JPH0826768A - Ybレーザーガラス及び該ガラスを用いたレーザー装置 - Google Patents

Ybレーザーガラス及び該ガラスを用いたレーザー装置

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JPH0826768A
JPH0826768A JP16658194A JP16658194A JPH0826768A JP H0826768 A JPH0826768 A JP H0826768A JP 16658194 A JP16658194 A JP 16658194A JP 16658194 A JP16658194 A JP 16658194A JP H0826768 A JPH0826768 A JP H0826768A
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laser
glass
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doped
metal oxide
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JP16658194A
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Gakuroku Suu
学禄 鄒
Hisayoshi Toratani
久良 虎渓
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Hoya Corp
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Hoya Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
    • C03C4/0071Compositions for glass with special properties for laserable glass

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  • Lasers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Yb3+発光遷移 (2F5/2-2F7/2)の誘導放出断
面積が約1×10-20cm2以上であり、長い蛍光寿命を有
し、かつ量子効率の高いレーザーガラス及びこれを用い
たレーザー装置の提供。 【構成】 ニオブ酸化物、2価金属酸化物及びリン酸を
含むガラス母材にYbイオンを含有することを特徴とす
るYbレーザーガラス。2価金属酸化物は、例えばMg
O、CaO、SrO、BaO、ZnO及びPbOから選
ばれる。各成分の含有率は、モルパーセントで表して、
2 5 が15〜35%、Nb2 5 が5〜23%、2
価金属酸化物が40%以上である。レーザー媒体が上記
レーザーガラスであるレーザー装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は従来、一般に用いられる
Nd3+ドープレーザーにない優れた特徴を有し、高出力
レーザー及びPr3+ドープファイバ増幅器の励起光源と
なるファイバレーザーの媒質となるYb3+レーザーガラ
ス及びこれを用いたレーザー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体レーザーは、一般に活性イオン濃度
が比較的高く、蛍光寿命も長いため、レーザーの増幅効
率や蓄積エネルギーが大きく、高出力レーザーとして急
激な成長を遂げつつある。特にガラス母材中にNd3+
性物質を含有する燐酸系或いはケイ酸系レーザーガラス
は、加工性が良く、任意形状、かつ大きな寸法のロッド
やディスクを安価でかつ容易に作成できるため、大出力
用の固体レーザー材料として汎用されている。従来、こ
のようなNd3+ドープレーザーの励起光源としてはクセ
ノンランプまたは波長0.8μmのレーザーを発生する
半導体レーザーが用いられている。しかし、クセノンラ
ンプで励起する場合には、励起効率が低く、消費電力も
高いという欠点がある。0.8μmの半導体レーザーで
励起する場合には、励起効率はかなり高いが、Nd3+
