JPH08251090A - 送信ダイバーシティ装置 - Google Patents

送信ダイバーシティ装置

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JPH08251090A
JPH08251090A JP7050874A JP5087495A JPH08251090A JP H08251090 A JPH08251090 A JP H08251090A JP 7050874 A JP7050874 A JP 7050874A JP 5087495 A JP5087495 A JP 5087495A JP H08251090 A JPH08251090 A JP H08251090A
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transmission
branch
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antenna
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JP7050874A
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Hideto Oura
秀人 大浦
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広範囲のドップラ周波数(両伝送装置間の相
対的な広範囲の移動速度)においても、送信ダイバーシ
ティを有効に機能させる 【構成】 送信ダイバーシティ装置において、アンテナ
決定手段24が、下りのタイミングにおける各ブランチ
の伝搬特性を、上りのタイミングにおける複数の受信電
界強度情報から予測して、その予測値が最も良好なブラ
ンチを、下りのタイミングで使用するブランチ(送受共
用アンテナ)に決定することにより、広範囲のドップラ
周波数においても送信ダイバーシティを有効に機能させ
る。ここで、受信電界強度情報記憶手段23A、23B
に格納されている、下りのタイミングの前の2以上の上
りのタイミングにおける各ブランチの受信電界強度情報
を予測に使用することとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、双方向伝送方式として
TDD方式(時分割双方向伝送方式)を採用している通
信システムにおける送信ダイバーシティ装置に関し、例
えば、パーソナルハンディフォンシステム(PHSシス
テム)に適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】パーソナル通信の手段として、日本にお
いてPHSシステムのサービスが開始されようとしてい
る。このPHSシステムにおいては、サービスエリアが
数km半径のマクロセル方式を採用している既存の自動
車、携帯電話システムとは異なり、サービスエリア半径
が100〜200m程度のマイクロセル方式を採用して
いる。そのため、同一エリアに係る自動車、携帯電話シ
ステムの基地局数を1とすると、PHSシステムの基地
局数は200〜600と言われている。
【0003】マイクロセル方式の利点として、伝搬距離
が短く送信電力を小さくできるので、無線機(携帯機及
び基地局)の低消費電力化、及び、携帯機の小型化が可
能になることが挙げられる。また、基地局のカバーエリ
アが小さいので、基地局及び携帯機間の伝搬路が見通し
内の直線である確率が高く、周波数として準マイクロ波
及びマイクロ波の使用も可能となり、収容容量の飛躍的
な増大が可能なことが挙げられる。このような利点を有
するPHSシステムを実現するためには、自動車、携帯
電話システムより数多く設置される基地局の構成が重要
にもなる。すなわち、マイクロセル方式の基地局には、
大幅なコストアップなしでサービスエリアを広げて設置
数を減少できるようにするというテーマがある。この場
合にも当然に、対向する携帯機は通常の性能のものであ
ることが条件となる。
【0004】サービスエリアの拡大は、基地局又は携帯
機における受信電界強度を向上させることである。かか
る方法として、TDMA(時分割多元接続)/TDD伝
送方式を採用している移動体通信システム(例えばPH
Sシステム)について、基地局に送信ダイバーシティ方
法を適用することが既に提案されている(文献1〜文献
3参照)。なお、携帯機に受信ダイバーシティ方法を適
用することは、小形化、低消費電力化、低コスト化の要
求が非常に高いPHSシステムの携帯機においては実際
的ではない。
【0005】文献1『近藤、諏訪、「TDMA/TDD
伝送方式における送信ダイバーシチの実験的検討」、1
991年電子情報通信学会春季全国大会 B−396』 文献2『山元、近藤、高梨、「TDMA/TDD通信方
式における送信ダイバーシチ特性の実験的検討」、19
93年電子情報通信学会秋季大会 B−305』 文献3『近藤、諏訪、「TDMA/TDD伝送方式にお
ける予測型送信ダイバーシチ適用効果」、1993年電
子情報通信学会春季大会 B−413』 文献4『松本、久保田、加藤、「送信ダイバーシチを適
用したπ/4シフトQPSK同期検波方式の特性」、1
993年電子情報通信学会秋季大会 B−303』 TDMA/TDD伝送方式においては、図2に示すよう
に、上り(携帯機から基地局)、下り(基地局から携帯
機)の通信を同一無線周波数を用いて交互に繰り返して
双方向通信を行なうと共に、基地局及びある携帯機間の
通信は、上りフレーム及び下りフレーム上の同一の固定
スロット(例えば図2のチャネル#1)を用いて呼が終
了するまで繰返し実行するものである。
【0006】基地局における送信ダイバーシティ方法
は、基地局に複数の送受共用アンテナを設けており、直
前の上りスロットにおける受信電界強度が最も大きい送
受共用アンテナから、下りスロットの送信を行ない、携
帯機での受信電界強度を向上させるう方法である。この
方式が採用できる理由は、伝搬路に可逆性があること、
上り及び下りの通信の時間差(PHSシステムでは2.
