JPH08271030A - 空調空気の吹出口 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電源等の他要素の工事を必要とせず、且つ長
時間の運転にても結露を発生させることがない空調空気
の吹出口を提供することにある。 【構成】 開口部に取付枠を介してラッパ管を挿通する
と共にラッパ管の先端のカール部を開口部の室内側に位
置させ、且つラッパ管の後部に取付枠を介して風導ダク
トを連結して成る空調空気の吹出口において、ラッパ管
は、先端のカール部に複数の穴を穿設し所定の間隔を置
いて取付枠の内側に配設されている。ラッパ管の先端の
カール部に穿設した複数の穴は、カール部の全周に設け
られている。ラッパ管の先端のカール部に穿設した複数
の穴は、開口部の壁面側に設けられている。取付枠とラ
ッパ管との間隔は、風導ダクトからの空調空気をラッパ
管の先端のカール部に設けた複数の穴へ案内する通路を
形成している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建物ロビー等の大空間
へ空調空気を供給する空調設備の吹出口に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の空調空気の吹出口として
は、ノズルタイプが多く用いられている。これを図３に
より説明する。図において、１は建物ロビー等の大空間
を形成する壁面であり、開口部２が形成されている。

【０００３】開口部２には、図示しない空調設備に連絡
する風導ダクト７に連結する取付枠３が取り付けられて
いる。この取付枠３は、先端に外方へ折曲する立ち上が
り部４が形成されている。又、取付枠３の後部５には、
ラッパ管取付固定用フラットバー６が溶接等で取り付け
られている。

【０００４】更に、取付枠３の後部５には、風導ダクト
７がビス８によって固定されている。この連結部には、
テープが巻き付けられている。取付枠３には、アルミニ
ウム製のラッパ管９が挿通されている。ラッパ管９の先
端には、カール部１０が形成され、そのカール部１０が
壁面１の室内側に位置している。

【０００５】ラッパ管９の後部１１には、フラットバー
１２が溶接等で固定されている。このフラットバー１２
には、ボルトナット１３が取り付けられ、風導ダクト７
に固定したラッパ管取付固定用フラットバー６と連結し
ている。処で、建物ロビー等の大空間では、室内に外気
が入り込むことが多くあるため、ラッパ管９から表面結
露が発生することがある。

【０００６】この結露は、図３に示すように、吹出空気
１４によって、室内側の空気１５が誘引されてラッパ管
９のカール部１０表面に接触し、冷やされたカール部１
０の温度が室内空気露点温度以下の場合に発生する。そ
こで、従来では、図３に示すように、ラッパ管９のカー
ル部１０の裏側１６に、断熱材と保温用電熱線から成る
結露防止部材１７を組み込み、カール部１０を加温して
結露を防止している。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、保温用電熱
線により加温して結露防止を行う場合、電源工事を伴う
と共に、夏冬の電源管理が必要となる。又、保温用電熱
線故障時の安全性に問題があった。

【０００８】又、ノズルタイプの吹出口の表面を起毛機
にて全面処理し、断熱効果により結露防止することも可
能であるが、長時間連続使用することにより、結露を発
生することがあり、結露防止対策となり得ない。本発明
は、斯かる従来の問題点を解決するために為されたもの
で、その目的は、電源等の他要素の工事を必要とせず、
且つ長時間の運転にても結露を発生させることがない空
調空気の吹出口を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、開口
部に取付枠を介してラッパ管を挿通すると共にラッパ管
の先端のカール部を開口部の室内側に位置させ、且つラ
ッパ管の後部に取付枠を介して風導ダクトを連結して成
る空調空気の吹出口において、ラッパ管は、先端のカー
ル部に複数の穴を穿設し所定の間隔を置いて取付枠の内
側に配設されていることを特徴とするものである。

【００１０】請求項２の発明は、ラッパ管の先端のカー
ル部に穿設した複数の穴は、カール部の全周に設けられ
ていることを特徴とするものである。請求項３の発明
は、ラッパ管の先端のカール部に穿設した複数の穴は、
開口部の壁面側に設けられていることを特徴とするもの
である。請求項４の発明は、取付枠とラッパ管との間隔
は、風導ダクトからの空調空気をラッパ管の先端のカー
ル部に設けた複数の穴へ案内する通路を形成しているこ
とを特徴とするものである。

【００１１】

【作用】請求項１乃至４の発明においては、空調設備に
連絡する風導ダクトからの空調空気は、ラッパ管の後部
でラッパ管の内側を通過するものと、ラッパ管と取付枠
との間を通過するものとに分かれる。ラッパ管の内側を
通過する大半の空調空気は、従来のノズルタイプの吹出
口のラッパ管と同様に大空間等の室内へ流入する。

【００１２】そして、ラッパ管と取付枠との間を通過す
るものは、ラッパ管の先端のカール部に穿設された複数
の穴から大空間等の室内へ噴出される。この空調空気の
噴出によって、ラッパ管の内側から吹き出される空調空
気により誘引される室内空気を室内側へ押し戻し、ラッ
パ管のカール部への接触を防止し結露を発生させること
がない。

【００１３】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
説明する。図１は、請求項１乃至４の空調空気の吹出口
の一実施例を示す縦断面図である。図において、２０は
建物ロビー等の大空間を形成する壁面であり、開口部２
１が形成されている。

【００１４】開口部２１には、図示しない空調設備に連
絡する風導ダクト２６に連結する取付枠２２が取り付け
られている。この取付枠２２は、風量によりその大きさ
を異にするが、径が１００〜３００ｍｍφ程度の筒状体
であり、先端に外方へ折曲する立ち上がり部２３が形成
されている。立ち上がり部２３が、開口部２１の近傍の
壁面２０に当接している。

