JPH08253817A - 圧延用ロールの焼入れ方法及び焼入れ装置 - Google Patents

圧延用ロールの焼入れ方法及び焼入れ装置

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JPH08253817A
JPH08253817A JP5835495A JP5835495A JPH08253817A JP H08253817 A JPH08253817 A JP H08253817A JP 5835495 A JP5835495 A JP 5835495A JP 5835495 A JP5835495 A JP 5835495A JP H08253817 A JPH08253817 A JP H08253817A
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cooling
roll
quenching
rolling
rolling roll
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JP5835495A
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English (en)
Inventor
Koji Shiina
孝次 椎名
Yasuo Mizushina
靖男 水品
Shiro Takahashi
志郎 高橋
Osamu Shimotamura
修 下タ村
Takeshi Matsumoto
松本  剛
Kenji Horii
健治 堀井
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】冷却法を改良し、焼入れ時のロールの冷却速度
を向上することができ、高品質なロール材を生成するこ
とが可能な圧延用ロールの焼入れ方法を提供する。 【構成】圧延用ロール部材の製造に関し、加熱した高温
ロール1を冷却する冷却装置4に超音波発生装置5を設
置し、冷却性能を向上させ、冷却時間を短縮することに
より硬度の高い圧延用ロールを製造する方法である。 【効果】超音波発生装置の出力を制御することにより、
ロール焼入れ時の冷却速度を向上させ、ロール表面層深
くまでより硬度の高い圧延用ロールを製造することがで
き、圧延用ロール材の長寿命化、安全性、信頼性を確保
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱間及び冷間圧延用ロー
ルの焼入れに係り、特に焼入れの冷却過程に、超音波を
利用し、高温ロール材表面に形成される蒸気膜を形成又
は崩壊させて、冷却速度を調整し、圧延用ロール表面の
硬度向上,硬度の均一化及び焼入れ硬化層を深くするの
に好適な圧延用ロール焼入れ方法及び装置に関する。
【0002】更に、本発明は、焼入れ硬化層、すなわち
利用層が深い圧延用ロールと圧延用ロールの硬度の均一
化により圧延時の事故の防止を向上した圧延機設備に関
する。
【0003】
【従来の技術】まず、図13により、従来の圧延用ロー
ル焼入れ法について説明する。従来の圧延機用ロール焼
入れ法は、図13に示すように縦型回転式であり、圧延
用ロールを縦方向に釣下げ、回転させながら、局部加熱
及び局部冷却により焼入れするものである。
【0004】従来、あらかじめ予熱された圧延用ロール
1aをロール固定用冶具6にてロ−ル軸部1bを固定
し、ゆるやかに回転させながら、下向き軸方向へ移動さ
せる。そして、まず高周波加熱装置2により、約900
〜1000℃程度まで加熱し、さらにその下部に設置さ
れた冷却用水冷ジャケット4から水冷用ノズル4aによ
り噴射したスプレー水で冷却して、特にロ−ル胴部1a
を焼入れる。これら操作を連続的に繰り返し、ロール胴
部1aの全体を高温加熱から常温まで急冷却して焼入れ
する。そして、焼入れの場合、高周波加熱装置2からロ
ール胴部1aへの流入熱はロール胴部1aの内部へ熱伝
導で伝わる前に、ロール表面上ですばやく除熱する必要
がある。そのため、スプレー水冷却ノズル4aをロール
胴部1aに近づけ、冷却水の噴射力を向上することが望
まれる。
【0005】ところが、従来技術では、メンテナンス上
の問題により、スプレー水冷却ノズル4aは圧延用ロー
ル1aから40〜50mm離れた位置にしか設置できな
い。その結果、ゆるやかに回転するロール胴部1aを全
周均一に冷却することが困難であり、スプレー水が衝突
する際のロール表面温度は冷却性能の悪い遷移沸騰や膜
沸騰状態を形成する高温状態となっている。そして、本
発明に示す超音波発生機構5が無いと、高温ロールへ大
