JPH08263115A - Nc工作機械における干渉回避方法 - Google Patents

Nc工作機械における干渉回避方法

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JPH08263115A
JPH08263115A JP6650995A JP6650995A JPH08263115A JP H08263115 A JPH08263115 A JP H08263115A JP 6650995 A JP6650995 A JP 6650995A JP 6650995 A JP6650995 A JP 6650995A JP H08263115 A JPH08263115 A JP H08263115A
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JP
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operating
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JP6650995A
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English (en)
Inventor
Takakazu Nakatani
尊一 中谷
Toshio Ishimura
俊雄 石村
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 NC工作機械における動作部同士の干渉を回
避して安全性を高めながら、アラーム状態となって機械
が動作を停止するようなことを少なくする。 【構成】 NC工作機械の動作中に、複数の動作部のそ
れぞれ予めNC装置に設定してある形状での今後の軌跡
を求め、その複数の動作部の今後の軌跡が交差して重な
る干渉領域を設定する。そして、各動作部が干渉領域に
進入する前に干渉領域に進入する優先順位を確認して、
その動作部の優先順位が一番高い場合には進入させ、他
に優先順位が高い動作部がある場合にはその干渉領域に
進入する前に停止させ、優先順位が高い動作部が干渉領
域の外に出て干渉しなくなり、優先順位が一番高くなっ
てから干渉領域に進入させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、NC(数値制御)旋
盤等のNC工作機械における移動刃物台等の動作部同士
の干渉回避方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年ではNC旋盤,マシニングセンタ
(MC),NCフライス盤等のNC工作機械が各種部品
加工に使用されている。これらのNC工作機械は、動作
中にNC装置に読み込むか、予め読み込みあるいは作成
して記憶した加工プログラムを実行することにより、主
軸や刃物台等の各動作部の動作を制御して複雑な加工を
自動的に行なうことができる。
【0003】例えばNC旋盤は、NC装置が加工プログ
ラムにしたがって主軸の回転及びその主軸の中心線方向
(Z方向)の移動と、刃物台のX,Y方向(Z方向に直
交する面内で互いに直交する2方向)あるいはZ方向へ
の移動を制御して、刃物台に取り付けられた工具(刃
物)によって、主軸に保持された材料(ワーク)に切
削,孔明け等の加工を施す工作機械である。
【0004】そして、このようなNC工作機械の加工速
度の高速化,加工工程の複雑化,加工精度の高度化等が
進み、且つ機能の拡大(汎用性)も要求されている。そ
のため、1台の工作機械に多数の軸や移動刃物台等の動
作部が設けられており、その動作部同士が動作中に干渉
して工具(刃物)を破損したりワークを不良にしてしま
う恐れがある。そこで、これらの動作部と固定部あるい
は動作部同士の干渉をチェックし、実際に干渉する直前
にアラームを発生して動作を停止させたり、干渉回避動
作を行なわせるようにしたものもある。また、NC装置
に予め設定してある最高速で動作している動作部が停止
出来る距離以内に物があると干渉回避のためアラーム状
態となり、機械の動作を停止するものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにNC工作機械がアラーム状態で止まってしまうと、
プログラムの続行が出来ず、加工中であればその加工を
最初からやり直さなければならないため、作業効率が大
