JPH0826092B2 - 重合体粒子 - Google Patents

重合体粒子

Info

Publication number
JPH0826092B2
JPH0826092B2 JP60279198A JP27919885A JPH0826092B2 JP H0826092 B2 JPH0826092 B2 JP H0826092B2 JP 60279198 A JP60279198 A JP 60279198A JP 27919885 A JP27919885 A JP 27919885A JP H0826092 B2 JPH0826092 B2 JP H0826092B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
latex particles
carboxylic acid
particles
polymer particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60279198A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62138502A (ja
Inventor
信一 木村
義人 枝
勝男 三谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP60279198A priority Critical patent/JPH0826092B2/ja
Publication of JPS62138502A publication Critical patent/JPS62138502A/ja
Publication of JPH0826092B2 publication Critical patent/JPH0826092B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、水媒体中で保存安定性のよい重合体粒子に
関する。特に、酵素,蛋白質,細菌,ウイルス,毒素及
びその他生物活性物質などを固定化して診断用試薬とし
て好適に使用し得る重合体粒子を提供するものである。
(従来の技術及び発明が解決しようとする問題点) 抗原・抗体反応を利用する免疫学的検査において、疑集
反応は沈降反応,補体結合反応と共に、あるいはこれら
に比して著しく簡便かつ鋭敏な反応として利用されてい
る。そして、凝集反応は、遊離細胞や細菌膜表面に局在
する抗原を検出する反応と共に、抗原・抗体の精製技術
の進歩により特異性の高い抗血清が得られることによっ
て、特異性の高い抗体を血球粒子,ベントナイト粒子,
カオリン粒子,ラテックス粒子などの粒子担体に固定さ
せておき、対応する抗原を凝集反応によって検査するな
ど、臨床検査における応用範囲が著しく拡大している。
しかも近年、抗原の精製技術の進歩,特異性の高い抗
体の開発、更には定量分析技術の発展に伴ない、鋭敏性
が高く、非特異的凝集反応が起こらない、しかもより保
存安定性に優れた等の性状を有する診断用試薬の開発が
要望されている。
免疫学的凝集反応用としての担体は種々のものが公知
で、該担体を使用した種々の診断用試薬が知られてい
る。これらを大別すると、免疫活性物質を物理的に吸着
した診断用試薬と、免疫活性物質を共有結合させた診断
用試薬になる。これらの試薬にはそれぞれ一長一短があ
り、現在なお完全に満足できる診断用試薬は存在しな
い。
これらの診断用試薬としては、保存時には自然凝集を
起こすことなく安定であり、しかも、免疫学的凝集反応
時には迅速且つ鋭敏に凝集を生じるものが望ましい。し
かしながら、診断用試薬に、免疫学的凝集反応時の迅速
性及び鋭敏性を保持したまま、保存時の安定性を向上さ
せることは困難である。即ち、過度のコロイド化学的安
定性を付与された診断用試薬は保存安定性には優れるも
のの、免疫学的凝集反応の迅速性及び鋭敏性が十分では
ない。
逆に、免疫学的凝集反応の迅速性及び鋭敏性を上げよ
うとすれば、非特異的に自然凝集して保存性に劣るため
に、診断用試薬として利用し得なくなる。診断用試薬と
して用いるラテックス粒子の保存安定性を向上させる手
段として水溶液中で強く解離しうる官能基、例えば、ア
ルボキシル基、スルホン酸基等をラッテクス粒子表面に
導入する方法が古くから採用されている。例えば、ジャ
ーナル・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス,
(Journal of Applied Polymer Science)20巻,1745−1
752頁(1976年)には、カルボキシル基含有ビニル系単
量体とステンレスを乳化剤不存在下に水媒体中で共重合
してラテックス粒子を製造する方法が述べられている。
しかし、このようなカルボキシル化ラテックス粒子は、
カルボキシル基濃度と共に安定性が増加するが、免疫学
的凝集反応の迅速性と鋭敏性が著しく低下する欠点があ
る。また、スルホン酸基を導入する方法としては、スル
ホン酸基を有する陰イオン界面活性剤存在下にラテック
ス粒子を乳化重合する方法が知られているが、ラテック
ス粒子に吸着した陰イオン界面活性剤がラテックス粒子
から脱離し易い。そのために、この方法は、ラテックス
粒子の長期間の保存安定性を保持するのは困難であると
いう欠点を有している。さらに、ラテックス粒子の重合
時に過硫酸塩を重合開始剤として用い、ラテックス粒子
に開始剤切片としてスルホン酸基を導入する方法もよく
知られている。しかし、この方法は、ラテックス粒子に
導入される開始剤切片量に限界があるために充分な安定
性が得られないだけでなく、開始剤濃度を増やすと粒子
径を大きくできないという欠点を有している。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、診断用試薬の免疫学的凝集反応時に於
ける迅速性及び鋭敏性を犠牲にすることなく、保存時の
安定性を向上させることを目的として、鋭意研究を重ね
てきた。その結果、診断用試薬の担体として用いられる
ラテックス粒子に特定の界面活性剤を吸着させることに
より、診断用試薬の担体として好適に使用し得る重合体
粒子が得られることを見い出し、本発明を完成させる至
