JPH08253833A - 銅モリブデン合金およびその製造方法 - Google Patents

銅モリブデン合金およびその製造方法

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JPH08253833A
JPH08253833A JP8463495A JP8463495A JPH08253833A JP H08253833 A JPH08253833 A JP H08253833A JP 8463495 A JP8463495 A JP 8463495A JP 8463495 A JP8463495 A JP 8463495A JP H08253833 A JPH08253833 A JP H08253833A
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copper
powder
molybdenum
phosphorus
molybdenum alloy
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Naoyoshi Akiyoshi
直義 秋吉
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Toho Kinzoku Co Ltd
Original Assignee
Toho Kinzoku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電極材料、電気接点材料、半導体用パッケー
ジ材料、ヒートシンク等に使用される銅モリブデン合金
で、均質かつ高密度であって、熱伝導度および抗折力に
優れる合金およびその製造方法を提供する。 【構成】 銅粉末およびモリブデン粉末に微量の燐を混
合して得られた混合粉末を所定の形状に加圧成形したの
ち、得られた成形体を焼結して、0.003〜0.06
重量%の燐を含有する銅モリブデン合金焼結体を得る。
上記銅粉末およびモリブデン粉末と燐のほかに、コバル
ト,鉄,ニッケルのうちの1種又は2種以上の粉末0.
1〜0.5重量%を添加しておくのがより好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電極材料、電気接点材
料、半導体用パッケージ材料、ヒートシンク等に使用さ
れる銅モリブデン合金およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銅モリブデン合金は、銅タングステン合
金材料に比べて軽量であるという特性を生かし、近年、
エレクトロニクス分野において、半導体用のパッケージ
材料やヒートシンク部材として使用されるようになって
きた。
【0003】この銅モリブデン合金は、銅とモリブデン
が相互に固溶しないため、粉末冶金法で製造される。こ
の粉末冶金法による製造方法としては、大別して溶浸法
と混合粉末法の2種類の方法がある。溶浸法は、モリブ
デン粉末のみをプレス成形して焼結し、予め多孔質なモ
リブデンのスケルトンを作っておき、これに溶融した銅
を含浸させる方法である。また、粉末混合法は、銅粉末
とモリブデン粉末とを所定の割合で混合した混合粉末を
プレス成型し、焼結する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
溶浸法および粉末混合法による製造方法は、いずれも次
のような問題点がある。まず溶浸法については、モリブ
デン・スケルトンの多孔度の調整が困難で、銅の含有率
がばらつき易いこと、および工程数が多くなるのでコス
トが高くなるという問題である。また、粉末混合法は、
Cu(銅)粉末とMo(モリブデン)粉末とを混合する
時に、Mo粉末とCu粉末とが圧粉状態となっているた
め、焼結体時に圧粉体内部に還元性ガスが充分侵入しな
いのでMo粒子表面が充分還元されず、Mo粉末に対す
る液相のCuの濡れが悪くなりボイドの原因となってい
た。
【0005】また、Cu粉末自身も充分に還元されてい
ないため残存酸素により、熱伝導度が低下する原因とな
っていた。
【0006】そこで本発明は、燐の添加により液相のC
uのMo粒子表面への濡れ性の改善、およびCu粉末中
の酸素を脱酸することにより、均質かつ高密度であっ
て、熱伝導度および抗折力に優れる銅モリブデン合金と
その製造方法を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は以下のような構成とした。すなわち、第1
の発明にかかる銅モリブデン合金は、重量比で銅を8〜
45%、燐を0.003〜0.06%含有し、残部が実
質的にモリブデンであることを特徴としている。また、
第2の発明にかかる銅モリブデン合金は、重量比で銅を
8〜45%、燐を0.003〜0.06%、コバルト、
ニッケル、鉄のうちの1種又は2種以上を0.1〜0.
