JPH08267029A - 超音波洗浄方法およびその装置 - Google Patents

超音波洗浄方法およびその装置

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JPH08267029A
JPH08267029A JP7690495A JP7690495A JPH08267029A JP H08267029 A JPH08267029 A JP H08267029A JP 7690495 A JP7690495 A JP 7690495A JP 7690495 A JP7690495 A JP 7690495A JP H08267029 A JPH08267029 A JP H08267029A
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JP
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ultrasonic
cleaning
cleaned
cavitation
tank
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JP7690495A
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English (en)
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Teruaki Saijo
照章 西城
Hideki Ikeuchi
秀樹 池内
Kunihiko Ueda
邦彦 上田
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超音波洗浄の効率を高め、所要時間を短縮す
る。 【構成】 洗浄槽1中の洗浄液を脱気状態にし、超音波
振動子2によるキャビテーション分布の最大地点をカメ
ラ5により取り込まれた画像に基づいて検出し、被洗浄
物14を支持するホルダ3を昇降させることにより、被
洗浄物14をキャビテーション分布の最大地点を中心と
して超音波波長の1/2未満の範囲で昇降させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は超音波洗浄方法および
その装置に関し、さらに詳細にいえば、洗浄槽の洗浄液
中に超音波を放射することにより、洗浄液中の被洗浄物
を洗浄する超音波洗浄方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波洗浄方法は、洗浄液中に放射した
超音波により生じるキャビテーションを利用して被洗浄
物の洗浄を行う方法であり、従来から実開昭56−52
081号公報に記載された超音波洗浄装置、特開平6−
71239号公報、特開平6−91239号公報に記載
された超音波洗浄方法が提案されている。
【0003】また、超音波洗浄に関して次のことが知ら
れている。超音波振動により洗浄液中に発生するキャビ
テーションは、洗浄液中の深さ方向に発生する定在波の
腹の部分に集中的に発生するので、被洗浄物をこの位置
に常駐させることにより効率的な洗浄を行うことができ
る。ここで、定在波の腹の部分は、超音波振動の波長を
λとすれば、洗浄槽内の底部に設置された超音波振動子
の表面からnλ/2(ただし、n=0,1,2,・・
・)の位置に発生する。
【0004】また、洗浄槽内の底部に設置された超音波
振動子の表面から放射された超音波は液中を伝播し、液
面に達する。このため、前記定在波の節が液面と一致す
る場合には理論的には超音波伝播損失はない。ただし、
これを満足するためには、洗浄槽内の底部に設置された
超音波振動子の表面と液面との間の距離が(2m+1)
λ/2(ただし、m=0,1,2,・・・)でなければ
ならない。
【0005】実開昭56−52081号公報に記載され
た超音波洗浄装置は、振動付与機構を設けて超音波波長
の1/2以上の幅で超音波振動子を上下動させるもので
ある。
【0006】特開平6−71239号公報に記載された
超音波洗浄方法は、被洗浄物を洗浄液中に超音波振動子
から放射される超音波波長の1/4以上の深さに浸漬
し、被洗浄物の洗浄液面を超音波波長の1/2以上の幅
