JPH08269099A - モノクローナル抗体及びハイブリドーマ - Google Patents

モノクローナル抗体及びハイブリドーマ

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JPH08269099A
JPH08269099A JP7073177A JP7317795A JPH08269099A JP H08269099 A JPH08269099 A JP H08269099A JP 7073177 A JP7073177 A JP 7073177A JP 7317795 A JP7317795 A JP 7317795A JP H08269099 A JPH08269099 A JP H08269099A
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lactoferrin
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antibody
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敬一 島崎
Atsushi Saito
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ウシ若しくはヒトのラクトフェリン類の断
片、例えば抗菌性ペプチドと結合し、天然のラクトフェ
リンとは結合しないモノクローナル抗体を作製し、これ
を用いて試料中に含まれるウシ若しくはヒトのラクトフ
ェリン類の断片を免疫学的に測定する。 【効果】 複雑な装置等を使用することなく、ヒト若し
くはウシのラクトフェリン類の断片、例えば、胃液、腸
内容物、便、血液、尿等に含有されるラクトフェリン類
由来の抗菌性ペプチドを、特異的、かつ高感度に検出又
は定量することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウシ若しくはヒトのラ
クトフェリン類の断片に特異的に結合するモノクローナ
ル抗体、該モノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マ、該モノクローナル抗体を用いるラクトフェリン類の
断片を検出又は定量する方法、及び該モノクローナル抗
体を用いるラクトフェリン類の断片を検出又は定量する
ための試薬キットに関する。
【0002】
【従来の技術】天然のウシ及びヒトラクトフェリンに対
するモノクローナル抗体は、既に開示されているが(例
えば、特公平6−69370号公報、特公平6−612
63号公報等)、これらの抗体は、天然のラクトフェリ
ンを抗原として得られたモノクローナル抗体であり、ラ
クトフェリンとは結合するが、ラクトフェリン類の加水
分解物中に存在する抗菌性ペプチドとは結合しない。ま
た、ラクトフェリン類の加水分解物から得られる抗菌性
ペプチドと結合する抗体の報告は皆無である。
【0003】抗菌性ペプチドは、ウシ又はヒトのラクト
フェリン類の加水分解物から単離された抗菌性ペプチド
であり、既に公知のものである(特開平5−92994
号公報)。
【0004】経口摂取したラクトフェリンは胃液中に分
泌された消化酵素、例えばペプシンによって消化され、
更に抗菌活性が強い抗菌性ペプチドが生じるものと考え
られている。このように酵素により加水分解され、タン
パク質から新たに生成した生理活性ペプチドを検出及び
定量するためには、加水分解前のタンパク質を抗原とし
て得られた抗体では不十分である。その理由は、加水分
解前のタンパク質を抗原としてモノクローナル抗体の作
成を行った場合、生理活性ペプチドのみならず、抗菌性
活性のないペプチド、抗菌性活性のないタンパク質とも
結合する抗体が得られる可能性が高いからである。
【0005】このような観点から、ラクトフェリンとは
結合せず活性の高い抗菌性ペプチドのみを認識できる抗
体が待望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、その目的は、ヒト又は
ウシのラクトフェリン類の断片と特異的に結合するモノ
クロナール抗体を提供することをである。
【0007】本発明の他の目的は、ヒト又はウシのラク
トフェリン類の断片と特異的に結合するモノクロナール
抗体を産生するハイブリドーマを提供することである。
本発明の他の目的は、ヒト又はウシのラクトフェリン類
の断片を検出又は定量する方法を提供することである。
【0008】更に、本発明の他の目的は、ヒト又はウシ
のラクトフェリン類の断片を検出又は定量するためのキ
ットを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、ヒト又はウシ
のラクトフェリン類の断片、特に抗菌性ペプチドと特異
的に結合するモノクロナール抗体を作成することに成功
し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、前記課題を解決する本発明の第
1の発明は、ウシ若しくはヒトのラクトフェリン類の断
片と結合し、天然のラクトフェリンとは結合しないモノ
クローナル抗体であり、前記ラクトフェリン類の断片が
抗菌性ペプチドであって、配列番号1〜配列番号8に記
載のアミノ酸配列のいずれかを有することを望ましい態
様としてもいる。
【0011】前記課題を解決する本発明の第2の発明
は、ウシ若しくはヒトのラクトフェリン類の断片と結合
し、天然のラクトフェリンとは結合しないモノクローナ
ル抗体を産生するハイブリドーマであり、前記ラクトフ
ェリン類の断片が抗菌性ペプチドであって、配列番号1
〜配列番号8に記載のアミノ酸配列のいずれかを有する
ことを望ましい態様としてもいる。
【0012】前記課題を解決する本発明の第3の発明
は、次のア)又はイ); ア)ウシ若しくはヒトのラクトフェリン類の断片を含有
する希釈試料を固相に固定化し、本発明のモノクローナ
ル抗体を添加し、このモノクローナル抗体の調製に用い
た免疫動物のイムノグロブリンに対する抗体を標識物質
で標識化した2次抗体を前記固相に添加し、この標識物
質を検出すること、 イ)ウシ若しくはヒトのラクトフェリン類の断片を含有
する希釈試料を固相に固定化し、本発明のモノクローナ
ル抗体を標識物質で標識化した標識化モノクローナル抗
体を添加し、この標識物質を検出すること、のいずれか
を含む、ウシ若しくはヒトのラクトフェリン類の断片を
検出又は定量する方法であり、前記ラクトフェリン類の
断片が抗菌性ペプチドであって、配列番号1〜配列番号
8に記載のアミノ酸配列のいずれかを有することを望ま
しい態様としてもいる。
【0013】前記課題を解決する本発明の第4の発明
は、次のa)〜e); a)抗ラクトフェリン類ポリクローナル抗体を予め固定
化したプレ−ト、 b)本発明のモノクローナル抗体、 c)前記モノクローナル抗体の調製に用いた免疫動物の
イムノグロブリンに対する抗体を酵素で標識化した2次
抗体 d)前記酵素の反応により発色する基質色素、及び e)標準濃度のヒト若しくはウシのラクトフェリン類の