った。即ち本発明は、疎水性ビニル系単量体の重合体よ
り得られるラテックス粒子の表面に、カルボン酸基、ス
ルホン酸基、又はりん酸基より選ばれるイオン性基1個
と炭素数4〜30の直鎖部分を有する脂肪族炭化水素基の
複数個とを有するカルボン酸エステル、りん酸エステ
ル、及びカルボン酸アミドより選ばれる化合物の少なく
とも1種のイオン性有機化合物が緊密に付着存在してい
ることを特徴とする重合体粒子である。
本発明で用いられるラテックス粒子は、特に制限され
ず公知のもの使用される。しかし後述するイオン性有機
化合物を強固に吸着して、保存時のイオン性有機化合物
の離脱を防止するためには、ラテックス粒子の表面は疎
水性であるのが望ましい。従って本発明にあっては疎水
性ビニル系単量体を重合して得た重合体より得られるラ
テックス粒子を用いるものである。特に本発明の重合体
粒子を診断用試薬に用いる場合には、迅速性,鋭敏性及
び保存安定性の向上に寄与する官能基に容易に変換し得
るエポキシ基がラテックス粒子に導入されていることが
特に好ましい。
上記のラテックス粒子の表面を疎水性にするために
は、ラテックス粒子が、次式〔I〕 (但し、R1は水素原子又はアルキル基であり、R2はハ
ロゲン原子、置換若しくは非置換のフェニル基、アルコ
キシカルボニル基、アシルオキシ基、アルコキシ基又は
シアノ基である。) で示される疎水性ビニル系単量体単位を含んでいること
が好ましい。ここで、フェニル基の置換基としては特に
限定されないが、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アル
キル基等を挙げることができる。このような疎水性ビニ
ル系単量体単位の中でもR2が置換若しくは非置換のフェ
ニル基、塩素原子、又はアルコキシカルボニル基でる疎
水性ビニル系単量体単位が好ましい。このような単量体
単位を与える単量体としては、例えば、スチレン、ビニ
ルトルエン、クロロメチルスチレン、クロルスチレン、
塩化ビニル、臭化ビニル、メチルメタアクリレート、エ
チルメタアクリレート、プロピルメタアクリレート、酢
酸ビニル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエー
テル、ブチルビニルエーテル、アクリロニトリル、メタ
アクリロニトリル等が好適に用いられ、特に、スチレ
ン、ビニルトルエン、クロロメチルスチレン、塩化ビニ
ル、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート
等が好ましく採用される。また、ラテックス粒子表面
に、次式〔II〕 (但し、Rは水素原子又はアルキル基である。)で示
される単量体単位を有しているものが本発明に於いて好
適に用いられる。〔II〕式で示される単量体単位を与え
る疎水性ビニル系単量体としては、グリシジルアクリレ
ート、グリシジルメタアクリレート等が例示される。
上記〔I〕式もしくは〔II〕式で示されるいずれか一
方の単量体単位のみで構成されているラテックス粒子、
または、上記〔I〕式及び〔II〕式で示される単量体単
位の両方で構成されているラテックス粒子は、本発明に
於いて特に好適に使用される。
本発明の重合体粒子を前述の吸着型の診断用試薬に用
いる場合には、前記〔I〕式で示される単量体単位の含
有量は、ラテックス粒子中に0.05〜15モル%存在するこ
とにより、一般にラテックスに疎水性を付与し本発明の
目的に適合し得る重合体粒子となる。また、共有結合型
の診断用試薬に用いる場合には、上記〔II〕式で示され
る単量体単位の含有量はラテックス粒子中に20〜100モ
ル%、好ましくは、30〜99モル%の範囲から選ぶことが
好適である。
尚、本発明の重合体粒子を診断用試薬として用いる場
合は、診断用試薬の性質に悪影響を及ぼさない範囲で、
例えば、20モル%以下の範囲で親水性ビニル系単量体単
位がラテックス粒子中に含まれていても良い。親水性ビ
ニル系単量体単位を与える単量体としては、例えば、メ
タクリル酸、アクリル酸、スチレンスルホン酸、スチレ
ンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ビニルピロリドン、ポリエチレング
リコール(メタ)アクリル酸エステル等が挙げ下られ
る。即ち、この場合における好ましい態様の一つは、単
量体として、前記式[I]及び[II]より選ばれた1種
又は2種以上の疎水性ビニル系単量体を80乃至100モル
%及び親水性ビニル系単量体を20乃至0モル%含有する
重合体より得られるラテックス粒子となる。
更にまた、必要に応じて、ジビニルベンゼン、エチレ
ングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコール
ジメタクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエー
テル等の架橋性単量体も好適に使用できる。
以上に述べたラテックス粒子を得るための重合方法は
特に限定されず、公知の方法が好適に採用される。例え
ば、アニオン性界面活性剤、非イオン系界面活性剤の存
在下に水媒体中で水溶性ラジカル開始剤を用いて乳化重
合する方法、界面活性剤を使わずに水媒体中で水溶性ラ
ジカル開始剤を用いて不均一重合する方法、部分けん化
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の保護
コロイドの存在下に懸濁重合する方法、ビニル系単量体
は溶解するが重合体は溶解しない有機溶媒中で沈澱重合
する方法等が採用される。
本発明で使用するラテックス粒子の平均粒子径は特に
限定されないが、凝集反応による診断用試薬に用いる場
合には、その鋭敏性や保存安定性を良好にするために一
般には0.05乃至10ミクロンの範囲内にあることが好まし
い。さらにまた、該ラテックス粒子は、粒子径の分散値
の小さい方が、再現性が良いために望ましい。例えば、
粒子径の分散値は10%以下、さらには5%以下であるこ
とが好ましい。尚、本発明に於ける分散値とは、標準偏
差を平均粒子径で除して100をかけた値であり、単位を
%で表示したものである。
本発明で用いるラテックス粒子は、エポキシ基を有す
る場合、エポキシ基の濃度は2〜20,000μmol/g−ラテ
