JPH08269Y2 - 注出キャップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、容器の口部に装着し、開口部を開閉自在に
封止する注出キャップ、特にはキャップ本体と、このキ
ャップ本体内に回動自在に組み込まれたレバー部材とか
らなるいわゆるトグルキャップに関するものである。

〈従来技術〉 従来よりシャンプー、リンス、乳液等の液体容器の注
出キャップとして、容器の口部に装着するキャップ本体
に注出口を設けるとともに、注出口を覆うレバー部材を
回動可能に組み込み、レバー部材を回動させることによ
り、レバー部材の流入口とキャップ本体の流出口とを連
通したり、遮断したりする、いわゆるトグルキャップが
特公昭48-36657号公報に記載されている。

〈考案が解決しようとする課題〉 上記した従来のトグルキャップにおいては、キャップ
本体に設けたレバー部材を回動するだけで容器内の内容
物が注出可能となるので、極めて使用し易い液体容器用
の注出キャップであるが、レバー部材の注出口は容器本
体に対して横向き（水平方向）で角度を変えるようにし
てあり、レバー部材の注出口と反対側の端部を押し下げ
て開栓し、注出口側の端部を押し下げて閉鎖する動作の
ため、容器本体を握り指を一本たてた状態で操作しなけ
ればならず、片手での操作が難しく、特に低・高年齢者
には使用し難いという問題点があった。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は上記した課題を解決するためになされたもの
で、容器の開口部と連通し水平方向に延びる筒状の流出
口を有する有頂筒状のキャップ本体と、前記流出口と連
通する流入口を有し、前記キャップ本体に対して支軸を
中心に回動自在に組み込まれるレバー部材とからなり、
前記キャップ本体の側壁には凹部が形成され、前記流出
口がこの凹部内に位置しており、前記レバー部材には垂
直上向きの注出口が形成されると共に、開栓時において
前記流入口とこの注出口とを連通させる通路が形成さ
れ、前記レバー部材の外周下方に押圧操作部が設けられ
ていることを特徴とする注出キャップである。

〈作用〉 本考案は上記の如き構成であって、容器本体を握る際
に、キャップ本体下方に自然に指を掛けた状態でレバー
部材の押圧操作部を押し込めば開栓状態になる。

〈実施例〉 本考案の実施例を図面を用いて詳細に説明する。

本考案の注出キャップは、キャップ本体１、レバー部
材２とからなり、キャップ本体１を容器口部に螺合させ
て用いる。

第２図においてキャップ本体１は容器３の口部への嵌
合部４が内周面に設けられている内筒体５と該内筒体５
の外側に外筒体６が同心円的に設けられ、かつ天板７が
内筒体５および外筒体６の上方を閉鎖する有頂筒状に形
成されている。内筒体５の内部には容器３の口部内周面
に嵌合するインナーリング８が天板７から設けられ、イ
ンナーリング８から水平方向に筒状の流出口９が連設さ
れており、該流出口９付近は外筒体６が一部切り欠かれ
た凹部10が設けられ、流出口９が露出した状態にある。
該流出口９を挟んで２枚のレバー部材ガイド11が凹部10
の前方に突出して形成されている。該レバー部材ガイド
11は下方は先細り状に傾斜しており、この傾斜面11aに
よってレバー部材２の回動する角度を定めている。レバ
ー部材２を挟んで凹部10の側面内側中段に設けられた２
個の凹み12は、レバー部材２を回動自在に枢止するため
の支点となる凹み部である。

レバー部材２は内容物を注出するための注出口13が先
端に、流入口14が側面略中央に設けられており、両者は
内部の通路15で連通しているとともに通路15内にはキャ
ップ本体１の流出口９に嵌合するインナーリング16が設
けられている。レバー部材２の両側面には、前記キャッ
プ本体１の凹み12に嵌合する支軸17が設けられている。
また注出口13と反対側の端部にはレバー部材押圧操作部
18が設けられている。