で上下動させながら被洗浄物の洗浄を行う方法である。
特開平6−91239号公報に記載された超音波洗浄方
法は、被洗浄物を定在波の腹の位置に位置させるため
に、常時洗浄槽内の超音波強度を、超音波強度分布測定
用のセンサを洗浄液に浸漬させた状態で測定し、この測
定結果に基づいて超音波強度が最大の地点を求め、超音
波強度が最大の地点に被洗浄物を配置して洗浄を行う方
法である。
【0007】これらは、何れも超音波洗浄の効率を高め
ることができ、必要な洗浄を短時間で達成することがで
きると思われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実開昭56−
52081号公報に記載された超音波洗浄装置を採用し
た場合には、超音波振動子を超音波波長の1/2以上の
幅で上下動させるのであるから、被洗浄物を定在波の腹
の位置と必ず合致されることができるが、被洗浄物が定
在波の腹の位置と合致する時間がかなり短くなってしま
い、被洗浄物を定在波の腹の位置と合致させ続けた場合
と比較して洗浄のための所要時間が著しく長くなってし
まう(洗浄効率が低下してしまう)という不都合があ
る。
【0009】特開平6−71239号公報に記載された
超音波洗浄方法を採用した場合には、被洗浄物の洗浄液
面を超音波波長の1/2以上の幅で上下動させるのであ
るから、洗浄液面を定在波の腹の位置と必ず合致される
ことができるが、洗浄液面が定在波の腹の位置と合致す
る時間がかなり短くなってしまい、洗浄液面を定在波の
腹の位置と合致させ続けた場合と比較して洗浄のための
所要時間が著しく長くなってしまう(洗浄効率が低下し
てしまう)という不都合がある。
【0010】特開平6−91239号公報に記載された
超音波洗浄方法を採用した場合には、超音波強度分布測
定用のセンサを洗浄液に浸漬して超音波強度を測定する
のであるから、キャビテーションによる洗浄液の深さ方
向の移動、洗浄液層内の温度分布斑がある場合、超音波
振動子が複数個設けられている場合などに、液面と平行
な面内における超音波強度分布が不均一になり、超音波
強度が最大になる位置を正確に得ることが殆ど不可能に
なってしまう。したがって、得られる位置が不正確であ
ることに起因して洗浄効率を余り高めることができな
い。また、センサ自体がキャビテーションにさらされる
のであるから、センサ自体が衝撃を受け、故障、感度不
良などを惹き起こしてしまう。
【0011】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、洗浄効率を高めることができる超音波洗
浄方法およびその装置を提供することを目的としてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の超音波洗浄方
法は、洗浄槽内の深さ方向におけるキャビテーション分
布の最大地点を基準として超音波の波長の1/2未満の
範囲内で超音波振動子または被洗浄物を上下動させる方
法である。請求項2の超音波洗浄方法は、洗浄槽内の深
さ方向のキャビテーション分布を、洗浄槽外から撮影さ
れた画像に基づいて検出する方法である。
【0013】請求項3の超音波洗浄方法は、洗浄液とし
て、溶存酸素量が1ppm以下の脱気水を採用する方法
である。請求項4の超音波洗浄装置は、洗浄槽内の洗浄
液中に設けられた超音波振動子と、被洗浄物を洗浄液中
に支持する支持手段と、洗浄槽内の深さ方向におけるキ
ャビテーション分布の最大地点を検出する検出手段と、
洗浄槽内の深さ方向におけるキャビテーション分布の最
大地点を基準として超音波の波長の1/2未満の範囲内
で被洗浄物を上下動させるべく支持手段を動作させる駆
動手段とを有している。
【0014】請求項5の超音波洗浄装置は、前記検出手
段として、洗浄液と非接触でキャビテーション分布の最
大地点を検出するものを採用している。請求項6の超音
波洗浄装置は、前記検出手段として、洗浄槽内の状態を
洗浄槽外において横方向から撮影し、撮影された画像に
含まれる、キャビテーションに起因する特徴部分を抽出
することにより、キャビテーション分布の最大地点を検
出するものを採用している。
【0015】請求項7の超音波洗浄装置は、前記被洗浄
物として細穴ノズルを採用している。請求項8の超音波
洗浄装置は、前記細穴ノズルとして紡糸口金を採用して
