JPH08269074A - 新規なアスコルビン酸誘導体及びこれを含有する化粧料 - Google Patents

新規なアスコルビン酸誘導体及びこれを含有する化粧料

Info

Publication number
JPH08269074A
JPH08269074A JP9625995A JP9625995A JPH08269074A JP H08269074 A JPH08269074 A JP H08269074A JP 9625995 A JP9625995 A JP 9625995A JP 9625995 A JP9625995 A JP 9625995A JP H08269074 A JPH08269074 A JP H08269074A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ascorbic acid
acid derivative
skin
derivative
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9625995A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiro Motoyoshi
捷宏 本好
Toshimitsu Suzuki
利光 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pola Chemical Industries Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pola Chemical Industries Inc filed Critical Pola Chemical Industries Inc
Priority to JP9625995A priority Critical patent/JPH08269074A/ja
Publication of JPH08269074A publication Critical patent/JPH08269074A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 水溶性、経時安定性に優れた新規なアスコル
ビン酸の誘導体を提供し、更には安全性が高く且つ有効
な光老化防止を有する、皮膚に弊害なく安全に使用でき
る化粧料を提供する。 【構成】 下記式(1)などで表されるアスコルビン酸
誘導体を化粧料全量に対して0.001〜10重量%配
合する。 式中、R、Rは独立にH、アルキル、置換基を有し
ていてもよいフェニル基を表し、互いに結合していても
よい。XはH、Na、K、Ca、Mg、Fe、Zn、有
機アミン類を表し、YはH、Na、K、Ca、Mg、F
e、Zn、有機アミン類を表す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なアスコルビン酸
誘導体及びこれを含有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、皮膚の老化とは、加齢に伴う
生理的老化と、日光暴露(紫外線)による光老化とが互
いに影響しあって生じる生理現象であり、現在、特に後
者の光老化と肌のシワ、シミ、タルミとの関係が重要視
されている。紫外線の皮膚への障害については、UV−
B(290〜320nm)の惹起するDNA障害や紅
斑、二次黒化などが数多く報告されているが、最近では
紫外線の中でも長波長領域のUV−A(320〜400
nm)の重要性が注目されている。それはUV−AはU
V−Bの10倍ものエネルギー量が地表に到達し、真皮
の奥深くまで届くため、皮膚の大ジワ、タルミ等を惹起
する事が判ってきたからである。(Bissett,d.l.et.al:
Photoaging of Skin by UVA, "Biological Responses t
o Ultraviolet A Radiation" P181-188,Valdenmar Publ
ishing Company,1992)
【0003】従来より、これら紫外線による皮膚への障
害を防止するために、酸化チタン、酸化亜鉛、パラメト
キシ桂皮酸エステル、パラアミノ安息香酸エステル等の
各種の紫外線吸収、散乱、遮蔽物質を配合した化粧料
(サンスクリーン、サンプロテクト化粧品)が開発さ
れ、使用されている。しかしながら、これらの化粧料を
使用しても圧倒的な日光暴露から皮膚を防御することは
難しい。
【0004】そこで、このように、皮膚表面に存在する
化粧料でカットされずに皮膚内部へ侵入した紫外線か
ら、特に真皮の奥深くまで届いたUV−Aから、そのタ
ーゲットとなる細胞をその周辺で防御したり、或いは障