レバー部材２の支軸17をキャップ本体１の凹部12に回
動自在に嵌合させると本考案の注出キャップとなる。

第２図に示すように閉栓状態においては、注出口13は
天板７により閉鎖されるとともに流出口９にインナーリ
ング16が嵌合して内容物が外にもれることを防ぐ。開栓
状態にするには閉栓状態から、容器３とキャップ本体１
を片手で握るように持ち、指でレバー部材２の押圧操作
部18を中心に向かって押し込むと、押圧操作部18の裏部
がレバー部材ガイド11の斜面11aに接するまで回動し、
注出口13が外側に開く。これにより流出口９の先端部を
閉鎖していたインナーリング16も外れ、第３図に示すよ
うに流出口９はレバー部材２の流入口14と連通する。従
って容器３を傾斜させるか、到立させて容器３に圧力を
加えれば、流出口９から流入口14、通路15を介して注出
口13から内容物を注出させることができる。

開栓状態から閉鎖状態に戻すには、レバー部材２の注
出口13付近に指を当てて押し込めば、レバー部材が逆方
向に回動し、注出口13が天板７により閉じられるととも
に、流出口９がインナーリング16によって閉鎖される。

レバー部材２の押圧操作部18は上記実施例においては
外筒体６の外周面の延長想像面より突設させることによ
り、指を掛かりをよくしたものであり、第４図に示すよ
うに外筒体６の外観形状の下方全体を膨出部19とし、こ
の膨出部19と操作部18とを面一にするような形状として
もよい。

またレバー部材ガイド11は中央部に一個設けてもよ
く、あるいはキャップ本体１の凹部10の底面でレバー部
材２の回動が停止するようにすれば設けなくてもよい。
またキャップ本体１とレバー部材２はそれぞれ凹み12と
突起17を逆に設けてもよく、キャップ本体１の容器３へ
の固定方法は螺合のほか嵌合、接着等によるものであっ
てもよい。

〈効果〉 本考案の注出キャップによれば、レバー部材の注出口
が垂直上向きに形成されていることにより、レバー部材
の押圧操作部はキャップ本体の側壁と同一面に形成され
ることとなり、よって容器本体を握った手で極めて自然
に押圧操作部に指が掛けられる。従って低年齢者及び高
年齢者にも使いやすいキャップである。またレバー部材
の注出口が垂直上向きに形成されていることにより、注
出が終了した際にレバー部材の注出口付近に残留した内
容物が容器内へ回収される。また内容物が通路内に残留
した場合にも、注出口が垂直上向きに形成されているの
で、注出口から外部へ漏れる恐れがないという効果を奏
する。更には、レバー部材の外周下方に押圧操作部材が
形成されているので、レバー部材の注出口付近に触るこ
となく、すなわち手指を汚さずに注出できるという効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案の実施例を示すもので、第１図はその分解
斜視図、第２図は閉栓状態を示す断面図、第３図は開栓
状態を示す断面図、第４図は他の実施例を示す斜視図で
ある。 １……キャップ本体、２……レバー部材 ３……容器、５……内筒体 ６……外筒体、７……天板 ９……流出口、11……レバー部材ガイド 13……注出口、14……流入口 15……通路、18……押圧操作部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器の開口部と連通し水平方向に延びる筒
   状の流出口を有する有頂筒体のキャップ本体と、前記流
   出口と連通する流入口を有し、このキャップ本体に対し
   て支軸を中心に回動自在に組み込まれるレバー部材とか
   らなり、前記キャップ本体の側壁には凹部が形成され、
   前記流出口がこの凹部内に位置しており、前記レバー部
   材には垂直上向きの注出口が形成されると共に、開栓時
   において前記流入口とこの注出口とを連通させる通路が
   形成され、前記レバー部材の下方に押圧操作部が設けら
   れていることを特徴とする注出キャップ。