5[msec])が短く両方向の伝搬特性(受信電界強
度で把握できる)に相関があることによる。上記文献1
及び2は、TDMA/TDD伝送方式における送信ダイ
バーシティ方法の有用性を確認している。
【0007】ところで、PHSシステムの携帯機は、ユ
ーザが立ち止まって、又は、歩行程度の速度で移動しな
がら使用することを前提としている。しかしながら、移
動車両中でその携帯機が使用されることも実際上多くな
ると考えられる。このような高速移動状態ではドップラ
周波数が高くなり、同一チャネルのスロットにおける上
り及び下りの伝搬特性(受信電界強度)の相関は小さく
なり、送信ダイバーシティが有効に機能し得ない。
【0008】文献2によれば、最大ドップラ周波数が8
5[Hz]となると送信のダイバーシティゲインが0と
なることが記されている。移動速度を速くすることとド
ップラ周波数を上げることとは同じであり、歩行速度か
ら移動速度を上げると(ドップラ周波数を高くする
と)、文献4の図3にあるように所要Eb/Noが大き
くなり、同じBERを得るためには、より大きな受信電
界強度が必要になる。
【0009】下り通信の送信ダイバーシティの移動速度
の高速化に対する改善は難しく、最も簡単な対策方法と
しては、基地局側の送信電力を増大させる方法が考えら
れる。しかし、この場合、基地局の消費電力の増大や高
電力増幅器の採用によるコストアップ等が大きな問題と
なる。
【0010】しかし、上記文献3は、上りスロットにお
ける2つの時点で受信電界強度を検出し、それを下りス
ロット期間に外挿し(線形予測し)、外挿された受信電
界強度を複数の送受共用アンテナについて比較し、下り
通信で用いるアンテナを選択することが記載されてい
る。このような送信ダイバーシティ方法を採用すると、
高速移動状態での下り通信でも送信ダイバーシティを有
効に機能させることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、文献3
の送信ダイバーシティ方法は、逆に低速移動時(停止時
を含む)での送信ダイバーシティが有効に機能しないと
いう課題がある。すなわち、低速移動時では、1個の上
りスロット期間での受信電界強度の変化は小さく、ノイ
ズの影響を考慮すると、かえって線形予測を行なったた
めに携帯機での受信電界強度が低くなる方の送受共用ア
ンテナを基地局が誤って選択することが多くなるという
課題を有する。
【0012】上述したように、PHSシステムの携帯機
は、ユーザが立ち止まって、又は、歩行程度の速度で移
動しながら使用することを前提としている。そのため、
文献3記載の送信ダイバーシティ方法の課題は、PHS
システムについては大きなものである。
【0013】一方、文献1又は文献2に記載の単純な送
信ダイバーシティ方法を適用した場合にも、ノイズ影響
によって、携帯機での受信電界強度が低くなる方の送受
共用アンテナを基地局が誤って選択する恐れが高く、ま
た、上述のようにドップラ周波数が高くなった場合に対
応できない。
【0014】そのため、広範囲のドップラ周波数(両伝
送装置間の相対的な広範囲の移動速度)において、送信
ダイバーシティを有効に機能させることが送信ダイバー
シティ装置が求められている。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、第1の本発明による送信ダイバーシティ装置は、以
下の手段を備えている。
【0016】すなわち、(a) 複数の送受共用アンテナの
中から1個を選択して送信させる選択対象時の下りのタ
イミングの前の2以上の上りのタイミングにおける各ブ
ランチの受信電界強度情報を検出して記憶する受信電界
強度情報記憶手段と、(b) この受信電界強度情報記憶手
段に記憶された各ブランチの複数の受信電界強度情報に
基づいて、下りのタイミングにおける伝搬特性をブラン
チ毎に予測し、最も良好な予測値にかかるブランチに係
る送受共用アンテナを選択対象時の下りのタイミングに
使用するものと決定するアンテナ決定手段と、(c) 選択
対象時の下りのタイミングにおいて、アンテナ決定手段
が決定した送受共用アンテナを選択させるアンテナ切替
手段とを備えている。
【0017】また、上記課題を解決するため、第2の本
発明による送信ダイバーシティ装置は、以下の手段を備
えている。
【0018】すなわち、(A) 複数の送受共用アンテナの
中から1個を選択して送信させる選択対象時の下りのタ
イミングの前の2以上の上りのタイミングにおける各ブ
ランチの受信電界強度情報を検出して記憶する第1の受
信電界強度情報記憶手段と、(B) 選択対象時の下りのタ
イミングの直前の上りのタイミングにおける受信電界強
度情報を各ブランチについてそれぞれ2個以上検出して
記憶する第2の受信電界強度情報記憶手段と、(C) 少な
くとも第2の受信電界強度情報記憶手段に記憶されてい