5%含有し、残部が実質的にモリブデンであることを特
徴としている。
【0008】さらに、第3の発明にかかる銅モリブデン
合金の製造方法は、銅粉末およびモリブデン粉末に、微
量の燐を混合して得られた混合粉末を、所定の形状に加
圧成形したのち、得られた成形体を焼結して、0.00
3〜0.06重量%の燐を含有する銅モリブデン合金焼
結体を得ることを特徴としている。また、第4の発明に
かかる銅モリブデン合金は、銅粉末およびモリブデン粉
末にコバルト,鉄,ニッケルのうちの1種又は2種以上
の粉末0.1〜0.5重量%と微量の燐を混合して得ら
れた混合粉末を所定の形状に加圧成形したのち、得られ
た成形体を焼結して、0.003〜0.06重量%の燐
を含有する銅モリブデン合金焼結体を得ることを特徴と
している。
【0009】すなわち上記発明では、銅モリブデン合金
を製造するに際し、燐を微量に添加する点に特徴があ
り、得られる銅モリブデン合金中には、0.003〜
0.06重量%の燐が含有される。以下、具体例を挙げ
つつ本発明を詳細に説明する。
【0010】原料である銅粉末としては、0.5〜30
ミクロン程度の比較的細かい粉末を用いるのが好まし
い。
【0011】同じく原料として使用するモリブデン粉末
は、従来粉末冶金原料として使用されてきた、粒度2〜
20ミクロンの金属粉末を使用するのが好ましい。
【0012】本発明では、上記以外に、微量成分として
燐が添加される。また、燒結を促進するために、微量の
コバルト、鉄、ニッケルのうちの1種または2種以上を
0.1〜0.5重量%添加するのが好ましい。
【0013】燐は、通常Cu3 P(燐化銅)、燐を8重
量%含んだ銅との混合粉末(市販品)、Co2 P(燐化
コバルト)、燐化ニッケルなどの形で添加するのが好ま
しい。添加された燐は焼結工程などで消費されるため
か、得られる銅モリブデン合金中に含有される(残存す
る)燐の量は添加量の40〜20重量%になるのが普通
である。本発明の銅モリブデン合金では、残存する燐の
量が0.003〜0.06重量%であることが好まし
い。発明者の実験によると、燐を添加することにより、
焼結温度を50〜80℃低くしても通常の燒結温度で燒
結したものと同等性能の銅モリブデン合金が得られると
いうメリットがある。また、同等量の硼素も脱酸素剤と
して使用可能である。
【0014】つぎに、その製法について具体的に述べれ
ば、まず銅粉末とモリブデン粉末と燐成分と、場合によ
り、例えばコバルト粉末を所定の割合で配合し、混合す
る。この混合は、例えばボールミル等のミリング装置を
用いて行うのが好ましい。混合時間は、均一な混合状態
が得られる時間であり、例えばボ−ルミルを用いる場合
は、通常80〜100時間である。なお、この場合はア
ルコール等を加えた湿式混合で行うのが好ましい。
【0015】得られた混合粉末を従来公知の方法で造粒
後加圧成形し、焼結することにより、銅とモリブデンと
が均一に分散した合金が得られる。
【0016】
【実施例1】以下の条件で半導体基板のヒートシンクに
使用するMo−18%Cu合金を試作した。使用した原
料粉末は、平均粒度5.3ミクロンの市販のモリブデン
粉末164g、平均粒度23ミクロンの市販のCu粉末
36g、平均粒度1.5ミクロンの市販のコバルト粉末
を0.45g(0.2重量%)および燐が8重量%含ま
れた銅と燐の混合粉末(以下、8PCuと呼ぶ)であ
る。8PCuの量は、以上の全原料中、0、0.26、
0.53、1.35、2.55、4.5各重量%の6水
準とした。該6水準の内、0.26、0.53、1.3
5、2.55重量%の4水準が表1に示すように、燐含
有量において本発明品に該当する。これら原料粉末にエ
チルアルコール60ccを加えてボールミル(超硬合金
ボール使用)で96時間湿式混合した。
【0017】得られた金属混合粉末に、造粒用バインダ
として、PVPをエチルアルコールに溶解して添加し
た。PVPの添加量は、1.0重量%であった。この粉
末を公知の方法で造粒し、粉末プレス機としてメカニカ
ルプレスを用いて加圧成形した。成形体の寸法は、10
×30×5(mm)であり、成形圧力は1.5トン/c
2 であった。
【0018】得られた成形体を水素雰囲気中で焼結し
た。焼結条件は、1200℃×1時間であった。この焼
結により、寸法8×24×4(mm)の銅モリブデン焼
結合金が得られた。この銅モリブデン焼結合金の特性値
は表1に示す通りであった。なお、同表における銅モリ
ブデン焼結合金(本発明品)の熱膨張係数は、6.8〜
