JP2018058715A - 光学ガラス、光学ガラスを用いた光学素子、光学装置 - Google Patents

光学ガラス、光学ガラスを用いた光学素子、光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高屈折率低比重の光学ガラスの提供【解決手段】質量%で、P2O5成分:15.0〜40.0%、B2O3成分:2.7〜10.0%、Li2O成分:1.0〜5.0%、TiO2成分:0〜5.0%未満、Nb2O5成分:45.0〜60.0%、であり、かつ、R12O成分(但し、R1は、Li、Na、及びKから選ばれる一種以上)の総量が、1.0〜5.0%未満、R2O成分(但し、R2は、Mg、Ca、Sr、及びBaから選ばれる一種以上)の総量が、6.8〜21.0%未満、TiO2成分/Nb2O5成分:0.1未満であり、Sb2O3成分を実質的に含有しない、光学ガラス。【選択図】なし

Description

本発明は、光学ガラス、光学素子、及び光学装置に関する。
近年、高画素数のイメージセンサーを備えた撮像機器等が開発されており、これらに用いる光学ガラスとして、高屈折率低比重の光学ガラスが求められている。そのような光学ガラスは、ガラス転移点が低いことが望ましい。
特開2002−173336号公報
本発明に係る第一の態様は、質量%で、P成分:15.0%以上40.0%以下、B成分:2.7%より多く10.0%以下、LiO成分:1.0%以上5.0%以下、TiO成分:0%以上5.0%未満、Nb成分:45.0%以上60.0%以下、であり、かつ、R O成分(但し、Rは、Li、Na、及びKからなる群より選ばれる一種以上)の総量が、1.0%以上5.0%未満、RO成分(但し、Rは、Mg、Ca、Sr、及びBaからなる群より選ばれる一種以上)の総量が、6.8%以上21.0%未満、TiO成分/Nb成分:0.1未満であり、Sb成分を実質的に含有しない光学ガラスである。
本発明に係る第二の態様は、第一の態様の光学ガラスを含む光学素子である。
本発明に係る第三の態様は、第二の態様の光学素子を備える光学装置である。
本実施形態に係る光学ガラスを用いた光学素子を備える撮像装置の斜視図である。
以下、本発明に係る実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本明細書中において、特に断りがない場合は、各成分の含有量は全て酸化物換算組成のガラス全重量に対する質量%(質量百分率)であるものとする。なお、ここでいう酸化物換算組成とは、本実施形態のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩等が溶融時に全て分解されて酸化物に変化すると仮定し、当該酸化物の総質量を100質量%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
本実施形態に係る光学ガラスは、P成分:15.0%以上40.0%以下、B成分:2.7%より多く10.0%以下、LiO成分:1.0%以上5.0%以下、TiO成分:0%以上5.0%未満、Nb成分:45.0%以上60.0%以下であり、かつ、R O成分(但し、Rは、Li、Na、及びKからなる群より選ばれる一種以上)の総量が、1.0%以上5.0%未満、RO成分(但し、Rは、Mg、Ca、Sr、及びBaからなる群より選ばれる一種以上)の総量が、6.8%以上21.0%未満、TiO成分/Nb成分:0.1未満であり、Sb成分を実質的に含有しない。
従来では、高屈折率を実現するためにTiOやNbといった成分の含有量を高くする手法が試みられている。しかしながら、これらの含有量が多くなると、透過率の低下や、ガラス転移点(Tg)の上昇を招く傾向があった。ガラスをプレス成形する場合、ガラス転移点(Tg)近傍の温度でガラスをプレスするが、ガラス転移点(Tg)が高ければ、プレス成形時の温度も高くする必要があるため、熱によるダメージで成形型の損傷が出やすくなり、不良の原因となる恐れがある。この点、本実施形態に係る光学ガラスは、高屈折率でありながら低いガラス転移点(Tg)を有するため、低い温度でのプレス成形を実現でき、成形型の損傷を抑制することができる。