量に供給された冷却水がほとんど飛散水となって流出
し、また、ロール表面に薄い蒸気膜を形成させるために
のみ使われ、ロール冷却のためにはほとんど寄与されな
いことが考えられる。その結果、ロール表面層の冷却速
度が遅くなり、圧延ロール材の製造プロセス上、パーラ
イト変態等の発熱による材料品質低下などが考えられ
る。また、高温域(300℃〜900℃)で従来のよう
な各ノズルから流出する冷却水Bの流量調整のみでは冷
却速度の向上に関しても限界がある。
【0006】この対策として、特開平2−101111
号で提案された超音波発生機、特開平5−69029号
で提案された電場付加によるストリップの冷却装置があ
る。また、学術月報Vol.47、No.2(1994,
2月)記載の「熱エネルギーの超高効率利用のための基
礎技術」内の超音波付与による冷却性能向上の基礎試験
の結果が報告されている。ここで、特開平2−1011
1号に記載された従来の圧延機ストリップの圧延材料の
冷却方法では、上下テーブルロールにはさまれたストリ
ップの上下に冷却水をガイドするためのパッドを構成
し、当該パッドに冷却材の噴射ノズルから冷却材を供給
し、パッド内を水で満たし、パッド内に充満した水を媒
体にして、冷却ノズルの横に設けられた超音波発生機構
により高周波加振して冷却性能を向上させるものであ
る。しかし、これらは、単に、板材の冷却能力向上を図
ったものであり、パッドの具体的なシール性やパッド間
隔が超音波特性としてある程度小さな値に限定されると
いう問題があった。また、パッド内に超音波伝播のため
の水を十分に充満させないと超音波が伝播しないという
問題があった。また、これらの冷却・制御システムとし
ての構成については、考慮されていなかった。
【0007】しかし、圧延機用ロール焼入れ時におい
て、ロール表面層の硬度向上,硬度の均一化及び硬化層
を深めるためには、高周波加熱装置2でロール表面を加
熱した後、冷却装置における高い冷却速度が必須であ
る。この性能向上のためには、高温域でのロール表面層
の冷却性能の向上が最も重要である。そこで、以上のよ
うな圧延用ロール焼入れ時の冷却性能を向上するための
技術課題として、有効な冷却装置及び当該装置の設置法
やシステム構成を検討した上で冷却制御方法を提示する
ことが望まれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、ロー
ル外部から多数の細いノズルを介してスプレー水冷却で
高温ロール材を急冷しようとしているが、材料の表面温
度が約500℃以上の領域では冷却水流量を増加しても
冷却初期にわずかに蒸発潜熱による除熱量が増大するも
のの、すぐに高温ロールと冷却水の間に薄い蒸気膜が形
成されて、これが熱抵抗となり十分な冷却性能が確保で
きない。そのため、本来の焼入れれに必要な冷却速度を
得ることができず、実際の圧延時にロール表面層の硬度
が必要な値をとれずに品質低下などの問題が考えられ
る。その結果、ロール材にCr成分をさらに添加して合
金化し、冷却速度が遅くてもパーライト変態による発熱
を抑制して、必要な硬度に保つようにしている。
【0009】また、従来はロール材が約900℃から3
00℃まで材料形成に必要な冷却速度となるように冷却
水流量、冷却ノズル配置法、ロールの軸方向送り速度や
ロール回転速度等を調整することにより、ロール軸方向
及び周方向の温度分布の均一化や必要な冷却速度を制御
していた。しかし、高温域のロール材上に形成された熱
抵抗の大きな蒸気膜は、冷却水の流量制御で自由に冷却
性能を制御することはできず、ロール表面温度が高温に
なるほど冷却速度の制御が難しくなる。今後、ロール焼
入れ時において、このロールを急冷する冷却領域が極め
て重要となるため、膜沸騰領域における冷却性能の向上
及び制御技術が極めて重要となる。
【0010】また、温度分布の均一化が適切でないと、
圧延用ロール表面の硬度及び残留応力にむらが生じ、圧
延用ロールの製造熱処理時又は圧延使用時に割損事故の
原因となる。圧延時に、圧延設備に組み込まれた圧延用
ロールが割損事故を起こすと圧延設備自体及び圧延材に
損傷を与えたり、圧延工程が停止し多大な損失を招く。
さらに、作業者の安全性からも問題である。
【0011】本発明は、圧延用ロール焼入れ時に、圧延
用ロール表面に超音波をより適切に伝播させ、焼入れ冷
却速度を適切に制御し、焼入れする方法と装置を提供す
ることを目的とする また、本発明は、圧延用ロール部材を焼入れる際、外部
スプレー水による冷却装置に超音波発生機構を設置し、
当該機構の出力を制御することにより、高温ロールの冷
却性能を向上させ、ロール表面層の冷却速度を増加させ