ックス粒子、さらに5〜10,000μmol/g−ラテックス粒
子であることが好ましい。
本発明の重合体粒子を吸着型の診断用試薬として用い
る場合、〔II〕式で示される単量体単位を含有するラテ
ックス粒子については、エポキシ基を加水分解してジヒ
ドロキシル基に変換することが好ましい。また、共有結
合型の診断用試薬として用いる場合は、ジヒドロキシル
基をさらにホルミル基に変換することが望ましい。この
ようなエポキシ基の他の官能基への変換は、後述するイ
オン性有機化合物を吸着させる前であっても後であって
も良い。しかし、エポキシ基の他の官能基への変換反応
の際に、一度ラテックス粒子に吸着されたイオン性有機
化合物が離脱する惧れがあるため、ラテックス粒子にイ
オン性有機化合物を吸着させる前に他の官能基に変換し
ておくことが好ましい。
ジヒドロキシル基の導入には、グリシジル(メタ)ア
クリレート単量体単位を有するラテックス粒子を加水分
解し、エポキシ基をジヒドロキシル基に変換することに
より行なうことができる。ホルミル基の導入には、さら
に酸化剤で処理することにより行なう。即ち、この反応
は、種々の測定の結果、下記式のように進行しているも
のと推測できる。
上記のエポキシ基の加水分解は、公知の方法によって
行なわれる。一般には中性の水媒体中、30分乃至2時
間、70℃乃至90℃に加熱して行なう。加熱の際に若干の
凝集物が生じる場合があるので、ろ紙でろ過を行なう方
が好ましい。
上記して得られた隣接した2個の水酸基は酸化剤によ
り容易にホルミル基に変換される。即ち、水媒体中に1
〜10重量%の範囲で懸濁させたラテックス粒子に酸化剤
単独、又は酸化剤と酸の混合物をジヒドロキシル基の1
〜100倍モル添加し、4℃乃至60℃で10分間乃至1週間
撹拌を続ける。用いられる酸化剤としては次のものが挙
げられる。過ヨウ素酸、過塩素酸、過塩素酸ナトリウ
ム、過塩素酸カリウム、過ヨウ素酸カリウム等の1,2−
グリコールを酸化する能力のあるものであれば限定され
ない。また、酸としては、酢酸の他、硫酸,塩酸,ギ
酸,硝酸等が挙げられる。
上記の方法で導入されたラテックス粒子中のジヒドロ
キシル基及びホルシル基の濃度は、夫々50〜1200μmol/
g−ラテックス粒子、さらに100〜1000μmol/g−ラテッ
クス粒子であることが好ましい。
本発明の重合体粒子は、上記のラテックス粒子にイオ
ン性有機化合物が吸着されている。本発明で用いられる
イオン性有機化合物としては、 (イ)炭素数4〜30の直鎖部分を有する有機基より選ば
れる疎水性基(以下単に直鎖疎水基ともいう)を複数有
し、且つ (ロ)イオン性基を1ヶ有する という特徴があれば公知の化合物から制限なく用いられ
る。
本発明において、炭素数4〜30の直鎖部分を有する有
機基とは、直鎖状に連なった炭素原子が、4〜30存在す
ることを意味し、それらの炭素鎖にハロゲンなどが置換
されていてもよいし、また分枝があってもよい。但し分
枝にあっては、炭素数2個迄のものが包含される。
該直鎖疎水基の数は、得られる重合体粒子の保存安定
性及びイオン性有機化合物の製造上の原料入手の点から
2又は3であることが好ましい。
イオン性有機化合物のイオン性基とは酸性基または塩
基性基の総称として定義される。ここで酸性または塩基
性とはブレンステッド酸またはブレンステッド塩基を意
味し、酸性基としては一般にスルホル酸基、カルボキシ
ル基、リン酸基、フェノール性水酸基、およびこれらが
塩となったもの、塩基性基としては一般にアミノ基、置
換アミノ基、第四アンモニウム基、およびこれらが塩と
なったものが好適に使用される。
特に、酸性基は、得られる重合体粒子の保存安定性が
向上するために好ましい。
イオン性有機化合物中に含まれるイオン性基の数が得
られる重合体粒子の保存安定性の点から、1つであるこ
とが好ましい。
本発明で好適に使用されるイオン性有機化合物の代表
的なものを以下に具体的に示す。
〔但し、R3,R4及びMは、上記の〔A〕式と同様であ
る。〕 即ち、本発明にあっては、イオン性有機化合物とし
て、上記[A]〜[E]に示す如く、スルホン酸基、リ
ン酸基またはカルボン酸基をイオン性基として1ヶ有す
るカルボン酸エステル、りん酸エステル及びカルボン酸
アミドより選ばれる化合物の少なくとも1種類よりなる
イオン性有機化合物が用いられる。また該イオン性有機
化合物が有する複数の直鎖疎水基は、夫々炭素数4〜30
の直鎖状部分を有するアルキル基、アルケニル基または
アルキニル基、即ち脂肪族炭化水素基であって、代表的
な基として本願発明で好適なものを具体的に示すと次の
とおりである。例えば、 CH3(CH2)5−, CH3(CH2)6−,CH3(CH2)12−,CH3(CH2)30−,CH3−CH=
CH(CH2)3−, CH3C≡C(CH2)3−, 等が挙げられる。
また、Mとしては、一般に有機,無機の陽イオンとな
る原子または原子団が採用できるが、特に好適に採用さ
れるものをより具体的に例示すれば、水素、アルカリ金
属原子、アルカリ土類金属原子(この場合前記[A]乃
至[E]式の陰電荷を有する部分は2分子、Mが2価と
なる)、アンモニウム原子団を挙げることができる。さ
らにまた、k,m及びnは正の整数であり,lは0又は正の
整数であればよいが、特に好ましくは、k,m及びnは1
〜10であり、lは0又は1である。
上記のイオン性有機化合物をラテックス粒子に吸着さ
せるに際しては、ラテックス粒子と該イオン性有機化合
物とを水,生理食塩水,各種緩衝液等のような水性溶媒
中で接触させるのがよく、好ましくは数分間から数時間
の超音波処理を行うとよい。さらに具体的には、ラテッ
クス粒子を1〜30の重量%、好ましくは5〜10重量%に
なるように水性溶媒に懸濁させた後に、イオン性有機化
合物を添加し、室温で該イオン性有機化合物の吸着が平
衡に達してからラテックス粒子を分離する。次いで上澄
液を除去してからラテックス粒子を緩衝液に再分散させ
る。必要に応じてこの操作をくり返すこともできる。
ラテックス粒子に対する上記したイオン性有機化合物
の吸着量は、ラテックスの種類、目的とする免疫学的凝
集反応の種類などにより適宜選定することができ、一般
にラテックス粒子に対し約0.01〜2重量%好ましくは0.