幅に低下すると共に、加工材料の無駄が生じるという問
題があった。また、干渉回避動作を行なえるようにする
には、余分なプログラム及び無駄な時間が必要になると
いう問題がある。
【0006】この発明は、このような問題を解決するた
めになされたものであり、NC工作機械における移動刃
物台等の動作部同士の干渉を回避して安全性を高めなが
ら、アラーム状態となって機械が動作を停止するような
ことが極めて少なくなるようにして、作業効率を低下さ
せないようにし、余分なプログラムや無駄な時間も不要
にすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、干渉する可
能性の有る複数の動作部を持つNC工作機械において、
上記の目的を達成するため、次のような干渉回避方法を
提供する。すなわち、NC工作機械の動作中に、複数の
動作部のそれぞれ予めNC装置に設定してある形状での
今後の軌跡を求め、その複数の動作部の今後の軌跡が交
差して重なる干渉領域を設定する。
【0008】そして、上記各動作部が上記干渉領域に進
入する前に該干渉領域に進入する優先順位を確認して、
その動作部の優先順位が一番高い場合には進入させ、他
に優先順位が高い動作部がある場合には該干渉領域に進
入する前に停止させ、優先順位が高い動作部が干渉領域
の外に出て干渉しなくなり、優先順位が一番高くなって
から該干渉領域に進入させる。
【0009】NC工作機械の動作中に上記干渉領域を設
定する際、NC装置が使用中の加工プログラムを複数ブ
ロック先読みして複数の動作部の今後の軌跡を求め、そ
の複数の動作部の今後の軌跡が交差して重なる干渉領域
を、2次元の干渉チェックでは面、3次元の干渉チェッ
クでは立体としてそれぞれ設定するとよい。また、上記
優先順位をNC装置に予め設定しておくとよいが、予め
優先順位を設定していない場合には、複数の動作部が干
渉領域に時間的に早く到達する順に優先順位を設定する
か、加工動作中の動作部に対して加工中でない動作部よ
り優先順位を高く設定するとよい。
【0010】
【作用】この発明によるNC工作機械における干渉回避
方法によれば、NC工作機械の動作中に、干渉する可能
性のある複数の動作部のに対して今後の軌跡が交差して
重なる干渉領域を設定し、その各動作部がその干渉領域
に進入する際には優先順位が高い順に進入させ、優先順
位が低い方の動作部は優先順位が高い動作部が干渉領域
の外に出て干渉しなくなるまで待機させるので、動作部
同士の干渉を回避しながら、加工プログラムの実行を継
続することができる。したがって、アラーム状態となっ
て機械が動作を停止するようなことが極めて少なくな
り、作業効率を低下させずに安全性を高めることができ
る。また、干渉回避動作を行なうための余分なプログラ
ムや無駄な時間が不要である。
【0011】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて具
体的に説明する。図2はこの発明による干渉回避方法を
実施するNC旋盤の一例を示す要部外観斜視図である。
【0012】これは棒材加工用の主軸台摺動型のNC旋
盤の加工位置付近の斜視図であり、一対の主軸と背面主
軸とを備えている。すなわち、図2に示すようにベッド
10の手前下がりに傾斜した上面後部に、主軸台(図示
せず)が主軸中心線に平行なZ1軸方向(矢示Z1方
向)に図示しないガイドレールに沿って摺動可能に載置
されており、この第1主軸台は図示しないZ1軸用サー
ボモータによって、送りねじ機構を介して矢示Z1方向
へ往復移動される。
【0013】この主軸台に回転自在に支承され、かつ主
軸用スピンドルモータによって回転される主軸の前方に
は、刃物台ベース11がベッド10に固定されてその幅
方向に立設されている。その刃物台ベース11には、前
述の主軸の中心線と同心の位置にガイドブッシュ14が
配設されており、主軸に把持されたワークは、このガイ
ドブッシュ14から加工位置へ突出してZ1軸方向に摺
動可能に案内保持される。
【0014】刃物台ベース11にはさらにXYテーブル
13を介して刃物台14が、Z1軸と直交し且つ互いに
直交するX1軸及びY1軸方向(矢示X1及びY1方
向)に摺動可能に配設されている。そして、そのXYテ
ーブル13には、図示しないX1軸用サーボモータ及び
Y1軸用サーボモータ及び送りねじ機構が設けられてお
り、それらによって刃物台14を矢示X1方向及び矢示