害を受けた細胞の修復を目的とする薬剤が種々検討され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な状況に鑑みてなされたものであって、その目的は安全
性、安定性がよく、優れた光老化防止効果を有する新規
な物質を提供し、更には、これを配合する事で光老化に
起因する皮膚のシワ、タルミ等を防止、改善し、美肌効
果に優れる化粧料を提供する事を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】こうした現状を鑑み、鋭
意研究を行った結果、本発明者らは下記一般式(1)、
(2)に示されるアスコルビン酸誘導体が光老化を防止
する効果に優れている事、またこのアスコルビン酸誘導
体を含有する化粧料が光老化によるシワ、タルミを防
止、改善し、美肌効果に優れている事を見い出した。
【0007】
【化5】
【化6】
【0008】即ち本発明は、新規なアスコルビン酸の誘
導体であり、これを含有する化粧料である。
【0009】以下、本発明のアスコルビン酸の誘導体及
びこれを含有する化粧料について詳細に説明する。
【0010】本発明のアスコルビン酸の誘導体は、一般
にアスコルビン酸、アラボアスコルビン酸の5、6位の
水酸基をメチリデン誘導体と反応させ、更にオキシ塩化
リンを反応させる等の方法で得られるものである。また
このようにして得られたアスコルビン酸の誘導体にアル
カリ性の化合物を作用させて塩として用いる事も可能で
ある。かかる反応に用いられるメチリデン誘導体として
は例えばベンジリデンジメチルアセタール、ベンジリデ
ンジエチルアセタール、シクロヘキシリデンジメチルア
セタール、エトキシベンジリデンジメチルアセタール等
が挙げられる。
【0011】また、本発明のアスコルビン酸誘導体は水
溶性に優れ、極めて安定であり、製剤とした場合も変
色、変臭、分解失活などの経時的変化を起こさないの
で、各種の剤型に対して安定かつ容易に配合することが
できる。
【0012】以下に、本発明のアスコルビン酸の誘導体
を実施例を持って説明する。
【0013】
【実施例1】 5,6−O−ベンジリデンアスコルビン酸燐酸カリウム
の合成 L−アスコルビン酸100gとベンジリデンジメチルア
セタール100g及び反応触媒のP−トルエンスルホン
酸1gを500mlのジメチルホルムアミドに溶解し、
60℃で加熱しながら反応させた。反応中30分ごとに
減圧蒸留により副生するメタノールを除去した。6時間
後減圧蒸留により溶媒を留去し、得られた粘稠物質を酢
酸エチルと水で3回液−液分配を行い、5,6−O−ベ
ンジリデンアスコルビン酸の結晶を収率75%で得た。
得られた5,6−O−ベンジリデンアスコルビン酸50
gを15%ピリジン−水混合溶媒500mlに溶解し、
オキシ塩化リン43.6gと水酸化カリウム水溶液を加
えてpHを12〜13に調節し、−5℃で3時間反応さ
せた。反応終了後、溶媒のピリジン−水を減圧下留去し
たのち、メタノールを溶離液としてシリカゲルカラムを
用いて5,6−O−ベンジリデンアスコルビン酸燐酸カ
リウムを精製した。メタノールを留去した後、アセトン
を用いて再結晶させ、5,6−O−ベンジリデンアスコ
ルビン酸燐酸カリウムを得た。(最終収率53.6%)
得られた5,6−O−ベンジリデンアスコルビン酸燐酸
カリウムのH−NMRデータは以下の通りであった。
【0014】 H−NMR(溶媒:DMSO:D2O=1:1) 7.482ppm 5H(一重線) 芳香族環 5.860、5.772ppm 1H(二重線) 4位のメチン 4.531〜4.072ppm 4H(多重線) 5位のメチン、6位の メチレン、ベンジリデンのメチン
【0015】
【実施例2】 5,6−O−ベンジリデンアスコルビン酸燐酸ナトリウ
ムの合成 L−アスコルビン酸100gとベンジリデンジメチルア
セタール100g及び反応触媒のP−トルエンスルホン
酸1gを500mlのジメチルホルムアミドに溶解し、
60℃で加熱しながら反応させた。反応中30分ごとに
減圧蒸留により副生するメタノールを除去した。6時間
後減圧蒸留により溶媒を留去し、得られた粘稠物質を酢
酸エチルと水で3回液−液分配を行い、5,6−O−ベ
ンジリデンアスコルビン酸の結晶を収率75%で得た。
得られた5,6−O−ベンジリデンアスコルビン酸50
gを15%ピリジン−水混合溶媒500mlに溶解し、
オキシ塩化リン43.6gと水酸化ナトリウム水溶液を
加えてpHを12〜13に調節し、−5℃で3時間反応
させた。反応終了後、溶媒のピリジン−水を減圧下留去
したのち、メタノールを溶離液としてシリカゲルカラム
を用いて5,6−O−ベンジリデンアスコルビン酸燐酸
ナトリウムを精製した。メタノールを留去した後、アセ
トンを用いて再結晶させ、5,6−O−ベンジリデンア
スコルビン酸燐酸ナトリウムを得た。(最終収率58.