蛍光寿命が約0.35msec程度と比較的短いため、
励起用半導体レーザーのパルス幅が小さいことが必要で
ある。その結果、半導体レーザーの使用寿命が短かくな
る。特に0.8μmのGaAlAs半導体レーザーは、
Alが酸化するため劣化しやすい。
【0003】そこで、半導体レーザーの寿命を長くする
ためには、まずパルス幅を長くし、ピーク出力を低下さ
せることが必要とされる。そのためには、長い蛍光寿命
を有するレーザー活性物質及びそのガラス母材が必要と
なる。また、十分なレーザー利得を得るためには、活性
イオンの誘導放出断面積が約1×10-20cm2以上である
ことも必要である。さらに、0.8μmの半導体レーザ
ーに比べて寿命が長く、比較的安定な0.98μmのG
aInAs半導体レーザーを励起光源として使用できれ
ばより好ましい。
【0004】これらの条件を満たすには、今までに使用
されているNd3+活性イオンは適当でない。即ち、ガラ
ス母材中にドープされたNd3+は波長0.98μmに吸
収バンドを持たないため0.98μmの半導体レーザー
が使用できない。その上、0.8μmの半導体レーザー
励起においてもNd3+の蛍光寿命は約0.35msec
程度と短いので、励起光としての半導体レーザーのパル
ス幅を長くすると励起効率が低下する。
【0005】これに対し、Nd3+レーザーの発振波長に
ほぼ近い1.01〜1.05μmの波長範囲のレーザー
光を発生できるYb3+ドープガラスは0.95〜1.0
μm波長範囲で強い吸収バンドをもち、Nd3+より2倍
以上長い蛍光寿命を有する。そのため、0.98μmの
半導体レーザーを励起光として用いることができ、励起
光パルス幅を長くすることもできるという特徴がある。
また、Yb3+は単一の発光準位をもつので励起エネルギ
ーを消耗するようなアップコンバージョンがなく、励起
の量子効率が1に近いレーザーが期待される。しかし、
今までのYb3+ドープガラスレーザーの誘導放出断面積
はあまりにも小さく、十分なレーザー利得が得られなか
った。従って、1×10-20cm2程度或いはそれより大き
い誘導放出断面積を有するYb3+ドープガラスマトリッ
クスの開発が当面重要な課題となってきている。
【0006】また、次世代に向かっての情報、通信ネッ
トワークシステムの一大潮流としてマルチメディア(通
信(音声)、放送(画像)、コンピュータの統合媒体)
構想があげられている。このマルチメディアシステムの
構築には波長1.3μmの信号光を伝送するガラスファ
イバ及びその信号光を増幅するPr3+ドープ1.3μm
光ファイバ増幅器が非常に重要な役割を果たすことが期
待されている。最近このPr3+ドープ1.3μm光増幅
器の研究開発が盛んに行われている。これを実用化する
までにはなおいくつかの問題を解決する必要がある。そ
の一つとして、励起光源がある。Pr3+ドープ1.3μ
m光増幅器には1.017〜1.025μm波長範囲の
励起光源が必要とされる。現在、研究ではチタンサファ
イアレーザーが用いられるが、実用デバイスには1.0
17μmの半導体レーザーの使用が検討されている。し
かし、この半導体レーザーは非常に高価であり、コスト
を考えた場合、デバイスへの応用には問題が多い。
【0007】最近、Nd3+からPr3+へのエネルギー伝
達を利用した0.8μm帯の半導体レーザー励起による
Pr3+ドープ1.3μm光増幅器(特開平4−5013
7を参照)及びYb3+からPr3+へのエネルギー伝達を
利用した0.98μmの帯の半導体レーザー励起による
Pr3+ドープ1.3μm光増幅器(Electronics Letter
s, Vol.27, (1991)p1012-1014 を参照)などが報告され
ている。しかし、いずれも期待できる程の効率を有する
光ファイバ型増幅器は得られていない。その後、Yb3+
からPr3+へのエネルギー伝達を利用するのでなく、直
接Pr3+を励起する波長1.02μmの励起光を発生で
きるYb3+ドープ石英ガラスファイバレーザーが(Elec
tronics Letters, Vol.29, No.3,(1993)p309-310を参
照)報告された。既に、いくつかのYb3+ドープ石英ガ
ラスファイバレーザーの発振実験が報告されている。し
かし、これらの石英ガラスにおけるYb3+の誘導放出断