断片の溶液、を含む、ウシ若しくはヒトのラクトフェリ
ン類の断片を検出又は定量するための試薬キット、及
び、次のa)〜g); a)抗ラクトフェリン類ポリクローナル抗体を予め固定
化したプレ−ト、 b)本発明のモノクローナル抗体、 c)前記モノクローナル抗体の調製に用いた免疫動物の
イムノグロブリンに対する抗体をビオチン標識した2次
抗体、 d)ビオチニル化アルカリフォスファターゼ、 e)ストレプトアビジン溶液、 f)アルカリフォスファターゼの反応により発色する基
質色素、及び g)標準濃度のヒト若しくはウシのラクトフェリン類の
断片の溶液、を含む、ウシ若しくはヒトのラクトフェリ
ン類の断片を検出又は定量するための試薬キットを提供
する。
【0014】本発明において、ラクトフェリン類は、天
然のラクトフェリン、鉄を一部又は完全に飽和したラク
トフェリン、鉄を除去したラクトフェリン、鉄以外の金
属(例えば、銅、亜鉛等)を一部又は完全に飽和させた
ラクトフェリンを意味している。
【0015】また、本明細書において、百分率の表示
は、特に断りのない限り、重量による値である。次に、
本発明について詳述するが、理解を容易にするため、本
発明の第2の発明から説明する。
【0016】<1>本発明のハイブリドーマ 本発明の第2の発明は、ウシ若しくはヒトのラクトフェ
リン類の断片、例えばウシラクトフェリン類由来の抗菌
性ペプチド及びヒトラクトフェリン類由来の抗菌性ペプ
チドの少なくともいずれかと特異的に結合するモノクロ
ーナル抗体を産生するハイブリドーマに関する。
【0017】一般にペプチドに対する抗体を作成する場
合、そのアミノ酸配列のうち5残基以上の連続したアミ
ノ酸配列を抗原として用いることが望ましいとされてい
る。従って、例えば、ウシラクトフェリン類由来の抗菌
ペプチドの場合、ウシラクトフェリン類のN末端から1
7〜41番目の抗菌性ペプチドに相当するアミノ酸配列
のうち5残基以上のアミノ酸配列を含むペプチドを、ヒ
トラクトフェリン類由来の抗菌ペプチドの場合、ヒトの
ラクトフェリン類のN末端から47番目のヒト抗菌性ペ
プチドに相当するアミノ酸配列のうち5残基以上のアミ
ノ酸配列を含むペプチドを、抗原として用いることが好
ましい。
【0018】ウシ若しくはヒトのラクトフェリン類の断
片としては、ラクトフェリン類を酸又は酵素で加水分解
することによって得られるペプチド、又はラクトフェリ
ン類が生体内において酵素により消化されて生じるペプ
チド等を例示することができる。
【0019】酸による加水分解は、これらラクトフェリ
ン類を0.1〜20%、望ましくは5〜15%の濃度で
水又は精製水等に溶解し、得られた溶液に塩酸、リン酸
等の無機塩、又はクエン酸等の有機酸を添加し、溶液の
pHを1〜4、望ましくは2〜3に調整し、調整された
pHに応じて、適当な温度で所定時間加熱して加水分解
する。例えば、pHが1〜2に調整された場合には80
〜130℃、望ましくは90〜120℃で、pH2〜4
に調整された場合には100〜130℃、望ましくは1
00〜120℃で、1〜120分間、望ましくは5〜6
0分間加熱する。
【0020】酵素により加水分解する場合には、ラクト
フェリン類を0.5〜20%、望ましくは5〜15%の
濃度で水、精製水等に溶解し、得られた溶液を使用され
る酵素の至適pHで加水分解する。使用する酵素は特に
制限はなく、市販の酵素、例えばモルシンF(商標。森
進製薬社製。至適pH2.5〜3)、豚ペプシン(和光
純薬工業社製。至適pH2〜3)、ミリスームAP(商
標。新日本化学社製。至適pH3.0)、アマノM(商
標。アマノ製薬社製。至適pH3.0)、アマノA(商
標。アマノ製薬社製。至適pH7.0)、トリプシン
(ノボ社製。至適pH8.0)等を単用又は任意に併用
することができる。
【0021】ラクトフェリン類が生体内において酵素に
よって消化されて生じたペプチドとしては、例えば、抗
菌性ペプチド;乳児の糞便、血、尿中に存在が確認され
ているラクトフェリン類の断片ペプチド(小児臨床、第
39巻、第7頁、1986年)を例示することができ
る。
【0022】特に望ましい抗菌性ペプチドとしては、配
列番号1〜配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するペ
プチドを例示することができる。このようなペプチド
は、ラクトフェリン類の酵素分解物から公知の方法(例
えば、特開平5−238948号公報)によって精製で
きるが、液相又は固相合成法等の化学合成、組み換えD
NA法によっても調製することができる。
【0023】抗体を製造する場合、アミノ酸残基が20
個程度以上のペプチドの場合は、公知の方法(大海忍
著、「抗ペプチド抗体実験プロトコール」、第44頁、
秀潤社、1994年)により、そのペプチドのまま動物
を直接免疫しても十分な抗原性を有している。しかしな
がら、アミノ酸残基が5から20程度のペプチドの場合
は、キャリアタンパク質にこれらペプチドを結合させた
状態で、前記公知の方法により免疫するのが望ましい。
この場合、キャリアタンパク質としてはウシ血清アルブ
ミン、キーホール・リンペット・ヘモシアニン(Keyhol
e Limpet Hemocyanin:以下「KLH」と記載する)等
を例示することができる。これらキャリアタンパク質と
ペプチドの結合は、m−マレイミドベンゾイルN−ヒド
ロキシスクシニドエステルを用い、ペプチドのシステイ
ン残基のチオール基とキャリアタンパク質のアミノ基と
を共有結合することにより、実施することができる。以
上のようにして、本発明の抗体産生に使用可能なペプチ
ド−キャリアタンパク質複合体が得られる。
【0024】前記のペプチド又はペプチド−キャリアタ
ンパク質複合体を抗原として、マウスを常法[エー・エ
ム・キャンベル(A.M. Campbell) 著、大沢利明訳、「生
化学実験法10」、第90ページ、東京化学同人、19
89年]により免疫する。使用するマウスの種類は特に
限定されないが、一般にはBALB/c系のマウスが用
いられる。マウス1匹当たり抗原10〜200μgの割
合で、フロイントの完全アジュバント若しくは不完全ア
ジュバントと共に腹腔内若しくは皮下に、又はアジュバ
ントを加えずに静脈内若しくは直接脾臓に免疫する。初
回免疫2〜3週間後に同一の方法により追加免疫を行
う。
【0025】免疫成立の確認は、マウスから採血し、公
知のエンザイム・リンクド・イムノソルベント・アッセ
イ(Enzyme-linked immunosorbent assay) 法[ビオキミ
カ・エト・ビオフィジカ・アクタ(Biochimica et Biop
hysica Acta)、第251巻、第427〜434ページ、
1971年。以下「ELISA法」と記載する]により
血中の抗体価を測定することにより実施することができ
る。細胞融合の3日前に抗原を免疫動物に静脈注射する
ことにより、抗体産生活性を有するハイブリドーマを得
る確率を高くすることが可能である。
【0026】次に前記のようにして免疫したマウスの脾
細胞とミエローマ細胞とを融合させる。ミエローマ細胞
としては、BALB/c由来のX−63−Ag8−6.