4%)
【0016】
【実施例3】 5,6−O−ベンジリデンアスコルビン酸燐酸マグネシ
ウムの合成 L−アスコルビン酸100gとベンジリデンジメチルア
セタール100g及び反応触媒のP−トルエンスルホン
酸1gを500mlのジメチルホルムアミドに溶解し、
60℃で加熱しながら反応させた。反応中30分ごとに
減圧蒸留により副生するメタノールを除去した。6時間
後減圧蒸留により溶媒を留去し、得られた粘稠物質を酢
酸エチルと水で3回液−液分配を行い、5,6−O−ベ
ンジリデンアスコルビン酸の結晶を収率75%で得た。
得られた5,6−O−ベンジリデンアスコルビン酸50
gを15%ピリジン−水混合溶媒500mlに溶解し、
オキシ塩化リン43.6gと塩化マグネシウムを加えて
pHを12〜13に調節し、−5℃で3時間反応させ
た。反応終了後、溶媒のピリジン−水を減圧下留去した
のち、メタノールを溶離液としてシリカゲルカラムを用
いて5,6−O−ベンジリデンアスコルビン酸燐酸マグ
ネシウムを精製した。メタノールを留去した後、アセト
ンを用いて再結晶させ、5,6−O−ベンジリデンアス
コルビン酸燐酸マグネシウムを得た。(最終収率45.
2%)
【0017】
【実施例4】 5,6−O−パラメトキシベンジリデンアスコルビン酸
燐酸カリウムの合成 L−アスコルビン酸100gとパラメトキシベンジリデ
ンジメチルアセタール100g及び反応触媒のP−トル
エンスルホン酸1gを500mlのジメチルホルムアミ
ドに溶解し、60℃で加熱しながら反応させた。反応中
30分ごとに減圧蒸留により副生するメタノールを除去
した。6時間後減圧蒸留により溶媒を留去し、得られた
粘稠物質を酢酸エチルと水で3回液−液分配を行い、
5,6−O−パラメトキシベンジリデンアスコルビン酸
の結晶を収率75%で得た。得られた5,6−O−パラ
メトキシベンジリデンアスコルビン酸50gを15%ピ
リジン−水混合溶媒500mlに溶解し、オキシ塩化リ
ン43.6gと水酸化カリウム水溶液を加えてpHを1
2〜13に調節し、−5℃で3時間反応させた。反応終
了後、溶媒のピリジン−水を減圧下留去したのち、メタ
ノールを溶離液としてシリカゲルカラムを用いて5,6
−O−パラメトキシベンジリデンアスコルビン酸燐酸カ
リウムを精製した。メタノールを留去した後、アセトン
を用いて再結晶させ、5,6−O−パラメトキシベンジ
リデンアスコルビン酸燐酸カリウムを得た。(最終収率
49.6%)
【0018】本発明の皮膚化粧料は、本発明のアスコル
ビン酸の誘導体を通常、化粧料全量に対して0.001
〜10重量%、好ましくは、0.01〜5重量%配合し
たものである。本発明のアスコルビン酸の誘導体の化粧
料に対する配合量が0.001重量%より少ない量で
は、シワ、タルミ等の肌の状態を改善する美肌効果が充
分に得られない事があり、また、10重量%を越えた量
を用いたとしても、増加分に見合った効果が望みにく
い。
【0019】本発明の化粧料の剤型は、格別限定される
ものではないが、具体例としては、クリーム、乳液、オ
イル、ローション、パック、及び軟膏などが挙げられ、
経皮吸収性の点からはクリーム、乳液、オイルなどが特
に好ましいといえる。これらの皮膚化粧料は本発明のア
スコルビン酸誘導体を配合する以外は、通常の皮膚化粧
料と同様の方法で製造することが出来る。
【0020】また、本発明の化粧料には、以外に、通
常、皮膚化粧料に適用される、流動パラフィン、ワセリ
ン、スクワラン等の炭化水素類、ミリスチン酸イソプロ
ピルや合成鯨ロウ、ホホバ油、カルナウバワックス等の
エステル類、オリーブ油、牛脂等の動植物油脂、セタノ
ール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類、ス
テアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸類、ラウリル硫
酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸エステル等のア
ニオン界面活性剤、4級アルキルアミン塩等のカチオン
界面活性剤、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチ
レン硬化ヒマシ油等の非イオン界面活性剤、アルキルベ
タイン等の両性界面活性剤類、グリセリンやプロピレン
グリコール等の多価アルコール類、エタノール、プロパ
ノール等の低級アルコール類、パラベン類やグルコン酸
