JPH08268617A - 紙葉類繰込み繰出し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】小さいスペースに紙葉類を収納でき、繰込み繰
出しを同一機構により行うことができ、機械の小型およ
び機構の簡素化を図る。 【構成】紙葉類がその搬送方向を一部重ね合わされた状
態で周縁に巻付けられる回転ドラム３０と、この周縁に
向けて外方から押圧付勢され、この周縁に紙葉類を巻付
けるとともにその巻付き状態を保持する紙葉類巻付け用
搬送体３１と、この搬送体および回転ドラムを繰込み紙
葉類の巻付け方向および巻付きを解除する方向に回転駆
動する駆動手段Ｍ₁ と、回転ドラム３０の周縁に紙葉類
を繰込む正転および該ドラムから巻きほどかれて繰出さ
れる紙葉類を送出するため逆転する搬送経路と、この出
口部に配設され巻付けられた紙葉類の外面に一時的に進
出して回転ドラムの逆転動と協働し繰出すべき紙葉類の
端縁を回転ドラムの周縁から分離して搬送経路側へその
紙葉類を誘導するセパレータ６４と、駆動手段の制御部
７８とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、紙幣等の紙葉類を収納
し、必要時に１枚ずつ繰出すための紙葉類繰込み繰出し
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から紙幣入出金機等においては、繰
込まれる紙幣を一時的乃至は経時的に収納する収納部は
紙幣を１枚ずつ収納部内に繰込んで上下方向または横方
向に整列状に集積するようになされている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】これによると大量の紙
幣を収納する場合はよいが、収納部への紙幣の繰込み手
段や、収納部から紙幣を繰出すための繰出し手段を金種
別の個々の収納部に付帯させなければならず、そのため
これらを含み機体内において収納部の占めるスペースが
肥大化し、機械が大型になる要因となっている。

【０００４】本発明はこれに鑑み、小さいスペースに紙
葉類を収納することができるとともに繰込み繰出しを同
一機構により行うことができ、機械の小型化および機構
の簡素化を図ることができる紙葉類繰込み繰出し装置を
提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記従来の技術が有する
問題点を解決する手段として、本発明は、紙葉類がその
搬送方向を一部重ね合わされた状態で周縁に巻付けられ
る回転ドラムと、この回転ドラムの周縁に向けて外方か
ら押圧付勢され該回転ドラムの周縁に紙葉類を巻付ける
とともにその巻付き状態を保持する紙葉類巻付け用搬送
体と、この搬送体および回転ドラムを繰込み紙葉類の巻
付け方向および巻付きを解除する方向に回転駆動する駆
動手段と、前記回転ドラムの周縁に紙葉類を繰込む正転
および回転ドラムから巻きほどかれて繰出される紙葉類
を送出するため逆転する搬送経路と、この搬送経路の出
口部に配設され巻付けられた紙葉類の外面に一時的に進
出して回転ドラムの逆転動と協働し繰出すべき紙葉類の
端縁を回転ドラムの周縁から分離して前記搬送経路側へ
その紙葉類を誘導するセパレータと、前記駆動手段の制
御部とを具備することを特徴とする。

【０００６】

【作用】紙葉類の巻付け時（繰込み時）には、搬送経路
を通じて送り込まれる紙葉類が回転ドラムの周縁と紙葉
類巻付け用搬送体との間に入り、該搬送体の正転により
回転ドラムの周縁に巻付け、搬送体により巻付き状態を
維持する。

【０００７】回転ドラムに巻付いている紙葉類を繰出す
ときは、前記紙葉類巻付け用搬送体を逆転するとともに
セパレータにより１枚ずつ剥がし、搬送経路を通じて送
出される。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例を参照して
説明する。

【０００９】図１は本発明による紙葉類繰込み繰出し装
置を２金種（万円紙幣用、千円紙幣用）とした紙幣入出
金機に適用した場合の一実施例の略示断面を示すもの
で、扁平箱形状をなす機体１内の前部側の最上位に出金
リジェクトボックス２が、その下位に入金口３が、そし
て最下位に出金口４がそれぞれ配置され、この出金口４
はシャッタ５により開閉されるようになっており、この
シャッタ５は出金額の投出時点で開放され、入金操作時
には閉じられるようになっている。