1〜1重量%であることが好適である。
このようにして得られた重合体粒子は、特に免疫活性
物質を感作することにより免疫学的反応用診断用試薬と
して好適に使用される。免疫活性物質としては、たとえ
ば凝集反応,凝集阻止反応などに利用しうる各種抗原、
抗体などのいずれであってもよい。代表的なものを例示
すれば、例えば、変性ガンマグロブリン、リウマチ因
子、抗核因子、ヒトアルブミン、抗ヒトアルブミン抗
体、イムノグロブリンG(IgG)、イムノグロブリンA
(IgA)、イムノグロブリンM(IgM)、ストレプトリジ
ンO、抗ストレプトリジンO抗体、C−反応性蛋白、抗
C−反応性蛋白抗体、アルファーフェトプロテイン(AF
P)、抗AFP抗体、癌胎児性抗原(CEA)、抗CEA抗体、ヒ
ト胎盤ラクトゲン(HPL)、抗HPL抗体、ヒト絨毛性ゴナ
ドトロピン(HCG)、抗HCG抗体、抗エストロゲン抗体、
抗インシュリン抗体、B型肝炎表面抗原(HBS)、抗HBS
抗体、梅毒トレポネーマ抗原、風疹抗原、補体成分
C1q、抗補体成分C1q抗体、等の公知の免疫活性物質をあ
げることができる。
重合体粒子を免疫活性物質で感作するにさいしては、
公知の感作処理を採用することができる。例えば、重合
体粒子と免疫活性物質とを水,生理食塩水,各種緩衝液
などの水性媒体中で接触させるのがよく、一般に、免疫
活性物質含有液と重合体粒子とを混合し、放置すること
により行なわれる。免疫活性物質含有液としては、核免
疫活性物質を含有する血清、プラズマもしくは精製活性
物質浮遊液などが挙げられる。感作処理は、一般にpH約
6.0〜8.6、約4〜37℃の温度で行なうのが好ましい。
このようにして得られる診断用試薬は、必要により水
性溶媒で洗浄したのち、一般に水性溶媒に浮遊せしめた
状態で免疫学的凝集反応に供される。通常約0.5〜1重
量%程度の重合体粒子懸濁液として使用するのが好まし
い。
(作用) 本発明で用いられるイオン性有機化合物は直鎖アルキ
ル基、直鎖アルケニル基、直鎖アルキニル基のいづれか
の疎水基を複数個有しているため、水性媒体中での溶解
性が低く、ラテックス粒子が同じ媒体中に共存する場
合、溶解平衡がラテックス粒子側に傾き、ラテックス粒
子の疎水性面と強固な結合を形成する。また同じ理由で
上記イオン性有機化合物は離脱しにくく、長期間にわた
り安定化効果が継続するものと思われる。また、疎水基
の1つが離脱しても他の疎水基で吸着は保たれており、
脱離−吸着平衡が吸着側に傾いているのも、安定化効果
の長期持続の理由は1つであると考えられる。
(効果) 本発明の重合体粒子は、水性媒体中で極めて安定であ
り、保存安定性に優れている。しかも、免疫活性物質を
吸着或いは共有結合させることによって診断用試薬とし
て用いた場合にも、極めて優れた迅速性及び鋭敏性を示
す。即ち、本発明は、診断用試薬の担体として使用した
とき迅速性及び鋭敏性を犠牲にすることなく、保存安定
性の良好な重合体粒子を提供するものとして、その価値
は極めて大きい。
以下に実施例によって、本発明の重合体粒子が診断用
試薬の担体としてすぐれていることを示すが、本発明
は、これらの実施例に限定されるものではない。
尚、実施例に於けるホルミル基の定量は以下の方法に
より行なった。
水媒体中に懸濁したラテックス粒子にエタノールアミ
ンを予想されるホルミル基量に対し50〜100倍モル量加
え、40℃で一夜反応後、遠心分離と上澄除去をくり返し
て充分に洗浄する。その後、乾燥試料を作成し、微量窒
素測定装置(TN−02型三菱化成製)で窒素量を測定し、
ホルミル基量を決定した。
実施例1及び比較例1 (1)ラテックス粒子の調製 撹拌機付きガラス製フラスコを窒素置換した後に、蒸
留水2700mlを加えて70℃に保った後に、窒素雰囲気下、
撹拌下に過硫酸カリウム4ミリモル/l、チオ硫酸ナトリ
ウム2ミリモル/l、及び硫酸銅0.2ミリモル/lを添加し
た。次いで、70℃に加温したグリシジルメタクリレート
1.5モル及びスチレン0.5モルの混合物を添加して70℃で
6時間重合した。重合後、室温まで冷却してから得られ
たラテックス粒子をろ紙(No2)でろ別して大きな凝集
体を除いた。次いで透析を行なった後に遠心分離、蒸留
水への再分散の操作をくり返した。そして、イオン交換
樹脂で脱イオン操作を行い、更に遠心分離と洗浄を行な
ってラテックス粒子を精製した。得られたラテックス粒
子の粒子径は0.304μmであった。また、粒子径の分散
値は4.5%であった。
(2)ラテックス粒子のホルミル化 得られたラテックス粒子を2%濃度で蒸留水に分散し
た懸濁液100mlを98℃で2時間加熱することにより、ラ
テックス粒子のエポキシ基を加水分解した。得られたラ
テックス粒子をろ紙(No2)でろ別した。次いで5重量
%濃度に再調製したラテックス懸濁液20mlに過ヨウ素酸
ナトリウム10mmolと酢酸10mmolの混合物20mlを添加し、
40℃、一夜撹拌した。pHが6.5以上になるまで透析をつ
づけた。かくして得られたラテックス粒子のホルミル基
濃度は850μmol/g−ラテックス粒子であった。
(3)イオン性有機化合物の吸着 上記の(2)で得られたラテックス粒子を1重量%濃