クロルヘキシジン等の防腐剤類、ビタミンEやブチルヒ
ドロキシトルエン等の酸化防止剤、アラビアゴム、カル
ボキシビニルポリマー等の増粘剤、ポリエチレングリコ
ール等の保湿剤、クエン酸塩、酢酸塩等のpH調整剤、
酸化チタン、シリカゲル、タルク等の粉体類、香料、色
素等、ヒアルロン酸、胎盤抽出物、朝鮮人参エキス、ス
テロール配糖体等の各種目的に応じた薬効成分などが適
宜選択されて配合される。
【0021】また、本発明の化粧料には、本発明のアス
コルビン酸の誘導体以外に、パラアミノ安息香酸誘導
体、ベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、β−カロ
チン、スーパーオキシドデスムターゼ等の紫外線から肌
を保護したり、紫外線で障害を受けた肌の修復作用を有
する薬剤等を配合しても構わない。
【0022】ここで、前記実施例1〜4で得られたアス
コルビン酸の誘導体を用いて、経時安定性、光(紫外
線)老化反応抑制作用、紫外線紅斑抑制作用についての
評価を行った。
【0023】<経時安定性試験>実施例1〜4の誘導体
をpH4、6、9の0.1%水溶液とし、60℃、一週
間放置における経時での臭いの発生及び着色を観察し
た。得られた結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】<光老化反応抑制試験> (試料) (イ)実施例1の誘導体300mgを、希釈溶媒100
mlに溶解したもの。 (ロ)実施例2の誘導体300mgを、希釈溶媒100
mlに溶解したもの。 (ハ)実施例3の誘導体300mgを、希釈溶媒100
mlに溶解したもの。 (ニ)実施例4の誘導体300mgを、希釈溶媒100
mlに溶解したもの。 (ホ)アスコルビン酸燐酸マグネシウム300mgを、
希釈溶媒100mlに溶解したもの。 (ヘ)希釈溶媒(プロピレングリコール及びエタノール
の等量混合物)。 (方法) 実験動物としてヘアレスマウス(9〜10週齢、雌)を
1群5匹として6群用意し、その背部皮膚にUV−Aを
6ヶ月間、毎週5回、1日1回照射した。光源には東芝
BLBランプを用い、UV−Bをカットするために7m
m厚の板ガラスを動物とランプの間に取り付けた。照射
エネルギー量は14〜28mJ/cm2/日としたが、
漸強的に毎月エネルギー量を増加させた。UV−Aの照
射1時間前に、ヘアレスマウスの各群にそれぞれ試料
(イ)〜(ヘ)を、動物の背部全域に50μlを均一に
塗布した。6ヶ月後、皮膚に生じた光老化反応を下記の
判定基準で肉眼評価した。 (判定基準) 0 : 皮膚色は薄乳桃色、タテジワが認められる。 1 : 皮膚色は弱度に蒼白化し、タテジワは消失。 2 : 皮膚色は中等度に蒼白化し、タテジワは消失、
弱度の結節、弱度の大ジワ・タルミが認められる。 3 : 皮膚色は強度に蒼白化し、タテジワは消失、強
度の結節、強度の大ジワ・タルミが認められる。
【0026】5匹の評点の平均値を求め、次式を用いて
抑制率を算出した。結果を表2に示す。
【0027】
【数1】抑制率=100×(対照群の平均値−試料投与
群の平均値)/対照群の平均値
【0028】
【表2】
【0029】この結果から、本発明のアスコルビン酸の
誘導体は、ヘアレスマウスのUV−A光老化反応を抑制
する効果を有する事が判った。 <紫外線紅斑抑制試験> (試料) (イ)実施例1の誘導体300mgを、希釈溶媒100
mlに溶解したもの。 (ロ)実施例2の誘導体300mgを、希釈溶媒100
mlに溶解したもの。 (ハ)実施例3の誘導体300mgを、希釈溶媒100
mlに溶解したもの。 (ニ)実施例4の誘導体300mgを、希釈溶媒100
mlに溶解したもの。 (ホ)アスコルビン酸燐酸マグネシウム300mgを、
希釈溶媒100mlに溶解したもの。 (ヘ)希釈溶媒(プロピレングリコール及びエタノール
の等量混合物)。 (方法)実験動物としてハートレー系モルモット(体重
700〜900g、雄)を1群6匹として6群用意し、
予めその背部を除・剃毛した。照射部位以外に紫外線が
当たらぬように幅広の絆創膏に1.5×1.5cmの小
孔を6ヶ(左右に3ヶ並列)開けたものを除毛部位にあ
て、その上から紫外線を照射した。光源には東芝FL3
0−SEを用いた。照射エネルギー量は768mJ/c
2 とした。24時間後には、上記6部位に均一な紅斑
反応が観察された。試料の投与は、紫外線の照射前1回
と照射後3回行った。1回の投与量は10μl/部位と
した。紫外線照射24時間後の紅斑反応を下記の判定基