は、ガラス骨格を形成し、失透安定性を向上させ、化学的耐久性を低下させる成分である。Pの含有量が少なすぎると、失透が生じ易くなる傾向にある。また、Pの含有量が多すぎると、屈折率と化学的耐久性が低下する傾向にある。このような観点から、Pの含有量は、15.0%以上40.0%以下であり、好ましくは20.0%以上30.0%以下であり、更に好ましくは20.0%以上25.0%以下である。Pの含有量をかかる範囲とすることで、失透安定性を高め、化学的耐久性を良好にしながら高屈折率化を図ることができる。
は、ガラス骨格を形成し、失透安定性を向上させ、屈折率と化学的耐久性を低下させる成分である。Bの含有量が少なすぎると、溶融性が悪化するとともに、失透が生じ易くなる傾向にある。また、Bの含有量が多すぎると、屈折率が低下する傾向にある。このような観点から、Bの含有量は、2.7%より多く10.0%以下であり、好ましくは2.8%以上8.0%以下である。Bの含有量をかかる範囲とすることで、失透安定性を高め、化学的耐久性を良好にしながら高屈折率化を図ることができる。
LiOは、溶融性を向上させ、屈折率とガラス転移点(Tg)を下げる成分である。LiOの含有量が少なすぎると、溶融性が低下し、失透が生じやすい傾向にある。また、LiOの含有量が多すぎると、屈折率が低下する傾向にある。このような観点から、LiOの含有量は、1.0%以上5.0%以下であり、好ましくは1.0%以上4.0%以下である。LiOの含有量をかかる範囲とすることで、屈折率を低下させずに低いガラス転移点(Tg)を実現することができる。なお、ガラスの溶融性の評価方法としては、例えば、白金ルツボにバッチを約50g入れて1380℃で10分間加熱した時に、バッチに溶け残りがあるかないかを目視判定する方法が挙げられる。
NaOとKOは、LiOと同様に、溶融性を向上させ、屈折率とガラス転移点(Tg)を下げる成分である。NaOの含有量は、好ましくは0%以上4.0%以下であり、より好ましくは0%以上3.0%以下である。KOの含有量は、好ましくは0%以上4.0%以下であり、より好ましくは0%以上3.0%以下である。NaOやKOの含有量をかかる範囲とすることで、屈折率を低下させずに低いガラス転移点(Tg)を実現することができる。なお、NaOの含有量とKOの含有量のいずれもが、上記した範囲にあることが更に好ましい。
O成分(但し、Rは、Li、Na、及びKからなる群より選ばれる一種以上)の総量(以下、ΣR Oと略記する場合がある。)は、1.0%以上5.0%未満であり、好ましくは1.5%以上3.5%以下である。R O成分の含有量の総和をかかる範囲とすることで、高い屈折率を維持しつつ、低いガラス転移点(Tg)を実現することができる。
MgOは、化学的耐久性を向上させ、屈折率を下げる成分である。MgOの含有量が少なすぎると化学的耐久性が低下する傾向がある。また、MgOの含有量が多すぎると屈折率が低くなる傾向がある。このような観点から、MgOの含有量は、好ましくは0%以上10.0%以下であり、より好ましくは0%以上5.0%以下である。MgOの含有量をかかる範囲とすることで、屈折率を低下させずに高い化学的耐久性を実現することができる。
CaOは、化学的耐久性を向上させ、屈折率を下げる成分である。CaOの含有量が少なすぎると化学的耐久性が低下する傾向がある。また、CaOの含有量が多すぎると屈折率が低くなる傾向がある。このような観点からCaOの含有量は、好ましくは0%以上10.0%以下であり、より好ましくは0%以上5.0%以下である。CaOの含有量をかかる範囲とすることで、屈折率を低下させずに高い化学的耐久性を実現することができる。
SrOは、屈折率を上げ、比重を大きくする成分である。SrOの含有量が少なすぎると屈折率が低くなる傾向がある。また、SrOの含有量が多すぎると比重が大きくなる傾向がある。このような観点から、SrOの含有量は、好ましくは0%以上10.0%以下であり、より好ましくは0%以上5.0%以下である。SrOの含有量をかかる範囲とすることで、屈折率を低下させずに低比重を実現することができる。
BaOは、屈折率を上げ、比重を大きくする成分である。BaOの含有量が少なすぎると屈折率が低くなる傾向がある。また、BaOの含有量が多すぎると比重が大きくなる傾向がある。このような観点から、BaOの含有量は、好ましくは0%以上20.0%以下であり、より好ましくは5.0%以上19.0%以下である。BaOの含有量をかかる範囲とすることで、屈折率を低下させずに低比重を実現することができる。
