JPH08253443A - 炭酸エステルの製法 - Google Patents

炭酸エステルの製法

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JPH08253443A
JPH08253443A JP7059040A JP5904095A JPH08253443A JP H08253443 A JPH08253443 A JP H08253443A JP 7059040 A JP7059040 A JP 7059040A JP 5904095 A JP5904095 A JP 5904095A JP H08253443 A JPH08253443 A JP H08253443A
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nitrite
catalyst
reaction
compound
alumina support
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JP7059040A
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English (en)
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Kyoji Odan
恭二 大段
Tokuo Matsuzaki
徳雄 松崎
Mikio Hidaka
幹雄 日高
Toshio Kurato
敏雄 蔵藤
Keigo Nishihira
圭吾 西平
Hideji Tanaka
秀二 田中
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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  • Catalysts (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、細孔径が40〜500Åの範囲内
にある細孔の容積が0.30〜1.0ml/gであるア
ルミナ担体に白金族金属又はその化合物が担持された触
媒の存在下、クロロギ酸エステルを存在させて、一酸化
炭素と亜硝酸エステルを気相接触反応させることを特徴
とする炭酸エステルの製法に関する。 【効果】 本発明により、塩化水素を用いることなく、
温和な条件で炭酸エステルを工業的に満足できる高い反
応速度(空時収量)及び選択率で製造することができ、
更に装置の腐食や製品への塩素分の混入も大幅に抑える
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一酸化炭素と亜硝酸エ
ステルから炭酸エステルを工業的に製造する方法におい
て、腐食性の低いクロロギ酸エステルを存在させて高い
反応速度(空時収量)及び高い選択率で炭酸エステルを
製造できる新規な炭酸エステルの製法に関する。炭酸エ
ステルは、芳香族ポリカーボネート、ウレタン及び種々
の化学薬品の合成原料として、また溶剤として非常に有
用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】一酸化炭素と亜硝酸エステルを気相で接
触反応させて炭酸エステルを工業的に製造する方法につ
いてはいくつかの提案がなされている。そのうち、白金
族金属又はその化合物が担持された触媒の存在下、原料
ガス中に塩素化合物を存在させて炭酸エステルを製造す
る方法としては、特開平4−89458号公報に、白金
族金属又はその化合物と、鉄、銅、ビスマス、コバル
ト、ニッケル及びスズからなる群から選ばれた少なくと
も一種類の金属の化合物とが活性炭等の担体に担持され
た触媒の存在下、塩化水素を存在させて該反応を行う方
法が開示されている。この方法は、炭酸エステルを高い
反応速度(空時収量)及び高い選択率で工業的に製造す
ることを可能にするものであるが、亜硝酸メチルを使用
した場合を例にとれば副生物として少量のシュウ酸ジメ
チル、ギ酸メチル及びメチラールが生成するという問題
が存在している。また、特開平6−306018号公報
には、白金族金属又はその化合物が活性炭、アルミナ等