て急冷する。そして、ロール材へCr成分の添加率を高
めずに従来の約3%Cr成分程度でパーライト変態によ
る発熱等を回避し、ロール表面層の硬度を高め、また、
焼き入れ層を深くすることにより、ロール部材の長寿命
化及び高品質性を確保することを目的とする。
【0012】さらに、本発明は、焼入れ冷却速度を適切
な制御によって、ロール表面層の硬度を均一化し、耐事
故性を向上した圧延用ロールが提供でき、圧延時に安全
性の高い圧延設備を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧延用ロール
の焼入れ方法において、焼入れ冷却過程で前記圧延用ロ
ールの表面に超音波を伝播させ、前記超音波によって焼
入れ冷却速度を調整することを特徴とする。
【0014】本発明は、圧延用ロールの高周波焼入れ方
法において、冷却過程で前記圧延用ロールの表面に冷却
水ノズルの後方から冷却水を接触媒質として超音波を伝
播させ、前記超音波の周波数,出力及び振幅のうち少な
くとも1つによって、前記圧延用ロールの表面の蒸気膜
形成を抑制し、冷却速度を調整することを特徴とする 本発明は、加熱装置と、冷却ノズルを有する冷却装置
と、前記加熱装置と前記冷却装置との間に設置された断
熱材とを具備する圧延用ロールの焼入れ装置において、
前記圧延用ロールの表面の蒸気膜形成又は破壊を超音波
により調整する手段を有することを特徴とする。
【0015】本発明は、加熱装置と、冷却ノズルを有す
る冷却装置と、前記加熱装置と前記冷却装置との間に設
置された断熱材とを具備する圧延用ロールの焼入れ装置
において、前記加熱装置を前記圧延機用ロールの軸方向
に移動する加熱装置用駆動装置と、前記冷却装置を前記
圧延機用ロールの軸方向に移動する冷却装置用駆動装置
と、前記圧延用ロールを釣下げるロール固定用治具と、
焼入れ時に前記ロール固定用治具を前記圧延用ロールの
円周方向に回転させる回転装置と、前記冷却ノズルから
放出される冷却水の量を制御する冷却水制御装置と、冷
却速度を制御する超音波発生装置とを有することを特徴
とする。
【0016】本発明は、上記の圧延機用ロールの焼入れ
装置において、冷却装置に少なくとも1つ以上のフラッ
トスプレーノズルを設置し、前記冷却装置を多孔ノズル
構造もしくはパッド構造にしたことを特徴とする。
【0017】本発明の圧延用ロールは、一般に3%Cr
と称するCr:2.8〜3.5重量%を含有し、かつ胴
部の直径が300〜1000mmで焼入れによる硬化層
を有する圧延用ロールにおいて、前記硬化層が30〜5
0mm,前記圧延用ロールの胴部の表面硬度が90〜1
00Hs及び前記胴部の前記硬化層深さにおける硬度が
90Hs以上であることを特徴とする。
【0018】本発明の圧延用ロールは、一般に5%Cr
と称するCr:4.3〜5.5重量%を含有し、かつ胴
部の直径が300〜1000mmで焼入れによる硬化層
を有する圧延用ロールにおいて、前記硬化層が50〜7
0mm,前記圧延用ロールの胴部の表面硬度が92〜1
00Hs及び前記胴部の前記硬化層深さにおける硬度が
90Hs以上であることを特徴とする。
【0019】
【作用】圧延用ロールの焼入れ方法として、従来の冷却
ノズルへの冷却水供給装置に超音波発生装置を設置す
る。そして、本機構の出力、周波数、振幅等を制御する
ことにより、ロール軸方向及び周方向の表面及び内部温
度分布を均一化させる。これにより、高温に加熱された
ロール表面層が急冷され、その結果ロール材の表面層の
硬度が向上し均一な硬度が得られる。
【0020】従来、高温に加熱されたロール材は、冷却
領域でロールを硬化するのに必要な材料組成に基づく冷
却速度で短時間の冷却を受けている。しかし、ロール材
の硬度を高めるために、従来のCr成分をさらに添加せ
ずにロール冷却性能を向上する方が、設備や製造法の点
で容易である。すなわち、短時間、短空間内での冷却速
度の確保、ロール材軸方向及び周方向の温度分布の均一
化、リアルタイムでの短時間冷却による焼入れ法の確立
である。ここで、通常のロール材は冷却前で約800〜
1000℃から冷却後で約50℃まで温度降下させる。
このロールの表面温度は冷却現象から見ると膜沸騰領域
となり、流量や圧力制御で容易に温度制御が可能な領域
ではない。そこで、冷却性能のバリヤとなっている約2
0〜30μmのほぼ安定な蒸気膜に超音波を介して冷却
水と蒸気膜との境界へ不安定流れの乱れを外乱として付
加し、高温ロール材と冷却材との固液接触を強制的に与
えることにより、容易に冷却速度を向上及び調整するこ
とが可能である。また、ロール材の品質に関係する軸及