いる。請求項9の超音波洗浄装置は、前記支持手段とし
て、前記紡糸口金を超音波振動子に対して平行になるよ
うに支持するものを採用している。
【0016】請求項10の超音波洗浄装置は、前記支持
手段として、前記紡糸口金を、吐出孔が超音波振動子の
方向に向く状態で支持するものを採用している。請求項
11の超音波洗浄装置は、前記洗浄液として、溶存酸素
量が1ppm以下の脱気水を採用している。
【0017】
【作用】請求項1の超音波洗浄方法であれば、洗浄槽内
の洗浄液中に超音波振動子を設け、超音波振動子から超
音波を放射して洗浄液中の被洗浄物の洗浄を行うに当っ
て、前記洗浄槽内の深さ方向におけるキャビテーション
分布の最大地点を基準として前記超音波の波長の1/2
未満の範囲内で超音波振動子または被洗浄物を上下動さ
せるようにしているので、超音波振動子または被洗浄物
を上下動させるための全所要時間に対して被洗浄物の洗
浄箇所がキャビテーション分布の最大地点と合致してい
る時間の割合が大きくなるので、全体として洗浄効率を
高めることができ、ひいては洗浄所要時間を短縮するこ
とができる。
【0018】請求項2の超音波洗浄方法であれば、洗浄
槽内の深さ方向のキャビテーション分布を、洗浄槽外か
ら撮影された画像に基づいて検出するのであるから、キ
ャビテーション分布を検出するためのセンサがキャビテ
ーションの影響を全く受けず、ひいてはセンサの故障、
感度不良を未然に防止できる。請求項3の超音波洗浄方
法であれば、洗浄液として、溶存酸素量が1ppm以下
の脱気水を採用するのであるから、溶存酸素量の減少に
伴なってキャビテーションの発生を良好にすることがで
き、ひいては洗浄効率を高めることができる。
【0019】請求項4の超音波洗浄装置であれば、洗浄
槽内の洗浄液中に設けられた超音波振動子と、被洗浄物
を洗浄液中に支持する支持手段と、洗浄槽内の深さ方向
におけるキャビテーション分布の最大地点を検出する検
出手段と、洗浄槽内の深さ方向におけるキャビテーショ
ン分布の最大地点を基準として超音波の波長の1/2未
満の範囲内で被洗浄物を上下動させるべく支持手段を動
作させる駆動手段とを有しているので、洗浄槽内の深さ
方向におけるキャビテーション分布の最大地点を中心と
して前記超音波の波長の1/2未満の範囲内で超音波振
動子または被洗浄物を上下動させることができる。この
結果、被洗浄物を上下動させるための全所要時間に対し
て被洗浄物の洗浄箇所がキャビテーション分布の最大地
点と合致している時間の割合が大きくなるので、全体と
して洗浄効率を高めることができ、ひいては洗浄所要時
間を短縮することができる。
【0020】請求項5の超音波洗浄装置であれば、前記
検出手段として、洗浄液と非接触でキャビテーション分
布の最大地点を検出するものを採用しているので、キャ
ビテーション分布を検出するためのセンサがキャビテー
ションの影響を全く受けず、ひいてはセンサの故障、感
度不良を未然に防止できる。請求項6の超音波洗浄装置
であれば、前記検出手段として、洗浄槽内の状態を洗浄
槽外において横方向から撮影し、撮影された画像に含ま
れる、キャビテーションに起因する特徴部分を抽出する
ことにより、キャビテーション分布の最大地点を検出す
るものを採用しているので、請求項5と同様の作用を達
成することができる。
【0021】請求項7の超音波洗浄装置であれば、前記
被洗浄物として細穴ノズルを採用しているので、細穴ノ
ズルを効率よく短時間で洗浄することができる。請求項
8の超音波洗浄装置であれば、前記細穴ノズルとして紡
糸口金を採用しているので、紡糸口金を効率よく短時間
で洗浄することができる。請求項9の超音波洗浄装置で
あれば、前記支持手段として、前記紡糸口金を超音波振
動子に対して平行になるように支持するものを採用して
いるので、紡糸口金の内部から外部まで効率よく短時間
で洗浄することができる。
【0022】請求項10の超音波洗浄装置は、前記支持
手段として、前記紡糸口金を、吐出孔が超音波振動子の
方向に向く状態で支持するものを採用しているので、吐
出孔の内部における超音波の減衰を大幅に抑制すること
ができ、吐出孔の内部から外部まで効率よく短時間で洗
浄することができる。請求項11の超音波洗浄装置であ
れば、前記洗浄液として、溶存酸素量が1ppm以下の