O成分(但し、Rは、Mg、Ca、Sr、及びBaからなる群より選ばれる一種以上)の総量(以下、ΣROと略記する場合がある。)は、6.8%以上21.0%未満であり、好ましくは10.0%以上19.0%以下である。RO成分の総量をかかる範囲とすることで、高い屈折率維持しつつ、高い耐失透性を実現することができる。
TiOは、屈折率を上げ、透過率を下げる成分である。TiOの含有量が少ないと屈折率が低くなる傾向がる。また、TiOの含有量が多いと透過率が悪化する傾向がある。このような観点から、TiOの含有量は、0%以上5.0%未満であり、好ましくは1.0%以上4.0%以下である。TiOの含有量をかかる範囲とすることで、屈折率を低下させずに高い透過率を実現することができる。
Nbは、屈折率と分散を高め、透過率を下げる成分である。Nbの含有量が少ないと屈折率が低くなる傾向がある。また、Nbの含有量が多いと透過率が悪化する傾向がある。このような観点から、Nbの含有量は、45.0%以上60.0%以下であり、好ましくは45.0%以上55.0%以下である。Nbの含有量をかかる範囲とすることで、屈折率、分散を低下させずに高い透過率を実現することができる。そして、同様の観点から、Nbの含有量に対するTiOの含有量の比(TiO/Nb)は、0.1未満である。
Sbは、光学ガラスにおいて可視光透過率を下げる成分であるため、実質的に含有しないことが好ましい。本明細書中において「実質的に含有しない」とは、当該成分が、不純物として不可避的に含有される濃度を越えて、ガラス組成物の特性に影響する構成成分として含有されないこと、を意味する。例えば、製造過程等における100ppm以下程度のコンタミネーションについては、実質的に含有されていないものとする。
Oの総量に対するLiOの比(LiO/ΣR O)は、好ましくは0.2以上1.0以下であり、より好ましくは0.3以上0.7以下である。LiO/ΣR Oをかかる範囲とすることで、ガラス転移点(Tg)を低くすることができる。
本実施形態に係る光学ガラスは、任意成分として、SiO、Al、Y、Gd、及びTaからなる群より選ばれる一種以上を更に含有してもよい。
SiOの含有量は、溶融性の観点から、好ましくは0%以上10.0%以下であり、より好ましくは0%以上5.0%以下であり、更に好ましくは0%以上2.0%以下である。
Alの含有量は、溶融性の観点から、好ましくは0%以上10.0%以下であり、より好ましくは0%以上3.0%以下であり、更に好ましくは0%以上1.0%以下である。
の含有量は、溶融性の観点から、好ましくは0%以上5.0%以下であり、より好ましくは0%以上1.0%以下である。
Gdは高価な原料であり、光学ガラスの製造コストを低くする観点から、その含有量は、好ましくは0%以上5.0%以下であり、より好ましくは0%以上1.0%以下である。
Taは高価な原料であるため、好ましくは0%以上1.0%以下であり、実質的に含有しないことがより好ましい。
これらの含有量の好適な組み合わせとしては、SiO成分:0%以上10.0%以下、Al成分:0%以上10.0%以下、Y成分:0%以上5.0%以下、Gd成分:0%以上5.0%以下、Ta成分:0%以上1.0%以下、である。
また、本実施形態に係る光学ガラスは、BaO、TiO、Nb、LiO、P、SiO、B、R Oが次の関係を満たすことが好ましい。
に対するBの比(B/P)は、好ましくは0.09以上0.50以下であり、より好ましくは0.10以上0.30以下である。B/Pをかかる範囲とすることで、屈折率を高くすることができる。
とSiOとBの総量に対するBの比(B/(P+SiO+B))は、好ましくは0.08以上0.40以下であり、より好ましくは0.10以上0.35以下である。B/(P+SiO+B)をかかる範囲とすることで、屈折率を高くすることができる。
BaOとTiOとNbの総量に対するPの比(P/(BaO+TiO+Nb))は、好ましくは0.25以上0.36以下であり、より好ましくは0.30以上0.35以下である。P/(BaO+TiO+Nb)をかかる範囲とすることで、屈折率を高くすることができる。