る全て又は一部の受信電界強度情報に基づいて、第1及
び第2の受信電界強度情報記憶手段のいずれに記憶され
ている受信電界強度情報を下りのタイミングに使用する
送受共用アンテナの決定に利用するかを決定する記憶情
報選択手段と、(D) 決定された第1又は第2の受信電界
強度情報記憶手段に記憶された各ブランチの複数の受信
電界強度情報に基づいて、下りのタイミングにおける伝
搬特性をブランチ毎に予測し、最も良好な予測値にかか
るブランチに係る送受共用アンテナを選択対象時の下り
のタイミングに使用するものと決定するアンテナ決定手
段と、(E) 選択対象時の下りのタイミングにおいて、ア
ンテナ決定手段が決定した送受共用アンテナを選択させ
るアンテナ切替手段とを備えている。
【0019】
【作用】第1及び第2の本発明による送信ダイバーシテ
ィ装置は共に、アンテナ決定手段が、下りのタイミング
における各ブランチの伝搬特性を、上りのタイミングに
おける複数の受信電界強度情報から予測して、その予測
値が最も良好なブランチを、下りのタイミングで使用す
るブランチ(送受共用アンテナ)に決定することによ
り、広範囲のドップラ周波数(両伝送装置間の相対的な
広範囲の移動速度)においても、送信ダイバーシティを
有効に機能させようとしたものである。
【0020】ここで、第1の本発明においては、受信電
界強度情報記憶手段に格納されている、下りのタイミン
グの前の2以上の上りのタイミングにおける各ブランチ
の受信電界強度情報を予測に使用することとした。その
ため、停止速度からある程度の高速の移動速度までの範
囲で、送信ダイバーシティを有効に機能させることがで
きる。
【0021】第2の本発明においては、相対的な移動速
度が高速な場合には、第2の受信電界強度情報記憶手段
に格納されている、下りのタイミングの直前の上りのタ
イミングにおける各ブランチの受信電界強度情報を予測
に使用することとし、相対的な移動速度が停止速度及び
低速な場合には、第1の受信電界強度情報記憶手段に格
納されている、下りのタイミングの前の2以上の上りの
タイミングにおける各ブランチの受信電界強度情報を予
測に使用することとした。ここで、予測に使用する受信
電界強度情報をどちらにするかは、少なくとも第2の受
信電界強度情報記憶手段に記憶されている全て又は一部
の受信電界強度情報に基づいて、記憶情報選択手段が決
定する。
【0022】
【実施例】
(A)第1実施例 以下、本発明の送信ダイバーシティ装置を、PHSシス
テムの基地局に適用した第1実施例を図面を参照しなが
ら詳述する。なお、この第1実施例は、ダイバーシティ
に係るブランチ数が2個のものである。
【0023】図3は基地局の要部構成を示すブロック図
であり、図1はその送信ダイバーシティ制御回路の詳細
構成を示すブロック図である。
【0024】図3において、基地局1は、送信ダイバー
シティ及び受信ダイバーシティが有効に機能する距離だ
け離間して設けられた2個の送受共用アンテナ2A及び
2Bを備えている。これらアンテナ2A及び2Bが電波
を捕捉して電気信号に変換した受信信号は、それぞれ対
応する送受切替スイッチ3A、3Bを介して、対応する
受信信号処理系に入力される。なお、両方の送受切替ス
イッチ3A及び3Bには、後述する音声信号処理回路8
から共通の上り/下りタイミング信号が与えられ、上り
/下りタイミング信号が上りタイミングを指示している
ときに、受信信号を受信信号処理系に入力させる。
【0025】各受信処理系においては、受信信号を前置
増幅回路(フィルタを含む)4A、4Bを介して増幅し
た後、ミキサ回路5A、5Bにおいて、図示しない共通
の発振器からの発振信号と混合してIF(中間周波)信
号に変換し、さらに、IF増幅回路(フィルタを含む)
6A、6Bを介して増幅し、この増幅されたIF信号を
復調器7A、7Bがベースバンド信号に復調して音声信
号処理回路8に入力する。
【0026】音声信号処理回路8は、ベースバンド信号
の各スロットに含まれている各チャネルの圧縮音声信号
を時間軸伸長した後有線通信網への伝送フレームを作成
して有線通信網に送出したり、有線通信網からの伝送フ
レームにおける各チャネルの音声信号を時間軸圧縮して
送信ベースバンド信号の所定のスロットに挿入したりす
る処理等を行なう。また、この明細書においては、音声
信号処理回路8には、当該基地局1の全体を制御する構
成を含んでいるとする。すなわち、音声信号処理回路8
は、上り/下りタイミング信号やスロットタイミング信
号や予測処理実行信号や送信アンテナ切替スロット信号
等の各種制御信号を適宜形成する。
【0027】音声信号処理回路8が出力した送信ベース
バンド信号は、送信信号処理系に入力される。送信信号
処理系においては、送信ベースバンド信号を変調部9が
変調し、ミキサ回路10が、この変調信号と、図示しな
い発振器からの発振信号とを混合して無線周波数帯にア
