JPH08268311A - 全輪操舵用ステアリング装置 - Google Patents

全輪操舵用ステアリング装置

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Publication number
JPH08268311A
JPH08268311A JP7499395A JP7499395A JPH08268311A JP H08268311 A JPH08268311 A JP H08268311A JP 7499395 A JP7499395 A JP 7499395A JP 7499395 A JP7499395 A JP 7499395A JP H08268311 A JPH08268311 A JP H08268311A
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JP
Japan
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steering
oil
hydraulic pressure
oil passage
wheel
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JP7499395A
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English (en)
Inventor
Masahiro Niwano
正弘 庭野
Akiko Miyashita
昭子 宮下
Kunio Seki
邦雄 関
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UD Trucks Corp
Original Assignee
UD Trucks Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】全輪操舵用ステアリング装置において、逆相及
び同相時共に、タイヤのスリップアングルを零とするこ
とを目的とする。 【構成】同相操舵又は逆相操舵の切換えが可能な全輪操
舵用ステアリング装置において、各タイロッド23A,23
Bを2分割して第1の部材24a,24bと第2の部材25
a,25bとで構成し、第1の部材24a,24bと第2の部
材25a,25bとを、油圧の給・排に応動して軸線方向に
摺動可能な連結手段26a〜29a,26b〜29bで連結する
と共に、逆相・同相の操舵モード切換えにより前記連結
手段26a〜29a,26b〜29bへの油圧の給・排を制御す
る油圧シリンダ30A,30Bと油圧回路40A,40Bからな
る油圧制御手段を設けて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、前輪側と後輪側が操舵
時に同方向に操舵される同相操舵モードと前輪側と後輪
側が操舵時に逆方向に操舵される逆相操舵モードとを切
換えることができる全輪操舵用ステアリング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】全ての車軸がリジッドアクスルで、全輪
操舵ができるステアリング装置は知られている。従来の
この種のステアリング装置を図7に示し簡単に説明す
る。図7において、各車輪1〜4はそれぞれ各キングピ
ン5で図示しないアクスルに各タイロッドアーム6と一
体に構成されたナックル(図示せず)を介して回動自在
に取付けられ、前輪側と後輪側の左右のタイロッドアー
ム6は各タイロッド7A,7Bで連結される。
【0003】また、前輪側の一方のナックルは、ステア
リングアーム8A、ドラグリンク9、ピットマンアーム
10及びステアリングギヤボックス11を介してステアリン
グホイール12に連結する。また、前記ステアリングアー
ム8にはモード切換装置13のリレーリンク14が連結さ
れ、後輪側のステアリングアーム8Bにはリレーリンク
15がパワシリンダ16を介して連結されている。図中、G
は車両の重心点を示す。
【0004】かかる構成において、図示しないコントロ
ーラから逆相モード或いは同相モードのモード指定信号