とSiOとBの総量に対するΣR Oの比(ΣR O/(P+SiO+B))は、好ましくは0.05以上0.20以下であり、より好ましくは0.06以上0.15以下である。ΣR O/(P+SiO+B)をかかる範囲とすることで、屈折率を高くすることができる。
BaOとTiOとNbの総量に対するΣR Oの比(ΣR O/(BaO+TiO+Nb))は、好ましくは0.02以上0.07以下であり、より好ましくは0.02以上0.05以下である。ΣR O/(BaO+TiO+Nb)をかかる範囲とすることで、屈折率を高くすることができる。
BaOとTiOとNbの総量に対するLiOの比(LiO/(BaO+TiO+Nb))は、好ましくは0より大きく0.05以下であり、より好ましくは0.01以上0.04以下である。LiO/(BaO+TiO+Nb)をかかる範囲とすることで、ガラス転移点(Tg)を低くすることができる。
上述した条件の好適な組み合わせとしては、LiO成分/(R O成分の総量):0.2以上1.0以下、B成分/P成分:0.09以上0.50以下、B成分/(P成分+SiO成分+B成分):0.08以上0.40以下、P成分/(BaO成分+TiO成分+Nb成分):0.25以上0.36以下、(R O成分の総量)/(P成分+SiO成分+B成分):0.05以上0.20以下、(R O成分の総量)/(BaO成分+TiO成分+Nb成分):0.02以上0.07以下、LiO成分/(BaO成分+TiO成分+Nb成分):0より大きく0.05以下、である。
なお、その他必要に応じて清澄、着色、消色や光学恒数値の微調整などの目的で、公知の清澄剤や着色剤、脱泡剤、フッ素化合物などの成分を前記ガラス組成に適量添加することが出来る。また、上記成分に限らず、本実施形態の光学ガラスの効果が得られる範囲でその他成分を添加することもできる。
本実施形態に係る光学ガラスの製造方法は、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。また、製造条件は、適宜好適な条件を選択することができる。例えば、酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の原料を目標組成となるように調合し、好ましくは1100〜1500℃、より好ましくは1200〜1400℃にて溶融し、攪拌することで均一化し、泡切れを行った後、金型に流し成形する製造方法等を採用できる。このようにして得られた光学ガラスは、必要に応じてリヒートプレス等を行って所望の形状に加工し、研磨等を施すことで、所望の光学素子とすることができる。
原料は、不純物の含有量が少ない高純度品を使用するのが好ましい。高純度品とは、当該成分を99.85質量%以上含むものである。高純度品の使用によって、不純物量が少なくなる結果、光学ガラスの内部透過率を高くできる傾向がある。
次に、本実施形態の光学ガラスの物性値について説明する。
レンズの薄型化の観点からは、本実施形態に係る光学ガラスは、高い屈折率を有している(屈折率(nd)が大きい)ことが望ましい。しかしながら、一般的に、屈折率(nd)が高いほど比重が増大する傾向にある。かかる実情を踏まえれば、本実施形態に係る光学ガラスの屈折率(nd)は、1.80〜1.96の範囲であることが好ましく、1.85〜1.96の範囲であることがより好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスのアッベ数(νd)は、19〜25の範囲であることが好ましく、19〜23の範囲であることがより好ましい。そして、本実施形態に係る光学ガラスについて、屈折率(nd)とアッベ数(νd)の好ましい組み合わせは、屈折率(nd)が1.80〜1.96であり、かつ、アッベ数(νd)が19〜25である。かかる性質を有する本実施形態に係る光学ガラスは、例えば、他の光学ガラスと組み合わせることで、色収差や他の収差が良好に補正された光学系を設計可能である。
レンズの軽量化の観点からは、本実施形態に係る光学ガラスは、低い比重を有していることが望ましい。しかしながら、一般的に、比重が大きいほど屈折率が低下する傾向にある。かかる実情を踏まえれば、本実施形態に係る光学ガラスの好適な比重(Sg)は、3.6を下限、4.0を上限とした、3.6〜4.0の範囲である。
レンズの収差補正の観点からは、本実施形態に係る光学ガラスは、大きな部分分散比(Pg,F)を有することが望ましい。よって、本実施形態に係る光学ガラスの好適な部分分散比(Pg,F)は、0.62以上である。