準に従って評価した。 (判定基準) 0 : 皮膚反応を認めない。 1 : 微弱或いは境界不明瞭な紅斑が認められる。 2 : 中等度の境界不明瞭な紅斑が認められる。 3 : 強度の境界不明瞭な紅斑(浮腫を伴う事もあ
る)が認められる。
【0030】6匹の評点の平均点を求め、各光老化防止
剤による紫外線紅斑の抑制率を、上記実験例1と同様に
して求めた。結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】以上の結果から明らかなように、アスコル
ビン酸誘導体からなる本発明の光老化防止剤は、ハート
レー系モルモットの紫外線紅斑に対して、顕著な抑制効
果を示した。
【0033】次に上記の結果を踏まえ、本発明の新規な
アスコルビン酸誘導体を配合した化粧料が如何に美白、
美肌効果に優れているかを実証するため、後記実施例
5、6に示した化粧料を用いて、実使用テストを行いそ
の効力を確認した。比較品としては、後記実施例5、6
におけるアスコルビン酸の誘導体を、アスコルビン酸燐
酸マグネシウムに置き換えて調製した化粧料を用いた。
【0034】<実使用テスト>顔面に乾燥性肌荒れ、シ
ワ、タルミを有する本邦健常成人女性40名をパネラー
とし、1群を10名として、A群の顔面には、本発明品
である実施例5の化粧水を、B群には比較品の化粧水
を、また、C群の顔面には、本発明品である実施例6の
乳液を、D群には比較品の乳液を、それぞれ3ヶ月間使
用してもらった。使用開始から3ヶ月後に、肌荒れ、シ
ワの各種評価項目について改善状態または自然増悪の状
態について以下の基準で自己評価してもらった。その結
果を表4に示す。 (評価基準) 3 : 著明な改善があった。 2 : かなり改善した。 1 : やや改善した。 0 : 変化無し。 −1 : 自然増悪した。
【0035】
【表4】
【0036】表4の結果に示されるように、本発明の化
粧料は比較品の化粧料に比し、評価項目全般にわたって
良好な結果が得られ、特に、肌荒れ及びシワの改善が顕
著であり、美的外見を改善し、美肌効果に優れているこ
とが実証された。なお、本発明の化粧料は使用中、皮膚
に何等の自、他覚症状の発生もなく、安全に使用できる
ものであることも同時に確認された。
【0037】以下に本発明のアスコルビン酸の誘導体を
配合した化粧料の実施例を示すが、本発明はこれら実施
例に制限されるものではない。尚、配合割合は重量部で
ある。
【0038】 実施例5. 化粧水 (A)エタノール 15 1,3−ブチレングリコール 2 ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油 1 (B)エチルパラベン 0.05 香料 0.05 クエン酸 0.1 クエン酸ナトリウム 0.15 実施例1の誘導体 0.5 精製水 81.15 (製法)(A)の各成分を合わせ、室温下にて溶解す
る。一方、(B)の各成分も室温下にて溶解し、これを
(A)成分に加えて可溶化する。
【0039】 実施例6. 乳液 (A)ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 1.5 ヤシ油脂肪酸モノグリセライド 1 オレイン酸トリグリセライド 7.5 (B)グリセリン 2.5 実施例2の誘導体 0.5 精製水 86.8 (C)香料 0.2 (製法)(A)の各成分に合わせ、加熱混合し、70℃
とする。(B)の各成分を合わせ、70℃に加熱混合
し、これに(A)成分を加え乳化し、冷却しながら
(C)を加える。
【0040】 実施例7. クリーム (A)ワセリン 18 セタノール 8 ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル 1.4 モノステアリン酸ソルビタン 0.8 (B)エチルパラベン 0.3 実施例3の誘導体 0.1 精製水 71.2 (C)香料 0.2 (製法)(A)の各成分に合わせ、加熱混合し、70℃
とする。(B)の各成分を合わせ、70℃に加熱混合
し、(A)成分に(B)成分を加え乳化し、35℃まで
冷却し、(C)を加える。
【0041】 実施例8. クリーム (A)POE(30)セチルエーテル 2 グリセリンモノステアレート 10 流動パラフィン 10 ワセリン 4 セタノール 5 γートコフェロール 0.05 BHT 0.01 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 0.5 ブチルパラベン 0.2 (B)実施例4の誘導体 5 精製水 63.24 (製法)(A)の各成分を合わせ、80℃に加熱する。