の担体に担持された触媒の存在下、塩素(Cl2 )を存
在させて該反応を行う方法が開示されているが、この方
法では炭酸エステルを高い反応速度(空時収量)及び高
い選択率で製造するために高濃度の塩素(Cl2 )を高
いガス空間速度で供給する必要がある。
【0003】特開平5−201932号公報には、BE
T比表面積1m2 /g以上を有するアルミナ担体に白金
族金属のハロゲン化物が担持された触媒の存在下で反応
系に塩化水素を供給して該反応を行う方法が開示されて
いる。しかしながら、この方法においては、シュウ酸ジ
エステルの副生を抑えて高い触媒活性を発現するために
1100ppmという高濃度の塩化水素が反応系に供給
されており、その結果、亜硝酸メチルを使用した場合は
ギ酸メチルやメチラールが副生し、更には反応器の腐食
及び製品への塩素分の混入が著しくなるという工業的に
非常に好ましくない問題が生じてくる。
【0004】更に、特開平6−192181号公報に
は、白金族金属又はその化合物が活性炭等の担体に担持
された触媒の存在下、クロロギ酸エステルを存在させて
該反応を行う方法が開示され、特開平6−239807
号公報には、白金族金属又はその化合物とランタノイド
化合物とが活性炭、アルミナ等の担体に担持された触媒
の存在下、塩化水素又はクロロギ酸エステルを存在させ
て該反応を行う方法が開示されている。塩化水素や塩素
(Cl2 )に代えてクロロギ酸エステルを用いる方法は
反応器等の腐食を抑えることができるために優れた方法
であるが、工業的に満足できる高い反応速度(空時収
量)及び選択率で炭酸エステルを製造するには、クロロ
ギ酸エステル濃度やガス空間速度を高くする必要がある
など、改善の余地が残されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、クロロギ酸
エステル濃度やガス空間速度が低い工業的に好適な条件
でクロロギ酸エステルを供給しながら、反応系に微量の
クロロギ酸エステルを存在させて一酸化炭素と亜硝酸エ
ステルを気相接触反応させ、工業的に満足できる高い反
応速度(空時収量)及び選択率、特には塩化水素を使用
した場合よりも高い反応速度(空時収量)及び選択率で
炭酸エステルを製造できる炭酸エステルの製法を提供す
ることを目的とするものである。即ち、本発明は腐食性
の強い塩化水素を使用しない工業的に好適な炭酸エステ
ルの製法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、細孔径
が40〜500Åの範囲内にある細孔の容積が0.30
〜1.0ml/gであるアルミナ担体に白金族金属又は
その化合物が担持された触媒の存在下、クロロギ酸エス
テルを存在させて、一酸化炭素と亜硝酸エステルを気相
接触反応させることを特徴とする炭酸エステルの製造方
法により達成される。
【0007】以下に本発明を詳しく説明する。本発明で
使用されるアルミナ担体は、活性アルミナ、活性白土と
称されているアルミナや、γ−アルミナ、η−アルミ
ナ、χ−アルミナなどのアルミナであって、細孔径が4
0〜500Åの範囲内にある細孔の容積が0.30〜
1.0ml/g、好ましくは0.30〜0.90ml/
gのものである。なお、アルミナ担体にシリカ成分が多
く含まれると、亜硝酸メチルを反応に使用した場合を例
にとれば、ギ酸メチルやメチラールの副生が増えるのみ
ならず、触媒活性が低下して炭酸ジメチルの空時収量が
減少してくるため、アルミナ担体に含まれるシリカ成分
は通常10重量%以下であることが好適である。
【0008】本発明では、前記のような細孔特性(細孔
径及び細孔容積)を有するアルミナ(即ち、細孔径が4
0〜500Åの範囲内にある細孔が多く分布しているア
ルミナ)を担体とする触媒を使用することによって、腐
食性の強い塩化水素を用いることなく、一酸化炭素と亜
硝酸エステルを気相接触反応させて、工業的に満足でき
る(特には塩化水素を使用した場合よりも高い)反応速
度(空時収量)及び選択率で炭酸エステルを製造するこ
とができる。触媒担体として細孔径が40〜500Åの
範囲内にある細孔の容積が0.30ml/g未満のアル
ミナ担体を使用すると反応速度(空時収量)が低下し、
また1.0ml/gを越えるものでは反応速度(空時収