プレス成形の観点から、ガラス転移温度(Tg)は、本実施形態の光学ガラスとしては、ガラス転移温度(Tg)は低いことが望ましい。よって本実施形態の光学ガラスの好適なガラス転移温度(Tg)は630℃以下であり、より好ましくは600℃以下である。
光学系の可視光透過率の観点からは、本実施形態に係る光学ガラスは、内部透過率の80%表示値(光路長10mmにおける内部透過率が80%となる波長;λ80)が450nm以下であることが好ましく、430nm以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスは、高価な原料であるTaの含有量が少ないため、原料コストの面でも優れている。
上述した観点から、本実施形態に係るガラスは、カメラや顕微鏡等の光学装置の備えるレンズ等の光学素子として好適である。
本実施形態に係る光学ガラスは、例えば、光学機器が備える光学素子として好適に用いることができる。図1に、本実施形態に係る光学ガラスを母材とするレンズ4(光学素子)を備えた撮像装置1(光学機器)を示す。
撮像装置1はいわゆるデジタル一眼レフカメラであり、カメラボディ2のレンズマウント(不図示)にレンズ鏡筒3が着脱自在に取り付けられる。そして該レンズ鏡筒3のレンズ4を通した光がカメラボディ2の背面側に配置されたマルチチップモジュール7のセンサチップ(固体撮像素子)5上に結像される。このセンサチップ5は、いわゆるCMOSイメージセンサー等のベアチップであり、マルチチップモジュール7は、例えばセンサチップ5がガラス基板6上にベアチップ実装されたCOG(Chip On Glass)タイプのモジュールである。
デジタルカメラ等に用いられる光学系にはより高い解像度、軽量化、小型化が求められる。これらを実現するには光学系に高屈折率なガラスを用いることが有効である。特に、高屈折率でありながらより低い比重(Sg)を有し、高いプレス成形性を有するガラスの需要は高い。かかる観点から、本実施形態に係る光学ガラスは、かかる光学機器の部材として好適である。なお、本実施形態において適用可能な光学機器としては、上述した撮像装置に限らず、例えばプロジェクタ等も挙げられる。光学素子についても、レンズに限らず、例えばプリズム等も挙げられる。
次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。各表は、本実施例において作製した光学ガラスについて、各成分の酸化物基準の質量%による組成と各物性の評価結果を示す。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
<光学ガラスの作製>
実施例及び比較例に係る光学ガラスは、以下の手順で作製した。まず、各表に記載の組成(質量%)となるよう、酸化物、水酸化物、リン酸化合物(リン酸塩、正リン酸等)、炭酸塩、及び硝酸塩等から選ばれるガラス原料を秤量した。次に、秤量した原料を混合して白金ルツボに投入し、1250〜1400℃の温度で溶融させて攪拌均一化した。泡切れを行った後、適当な温度に下げてから金型等に鋳込んで徐冷し、成形することで各サンプルを得た。
1.屈折率(nd)とアッベ数(νd)
各サンプルの屈折率(nd)及びアッベ数(νd)は、屈折率測定器(株式会社島津デバイス製造製:KPR−2000)を用いて測定及び算出した。ndは、587.562nmの光に対するガラスの屈折率を示す。νdは、以下の式(1)より求めた。nC、nF、はそれぞれ波長656.273nm、486.133nmの光に対するガラスの屈折率を示す。
νd=(nd−1)/(nF−nC)・・・(1)
2.部分分散比(Pg,F)
各サンプルの部分分散比(Pg,F)は、主分散(nF−nC)に対する部分分散(ng−nF)の比を示し、以下の式(2)より求めた。ngは、波長435.835nmの光に対するガラスの屈折率を示す。部分分散比(Pg,F)の値は、小数点以下第4位までとした。
Pg,F=(ng−nF)/(nF−nC)・・・(2)
3.内部透過率
各サンプルについて、厚み方向と平行な光が入射した際の波長200〜700nmの範囲における厚さ10mm当たりの表面反射による損失を含まない透過率を測定し、内部透過率が80%となる波長をλ80として表記した。
