時のドロー
ダウンが適度で耐熱性が有り、叉、真空成形時の耐孔開
き性にも優れる上、良好な深絞り性が得られる。この様
な樹脂組成物を用いて製造されたインスツゥルメントパ
ネル部材孔遮閉用シート(以下真空成形用シートと示
す)の特徴について更に詳しくいえば、このシートは、
リサイクルが可能であり、コストダウンという点におい
ても優れている。以下実施例によって本発明をさらに詳
細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら
限定されるものではない。
【0031】
【実施例】以下の実施例、比較例の評価は次の方法で行
った。 1.耐孔開き性:10mmφの真空引き用穴を3個あけ
たテスト用真空型を用い、上下250℃に設定したヒー
ターでシートを加熱し、700mmHgの減圧度で真空
成形をおこない、成形終了後評価した。穴開きの全くな
いものを◎、穴開きはないが真空で引いた部分が風船状
に膨らみ薄くなったものを○、穴開きの生じたものを×
とした。
【0032】2.耐熱性(ドローダウン性):300×
300mmの枠にシートをセットして上側より250℃
のヒーターで加熱し、そのシートの下部への垂れ下がり
の距離(cm)を測定し、以下の基準で判定を行った。
(加熱時間は20秒) 殆ど垂れ下がらないもの=◎ 垂れ下がりが5cm未満のもの=○ 垂れ下がりが5cm以上のもの=× (シートが破れるものも含む)
【0033】3.深絞り性:150mm×100mm×
30mmの金型を用いて、上下250℃に設定したヒー
ターでシートを加熱し、700mmHgの減圧度で成形
をおこない、シートの深絞り性をみた。 成形性に問題のないものを○ 成形性に問題のあるものを×
【0034】4.常温引張り試験:JIS K7113
に準じて行った。詳しくは、得られたシートを15×1
00mmの大きさに切り、引張り試験機を用いて、引張
り速度300mm/min.で破断強度を測定した。
【0035】5.高温(100℃)引張り試験:100
℃に設定した恒温槽を設置した引張り試験機にて、15
×100mmの大きさに切ったシートの試験片を用い
て、引張り速度300mm/min.で破断強度及び伸
び率(%)を測定した。
【0036】(実施例1)エチレン−無水マレイン酸−
メチルメタアクリレートの三元共重合体を槽型反応器を
有する高圧法ポリエチレン製造設備を用いて製造した。
得られたエチレン系共重合体(a)は、MFR(JIS
K7210 表1条件4)10g/10分、無水マレ
イン酸に由来する単位が3.0重量%、メチルメタアク
リレートに由来する単位が8.0重量%であった。尚、
共重合体の組成は赤外吸収スペクトルにより決定した。
該共重合体(a)100重量部、トリメチロールプロパ
ンのプロピレンオキシド(3.0mol)付加体(b)
1.6重量部(水酸基/酸無水物基=0.50)、有機
カルボン酸の金属塩として、MFR(JIS K712
0 表1条件4)3.0g/10分、密度0.94g/
cm3 であるエチレン−メタアクリル酸共重合体の部分
中和物(メタアクリル酸含有量18重量%、該メタアク
リル酸のうち約10%を中和した共重合体<ナトリウム
塩>:金属塩(1)と略す)(c)5重量部(金属原子
/酸無水物基=0.30)を混合した。混合にあたって
は、3成分をヘンシェルミキサーでブレンドした後、3
0mmφの異方向2軸押出機を用いて、230℃で溶融
混練りしペレット化した。混合物のMFR(JISK7
210表1条件14)は9.2g/10分であった。こ
の樹脂組成物(A)50重量%とポリプロピレン系樹脂
(B)として、昭和電工( 株) 製エチレン−プロピレン
ランダム共重合体MG511〔MFR(JIS K72
10表1条件14)=14.5g/10分、エチレン含
量=2.0重量%〕50重量%をタンブラーミキサーを
用いて混合したのちに30mmφの二軸押出機を使って
200℃で混練りした。溶融混練りしてペレット化した
混合物を40mmφの単軸押出機を有するTダイス付き
シート成形機にて厚さ200μmのシートを得た。この
シートについての常温での引張り強度及び引張り伸び率
の測定をJISK7113の要領にておこなった。次
に、このシートについての100℃での引張り強度及び
引張り伸び率の測定を実験3.の要領にて行った。つづ