Y1方向にそれぞれ所定ストローク往復移動させること
ができる。
【0015】その刃物台14には、複数本(図示の例で
は5本)の切削工具であるバイト15及び複数個(図示
の例では3個)の回転工具16が、X1軸方向に並行に
Y1軸方向に所定の間隔で櫛歯状に取り付けられてい
る。さらに、刃物台ベース11の手前側に背面刃物台1
7を固設しており、この背面刃物台17に、複数本(図
示の例では5本)の背面加工用の工具18が、Z1軸方
向に並行にX1軸方向に所定の間隔で並ぶように配設さ
れている。この工具18は例えばドリル,エンドミルな
どの相対回転工具で、工具18は回転しないが、後述す
る背面主軸にチャックされたワークの回転により加工可
能である。
【0016】ベッド10の刃物台ベース11の手前側に
は、背面主軸台20がZ1軸と並行なZ2軸方向及びそ
れに直交するX2軸(X1軸と並行)方向に摺動可能に
設けられており、その背面主軸台20に上述した主軸と
対向する背面主軸とそれに隣接して対向刃物台22が設
けられている。その対向刃物台22には、ドリル,エン
ドミルなどの複数本(図示の例では3本)の相対回転工
具23が、Z2軸方向に並行にX2軸方向に所定の間隔
で並ぶように固設されている。
【0017】背面主軸台20は、Z2軸用サーボモータ
とX2軸用サーボモータとによって、送りねじ機構を介
して矢示Z2方向及び矢示X2方向に、それぞれ所定ス
トローク往復移動可能である。背面主軸は先端部にはワ
ークをつかむチャック21を備えており、背面主軸用の
スピンドルモータによって回転される。この背面主軸の
チャック21に保持されたワークは、主として前述した
背面刃物台17に取り付けられた工具18によって加工
されるが、刃物台14に背面加工用の工具を取り付けた
場合には、それらによって加工することも可能である。
【0018】このNC旋盤を使用して、丸棒材料のワー
ク(部品)を加工するには、予め丸棒材料を、主軸に通
してガイドブッシュ12にガイドさせて若干突出させて
主軸でチャックし、ワークとする。そして主軸を回転さ
せてそのワークを回転させ、刃物台14をX1軸方向及
びY1軸方向に移動させて、それに取り付けられたバイ
ト15によって周面の切削加工を、ワークを固定して回
転工具16を回転させて径方向の孔明け加工等を行なう
ことができる。また、背面主軸台20をX2軸方向及び
Z2軸方向へ移動させて、主軸によって回転されるワー
クの前端面に、対向刃物台22に取り付けられた相対回
転工具23によって孔明けやタップ切り等の加工を行な
うこともできる。
【0019】その後、背面主軸台20を矢示Z2方向に
移動させて背面主軸のチャック21でワークの前端部を
掴んで保持し、刃物台14に取り付けられた突っ切りバ
イトを使用して、刃物台14を矢示X1方向に往復移動
させて突っ切り加工を行ない、ワークを丸棒から切り離
す。このワークの受渡しをピックオフという。そして、
背面主軸台20を背面刃物台17と対向する位置へ移動
させると共に背面主軸を回転させ、そのチャック21に
保持されて回転するワークの背面に、センタドリルや背
面タップ等の相対回転工具23によって、孔明け加工や
タップ切り加工等を行なうことができる。
【0020】このNC旋盤において、刃物台14及びそ
れに取り付けられて一体に移動するバイト15及び回転
工具16,背面主軸台20及びそれと一体に移動するチ
ャック21を有する背面主軸,及び対向刃物台22とそ
れに取り付けられた相対回転工具23等の移動可能な部
分が動作部であり、動作中にこれらの動作部同士の干渉
が発生しないようにこの発明による干渉回避を行なうの
である。
【0021】なお、主軸側のガイドブッシュ12に保持
されるか、背面主軸のチャック21に掴まれるワーク
は、工具(刃物)と干渉することによって加工されるの
で、加工中は干渉チェックの対象から除外する。しか
し、加工時以外には干渉してはいけないので、干渉回避
の対象の動作部とすることができる。さらに、加工済み
のワークを受けるセパレータ(受け器)等の移動部材を
設けた場合には、それも干渉回避の対象とする動作部と
することができる。
【0022】次に、このNC旋盤の制御ユニットである
NC装置の構成を図3のブロック図によって説明する。
このNC装置は、CPUを含むシステム制御部40,プ
ログラム入力部41,キーボード42a及びスイッチ4
2bとディスプレイ43を備えた操作盤44,その入出