度で蒸留水に分散した懸濁液30mlにコハク酸ジドデシル
スルホン酸ナトリウム 100mgの水溶液50mlを添加し、超音波処理を2時間行な
った。得られた懸濁液を遠心分離し、上澄液除去を充分
にくり返し、ホラ酸懸濁液(0.1M pH8.2、NaCl0.05M、
以下BBSと略す)にラテックス濃度が1重量%になるよ
うに再分散せしめる。微量イオウ分析装置(三菱化成
製)で分析した結果、コハク酸ジドデシルスルホン酸ナ
トリウムの吸着量は2.5mg/g重合体粒子であった。
(4)ヒトIgGを固定化した診断用試薬の調製 ヒトIgGをBBSにより希釈し、1mg/mlに調製した。次い
で倍数希釈法によりヒトIgGをBBSにより希釈してヒトIg
G希釈液を調製した。1重量%濃度をラテックス粒子1
容にヒトIgG希釈液1容を加え、4℃にて20時間静置し
て診断用試薬を調製した。その後遠心分離した後に固型
分濃度が0.5%となるように診断用試薬をBBSに懸濁さ
せ、4℃で保存した。
(5)抗原・抗体反応 ヒトIgGをウサギに免疫して得た抗ヒトIgGウサギ全血
清を60℃、30分間非動化処理を行なった。この血清を以
下抗ヒトIgGウサギ血清と呼ぶ。
抗ヒトIgGウサギ血清をBBSで20倍に希釈したものを原
液とし、倍数希釈法により抗ヒトIgGウサギ血清をBBSで
希釈して抗ヒトIgGウサギ血清希釈液を調製する。抗原
・抗体反応を行なうために10穴のホールグラスを用意
し、BBSで希釈した抗ヒトIgGウサギ血清を各ホールに40
ml加える。次いでヒトIgGを固定化した診断用試薬のBBS
分散液を各ホールに40μl加える。この後直ちに平沢製
作所製テーハー式撹拌機によりホールグラスを1分間に
120回転の速度で水平回転し撹拌を行なう。抗原・抗体
反応により診断用試薬の凝集の有無から、ヒトIgGを固
定化した診断用試薬の特性である鋭敏性を評価した。ホ
ールグラスを用いた診断用試薬の感作1日後及び3か月
後の凝集試験結果を夫々図1(A),図1(B)に示
す。
尚、参考のためにイオン性有機化合物を吸着させなか
ったラテックス粒子の感作1日後の凝集試験結果を図1
(C)に示した。10分間の撹拌の後に凝集が全く認めら
れない場合(−)、凝集の有無が判定しがたい場合
(⊥)、明らかに凝集が認められる場合は凝集の強い順
に()、()、(+)と判定した。図中Cは抗原お
よび抗体を全く含まないことを示す。凝集試験の結果、
明らかに凝集の認められたホールに於ける抗ヒトIgGウ
サギ血清希釈液の最高希釈倍数をもって、診断用試薬の
鋭敏性を評価した。
また診断用試薬の特性として、分散安定性を評価し
た。すなわち、重合体粒子にヒトIgG希釈液を加え室温
で2時間放置した後の診断用試薬の分散状態をもって1
日後の分散安定性を評価した。またヒトIgG固定化後3
か月経過した後の診断用試薬の分散状態をもってヒトIg
Gを固定化した診断用試薬の保存中の分散安定性を評価
した。
その結果、鋭敏性は1日後×5120、3か月後×5120、
分散安定性は1日後1本の非特異凝集、3か月後も1本
の非特異凝集が認められた。
尚、比較例1として、前記(3)のコハク酸ジドデシ
ルスルホン酸ナトリウムの代りにドデシルスルホン酸ナ
トリウムを用いた以外は実施例1と同様の操作を行ない
性能を調べた。鋭敏性は1日後×2560、3か月後×5120
であった。また分散安定性は1日後2本の非特異凝集、
3か月後4本の非特異凝集が認められた。その凝集結果
を図2に示した。
また、比較例2として、実施例1の(3)イオン性有機
化合物の吸着におけるコハク酸ジドデシルスルホン酸ナ
トリウムの代わりにドデシルベンゼンジスルホン酸ナト
リウムを用いた以外は実施例1と同様に操作を行い性能
を調べた。鋭敏性は1日後×2560、3か月後は×5120で
あった。また分散安定性は1日後2本の非特異凝集、3
か月後は4本の非特異凝集が認められた。その凝集結果
を図3に示した。
実施例2 実施例1の(2)で得られたホルミル化ラテックス粒
子をコハク酸ジドデシルスルホン酸カリウムで実施例1
と同様にして処理した。コハク酸ジドデシルスルホン酸
カリウムの吸着量は、2.1mg/g−ラテックス粒子であっ
た。
60℃で10分間加熱処理したヒトIgGをBBSにより希釈し
1mg/mlに調製した。上記ラテックス粒子の懸濁液1容と
熱変性したヒトIgG希釈液1容を加え、撹拌し室温下2
時間放置した。次いで遠心分離した後にBBSに再分散し
た。このようにして得られた診断用試薬1容とリウマチ
患者血清1容をスライドグラス上で1分間混合した時の
凝集試験の結果を以下の表に示す。市販RA試薬を用いた
同じ患者の検査成績と比較した。
すなわち本発明の診断用試薬はリウマチ患者の検定に
おいて市販RA試薬とより相関を示した。
また、上記に用いた同じ試薬で同様な検査を3か月後
に行なった結果を以下の表に示す。
市販RA試薬では患者No1とNo6において前回と異なった
結果を得た。すなわち、市販RA試薬では長期保存中に非
特異凝集を起こし、特定の患者血清で過大評価を示す
が、本発明の診断用試薬はすぐれた保存安定性を示して
いる。