が、モード切換装置13に入力するとパワシリンダ16を介
して後輪側が、前輪側の操舵動作に連動して前輪の操舵
動作に対して指定の操舵モードで操舵される構成であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の全輪
操舵車には、左右輪の操舵角を調整する操舵角調整装置
とその制御装置がない。このため、従来の全輪操舵車で
は、同相操舵時にタイヤにスリップアングルが生じない
ようにするためには、例えば図7に示すように、左右の
キングピン5,5を結ぶ線と左右のタイロッドアーム
6,6とこれらを連結するタイロッド7A,7Bからな
るリンク系を平行リンクとすることが必要である。即
ち、各車輪の舵角が、αR=αL=βR=βLとなるよ
うにする。
【0006】しかしながら、この平行リンク構造では、
図8に示すように逆相操舵を行う場合には、各輪の中心
軸方向は前輪同志、後輪同志がそれぞれ平行となり、旋
回中心が一致しない。このため、車両は旋回中心Cを中
心として旋回するので、逆相操舵時にタイヤには大きな
スリップアングルが生じ、タイヤの偏摩耗の原因となっ
ている。
【0007】また、逆相操舵時にタイヤにスリップアン
グルが生じないようにするために、図9に示すように、
キングピン間隔L1より短いタイロッド間隔L2を有す
るタイロッド7A,7Bを使用するリンク構造とする
と、図10に示すように、同相操舵を行う場合に、各車輪
の舵角はαR<αL、βR<βLとなり左右輪の操舵角
が異なるため、同相操舵時にタイヤには大きなスリップ
アングルが発生し、タイヤの偏摩耗の原因となってい
た。
【0008】従って、従来の全輪操舵車にあっては、同
相操舵のスリップアングルを考慮したリンク構造を採用
すれば、逆相操舵時にスリップアングルが生じ、逆に、
逆相操舵のスリップアングルを考慮したリンク構造を採
用すれば、同相操舵時にスリップアングルが生じるとい
う問題がある。尚、本出願人は、先に同相操舵でも逆相
操舵でも共にタイヤのスリップアングルを防止できる全
輪操舵用ステアリング装置を提案している(特願平6−
249379号等参照)。このものは、ステップモータ
を用いて電動でタイロッドを伸縮する構造である。
【0009】本発明は上記の事情に鑑みなされたもの
で、油圧を利用した機械的機構を用いて全輪操舵におい
て同相及び逆相操舵時ともスリップアングルを略零とす
ることが可能な全輪操舵用ステアリング装置を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、本発明では、
左右の車輪がタイロッドを介して連動する構成であり、
ステアリングホイールを操舵した時に前輪側及び後輪側
が同方向に操舵される同相操舵モードと、ステアリング
ホイールを操舵した時に前輪及び後輪が逆方向に操舵さ
れる逆相操舵モードとを、切換え可能な構成である全輪
操舵用ステアリング装置において、各タイロッドを2分
割して第1の部材と第2の部材とで構成し、第1の部材
と第2の部材とを、油圧の給・排に応動して軸線方向に
摺動可能な連結手段で連結すると共に、逆相・同相の操
舵モード切換えにより前記連結手段への油圧の給・排を
制御する油圧制御手段を備えて構成した。
【0011】また、前記連結手段は、第1の部材の一端
に第1シリンダ部を設け、第2の部材の一端に前記第1
シリンダ部内を摺動する第1ピストンを設け、前記第1
シリンダ部内の先端側端面と前記第1ピストンとの間
に、タイロッド長が縮まる方向に弾性力が作用するリタ
ーンスプリングを介在させ、第1シリンダ部内の基端側
端面と前記第1ピストンとの間の空間部を前記油圧制御
手段からの油圧が供給される第1油室とする構成とし
た。
【0012】また、前記油圧制御手段は、車輪の操舵角
に応じた油圧を発生する油圧発生手段と、同相操舵モー
ド時に前記油圧発生手段で発生した油圧を前記連結手段
の第1シリンダ部内の第1油室に前記リターンスプリン
グの弾性付勢力に抗して給油する油圧回路とを有する構
成とした。また、前記油圧発生手段は、車軸の中間部に
一端が連結され他端に第2シリンダ部を有するシリンダ