【００１０】上記出金リジェクトボックス２の奥側の入
口部にはリジェクト紙幣Ｐ′を挾持搬送して該ボックス
２内に送入するための上下一対のローラ６，７が設けら
れており、入金口３にはその底板８から周面の一部が上
方に突出しかつ周面の一部が摩擦面とされたキッカロー
ラ９と、入金口３の奥側の出口部下部に設けられ前記キ
ッカローラ９と同構成のフィードローラ１０と、このフ
ィードローラ１０に対設されたゲートローラ１１とを有
し、これらフィードローラ１０、ゲートローラ１１から
のルート１２は前記出金リジェクトボックス２へのルー
ト１３とローラ１４，１５部分で合流しており、これに
続く水平方向のルート１６上に紙幣の金種、正損、真
偽、斜行等を識別する識別部１７が配設され、その下流
が機体１内の奥側に並設された万円ユニット１８、千円
ユニット１９の搬送経路２０_1a、２０_1b、２０_1c、２０
_2a、２０_2b、２０_2c（詳細は後述する）に続いている。
なお、ローラ１４に当接するルート１３上のローラの軸
に切換爪１３Ａが揺動可能に設けられ、ルート１２から
の入金紙幣の送り込み時には図１示の姿勢をとり、また
出金紙幣の繰出し時には図において時計方向に揺動した
姿勢をとって出金リジェクト紙幣をルート１３へ送り込
むようになっている。

【００１１】前記出金口４の奥側の入口部には、紙幣の
送入方向後端を下方へはたき落して出金口４内での集積
を助ける羽根車２１と、これと協働するローラ２２が設
けられ、これら羽根車２１とローラ２２とへ至るルート
２３Ａの上流域にはルート２３，２４の２路があって、
その一方は前記合流ローラ１４，１５と識別部１７との
中間点で切換爪２５により切換えられるルート２３とさ
れ、他方は前記識別部１７と万円ユニット１８との間で
切換爪２６により切換えられるルート２４とされてい
る。

【００１２】前記万円ユニット１８および千円ユニット
１９は同じ構成であり、以下にその一方（万円ユニット
１８）のみについて説明する。

【００１３】図２に万円ユニット１８の内部構造の詳細
を示し、図３にその要部の斜視図を示すように、機枠２
７内に軸２８により正逆回転自在に支持され周縁に紙幣
Ｐが巻付けられる単一の回転ドラム３０を有し、この回
転ドラム３０の周縁にそうように紙葉類巻付け用搬送体
３１が配設されている。

【００１４】この搬送体３１は、図２示の実施例では２
本のベルトで構成され、かつ回転ドラム３０の軸方向両
側に位置するよう各々２組（図３参照。詳細は後述す
る）で構成されている。

【００１５】すなわち図２において左側のベルト３２
は、回転ドラム３０の左側上部に位置固定として設けら
れて従動回転するプーリー３３と、その直下方に位置固
定に設けられモータＭ₂ の駆動力が伝達ベルト３４Ａに
より伝達されて回転するプーリー３４と、回転ドラム３
０の下端位置にあって回転ドラム３０に対しガイドピン
３５，３５と長孔３６とにより回転ドラム３０の周縁方
向にバネ３７で付勢されたレバー３８上のプーリー３９
とに巻回され、上記プーリー３４，３９間の位置のベル
ト３２にはテンションプーリー４０がバネ４１の付勢に
より当接され、ベルト３２全域の緊張状態が維持されて
いる。