実施例3 実施例1の(2)で得られたホルミル化ラテックス粒
子をコハク酸ジオクタデシルスルホン酸ナトリウムで実
施例1と同様にして処理した。コハク酸ジオクタデシル
スルホン酸ナトリウムの吸着量は、2.3mg/g−ラテック
ス粒子であった。
ヤギの産生したアルファーフェトプロテイン(以下AF
Pと略す)の抵体をアフィニティクロマトにより精製し
て得た精製AFP抗体を1mg/ml濃度に含有するBBSを調製し
た後に倍数希釈法により希釈してAFP抗体希釈液を調製
した。1重量%濃度の重合体粒子の懸濁液1容にAFP抗
体希釈液1容を加え撹拌下に室温で2時間放置した、そ
して遠心分離した後に固型分濃度が0.5重量%となるよ
うにBBSに調製し4℃に保存した。
検体としてヒト血清中のAFP濃度が1000μg/mlである
ものを原液とし、BBSで希釈系列を調製した。実施例1
と同様にしてガラス製10穴のホールグラスにBBSで希釈
したAFPを各ホールに0.04ml加え、次いでAFP抗体を固定
化した診断用試薬の分散液を各ホールに0.04ml加えて実
施例1と同様の操作で鋭敏性,分散安定性を調べた。そ
の結果、鋭敏性は1日後,3か月後共に50μg/mlであっ
た。分散安定性は1日後,3か月後共に非特異凝集は認め
られなかった。
実施例4 (1)ラテックス粒子の調製 撹拌機付きガラス製フラスコを窒素置換した後に、蒸
留水2700mlを加えて70℃に保った後に、窒素雰囲気下、
撹拌下に過硫酸カリウム4ミリモル/lを添加した。次い
で、70℃に加温したグリシジルメタクリレート2ミリモ
ル及びスチレン2.0モルの混合物を添加して70℃で30時
間重合した。重合後、実施例1と同様にして精製した。
得られたラテックス粒子の粒子径は0.380μmであり、
粒子径の分散値は、6.2%であった。また、エポキシ基
の濃度は5μmol/g−ラテッスク粒子であった。
(2)イオン性有機化合物の吸着 上記で得られたラテックス粒子を1重量%濃度で蒸留
水に分散した懸濁液30mlにジオクチルリン酸ナトリウム 100mgの水溶液50mlを添加し、超音波処理を2時間行な
った。得られた懸濁液を遠心分離し、上澄除去を充分に
くり返し、BBSにラテックス濃度が1重量%になるよう
に再分散せしめる。原子吸光分析装置で分析した結果、
ジオクチルリン酸ナトリウムの吸着量は3.8mg/g−重合
体粒子であった。
得られた重合体粒子に実施例1(4)と同様にしてヒ
トIgGを固定化した。抗ヒトIgGウサギ血清を用いた凝集
試験の結果、鋭敏性は1日後×2560、3か月後×5120、
分散安定性は1日後、3か月後も非特異凝集は認められ
なかった。
実施例5 実施例4の(1)で得られたラテックス粒子ジドデシ
ルリン酸カリウムで実施例4と同様にして処理した。電
導度滴定で分析した結果、吸着量は4.2mg/g重合体粒子
であった。
かくして得られた重合体粒子を固型分濃度1重量%で
BBSに分散させた。次いでヒト胎盤ラフトゲン(HPL)を
2000IU/ml濃度に含有するBBSを調製した後に倍数希釈法
によりHPLをBBSにより希釈してHPL希釈液を調製した。
1重量%濃度の重合体粒子1容にHPL希釈液1容を加え
撹拌下に室温で2時間放置した後、ウシ血清アルブミン
を0.2重量%濃度になるように添加し4℃で撹拌下に20
時間放置した。次いで遠心分離した後にウシ血清アルブ
ミンを0.05重量%濃度で添加したBBSに再分散し、固型
分濃度を0.5重量%に調製した。
精製した抗HPLウサギ血清をBBSで20倍に希釈したもの
を原液とし、倍数希釈法により抗HPLウサギ血清をBBSで
希釈して抗HPLウサギ血清希釈液を調製する。実施例1
と同様にして、ガラス製10穴のホールグラスにBBSで希
釈した抗HPL血清を各ホールに40μl加える。次いでHPL
を固定化した診断用試薬の分散液を各ホールで40μl加
えて、実施例1と同様の操作で鋭敏性,分散安定性を調
べた。その結果、鋭敏性は1日後,3か月後共に×40であ
った。分散安定性は1日後、3か月後共に非特異凝集は
認められなかった。
実施例6 実施例1の(2)で得られたラテックス粒子に表1に
示す種々のイオン性有機化合物を吸着させた以外は、実
施例1と同様にして重合体粒子を製造した。イオン性有
機化合物の吸着量は表1に示したとおりであった。さら
に、実施例1と同様にしてヒトIgGを固定化させ、得ら
れた診断用試薬の凝集試験を行ない、その結果を表1に
併せて示した。
実施例7 撹拌機付きガラス製オートクレーブを窒素置換した後
に、蒸留水2700ccとジ−2−エチルへキシルスルホコハ
ク酸0.5gを加えて65℃に保った後に、窒素雰囲気下に過
硫酸カリウム7ミリモル/l濃度によるように添加した。
次いで65℃も加温したグリシジルアクリレート20ミリモ
ルと塩化ビニルモノマー(重合体のガラス転移温度=81
℃)880ミリモルの混合物を窒素圧でオートクレーブに
圧入して60℃に撹拌下に30分間重合した。その後塩化ビ
ニルモノマー4モルを逐次添加して60℃で5時間撹拌下
に重合した。次いで残在する未反応の塩化ビニルモノマ
ーをパージしてから、得られたラテックス粒子を濾紙