力制御部45,システム制御用プログラムメモリ(RO
M)46,加工プログラム格納部48,表示データ記憶
部49,その他のデータを記憶するRAM50,加工プ
ログラム処理部51,加工動作制御部52とからなり、
その加工動作制御部52を介して図2に示した機構部を
直接駆動制御する駆動部30を制御する。
【0023】駆動部30は、Z1,Z2,X1,X2,
Y1の各軸用サーボモータのサーボ機構31を駆動制御
する各軸の制御駆動部32、各主軸(主軸及び背面主
軸)のスピンドルモータ33を駆動制御するスピンドル
モータ制御駆動部34、及び各センサ(各テーブルの位
置センサ等)35の検出信号を入力するセンサ入力部3
6等からなる。
【0024】システム制御部40は、このNC装置全体
ひいてはNC旋盤全体を統括制御する部分で、加工プロ
グラム処理部51と共に加工プログラム格納部48に格
納された加工プログラムの判別,変換,編集等の処理、
入出力制御部45を介して操作盤44のキーボード42
a又はスイッチ42bからのデータや指令の入力及びデ
ィスプレイ43への加工プログラムその他の表示に関す
る処理、加工動作制御部52と共に加工プログラム格納
部48に格納されている加工プログラムに基づいて駆動
部30を動作させてNC加工を行なうための処理などを
行なう。また、この発明に係る干渉回避に関する処理も
ここで行なう。
【0025】プログラム入力部41は、外部のプログラ
ム作成装置(パソコン等)によって作成された加工プロ
グラムを、紙テープやフロッピディスクから入力する紙
テープリーダ,フロッピディスク装置(FDD)などで
ある。操作盤44は、NC加工を行なう際にキーボード
42aあるいはスイッチ42bから動作指令を行ない、
ディスプレイ43の表示によって動作を確認したりする
運転操作手段となる。干渉チェック及び回避を行なう動
作部の組み合せ、およびその各動作部の形状と座標原
点、後述する干渉領域へ進入する優先順位などを予め設
定する際の入力操作も、この操作盤44で行なう。
【0026】入出力制御部45は、この操作盤44のキ
ーボード42aあるいはスイッチ42bからの指令や入
力の判別、表示データ記憶部49に記憶された表示デー
タをディスプレイ43に表示するための制御等を行な
う。システム制御用プログラムメモリ46は、このNC
装置の動作を制御するためにシステム制御部40のCP
Uが使用するプログラム及び固定データを格納したRO
Mである。
【0027】自動プログラミング部47は、操作盤44
を用いた対話式プログラミングによって、このNC装置
自体で加工プログラムの作成を行なうための機能部であ
る。加工プログラム格納部48は、プログラム入力部4
1から入力された加工プログラム、あるいは自動プログ
ラミング部47で作成した加工プログラムを格納するR
AMである。表示データ記憶部49は、操作盤44のデ
ィスプレイ43に表示させる各種のデータを格納するビ
ットマップメモリ(VRAM)である。
【0028】RAM50は、加工に使用する各工具(ツ
ール)のデータや各種の初期セットデータ等を記憶する
メモリであり、この発明による干渉回避を行なうために
予め設定されるデータ、すなわち干渉チェック及び回避
を行なう動作部の組み合せ、ならびにその各動作部の形
状と座標原点、後述する干渉領域へ進入する優先順位等
のデータもこのRAM50に記憶される。なお、加工プ
ログラム格納部48と表示データ記憶部49も、このR
AM50の記憶容量が充分あればこれを兼用することが
できる。
【0029】ここで、この発明による干渉回避方法の基
本実施例の動作を、図1のフローチャートにしたがって
説明する。上述したNC旋盤のNC装置が動作を開始す
ると、ステップ1で干渉する可能性の有る複数の動作部
の今後の軌跡を算出して求め、ステップ2でその複数の
動作部の今後の軌跡が交差して重なる(干渉の可能性が
ある)干渉領域を設定する。このとき、実際の動作タイ
ミングと計算上の動作タイミングがずれる場合があるた
め、時間の要素は考慮しない。
【0030】ついで、ステップ3で上記複数の動作部の
いずれかが干渉領域に進入する直前(待機しなければな
らない場合に干渉領域に進入せずに停止できるだけ手前
の位置)に来たかどうかをチェックし、直前に来たらス
テツプ4でその動作部の干渉領域に進入する優先順位を
確認して、優先順位が一番高ければステップ7へ進んで
そのまま干渉領域に進入させる。そして、ステップ8で