び周方向の温度分布の均一化も超音波の出力制御により
容易に行える。
【0021】すなわち、ロール材のように表面温度が約
300℃以上の高温材料の冷却において、冷却性能の悪
い膜沸騰域での冷却現象であるため、短時間での制御に
より材料の温度分布の均一化を図るには電気的な手段を
用いるのが良好である。すなわち、熱抵抗である蒸気膜
を崩壊し、冷却性能を容易に制御することができる本発
明方式は、従来の冷却設備及びハード構成を変えること
なく、超音波発生機構の出力制御のみで冷却性能向上及
び温度管理が行える最も容易な冷却手段である。 以上
の点から、ロール材の冷却装置に加えて超音波発生機構
を設置し、この機構の出力制御を行うことにより、圧延
機用ロールの焼入れ法として有効な焼入れ冷却方式であ
ることがわかる。そして、これらの作用により、高温ロ
ール材の焼入れ冷却性能を向上し、ロール軸方向及び周
方向の温度分布を均一化し、ロール胴部表面層の冷却速
度を向上させて圧延時に必要な硬度を確保し、さらに、
ロール胴部表面層の硬度の均一化及び焼入れ硬化層を深
くし、圧延用ロール材の長寿命化、安全性、信頼性が確
保できる。そして、安全性、信頼性が高い圧延機設備を
提供できる。
【0022】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の一実施例を図1及び図2に
より説明する。
【0023】図1は圧延用ロール焼入れ方法の縦断面図
を示す。まず、圧延用ロール焼入れ装置の構成及び動作
について説明する。両端をロール軸部1bから構成され
たロ−ル胴部1aを垂直に設置し、上部のロ−ル軸部1
bをロール固定用冶具6で固定している。また、圧延用
ロールの周りにリング状に高周波加熱器2が配置され、
同様に高周波加熱器2の下方に特定の距離を離し冷却装
置たる冷却ジャケット4が配置されている。
【0024】焼入れ材である圧延用ロールを回転装置2
1によりゆるやかに回転しながら、送り駆動装置により
軸方向下方へ移動すると、圧延用ロールは、電源3と高
周波加熱器2から構成される加熱領域9,空気領域10
及び冷却ジャケット4から成る冷却領域11を順次通過
する。ここで、冷却領域11は水冷用供給配管7、水冷
ジャケット4、水冷用ノズル4aからなり、冷却水制御
装置20により水量及び流水速度を調整し、水冷ノズル
4aから冷却水が加熱された圧延用ロール1aへ噴射さ
れる。冷却水は圧延用ロール1aに噴射された後、冷却
水排出口から圧延用ロール1aの表面近くで排出され
る。水冷ノズル4aは、円周方向及び垂直方向に対しそ
れぞれ複数個付けることが望ましい。図1においては、
垂直方向に2段設けているが、段数を増やすことで、冷
却領域11が拡がる。図2においては、水冷ノズル4a
を3段とし、超音波発生装置5を2段としている。段数
を同数とすることが望ましいが、水冷ノズル4aの段数
に対し超音波発生装置5は少なくても多くても良い。超
音波発生装置5が少ない場合は、超音波の指向角等を大
きくしたり、超音波発生装置5が多い場合は、超音波の
指向角等を小さくしたりすることで対処することができ
る。
【0025】この時、水冷ノズル4aから噴射する水柱
の方向と同一方向に水冷ジャケット4の反対側(外側)
に設置した超音波発生装置5により加振し、冷却焼入れ
する。
【0026】超音波発生部は、水冷ノズル4aの位置に
対応して、同数取り付けることが望ましいが、超音波の
出力等により、多くても少なくても良い。
【0027】また、水冷ジャケット4の上部に水流リー
ク防止用シール機構4bを設置し、衝突水の上部への飛
散、リークを防止する。水流リーク防止用シール機構4
bは断熱性でリング状のものが好ましく、内面は圧延用
ロ−ルの胴部表面にほぼ接することが好ましい。外周面
は、水冷ノズル4aの冷却水が噴出する位置より若干外
側が望ましい。
【0028】このように、圧延用ロールの焼入れは、既
に300℃程度まで予熱された圧延用ロール1aを垂直
下方から順次、高周波加熱装置2で急加熱する。この
際、予熱温度は、200〜350℃が好ましい。その
後、冷却水により急冷し、焼入れる。しかし、従来のロ
ール焼入れ法では、大量の高圧スプレー水を焼入れ材で
ある圧延用ロール1aの表面へ噴射して、表面温度が約
300℃以上でも冷却性能を確保していたが、冷却速度
には限界があった。焼入れ冷却性能のキーポイントは、
たとえ高圧でスプレー冷却を行っても、表面温度が約2
00〜300℃では遷移沸騰、約300℃以上では膜沸
騰状態となり、焼入れ冷却性能にとって約数10μm厚
さの蒸気膜の存在が性能低下の原因となる。この蒸気膜
形成は、焼入れ冷却性能の面で冷却水の熱抵抗となる。
