JPH08255719A - 点火トランス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は点火トランスに関するもので、その
小型化を図ることを目的とする。 【構成】 そしてこの目的を達成するために本発明は、
二次巻線５が巻き付けられた筒状のボビン３内に、その
外表面に一次巻線１０が絶縁シート９を介して直巻され
た鉄芯８を収納させる構成としたものである。上記構成
とすれば、従来二次巻線が巻き付けられていた第２のボ
ビンを排除しているので、三構成体の重合化となり、大
巾な小径化が図れ、小型化出来るものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車用エンジンなど
に用いられる点火トランスに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種点火トランスの構造は、例
えばエンジンが６気筒であれば、１つの大きな点火トラ
ンスから、ディストリビュータを介して６本の高圧線を
各エンジンの点火プラグに配線していた。

【０００３】しかし、狭いエンジンルームに於いて、６
本もの高圧線を配線することは、個々の配線と金属壁面
との距離を十分に取らなければならないという安全対策
を講じなければならないという鑑点からスペースを多く
必要とするという問題があった。

【０００４】この問題点を改善すべく、近年各気筒ごと
に点火トランスを設けることで、従来の６本もの高圧線
の配線を排除するものが提案されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記点火トランスは、
ケース内に二次巻線が巻き付けられた、第１のボビンを
収納させ、更にこの第１のボビン内に一次巻線が巻き付
けられた第２のボビンを収納させ、さらにまた第２のボ
ビン内に鉄芯を挿入する構成となっていたので、四つの
構成体の重合化によりその外径が大きくなってしまうと
いう問題点があった。

【０００６】すなわち上述のごとくエンジンは数気筒を
備えているので、夫々に装着する点火トランスが上記の
四構成体の重合化により大径化したものであると、結論
としてエンジン全体が非常に大きくなってしまうのであ
った。

【０００７】そこで本発明は点火トランスを小型化する
ことを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】そしてこの目的を達成す
るために本発明は、二次巻線が巻き付けられた筒状のボ
ビン内に、その外表面に一次巻線が絶縁シートを介して
直巻された鉄芯を収納させる構成としたものである。

【０００９】

【作用】上記構成とすれば、従来二次巻線が巻き付けら
れていた第２のボビンを排除しているので、三構成体の
重合化となり、大巾な小径化が図れ、小型化出来るもの
である。

【００１０】

【実施例】図１に於いて、１は熱可塑性樹脂よりなる有
底筒状の絶縁性ケースで、図２に示すごとく、その開口
端である他端側には、受け台２が一体に形成されてい
る。又ケース内には絶縁樹脂で形成されたボビン３が図
３に示すごとく収納されている。このボビン３の外周面
には、複数の溝４が設けられ、この溝４内に、二次巻線
５が２５０００ターン巻かれている。又このボビンの図
２に於ける下側である一端側は、図３に示すごとく、閉
止体６により、閉止されており、この閉止体６の一端側
に高圧端子７が植設されている。又この閉止体の他端側
には、開口部６ａが設けられている。さてこのボビン３
内には、図２、図３に示す鉄芯８が収納されており、こ
の鉄芯８は、ケイ素鋼板を複数枚重合させて角柱形状と
なっている。そしてこの角柱形状となった鉄芯８の外表
面に絶縁シート９が複数回巻き付けられ、その上に一次
巻線１０が２５０ターン直巻されている。この鉄芯８の
上下部は一次巻線１０が巻き付けられていない部分とな
っており、下側の一端側には、熱可塑性樹脂よりなるキ
ャップ１１が装着され、その状態で図３に示すごとく閉
止体６上面に一体に形成した凹部６ｂ内に挿入嵌合させ
ている。一方この鉄芯８の上側である他端側は、図４に
示すごとくボビン３の他端側に突出させ、ケース１の受
け台に装着される金属製スイッチングケース１２の下面
に一体に設けられた凹部１２ａ内に挿入嵌合させられ
る。すなわち、鉄芯８の一端と他端は、凹部６ｂ，１２
ａにより確実に保持されているのである。さてボビン３
の上側の他端側には、図２、図４に示すごとく、２本の
端子１３，１４が植設されており、このうち、端子１４
に二次巻線５の他端が接続されている。尚二次巻線５の
一端側は、上述のごとく高圧端子７に接続されているの
である。