部材と、一端が前記タイロッドアームの中間部に連結さ
れ他端に前記第2シリンダ部内を摺動する第2ピストン
を有するピストン部材とを備え、直進状態で前記第2ピ
ストンが第2シリンダ部の略中央部に位置する構成であ
り、前記油圧回路は、前記第2ピストンで画成される第
2シリンダ部内の第2及び第3油室と前記連結手段の第
1シリンダ部の第1油室とをそれぞれ接続する第1及び
第2油路と、前記第2シリンダ部内の第2及び第3油室
を油溜りにそれぞれ接続する第3及び第4油路と、第1
油路に介装され第2油路に油圧が発生した時に閉弁する
常開の第1開閉弁と、第2油路に介装され第1油路に油
圧が発生した時に閉弁する常開の第2開閉弁と、第3油
路に介装され第4油路に油圧が発生した時に開弁する常
閉の第3開閉弁と、第4油路に介装され第3油路に油圧
が発生した時に開弁する常閉の第4開閉弁と、前記第3
開閉弁と第4開閉弁をバイパスして第2及び第3油室間
を接続するバイパス油路と、該バイパス油路に介装され
逆相操舵モードで開弁し同相操舵モードで閉弁する第5
開閉弁とを備える構成とした。
【0013】
【作用】かかる請求項1記載の発明の構成によれば、油
圧制御手段により連結手段を介してタイロッドを伸長或
いは収縮することができるので、タイロッドの長さを同
相操舵或いは逆相操舵に適したものに調整することがで
きる。これにより、同相操舵時及び逆相操舵時の両方で
タイヤにスリップアングルが生じるのを防ぐことが可能
となる。また、油圧を利用した機械的な構造を採用する
ことによって、電気的なタイロッドの長さ調整機構に比
べて、故障頻度が少ない。
【0014】また、請求項2記載の発明のように、前記
連結手段を、油圧が供給されない状態でタイロッドが最
短長となるよう、通常状態では逆相操舵に適したリンク
構造とすれば、使用頻度の多い2輪操舵(2WS)時に
前輪側でのスリップアングルの発生を防止できるので、
タイヤの偏摩耗を抑制できるようになる。また、タイロ
ッドの軸長を可変調整するための油圧発生手段を、操舵
動作に連動して油圧を発生させる構成とすれば、オイル
ポンプ等を設ける必要がない。
【0015】
【実施例】以下、添付された図面を参照して本発明の一
実施例を説明する。図1は、本発明に係るステアリング
装置の実施例の概略構成を示す図である。尚、従来と同
一要素には同一符号を付して説明を省略する。図1にお
いて、右前輪1と左前輪2とは、各キングピン5,5で
フロントアクスル21に、タイロッドアーム6,6と一体
に構成されたナックル(図示せず)を介して車両左右方
向に回動自在に取付けられ、そのタイロッドアーム6,
6は、タイロッド23Aで連結される。
【0016】また、ナックルにはステアリングアーム8
Aが固着され、そのステアリングアーム8Aはドラグリ
ンク9を介して、ステアリングギヤボックス11のピット
マンアーム10に連結され、そのギヤボックス11にはステ
アリングホイール12が取付けられている。そして、ステ
アリングアーム8Aには従来技術であるモード切換装置
13のリレーリンク14が連結され、右後輪3のステアリン
グアーム8Bにはリレーリンク15がパワーシリンダ16を
介して連結されている。更に、前輪側と同様に、リアア
クスル22に取付けられる後輪3,4側の左右のタイロッ
ドアーム6,6も、連結手段を設けたタイロッド23Bで
連結されている。そして、前記タイロッド23A,23B
は、それぞれ連結手段を介して伸縮可能に構成されてい
る。
【0017】タイロッド23A,23Bの構成を以下に説明
する。タイロッド23A,23Bは、第1の部材24a,24b
と第2の部材25a,25bとから構成され、左側車輪のタ
イロッドアーム6先端に回動自在に連結された第1の部
材24a,24bには、その一端に第1シリンダ部26a,26
bが設けられており、右側車輪のタイロッドアーム6先
端の回動自在に連結された第2の部材25a,25bには、
その一端に前記第1シリンダ部26a,26b内を摺動する
第1ピストン27a,27bが設けられている。第1シリン
ダ部26a,26b内の先端側端面と第1ピストン27a,27
bとの間に、タイロッド長が縮まる方向に弾性力が作用