【００１６】右側のベルト４２は、回転ドラム３０の右
肩位置に前記レバー３８と同様にガイドピン４３、長孔
４４により回転ドラム３０方向にバネ４５で付勢された
レバー４６上にあって従動回転されるプーリー４７と、
前記左側のプーリー３４と対称位置に位置固定に設けら
れ前記モータＭ₂ の駆動力が伝達されて従動回転するプ
ーリー４８と、前記左側のプーリー３９に隣接する位置
で左側のプーリー３９と同様にガイドピン４９，４９と
長孔５０とにより回転ドラム３０の周縁方向にバネ５１
で付勢されたレバー５２上のプーリー５３とに巻回さ
れ、上記プーリー４８，５３間のベルト４２にはテンシ
ョンプーリー５４がバネ５５の付勢により当接されベル
ト４２全域の緊張状態が維持されている。また前記左側
上部のプーリー３３と右肩位置のプーリー４７との間に
は、ガイドピン５６，５６と長孔５７とにより回転ドラ
ム３０の周縁方向にバネ５８で付勢されたレバー５９上
の従動ローラ６０が当接されている。なお６１は、前記
レバー３８，５２に、また６２は前記レバー５９に取付
けられてこれと一体に移動する各ガイド部材を示す。

【００１７】前記左側の駆動のプーリー３３と上記従動
ローラ６０との間の位置には、回転ドラム３０の周縁に
離接する方向に揺動するよう軸６３により機枠２７に枢
支されたセパレータ６４が設けられており、紙幣Ｐの繰
出し時に回転ドラム３０の周縁に接近して紙幣Ｐを剥す
ようソレノイド６５（図６）により切換動作されるよう
になっている。

【００１８】なお、ベルト３２は回転ドラム３０の軸方
向両側に２組設けられ、対応するプーリー３３，３４，
３９，４０も２組設けられ、プーリー３３，３３，３
４，３４，３９，３９，４０，４０は各組毎に共通軸に
設けられている（図３においてはプーリー３４，３４の
み共通軸に設けられた状態で示してあるが、他の組のプ
ーリー３３，３３，３９，３９，４０，４０も同様であ
る。）。また、ベルト４２も回転ドラム３０の軸方向両
側に２組設けられ、対応するプーリー４７，４８，５
３，５４も２組設けられ、対応するプーリー４７，４
８，５３，５４も２組設けられ、プーリー４７，４７，
４８，４８，５３，５３，５４，５４は各組毎に共通軸
に設けられている。ローラ６０、セパレータ６４も回転
ドラム３０の軸方向の両側位置に左右一対設けられ、各
々の共通軸に設けられる。セパレータ６４，６４の軸６
３は図３では一部省略状態となっているが、一本の共通
軸６３とされ、この軸６３上に左右一対のセパレータ６
４，６４が固定して設けられ、この軸６３をソレノイド
６５の励磁により回転させ、図２の二点鎖線位置に位置
させる。ソレノイド６５が非励磁となると巻きついた紙
幣表面に当接して停止される。なおこのセパレータ６
４，６４は軸６３を中心に回転ドラム３０の周面方向へ
バネ付勢され、回転ドラム３０の周面に当接可能とされ
る。それ故この回転ドラム３０の周面に紙幣が巻きつけ
られている場合は、ソレノイド６５の非励磁時にはセパ
レータ６４，６４は回転ドラム３０の周面の巻きつき紙
幣表面に当接した状態となる。また各ガイド部材６１，
６２は各々ローラ６０，６０，３９，５３が突出する切
欠穴を備えるとともに回転ドラム３０の軸方向長さに等
しく形成されている。

【００１９】万円ユニット１８の上部左端域には、ルー
ト１６左端に接続される水平方向の搬送経路２０_1aが配
設され、またこの搬送経路の末端から垂直方向に下降す
る搬送経路２０_1bが配設されている。すなわち回転ドラ
ム３０の左側の略接線方向で前記プーリー３３とセパレ
ータ６４との間の位置の上方には、回転ドラム３０への
紙幣Ｐの導入または導出を司るためのローラ対からなる
搬送経路２０_1bが配設されている。この搬送経路２０_1b
を構成するローラ群のうち、６７，６８，６９，７０は
位置固定の駆動ローラ群で、モータＭ₁ により駆動さ
れ、他側のローラ７１，７２，７３群は従動ローラで、
そのうちローラ７１は図において斜め左下方へ、またロ
ーラ７２，７３は図において左右方向に位置可変とされ
ている。