いて、真空成形時の耐穴開き性及びシートの加熱時間、
真空引き時のシートの穴開きがない限界の温度,深絞り
性等について検討した。以上の結果について表1に示
す。
【0037】(実施例2)実施例1と同様のエチレン系
共重合体を用い、(b)としてトリメチロールプロパン
のプロピレンオキシド付加体(3.0mol%)の分子
量が400の化合物1.5重量部(水酸基/酸無水物基
=0.38)を使用した他は実施例1と同様な樹脂組成
物(A)を得た。この樹脂組成物(A)70重量%とポ
リプロピレン系樹脂(B)として、実施例1と同様な樹
脂30重量%を実施例1と同様の方法にて溶融混練り
し、シートを成形した。得られたシートの厚さは190
μmであった。得られた結果を表1に示す。
【0038】(実施例3)エチレン系共重合体としてエ
チレン−無水マレイン酸−メチルアクリレートの三元共
重合体を用いた。得られたエチレン系共重合体は、〔M
FR(JIS K7210 表1条件4)8.0g/1
0分、無水マレイン酸に由来する単位が2.5重量%、
メチルアクリレートに由来する単位が16.0重量%〕
であった。尚、共重合体の組成は赤外吸収スペクトルに
より決定した。この共重合体を用いた以外は実施例1と
同様にして組成物を得た。この樹脂組成物(A)30重
量%とポリプロピレン系樹脂(B)として、実施例1と
同様の樹脂70重量%を実施例1と同様の方法にて溶融
混練りし、シートを成形した。得られたシートの厚さは
190μmであった。得られた結果を表1に示す。
【0039】(実施例4)実施例1と同様のエチレン系
共重合体を用い、樹脂組成物(A)も実施例1と同様の
組成物とした。この樹脂組成物(A)70重量%とポリ
プロピレン系樹脂(B)として、昭和電工( 株) 製エチ
レン−プロピレンランダム共重合体FG110AM〔M
FR(JIS K7210 表1条件14)1.5g/
10分、エチレン含量=4.3重量%〕30重量%を実
施例1と同様の方法で溶融混練りし、シートを成形し
た。得られたシートの厚さは170μmであった。得ら
れた結果を表1に示す。
【0040】(実施例5)エチレン系共重合体として、
エチレン−無水マレイン酸−ブチルアクリレート共重合
体を用いた。〔MFR(JIS K7210 表1条件
4)10.0g/10分、無水マレイン酸に由来する単
位が2.5重量%、ブチルアクリレートに由来する単位
が16重量%〕なお、共重合体の組成は赤外吸収スペク
トルにて決定した。この共重合体(a)100重量部、
多価アルコール化合物(b)としてエチレンと2−ヒド
ロキシエチルアクリレート(8重量%)共重合体4.2
重量部、反応促進剤(c)として表1に示す化合物を
3.0重量部混合した以外は実施例1と同様にして樹脂
組成物を得た。この樹脂組成物(A)50重量%とポリ
プロピレン系樹脂(B)として実施例4と同様な樹脂5
0重量%使用した以外は実施例1と同様に成形し、厚さ
210μmのシートを得た。得られた結果を表1に示
す。
【0041】(実施例6)エチレン系共重合体として、
エチレン−無水マレイン酸−メチルアクリレート共重合
体を用いた。〔MFR(JIS K7210 表1条件
4)12.0g/10分、無水マレイン酸に由来する単
位が0.9重量%、メチルアクリレートに由来する単位
が9.0重量%〕なお、共重合体の組成は赤外吸収スペ
クトルにて決定した。この共重合体(a)100重量
部、多価アルコール化合物(b)としてジグリセリンモ
ノステアレート1.3重量部使用した以外は実施例1と
同様にして樹脂組成物を得た。この樹脂組成物(A)3
0重量%とポリプロピレン系樹脂(B)として実施例4
と同様な樹脂70重量%使用した以外は実施例1と同様
に成形し、厚さ200μmのシートを得た。得られた結
果を表1に示す。
【0042】(実施例7)実施例1と同様のエチレン系
共重合体を用い、樹脂組成物(A)中の反応促進剤
(c)としてステアリン酸ナトリウムを使用した以外は
実施例1と同様の樹脂組成物(A)を使用した。この樹
脂組成物(A)50重量%とポリプロピレン系樹脂
(B)としてプロピレン単独重合体に対し、エチレン−
プロピレン共重合体を混合したブレンド物(昭和電工
(株)製エチレン−プロピレンブロック共重合体)MK
413A〔MFR(JIS K7210表1条件14)