するリターンスプリング28a,28bが介在され、第1シ
リンダ部26a,26b内の基端側端面と前記第1ピストン
27a,27bとの間の第1油室29a,29bが形成されてい
る。ここで、前記第1シリンダ部26a,26b、第1ピス
トン27a,27b、リターンスプリング28a,28b及び第
1油室29a,29bで連結手段が構成されている。
【0018】また、右車輪1,3側のタイロッドアーム
6,6の中間部とフロントアクスル21、リヤアクスル22
の略中央部との間には、油圧発生手段としての油圧シリ
ンダ30A,30Bが連結されている。油圧シリンダ30A,
30Bは、フロントアクスル21、リヤアクスル22の略中央
部にブラケット31,31を介して一端が回動自在に連結さ
れ他端に第2シリンダ部34a,34bを有するシリンダ部
材32a,32bと、一端が前記タイロッドアーム6,6の
中間部に回動自在に連結され他端に前記第2シリンダ部
34a,34b内を摺動すると共に第2シリンダ部34a,34
b内で第2油室36a,36b及び第3油室37a,37bを画
成する第2ピストン35a,35bを有するピストン部材33
a,33bとを備え、直進状態で前記第2ピストン35a,
35bが第2シリンダ部34a,34bの略中央部に位置する
構成となっている。
【0019】前記油圧シリンダ30A,30Bの第2油室36
a,36b及び第3油圧37a,37b内のオイルは、車輪の
操舵角に対応した第2ピストン35a,35bの移動量に応
じた油圧を発生し、同相操舵モード時に前記タイロッド
23A,23Bの第1シリンダ部26a,26b内の第1油室29
a,29b内に油圧回路40A,40Bによってリターンスプ
リング28a,28bの弾性付勢力に抗して給油される。
【0020】前記油圧回路40A,40Bの構成を以下に説
明する。油圧回路40A,40Bは、第2油室36a,36b及
び第3油室37a,37bと前記タイロッド23A,23Bの第
1油室29a,29bとをそれぞれ接続する第1油路L1及
び第2油路L2と、前記第2油室36a,36b及び第3油
室37a,37bを油溜り41にそれぞれ接続する第3油路L
3及び第4油路L4と、第1油路L1に介装され第2油
路L2に油圧が発生した時にパイロット圧通路L5を介
して導入される前記油圧によって閉弁する常開の第1開
閉弁42a,42bと、第2油路L2に介装され第1油路L
1に油圧が発生した時にパイロット圧通路L6を介して
導入される前記油圧によって閉弁する常開の第2開閉弁
43a,43bと、第3油路L3に介装され第4油路L4に
油圧が発生した時にパイロット圧通路L7を介して導入
される前記油圧によって開弁する常閉の第3開閉弁44
a,44bと、第4油路L4に介装され第3油路L3に油
圧が発生した時にパイロット圧通路L8を介して導入さ
れる前記油圧によって開弁する常閉の第4開閉弁45a、
45bと、前記第3開閉弁44a,44bと第4開閉弁45a,
45bをバイパスして第2油室36a,36bと第3油室37
a,37b間を接続するバイパス油路L9に介装され図示
しないコントローラからの操舵モード指令信号に基づい
て逆相操舵モードで開弁し同相操舵モードで閉弁する電
磁式の第5開閉弁46a,46bとを備えて構成されてい
る。
【0021】尚、第1油路L1と第2油路L2は、第1
油室29a,29bの近くで合流している。第3油路L3と
第4油路L4は、油溜り41の近くで合流している。次
に、逆相操舵モード及び同相操舵モード時における動作
について図2〜図5を参照して説明する。まず、通常モ
ード及び逆相操舵モードの場合について説明する。尚、
図では前輪側のみ示して説明するが、後輪側も同様の動
作となる。また、逆相操舵時及び同相操舵時の後輪側の
操舵動作は、従来同様にモード切換装置13によって制御
される。
【0022】図2は逆相操舵モードの直進時を示す。こ
の場合は、図示しないコントローラからの逆操舵モード
指令信号により第5開閉弁46aは開状態にあり、油圧シ
リンダ30Aの第2シリンダ部34aの第2油室36aと第3
油室37aは連通状態にある。また、第2ピストン35aは