【００１５】又、取付枠２２の後部２４には、ラッパ管
取付固定用フラットバー２５が溶接等で取り付けられて
いる。更に、取付枠２２の後部２４には、風導ダクト２
６がビス２７によって固定されている。この連結部に
は、テープが巻き付けられている。取付枠２２の内側に
は、先端のカール部３１に複数の穴３２を穿設したラッ
パ管３０が所定の間隔Ａで配設されている。

【００１６】ここで、所定の間隔Ａとは、風導ダクト２
６からの空調空気をラッパ管３０の先端のカール部３１
に設けた複数の穴３２へ案内する通路３６を形成するこ
とができる隙間を意味するものであり、例えば、カール
部３１の幅Ｂが３５ｍｍの場合、２０ｍｍ程度である。

【００１７】ラッパ管３０の先端のカール部３１に穿設
した複数の穴３２は、開口部２１の壁面２０側にカール
部３１の全周に亘って設けられている。ここで、複数の
穴３２は、空調空気をジェット状に噴出するものであ
り、通路３６の通気抵抗を考慮すると、径が４〜５ｍｍ
φ程度、ピッチが１５〜２０ｍｍ程度が好ましい。

【００１８】又、複数の穴３２は、カール部３１の全周
に均一に設けることが望ましい。これは、後述するよう
に、ラッパ管３０からの空調空気の吹出に起因する室内
側の空気の誘引により室内空気がカール部３１へ接触し
ようとするのを複数の穴３２からジェット状の空調空気
を噴出することで積極的に阻止する役割を担うものであ
るからである。

【００１９】更に、複数の穴３２は、ジェット状の空調
空気の噴出による室内空気の誘引防止の点から、ラッパ
管３０のカール部３１の根元部より壁面２０側に寄った
位置に形成することが好ましい。ラッパ管３０の後部３
３には、フラットバー３４が溶接等で固定されている。
このフラットバー３４には、ボルトナット３５が取り付
けられ、風導ダクト２６に固定したラッパ管取付固定用
フラットバー２５と連結している。

【００２０】次に、このようにして構成された本実施例
に係る空調空気用の吹出口の作用を説明する。空調設備
に連絡する風導ダクト２６からの空調空気３９は、ラッ
パ管３０の後部３３でラッパ管３０の内側を通過するも
のと、ラッパ管３０と取付枠２２との間の通路３６を通
過するものとに分かれる。

【００２１】ラッパ管３０の内側を通過する大半の空調
空気３９は、従来のノズルタイプの吹出口のラッパ管と
同様に大空間等の室内へ流入する。そして、ラッパ管３
０と取付枠２２との間の通路３６を通過するものは、ラ
ッパ管３０の先端のカール部３１に穿設された複数の穴
３２から大空間等の室内へ噴出される。

【００２２】この複数の穴３２からジェット状に噴出さ
れる空調空気３７の噴出によって、室内空気３８はカー
ル部３１の表面に接触することなく押し戻される。この
ため、カール部３１での結露を防止することができる。
以上のように、本実施例では、室内空気３８の誘引をカ
ール部３１に設けた複数の穴３２からのジェット状の空
調空気３７によって防止することができる。

【００２３】尚、上記実施例では、カール部３１に設け
た複数の穴３２として丸穴を用いたが、スリットにして
も良い。

【００２４】

【発明の効果】以上のように、請求項１乃至４の発明に
よれば、カール部に複数の穴を設け、これらの穴から風
導ダクトから送られてくる空調空気の一部をジェット状
にして室内側へ噴出するから、ラッパ管から吹き出され
る空調空気によって発生する誘引空気を確実に防止し長
時間の運転にても結露を発生させることがない。

【００２５】又、カール部に複数の穴を穿設すると共に
ラッパ管と取付枠との間に通路を形成するものであるか
ら、電源等の他要素の工事を必要としない。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１乃至４の空調空気の吹出口の一実施例
を示す縦断面図である。

【図２】図１の風導ダクトとラッパ管との連結部を示す
正面図である。

【図３】従来の空調空気の吹出口を示す縦断面図であ
る。

【符号の説明】

２０ 壁面 ２１ 開口部 ２２ 取付枠 ２６ 風導ダクト ３０ ラッパ管 ３１ カール部 ３２ 穴 ３６ 通路

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 開口部に取付枠を介してラッパ管を挿通
   すると共にラッパ管の先端のカール部を開口部の室内側
   に位置させ、且つラッパ管の後部に取付枠を介して風導
   ダクトを連結して成る空調空気の吹出口において、 ラッパ管は、先端のカール部に複数の穴を穿設し所定の
   間隔を置いて取付枠の内側に配設されていることを特徴
   とする空調空気の吹出口。
2. 【請求項２】 ラッパ管の先端のカール部に穿設した複
   数の穴は、カール部の全周に設けられていることを特徴
   とする請求項１記載の空調空気の吹出口。
3. 【請求項３】 ラッパ管の先端のカール部に穿設した複
   数の穴は、開口部の壁面側に設けられていることを特徴
   とする請求項１又は２記載の空調空気の吹出口。
4. 【請求項４】 取付枠とラッパ管との間隔は、風導ダク
   トからの空調空気をラッパ管の先端のカール部に設けた
   複数の穴へ案内する通路を形成していることを特徴とす
   る請求項１乃至３記載の空調空気の吹出口。