面積は0.5〜0.55×10-20cm2と小さく、高効率
の1.02μmレーザーを得るのは難しい。従って、比
較的大きなYb3+の誘導放出断面積を有するガラスマト
リックスの開発が当面の課題となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、1×10-20cm2程度及びそれよりも大きい誘導放出
断面積をもち、かつ1msec程度の長い蛍光寿命を有する
Yb3+ドープレーザーガラスを提供することにある。さ
らに本発明の別の目的は、0.98μmのGaInAs
半導体レーザーも励起光源として使用でき、励起光源で
ある半導体レーザーの使用寿命を長くすることができ、
かつ十分なレーザー利得を得られる、レーザー装置を提
供することにある。
【0009】レーザーの発振は、利得が反射やガラスマ
トリックス中の吸収散乱などの損失を上回った時開始す
る。それゆえ、利得係数(g)を大きくする必要があ
る。3準位レーザーに対して利得係数は通常、吸収断面
積σabs 、誘導放出断面積σemi 、反転分布率P(=上
準位にある活性化イオン数/下準位にある活性イオン
数)及び活性イオン濃度Nで表される。 g(λ)=N{Pσemi (λ)−(1−P)σabs
(λ)} レーザー発振しきい値を高めずに、Yb3+レーザー利得
効率を増すためにはYb3+の誘導放出断面積を大きくす
ることが必要とされる。即ちYb3+2F5/2-2F7/2 輻射
遷移確率が大きなガラスマトリックスの開発が要求され
る。
【0010】衆知のようにYb3+の輻射遷移確率は強度
パラメーター(Ωt )の値に、特にΩ2 の値に比例す
る。これらの強度パラメータを大きくするにはガラス中
にあるYb3+配位子場の非対称性を増す必要がある。従
って、本発明者はガラス骨格が複数のユニットから形成
されるガラスを作製することによってガラス構造の非対
称性を増すことを考えた。このような考えを元に、上記
従来のNd3+ドープレーザーガラス或いはYb3+ドープ
石英ファイバレーザーガラスの有する諸欠点を克服する
べく、種々の試験研究を重ねた結果、約1×10-20cm2
以上の誘導放出断面積をもち、かつ1msec程度の長い蛍
光寿命を有するYb3+ドープレーザーガラスを見い出し
て本発明を完成した。
【0011】本発明は、ニオブ酸化物、2価金属酸化物
及びリン酸を含むガラス母材にYbイオンを含有するこ
とを特徴とするYbレーザーガラスに関する。さらに本
発明は、このYbレーザーガラスを用いたレーザー装置
に関する。以下本発明について説明する。
【0012】本発明のレーザーガラスは、リン酸を含む
ガラスを母材とする。リン酸を含むガラスとしては、例
えばリン酸ガラス及びホウリン酸ガラスを挙げることが
できる。リン酸(P2 5 )はガラス形成酸化物として
働き、ガラス構造の安定化即ち失透に対する安定性を増
す。またNb2 5 或いはB2 3 などのガラス構造形
成物とを組み合わせることによってYb3+配位子場の対
称性を低下させるためにも、ガラスの高温粘性を調整す
るためにも不可欠な成分である。ただし、P25 はガ
ラスの成分として35%より多くなると得られたガラス
のYb3+の誘導放出断面積は低下してしまうのに対し、
15%より少ないとガラスの安定性が悪化するので、P
2 5 の組成範囲は15〜35%となることが適当であ
る。特に16〜34%の範囲が好ましい。
【0013】ニオブ酸化物(Nb2 5 )はガラスにド
ープしたYb3+に大きな誘導放出断面積を付与する成分
としても、P2 5 とともにガラス構造の安定化及びそ
の耐久性を高める成分としても非常に重要である。特に
Nb2 5 でP2 5 を置換してガラスに導入する場合
は、ガラス構造の非対称性を高め、Yb3+2F5/2-2F
7/2 輻射遷移確率を増大する効果が大きい。即ち、Nb
2 5 はYb3+の誘導放出断面積を向上させるために不
可欠な成分である。しかし、Nb2 5 の含有量を5%
より少なくすると、Yb3+の誘導放出断面積を十分に向
上させないのに対し、23%を超えて導入するとガラス
の失透に対する安定性が悪化するので、その含有量は5
〜23%の範囲に限定することが適当である。特に7〜
20%が好ましい。
【0014】本発明のレーザーガラスのリン酸を含むガ