量)が小さくなると共に触媒の機械的強度も小さくなっ
て反応器内の圧力損失の増加をきたして好ましくない場
合がある。なお、細孔径及び細孔容積は公知の水銀圧入
法やガス吸着法により測定される。
【0009】前記アルミナ担体にはアルカリ金属及びア
ルカリ土類金属から選ばれた少なくとも一種の金属又は
その化合物が少量含有されていてもよい。前記アルミナ
担体に含有されるアルカリ金属としては、リチウム、ナ
トリウム、カリウム、セシウム、ルビジウム等が、アル
カリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ス
トロンチウム、バリウム等が挙げられる。また、前記ア
ルカリ金属及びアルカリ土類金属の化合物としては、こ
れら金属の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、硝酸塩、
酢酸塩等が挙げられるが、中でも酸化物、水酸化物が好
ましく、特には酸化物が好適である。
【0010】アルカリ金属、アルカリ土類金属の金属又
はその化合物の含有量は、アルミナ担体に対して該金属
の酸化物換算で通常5重量%以下、好ましくは0.1〜
5重量%であれば、例えば亜硝酸メチルを反応に使用し
た場合は、ギ酸メチルやメチラールの副生が抑えられ炭
酸ジメチルの選択率が向上する。しかし、この含有量が
5重量%を越えると触媒活性が低下して炭酸ジメチルの
空時収量が減少する。
【0011】前記アルミナ担体としては、前記細孔特性
を有するアルミナ担体、又は前記細孔特性を有するアル
ミナ担体であってアルカリ金属、アルカリ土類金属の金
属又はその化合物の含有量が前記範囲であるアルミナ担
体であればそのまま使用することができる。また、例え
ば、アルミナ担体原料(アルミナゾル等)を乾燥して任
意の大きさに成型し、非晶質のアルミナ担体原料を空気
又は窒素ガス雰囲気で500〜1000℃で焼成(熱処
理)することによっても調製することができる。このと
き、細孔特性は焼成(熱処理)温度によって制御され
る。なお、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の金属又
はその化合物がアルミナ担体に含有される場合は、予め
アルミナ担体原料にこれらを添加してアルミナ担体が調
製される。
【0012】本発明で使用される触媒は、パラジウム、
白金、イリジウム、ルテニウム、ロジウム等の白金族金
属又はその化合物が前記アルミナ担体に担持されたもの
であり、より好ましくはこれら白金族金属の化合物が前
記アルミナ担体に担持されたものである。本発明では、
活性向上などのために前記白金族金属の化合物に加え、
更に鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッケル及びスズか
らなる群から選ばれた少なくとも一種類の金属の化合物
が前記アルミナ担体に担持されていても差し支えない。
【0013】前記白金族金属の化合物としては、該金属
の塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物等のハロゲン化
物、硝酸塩、硫酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、安息香酸塩
等の有機酸塩、ハロゲン化物含有錯体、アンミン錯体等
の錯体などが挙げられる。具体的には、パラジウム化合
物として塩化パラジウム、臭化パラジウム等のハロゲン
化物、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム等の無機酸塩、
酢酸パラジウム、安息香酸パラジウム等の有機酸塩、テ
トラクロロパラジウム酸リチウム、テトラクロロパラジ
ウム酸ナトリウム等のハロゲン化物含有錯体、テトラア
ンミンパラジウムクロリド、テトラアンミンパラジウム
ナイトレート等のアンミン錯体などが挙げられ、更に、
白金化合物として塩化白金、臭化白金等が、イリジウム
化合物として塩化イリジウム、臭化イリジウム等が、ル
テニウム化合物として塩化ルテニウム、臭化ルテニウム
等が、ロジウム化合物として塩化ロジウム、臭化ロジウ
ム、硝酸ロジウム、硫酸ロジウム、酢酸ロジウム等が挙
げられる。これらの白金族金属化合物の中でも、パラジ