そこで、蒸気膜を生成しても冷却用ジャケット4に超音
波発生装置5を少なくとも1つ設置し、超音波発生装置
5の出力、周波数及び振幅等を制御して、焼入れ冷却性
能をコントロールする。ここで、超音波発生装置5とし
て、簡易取付け可能な圧電素子、あるいは水中投込み式
の圧電素子等が用いられる。
【0029】この際、超音波の出力,周波数及び振幅の
値は、焼入れ材料である圧延用ロ−ルの材料や熱処理条
件で異なる。
【0030】その後、水冷用ノズル4aから高圧スプレ
ー水24を噴射することにより、蒸気膜の生成を抑制し
て、圧延用ロール1a表面とスプレー水との直接接触に
よる冷却を促進する。すなわち超音波の伝播により冷却
水の熱抵抗となる蒸気膜を分断あるいは破壊すると、新
たな冷却水が圧延用ロール1a表面に衝突しやすくな
り、焼入れ冷却効率が向上する。また、冷却の熱抵抗と
なる蒸気膜を分断あるいは破壊しなくとも、水膜あるい
は蒸気膜に音響流,振動等を与えることにより、冷却の
熱抵抗を変化させることができ、冷却速度を調整するこ
とができる。
【0031】この結果、ロール軸及び周方向にほぼ均一
な冷却性能が確保され、圧延用ロールの焼入れ冷却速度
を向上することができる。ここで、超音波付加には次の
三つの効果があると考えられる。
【0032】(1)超音波により生ずる音響流の効果。
【0033】(2)加熱面近傍の流体を非定常的に振動
させる効果。
【0034】(3)気液界面を不安定化する効果。
【0035】以上のように、熱間圧延用ロールを焼入れ
る際、高温に加熱したロールを冷却する冷却装置に超音
波発生装置を設置し、当該機構の出力等を制御すること
により、特に焼入れ時の高温状態の圧延用ロールの焼入
れ冷却時に発生する圧延用ロール表面上の薄い蒸気膜を
破断又は蒸気膜形成の抑制をし、焼入れ冷却性能の向上
及び焼入れ冷却速度の調整により、圧延用ロール製造時
の焼入れ冷却時間を短縮することができる。
【0036】(実施例2)次に、本発明の一実施例とし
て検討した焼入れ法について、図3から図7により説明
する。まず、図3は冷却曲線の説明図を示す。
【0037】このグラフは横軸に時間、縦軸に温度をと
った焼入れ冷却曲線を示しており、この曲線の勾配が焼
入れ冷却速度を表わしている。ここで、冷却ジャケット
4に設置した超音波発生装置5の電源をON/OFFし
て、超音波付加有りと無しの場合の2ケースを考える。
【0038】これより、本発明のように超音波を付加す
ると、高温材の冷却速度が大きくなり、その結果冷却時
間も短縮される。これは、超音波付加により高温面上に
形成される蒸気膜の上部の流体を非定常的に加振させる
ことにより、冷却液と蒸気膜界面が不安定化し、固液接
触により冷却性能が向上するものと考えられる。
【0039】また、図4は圧延用ロール1a面上の冷却
状態の模式図、図5は冷却性能を示す。
【0040】図4(b)の超音波付加無しの場合、水柱
ジェット真下は圧延用ロール材1aと冷却水24の直接
接触により、冷却性能が非常に高いが、水柱と水柱の間
に形成される水膜の下部には水の動圧成分の作用が弱く
なるために安定な蒸気膜8が形成され、冷却性能が極め
て悪い。水冷ノズル4aは、円周上で均等に配置するこ
とが望ましく、設置数も多いほど良い。
【0041】一方、図4(a)の超音波付加有りの場
合、水柱の高周波加振により蒸気膜界面の近傍が非定常
的に振動されて蒸気膜が崩壊し、膜沸騰から遷移沸騰へ
強制的に移行することにより、冷却性能が急激に向上す
る。また、水冷ノズル4aは、円周上で均等に配置する
ことが望ましく、設置数も多いほど良い。超音波は、水
冷ノズル4a後方から圧延用ロール1aの表面に伝播し
ていく。そのため、水冷ジャケット4と圧延用ロール1
aとの間は、水が充満することを必要としない。超音波
発生装置5は、水冷ノズル4aに対応して設置すること
が好ましい。しかし、超音波発生装置5を多く付けても
少なく付けても、超音波の指向角等を調整して対処でき
る。超音波発生装置5の設置位置は、水冷ノズル4aの
ちょうど後方、すなわち、冷却水噴出方向と逆側が望ま
しい。冷却水噴出方向と超音波発振方向は、同じにする
ことが好ましい。
【0042】ここで、図5に冷却材の撹拌強さに対する
冷却性能Hを示す。この時、冷却性能Hは次式で表わさ
れる。
【0043】 H=α/λ …(1) 但し、αは流体の熱伝達率、λは流体の熱伝導率であ
る。まず、冷却性能の悪い方から、流体が空気、油、
水、食塩水の順で徐々に性能が良くなる。そして、水の
場合、静止状態から撹拌の強さを大きくすると、約4倍
程度まで性能が向上することがわかる。一方、本発明の