(B)の成分を80℃に加熱する。(A)の成分に
(B)の成分を加えて攪拌乳化し、その後35℃まで冷
却する。
【0042】 実施例9. 乳液 (A)合成ゲイロウ 2.5 セタノール 1 スクワラン 4 ステアリン酸 1 モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25EO) 2.2 モノステアリン酸グリセリン 0.5 ブチルパラベン 0.1 γ−トコフェロール 0.05 BHT 0.01 4ー(1,1ージメチルエチル)ー4'ーメトキシージベンゾイルメタン 0.5 (B)1,3−ブチレングリコール 3 プロピレングリコール 7 キサンタンガム 0.1 カルボキシビニルポリマー 0.2 水酸化カリウム 0.2 実施例1の誘導体 1 精製水 76.64 (製法)(A)成分及び(B)成分を70℃で各々攪拌
しながら溶解する。(B)成分に(A)成分を加え予備
乳化を行いホモミキサーで均一に乳化し、乳化後かき混
ぜながら30℃まで冷却する。
【0043】 実施例10. 化粧水 (A)POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 1.5 POE(20)ラウリルエーテル 0.5 エタノール 10 γ−トコフェロール 0.02 (B)グリセリン 5 イソフェルラ酸ナトリウム 0.5 クエン酸 0.15 クエン酸ナトリウム 0.1 実施例2の誘導体 3 精製水 79.23 (製法)(A)の各成分を合わせ、室温下にて溶解す
る。一方、(B)の各成分も室温下に溶解し、これを
(A)成分に加えて可溶化する。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、水溶性、経時安定性に
優れた新規なアスコルビン酸の誘導体を提供し、更には
安全性が高く且つ有効な光老化防止を有する、皮膚に弊
害なく安全に使用することができる化粧料を提供するこ
とができる。
【化7】
【化8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 407/04 307 C07D 407/04 307

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるアスコルビ
    ン酸誘導体。
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)で表されるアスコルビ
    ン酸誘導体。
  3. 【請求項3】 下記一般式(3)で表されるアスコルビ
    ン酸誘導体。
  4. 【請求項4】 下記一般式(4)で表されるアスコルビ
    ン酸誘導体。
  5. 【請求項5】 置換基がRはH、Xはアルカリ金属また
    はアルカリ土類金属である請求項3または4の何れかに
    記載のアスコルビン酸誘導体。
  6. 【請求項6】 置換基がRはH、XはK、YはHである
    請求項3または4の何れかに記載のアスコルビン酸誘導
    体。
  7. 【請求項7】 置換基がRはH、XはNa、YはHであ
    る請求項3または4の何れかに記載のアスコルビン酸誘
    導体。
  8. 【請求項8】 置換基がRはH、Xは1/2Mg、Yは
    Hである請求項3または4の何れかに記載のアスコルビ
    ン酸誘導体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れかに記載のアスコル
    ビン酸誘導体を一種以上含有する化粧料。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8の何れかに記載のアスコ
    ルビン酸誘導体の一種以上を化粧料全量に対して0.0
    01〜10重量%配合してなる化粧料。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】