5.3又はSP2/0−Ag14を例示することができ
る。
【0027】細胞融合及びハイブリドーマの選択方法
を、例示すれば次のとおりである。平均分子量1500
〜4000のポリエチレングリコールを細胞融合促進剤
として使用し、脾細胞及びミエローマ細胞を、市販のヒ
ポキサンチン・アミノプテリン・チミジン培地(ギブコ
社製。以下「HAT培地」と記載する)中で培養する。
ミエローマ細胞として、ヒポキサンチン−グアニンホス
ホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子又はチミジンキナ
ーゼ遺伝子が変異した変異株を用い、融合処理後の細胞
をこの培地で培養すると、融合しない細胞は死滅し、融
合した細胞のみが増殖するので、融合細胞を選別するこ
とができる。次に、ELISA法により目的とする抗菌
性ペプチドに対する抗体を産生しているハイブリドーマ
の選択を次のとおり行う。
【0028】固相ELISA法に使用するマイクロプレ
ートに、ラクトフェリン類の断片、例えばウシ抗菌性ペ
プチド若しくはヒト抗菌性ペプチドをコーティングし、
ハイブリドーマ培養上清を適当に希釈して添加し、未吸
着物を洗浄除去し、アルカリフォスファターゼ又はパー
オキシダーゼを結合させた2次抗体を添加する。未吸着
の2次抗体を洗浄して除去し、発色基質としてパラニト
ロフェニルリン酸、オルトフェニレンジアミン又は2,
2−アジノ−ジ−(3−エチルベンズチアゾリン−6−
スルホン酸(バイオラッド社製。以下「ABTS」と記
載する)を、使用した酵素に応じて添加し、目的とする
抗体を産生している細胞の培養上清を加えたウェルを発
色させる。このようにして目的とするハイブリドーマが
得られ、公知の限界希釈法[エー・エム・キャンベル
(A.M. Campbell) 著、大沢利明訳、「生化学実験法1
0」、第154ページ、東京化学同人、1989年]に
よりクローニングを行い、ハイブリドーマ・クローンを
確立することができる。以上の操作により本発明の第2
の発明のハイブリドーマが得られる。
【0029】<2>本発明のモノクローナル抗体 本発明の第1の発明は、ウシ若しくはヒトのラクトフェ
リン類の断片、例えばウシ抗菌性ペプチド、ヒト抗菌性
ペプチドのいずれかと特異的に結合するモノクローナル
抗体に関する。
【0030】本発明の第1の発明に係るモノクローナル
抗体は、上記のようにして得られたハイブリドーマの培
養上清から、公知のイオン交換クロマトグラフィー又は
プロテインAカラム等によって分離精製することができ
るが、同系のマウス腹腔内にハイブリドーマを接種し、
腹水を生成させることにより、1000〜10000倍
程度に濃縮されたモノクローナル抗体を得ることもでき
る。この方法は、腹水から硫酸アンモニウムにより沈殿
させるのみで、高純度のモノクローナル抗体を得ること
ができるので、極めて効率がよい。
【0031】<3>ラクトフェリン類の断片の検出・定
量方法 本発明の第3の発明は、ウシ若しくはヒトのラクトフェ
リン類の断片を含有する希釈試料を固相に固定化し、本
発明のモノクローナル抗体を添加し、固定化されたラク
トフェリン類の断片に対して結合したモノクローナル抗
体を検出することによって、前記ラクトフェリン類の断
片を免疫学的に検出又は定量する方法である。
【0032】固定化されたラクトフェリン類の断片に結
合したモノクローナル抗体の検出は、モノクローナル抗
体として標識物質で標識化した標識化モノクローナル抗
体を用い、この標識物質を検出することによって行うこ
とができる。また、固相に非標識モノクローナル抗体を
添加した後、さらに、このモノクローナル抗体の調製に
用いた免疫動物のイムノグロブリンに対する抗体を標識
物質で標識化した2次抗体を前記固相に添加し、この標
識物質を検出することによっても、固定化されたラクト
フェリン類の断片に結合したモノクローナル抗体を間接
的に検出することができる。
【0033】2次抗体は、モノクローナル抗体の調製に
用いた免疫動物のイムノグロブリンに対する抗体であ
り、マウスモノクローナル抗体に対しては抗マウスイム
ノグロブリン抗体が用いられる。また、モノクローナル
抗体のクラスがIgGであれば、2次抗体としては抗I
gG抗体が好ましいが、抗IgG抗体を含んでいれば、
他のクラスのイムノグロブリンに対する抗体を含んでい
ても差し支えない。
【0034】ラクトフェリン類の断片を固定化する固相
としては、アガロースビーズ、ラテックス粒子、ポリス
チレン、ナイロン等のマイクロプレートが挙げられる。
これらの固相にラクトフェリン類の断片を含有する試料
を含む緩衝液を入れるか、あるいはラクトフェリン類の
断片を溶解した緩衝液に固相を浸漬することによって、
ラクトフェリン類の断片を固相に固定化することができ
る。また、ドットブロットあるいはウェスタンブロット
によっても、ニトロセルロースフィルターやナイロンメ
ンブレンにラクトフェリン類の断片を固定化することが
できる。さらに、異なる抗原決定基を認識する2種類の
モノクローナル抗体、又はモノクローナル抗体とポリク
ローナル抗体とを組み合わせて用いるサンドイッチEL
ISA法を行う場合には、一方のモノクローナル抗体ま
たはポリクローナル抗体を固相に固定化し、これにラク
トフェリン類の断片を結合させることにより、ラクトフ
ェリン類の断片を固相に間接的に固定化することができ
る。
【0035】モノクローナル抗体を標識する標識物質と
しては、酵素、ビオチン、ケイ光物質、発光物質、放射
性同位元素等が挙げられる。酵素の検出は、酵素反応に
より発色する色素を基質として用いることにより行うこ
とができる。このような酵素及び基質については後述す
る。ビオチンの検出は、ストレプトアビジンで標識した
酵素をさらにビオチンに結合させることにより、あるい
はストレプトアビジンを介してビオチニル化した酵素を
結合させることにより、酵素の検出と同様にして行うこ
とができる。
【0036】本発明の方法によるウシ若しくはヒトのラ
クトフェリン類の断片、例えばウシ抗菌性ペプチド又は
ヒト抗菌性ペプチドを検出又は定量する具体的な方法を
例示する。96穴(ウェル)マイクロプレートのウェル
に、pH9.6の炭酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウム
緩衝液又はリン酸緩衝溶液(以下、「PBS」と記載す
る)等のタンパク質吸着バッファで希釈した試料(例え
ば、ラクトフェリン類、ラクトフェリン類の断片、胃
液、腸内容物、便、血液、尿等)を入れ、4℃で1夜又
は37℃で1時間吸着させ、のちマイクロプレートをP
BS−Tween(PBSに0.05%の割合でTwe
enを混合した液)を用いて洗浄する。
【0037】この後、各ウェルは、モノクローナル抗体
等の非特異的吸着を防止するために、ウシ血清アルブミ
ン(BSA)、ゼラチン、スキムミルク等の溶液を添加
してブロッキングしておくとよい。
【0038】次いで、一次抗体として前記本発明のモノ
クローナル抗体を加え、37℃で1時間反応させ、前記