ラス母材は2価金属酸化物を含む。2価金属酸化物は、
例えば、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO及び
PbOからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物
である。また、これら2価金属酸化物は合計の含有率が
40%以上であることがYb3+誘導放出断面積を1×1
20cm2以上とするという観点から好ましい。特に好
ましくは、42%以上である。
【0015】MgOはガラスの耐久性及び高温溶解性を
改良するために添加される成分である。少量のMgOで
BaOなどのイオン半径の大きいアルカリ土類金属酸化
物を置換する場合、ガラスの高温溶解性などを改善する
効果があるが、15%以上に導入するとガラスの失透に
対する安定性も低下するし、Yb3+の発光特性にもあま
りよい影響を与えないので、その導入量を15%以下、
特に13.5%以下とすることが好ましい。
【0016】CaOはガラスの耐久性を高め、ガラスの
失透に対する安定性を増すには非常に有効な成分ではあ
るが、あまりにも多く添加すると、例えば28%を超え
るとガラスの失透に対する安定性は逆に悪化する。その
ため、ガラスの安定性に応じてその含有量を28%以下
とすることが好ましく、特に25%以下が好ましい。
【0017】SrOとBaOなどのイオン半径の比較的
に大きいアルカリ土類金属酸化物はガラスの失透に対す
る安定性を向上するには不可欠な成分である。またYb
3+の輻射遷移確率を大きくするにもある程度寄与する成
分である。但し、工業的規模で製造できる程の安定性を
もつガラスを得るという観点から、SrOの添加量は0
〜30%の範囲、またBaOの添加量は5〜40%の範
囲であることが好ましい。特にSrOの含有量を25%
以下、BaOの含有量を5〜38%にすることが好まし
い。
【0018】ZnOとPbOはガラスの失透に対する安
定性、特にB2 3 を導入する場合の安定性を向上させ
るには効果的に寄与する成分である。さらにファイバを
作成する時にコア−クラッド屈折率差を調整するために
も非常に有効な成分である。しかし、ZnOとPbOの
添加量がそれぞれ35%と20%を超えると、得られた
ガラスがかなり不安定になるので、それぞれの添加量を
0〜35%、0〜20%の範囲とすることが望ましい。
特にZnOの含有量を0〜32%に、PbOの含有量を
0〜15%にすることが好ましい。
【0019】B2 3 はP2 5 とともにガラスの失透
に対する安定性及びその耐久性を高め、Yb3+配位子場
の対称性を低下させる目的で添加することができる成分
である。適当量のB2 3 を添加することでYb3+の誘
導放出断面積を向上させる効果があり、ガラスの失透に
対する安定性も向上する。しかし、20%を超えるとガ
ラスの失透に対する安定性は悪化し、Yb3+の蛍光寿命
も短くなる。そこで、B2 3 の含有量は20%以下と
することが好ましい。特に18.5%以下が好ましい。
【0020】Li2 O、Na2 、K2 Oなどのアル
カリ金属酸化物はガラスの助融剤として、特にNb25
を多く添加する場合にNb2 5 を十分に溶かすために
添加することができる成分である。しかし、合計量で1
0%を超えて添加するとYb3+の誘導放出断面積を低下
させる傾向があるので、アルカリ金属酸化物の全添加量
は10%以下、好ましくは7%以下であることが適当で
ある。
【0021】本発明のレーザーガラスは、レーザー光を
発生する活性化物質としてYb2 3 を含有する。Yb
2 3 はYb3+レーザーガラスの不可欠な成分である。
高出力レーザーあるいは、マイクロチップ型レーザーの
場合には、Yb2 3 のドープ量を多くし、レーザーフ
ァイバの場合には、Yb2 3 のドープ量は比較的少な
くする。従って、Yb2 3 のドープ量は、本発明のレ
ーザーガラスの適用対象に応じて、0.0001〜4%
の範囲で調整することができる。4%を超えてYb2
3 を導入すると、ガラスの失透に対する安定性が悪化す
る傾向があるので、その含有量は4%以下に抑えること
が適当である。さらに、濃度消光及び自己吸収の影響に
よる量子効率の低下傾向を考慮すると、Yb2 3 のド
ープ量は3%以下にすることがより好ましい。