【００２０】また搬送経路２０_1aの右端には水平な搬送
経路２０_1cが接続され、この搬送経路２０_1cの右端は千
円ユニット１９の搬送経路２０_2aの左端に接続されてい
る。また搬送経路２０_1aの左端には紙幣Ｐの水平方向へ
の直進と下方への分岐とを切換える切換爪７５がローラ
６８の軸上に枢支され、図示しないソレノイドにより切
換え作動されるようになっている。

【００２１】前記セパレータ６４に近い位置の紙幣通過
部、および前記切換爪７５の先端位置の紙幣通過部には
それぞれ投受光タイプのセンサＳ₁ ，Ｓ₂ が配置されて
おり、前記左右のベルト３２，４２のプーリー３４，４
８の軸上のスリット板７６，７７を挾んでフォトインタ
ラプタＨ₁ ，Ｈ₂ が設けられ、その回転数をカウントす
るようになっている。

【００２２】なお千円ユニット１９についても万円ユニ
ット１８と同構造であり、図１において、万円ユニット
１８の搬送経路２０_1c右端にその左端が接続される搬送
経路２０_2a（搬送経路２０_1aに対応）と、この搬送経路
２０_2aの右端から垂直方向に下降する搬送経路２０
_2b（搬送経路２０_1bに対応）と、搬送経路２０_2aの右端
から水平方向に延びる搬送経路２０_2c（搬送経路２０_1c
に対応）とを有する。なお千円ユニット１９の搬送経路
２０_2cは図１における右側に他のユニット（万円、千
円、それ以外の金種ユニット）が接続される場合に機能
し、本実施例の場合は機能しない。また千円ユニット１
９の切換爪７５は図１の右方にユニットがないので搬送
経路２０_2bへの紙幣送込み姿勢（この姿勢の時は搬送経
路２０_2bから搬送経路２０_2aへの紙幣送出も可能）に固
定保持せしめる。他の構造については万円ユニット１８
と同じであり、その説明は省略する。

【００２３】図６は万円ユニット１８、千円ユニット１
９内の主要部を制御する制御ブロック図で、制御部７８
は操作指令部Ａ、センサＳ₁ ，Ｓ₂ 、フォトインタラプ
タＨ₁ ，Ｈ₂ からの信号入力により搬送経路２０_1a，２
０_1b，２０_1c，２０_2a，２０_2bの駆動用モータＭ₁ 、ベ
ルト３２，４２の駆動用モータＭ₂ 、セパレータ６４の
切換用ソレノイド６５を制御する。

【００２４】特にフォトインタラプタＨ₁ ，Ｈ₂ は、対
応するスリット板７６，７７のスリット数をカウントす
る。両者のカウント値は制御部７８で比較され、両者の
カウント中に両カウント値が所定値以上の差異が生じた
ときには異常と判断して搬送経路のモータＭ₁ 、モータ
Ｍ₂ および機械全体の動作をダウンさせる。両カウント
値の差異が所定値未満の場合には、紙幣の巻きつけまた
は紙幣の巻きほどきのためのベルト３２，４２の回転が
正常と判断され、この状況下ではフォトインタラプタＨ
₁ によるスリット板７６のスリット数のカウント値が回
転時間測定に使用される。この回転時間測定はｔ₁ 時
間、ｔ₂ 時間、ｔ₃ 時間、ｔ_x 時間があるが、その詳細
は後述する。

【００２５】次に上記実施例の作用を図４（Ａ）〜
（Ｄ）、図５（Ａ）〜（Ｃ）を参照して説明する。

【００２６】図４（Ａ）は入金処理の待機状態を示して
おり、回転ドラム３０の停止位置は、入金時に回転ドラ
ム３０に巻込まれる最後の紙幣Ｐ_4-1 の巻込み方向後端
がセンサＳ₁ を通過したのちｔ₁ 時間後にベルト３２，
４２の正転を停止した状態である。したがって回転ドラ
ム３０の最外周の最後に巻込まれる紙幣Ｐ_4-1 の巻込み
方向後端Ｐ_A は常に一定位置に位置される。なおセパレ
ータ６４は回転ドラム３０の周縁から離反した実線図示
状態（セパレータ６４の切換用ソレノイド６５の励磁状
態）におかれている。