脱気水を採用しているので、溶存酸素量の減少に伴なっ
てキャビテーションの発生を良好にすることができ、ひ
いては洗浄効率を高めることができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例を示す添付図面によってこの発
明を詳細に説明する。図1はこの発明の超音波洗浄装置
の一実施例を示す概略図である。この超音波洗浄装置
は、洗浄液13が収容された洗浄槽1の内底部に超音波
振動子2を有しているとともに、被洗浄物14を支持
し、かつ被洗浄物14を昇降させるホルダ3を有してい
る。このホルダ3は、被洗浄物14を支持する部分と、
ボールネジ機構などにより支持部分を昇降させる部分と
に区分されているが、図示を省略してある。洗浄槽1
は、少なくとも一方の側面が透明部材(例えば、アクリ
ル板)1dで構成されており、この透明部材1dを通し
て洗浄槽1の内部を撮影するカメラ5が設けられている
とともに、撮影を良好にするための照明装置6が洗浄槽
1の上方に設けられている。また、洗浄槽1に隣接させ
て、洗浄槽1からオーバーフローした洗浄液13を収容
するための補助槽1bが設けられている。なお、両槽の
間には、オーバーフローした洗浄液13を補助槽1bに
導くための案内部1cが設けられている。この補助槽1
bの内部には洗浄液13を昇温させるためのヒータ7が
設けられている。また、補助槽1bの洗浄液13を、配
管12により循環ポンプ11、熱交換器9、脱気モジュ
ール8の順に導き、再び洗浄槽1に戻すようにしてい
る。なお、4は外付けされた超音波発振機、10は冷凍
機、15は制御部であり、昇降可能なホルダ3、超音波
発振機4、カメラ5、照明装置6、ヒータ7、冷凍機1
0に対して制御信号、動作指令信号を供給する。また、
カメラ5から取り込まれた画像により、キャビテーショ
ン分布は、図2に破線の円Aで示すように超音波の腹の
部分を中心に白い物体がほぼ放射状に確認できる。この
白い物体は図3に示すように上部(a1−an)、下部
(b1−bn)のものがあり、各々上方、下方へ流れて
いる。これらの始点の深さ方向の平均位置(yaAVE
−ybAVE)(ただし、yaAVEは上部のものの始
点の深さ方向の位置ya1,ya2,・・・,yanの
平均値、ybAVEは下部のものの始点の深さ方向の位
置yb1,yb2,・・・,ybnの平均値である。ま
た、これら深さ方向の位置は、任意の基準位置に対する
位置である。)をカメラ5から取り込まれた画像に基づ
いて求めることにより、キャビテーション分布の最大地
点を検出する。また、洗浄液13中に発生している定在
波16を模式的に示している。
【0024】ヒータ7、脱気モジュール8、熱交換器
9、冷凍機10は洗浄液13の溶存酸素量および温度を
制御するためのものである。具体的には、ヒータ7、熱
交換器9および冷凍機10により洗浄液13の温度が制
御され、中空糸膜を利用した気体分離膜により気体分子
を除去することが可能な脱気モジュール8によって脱気
を行うことにより溶存酸素量が制御される。ここで、溶
存酸素量を1ppm以下に制御すればよい。ただし、
0.5ppm以下に制御することが好ましく、0.3p
pm以下に制御することが一層好ましい。また、脱気モ
ジュール8としては、上記の構成のものに代えて、液体
を沸騰させることにより脱気を行うもの、減圧させるこ
とにより脱気を行うものを採用することが可能である。
【0025】制御部15は、キャビテーション分布の最
大地点を基準として(好ましくは、中心として)、超音
波波長の1/2未満の範囲内において被洗浄物14を昇
降させるべくホルダ3に動作指令を与える。また、温
度、溶存酸素量の制御は、図示しないセンサを用いて洗
浄液の温度、溶存酸素量を検出し、検出値を目標値に近
づけるように制御部15から制御信号を出力してもよい
が、取り込み画像に基づく処理の結果からキャビテーシ
ョンの発生状況を検出し、最適のキャビテーション発生
状況になるように制御部15から制御信号を出力しても
よい。
【0026】洗浄槽1は、超音波波長の3/4以上の深
さを有するものであれば、任意の平面形状(例えば、円
形、三角形、四角形、多角形など)を有するものを採用
することができる。洗浄液13は、水であってもよい
が、必要に応じて溶剤を含有させたものであってもよ