【0022】レーザーガラスに適した失透に対する安定
性を得るという観点から、上記のガラス組成においてガ
ラス骨格形成酸化物として用いられるP2 5 、Nb2
5、B2 3 の全含有量は42%以上であることが適
当である。また、十分大きなYb3+誘導放出断面積を得
るという観点からは、P2 5 、Nb2 5 、B2 3
の全含有量は55%以下であることが適当である。ま
た、アルカリ金属酸化物に比べ、アルカリ土類金属酸化
物のほうがYb3+の誘導放出断面積を向上させる効果が
大きいので、なるべくアルカリ金属酸化物成分を抑え、
アルカリ土類金属酸化物成分を多く添加することが望ま
しい。尚、アルカリ土類金属酸化物成分間の割合の調整
は、主にガラスの失透に対する安定性を考慮しながら行
うことができる。
【0023】本発明のレーザー装置は、上記発明のレー
ザーガラスをレーザー媒体として用いたものである。よ
り具体的には、図1に概略図を示すように、共振器1及
び2の間に設けた発明のレーザーガラスを用いたレーザ
ー媒体3と、レーザー媒体3に対する励起光源4からな
る。レーザー媒体3は、共振器1及び2と向かい合う面
を研磨したものであり、共振器1は全反射鏡(励起光及
び発振レーザー光を反射する)であり、共振器2は部分
透過鏡(励起光は反射し、発振レーザー光を透過する)
であり、共振器1及び2が一対となって共振器を構成す
る。励起光源4は、サファイアレーザー等の固体レーザ
ー及びGaInAs半導体レーザー等の半導体レーザー
であることができる。励起光源4からレーザー媒体1に
励起光が照射され、レーザー媒体1から発振されたレー
ザー光は、部分透過鏡である共振器2を透過して外部に
供給される。
【0024】
【発明の効果】本発明のYb3+レーザーガラスは1×1
-20 cm2 程度或いはそれ以上の大きな誘導放出断面積
を持ち、1msec程度或いはそれ以上に長い蛍光寿命を有
し、さらにガラスとしても比較的安定に得ることがで
き、工業的規模での生産が容易であるため、高利得、高
効率のレーザーガラスとして期待される。また、本発明
のYb3+ドープレーザーガラスから、容易にファイバを
作成できるため、Pr3+ドープ1.3μmファイバ型増
幅器の励起光源となりうる1.02μmのファイバレー
ザー用ガラスとしても非常に有望である。さらに本発明
のレーザー装置では、励起光源として半導体レーザーを
用いた場合でも長時間使用でき(励起光源を長くで
き)、かつ高い励起効率でレーザー光を得ることができ
る。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明す
る。 実施例1〜43 表1〜4に、実施例1〜43のガラス組成をモル%で示
した。これらのガラスを溶解する際の出発原料として
は、P2 5 、Nb2 5 、B2 3 、MgO、CaC
3 、SrCO3 、BaCO3 、ZnO、Pb(N
3 2 、Li2 CO3 、Na2 CO3 、K2 CO3
ど或いはそれらの2価、1価成分のメタ燐酸塩を用い
る。これらの出発原料を表1に示した所定の割合に10
0g秤量し、十分に混合して調合バッチと成し、これを
白金ルツボに入れ、バッチ組成に応じて1250℃から
1380℃までの温度範囲で空気中或いはNb5+イオン
の低原子価イオンへの変化を防止するために、若干の酸
化雰囲気で1.5〜2時間ガラスの溶解を行った。溶解
後、ガラス溶液をカーボンの金型に流し、ガラスの転移
温度まで放冷してから直ちにアニール炉に入れ、ガラス
転移温度範囲で約1時間アニールした。得られたガラス
は無色透明或いは浅黄色で肉眼で観察できる結晶は析出
しなかった。
【0026】これらのガラスを25×25×5mmに4面
研磨し、鏡面仕上げをした後、光学特性の測定サンプル
とした。蛍光寿命の測定を図2に示した方法で、発光ス
ペクトルの測定を図3に示した方法でそれぞれ行った。
測定した蛍光寿命をガラス組成とともに表1〜4に示
す。また、Yb3+ドープガラスの600nm〜1200
nm波長範囲の吸収スペクトルの測定を日立−330型
分光光度計を用いて行った。発光及び吸収スペクトルの
測定データを元に、次の式でYb3+の誘導放出断面積
(σemi )を計算した。 σemi = λe 4Arad /8πcn2 Δλ ここでλe は発光スペクトルのピーク波長(約1.02