干渉領域を未通過の他の動作部があるか否かをチェック
して、なければ処理を終了し、あればステップ3へ戻
る。
【0031】ステップ4でその動作部の優先順位が一番
高くなければ、ステップ5へ進んで干渉領域に進入する
前に停止させて待機させる。そして、ステップ6で優先
順位の高い動作部が干渉領域の外に出たかどうかをチェ
ックし、外へ出たら再びステップ4へ戻って優先順位を
チェックするが、この時には干渉領域を通過した動作部
の優先順位は除外する。
【0032】その結果待機させている動作部の優先順位
が一番高くなれば、干渉領域に進入させるが、まだ他に
優先順位の高い動作部があればステップ5で待機状態を
継続させ、その優先順位の高い動作部が干渉領域の外に
出たら、ステップ6からステップ4の優先順位のチェッ
クに戻ることを繰り返す。こうして、待機中の動作部の
優先順位が一番高くなるとステップ7へ進んでその動作
部を干渉領域へ進入させる。
【0033】このように、この発明による干渉回避方法
を実施すれば、加工プログラムとは別の処理によって動
作部相互間の干渉を自動的に回避するので、プログラマ
が加工プログラムを作成する際には、干渉する恐れのあ
る動作部の移動のタイミングについて予め考慮しなくて
よい。
【0034】ここで、干渉領域の設定について説明す
る。NC工作機械の動作中、NC装置は使用中の加工プ
ログラムを複数ブロック先読みして、複数の動作部の今
後の軌跡を求める。そして、その複数の動作部の今後の
軌跡が交差して重なる領域を干渉の可能性がある領域、
すなわち干渉領域として設定する。
【0035】図4の(A)は2次元の干渉チェックを行な
う場合、(B)は3次元の干渉チェックを行なう場合の例
を示し、いずれも動作部1の今後の軌跡1aと、動作部
2の今後の軌跡2aとが交差して重なる領域(斜線を施
して示す)を干渉領域3として設定する。したがって、
2次元の干渉チェックの場合は、動作部1,2の今後の
軌跡1a,2aは帯状になり、干渉領域3は面領域にな
る。3次元の干渉チェックの場合は、動作部1,2の今
後の軌跡1a,2aは筒状になり、干渉領域は立体領域
となる。なお、図中の矢印は動作部1,2の移動方向を
示し、斜めに移動する場合は互いに直交する方向の成分
で規定する。
【0036】図5は2次元の干渉チェックにより干渉を
回避する例であり、この例では動作部2が動作部1より
先に干渉領域3の直前(待機しなければならない場合に
干渉領域3に進入せずに停止できる距離dだけ干渉領域
3より手前の位置)に到達するが、そこで優先順位を確
認し、動作部2の方が動作部1より優先順位が高い場合
はそのまま干渉領域に進入するが、動作部1より優先順
位が低い場合はそこで停止して待機する。そして、動作
部1が干渉領域3を通過した後に動作部2が干渉領域に
進入する。したがって、動作部1と動作部2の干渉を回
避することができる。
【0037】このように、互いに干渉する恐れがある複
数の動作部の干渉領域へ進入する優先順位を、図3に示
した操作盤44を使用して予め設定して、RAM50に
記憶させておくことができる。しかし、干渉領域への進
入の優先順位を予め設定しておかなくても、複数の動作
部が時間的に先に干渉領域に到達する順に優先順位を設
定することもでき、その方が動作部の待機時間を最小限
にすることができる。
【0038】たとえば、図6の(A)に示すように、動作
部2が干渉領域3の直前に到達した時、干渉領域3に他
の動作部が進入していない場合には、この動作部2に優
先権を与え、そのまま干渉領域へ進入させる。そして、
図6の(B)に示すように、動作部2が干渉領域3に入っ
ている時に動作部1が干渉領域3の直前に到達した場合
には、先に干渉領域3に入った動作部2に優先権がある
ため、動作部1は停止して動作部2が干渉領域3から出
るまで待機する。但し、複数の動作部が同時に干渉領域
3の直前に到達する可能性もあり、その場合にはいずれ
か一つの動作部に優先権を与えることになるが、予め優
先順位が設定されていれば、それにしたがって優先権を
与えることができる。
【0039】また、複数の動作部のうち加工中の動作部
がある場合は、その加工中の動作部に優先権を与えるよ
うにするとよい。それは、例えば切削加工中の動作部を
加工途中で停止させると、切削したワーク(製品)にス
ジが残る恐れがあるからである。
【0040】3次元の干渉チェックを行なう場合には、
図7〜図9に示すように、図2に示したNC旋盤のZ