7.2(10-6/℃)であった。
【0019】
【表1】
【0020】
【実施例2】つぎに、以下の条件でヒートシンクとして
使用するMo−32%Cu合金を試作した。使用した原
料粉末は、平均粒度3.4ミクロンのモリブデン粉末3
40g、平均粒度23ミクロンのCu粉末160g、平
均粒度1.5ミクロンのコバルト粉末を1.20gおよ
び8PCuである。8PCuの量は、以上の全原料中、
0、0.30、0.60、1.35、2.55、4.2
0各重量%の6水準とした。該6水準の内、0.30、
0.60、1.35、2.55重量%の4水準が表2に
示すように、燐含有量において本発明品に該当する。こ
れら原料粉末にエチルアルコール60ccを加えてボー
ルミルで96時間湿式混合した。
【0021】得られた金属混合粉末に、造粒用バインダ
として、PVPをエチルアルコールに溶解して添加し
た。PVPの添加量は、1.5重量%であった。この粉
末を公知の方法で造粒し、粉末プレス機としてメカニカ
ルプレスを用いて加圧成形した。成形体の寸法は、45
×45×2(mm)であり、成形圧力は1.5トン/c
2 であった。
【0022】得られた成形体を水素雰囲気中で焼結し
た。焼結条件は、1200℃×1時間であった。この焼
結により、寸法34×34×1.5(mm)の銅モリブ
デン焼結合金が得られた。この銅モリブデン焼結合金の
特性値は表2に示す通りであった。なお、同表における
銅モリブデン焼結合金(本発明品)の熱膨張係数は、
8.5〜9.2(10-6/℃)であった。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】以上の説明の如く、本発明によれば、銅
モリブデン合金において燐を含有させたことにより、焼
結密度、熱伝導率および抗折力において明らかに性能向
上が認められる。しかも純度の高い銅モリブデン合金
を、燒結法(粉末混合法)によって安全にしかも効率よ
く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1(○印)および2(△印)における燐
の含有量と焼結密度との関係を示すグラフである。
【図2】実施例1(○印)および2(△印)における燐
の含有量と熱伝導率との関係を示すグラフである。
【図3】実施例1(○印)および2(△印)における燐
の含有量と抗折力との関係を示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で銅を8〜45%、燐を0.00
    3〜0.06%含有し、残部が実質的にモリブデンであ
    る銅モリブデン合金。
  2. 【請求項2】 重量比で銅を8〜45%、燐を0.00
    3〜0.06%、コバルト、ニッケル、鉄のうちの1種
    又は2種以上を0.1〜0.5%含有し、残部が実質的
    にモリブデンである銅モリブデン合金。
  3. 【請求項3】 銅粉末およびモリブデン粉末に微量の燐
    を混合して得られた混合粉末を所定の形状に加圧成形し
    たのち、得られた成形体を焼結して、0.003〜0.
    06重量%の燐を含有する銅モリブデン合金焼結体を得
    ることを特徴とする銅モリブデン合金の製造方法。
  4. 【請求項4】 銅粉末およびモリブデン粉末にコバル
    ト,鉄,ニッケルのうちの1種又は2種以上の粉末0.
    1〜0.5重量%と微量の燐を混合して得られた混合粉
    末を所定の形状に加圧成形したのち、得られた成形体を
    焼結して、0.003〜0.06重量%の燐を含有する
    銅モリブデン合金焼結体を得ることを特徴とする銅モリ
    ブデン合金の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015015389A (ja) * 2013-07-05 2015-01-22 三菱電機株式会社 半導体装置および半導体装置の試験用治具
CN105132777A (zh) * 2015-09-01 2015-12-09 河南科技大学 一种钼铜电触头材料及其制备方法
CN115383105A (zh) * 2022-08-10 2022-11-25 洛阳爱科麦钨钼科技股份有限公司 一种高致密钼铜合金材料及其制备方法
CN115572877A (zh) * 2022-10-08 2023-01-06 郑州大学 一种钼铌或钼钽合金的制备方法

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