ウム、ルテニウム又はロジウムのハロゲン化物、更には
塩化物が好ましく、特には塩化パラジウムが好ましい。
白金族金属又はその化合物の担持量は、前記アルミナ担
体に対して金属換算で通常0.1〜10重量%、好まし
くは0.5〜2重量%である。
【0014】鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッケル及
びスズからなる群から選ばれた少なくとも一種類の金属
の化合物を担持する場合は、これら金属の塩化物、臭化
物、ヨウ化物、フッ化物等のハロゲン化物、硝酸塩、硫
酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、安息香酸塩等の有機酸塩、
ハロゲン化物含有錯体、アンミン錯体等の錯体などが使
用されるが、中でもハロゲン化物、特には塩化物が好ま
しい。これら金属の化合物は助触媒成分であり、活性の
向上や選択性の向上に効果があるものである。これら金
属の化合物の担持量は金属換算で通常0.03〜30重
量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0015】白金族金属の化合物、及び必要に応じて
鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッケル及びスズからな
る群から選ばれた少なくとも一種類の金属の化合物を前
記アルミナ担体に担持する方法は特別なものである必要
はなく、含浸法、蒸発乾固法、混練法、沈着法、共沈法
などの通常実施される方法でよいが、本発明では含浸法
又は蒸発乾固法が好適である。前記触媒としては粉末も
しくは粒状のものが使用されるが、その粒径は特に限定
されるものではなく、通常、粉末では20〜100μm
のもの、粒状では4〜200メッシュのものが好適に使
用される。
【0016】亜硝酸エステルとしては、亜硝酸メチル、
亜硝酸エチル、亜硝酸n−(又はi−)プロピル、亜硝
酸n−(又はi−、sec−)ブチル等の炭素数1〜4
の低級脂肪族一価アルコールの亜硝酸エステル、亜硝酸
シクロヘキシル等の脂環式アルコールの亜硝酸エステ
ル、亜硝酸ベンジル、亜硝酸フェニルエチル等のアラル
キルアルコールの亜硝酸エステルなどが挙げられるが、
特に炭素数1〜4の低級脂肪族一価アルコールの亜硝酸
エステルが好ましく、中でも亜硝酸メチル、亜硝酸エチ
ルが最も好ましい。
【0017】このような亜硝酸エステルは、例えば、亜
硝酸ソーダと硝酸、硫酸等の無機酸との反応やアンモニ
アの空気酸化によって得られるNOx ガスの一部を分子
状酸素で酸化してNO/NO2 (容量比)=1相当のN
x ガスを生成させた後、これにアルコールを接触させ
ることによって容易に得ることができる。また、本発明
では、反応に伴って亜硝酸エステルから一酸化窒素が生
成するので、この一酸化窒素に分子状酸素及びアルコー
ルを接触させて亜硝酸エステルを得ることもできる。
【0018】一酸化炭素と亜硝酸エステルは窒素ガス等
の不活性ガスで希釈されて、原料ガスとして使用され
る。この原料ガスの組成は反応上からは特に制限される
ものではないが、安全上の観点から、亜硝酸エステルの
濃度は通常20容量%以下、好ましくは5〜20容量%
とされる。一酸化炭素の濃度は、亜硝酸エステルを前記
不活性ガスの代わりに一酸化炭素で希釈することにすれ
ば80容量%までは可能であるが、経済的には通常5〜
20容量%の範囲にするのが好ましい。なお、原料ガス
中の一酸化炭素と亜硝酸エステルの割合は、亜硝酸エス
テル1モルに対して一酸化炭素が通常0.1〜10モ
ル、好ましくは0.25〜2モルである。
【0019】本発明では、反応系にクロロギ酸エステル
を微量存在させて反応が行われる。反応系にクロロギ酸
エステルを存在させる方法としては特に制限はないが、
例えば、原料ガスに微量のクロロギ酸エステルを連続的
に又は断続的に添加する方法が挙げられる。クロロギ酸
エステルの添加量は微量でよく、前記の不活性ガスで希
釈された原料ガスに対して通常1〜5000容量pp
m、好ましくは10〜1000容量ppm、更に好まし
くは50〜500容量ppmである。クロロギ酸エステ
ルの添加量が過剰になると製品へ塩素分が多く混入し、
またこの添加量が少ない場合は、触媒活性の低下とそれ