【００２７】入金指令時は、セパレータ６４が図４
（Ａ）の状態のままでベルト３２，４２がｔ₂ 時間逆転
駆動（回転ドラム３０を時計方向に回転させる方向の駆
動）し、紙幣Ｐ_4-1 の後端Ｐ_A はセパレータ６４に当る
ことなく図４（Ｂ）の状態になる。ここでベルト３２，
４２をｔ₂ 時間逆転駆動する制御は、フォトインタラプ
タＨ₁ がスリット板７６のスリット数をカウントし、所
定数のカウントによりベルト３２，４２の駆動用モータ
Ｍ₂ を停止させることにより行う。なおフォトインタラ
プタＨ₂ のスリット板７７のスリット数のカウント値と
フォトインタラプタＨ₁ のカウント値との差異が所定値
未満であることを条件として上記の作用を行なうもので
ある。また以下の説明において、フォトインタラプタＨ
₁ による時間測定はすべて前述の条件を前提とするが、
便宜上フォトインタラプタＨ₁ による時間測定として説
明することとする。

【００２８】回転ドラム３０が逆転して停止した状態
（図４（Ｂ））において入金紙幣Ｐ_{1- 2} が送られてきて
その紙幣Ｐ_1-2 の先端がセパレータ６４の先端よりやや
下方まで送入された時点でその紙幣Ｐ_1-2 の入金繰込み
方向後端がセンサＳ₂ を通過し、このセンサＳ₂ による
紙幣Ｐ_1-2 の後端通過検知信号によりベルト３２，４２
を正転（図において反時計方向）させる。なお入金時に
は、入金紙幣が搬送経路２０_1a，２０_1b，２０_1c，２０
_2a，２０_2b上に１枚のみ存在する状態となるよう入金口
３での繰込みが行われる。

【００２９】前記のようにベルト３２，４２の正転によ
り、先行の紙幣Ｐ_4-1 の巻込み方向後端の上に紙幣Ｐ
_1-2 の先端が一定長さ重ねられた状態で巻付けられて行
き（図４（Ｃ））、紙幣Ｐ_1-2 の巻込み方向後端がセン
サＳ₁ を通過したことが検知されてからｔ₁ 時間経過し
たのちにベルト３２，４２が停止する。その状態が図４
（Ｄ）である。上記ベルト３２，４２のｔ₁ 時間の正転
制御もフォトインタラプタＨ₁ により行われる。

【００３０】図４（Ｄ）では図４（Ａ）と類似した状態
となるが、図４（Ａ）における紙幣Ｐ_4-1 の位置に紙幣
Ｐ_1-2 が位置されている。

【００３１】次の入金紙幣が後続する場合には、図４
（Ｄ）の状態からベルト３２，４２がｔ₂ 時間逆転（回
転ドラム３０が図において時計方向）し、図４（Ｂ）に
おける紙幣Ｐ_4-1 と同じ位置に紙幣Ｐ_1-2 が位置する。

【００３２】一方、上記ｔ₂ 時間の逆転中に次の入金紙
幣Ｐ_2-2 が入金口３から繰込まれて搬送経路２０_1aまた
は２０_2aを送られてきても、その紙幣Ｐ_2-2 の先端がセ
ンサＳ₁ に到達する前に回転ドラム３０が逆転停止状態
となっており、紙幣Ｐ_2-2 の後端がセンサＳ₂ を通過し
た時点からベルト３２，４２が正転し、その紙幣Ｐ_{2- 2}
の後端がセンサＳ₁ を通過したときからｔ₁ 時間後にベ
ルト３２，４２が停止する。その結果、紙幣Ｐ_2-2 が図
４（Ｄ）の紙幣Ｐ_1-2 の位置に位置されることになる。
こうして以後の紙幣の巻付き時にも同じ動作により順次
巻付けられる。