ようにゆるやかに回転するロールに水を噴射し、さらに
超音波を付加すると冷却性能Hが向上する。その結果、
図5に示すように冷却材の撹拌が中程度であっても冷却
性能Hが急激に向上し、本発明の場合、冷却速度の点で
極めて効果が大きいことがわかる。
【0044】そして、図6は圧延ロール材の硬度確保領
域を示す。
【0045】初期のロール胴部直径Diが約600mm
程度あり、実際の圧延で約500mm程度までロール表
面を削って使用する場合を考える。この場合、図中の斜
線部に示すように、半径に直して片側で約50mm程度
の部分を削る、すなわち、利用径約100mm,利用層
50mmとすると、約500mm程度の部分の硬度は圧
延時に必要な硬度を確保する必要がある。
【0046】次に、図7に冷却速度CとCr成分添加率
との関係を示す。
【0047】まず、従来例のような冷却速度の場合、ロ
ール材が3%Cr成分の時にはパーライト変態点と交差
し、この時の発熱により、ロール材料の組成は望ましく
なく、必要な深さでの必要な硬度を確保できない。具体
的には、表面硬度が95Hs片側で約15〜25mmま
でしか焼きが入らず、深さ約30mmでは硬さが90H
sを確保できなかった。そこで、これらを回避するた
め、従来はCr成分の添加率を5%まで増やすことで片
側で約25〜50mmまでの深さに焼き入れることを可
能とし、冷却速度が遅い面をカバーしている。一方本発
明では、3%Cr成分であっても、本発明のように冷却
速度Cを大きく向上させると、パーライト変態状態は容
易に回避され、表面硬度を向上し、硬化層深さをより深
くすることができる。具体的には、従来3%Crで不可
能な片側で約30〜50mmまでの硬化層深さを可能と
し、深さ約50mmで90Hsを確保できる。また、材
料生成工程や設備の面でもかなり簡略化される。
【0048】さらに、5%Cr成分である圧延用ロール
1aの場合でも、冷却速度Cの向上により、表面硬度を
向上し、硬化層深さをより深くすることができる。具体
的には、従来5%Crで不可能な片側で約50〜70m
mまでの硬化層深さを可能とし、表面硬度が95Hsの
とき深さ約70mmで90Hsを確保できる。また、材
料生成工程や設備の面でもかなり簡略化される。
【0049】また、冷却性能の向上、すなわち、冷却速
度を速め、冷却速度の適切な制御により、硬度の均一化
が図れる。したがって、焼入れされた圧延用ロ−ルの表
面は、円周及び軸方向位置で硬さのむらが従来に比べ少
ない。硬さのむらが、圧延用ロ−ルの割損事故の一因と
考えられるため、本発明の硬度の均一化により、割損事
故を防止することができ、耐事故性の優れた圧延用ロー
ル1aを得ることができた。
【0050】上記の圧延用ロール1aを圧延用ワ−クロ
−ルとして、圧延機設備に組み入れて使用する際に、圧
延用ワ−クロ−ルには、多大な使用応力,残留応力及び
熱応力等が加わるため、耐事故性の優れた圧延機設備を
得ることができる。
【0051】(実施例3)次に、本発明の実施例を図8
から図12により説明する。ここで、図8はロール表面
の熱流制御法、図9から図11まではロールの冷却装置
及び方法、図12は超音波発生装置5の制御方法を示
す。
【0052】まず、図8は本発明の実施例のロール表面
の熱流制御方法である。
【0053】高周波加熱装置2を設置した加熱領域9と
水冷ジャケット4及び水冷用ノズル4aを設置した冷却
領域11との間に断熱材15でおおわれた断熱領域16
を設置し、急速に加熱した圧延用ロール1a表面を大気
中で放熱せずに、水冷により急冷して焼入れ効果を高め
るようにしたものである。
【0054】次に、本冷却装置の構造として、次の3ケ
ースがある。まず、図9は本発明の他の実施例の冷却用
ノズルにフラットスプレーノズル4cを設置した図、図
10は水冷ジャケット4に水冷用ノズル4aの代わりに
噴射孔18を設けた図、図11は水冷ジャケット4をパ
ッド19構造とした図である。ここで、図10では、噴
射室23に冷却水を満たし、噴射孔18から冷却水を噴
射し、圧延用ロ−ル1a表面を冷却する。図11におい
ては、パッド19内にパッド19下方で外側から冷却水
を供給し、パッド19下方で圧延用ロ−ル1a表面側か
ら冷却水を排出する。超音波は、パッド19内の冷却水
を伝わり、水平方向で圧延用ロ−ル1a表面に向かって
進む。そのため、パッド19内への冷却水供給方向と超
音波発振方向は異なり、ほぼ直交である。
【0055】これらの冷却装置は、いずれの構造でも超
音波発生装置と組み合わせることにより、更に焼入れ冷
却性能が向上する。
【0056】そして、図12は本発明の実施例の超音波