ップコンバートして送信信号を形成し、この送信信号を
電力増幅器(フィルタを含む)11が電力増幅し、アン
テナ選択スイッチ12が送信ダイバーシティ制御回路1
5からのアンテナ選択信号に応じて、いずれかの送受切
替スイッチ3A又は3Bに電力増幅された送信信号を与
える。
【0028】このタイミングにおいては、送信信号が与
えられる送受切替スイッチ3A又は3Bには、音声信号
処理回路8から、下りタイミングを指示する上り/下り
タイミング信号が与えられており、送受切替スイッチ3
A又は3Bは、与えられた送信信号を送受共用アンテナ
2A又は2Bに与えて、そのアンテナ2A又は2Bから
送信電波を放射させる。
【0029】次に、送信信号を電波放射させる送受共用
アンテナ2A又は2Bを決定する構成について説明す
る。
【0030】上述した各IF増幅回路6A、6Bには、
増幅したIF信号の帯域制限を行なうフィルタだけでな
く、IF信号に対して積分処理して直流化するフィルタ
も設けられており、後者のフィルタで得られた直流信号
が受信電界強度信号(以下、RSSI信号と呼ぶ)R
A、RBとして送信ダイバーシティ制御回路15に与え
られるようになされている。なお、受信信号のゲインを
一定化させるAGCループでのAGC制御信号をRSS
I信号RA、RBとして利用するようにしても良い。
【0031】送信ダイバーシティ制御回路15は、図1
に示すように、各IF増幅回路6A、6BからのRSS
I信号RA、RBに対応して、アナログ/デジタル変換
器(A/D変換器)20A、20Bと、平均回路21
A、21Bと、格納メモリ切替部22A、22Bと、R
SSI格納メモリ23A、23Bを備えている。送信ダ
イバーシティ制御回路15は、さらに、送信アンテナレ
ジスタ24Aを内蔵する送信アンテナ決定回路24を備
えている。
【0032】各アナログ/デジタル変換器20A、20
Bには、音声信号処理回路8から、上りフレームの各ス
ロット(各チャネル)の時間軸上での中間位置における
所定時間だけサンプリングクロック信号が与えられるよ
うになされている。各アナログ/デジタル変換器20
A、20Bは、サンプリングクロック信号が与えられた
期間だけ入力されたRSSI信号RA、RBをサンプリ
ングする。1スロット期間は約622[μsec]であ
るが、例えば、その中間における40[μsec]程度
だけサンプリングする。
【0033】各平均回路21A、21Bは、所定期間だ
けサンプリングされたRSSIデータの平均値を求め
る。すなわち、その所定期間でのRSSI信号における
ノイズ成分を平均化することで緩和する。平均されたR
SSIデータは、対応する格納メモリ切替部22A、2
2Bに与えられる。
【0034】各RSSI格納メモリ23A、23Bはそ
れぞれ、各スロット(各チャネル)に対応したエリア
(例えばシフトレジスタでなる)23A#1、23A#
2、23A#3及び23A#4、若しくは、23B#
1、23B#2、23B#3、23B#4に分かれてお
り、各エリア23A#i、23B#i(iは1〜4)
は、さらに、現在の受信スロットのRSSIデータの格
納エリア23A#iN、23B#iNと、その前の受信
スロットのRSSIデータの格納エリア23A#iP、
23B#iPとに分かれている。
【0035】各格納メモリ切替部22A、22Bには、
音声信号処理回路8から、現在の受信スロットを特定す
るスロットタイミング信号が与えられており、そのスロ
ットタイミング信号が指示するスロット(#iとする)
に対応する各RSSI格納メモリ23A、23Bのスロ
ットエリア23A#i、23B#iに、対応する平均回
路22A、22BからのRSSIデータを与える。この
とき、各RSSI格納メモリ23A、23Bにおいて
は、入力されたRSSIデータを、現在の受信スロット
のRSSIデータの格納エリア23A#iN、23B#
iNに格納し、今までエリア23A#iN、23B#i
Nに格納されていたRSSIデータを、前受信スロット
のRSSIデータの格納エリア23A#iP、23B#
iPに格納する。
【0036】送信アンテナ決定回路24は、例えばソフ
トウェア処理構成でなり、音声信号処理回路8から、予
測処理実行信号や送信アンテナ切替スロット信号が与え
られる。
【0037】送信アンテナ決定回路24は、予測処理実
行信号が与えられたときには、その信号が指示するスロ
ット(#iとする)に係る各RSSI格納メモリ23
A、23Bのエリア23A#iN、23A#iP、23
B#iN、23B#iPからRSSIデータを取出し、
これら4個のRSSIデータから、次の下りフレームに
おけるそのスロットで使用する送受共用アンテナ2A又
は2Bを決定し、決定した送信アンテナを規定するフラ
グ(アンテナ選択信号)を送信アンテナレジスタ24A
のそのスロット#iに係るエリア24A#iに格納す
る。