1,Z2軸方向(Z)と、X1,X2軸方向(X)と、
Y1軸方向(Y)の3次元空間を、X−Z平面への投影
形状とY−Z平面への投影形状とに分けて干渉をチェッ
クする。ここで、図4の(B)に示した3次元の干渉領
域3をX−Z平面に投影した面領域を3aで示し、Y−
Z平面に投影した面領域を3bで示す。以下の説明で
は、この面領域3a,3bも干渉領域という。図中の各
動作部1,2に付した矢印はその移動方向を示す。
【0041】この場合は、X−Z平面とY−Z平面の一
方のみで動作部1と2の形状が重なっても3次元空間で
は干渉していない。同様に、いずれか一方の面でのみ動
作部1又は2が干渉領域3a又は3bの直前にきても、
3次元空間では干渉領域3の直前(待機しなければなら
ない場合に干渉領域3に進入せずに停止できる距離だけ
干渉領域3より手前の位置)にきていることにはならな
い。
【0042】そこで、例えば動作部1がX−Z平面とY
−Z平面の両面で共に他の動作部2より先に干渉領域3
a及び3bの直前にきた場合には、3次元空間で動作部
1が動作部2り先に立体の干渉領域3の直前に到達した
ことになるので、動作部1に優先権を与え、図7に示す
ようにそのまま干渉領域3(3a,3b)内へ進入させ
る。そして、後から干渉領域3(3a,3b)の直前に
到達した動作1はその位置で停止させて、動作部1が干
渉領域3から出る(すくなくとも干渉領域3a又は3b
の一方から出る)まで待機する。
【0043】この場合、図8に示すように動作部2がY
−Z平面では先に干渉領域3bの直前に到達しても、X
−Z平面ではまだ干渉領域の直前に達していない場合に
は、動作部2は未だ3次元空間での干渉領域3の直前に
はきていないので、優先順位が決められていなければそ
のまま移動して、例えばY−Z平面で干渉領域3bに進
入することがあるが、その場合も動作部1は実際の3次
元空間での干渉領域3には進入していないので問題はな
い。
【0044】そして、上述のように動作部1が先に干渉
領域3a及び3bの両方の直前にくると(図8に示す状
態)、動作部1に優先権が与えられ、動作部1はそのま
ま干渉領域3a,3b内に進入する。その際、図9に示
すようにY−Z平面の干渉領域3b内で先に進入してい
る動作部2と重なって干渉してしまうように見えるが、
X−Z平面では動作部2と干渉していないので、3次元
空間では動作部1と2は干渉していない。
【0045】しかし、動作部1が図9に示すようにX−
Z平面でも干渉領域3aの直前にくると、3次元空間で
も干渉領域3の直前に来たことになるので、優先順位を
確認し、他の動作部2に優先権が与えられているので、
そこで停止して、動作部2が干渉領域3を出るまで待機
する。図9のY−Z平面におけるように、動作部1と2
の形状が重なってしまった場合は、その平面内ではもは
や干渉することはないと判断できるので、その平面内に
おける優先順位の決定は不要であり、他方の平面のみで
優先順位を決定することができる。
【0046】また、3個以上の動作部が共通の干渉領域
を有する場合にも、同様に優先順位を決定して優先順位
の高い順に干渉領域を通過させるようにすればよい。複
数の動作部が同時に干渉領域の直前に達した場合には、
2次元の干渉回避の場合と同様に、予め設定された優先
順位によって優先権を与えたり、加工中の動作部に最優
先権を与えるようにすればよい。
【0047】なお、干渉回避動作中にある動作部相互間
の相対距離が1軸でも増加に転じた時点で回避完了と判
断する。すなわち、複数の動作部のうち優先権のない動
作部が干渉領域の直前で待機し、優先権のある動作部が
干渉領域を通過している間は、両動作部の相対距離は変
化しないが、優先権のある動作部が干渉領域を出ると両
者の相対距離が増加に転じるので、回避完了と判断でき
る。したがって、その時点から待機中の動作部が移動を
再開できる。また、各軸(X,Y,Z)の相対距離のベ
クトル量が増加に転じた瞬間を回避完了と判断すること
もできる。
【0048】さらに安全のために、複数の動作部に対し
て2次元と3次元の干渉チェックを行ない、共に干渉が
検出された瞬間に双方の動作部を停止させたアラームと
することもできる。その場合は、リセット操作によって
アラームは解除される。この発明は、前述したNC旋盤
に限らず、複数の動作部を有する全てのNC工作機械に
適用することができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