発生装置5の制御方法を示した図である。Bタイプの場
合、特にロール表面温度が高温領域の時(T>500
℃)、超音波を発振させて焼入れ冷却速度を速め、中温
領域(T<500℃)からは超音波を発振せず、従来の
焼入れ冷却速度で焼入れる方式である。高温及び中温領
域ともに超音波を発振させたAタイプと比較すると、当
然超音波を発振しない中温領域からの冷却速度は遅い
が、焼入れ効果はほぼ高温領域時の冷却速度が大きく影
響を及ぼすため、Bタイプの焼入れ冷却方式も材料組成
の面で有効な方式と考えられる。
【0057】したがって、本発明の超音波発生装置5を
設置し、当該機構の出力制御を行えば、圧延用ロールの
焼入れ冷却性能向上、すなわち焼入れ冷却速度の適切な
調整が可能となり、圧延用ロールにとって適切な焼入れ
方法及び装置を提供することができる。また、これによ
り、圧延用ロールの胴部表面の硬度向上及び硬度の均一
化ができた。そして、長寿命で安全性及び信頼性の高い
圧延用ロールを得ることができ、安全性及び信頼性の高
い圧延機設備を提供することができる。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、熱間圧延用ロールを焼
入れる際、高温に加熱したロールを冷却する冷却装置に
超音波発生装置を設置し、当該機構の出力等を制御する
ことにより、特に焼入れ時の高温状態の圧延用ロールの
焼入れ冷却時に発生する圧延用ロール表面上の薄い蒸気
膜を破断又は蒸気膜形成の抑制をし、焼入れ冷却性能の
向上及び焼入れ冷却速度の調整により、圧延用ロール製
造時の焼入れ冷却時間を短縮することができる。
【0059】本発明によれば、焼入れ冷却性能の向上に
より、圧延用ロールの胴部表面硬度を高くし、圧延用ロ
ールの胴部表面において、硬度をより均一化でき、ま
た、硬化層深さをより深くすることができた。そのた
め、圧延用ロールの品質が向上され、長寿命、安全性及
び信頼性の高い圧延用ロールを提供できた。
【0060】本発明によれば、圧延用ロールの品質が向
上され、長寿命、安全性及び信頼性の高い圧延用ロール
を提供でき、安全性及び信頼性の高い圧延機設備を提供
することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の圧延用ロール焼入れ方法の
縦断面図。
【図2】本発明の一実施例の圧延冷却領域の拡大図。
【図3】本発明の一実施例の冷却曲線の説明図。
【図4】本発明の一実施例の高温ロールの冷却状態の模
式図。
【図5】本発明の一実施例の冷却性能線図。
【図6】本発明の一実施例の圧延ロール材の硬度確保領
域の概念図。
【図7】本発明の一実施例の冷却速度とCr添加率との
関係図。
【図8】本発明の他の実施例の断熱領域を設置した図。
【図9】本発明の他の実施例の冷却ノズルにフラットス
プレーノズルを設置した図。
【図10】本発明の他の実施例の冷却ノズルを多孔状態
とした図。
【図11】本発明の他の実施例の冷却部をパッド構造と
した図。
【図12】本発明の他の実施例の圧延用ロール冷却方法
の説明図。
【図13】従来の圧延用ロール焼入れ方法の縦断面図。
【符号の説明】
1a…ロ−ル胴部,1b…ロ−ル軸部,2…高周波加熱
装置,3…電源,4…水冷ジャケット,4a…水冷用ノ
ズル,4b…水流リーク防止用シール機構,4c…フラ
ットスプレーノズル取付けボス,4d…フラットスプレ
ーノズル,5…超音波発生装置,6…ロール固定用冶
具,7…水冷用供給配管,8…蒸気膜,9…加熱領域,
10…空冷領域,11…冷却領域,12…初期ロール直
径,13…最終ロール直径,14…ロール硬度大の領
域,15…断熱材,16…断熱領域,17…スプレー水
衝突水膜形状,17a…スプレー水中心部,17b…薄
水膜,18…孔,19…パッド,20…冷却水制御装
置,21…回転装置,22…送り駆動装置,23…噴射
室,24…冷却水の流れ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/18 C22C 38/18 (72)発明者 下タ村 修 茨城県ひたちなか市堀口832番地の2 株 式会社日立製作所素形材事業部内 (72)発明者 松本 剛 茨城県ひたちなか市堀口832番地の2 株 式会社日立製作所素形材事業部内 (72)発明者 堀井 健治 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧延用ロールの焼入れ方法において、冷却
    水噴出による焼入れ冷却過程で前記圧延用ロールの表面
    に超音波を伝播させ、前記超音波によって焼入れ冷却速
    度を調整することを特徴とする圧延用ロールの焼入れ方