【0038】また、送信アンテナ決定回路24は、送信
アンテナ切替スロット信号が与えられたときには、その
信号が指示するスロット(#iとする)に係る送信アン
テナレジスタ24Aのエリア24A#iからアンテナ選
択信号を取出して、送信アンテナ選択スイッチ12に送
出する。
【0039】すなわち、送信アンテナ決定回路24は、
図4にスロット#1について示すように、下りフレーム
におけるスロットで使用する送受共用アンテナ2A又は
2Bを規定するアンテナ選択信号を、その直前の上りフ
レームのスロットでのRSSI信号(RA及びRB)及
びさらにその前の上りフレームのスロットでのRSSI
信号(RA及びRB)から決定している。
【0040】次に、送信アンテナ決定回路24の処理例
を、図5のフローチャートを参照しながら詳述する。
【0041】送信アンテナ決定回路24は、音声信号処
理回路8からの制御信号の到来を待機しており(ステッ
プ100)、制御信号を受信すると、予測処理実行信号
か送信アンテナ切替スロット信号かを判別する(ステッ
プ101)。
【0042】予測処理実行信号であると、その信号が規
定しているスロット番号#iを認識し(ステップ10
2)、そのスロット番号#iに係る各RSSI格納メモ
リ23A、23Bのエリア23A#iN、23A#i
P、23B#iN、23B#iPからRSSIデータを
取出す(ステップ103)。
【0043】次に、Aブランチのエリア23A#iN及
び23A#iPから取出した2個のRSSIデータか
ら、次の下りフレームの送信スロットの送出時における
対向移動機の受信電界強度(伝搬特性)を線形予測して
保持し(ステップ104)、また、Bブランチのエリア
23B#iN及び23B#iPから取出した2個のRS
SIデータから、次の下りフレームの送信スロットの送
出時における対向移動機の受信電界強度を線形予測して
保持し(ステップ105)、これら両ブランチの線形予
測された受信電界強度を比較して大きい値のブランチを
選択することに決定する(ステップ106)。そして、
そのブランチを指示するアンテナ選択信号を送信アンテ
ナレジスタ24Aのエリア24A#iに格納し(ステッ
プ107)、制御信号の受信待ち状態に戻る。なお、予
測時点としては、図4に示すように、スロット期間の中
間時点が好ましい。
【0044】一方、送信アンテナ決定回路24は、送信
アンテナ切替スロット信号を受信したことを判別すると
(ステップ101で否定結果)、その信号が指示するス
ロット番号#iを認識し(ステップ108)、そのスロ
ット番号#iに係る送信アンテナレジスタ24Aのエリ
ア24A#iからアンテナ選択信号を取出して、送信ア
ンテナ選択スイッチ12に送出し(ステップ109)、
制御信号の受信待ち状態に戻る。
【0045】図6は、両ブランチのRSSI信号RA及
びRBの変化と選択される送受信アンテナとの関係例を
あるスロット番号#iについて示したものである。
【0046】図6(A)及び(B)は共に、Aブランチ
での2個の上りスロットのRSSIデータRA1及びR
A2がそれぞれ、Bブランチでの2個の上りスロットの
RSSIデータRB1及びRB2より大きい場合を示し
ている。しかし、図6(A)の場合は、Aブランチでの
2個の上りスロットのRSSIデータRA1及びRA2
から求めた下りスロットの予測値PRE−Aの方が、B
ブランチでの2個の上りスロットのRSSIデータRB
1及びRB2から求めた下りスロットの予測値PRE−
Bより大きいのでAブランチが選択され、図6(B)の
場合は、Aブランチでの2個の上りスロットのRSSI
データRA1及びRA2から求めた下りスロットの予測
値PRE−Aの方が、Bブランチでの2個の上りスロッ
トのRSSIデータRB1及びRB2から求めた下りス
ロットの予測値PRE−Bより小さいのでBブランチが
選択される。
【0047】すなわち、直前上りスロットの1個のRS
SI情報から下りスロットでのアンテナを決定する、文
献1又は文献2に記載の従来方法では、これらの場合に
共にAブランチを選択するが、この第1実施例の場合に
は、上述のように予測値に基づいて選択ブランチが変化
し、より妥当な選択を行なうことができる。
【0048】時速30km以下での移動に対応するドッ
プラ周波数においては、1個の上りスロット内でのRS
SIの変化は小さく、しかもその平坦な変化曲線上にノ
イズが重畳されている。そのため、直前1個の上りスロ
ット内での2個のRSSI情報から下りスロットのRS
SIを予測する、文献3に記載の従来方法においては予
測誤差が大きくなる。しかし、この第1実施例では2個
の上りスロットのRSSI情報を利用して予測している
ので、下りスロットのRSSIの予測精度は高くなる。
すなわち、安定した予測を行なうことができる。
【0049】以上のように、第1実施例によれば、直前
の2個の上りスロットのRSSI情報から下りスロット