【００１１】一方鉄芯８に巻き付けられた一次巻線の一
端側は、端子１４に、他端側は端子１３に接続され、そ
の状態を電気回路図で示すと、図５に示す様になる。こ
の図５に示す様に、高圧端子７にはエンジンの各気筒ご
とに設けられた点火プラグ１５が電気的に接続され、こ
の接続を確実に行なうために、図３に示すごとく、ケー
ス１には高圧端子７と接続されるとともに、点火プラグ
１５に対して、耐震的に当接するスプリング端子１６を
設けている。再び、図５にもどって説明を続けると端子
１４には車のバッテリー１７、端子１３にはスイッチン
グトランジスタ１８が接続されており、この内スイッチ
ングトランジスタ１８は図１に示すごとく、スイッチン
グケース１２内に収納されている。このスイッチングケ
ース１２内には図４に示す貫通孔１２ｂを非接触状態で
貫通した端子１３，１４が突入し、このスイッチング内
で電気的な接続が行なわれているのである。尚図１に於
いて、受け台２の後方にはコネクタ１９が設けられこの
コネクタ１９を利用して図５に示すバッテリー１７の接
続やスイッチングトランジスタ１８への制御信号の供給
が行なわれる様になっている。最後にこの状態に於い
て、受け台２の開口部には、絶縁樹脂よりなる蓋２０が
被せられている。尚この図１に於いて、スイッチングケ
ース１２が装着される前の状態に於いてボビン３の内外
には絶縁樹脂２１が充填されるのであるが、ボビン３の
一端側には、上述のごとく、開口部６ａが、設けられて
いるので、この絶縁樹脂２１の充填は、非常にスムーズ
に行なわれることとなる。又この開口部６ａは、高圧端
子７とは反対側に設けたので、この開口部６ａを介した
高圧端子７と一次巻線１０、鉄芯８との沿面距離は十分
に確保され、安全性の極めて高いものとなっている。

【００１２】さて以上の構成に於いて、図５に於けるス
イッチングトランジスタ１８が、制御信号によりＯＮ−
ＯＦＦし、一次巻線１０に電流が流れると巻線比に応じ
て約１００倍の電圧が二次巻線５に誘起されこれによっ
て得た３５ｋＶの電圧で、点火プラグ１５に於いて点火
が行なわれる。

【００１３】この様な点火制御時に於いて、鉄芯８は、
一次巻線１０の発熱により高温化するが、その他端側、
つまり熱にとって上昇する上端側は上述のごとくスイッ
チングトランジスタ１８の放熱のために設けたスイッチ
ングケース１２の凹部１２ａに挿入嵌合させられている
ので、この一次巻線１０の熱も効率よく鉄芯８、スイッ
チングケース１２を介して放熱されることになるのであ
る。

【００１４】

【発明の効果】以上のように本発明は二次巻線が巻き付
けられた筒状のボビン内に、その外表面に一次巻線が絶
縁シートを介して直巻された鉄芯を収納させる構成とし
たものである。

【００１５】そして上記構成とすれば、従来二次巻線が
巻き付けられていた第２のボビンを排除しているので、
三構成体の重合化となり、大巾な小径化が図れ、小型化
出来るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の分解斜視図

【図２】図１のものを更に分解した分解斜視図

【図３】図１の要部拡大断面図

【図４】図１の要部の一部切り欠き拡大斜視図

【図５】図１の電気回路図

【符号の説明】

１ ケース ３ ボビン ５ 二次巻線 ８ 鉄芯 ９ 絶縁シート １０ 一次巻線

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 有底筒状のケースと、このケース内に収
   納されるとともに、二次巻線が巻きつけられた筒状のボ
   ビンと、このボビン内に収納されるとともにその外表面
   に一次巻線が絶縁シートを介して直巻きされた鉄芯とを
   備えた点火トランス。
2. 【請求項２】 絶縁ケースの底部に対応するボビンの一
   端側に、キャップを収納させるとともに、このキャップ
   内に鉄芯の一端を挿入保持させた請求項１に記載の点火
   トランス。
3. 【請求項３】 鉄芯の他端をボビンの他端より外方に突
   出させるとともに、この鉄芯の他端突出部を絶縁ケース
   の他端側に装着した金属製スイッチングケースの凹部に
   突入させた請求項１又は２に記載の点火トランス。
4. 【請求項４】 ボビンの一端側を閉止するとともに、こ
   の閉止部の一端側に高圧端子を植設し、この閉止部の他
   端側には、ボビン内に臨む開口部を設け、このボビンの
   内外には、絶縁樹脂を充填した請求項１〜３のいずれか
   １つに記載の点火トランス。