い。そして、液面と超音波振動子2の振動面との距離を
(2m+1)λ/2(ただし、m=1,2,・・・、λ
は超音波波長)に設定している。超音波振動子2は、超
音波振動が可能なものであれば任意の構成のものを採用
することができる。例えば、円筒型のランジュバン型振
動子を1つないし複数個配列してなるもの、圧電素子を
用いたものなどを採用することが可能である。被洗浄物
14は、ノズル穴を有するものが好ましく、より好まし
くは、直径5mm以下のノズル穴を有するものに効果が
あり、さらに好ましくは、直径1mm以下の紡糸口金な
どに効果を発揮する。このような被洗浄物14は、ノズ
ル穴が液面に対して垂直になるように設置することが好
ましく、超音波がノズル穴を通過できる。また、紡糸口
金の吐出穴を超音波振動子2に近い向きに配置すること
が好ましく、穴内での超音波の減衰を大幅に抑制するこ
とができる。また、カメラ5に代えて、予め音圧計を用
いて深さ方向の音圧分布を測定し、音圧が最大の点をキ
ャビテーション分布の最大地点として検出するようにし
てもよい。
【0027】超音波発振機4は、超音波振動子2の発振
周波数、発振出力を制御するものである。上記の構成の
超音波洗浄装置の動作は次のとおりである。先ず、超音
波振動子2を動作させて洗浄液13中に定在波16を発
生させ、キャビテーションを発生させ、この状態におい
てカメラ5によりキャビテーション分布を示す画像を取
り込む。そして、制御部15において、取り込み画像に
基づく処理を行ってキャビテーション分布の最大地点を
検出する。
【0028】次いで、制御部15から動作指令を出力す
ることにより、被洗浄物14を支持したホルダ3を下降
させ、次いで、キャビテーション分布が最大の地点を含
み、かつ超音波波長の1/2未満の範囲においてホルダ
3を昇降させながら被洗浄物14の洗浄を行う。また、
洗浄が行われている間、洗浄槽1の洗浄液13はオーバ
ーフローして補助槽1bに導かれ、補助槽1bにおいて
ヒータ7により昇温された後、循環ポンプ11により熱
交換器9に導かれてさらに温度が制御され、次いで、脱
気モジュール8に導かれることにより脱気されて再び洗
浄槽1に戻されるので、洗浄液13中の溶存酸素量を1
ppm以下に制御することができる。
【0029】したがって、溶存酸素量の減少によりキャ
ビテーションの発生効率を高めることができ、しかも超
音波波長の1/2の範囲で被洗浄物14を昇降させるの
で、キャビテーション分布の最大地点で洗浄される時間
の割合が大きくなり、両者の相乗効果により洗浄効率を
著しく高め、洗浄所要時間を著しく短縮することができ
る。
【0030】
【発明の効果】請求項1の発明は、超音波振動子または
被洗浄物を上下動させるための全所要時間に対して被洗
浄物の洗浄箇所がキャビテーション分布の最大地点と合
致している時間の割合が大きくなるので、全体として洗
浄効率を高めることができ、ひいては洗浄所要時間を短
縮することができるという特有の効果を奏する。
【0031】請求項2の発明は、キャビテーション分布
を検出するためのセンサがキャビテーションの影響を全
く受けず、ひいてはセンサの故障、感度不良を未然に防
止できるという特有の効果を奏する。請求項3の発明
は、溶存酸素量の減少に伴なってキャビテーションの発
生を良好にすることができ、ひいては洗浄効率を高める
ことができるという特有の効果を奏する。
【0032】請求項4の発明は、洗浄槽内の深さ方向に
おけるキャビテーション分布の最大地点を基準として前
記超音波の波長の1/2未満の範囲内で超音波振動子ま
たは被洗浄物を上下動させることができ、この結果、被
洗浄物を上下動させるための全所要時間に対して被洗浄
物の洗浄箇所がキャビテーション分布の最大地点と合致
している時間の割合が大きくなるので、全体として洗浄
効率を高めることができ、ひいては洗浄所要時間を短縮
することができるという特有の効果を奏する。
【0033】請求項5の発明は、キャビテーション分布
を検出するためのセンサがキャビテーションの影響を全
く受けず、ひいてはセンサの故障、感度不良を未然に防
止できるという特有の効果を奏する。請求項6の発明
は、請求項5と同様の効果を奏する。請求項7の発明
は、細穴ノズルを効率よく短時間で洗浄することができ
るという特有の効果を奏する。