第2シリンダ部34a内の略中央に位置する。タイロッド
23Aの第1油室29aには、油圧が発生せず、リターンス
プリング28aの弾性付勢力により第1ピストン27は、第
1シリンダ部26aの略基端(図中最左端)に位置し、タ
イロッド23Aは最短長となっている。この状態では、タ
イロッドアーム6,6に、旋回時のスリップアングルを
零とする特定の初期角θが存在する。
【0023】図3は、逆相操舵モードの右操舵時を示
す。この場合も、第5開閉弁46aは開状態にあり、第2
シリンダ部34aの第2油室36aと第3油室37aは連通状
態にある。この状態でステアリングホイール12を右に操
舵すると、ドラクリンク9が矢印方向(図中上方)に引
っ張られ、右輪1が操舵されると共に、タイロッドアー
ム6はキングピン5中心に時計回りに回動しタイロッド
23Aを図中左方向に押し、これに連結した左輪2側のタ
イロッドアーム6も連動して左輪2も操舵される。
【0024】この時、油圧シリンダ30Aにおいて、第2
ピストン35aは図中左方向に移動し、第3油室37a内の
オイルは、第2油路L2と第4油路L4に流れようとす
るが、タイロッド23A側の第1油室29aに連通する第2
油路L2側には、リターンスプリング28aの弾性付勢力
が作用している。このため、第3油室37a内のオイル
は、図中矢印で示すように、第4油路L4、バイパス油
路L9、第5開閉弁46a及び第3油路L3を介して右側
の第2油室36aに流入する。
【0025】従って、タイロッド23Aは、直進時と同様
に最短長のまま操舵される。このため、逆相操舵時に、
それぞれの車輪の操舵角がαL<αRとなって車輪の中
心軸方向が旋回中心の一点に集まり、タイヤにスリップ
アングルが生じるのを防止できる。また、第1シリンダ
部26aの第1油室29a内に油圧が供給されない通常状態
でタイロッドアーム6,6が最短長となるように設定し
タイロッドアーム6,6に初期角θが存在するようにし
ているので、使用頻度の多い2輪操舵(2WS)の場合
でも、前輪側のタイヤのスリップアングルの発生を防止
でき、後輪側に僅かにスリップアングルが発生するだけ
であるので、タイヤの偏摩耗を抑制することができ、タ
イヤの耐久性を向上できる。
【0026】次に、図4及び図5に同相操舵モードの場
合について説明する。図4は同相操舵モードの右操舵時
を示す。この場合は、コントローラからの同相操舵モー
ド指令信号により第5開閉弁46aは閉状態となる。この
状態でステアリングホイール12を右に操舵すると、ドラ
クリンク9が矢印方向(図中上方)に引っ張られ、右輪
1が操舵されると共に、タイロッドアーム6はキングピ
ン5中心に時計回りに回動しタイロッド23Aを図中左方
向に押し、これに連結した左輪2側のタイロッドアーム
6も連動して左輪2も操舵される。
【0027】この時、油圧シリンダ30Aにおいて、第2
ピストン35aは図中左方向に移動し、第3油室37a内の
オイルは、第2油路L2と第4油路L4に流れようとす
るが、第4開閉弁45a及び第5開閉弁46aが共に閉じて
いるので、第4油路L4には流れない。第3油室37a内
のオイルは、図中矢印で示すように、第2油路L2、常
開の第2開閉弁43aを介してリターンスプリング28aの
弾性付勢力に抗して第1油室29a内に流入し、第1ピス
トン27aを図中右方向に押す。尚、第4油路L4の油圧
がパイロット圧として第3開閉弁44aに作用して第3開
閉弁44aが開弁状態になるので、第2油室36aには、矢
印で示すように、油溜り41から第3油路L3の第3開閉
弁44aを通って給油される。
【0028】図5は同相操舵モードの左操舵時を示す。
この場合も、コントローラからの同相操舵モード指令信
号により第5開閉弁46aは閉状態となる。この状態でス
テアリングホイール12を左に操舵すると、右操舵時とは
逆に、ドラクリンク9が矢印方向(図中下方)に押さ
れ、右輪1が操舵されると共に、タイロッドアーム6は
キングピン5中心に反時計回りに回動しタイロッド23A
を図中左方向に引っ張り、これに連結した左輪2側のタ
イロッドアーム6も連動して左輪2も操舵される。
【0029】この時、油圧シリンダ30Aにおいて、第2