=9.0g/10分〕を50重量%使用した以外は実施
例1と同様に成形し、厚さ190μmのシートを得た。
得られた結果を表1に示す。
【0043】(実施例8)実施例1と同様のエチレン系
共重合体を用い、樹脂組成物(A)も実施例1と同様の
組成物とした。この樹脂組成物(A)70重量%とポリ
プロピレン系樹脂(B)として、昭和電工(株)製エチ
レン−プロピレンランダム共重合体FD230〔MFR
(JIS K7210表1条件14)2.3g/10
分、ランダム共重合体中のエチレン含量が7.0重量
%〕を30重量%使用した以外は実施例1と同様に成形
し、厚さ195μmのシートを得た。得られた結果を表
1に示す。
【0044】(実施例9)エチレン系共重合体として、
エチレン−無水マレイン酸の二元共重合体を用いた。
〔MFR(JIS K7210 表1条件4)10.0
g/10分、無水マレイン酸に由来する単位が2.0重
量%〕尚、共重合体の組成は赤外吸収スペクトルにて決
定した。樹脂組成物(A)は実施例7と同様の組成物と
した。この樹脂組成物(A)50重量%とポリプロピレ
ン系樹脂(B)として、実施例8と同様な樹脂50重量
%を実施例1と同様の方法にて溶融混練りし、シートを
成形した。得られたシートの厚さは190μmであっ
た。得られた結果を表1に示す。
【0045】(実施例10)実施例5と同様のエチレン
系共重合体を用い、樹脂組成物(A)として、実施例2
と同様の組成物とした。この樹脂組成物(A)70重量
%とポリプロピレン系樹脂(B)として、昭和電工
(株)製プロピレン単独重合体FA461〔MFR(J
IS K7210表1条件14)9.0g/10分〕を
30重量%使用した以外は実施例1と同様に成形し、厚
さ200μmのシートを得た。得られた結果を表1に示
す。
【0046】(実施例11)実施例3と同様のエチレン
系共重合体を用い、樹脂組成物(A)として、実施例7
と同様の組成物とした。この樹脂組成物(A)50重量
%とポリプロピレン系樹脂(B)として、実施例10と
同様な樹脂50重量%を実施例1と同様の方法にて溶融
混練りし、シートを成形した。得られたシートの厚さは
210μmであった。得られた結果を表1に示す。
【0047】(比較例1)樹脂組成物(A)を構成する
多価アルコール(b)を抜いた以外は実施例1と同様に
成形し、厚さ200μmのシートを得た。得られた結果
を表1に示す。
【0048】(比較例2)樹脂組成物(A)を実施例1
と同様の組成物とし、ポリプロピレン系樹脂(B)は加
えず成形し、厚さ180μmのシートを得た。得られた
結果を表1に示す。
【0049】(比較例3)樹脂組成物(A)は使用せ
ず、ポリプロピレン系樹脂(B)として昭和電工(株)
製プロピレン単独重合体MG511〔MFR(JIS
K7210表1条件14)=14.5g/10分〕のみ
をシート成形し、厚さ200μmのシートを得た。得ら
れた結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表1】
【0052】表1の略称 TM−30P トリメチロ−ルプロパンのプロピレンオキシド付加体
(3.0モル%) TM−40P 上記TM−30Pの分子量が400 HEA エチレンと2−ヒドロキシエチルアクリレ−ト(8重量
%)共重合体 DGS ジグリセリンモノステアレ−ト PET ペンタエリスリト−ル 金属塩(1) エチレン−メタクリル酸(18重量%)共重合体のNa
塩(メタクリル酸10%モル中和)、MFR(JIS
K7210の表1条件4)3.0g/10分 金属塩(2) ステアリン酸ナトリウム MA=メチルアクリレ−ト BA=ブチルアクリレ−ト MMA=メチルメタアクリレ−ト
【0053】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物および肉薄成形体
は、自動車等のインストゥルメントパネルに必要な耐穴
開き性及び深絞り性を有し、且つリサイクル性を有す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田越 宏孝 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電工 株式会社大分研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a)エチレンと少なくともラジ