JP9625995A 1995-03-29 1995-03-29 新規なアスコルビン酸誘導体及びこれを含有する化粧料 Pending JPH08269074A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9625995A JPH08269074A (ja) 1995-03-29 1995-03-29 新規なアスコルビン酸誘導体及びこれを含有する化粧料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9625995A JPH08269074A (ja) 1995-03-29 1995-03-29 新規なアスコルビン酸誘導体及びこれを含有する化粧料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08269074A true JPH08269074A (ja) 1996-10-15

Family

ID=14160200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9625995A Pending JPH08269074A (ja) 1995-03-29 1995-03-29 新規なアスコルビン酸誘導体及びこれを含有する化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08269074A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6346254B1 (en) 1997-11-14 2002-02-12 Basf Aktiengesellschaft Cosmetic and pharmaceutical preparations comprising ascorbic acid derivatives
JP3408258B2 (ja) * 1997-03-11 2003-05-19 ポーラ化成工業株式会社 皮膚状態改善剤の評価方法及び皮膚外用剤の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3408258B2 (ja) * 1997-03-11 2003-05-19 ポーラ化成工業株式会社 皮膚状態改善剤の評価方法及び皮膚外用剤の製造方法
US6346254B1 (en) 1997-11-14 2002-02-12 Basf Aktiengesellschaft Cosmetic and pharmaceutical preparations comprising ascorbic acid derivatives

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE2719533C2 (ja)
EP0238302A1 (en) Skin treatment composition
DE4307983A1 (de) Wirkstoffe und kosmetische und dermatologische Zubereitungen
JP3458041B2 (ja) 光老化防止剤及び皮膚化粧料
JP2552297B2 (ja) 美肌化粧料
DE4230076C2 (de) cis-Urocaninsäure als Antioxidans
KR20000022300A (ko) 광노화방지제 및 피부화장료
US3892844A (en) Method of protecting the skin from ultraviolet radiation
JP2986966B2 (ja) メラニン生成抑制剤
JPH08301722A (ja) 皮膚化粧料
JP2552298B2 (ja) 美肌化粧料
JP3657068B2 (ja) 光老化防止改善剤および皮膚外用剤
JP3432033B2 (ja) 光老化防止剤及びこれを含有する皮膚化粧料
JPH08269074A (ja) 新規なアスコルビン酸誘導体及びこれを含有する化粧料
EP0717985B1 (en) Dermatologic preparation
JPH0672855A (ja) メラニン産生抑制剤及び皮膚外用剤
JPH072640A (ja) 紫外線障害防御外用剤
JPH08268862A (ja) 光老化防止剤及びこれを含有する皮膚化粧料
JPH08301721A (ja) 皮膚化粧料
EP0689431A1 (de) Neue verwendung von aknemitteln
JPH09132527A (ja) メラニン産生抑制剤及び皮膚外用剤
JPH0543446A (ja) 美白用皮膚外用剤
JPH08231368A (ja) 光老化防止剤及びこれを含有する皮膚化粧料
JPH0692833A (ja) 皮膚外用剤
JPH09175988A (ja) 光老化防止剤及び皮膚外用剤