に伴う触媒の失活やシュウ酸ジエステルの副生が促進さ
れるという問題を生じる。
【0020】クロロギ酸エステルとしては、前記亜硝酸
エステルと同一のアルコキシ基を有するものが好適に使
用され、例えば、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチ
ル、クロロギ酸n−(又はi−)プロピル、クロロギ酸
n−(又はi−、sec−)ブチル等の炭素数1〜4の
低級脂肪族一価アルコールのクロロギ酸エステル、クロ
ロギ酸シクロヘキシル等の脂環式アルコールのクロロギ
酸エステル、クロロギ酸ベンジル、クロロギ酸フェニル
エチル等のアラルキルアルコールのクロロギ酸エステル
などが挙げられる。これらクロロギ酸エステルの中で
は、特に炭素数1〜4の低級脂肪族一価アルコールのク
ロロギ酸エステルが好ましく、中でもクロロギ酸メチ
ル、クロロギ酸エチルが最も好ましい。
【0021】本発明では、前記触媒が充填された反応器
に前記原料ガスが微量のクロロギ酸エステルと共に導入
されて、非常に温和な反応条件で気相接触反応が行われ
る。即ち、通常、反応温度が0〜200℃、好ましくは
50〜150℃、反応圧が常圧、一酸化炭素、亜硝酸エ
ステル及びクロロギ酸エステルを含む混合ガスの空間速
度が500〜20000hr-1、好ましくは1000〜
10000hr-1、更に好ましくは2000〜5000
hr-1の条件で反応が実施される。勿論、加圧下でも反
応は可能で、通常、50〜150℃の反応温度で1〜2
0kg/cm 2 Gの加圧下で実施することができる。亜
硝酸エステルを前記のように一酸化窒素から再生して供
給する場合には、一酸化炭素と亜硝酸エステルの気相接
触反応はむしろ1〜5kg/cm2 Gの加圧下で行うの
が好ましい。なお、気相接触反応の形式は、バッチ式又
は連続式で、固定床、移動床又は流動床のいずれでも差
し支えないが、工業的には固定床連続式が有利である。
また、反応器としては気相接触反応が行えるものであれ
ば特に制限はない。
【0022】このようにして一酸化炭素と亜硝酸エステ
ルの気相接触反応が行われて、反応器から、目的の炭酸
エステルのほかに、シュウ酸ジエステル、カルボン酸エ
ステル、アセタール等の副生物と、一酸化窒素、二酸化
炭素、未反応の一酸化炭素や亜硝酸エステル及び不活性
ガス等を含む反応ガスが導出される。炭酸エステルは、
例えば、この反応ガスを冷却した後、凝縮液から蒸留等
の常法により分離精製される。一方、一酸化炭素、亜硝
酸エステル、一酸化窒素、二酸化炭素、不活性ガス等の
非凝縮ガスはその一部がパージされながら再度反応器に
循環される。
【0023】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。なお、実施例及び比較例における炭酸
ジメチルの空時収量(STY)YDMC (g/l・hr)
は、一酸化炭素と亜硝酸メチルの接触反応時間をθ(h
r)、その間に生成した炭酸ジメチルの量をa(g)、
そして反応管への触媒の充填量をV(l)として次式に
より求めた。
【0024】
【数1】
【0025】同様に、シュウ酸ジメチルの生成量をb
(g)、ギ酸メチルの生成量をc(g)、メチラールの
生成量をd(g)として、シュウ酸ジメチルの空時収量
(STY)YDMO 、ギ酸メチルの空時収量(STY)Y
MF,メチラールの空時収量(STY)YMLを次式により
それぞれ求めた。
【数2】
【0026】
【数3】
【0027】
【数4】
【0028】また、上記のθに生成した炭酸ジメチルを
p(mol)、シュウ酸ジメチルをq(mol)、二酸
化炭素をr(mol)、ギ酸メチルをs(mol)、メ
チラールをt(mol)として、一酸化炭素基準及び亜
硝酸メチル基準の炭酸ジメチルの選択率SDMC (%)を
次式により求めた。
【数5】
【0029】
【数6】
【0030】実施例1 〔触媒の調製〕細孔径が40〜500Åの範囲内にある
細孔の容積が0.41ml/gで、Na2 O含有量が
0.4重量%である活性アルミナ(平均細孔径72Å、
BET比表面積180m2 /g)10gを、塩化パラジ
ウム0.167g及び塩化第二銅0.321gを溶解し
た5重量%アンモニア水溶液30mlに浸漬し、水分を