でのRSSIを線形予測して送信に使用する送受共用ア
ンテナを決定するようにしたので、移動機の広い移動速
度範囲において、送信ダイバーシティ機能を有効に発揮
させることができる。シミュレーション等による評価を
待たなければならないが、同一番号のスロット周期及び
移動速度対応のドップラ周波数の正弦波波形の関係か
ら、都内を走行する車両の移動速度(時速50〜60
[km]程度)で、送信ダイバーシティ機能を有効に発
揮させることができると推測できる。
【0050】そのため、速い移動速度(高いドップラ周
波数)を考慮したとしても、基地局の送信電力をほとん
ど増大させることなく、基地局のカバーエリアの増大を
期待できる。すなわち、ドップラ周波数が低い周波数f
L から高い周波数fH に変化すると、RSSI−BER
(ビットエラーレート)特性曲線は、図7の曲線Aから
曲線Bに変化する。このようにドップラ周波数が高くな
ると、同じ所要BERを得るためには、その差分(X1
[dB])だけ高い受信電界強度が必要になる。受信電
界強度を上げるためには、基地局側でその差分(X1
[dB])だけ高い送信電力で送出する必要があるが、
第1実施例の送信ダイバーシティ装置によって、携帯機
での受信性能を図7の曲線Cのように改善すると、基地
局の送信電力はごく僅か(X2[dB])だけ増大させ
るだけで対応できる。
【0051】また、PHSシステムが前提とする移動機
の移動速度範囲では従来より格段的に良好に送信アンテ
ナを選択させることができる。
【0052】(B)第2実施例 以下、本発明の送信ダイバーシティ装置を、PHSシス
テムの基地局に適用した第2実施例を図面を参照しなが
ら詳述する。なお、この第2実施例も、ダイバーシティ
に係るブランチ数が2個のものである。
【0053】この実施例においても、基地局の要部構成
は図3で表すことができる。しかし、送信ダイバーシテ
ィ制御回路15の内部構成が第1実施例のものと若干異
なっており、送信アンテナ決定回路24の処理も第1実
施例とは異なっている。
【0054】第2実施例に係る図8〜図10はそれぞ
れ、上述した第1実施例に係る図1、図4、図5に対応
する図面であり、同一、対応部分には同一符号を付して
示している。
【0055】この第2実施例の送信ダイバーシティ制御
回路15は、図8に示すように、各ブランチのRSSI
格納メモリ23A、23Bが、各スロット(各チャネ
ル)に対応したエリア23A#1、23A#2、23A
#3及び23A#4、若しくは、23B#1、23B#
2、23B#3、23B#4が分かれている点は第1実
施例と同様であるが、各エリア23A#i、23B#i
(iは1〜4)が、さらに、現在の受信スロットの2個
のRSSIデータの格納エリア23A#iN1及び23
A#iN2、若しくは、23B#iN1及び23B#i
N2と、その前の受信スロットのRSSIデータの格納
エリア23A#iP1及び23A#iP2、若しくは、
23B#iP1及び23B#iP2の計4個のエリアに
分かれている点が第1実施例とは異なっている。
【0056】このように相前後する2個の上りスロット
のそれぞれについて2個のRSSIデータを格納すべ
く、この第2実施例におけるアナログ/デジタル変換器
20A、20Bには、音声信号処理回路8から、上りフ
レームの各スロット(各チャネル)の時間軸上での対称
位置の2個の所定期間だけサンプリングクロック信号が
与えられるようになされている。1スロット期間は約6
22[μsec]であるが、例えば、スロット開始時点
から100[μsec]だけ経過した時点から40[μ
sec]程度だけサンプリングクロック信号が与えられ
ると共に、スロット開始時点から483[μsec]だ
け経過した時点から40[μsec]程度だけサンプリ
ングクロック信号が与えられる。
【0057】従って、第2実施例の送信アンテナ決定回
路24は、予測処理実行信号が与えられたときには、そ
の信号が指示するスロット(#iとする)に係る各RS
SI格納メモリ23A、23BからAブランチ及びBブ
ランチのそれぞれについて4個のRSSIデータを取出
して、次の下りフレームにおけるそのスロットで使用す
る送受共用アンテナ2A又は2Bを決定し、決定した送
信アンテナを規定するフラグ(アンテナ選択信号)を送
信アンテナレジスタ24Aのそのスロット#iに係るエ
リア24A#iに格納する。
【0058】なお、送信アンテナ切替スロット信号が与
えられたときの送信アンテナ決定回路24の処理は、第
1実施例と同様である。
【0059】すなわち、送信アンテナ決定回路24は、
図9にスロット#1について示すように、下りフレーム
におけるスロットで使用する送受共用アンテナ2A又は
2Bを規定するアンテナ選択信号を、その直前の上りフ
レームのスロットでの各ブランチについて2個のRSS
I信号(RA及びRB)及びさらにその前の上りフレー