と同様にプレートを洗浄し、2次抗体としてアルカリフ
ォスファターゼ結合抗マウス免疫グロブリン抗体、又は
ペルオキシダーゼ結合抗マウス免疫グロブリン抗体を添
加し、37℃で1時間反応させる。前記と同様にプレー
トを洗浄し、発色基質を添加し、常法[ビオヒミカ・エ
ト・ビオフィジカ・アクタ(Bikchimica et Biophysica
Acta)、第251巻、第427〜434ページ、197
1年]により酵素活性を測定する。
【0039】アルカリフォスファターゼを用いた場合に
は、発色基質としてパラニトロフェニルリン酸等を、ペ
ルオキシダーゼを用いた場合には、発色基質としてオル
トフェニレンジアミン又はABTS等を例示することが
できる。
【0040】また、本発明の検出法又は定量法におい
て、2次抗体を添加する代わりに本発明のモノクローナ
ル抗体を酵素で直接標識したものを用いることにより前
記の2次抗体結合のステップを省略することもできる。
【0041】また、2次抗体としてビオチン標識抗マウ
ス免疫グロブリン抗体を用い、次にストレプトアビジン
結合アルカリフォスファターゼを添加し、アビジン−ビ
オチン複合体を形成させ、のち発色基質を加えることに
より高感度で目的のペプチドを検出又は定量することが
できる。さらに、前記2次抗体を加えた後に、ストレプ
トアビジン溶液を加え、さらにビオチニル化アルカリフ
ォスファターゼを添加し、ストレプトアビジンを介して
2次抗体にアルカリフォスファターゼを結合させてもよ
い。
【0042】また、異なる抗原決定基を認識する2種類
のモノクローナル抗体、又は本発明のモノクローナル抗
体と、抗ラクトフェリン類ポリクローナル抗体とを組み
合わせて用いるサンドイッチELISA法は、定量性、
検出感度の点から特に望ましい。その場合には、2種類
のモノクローナル抗体の一方、あるいはモノクローナル
抗体とポリクローナル抗体のうちの一方を固相に固定化
し、これにラクトフェリン類の断片を結合させた後、他
方の抗体を用いて上記と同様に行えばよい。抗ラクトフ
ェリン類ポリクローナル抗体は、通常のポリクローナル
抗体の調製と同様にして既知の方法により調製すること
ができる。尚、抗ラクトフェリン類ポリクローナル抗体
の調製に用いる抗原は、ラクトフェリン類であってもよ
いし、抗菌性ペプチドのラクトフェリン類の断片であっ
てもよい。
【0043】更には、いわゆるウェスタンブロット法に
よっても、本発明のモノクローナル抗体を用いてラクト
フェリン類の断片を検出、定量することができる。例え
ば、レムリらの方法[ネイチャー(Nature)、第227
巻、第680〜685ページ、1970年]により、サ
ンプル(ラクトフェリン類、ラクトフェリン類の断片、
胃液、腸内容物、便、血清、尿等)をポリアクリルアミ
ド電気泳動により分離する。このゲルを転写バッファで
平衡化した後、ゲルの中のペプチド、断片をニトロセル
ロースメンブレン又はナイロンフィルタに電気的に転写
し、固定化する。転写したメンブレン又はフィルタを、
10mMトリス塩酸バッファ、BSA、ゼラチン、スキ
ムミルク等でブロッキングし、前記本発明のモノクロー
ナル抗体を反応させる。メンブレン又はフィルタを洗浄
し、2次抗体としてアルカリフォスファターゼ結合抗マ
ウス免疫グロブリン抗体又はペルオキシダーゼ結合抗マ
ウス免疫グロブリン抗体を添加し、洗浄し、発色基質を
添加し、抗体と結合したタンパク質、ペプチドを検出す
る。
【0044】発色基質として、アルカリフォスファター
ゼを用いた場合には5−ブロモ−4−クロロ−3−イン
ドリルリン酸、ニトロブルーテトラゾリウム、ファスト
レッド、ナフトールリン酸等、ペルオキシダーゼを用い
た場合には4−クロロナフトール、ジアミノベンチジ
ン、アミノエチルカルバゾール等を例示することができ
る。
【0045】また、2次抗体としてビオチン標識抗マウ
ス免疫グロブリン抗体を用い、次にストレプトアビジン
結合アルカリフォスファターゼを添加し、アビジン−ビ
オチン複合体を形成させ、その後発色基質を添加し、よ
り高感度に目的のペプチド、断片を検出することもでき
る。
【0046】このようにして得られたメンブレン又はフ
ィルタの発色を、デンシトメーターで測定し、検体中の
抗原量を測定することが可能である。また、酵素標識抗
体又はビオチン標識抗体の代わりに放射性同位元素で標
識した抗体を用いることも可能であり、この場合はオー
トラジオグラフィー又はメンブレン若しくはフィルタ上
の特定のバンドの放射活性を、バンドを含むメンブレン
若しくはフィルタを切り出して液体シンチレーター等で
測定することもできる。
【0047】<4>本発明のキット 本発明の第4の発明は、ウシ若しくはヒトのラクトフェ
リン類の断片の検出又は定量用試薬キット(以下キット
と記載する)であり、抗ラクトフェリン類ポリクローナ
ル抗体を予め固定化したプレ−ト、本発明のモノクロー
ナル抗体、このモノクローナル抗体の調製に用いた免疫
動物のイムノグロブリンに対する抗体を標識物質で標識
化した2次抗体、前記標識物質を検出するための試薬、
及び標準濃度のヒト若しくはウシのラクトフェリン類の
断片の溶液を含む。
【0048】上記キットには、標識化2次抗体として酵
素標識抗体が用いられる場合には、標識物質を検出する
ための試薬として、その酵素の反応により発色する基質
色素が含まれる。また、2次抗体としてビオチン標識抗
体が用いられる場合には、標識物質を検出するための試
薬として、ストレプトアビジン結合酵素、またはビオチ
ニル化酵素とストレプトアビジン溶液、さらに前記酵素
の反応により発色する基質色素が含まれる。標識化2次
抗体として放射性標識抗体が用いられる場合には、標識
はX線フィルムによって検出することができる。
【0049】本発明のモノクローナル抗体がマウス細胞
由来の場合は、具体的には、酵素標識2次抗体としてア
ルカリフォスファターゼ標識マウス免疫グロブリン抗
体、ペルオキシダーゼ標識抗マウス免疫グロブリン抗
体、ビオチニル化抗マウス免疫グロブリン抗体、125
ラベル抗マウス免疫グロブリン抗体等が挙げられる。
【0050】本発明のキットを構成する各試薬類は、個
別に包装され、一つのセットとなっている。また、上記
の他に、洗浄用緩衝液、希釈液、基質色素を発色させる
ための他の基質等を同梱してもよい。
【0051】次に、試験例を示して本発明を詳述する。
【0052】〔試験例1〕この試験は、得られたモノク
ローナル抗体の特異性を調べるために行った。
【0053】1)試料の調製 後記参考例2と同一の方法により抗菌性ペプチドを調製
した。また、後記実施例1と同一の方法によりモノクロ
ーナル抗体を調製した。
【0054】2)試験方法 PBS溶液1mlに0.1mgの割合でラクトフェリン
(森永乳業社製、純度90%)、抗菌性ペプチド又はウ
シ血清アルブミン(シグマ社製。以下「BSA」と記載
する)を溶解し、各100μlを96穴マイクロプレー
トに添加し、37℃で1時間結合させた。各ウェルに抗
原を結合したプレートを、PBS−Tween溶液で洗
浄し、1%ゼラチンを含むPBS溶液150μlを各ウ