蒸発乾固して空気中70℃で乾燥した後、空気中200
℃で焼成した。得られた触媒には、金属換算で塩化パラ
ジウムが1.0重量%担持されていて、Cu/Pd原子
比は2であった。なお、塩化パラジウム、塩化第二銅の
担持量はICP分析により、細孔径及び細孔容積は水銀
圧入法とガス吸着法により測定した。
【0031】〔炭酸ジメチルの製造〕上記触媒5mlを
内径20mmの気相反応管(外部ジャケット付)に充填
した後、反応管を垂直に固定し、反応管ジャケットに熱
媒を循環させ、触媒層の温度が110℃になるように加
熱制御した。この反応管の上部から、一酸化窒素、酸素
及びメタノールから合成した亜硝酸メチルを含むガスと
一酸化炭素及びクロロギ酸メチルとの混合ガス、即ち、
一酸化炭素5容量%、亜硝酸メチル10容量%、一酸化
窒素4容量%、メタノール8容量%、クロロギ酸メチル
100容量ppm及び窒素ガス73容量%からなる混合
ガスを3000hr-1の空間速度で供給しながら、3k
g/cm2 の加圧下で反応を行った。
【0032】そして、反応管から導出される反応ガスを
氷冷したメタノール中に通して反応生成物を補集し、反
応生成物をガスクロマトグラフィーで分析した。その結
果、反応開始22時間後で、炭酸ジメチルのSTYは2
84g/l・hrで、一酸化炭素基準選択率は96.0
%、亜硝酸メチル基準選択率は98.2%であった。ま
た、ギ酸メチル及びメチラールのSTYは併せて1.5
g/l・hrで、シュウ酸ジメチルのSTYは2.0g
/l・hrであった。
【0033】比較例1 〔触媒の調製〕実施例1のアルミナ担体を使用して同様
に触媒を調製した。得られた触媒には、金属換算で塩化
パラジウムが1.0重量%担持されていて、Cu/Pd
原子比は2であった。
【0034】〔炭酸ジメチルの製造〕実施例1におい
て、上記触媒5mlを使用し、クロロギ酸メチルに代え
て塩化水素100容量ppmを添加したほかは、実施例
1と同様に炭酸ジメチルの製造を行った。その結果、反
応開始22時間後で、炭酸ジメチルのSTYは205g
/l・hrで、一酸化炭素基準選択率は95.9%、亜
硝酸メチル基準選択率は96.6%であった。また、ギ
酸メチル及びメチラールのSTYは併せて2.2g/l
・hrで、シュウ酸ジメチルのSTYは2.0g/l・
hrであった。
【0035】実施例2 〔触媒の調製〕実施例1のアルミナ担体を使用して同様
に触媒を調製した。得られた触媒には、金属換算で塩化
パラジウムが1.0重量%担持されていて、Cu/Pd
原子比は2であった。
【0036】〔炭酸ジメチルの製造〕実施例1におい
て、上記触媒5mlを使用し、一酸化炭素を15容量
%、亜硝酸メチルを10容量%、窒素ガスを63容量%
に変え、触媒層の温度を100℃に変えたほかは、実施
例1と同様に炭酸ジメチルの製造を行った。その結果、
反応開始14時間後で、炭酸ジメチルのSTYは274
g/l・hrで、一酸化炭素基準選択率は95.6%、
亜硝酸メチル基準選択率は97.1%であった。また、
ギ酸メチル及びメチラールのSTYは併せて1.8g/
l・hrで、シュウ酸ジメチルのSTYは4.0g/l
・hrであった。
【0037】比較例2 〔触媒の調製〕実施例1のアルミナ担体を使用して同様
に触媒を調製した。得られた触媒には、金属換算で塩化
パラジウムが1.0重量%担持されていて、Cu/Pd
原子比は2であった。
【0038】〔炭酸ジメチルの製造〕実施例2におい
て、上記触媒5mlを使用し、クロロギ酸メチルに代え
て塩化水素100容量ppmを添加したほかは、実施例
2と同様に炭酸ジメチルの製造を行った。その結果、反
応開始14時間後で、炭酸ジメチルのSTYは195g
/l・hrで、一酸化炭素基準選択率は94.0%、亜
硝酸メチル基準選択率は95.4%であった。また、ギ
酸メチル及びメチラールのSTYは併せて2.4g/l
・hrで、シュウ酸ジメチルのSTYは5.0g/l・
hrであった。
【0039】比較例3 〔触媒の調製〕実施例1のアルミナ担体を予め空気中1
100℃で3時間焼成して、細孔径が40〜500Åの
範囲内にある細孔の容積が0.27ml/gで、Na2
O含有量が0.4重量%である活性アルミナ(平均細孔
径340Å、BET比表面積60m2 /g)に変えたほ
かは、実施例1と同様に触媒を調製した。得られた触媒