4.ガラス転移温度(Tg)
各サンプルのガラス転移温度(Tg)は、4℃/分の昇温速度で測定したDTA曲線から決定した。
5.比重(Sg)
各サンプルの比重(Sg)は、4℃における同体積の純水に対する質量比から求めた。
Figure 2018058715
Figure 2018058715
以上より、本実施例の光学ガラスは、低いガラス転移温度(Tg)を有しており、ガラスのプレス加工時、特にプレス成形性において、極めて有用であることが示された。また、本実施例の光学ガラスは、着色が抑制され、透過性にも優れていた。
1:撮像装置、2:カメラボディ、3:レンズ鏡筒、4:レンズ、5:センサチップ、6:ガラス基板、7:マルチチップモジュール

Claims (11)

  1. 質量%で、
    成分:15.0%以上40.0%以下、
    成分:2.7%より多く10.0%以下、
    LiO成分:1.0%以上5.0%以下、
    TiO成分:0%以上5.0%未満、
    Nb成分:45.0%以上60.0%以下、
    であり、かつ、
    O成分(但し、Rは、Li、Na、及びKからなる群より選ばれる一種以上)の総量が、1.0%以上5.0%未満、
    O成分(但し、Rは、Mg、Ca、Sr、及びBaからなる群より選ばれる一種以上)の総量が、6.8%以上21.0%未満、
    TiO成分/Nb成分:0.1未満であり、
    Sb成分を実質的に含有しないことを特徴とする光学ガラス。
  2. 質量%で、
    NaO成分:0%以上4.0%以下、
    O成分:0%以上4.0%以下、
    であることを特徴とする、請求項1に記載の光学ガラス。
  3. 質量%で、
    LiO成分/(R O成分の総量):0.2以上1.0以下、
    成分/P成分:0.09以上0.50以下、
    成分/(P成分+SiO成分+B成分):0.08以上0.40以下、
    成分/(BaO成分+TiO成分+Nb成分):0.25以上0.36以下、
    (R O成分の総量)/(P成分+SiO成分+B成分):0.05以上0.20以下、
    (R O成分の総量)/(BaO成分+TiO成分+Nb成分):0.02以上0.07以下、
    LiO成分/(BaO成分+TiO成分+Nb成分):0より大きく0.05以下、
    であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学ガラス。
  4. 質量%で、
    SiO成分:0%以上10.0%以下、
    Al成分:0%以上10.0%以下、
    成分:0%以上5.0%以下、
    Gd成分:0%以上5.0%以下、
    Ta成分:0%以上1.0%以下、
    であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の光学ガラス。
  5. 屈折率(nd)が1.80〜1.96の範囲、かつ、アッベ数(νd)が19〜25の範囲であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の光学ガラス。
  6. 比重(Sg)が3.6〜4.0であることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の光学ガラス。
  7. ガラス転移温度(Tg)が、630℃以下であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の光学ガラス。
  8. 部分分散比(Pg,F)が0.62以上であることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の光学ガラス。
  9. 光路長10mmにおける内部透過率が80%となる波長(λ80)が、450nm以下であることを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載の光学ガラス。
  10. 請求項1〜9の何れか一項に記載の光学ガラスを含む、光学素子。
  11. 請求項10に記載の光学素子を備える、光学装置。
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