    カル重合性酸無水物を構成モノマーとして含む共重合体
    であり、その共重合体中のラジカル重合性酸無水物基の
    成分濃度が0.1〜20重量%であり、その他のラジカ
    ル重合性コモノマー基の成分濃度が0〜20重量%の範
    囲であるエチレン系共重合体、(b)分子内に2個以上
    の水酸基を有する多価アルコール化合物及び(c)反応
    促進剤を含有し、成分(a)中のラジカル重合性酸無水
    物に由来する単位に対し、成分(b)である多価アルコ
    ール化合物中の水酸基の単位のモル比が0.01〜10
    の範囲であり、且つ成分(c)である反応促進剤が成分
    (a)であるエチレン系共重合体100重量部に対して
    0.001〜20重量部の範囲である架橋性樹脂組成物
    95〜20重量%及び(B)ポリプロピレン系樹脂5〜
    80重量%を有する樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(B)のポリプロピレン系樹脂が、エチレ
    ン及び/叉は炭素数4〜10のα−オレフィンの含量が
    1〜7重量%であるエチレン及び/叉はα−オレフィン
    とプロピレンとの共重合体である請求項1記載の樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】(B)のポリプロピレン系樹脂が、全体の
    エチレン含量が5〜15重量%であって、プロピレン単
    独重合体に対し、エチレン−プロピレン共重合体を5〜
    25重量%混合したブレンド物である請求項1記載の樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 成分(b)の多価アルコール化合物が、
    下記一般式(1)または(2) (R)a C(CH2 OH)b …………… (1) (式中、Rは水素、炭素原子数1〜12個の鎖状或いは
    環状アルキル基叉はアラルキル基を表し、aは0〜2の
    整数を表し、bは2〜4の整数を表し、且つa+b=4
    を満足するように選択される。) HO−CH2 CH(OH)CH2 − [CH2 CH(OH)CH2 −O]n −H …………… (2) (式中、nは0〜10の整数である。)で示される多価
    アルコール化合物にエチレンオキシドまたはプロピレン
    オキシドを付加させた構造を有するポリオキシアルキレ
    ン化合物及び一般式(3) R’−COOH …………… (3) (式中、R’は炭素原子数2〜25個の鎖状叉は環状の
    アルキル基叉はアラルキル基を表す。)で示される有機
    カルボン酸化合物と、前記一般式(2)で示されるポリ
    グリセリンとを脱水縮合して得られる、分子内に2個以
    上の水酸基を有するポリグリセリンエステルのうちの1
    種以上である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 成分(c)の反応促進剤がカルボキシル
    基を含む重合体の金属塩叉は有機カルボン酸の金属塩で
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組
    成物を成形して得られる肉薄成形体。
  7. 【請求項7】 厚さが100μm〜500μmである請
    求項6記載の肉薄成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004349672A (ja) * 2002-07-10 2004-12-09 Ngk Spark Plug Co Ltd 充填材及びそれを用いた多層配線基板並びに多層配線基板の製造方法

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JP2004349672A (ja) * 2002-07-10 2004-12-09 Ngk Spark Plug Co Ltd 充填材及びそれを用いた多層配線基板並びに多層配線基板の製造方法

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