【００３３】図５（Ａ）〜（Ｃ）は出金時の状態を示す
もので、出金時には先ず操作指令部Ａによる出金指令に
基づき出金すべき金種（万円、千円の両金種とも出金の
場合は優先順位にしたがう一方の金種）のセパレータ６
４の作動用ソレノイド６５が非励磁となり、セパレータ
６４の先端が図示しないバネにより図４（Ｄ）の鎖線図
示の位置（回転ドラム３０の最外側の紙幣に接触状態の
位置）に変位され、次にベルト３２，４２が逆転する。
この逆転のためのモータＭ₂ の制御はフォトインタプラ
Ｈ₁ により行われ、その逆転時間をｔ_x 時間とする。

【００３４】上記ベルト３２，４２の逆転とセパレータ
６４の変位により最外側の出金位置にある紙幣Ｐ_1-2 の
出金方向先端がセパレータ６４の先端により剥がされ、
ベルト３２，４２の逆転の継続によりその紙幣Ｐ_1-2 の
出金方向先端がセンサＳ₁ を遮切り、その検知信号によ
りソレノイド６５が励磁されてセパレータ６４が図５
（Ａ）の鎖線図示位置へ変位して次の紙幣Ｐ_4-1 の出金
方向先端が引掛ることを防ぎ、ベルト３２，４２がさら
に逆転を継続して紙幣Ｐ_1-2 を送り出す。

【００３５】上記紙幣Ｐ_1-2 の先端がセンサＳ₂ を遮切
った時点、すなわちその紙幣Ｐ_1-2の出金方向後端が回
転ドラム３０の周縁から離れた時点でセンサＳ₂ による
検知によりベルト３２，４２の駆動用モータＭ₂ が停止
し、紙幣Ｐ_1-2 は引続き搬送経路２０を送り出される
（図５（Ｂ））。このモータＭ₂ の逆転時間がフォトイ
ンタラプタＨ₁ によりｔ_x 時間として計測される。

【００３６】上記ベルト３２，４２は逆転が停ると正転
に切換り、この正転はｔ_x −ｔ₃ 時間の間行われ、フォ
トインタラプタＨ₁ でｔ_x −ｔ₃ 時間の経過後ベルト３
２，４２が停止する（図５（Ｃ））。なお、前記ｔ₃ 時
間は、紙幣Ｐ_1-2 の繰出し方向先端から紙幣Ｐ_4-1 の繰
出し方向先端までの寸法分を搬送するに要する時間であ
り、この時間は巻つけられるいずれの紙幣についても一
定である。特に紙幣巻きつけ方向の隣り合う紙幣同士の
重なり寸法は一定であり、ｔ₃ 時間の搬送時間に送られ
る紙幣寸法は、重なり寸法を除く残りの寸法（重ならな
い部分の寸法）であり、これも一定寸法となるからであ
る。

【００３７】この状態で次の紙幣も出金する場合には、
ソレノイド６５の非励磁によりセパレータ６４が図５
（Ｃ）の鎖線図示の位置に変位し、ベルト３２，４２の
逆転により紙幣Ｐ_4-1 の出金方向先端がセパレータ６４
の先端により剥がされ、その紙幣Ｐ_4-1 の出金方向先端
をセンサＳ₁ が検知するとセパレータ６４はソレノイド
６５の励磁により図５（Ｃ）の実線図示の位置へ変位し
て上記紙幣Ｐ_4-1 の出金動作と同じ作用により送出され
る。この出金動作により、先に送出された紙幣Ｐ_1-2 と
次に送出される紙幣Ｐ_4-1 との間には間隔があけられた
状態で搬送経路２０_1bまたは２０_2bを送られることにな
る。

【００３８】また上記紙幣Ｐ_1-2 の出金が行われた段階
で出金が終了する場合は、図５（Ｃ）においセパレータ
６４は実線図示位置に保持され、回転ドラム３０も同図
示の位置で停止され、最外側の紙幣Ｐ_4-1 も出金定位置
に位置されて次回の入金または出金に備える待機状態と
なる。この状態は図４（Ａ）の状態と同じである。