ェルに添加し、37℃で1時間ブロッキングした。プレ
ートを前記と同様に洗浄し、モノクローナル抗体及び対
照のウサギ抗ウシラクトフェリン抗体(パーセル社製)
を適当に希釈し、各ウェルに100μlずつ添加し、3
7℃で1時間抗体を結合させた。プレートを前記と同様
に洗浄し、2次抗体としてアルカリフォスファターゼ標
識抗マウス免疫グロブリン抗体(ザイメッド社製)、又
はアルカリフォスファターゼ標識抗ウサギ免疫グロブリ
ン抗体(ザイメッド社製)を適当に希釈して各ウェルに
100μlずつ添加し、37℃で1時間反応させた。
【0055】その後、前記と同様に洗浄したウェルにp
−ニトロフェニルリン酸ナトリウム(バイオラッド社
製)を発色基質として添加し、30分後に405nmに
おける吸光度を測定し、酵素活性を試験した。
【0056】3)試験結果 この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1から
明らかなとおり、本発明のモノクローナル抗体は、天然
のラクトフェリンとは結合せず、抗菌性ペプチドとのみ
特異的に結合することが認められた。尚、モノクローナ
ル抗体及び抗菌性ペプチドの種類を変更して試験した
が、ほぼ同様の結果が得られた。
【0057】
【表1】
【0058】〔試験例2〕この試験は、SDS(ドデシ
ル硫酸ナトリウム)及び2−メルカプトエタノールによ
り変成させたタンパク質又は抗菌性ペプチドと抗体との
交叉性を調べるために行った。
【0059】1)試料の調製 参考例1及び参考例2と同一の方法によりウシラクトフ
ェリン及び抗菌性ペプチドを調製した。また、実施例1
と同一の方法によりモノクローナル抗体を調製した。
【0060】2)試験方法 ラクトフェリン及び抗菌性ペプチドを50mMトリス−
塩酸緩衝液(pH6.8)、1%SDS(ナカライテス
ク社製)、0.05%ブロモフェノールブルー(和光純
薬工業社製)、5%グリセロール(ナカライテスク社
製)、1%2−メルカプトエタノール(バイオラッド社
製)に溶解し、100℃で2分間加熱して変成させ、前
記レムリらの方法により不連続緩衝液を用いたSDS−
ポリアクリルアミドゲル(15%)に供給し、電気泳動
により分離した。
【0061】電気泳動ゲル上で分離したタンパク質及び
ペプチドをTrans Blotトランスファー装置
(バイオラッド社製)を用い、同社の推奨する手順にし
たがって、ポアサイズ0.25μmのニトロセルロース
シート上に電気的にブロットした。ブロットしたニトロ
セルロースシートは1%BSA、10mMトリス−塩酸
緩衝液及び50mM塩化ナトリウムの混合液(以下、
「T10N50溶液」と記載する)で2時間緩やかに振盪し
ながらブロッキングした。
【0062】その後、上記ニトロセルロースシートを、
本発明のモノクローナル抗体を含む1%BSA、T10N
50溶液中で1時間振盪し抗体を結合させた。このニトロ
セルロースシートを、10mMトリス−塩酸緩衝液、5
0mM塩化ナトリウム及び0.05%ノニデットP−4
0混合液(以下、「T10N50NP40溶液」と記載する)
で充分に洗浄した後、5μCi 125I標識ウサギ抗マウ
スIgG(アマシャム社製)及び1%BSA及びT10N
50溶液を含む溶液中で1時間振盪し、T10N50NP40溶
液で洗浄し、乾燥させ、フィルム(コダック社製。XA
R−5)に露光させた。
【0063】3)試験結果 この試験の結果は、図1に示すとおりである。図1は、
ニトロセルロース紙にブロットしたタンパク質のアミド
ブラック染色図(図1のA)及び本発明のモノクローナ
ル抗体を用いた免疫染色図(図1のB)であり、レーン
1〜3は、それぞれ分子量マーカー、ウシラクトフェリ
ン及び抗菌性ペプチドを示す。
【0064】図1から明らかなとおり、本発明の抗体は
抗菌性ペプチドと結合することはもちろんであるが、S
DS及び2−メルカプトエタノールで加熱変成させたラ
クトフェリンとも結合することが認められた。尚、モノ
クローナル抗体及び抗菌性ペプチドの種類を変更して試
験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0065】前記試験例1及び本試験例2から、本発明
の抗体は、天然のラクトフェリンとは結合せず、抗菌性
ペプチドに特異的に結合することが明らかである。
【0066】〔参考例1〕イオン交換体(CM−セファ
ロースFF(ファルマシア社製))を3Lのカラムに充
填し、4Lの100mM塩酸を通液し、水洗し、イオン
交換体を平衡化した。4℃に冷却したpH6.9のヒト
脱脂乳22Lをカラムに500ml/分の流速で通液
し、透過液を回収し、再び同様にカラムに通液した。次
に、500ml/分の流速で蒸留水を通液し、10%食
塩水4Lを2L/分の流速で通液し、イオン交換体に吸
着した塩基性タンパク質溶液3.5Lを得た。
【0067】この回収液に、硫酸アンモニウムを飽和度
80%になるように添加し、タンパク質を沈殿させ、遠
心分離(3000×g)して沈殿物を回収し、飽和度8
0%の硫酸アンモニウム溶液で洗浄し、脱イオン水20
0mlを添加して溶解し、溶解液を限外濾過膜モジュー
ル(旭化成社製。SLP0053)を用いて限外濾過
し、のち水を添加し、同装置を用いてダイアフィルトレ
ーションを行い、脱塩し、凍結乾燥し、粉末状のヒトラ
クトフェリン約17gを得た。
【0068】得られたヒトラクトフェリン凍結乾燥物を
電気泳動法により分離し、純度を測定した結果、約97
%であった。
【0069】〔参考例2〕脱脂乳から分離したウシラク
トフェリン(森永乳業社製。純度約90%)10gを5
%(w/v)の濃度で蒸留水に溶解し、1規定塩酸を添
加してpHを3.0に調整し、ペプシン(和光純薬工業
社製)を基質の3%の割合で添加し、37℃で4時間加
水分解し、のち80℃に15分間加熱してペプシンを失
活させ、1規定水酸化ナトリウムを添加してpHを7.
0に調整し、1500×gで30分間遠心して不溶物を
除去し、凍結乾燥し、抗菌性ペプチドを含有する粉末状
のペプチド混合物約7.9gを得た。
【0070】25mlのカチオン交換体(カルボキシメ
チルトヨパール(商標。東ソー社製。650M))を1
00mM第一リン酸ナトリウム−第二リン酸ナトリウム
緩衝液(pH7.8)で十分洗浄し、平衡化したスラリ
ーに前記緩衝液に溶解した抗菌性ペプチド混合物溶液を
添加し、ビーカー中でマグネティックスターラーで撹袢
しながら十分に吸着させた。抗菌性ペプチド混合物を吸
着したカチオン交換体をカラム(長さ5cm、直径3c
m)に充填し、前記緩衝液を用いて、洗浄液の280n
mにおける吸光度が0.03以下になるまで5ml/分
の流速で洗浄した。同様に洗浄液の280nmにおける
吸光度が0.03以下になるまで5ml/分の流速で1
00mM塩化ナトリウム、100mM第一リン酸ナトリ
ウム−第二リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.8)をカ
ラムに通液し、非特異的にゲルに吸着したペプチドを洗
浄した。
【0071】次に、2M酢酸アンモニウム(pH7.