(No2)で濾別して大きな凝集体を除いた。更に粗い重
合体粒子を遠心分離で充分に除いた後に、pH=3の酸性
水溶液中でラテックス粒子上のエポキシ基を加水分解し
てジヒドロキシル基に変換した。ジヒドロキシル基の濃
度は20μmol/g−ラテックス粒子であった。次いでセロ
ファン膜で1ヶ月間透析を行なった後に、イオン交換樹
脂で脱イオン操作を行ない、更に遠心分離と洗浄を行な
ってラテックス粒子を精製した。かくして得られたラテ
ックス粒子の平均粒子径0.273ミクロンであり、粒子径
の分散値は4.9%であった。
かくして得られたラテックス粒子を1重量%濃度で蒸
留水に分散した懸濁液30mlにコハク酸ジドデシルスルホ
ン酸ナトリウム150mgの水溶液50mlを添加し、超音波処
理を90分行なった。得られた懸濁液を遠心分離し、上澄
液除去を充分に繰返した後にグリシン緩衝液(グリシン
0.1モル、pH=8.2、NaCl0.05モル)にラテックス濃度が
1重量%になるように再分散せしめた。微量イオウ分析
装置で分析した結果、コハク酸ジドデシルスルホン酸ナ
トリウムの吸着量は3.3mg/g−重合体粒子であった。
該重合体粒子を実施例1と同様の操作でヒトIgGを吸
着固定化し、抗ヒトIgGウサギ血清を用いた凝集試験の
結果、鋭敏性は1日後×640、3か月後×1280、また分
散安定性は1日後及び3か月後共非特異凝集は認められ
なかった。
実施例8 撹拌機付きガラス製フラスコを窒素置換した後に、蒸
留水2700cc及びドデシルスルホン酸ソーダ0.15gを加え
て75℃に保った後に、窒素雰囲気下,撹拌下に過硫酸カ
リウム3ミリモル/l、チオ硫酸ナトリウム3ミルモル/
l、硫酸銅0.2ミリモル/l、及び2−メルカプトエタノー
ル0.5ccを添加した。次いで75℃に加温したメチルメタ
クリレート5モルを添加して3時間撹拌下に重合した。
重合後、室温まで冷却してから、得られたラテックス粒
子を濾紙(No2)で別して大きな凝集体を除いた。更
に粗いラテックス粒子を遠心分離で充分に除いた後、イ
オン交換樹脂で脱イオン操作を行ない、更に遠心分離と
洗浄を行なってラテックス粒子を精製した。得られたラ
テックス粒子の粒子径は0.115ミクロンであり、粒子径
の分散値は9.7%であった。
かくして得られたラテックス粒子にコハク酸ジドデシ
ルスルホン酸ナトリウムを実施例7と同様にして吸着さ
せた。微量イオウ分析装置で分析した結果、コハク酸ジ
ドデシルスルホン酸ナトリウムの吸着量は3.0mg/g重合
体粒子であった。
該重合体粒子を実施例1と同様の操作でヒトIgGを吸
着固定化し、抗ヒトIgGウサギ血清を用いた凝集試験の
結果、鋭敏性は1日後×1280、3か月後×1280、また分
散安定性は1日後0本、3か月後1本の非特異凝集は認
められた。
実施例9 撹拌機付きガラス製フラスコを窒素置換した後に、蒸
留水2700ccを加えて70℃に保った後に、ジ−2−エチル
ヘキシルスルホコハク酸ナトリウム0.3g、過硫酸カリウ
ム4ミリモル/lを添加した。次いで70℃に加温したスチ
レン6モルを添加して30時間撹拌下に重合した。重合
後、実施例8と同様の操作で精製した。得られたラテッ
クス粒子の粒子径は0.171ミクロンであり、粒子径の分
散値は13.9%であった。
かくして得られたラテックス粒子にコハク酸ジドデシ
ルスルホン酸ナトリウムを実施例7と同様にして吸着さ
せた。微量イオウ分析装置で分析した結果、コハク酸ジ
ドデシルスルホン酸ナトリウムの吸着量は3.6mg/g重合
体粒子であった。
該重合体粒子を実施例1と同様の操作でヒトIgGを吸
着固定化し、抗ヒトIgGウサギ血清を用いた凝集試験の
結果、鋭敏性は1日後×2560、3か月後×2560、また分
散安定性は1日後1本、3か月後2本の非特異凝集は認
められた。
実施例10 撹拌機付きガラス製フラスコを窒素置換した後に、蒸
留水2700ccを加えて70℃に保った後に、ジ−2−エチル
ヘキシルスルホコハク酸ナトリウム0.5g、過酸酸ナトリ
ウム7ミリモル/l濃度になるように添加した。次いで70
℃に加温したビニルトルエン5モルを1時間で滴下し、
その後30時間撹拌下に重合した。重合後、実施例8と同
様の操作で精製した得られたラテックス粒子の粒子径は
0.152ミクロンであり、粒子径の分散値は11.8%であっ
た。
かくして得られたラテックス粒子にコハク酸ジドデシ
ルスルホン酸ナトリウムを実施例7と同様にして吸着さ
せた。微量イオウ分析装置で分析した結果、コハク酸ジ
ドデシルスルホン酸ナトリウムの吸着量は4.0mg/g重合
体粒子であった。
該重合体粒子を実施例1と同様の操作でヒトIgGを吸
着固定化し、抗ヒトIgGウサギ血清を用いた凝集試験の
結果、鋭敏性は1日後×1280、3か月後×2560、分散安
定性は1日後1本、3か月後2本の非特異凝集は認めら
れた。
実施例11及び比較例3 撹拌機付きガラス製フラスコを窒素置換した後に、蒸
留水270mlを加えて70℃に保った。次いで窒素雰囲気
下、撹拌下に過流酸カリウム5ミリモル/lになる様に添
加した後に、スチレン30mlを加えて24時間にわたり撹拌
下で重合した。以下実施例1と同様に操作して粒子径0.