ムのスロットでの各ブランチについて2個のRSSI信
号(RA及びRB)から決定している。
【0060】次に、第2実施例の送信アンテナ決定回路
24の処理例を、図10に示すフローチャートを参照し
ながら、第1実施例と異なる部分について詳述する。な
お、図10は、第1実施例とは異なる処理部分を取出し
て示したものである。
【0061】送信アンテナ決定回路24が、音声信号処
理回路8からの制御信号の到来を待機し(ステップ10
0)、制御信号を受信したときに、予測処理実行信号か
送信アンテナ切替スロット信号かを判別し(ステップ1
01)、予測処理実行信号であると、その信号が規定し
ているスロット番号#iを認識する(ステップ102)
までの処理の流れは、第1実施例と同様である。
【0062】第2実施例においては、次に、そのスロッ
ト番号#iに係る各RSSI格納メモリ23A、23B
のエリア23A#iN1、23A#iN2、23A#i
P1、23A#iP2、23B#iN1、23B#iN
2、23B#iP1及び23B#iP2からRSSIデ
ータを取出す(ステップ110)。
【0063】そして、送信アンテナ決定回路24は、直
前上りスロットに係るAブランチの2個のエリア23A
#iN1及び23A#iN2から取出した2個のRSS
Iデータの偏差を求め(ステップ111)、また、直前
上りスロットに係るBブランチの2個のエリア23B#
iN1及び23B#iN2から取出した2個のRSSI
データの偏差を求める。そして、偏差の絶対値が後述す
るような値に選定された閾値THより小さいか否かを判
別する(ステップ113)。
【0064】なお、閾値THと比較される偏差の絶対値
は、Aブランチ及びBブランチの偏差の大きい方であっ
ても良く、また、偏差の小さい方であっても良く、それ
らの平均偏差であっても良い。
【0065】偏差の絶対値が閾値TH以上であると、送
信アンテナ決定回路24は、直前上りスロットに係るA
ブランチの2個のエリア23A#iN1及び23A#i
N2から取出した2個のRSSIデータに基づいて、次
の下りフレームの送信スロットの送出時における対向移
動機の受信電界強度を線形予測し(ステップ114)、
また、直前上りスロットに係るBブランチの2個のエリ
ア23B#iN1及び23B#iN2から取出した2個
のRSSIデータに基づいて、次の下りフレームの送信
スロットの送出時における対向移動機の受信電界強度を
線形予測する(ステップ115)。そして、これら両ブ
ランチの線形予測された受信電界強度を比較して大きい
値のブランチを選択することに決定し(ステップ10
6)、そのブランチを指示するアンテナ選択信号を送信
アンテナレジスタ24Aのエリア24A#iに格納し
(ステップ107)、制御信号の受信待ち状態に戻る。
【0066】これに対して、偏差の絶対値が閾値THよ
り小さいと、送信アンテナ決定回路24は、直前の上り
スロットに係るAブランチの2個のエリア23A#iN
1及び23A#iN2から取出した2個のRSSIデー
タの平均値を求めて、直前の上りスロットについて代表
するRSSIデータを形成し、また、さらにその前の上
りスロットに係るAブランチの2個のエリア23A#i
P1及び23A#iP2から取出した2個のRSSIデ
ータの平均値を求めて、その前の上りスロットについて
代表するRSSIデータを形成する(ステップ11
6)。同様に、Bブランチについても直前上りスロット
及びその前の上りスロットを代表するRSSIデータを
形成する(ステップ117)。なお、スロットを代表す
るRSSIデータとして、同一スロットに係る2個のR
SSIデータの最新側を選定するようにしても良い。
【0067】送信アンテナ決定回路24は、この後は、
第1実施例について説明したステップ104以降の処理
を実行して、相前後する2個の上りスロットのRSSI
データから線形予測した、下りスロットの受信時におけ
る移動機のRSSI(下りスロット時での伝搬特性)を
予測して使用するアンテナのブランチを決定して送信ア
ンテナレジスタ24Aのエリア24A#iに格納し、制
御信号の受信待ち状態に戻る。
【0068】以上のように、この第2実施例において
は、直前スロット内の2個のRSSIデータの偏差が大
きい場合には、各ブランチについて直前スロット内の2
個のRSSIデータから線形予測したRSSIに基づい
て、下りスロットで使用する送受共用アンテナのブラン
チを決定し、直前スロット内の2個のRSSIデータの
偏差が小さい場合には、各ブランチについて相前後する
2個のスロットのRSSIデータから線形予測したRS
SIに基づいて、下りスロットで使用する送受共用アン
テナのブランチを決定する。
【0069】このように、直前スロット内の2個のRS
SIデータの偏差に基づいて、線形予測に用いる2個の
RSSIデータを切り替えるようにしたのは、以下の理
由による。