8)をカラムに通液し、抗菌性ペプチドを含む溶液10
mlを得た。得られた抗菌性ペプチド溶液を水で平衡化
した脱塩用のPD10カラム(ファルマシア社製)に5
回に分けて注入し、脱塩した抗菌性ペプチド溶液を取得
し、この溶液を凍結乾燥し、粉末状の抗菌性ペプチド約
18mgを得た。
【0072】得られた精製ペプチドは、常法のアミノ酸
分析、アミノ酸配列分析、元素分析及び質量分析によ
り、配列番号1に記載するアミノ酸配列を有することを
確認した。尚、配列番号1において、3番目のCys と2
1番目のCys とがジスルフィド結合していると推定され
る。
【0073】〔参考例3〕ペプチドシンセサイザー(フ
ァルマシアLKB バイオテクノロジー社製。LKB Biolynx
4170)を使用し、シェパード等の方法[ジャーナル・オ
ブ・ケミカル・ソサイエティー・パーキンI(Journal o
f Chemical Society Perkin I) 、第538頁、198
1年]による固相ペプチド合成法に基づいて、次のよう
にして配列番号2に示す配列を有するペプチドを合成し
た。
【0074】NovaSynKA 誘導体樹脂(Fmoc-Cys(Acm)-No
vaSynKA 。カルビオケム−ノバビオケム社製)0.1m
eq(1g)を用いて、前記ペプチドシンセサイザーの
合成プログラムにより脱保護基反応及び縮合反応を反復
してペプチド鎖を延長した。即ち、20%ピペリジン/
ジメチルフォルムアミド(関東化学社製、以下「DM
F」と記載する)によりアミノ保護基である9−フルオ
レニルメトキシカルボニル(以下「Fmoc」と記載す
る)基を切断除去し、DMFで洗浄し、のちFmoc−
アミノ酸活性エステル/N-ヒドロキシベンゾトリアゾー
ル(以下「HOBt」と記載する)各0.5mmolを
反応させ、DMFで洗浄する操作を反復した。縮合反応
後、必要に応じてカイザーテストを行ないカップリング
が完全であったことを確認した。合成には0.5mmo
lのカートリッジを用いた。ペプチド鎖の伸張反応が全
て終了した後、20%ピペリジン/DMFによりFmo
c基を切断し、DMFで洗浄後10%無水酢酸/DMF
でアセチル化を行なった。カイザーテストによりアセチ
ル化が完了したことを確認した後、樹脂をDMF、tert
−ペンチルアルコール(関東化学社製)、酢酸(関東化
学社製)、tert−ペンチルアルコール(関東化学社
製)、DMF、ジエチルエーテル(国産化学社製)の順
で十分洗浄し、真空乾燥した。
【0075】前記の保護ペプチド樹脂650mgにエタ
ンジチオール(渡辺化学社製)1.0ml、m-クレゾー
ル(渡辺化学社製)200ml、チオアニソール(渡辺
化学社製)2.4mlを室温、アルゴン気流下で15分
間攪拌し、のち氷冷下で更に10分間攪拌した。これに
トリフルオロ酢酸(渡辺化学社製、以下「TFA」と記
載する)15mlを添加して10分間攪拌し、トリメチ
ルシリルブロミド(渡辺化学社製)2.6mlを添加し
て50分間攪拌した。グラスフィルターで樹脂を濾過し
て除去し、濾液を直ちに減圧濃縮した。残渣に予め冷却
したジエチルエーテル(国産化学社製)を添加し、遠沈
管に移し、遠心分離(2500rpmで5分間)し、上
清を廃棄し、冷ジエチルエーテルを新たに添加して十分
攪拌し、再び遠心分離する操作を4回反復した。ペプチ
ド沈殿物を真空乾燥し、水に溶解して凍結乾燥を行な
い、粗製ペプチド約94.3mgを得た。
【0076】Cys(Acm)ペプチド94.3mgにAgBF
4 (10eq、渡辺化学社製)/anisole (10eq、
渡辺化学社製)/TFA溶液を加え4℃、60分間攪拌
し、ジエチルエ−テル(国産化学社製)を添加し、前記
の遠心分離によるペプチドの精製を行ない、真空乾燥し
てSHフリ−ペプチドを得た。SH基フリ−ペプチド
に50%DMSO(渡辺化学社製)/1N HCl(和
光純薬社製)を加えて、室温で7時間攪拌した。ジスル
フィド生成のモニタ−は高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)にて行った。水を添加して合成吸着剤HP
20(三菱化学社製)カラムに供給して吸着させ、水で
十分洗浄し、60%CH3CN/1N AcOH(関東
化学社製)でペプチドを溶出させ、遠心濃縮後水を添加
して凍結乾燥し、粗製ペプチド61.1mgを得た。
【0077】前記粗製ペプチドを水に溶解し、遠心分離
(15000rpmで5分間)を行ない、上清を0.4
5mmフィルターで濾過し、この溶液を高速液体クロマ
トグラフィー(HPLC)に供し、ペプチドを精製し
た。HPLCはLKB2151高圧グラジエントシステ
ム(ファルマシア社製)を用い、カラムは逆相系の市販
カラム(東ソー社製。ODS120T。21.5×30
0mm)を用いた。溶離液は0.1%TFA/水をA
液、80%アセトニトリル/A液をB液として、A液か
らB液への濃度直線勾配により溶出した。クロマトグラ
ムはほぼ単一のピークと認められ、相当する画分を分取
した。この分取操作を数回反復し、凍結乾燥し、精製し
た抗菌性ペプチド約30.5mgを得た。
【0078】精製ペプチドは、常法のアミノ酸分析、ア
ミノ酸配列分析、元素分析及び質量分析を実施し、目的
とする配列番号2に記載のアミノ酸配列を有することを
確認した。
【0079】〔参考例4〕使用するアミノ酸の順序が異
なることを除き、参考例3と同様の操作を行ない、配列
番号3に示すアミノ酸配列を有するペプチドを合成し
た。アシル化保護ペプチド樹脂の収量は約581mg、
脱保護、脱樹脂後の粗製ペプチドの収量は約83.3m
gであり、精製した抗菌性ペプチド約59.9mgを得
た。参考例3と同一の試験方法により配列番号3に記載
のアミノ酸配列を有することを確認した。
【0080】〔参考例5〕参考例1と同様に精製したヒ
トラクトフェリン10g(純度97%)を用い参考例2
と同様の操作を行なった。脱塩後の抗菌性ペプチドの収
量は約25mgであった。
【0081】得られた精製ペプチドは、常法のアミノ酸
分析、アミノ酸配列分析、元素分析及び質量分析によ
り、配列番号4及び配列番号5に示すアミノ酸配列を有
するジペプチドであることを確認した。尚、配列番号4
に示すペプチドの9番目のCysと26番目のCys がジス
ルフィド結合し、配列番号4に示すペプチドの35番目
のCys と配列番号5に示すペプチドの10番目のCys と
がジスルフィド結合していると推定される。
【0082】〔参考例6〕使用するアミノ酸の順序が異
なることを除き、参考例3と同様の操作を行ない、配列
番号6に示すアミノ酸配列を有するペプチドを合成し
た。アシル化保護ペプチド樹脂の収量は約830mg、
脱保護、脱樹脂後のCys(Acm)粗製ペプチドの収量は約2
01.0mg、酸化した粗製ペプチド169.2mg、
精製した抗菌性ペプチド約62.1mgを得た。参考例
3と同一の試験方法により配列番号6に記載のアミノ酸
配列を有することを確認した。
【0083】〔参考例7〕使用するアミノ酸の順序が異
なることを除き、参考例3と同様の操作を行ない、配列
番号7に示すアミノ酸配列を有するペプチドを合成し
た。アシル化保護ペプチド樹脂の収量は約570mg、
脱保護、脱樹脂後の粗製ペプチドの収量は約59.5m
gであり、精製した抗菌性ペプチド約38.2mgを得
た。参考例3と同一の試験方法により配列番号7に記載
のアミノ酸配列を有することを確認した。
【0084】〔参考例8〕使用するアミノ酸の順序が異
なることを除き、参考例3と同様の操作を行ない、配列
番号8に示すアミノ酸配列を有するペプチドを合成し
た。アシル化保護ペプチド樹脂の収量は約750mg、
脱保護、脱樹脂後のCys(Acm)粗製ペプチドの収量は約1
86.8mgであり、酸化した粗製ペプチド131.2
mg、精製した抗菌性ペプチド約51.4mgを得た。
参考例3と同一の試験方法により配列番号8に記載のア
ミノ酸配列を有することを確認した。
【0085】〔参考例9〕この例は、ヒトのラクトフェ
リン類由来ペプチドを定量するための本発明のキットに
含まれるポリクローナル抗体の作成を示すものである。
【0086】参考例5と同一の方法により製造した配列
番号4及び配列番号5に記載のアミノ酸配列を有する抗
菌性ペプチドダイマー400μgを1.2mlの生理食
塩水に溶解し、1.5mlのフロイント完全アジュバン
トと共に、4匹の14週齢Jla:JW系雄ウサギの皮