【００３９】なお、入金時には、図１において回転ドラ
ム３０への紙幣の巻付きが完了したのちにキッカローラ
９、フィードローラ１０が起動して次の紙幣の繰込みが
行われ、ルート１６から識別部１７を通り、入金可の紙
幣であればその金種により万円ユニット１８または千円
ユニット１９へ送られる。なお千円ユニット１９へ入金
可の紙幣を搬送する場合には、万円ユニット１８の切換
爪７５は紙幣を搬送経路２０_1aから搬送経路２０_1cへ送
る姿勢になっている。また入金不可の紙幣は、ルート１
６の識別部１７より右方の切換爪２６によりルート２４
へ送られ、ルート２３Ａを通じて出金口１４へ送出され
る。この出金口１４は入金時には開放状態にある。

【００４０】出金時は万円ユニット１８、千円ユニット
１９の順に繰出され、各紙幣（万円紙幣同士、万円と千
円紙幣同士、または千円紙幣同士）が重ならない状態で
識別部１７へ送られ、出金正規紙幣は切換爪２５の切換
わりにより出金口４へ、出金リジェクト紙幣は切換爪２
５の上を通過して切換爪１３Ａにより出金リジェクトボ
ックス２へ送り込まれる。この出金リジェクトボックス
２は満杯になったとき係員が引抜く。

【００４１】回転ドラム３０に巻付く紙幣の量（満杯検
知）は、別に触手を設けるようにしてもよいが、位置可
変のプーリー３９，４７，５３または従動ローラ６０の
変位量から満杯を検知するようにすることができる。ま
た図示実施例では２金種用の場合について示したが、１
金種のみまたは３金種以上とすることはユニットの設置
数を増減することにより対処することができる。さらに
紙幣以外の紙葉類を対象とするものであっても適用し得
ることはもちろんである。そして回転ドラム３０は従動
とせず、駆動するようにしても実施可能である。

【００４２】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、回
転ドラムの周縁に紙葉類を巻付けて収納し、また巻きほ
どくことにより繰出すことができるので、繰込み繰出し
のための機構が共通となり、装置を著しく小型にかつ簡
単に構成することができる。また回転ドラムへの紙葉類
の巻付けや巻きほどきは回転ドラムの周縁に向けて付勢
された紙葉類巻付け用搬送体によるので巻付けや巻きほ
どきがスムーズにできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を紙幣の入出金機に適用した場合の一実
施例を示す略示断面図。

【図２】図１における万円ユニットを示す拡大正面図。

【図３】同要部の斜視図。

【図４】（Ａ）〜（Ｄ）は入金時の作用を示す説明図。

【図５】（Ａ）〜（Ｃ）は出金時の作用を示す説明図。

【図６】制御ブロック図。

【符号の説明】

１ 機体 ２ 出金リジェントボックス ３ 入金口 ４ 出金口 ９ キッカローラ １０ フィードローラ １１ ゲートローラ １７ 識別部 １８ 万円ユニット １９ 千円ユニット ２０_1a，２０_1b，２０_1c，２０_2a，２０_2b，２０_2c 搬
送経路 ２１ 羽根車 ２７ 機枠 ３０ 回転ドラム ３１ 紙葉類巻付け用搬送体 ３２，４２ ベルト ６４ セパレータ ７６，７７ スリット板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】紙葉類がその搬送方向を一部重ね合わされ
   た状態で周縁に巻付けられる回転ドラムと、この回転ド
   ラムの周縁に向けて外方から押圧付勢され該回転ドラム
   の周縁に紙葉類を巻付けるとともにその巻付き状態を保
   持する紙葉類巻付け用搬送体と、この搬送体および回転
   ドラムを繰込み紙葉類の巻付け方向および巻付きを解除
   する方向に回転駆動する駆動手段と、前記回転ドラムの
   周縁に紙葉類を繰込む正転および回転ドラムから巻きほ
   どかれて繰出される紙葉類を送出するため逆転する搬送
   経路と、この搬送経路の出口部に配設され巻付けられた
   紙葉類の外面に一時的に進出して回転ドラムの逆転動と
   協働し繰出すべき紙葉類の端縁を回転ドラムの周縁から
   分離して前記搬送経路側へその紙葉類を誘導するセパレ
   ータと、前記駆動手段の制御部とを具備することを特徴
   とする紙葉類繰込み繰出し装置。