【0034】請求項8の発明は、紡糸口金を効率よく短
時間で洗浄することができるという特有の効果を奏す
る。請求項9の発明は、紡糸口金の内部から外部まで効
率よく短時間で洗浄することができるという特有の効果
を奏する。請求項10の発明は、吐出孔の内部における
超音波の減衰を大幅に抑制することができ、吐出孔の内
部から外部まで効率よく短時間で洗浄することができる
という特有の効果を奏する。
【0035】請求項11の発明は、溶存酸素量の減少に
伴なってキャビテーションの発生を良好にすることがで
き、ひいては洗浄効率を高めることができるという特有
の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の超音波洗浄装置の一実施例を示す概
略図である。
【図2】キャビテーション分布を示す概略図である。
【図3】図2の破線円A内を拡大して示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 洗浄槽 2 超音波振動子 3 ホルダ 5 カメラ 13 洗浄液 14 被洗浄物 15 制御部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄槽(1)内の洗浄液(13)中に超
    音波振動子(2)を設け、超音波振動子(2)から超音
    波を放射して洗浄液(13)中の被洗浄物(14)の洗
    浄を行うに当って、 前記洗浄槽(1)内の深さ方向におけるキャビテーショ
    ン分布の最大地点を基準として前記超音波の波長の1/
    2未満の範囲内で超音波振動子(2)または被洗浄物
    (14)を上下動させることを特徴とする超音波洗浄方
    法。
  2. 【請求項2】 前記洗浄槽(1)内の深さ方向のキャビ
    テーション分布を、洗浄槽(1)外から撮影された画像
    に基づいて検出する請求項1に記載の超音波洗浄方法。
  3. 【請求項3】 前記洗浄液(13)が、溶存酸素量が1
    ppm以下の脱気水である請求項1または請求項2に記
    載の超音波洗浄方法。
  4. 【請求項4】 洗浄槽(1)内の洗浄液(13)中に設
    けられた超音波振動子(2)と、被洗浄物(14)を洗
    浄液(13)中に支持する支持手段(3)と、洗浄槽
    (1)内の深さ方向におけるキャビテーション分布の最
    大地点を検出する検出手段(5)(15)と、洗浄槽
    (1)内の深さ方向におけるキャビテーション分布の最
    大地点を基準として超音波の波長の1/2未満の範囲内
    で被洗浄物(14)を上下動させるべく支持手段(3)
    を動作させる駆動手段(3)とを有していることを特徴
    とする超音波洗浄装置。
  5. 【請求項5】 前記検出手段(5)(15)が、洗浄液
    (13)と非接触でキャビテーション分布の最大地点を
    検出するものである請求項4に記載の超音波洗浄装置。
  6. 【請求項6】 前記検出手段(5)(15)が、洗浄槽
    (1)内の状態を洗浄槽(1)外において横方向から撮
    影し、撮影された画像に含まれる、キャビテーションに
    起因する特徴部分を抽出することにより、キャビテーシ
    ョン分布の最大地点を検出するものである請求項5に記
    載の超音波洗浄装置。
  7. 【請求項7】 前記被洗浄物(14)が細穴ノズルであ
    る請求項4から請求項6の何れかに記載の超音波洗浄装
    置。
  8. 【請求項8】 前記細穴ノズルが紡糸口金である請求項
    7に記載の超音波洗浄装置。
  9. 【請求項9】 前記支持手段(3)が、前記紡糸口金を
    超音波振動子に対して平行になるように支持するもので
    ある請求項8に記載の超音波洗浄装置。
  10. 【請求項10】 前記支持手段(3)が、前記紡糸口金
    を、吐出孔が超音波振動子(2)の方向に向く状態で支
    持するものである請求項9に記載の超音波洗浄装置。
  11. 【請求項11】 前記洗浄液(13)が、溶存酸素量が
    1ppm以下の脱気水である請求項4から請求項10の
    何れかに記載の超音波洗浄装置。
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