下に1匹当たり0.5mlづつ注射した。初回免疫より
3週間及び5週間目に前記と同様に作成した抗菌性ペプ
チドダイマー溶液をフロイント不完全アジュバントと共
に同じく注射した。最終免疫7日後にウサギを屠殺し血
清を調製した。血清は1匹当たり150ml得られた。
【0087】MAPSII結合緩衝液(バイオラッド社
製)で平衡化したプロテインAゲル(バイオラッド社
製)25mlを充填したカラム(20mm×800m
m)にMAPSII結合緩衝液で3倍に希釈した血清を5
ml/分の流速でそれぞれアプライした。カラムはMA
PSII結合緩衝液400mlで洗浄した後、MAPSII
溶出緩衝液70ml(バイオラッド社製)で結合した抗
体を溶出した。水酸化ナトリウムで直ちにpHを中性に
調整した抗体溶液は分注し、使用するまで凍結保存し
た。
【0088】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0089】
【実施例1】この例は、合成ペプチドを抗原とした抗ウ
シ抗菌性ペプチドモノクローナル抗体産生ハイブリドー
マの作製を示すものである。
【0090】(i) 抗原の作成 16mgのKLH(ピアス社製)を1mlの10mMリ
ン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)に溶解し、2.8
mgのm−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロサクシニ
ミド・エステル(m-maleimidobenzoyl-N-hydrosuccinim
ide ester:以下「MBS」と記載する。和光純薬工業
社製)を添加し、30分間撹袢した。溶液を0.45μ
mのフィルターで瀘過し、セファデックスG−25(Sep
hadex G-25:ファルマシア社製)カラムクロマトグラフ
ィーにかけ、KLH−MBS溶液約5mlを分取した。
【0091】この溶液に2.5mlの0.2Mリン酸二
ナトリウム溶液及び参考例3と同一の方法により製造し
た10mgの化学合成抗菌性ペプチド(配列番号2に示
す配列を有する)を添加し、アルゴンガスで置換し、室
温で30分間反応させ、この溶液を免疫に使用するまで
冷凍保存した。
【0092】(ii)マウスの感作 前記の溶液50μlを生理食塩水1mlと混合し、1.
5mlのフロイント完全アジュバントと共に5匹の6週
齢BALB/cマウスの皮下に1匹当たり400μlを
注射した。以後2週間の間隔で同様に3回免疫を行っ
た。免疫の過程で抗原に対する血清の抗体価の上昇を、
マウスから採血してELISA法により観察した。最も
抗体価の高かったマウスに、150μlのPBSに溶解
した15μgの配列番号2に示す化学合成抗菌性ペプチ
ドを尾静脈から注射し、ブーストとした。
【0093】(iii)細胞融合 最終免疫3日後に脾細胞を無菌的に摘出し、ステンレス
メッシュで単細胞にほぐし、RPMI1640(25m
M HEPES及び2mM L−グルタミン)で3回洗
浄し、脾細胞の約1/4量のX−63−Ag86.5.
3ミエローマ細胞(ギブコ社製)と混合して遠心した。
細胞のペレットに50%ポリエチレングリコール(PE
G)1500を添加し、細胞融合を行い、遠心した細胞
ペレットに、30%ウシ胎児血清(ギブコ社製。以下F
CSと記載する)入りヒポキサンチン・チミジン(hypo
xantine thymidine)培地を加え、96穴マイクロプレー
ト19枚に播種し、翌日、各ウェルにHAT培地を添加
した。
【0094】(iv) 限界希釈と抗体の特異性 融合後1300ウェルからコロニーが生育し、これらの
培養上清について、ウシラクトフェリン由来の抗菌性ペ
プチドを抗原とするELISA法を行い、抗原と強く反
応するハイブリドーマを得た。限界希釈によるクローニ
ングを4回反復し、安定した抗体産生を示すクローン8
個を得た。
【0095】
【実施例2】この例は、ウシラクトフェリンから調製し
たウシ抗菌性ペプチドを抗原とした抗ウシ抗菌性ペプチ
ドモノクローナル抗体産生ハイブリドーマの作製を示す
ものである。
【0096】参考例2と同一の方法により製造した配列
番号1に示すウシラクトフェリン由来の抗菌性ペプチド
1mgを、生理食塩水1mlに溶解し、1.5mlのフ
ロイント完全アジュバントと共に8匹の6週齢BALB
/cマウスの皮下に1匹当たり300μlの割合で注射
した。以下、実施例1と同一の方法により、安定した抗
体産生を示すクローン12個を得た。
【0097】
【実施例3】この例は、合成ペプチドを抗原とした抗ヒ
ト抗菌性ペプチドモノクローナル抗体産生ハイブリドー
マの作製を示すものである。
【0098】参考例6と同一の方法により製造した配列
番号6に示す抗菌性ペプチドを用いたことを除き、実施
例2と同一の方法により、抗体を産生するクローン6個
を得た。
【0099】
【実施例4】参考例4と同一の方法により製造した配列
番号3に示す抗菌性ペプチドを用いたことを除き、実施
例1と同一の方法により、抗体を産生するクローン8個
を得た。
【0100】
【実施例5】参考例5と同一の方法により製造した配列
番号4及び配列番号5に示す抗菌性ペプチドダイマーを
用いたことを除き、実施例2と同一の方法により、抗体
を産生するクローン10個を得た。
【0101】
【実施例6】参考例7と同一の方法により製造した配列
番号7に示す抗菌性ペプチドを用いたことを除き、実施
例1と同一の方法により、抗体を産生するクローン8個
を得た。
【0102】
【実施例7】参考例8と同一の方法により製造した配列
番号8に示す抗菌性ペプチドを用いたことを除き、実施
例2と同一の方法により、抗体を産生するクローン6個
を得た。
【0103】
【実施例8】この例は、ウシラクトフェリン由来の抗菌
性ペプチドの定量法を示すものである。
【0104】1ml当たり1mgのウシラクトフェリン
を含有する溶液100mlを経口摂取したヒトの胃液を
5分後に回収し、回収した胃液に0.01%の割合でペ
プスタチンA(シグマ社製)を添加し、体外でのプロテ
アーゼ活性によるタンパク質の分解を防止した。
【0105】試験例2と同一の方法により、胃液試料及
び標準の抗菌性ペプチドを電気泳動により分離し、メン
ブレンにブロッティングし、実施例1と同一の方法で得
たクローンが産生する抗体を用いて免疫染色した。
【0106】免疫染色された抗菌性ペプチドのバンドを
PDI電気泳動解析システム(東洋紡社製)で定量した
結果、ウシラクトフェリンを摂取したヒトの胃液中には
摂取したウシラクトフェリンから生じた活性型の抗菌性
ペプチドが存在すること、及びその濃度は20μg/m
lであることが判明した。
【0107】
【実施例9】この例は、抗菌性ペプチドを検出又は定量
するための試薬キットを示すものである。
【0108】本発明にかかるモノクローナル抗体を用
い、胃液、腸内容物、便、血液、尿中のヒト抗菌性ペプ
チドをELISA法により検出又は定量するキットを次
のとおり作製した。
【0109】本発明のキットは、参考例9と同一の方法
により製造した抗ヒト抗菌性ペプチドポリクローナル抗
体プレコート96穴マイクロプレート、リン酸緩衝液、
実施例5と同一の方法により製造した抗ヒト抗菌性ペプ
チドモノクローナル抗体、洗浄液、ペルオキシダーゼ結
合抗マウス抗体、ヒト抗菌性ペプチドスタンダード溶
液、及び0.1%濃度のo−フェニレンジアミン溶液か
らなり、それぞれ個別に収納されている。
【0110】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明は、ウシ若
しくはヒトのラクトフェリン類の断片、例えば抗菌性ペ
プチド等と結合し、天然のラクトフェリンとは結合しな
いモノクローナル抗体、該抗体を産生するハイブリドー
マ、ウシ若しくはヒトのラクトフェリン類の断片の検出
又は定量方法、及び該検出又は定量方法に使用する試薬
キットに関するものであり、本発明によって奏せられる
効果は、次のとおりである。
【0111】1)ヒト若しくはウシ由来のラクトフェリ
ン類の断片に対して特異性の高い抗体及びこれを産生す
る細胞ラインが得られる。 2)複雑な装置等を使用することなく、ヒト若しくはウ
シ由来のラクトフェリン類の断片、例えば胃液、腸内容
物、便、血液、尿等に含有されるラクトフェリン類由来
の抗菌性ペプチドを、特異的、かつ高感度に検出又は定
量することができる。