    法。
  2. 【請求項2】圧延用ロールの高周波焼入れ方法におい
    て、冷却水噴出による焼入れ冷却過程で前記圧延用ロー
    ルの表面に冷却水ノズルの後方から冷却水を接触媒質と
    して超音波を伝播させ、前記超音波の周波数,出力及び
    振幅のうち少なくとも1つによって、前記圧延用ロール
    の表面の蒸気膜形成を抑制し、焼入れ冷却速度を調整す
    ることを特徴とする圧延用ロールの焼入れ方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の圧延用ロー
    ルの焼入れ方法において、少なくとも1つのフラットス
    プレーノズルによって冷却水を噴出することを特徴とす
    る圧延用ロールの焼入れ方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜請求項3のいずれかに記載の圧
    延用ロールの焼入れ方法において、冷却水の噴出部を多
    孔ノズル構造もしくはパッド構造にしたことを特徴とす
    る圧延用ロールの焼入れ方法。
  5. 【請求項5】加熱装置と、冷却ノズルを有する冷却装置
    とを具備する圧延用ロールの焼入れ装置において、前記
    圧延用ロールの表面の焼入れ時に発生する蒸気膜形成又
    は破壊を超音波により調整する手段を有することを特徴
    とする圧延用ロールの焼入れ装置。
  6. 【請求項6】加熱装置と冷却ノズルを有する冷却装置と
    を具備する圧延用ロールの焼入れ装置において、前記圧
    延用ロールを垂直に釣下げるロール固定用治具と、焼入
    れ時に前記ロール固定用治具を前記圧延用ロールの円周
    方向に回転させる回転装置と、前記圧延用ロールを前記
    圧延用ロールの軸方向に移動させる送り駆動装置と、前
    記冷却ノズルから放出される冷却水の量を制御する冷却
    水制御装置と、焼入れ冷却速度を制御する超音波発生装
    置とを有することを特徴とする圧延用ロールの焼入れ装
    置。
  7. 【請求項7】請求項5又は請求項6に記載の圧延機用ロ
    ールの焼入れ装置において、冷却装置に少なくとも1つ
    のフラットスプレーノズルを設置することを特徴とする
    圧延用ロール焼入れ装置。
  8. 【請求項8】請求項3又は請求項4に記載の圧延機用ロ
    ールの焼入れ装置において、前記冷却装置を多孔ノズル
    構造もしくはパッド構造にしたことを特徴とする圧延用
    ロール焼入れ装置。
  9. 【請求項9】Cr:2.8〜3.5重量%を含有し、か
    つ胴部の直径が300〜1000mmで焼入れによる硬
    化層を有する圧延用ロールにおいて、前記硬化層が30
    〜50mm,前記圧延用ロールの胴部の表面硬度が90
    〜100Hs及び前記胴部の前記硬化層深さにおける硬
    度が90Hs以上であることを特徴とする圧延用ロー
    ル。
  10. 【請求項10】Cr:4.3〜5.5重量%を含有し、
    かつ胴部の直径が300〜1000mmで焼入れによる
    硬化層を有する圧延用ロールにおいて、前記硬化層が5
    0〜70mm,前記圧延用ロールの胴部の表面硬度が9
    2〜100Hs及び前記胴部の前記硬化層深さにおける
    硬度が90Hs以上であることを特徴とする圧延用ロー
    ル。
  11. 【請求項11】圧延加重を加える補強ロ−ルと圧延用ワ
    −クロールとを具備する圧延機設備において、前記圧延
    用ワ−クロールが、Cr:2.8〜5.5重量%を含有
    し、かつ胴部の直径:300〜1000mm,前記胴部
    の表面硬度:92〜100Hs,硬化層:30〜70m
    m及び前記胴部の前記硬化層深さにおける硬度が90H
    s以上であることを特徴とする圧延機設備。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012509398A (ja) * 2008-11-20 2012-04-19 フェストアルピーネ チューブラーズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト 特殊な特性を有する鋼管を製造する方法及び装置
CN115074493A (zh) * 2022-05-13 2022-09-20 河南中原特钢装备制造有限公司 一种轧辊辊颈强化不回火高频淬火工艺

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