389μmのポリスチレンラテックス粒子を得た。
次いで、実施例1と同様に操作して上記ポリスチレン
ラテックス粒子にコハク酸ジドデシルスルホン酸ナトリ
ウムを吸着させた後に、実施例1と同様の操作を行い性
能を調べた。鋭敏性は1日後×2560、3か月後も×5120
であった。また分散安定性は1日後1本の非特異凝集、
3か月後も1本の非特異凝集が認められた。その凝集結
果を図4に示した。
尚、比較例3として上記ポリスチレンラテックス粒子
にコハク酸ジドデシルコハク酸ジドデシルスルホン酸ナ
トリウム吸着させない以外は、実施例1と同様の操作を
行い性能を調べた。鋭敏性は1日後×2560であったが3
か月後は全10本が非特異凝集を示し鋭敏性の評価が不可
能であった。また。1日後の分散安定性は3本の非特異
凝集であった。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)及び第1図(B)は実施例1で得られた本
発明の集合体粒子を用いて免疫活性物質を感作させて得
られた診断用試薬の感作後1日後,3か月後の凝集試験結
果を夫々示す。 第1図(C)は実施例1で得られたラテックス粒子にイ
オン性有機化合物を吸着させずに免疫活性物質を感作さ
せて得られた診断用試薬の1日後の凝集試験結果を示
す。 第2図はイオン性有機化合物にかえてドデシルスルホン
酸ナトリウムを吸着したラテックス粒子を担体として用
いた診断用試薬の凝集試験結果(感体1日後)を示す。 第3図は実施例1のイオン性有機化合物の吸着における
コハク酸ジドデシルスルホン酸ナトリウムに代えてドデ
シルベンゼンジスルホン酸ナトリウムを用いた場合の比
較例である。 また第4図は、ポリスチレンラテックス粒子にコハク酸
ジドデシルスルホン酸ナトリウムを吸着させた場合の例
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】疎水性ビニル系単量体の重合体より得られ
    るラテックス粒子の表面に、カルボン酸基、スルホン酸
    基、又はりん酸基より選ばれるイオン性基1個と、炭素
    数4〜30の直鎖部分を有する脂肪族炭化水素基の複数個
    とを有するカルボン酸エステル、りん酸エステル、及び
    カルボン酸アミドより選ばれる化合物の少なくとも1種
    のイオン性有機化合物が緊密に付着存在していることを
    特徴とする重合体粒子
  2. 【請求項2】単量体として、下記式[I]及び[II]よ
    り選ばれた1種又は2種以上の疎水性ビニル系単量体を
    80乃至100モル%及び親水性ビニル系単量体を20乃至0
    モル%含有する重合体より得られるラテックス粒子の表
    面にカルボン酸基、スルホン酸基、又はりん酸基より選
    ばれるイオン性基1個と、炭素数4〜30の直鎖部分を有
    する脂肪族炭化水素基の複数個とを有するカルボン酸エ
    ステル、りん酸エステル、及びカルボン酸アミドより選
    ばれる化合物の少なくとも1種のイオン性有機化合物が
    緊密に付着存在していることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の重合体粒子。 式[I]; 式[II]; (但し、R1及びRは水素原子又はアルキル基、R2はハロ
    ゲン原子、置換若しくは非置換のフェニル基、アルコキ
    シカルボニル基、アシルオキシ基、アルコキシ基又はシ
    アノ基を夫々表す。)
JP60279198A 1985-12-13 1985-12-13 重合体粒子 Expired - Lifetime JPH0826092B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60279198A JPH0826092B2 (ja) 1985-12-13 1985-12-13 重合体粒子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60279198A JPH0826092B2 (ja) 1985-12-13 1985-12-13 重合体粒子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62138502A JPS62138502A (ja) 1987-06-22
JPH0826092B2 true JPH0826092B2 (ja) 1996-03-13

Family

ID=17607798

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60279198A Expired - Lifetime JPH0826092B2 (ja) 1985-12-13 1985-12-13 重合体粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0826092B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3806852A1 (de) * 1988-03-03 1989-09-14 Knoll Ag Neue (alpha)-aminodicarbonsaeure-derivate, ihre herstellung und verwendung
US5075220A (en) * 1988-10-07 1991-12-24 Eastman Kodak Company Determination of a chlamydial or gonococcal antigen using a positively-charged ionically binding support
EP1114319B1 (en) * 1998-09-17 2008-05-14 Regents Of The University Of Minnesota Composite devices incorporating biological material and methods
US7132247B1 (en) 1998-09-17 2006-11-07 Regents Of The University Of Minnesota Composite devices incorporating biological material and methods
US7745023B2 (en) 2003-08-08 2010-06-29 Regents Of The University Of Minnesota Structured material for the production of hydrogen

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56109208A (en) * 1980-02-01 1981-08-29 Sekisui Chem Co Ltd Preparation of latex for serological diagnosis reagent

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62138502A (ja) 1987-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6315551B2 (ja)
Sarobe et al. Functionalized monodisperse particles with chloromethyl groups for the covalent coupling of proteins
JPH0826092B2 (ja) 重合体粒子
JPH0613568B2 (ja) 反応性重合体粒子の製造方法
JPS6343412B2 (ja)
JP7399675B2 (ja) 粒子およびその製造方法
JP7360846B2 (ja) 検体検査用粒子およびその製造方法
JPH0215566B2 (ja)
JPH0679164A (ja) 複合重合体粒子
JPH0713641B2 (ja) 診断用試薬の製造方法
US20040018564A1 (en) Physiologically active substance-measuring reagent and method for measuring physiologically active substance
JPH04218772A (ja) 診断用試薬
JPH0326788B2 (ja)
JPH0750110B2 (ja) 免疫測定法
JPS5850646B2 (ja) 血清学的診断試薬用ラテツクスの製造方法
JPH0471922B2 (ja)
JPH0613567B2 (ja) 反応性重合体粒子及びその製造方法
JPH0682128B2 (ja) ラテツクス試薬
JPH066613B2 (ja) 重合体粒子の製造方法
JPS6315553B2 (ja)
JPH0157688B2 (ja)
JPS6315554B2 (ja)
JPS61255907A (ja) 反応性重合体粒子及びその製造方法
JP2001050963A (ja) 免疫学的凝集反応試薬
JP3452218B2 (ja) 診断試薬用ポリマーラテックスおよび診断薬