ピストン35aは図中右方向に移動し、第2油室36a内の
オイルは、第1油路L1と第3油路L3に流れようとす
るが、第3開閉弁44a及び第5開閉弁46aが共に閉じて
いるので、第3油路L3には流れない。第2油室36a内
のオイルは、図中矢印で示すように、第1油路L1、常
開の第1開閉弁42aを介してリターンスプリング28aの
弾性付勢力に抗して第1油室29a内に流入し、第1ピス
トン27aを図中右方向に押す。尚、第3油路L3の油圧
がパイロット圧として第4開閉弁45aに作用して第4開
閉弁45aが開弁状態になるので、第3油室37aには、矢
印で示すように、油溜り41から第4油路L4の第4開閉
弁45aを通って給油される。
【0030】以上のように、同相操舵モードでは、操舵
角に応じてタイロッド23Aが伸長し、操舵角の増大に応
じて同相操舵時にタイヤのスリップアングルが発生し難
い平行リンク系の構造に近くなる。従って、同相時にお
いても、タイロのスリップアングルの発生を防止するこ
とができるので、タイヤの偏摩耗を防止することがで
き、タイヤの耐久性が向上する。
【0031】また、油圧シリンダ30Aを用いて操舵動作
に連動してタイロッド伸長用の油圧を発生させる構成と
しているので、オイルポンプ等の独立の油圧発生装置を
設ける必要がない。また、ステップモータを用いた電気
式に比べて構造が簡単であり故障の発生頻度が低くなり
信頼性が向上する。図6に本実施例装置の右操舵時にお
ける外輪(左車輪)と内輪(右車輪)の操舵角αLとα
Rの関係を示す。
【0032】同相時の理想は、図示するようにあらゆる
操舵角においてαL=αRとなることである。本実施例
装置では、最大操舵角(例えば40°)においてαL=
αRとなり、その途中では、理想状態に比べて外輪側の
操舵角が僅かに大きくなっているだけである。逆相時で
は外輪より内輪の操舵角が大きくなっている。そして、
本実施例装置のタイロッドの伸縮機構を作動させない場
合は、同相時も逆相時と同様の特性となってしまい、タ
イロッドの伸縮機構を作動させた場合に比べて同相時の
理想状態からおときく外れることがわかる。
【0033】尚、最大操舵角時において、左右輪の操舵
角が等しくなるように設定するには、油圧シリンダ30A
の第2シリンダ部34aとタイロッド23Aの第1シリンダ
部26aの受圧面積比と、タイロッドアーム6,6におけ
る油圧シリンダ30Aの取付け半径R1とタイロッド23A
の取付け半径R2の比(R1:R2)とを適切に設定す
ればよい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、逆
相操舵モードと同相操舵モードのどちらの操舵モードで
も、タイヤのスリップアングルの発生を防止することが
でき、タイヤの偏摩耗を防止し、タイヤの耐久性が向上
する。また、油圧シリンダを用いて操舵動作に連動して
タイロッド伸長用の油圧を発生させる構成としているの
で、オイルポンプ等の独立の油圧発生装置を設ける必要
がない。
【0035】更に、ステップモータを用いた電気式に比
べて構造が簡単であり故障の発生頻度が低くなり信頼性
が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る全輪操舵用ステアリング装置の全
体構成概略図
【図2】同上実施例の直進状態図
【図3】同上実施例の逆相操舵モードでの右操舵状態図
【図4】同上実施例の同相操舵モードでの右操舵状態図
【図5】同上実施例の同相操舵モードでの左操舵状態図
【図6】同上実施例の右操舵時の外輪と内輪の操舵角の
特性図
【図7】従来技術の同相操舵を重視した例を示す図
【図8】同上従来技術の逆相操舵時の状態を示す図
【図9】従来技術の逆相操舵を重視した例を示す図
【図10】同上従来技術の同相操舵時の状態を示す図
【符号の説明】