には、金属換算で塩化パラジウムが1.0重量%担持さ
れていて、Cu/Pd原子比は2であった。
【0040】〔炭酸ジメチルの製造〕実施例1において
触媒を上記触媒5mlに変えたほかは、実施例1と同様
に反応を行った。その結果、反応開始14時間後で、炭
酸ジメチルのSTYは82g/l・hrで、一酸化炭素
基準選択率は91.3%、亜硝酸メチル基準選択率は9
0.6%であった。また、ギ酸メチル及びメチラールの
STYは併せて2.2g/l・hrで、シュウ酸ジメチ
ルのSTYは4.0g/l・hrであった。
【0041】比較例4 〔触媒の調製〕実施例1のアルミナ担体を、細孔径が4
0〜500Åの範囲内にある細孔の容積が1.10ml
/gで、Na2 O含有量が0.01重量%以下である活
性アルミナ(平均細孔径約310Å、BET比表面積1
83m2 /g)10gに変えたほかは、実施例1と同様
に触媒を調製した。得られた触媒には、金属換算で塩化
パラジウムが1.0重量%担持されていて、Cu/Pd
原子比は2であった。
【0042】〔炭酸ジメチルの製造〕実施例1において
触媒を上記触媒5mlに変えたほかは、実施例1と同様
に反応を行った。その結果、反応開始14時間後で、炭
酸ジメチルのSTYは88g/l・hrで、一酸化炭素
基準選択率は83.9%、亜硝酸メチル基準選択率は8
5.8%であった。また、ギ酸メチル及びメチラールの
STYは併せて5.0g/l・hrで、シュウ酸ジメチ
ルのSTYは4.4g/l・hrであった。実施例及び
比較例の結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明により、腐食性の強い塩化水素を
用いることなく、温和な条件下で一酸化炭素と亜硝酸エ
ステルを気相接触反応させて、工業的に満足できる高い
反応速度(空時収量)及び選択率、特には塩化水素を使
用した場合よりも高い反応速度(空時収量)及び選択率
で炭酸エステルを製造することができる。クロロギ酸エ
ステルは塩化水素よりも腐食性が低く、またその添加量
も微量でガス空間速度も低くすることができるため、反
応器の腐食や製品への塩素分の混入を大幅に抑えること
ができると共に連続プロセスにおいてはガス循環量も低
減させることができ、工業的に好適な炭酸エステルの製
法を提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 蔵藤 敏雄 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 西平 圭吾 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部 興産株式会社宇部統合事業所内 (72)発明者 田中 秀二 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部 興産株式会社宇部統合事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細孔径が40〜500Åの範囲内にある
    細孔の容積が0.30〜1.0ml/gであるアルミナ
    担体に白金族金属又はその化合物が担持された触媒の存
    在下、クロロギ酸エステルを存在させて、一酸化炭素と
    亜硝酸エステルを気相接触反応させることを特徴とする
    炭酸エステルの製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110152559A1 (en) * 2008-09-01 2011-06-23 Ube Industries, Ltd. Method for producing asymmetric chain carbonate

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20110152559A1 (en) * 2008-09-01 2011-06-23 Ube Industries, Ltd. Method for producing asymmetric chain carbonate
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