μm)、cは光の速度、nはガラスの屈折率、Δλは発
光スペクトルの半値幅、 Arad はYb3+2F5/2-
2F7/2 )の輻射遷移確率であり、次式により計算でき
る。 Arad =〔8πn2c (2J1+1)/Nλp 4(2J+1)〕∫k(λ)
dλ ここでNはガラスにドープしたYb3+イオン数、λp
Yb3+の吸収スペクトルのピーク波長(約0.978μ
m)、∫k(λ)dλはYb3+の吸収スペクトルの積分面
積、J 、J1は上下準位の全角運動量子数であり、Yb3+
に対しては(2J1+1)/ (2J+1)=1.3333となる。
これらの式を用いて計算したYb3+の誘導放出断面積を
表1〜4に示した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】表1〜4から明らかなように本発明のYb
レーザーガラスは、Yb3+の誘導放出断面積が比較例の
Ybドープ石英ガラスに比べて約2倍程度と大きく、か
つより長い蛍光寿命をもつ。このことは、本発明のレー
ザーガラスが優れた性能を有する固体レーザーであるこ
とを示すものである。
【0032】実施例44実施例4の組成でYb2 3
ープ量が4.5wt%(1.68モル%)のガラスを厚
さ1.5mmに加工研磨し、片面に1.02μmの光を
99%反射し、0.978μmの光を80%透過するコ
ートを施し、他面に1.02μm、0.978μmの光
を97%反射するコートを施す。図4に示すような構成
でチタンサファイアレーザー或いは半導体レーザーを励
起光源として、レーザー発振を達成した。チランサファ
イアレーザーで励起した場合、発振のしきい値は約10
mW、スロープ効率は約30%、最大出力として30m
Wが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のレーザー装置の概略図。
【図2】 蛍光寿命の測定方法の概略図。
【図3】 発光スペクトルの測定方法の概略図。
【図4】 実施例44で用いたレーザー装置の概略図。
【符号の説明】
1、2:共振器 3:レーザー媒体 4:励起光源

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニオブ酸化物、2価金属酸化物及びリン
    酸を含むガラス母材にYbイオンを含有することを特徴
    とするYbレーザーガラス。
  2. 【請求項2】 2価金属酸化物が、MgO、CaO、S
    rO、BaO、ZnO及びPbOからなる群から選ばれ
    る少なくとも1種の酸化物である請求項1記載のレーザ
    ーガラス。
  3. 【請求項3】 各成分の含有率がモルパーセントで表示
    して、P2 5 が15〜35%、Nb2 5 が5〜23
    %、2価金属酸化物が40%以上である請求項1又は2
    記載のレーザーガラス。
  4. 【請求項4】 各成分の含有率がモルパーセントで表示
    して、B23が0〜20%、MgOが0〜15%、Ca
    Oが0〜28%、SrOが0〜30%、BaOが5〜4
    0%、ZnOが0〜35%及びPbOが0〜20%であ
    る請求項3記載のレーザーガラス。
  5. 【請求項5】 各成分の含有率がモルパーセントで表示
    して、Li2 Oが0〜10%、Na2 Oが0〜10%、
    2 Oが0〜10%であり、かつLi2 O+Na2 O+
    2 Oの合計含有率が10%以下である請求項4記載の
    レーザーガラス。
  6. 【請求項6】 Y2 3 の含有率がモルパーセントで表
    示して0.0001〜4%である請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載のレーザーガラス。
  7. 【請求項7】 レーザー媒体、共振器及び励起光源を含
    むレーザー装置であって、前記レーザー媒体が請求項1
    〜6のいずれか1項に記載のレーザーガラスからなるレ
    ーザー装置。
JP16658194A 1994-07-19 1994-07-19 Ybレーザーガラス及び該ガラスを用いたレーザー装置 Pending JPH0826768A (ja)

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