1〜4 車輪 6 タイロッドアーム 13 モード切換装置 23A,23B タイロッド 24a,24b 第1の部材 25a,25b 第2の部材 26a,26b 第1シリンダ部 27a,27b 第1ピストン 28a,28b リターンスプリング 29a,29b 第1油室 30A,30B 油圧シリンダ 34a,34b 第2シリンダ部 35a,35b 第2ピストン 36a,36b 第2油室 37a,37b 第3油室 40A,40B 油圧回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】左右の車輪がタイロッドを介して連動する
    構成であり、ステアリングホイールを操舵した時に前輪
    側及び後輪側が同方向に操舵される同相操舵モードと、
    ステアリングホイールを操舵した時に前輪及び後輪が逆
    方向に操舵される逆相操舵モードとを、切換え可能な構
    成である全輪操舵用ステアリング装置において、 各タイロッドを2分割して第1の部材と第2の部材とで
    構成し、第1の部材と第2の部材とを、油圧の給・排に
    応動して軸線方向に摺動可能な連結手段で連結すると共
    に、逆相・同相の操舵モード切換えにより前記連結手段
    への油圧の給・排を制御する油圧制御手段を備えて構成
    したことを特徴とする全輪操舵用ステアリング装置。
  2. 【請求項2】前記連結手段は、第1の部材の一端に第1
    シリンダ部を設け、第2の部材の一端に前記第1シリン
    ダ部内を摺動する第1ピストンを設け、前記第1シリン
    ダ部内の先端側端面と前記第1ピストンとの間に、タイ
    ロッド長が縮まる方向に弾性力が作用するリターンスプ
    リングを介在させ、第1シリンダ部内の基端側端面と前
    記第1ピストンとの間の空間部を前記油圧制御手段から
    の油圧が供給される第1油室とする構成である請求項1
    記載の全輪操舵用ステアリング装置。
  3. 【請求項3】前記油圧制御手段は、車輪の操舵角に応じ
    た油圧を発生する油圧発生手段と、同相操舵モード時に
    前記油圧発生手段で発生した油圧を前記連結手段の第1
    シリンダ部内の第1油室に前記リターンスプリングの弾
    性付勢力に抗して給油する油圧回路とを有する構成であ
    る請求項2記載の全輪操舵用ステアリング装置。
  4. 【請求項4】前記油圧発生手段は、車軸の中間部に一端
    が連結され他端に第2シリンダ部を有するシリンダ部材
    と、一端が前記タイロッドアームの中間部に連結され他
    端に前記第2シリンダ部内を摺動する第2ピストンを有
    するピストン部材とを備え、直進状態で前記第2ピスト
    ンが第2シリンダ部の略中央部に位置する構成であり、 前記油圧回路は、前記第2ピストンで画成される第2シ
    リンダ部内の第2及び第3油室と前記連結手段の第1シ
    リンダ部の第1油室とをそれぞれ接続する第1及び第2
    油路と、前記第2シリンダ部内の第2及び第3油室を油
    溜りにそれぞれ接続する第3及び第4油路と、第1油路
    に介装され第2油路に油圧が発生した時に閉弁する常開
    の第1開閉弁と、第2油路に介装され第1油路に油圧が
    発生した時に閉弁する常開の第2開閉弁と、第3油路に
    介装され第4油路に油圧が発生した時に開弁する常閉の
    第3開閉弁と、第4油路に介装され第3油路に油圧が発
    生した時に開弁する常閉の第4開閉弁と、前記第3開閉
    弁と第4開閉弁をバイパスして第2及び第3油室間を接
    続するバイパス油路と、該バイパス油路に介装され逆相
    操舵モードで開弁し同相操舵モードで閉弁する第5開閉
    弁とを備えて構成される請求項3記載の全輪操舵用ステ
    アリング装置。
JP7499395A 1995-03-31 1995-03-31 全輪操舵用ステアリング装置 Pending JPH08268311A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010528922A (ja) * 2007-06-04 2010-08-26 コンチネンタル・テベス・アーゲー・ウント・コンパニー・オーハーゲー ホイールステアリング角度調節用ステアリング装置

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