【0112】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:25 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列 Phe Lys Cys Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro 1 5 10 15 Ser Ile Thr Cys Val Arg Arg Ala Phe 20 25
【0113】配列番号:2 配列の長さ:18 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列 Cys Arg Arg Trp Gln Trp Arg Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro Ser Ile 1 5 10 15 Thr Cys
【0114】配列番号:3 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列 Met Lys Lys Leu Gly Ala Pro Ser Ile Thr Cys Val Arg Arg Ala Phe 1 5 10 15
【0115】配列番号:4 配列の長さ:36 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列 Val Ser Gln Pro Glu Ala Thr Lys Cys Phe Gln Trp Gln Arg Asn Met 1 5 10 15 Arg Lys Val Arg Gly Pro Pro Val Ser Cys Ile Lys Arg Asp Ser Pro 20 25 30 Ile Gln Cys Ile 35
【0116】配列番号:5 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 Gly Arg Arg Arg Arg Ser Val Gln Trp Cys Ala 1 5 10
【0117】配列番号:6 配列の長さ:47 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列 Gly Arg Arg Arg Arg Ser Val Gln Trp Cys Ala Val Ser Gln Pro Glu 1 5 10 15 Ala Thr Lys Cys Phe Gln Trp Gln Arg Asn Met Arg Lys Val Arg Gly 20 25 30 Pro Pro Val Ser Cys Ile Lys Arg Asp Ser Pro Ile Gln 35 40 45 Cys Ile
【0118】配列番号:7 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列: Gly Arg Arg Arg Arg Ser Val Gln Trp Cys Ala 1 5 10
【0119】配列番号:8 配列の長さ:36 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列 Val Ser Gln Pro Glu Ala Thr Lys Cys Phe Gln Trp Gln Arg Asn Met 1 5 10 15 Arg Lys Val Arg Gly Pro Pro Val Ser Cys Ile Lys Arg Asp Ser Pro 20 25 30 Ile Gln Cys Ile 35
【図面の簡単な説明】
【図1】 電気泳動後のタンパク質をブロットしたニト
ロセルロース紙の、アミドブラック染色図(図1のA)
及び本発明のモノクローナル抗体を用いた免疫染色図
(図1のB)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12N 15/02 9281−4B C12N 5/00 B C12P 21/08 9162−4B 15/00 C (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウシ若しくはヒトのラクトフェリン類の
    断片と結合し、天然のラクトフェリンとは結合しないモ
    ノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】 前記ラクトフェリン類の断片が抗菌性ペ
    プチドである請求項1に記載のモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】 抗菌性ペプチドが、配列番号1〜配列番
    号8に記載のアミノ酸配列のいずれかを有する請求項2
    に記載のモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】 ウシ若しくはヒトのラクトフェリン類の
    断片と結合し、天然のラクトフェリンとは結合しないモ
    ノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
  5. 【請求項5】 前記ラクトフェリン類の断片が抗菌性ペ
    プチドである請求項4に記載のハイブリドーマ。
  6. 【請求項6】 抗菌性ペプチドが、配列番号1〜配列番
    号8に記載のアミノ酸配列のいずれかを有する請求項5
    に記載のハイブリドーマ。
  7. 【請求項7】 試料中に含まれるウシ若しくはヒトのラ
    クトフェリン類の断片を、請求項1〜3のいずれか一項
    に記載のモノクローナル抗体を用いて免疫学的に測定す
    ることを特徴とする、ウシ若しくはヒトのラクトフェリ
    ン類の断片を検出又は定量する方法。
  8. 【請求項8】 次のア)又はイ); ア)ウシ若しくはヒトのラクトフェリン類の断片を含有
    する希釈試料を固相に固定化し、請求項1〜3のいずれ
    か一項に記載のモノクローナル抗体を添加し、このモノ
    クローナル抗体の調製に用いた免疫動物のイムノグロブ
    リンに対する抗体を標識物質で標識化した2次抗体を前
    記固相に添加し、この標識物質を検出すること、 イ)ウシ若しくはヒトのラクトフェリン類の断片を含有
    する希釈試料を固相に固定化し、請求項1〜3のいずれ
    か一項に記載のモノクローナル抗体を標識物質で標識化
    した標識化モノクローナル抗体を添加し、この標識物質
    を検出すること、のいずれかを含む、ウシ若しくはヒト
    のラクトフェリン類の断片を検出又は定量する方法。
  9. 【請求項9】 次のa)〜e); a)抗ラクトフェリン類ポリクローナル抗体を予め固定
    化したプレ−ト、 b)請求項1〜3のいずれか一項に記載のモノクローナ
    ル抗体、 c)前記モノクローナル抗体の調製に用いた免疫動物の
    イムノグロブリンに対する抗体を酵素で標識化した2次
    抗体 d)前記酵素の反応により発色する基質色素、及び e)標準濃度のヒト若しくはウシのラクトフェリン類の
    断片の溶液、を含む、ウシ若しくはヒトのラクトフェリ
    ン類の断片を検出又は定量するための試薬キット。
  10. 【請求項10】 次のa)〜g); a)抗ラクトフェリン類ポリクローナル抗体を予め固定
    化したプレート、 b)請求項1〜3のいずれか一項に記載のモノクローナ
    ル抗体、 c)前記モノクローナル抗体の調製に用いた免疫動物の
    イムノグロブリンに対する抗体をビオチン標識した2次
    抗体、 d)ビオチニル化アルカリフォスファターゼ、 e)ストレプトアビジン溶液、 f)アルカリフォスファターゼの反応により発色する基
    質色素、及び g)標準濃度のヒト若しくはウシのラクトフェリン類の
    断片の溶液、を含む、ウシ若しくはヒトのラクトフェリ
    ン類の断片を検出又は定量するための試薬キット。
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CN115850448A (zh) * 2022-08-10 2023-03-28 北京博奥森生物技术有限公司 一种乳铁蛋白多肽片段、其制备方法、制备的抗体及应用

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