る干渉回避方法を用いれば、NC工作機械における移動
刃物台やそれに取り付けられた工具等の動作部同士の干
渉を回避して安全性を高めながら、アラーム状態となっ
て機械が動作を停止するようなことが極めて少なくなる
ようにして、作業効率を低下させないようにし、余分な
プログラムや無駄な時間も不要にすることが可能にな
る。また、微妙な位置や時間の関係を考えずにプログラ
ムを作成しても干渉を回避できるたるめ、プログラム作
成時間を短縮できる。互いに干渉する動作部のうち待機
する動作部をも干渉領域に入る直前で待機するので待ち
時間を最小にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による干渉回避方法の基本的実施例の
動作フロー図である。
【図2】この発明による干渉回避方法を実施するNC旋
盤の一例を示す要部外観斜視図である。
【図3】図1に示したNC旋盤の制御ユニットであるN
C装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図1のステップ2における干渉領域の設定につ
いての説明図である。
【図5】2次元の干渉領域を設定した場合の干渉回避動
作の説明図である。
【図6】同じくその場合の他の干渉回避動作の説明図で
ある。
【図7】3次元の干渉領域を設定した場合の干渉回避動
作の説明図である。
【図8】同じくその優先権決定時の状態を示す説明図で
ある。
【図9】同じく動作部1が停止して待機する状態を示す
説明図である。
【符号の説明】 1,2動作部 3:干渉領域 3a:X−Z平面に投影した干渉領域 3b:Y−Z平面に投影した干渉領域 10:ベッド 11:刃物台ベース 12:ガイドブッシュ 13:XYテーブル 14:刃物台 15:バイト 16:回転工具 17:背面刃物台 18:背面加工用の工具 20:背面主軸台 21:チャック 22:対向刃物台 23:相対回転工具 30:駆動部 40:システム制御部 44:操作盤 45:入出力制御部 46:システム制御用プログラムメモリ 48:加工プログラム格納部 50:RAM 52:加工動作制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05B 19/19 G05B 19/19 M

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 干渉する可能性の有る複数の動作部を持
    つNC工作機械において、 該NC工作機械の動作中に、前記複数の動作部のそれぞ
    れ予めNC装置に設定してある形状での今後の軌跡を求
    め、該複数の動作部の今後の軌跡が交差して重なる干渉
    領域を設定し、 前記各動作部が前記干渉領域に進入する前に該干渉領域
    に進入する優先順位を確認して、該動作部の優先順位が
    一番高い場合には進入させ、他に優先順位が高い動作部
    がある場合には該干渉領域に進入する前に停止させ、優
    先順位が高い動作部が干渉領域の外に出て干渉しなくな
    り、優先順位が一番高くなってから該干渉領域に進入さ
    せることを特徴とするNC工作機械における干渉回避方
    法。
  2. 【請求項2】 NC工作機械の動作中に、前記NC装置
    が使用中の加工プログラムを複数ブロック先読みして複
    数の動作部の今後の軌跡を求め、該複数の動作部の今後
    の軌跡が交差して重なる干渉領域を、2次元の干渉チェ
    ックでは面、3次元の干渉チェックでは立体としてそれ
    ぞれ設定することを特徴とする請求項1記載のNC工作
    機械における干渉回避方法。
  3. 【請求項3】 前記優先順位を、前記NC装置に予め設
    定しておくことを特徴とする請求項1又は2記載のNC
    工作機械における干渉回避方法。
  4. 【請求項4】 前記優先順位を、前記複数の動作部が前
    記干渉領域に時間的に早く到達する順に設定することを
    特徴とする請求項1又は2記載のNC工作機械における
    干渉回避方法。
  5. 【請求項5】 前記優先順位を、加工動作中の動作部に
    対して加工中でない動作部より高く設定することを特徴
    とする請求項1又は2記載のNC工作機械における干渉
    回避方法。
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