【0070】図11は、移動速度に対応したドップラ周
波数を有するドップラ成分の波形と、スロットタイミン
グとを示すものであり、図11(A)は移動速度が高速
(例えば時速100[km]程度)の場合を示し、図1
1(B)は移動速度が低速(例えば時速20[km]程
度)の場合を示している。また、図11(A)及び
(B)において、2点鎖線は、同一スロット内の2個の
RSSIデータからの線形予測線を示し、1点鎖線は、
相前後するスロットの2個のRSSIデータからの線形
予測線を示している。
【0071】移動機の高速移動時においては、相前後す
るスロット間での伝搬特性の変化が速いため、図11
(A)から明らかなように、同一スロット内の2個のR
SSIデータからの線形予測した方が、相前後するスロ
ットの2個のRSSIデータからの線形予測した場合に
比べて予測精度は高い。一方、移動機の低速移動時にお
いては、同一スロット内という短時間での伝搬特性はほ
ぼフラットであり、しかもノイズ変動が存在するため、
図11(B)からも明らかなように、相前後するスロッ
トの2個のRSSIデータからの線形予測した方が、同
一スロット内の2個のRSSIデータからの線形予測し
た場合に比べて予測精度は高い。
【0072】そこで、この第2実施例においては、移動
機の移動速度に応じて、線形予測に用いる2個のRSS
Iデータを、同一スロット内、及び、相前後するスロッ
ト間で切り替えることとした。
【0073】しかしながら、基地局において、移動機の
移動速度を直接検出することができない。ドップラ成分
の波形がフラットか否か、従って、移動機の移動速度が
高速か低速かは、同一スロット内の2個のRSSIデー
タの偏差に表れる。そこで、第2実施例においては、予
測方法を切り替えるためのパラメータとして、同一スロ
ット内の2個のRSSIデータの偏差を用いることとし
た。シミュレーションは行なっていないが、1スロット
期間(622[μsec])とドップラ信号波形の周波
数とを考慮すると、移動速度が時速30〜40間のいず
れかの速度での同一スロット内の2個のRSSIデータ
の偏差を閾値THとして適用することが妥当であると推
測される。
【0074】以上のように、第2実施例によれば、直前
スロット内の2個のRSSIデータの偏差が大きい場合
(移動機の移動速度が高速の場合)には、各ブランチに
ついて直前スロット内の2個のRSSIデータから線形
予測したRSSIに基づいて、下りスロットで使用する
送受共用アンテナのブランチを決定し、直前スロット内
の2個のRSSIデータの偏差が小さい場合(移動機の
移動速度が低速の場合)には、各ブランチについて相前
後する2個のスロットのRSSIデータから線形予測し
たRSSIに基づいて、下りスロットで使用する送受共
用アンテナのブランチを決定するようにしたので、第1
実施例以上に、移動機の広い移動速度範囲において、送
信ダイバーシティ機能を有効に発揮させることができ
る。
【0075】そのため、速い移動速度(高いドップラ周
波数)を考慮したとしても、基地局の送信電力をほとん
ど増大させることなく、基地局のカバーエリアの増大を
期待できる。
【0076】(C)他の実施例 上記実施例においては、ブランチ数(従ってアンテナ
数)が2個の送信ダイバーシティ装置を示したが、3以
上あっても良いことは勿論である。
【0077】また、上記実施例においては、同一スロッ
ト内であろうと同一スロット番号の異なるスロットのと
きであろうと、予測に使用するRSSIデータが2個の
場合を示したが、3個以上のRSSIデータを予測に使
用するようにしても良い。3個以上のRSSIデータを
予測に使用する場合においては、2次曲線や3次曲線へ
の回帰分析を利用するようにしても良く、また、それら
データからドップラ周波数を検出してその周波数を有す
るドップラ信号波形への回帰分析を利用するようにして
も良い。
【0078】さらに、上記実施例においては、本発明
を、PHSシステムの基地局に適用したものを示した
が、TDD伝送方式(TDMA方式を適用している必要
はない)を適用している他の通信システムの基地局に適
用しても良い。また、基地局だけでなく、移動機に本発
明の送信ダイバーシティ装置を適用しても良い。また、
移動機同士の通信システムにおける移動機に適用するこ
ともできる。なお、特許請求の範囲における「上り」の
用語は当該装置への伝送方向を意味し、「下り」の用語
は当該装置からの伝送方向を意味するものとする。
【0079】
【発明の効果】第1の本発明によれば、受信電界強度情
報記憶手段に格納されている、下りのタイミングの前の
2以上の上りのタイミングにおける各ブランチの受信電
界強度情報を使用して、アンテナ決定手段が、下りのタ
イミングにおける各ブランチの伝搬特性を予測して、そ
の予測値が最も良好なブランチを、下りのタイミングで
使用するブランチ(送受共用アンテナ)に決定するよう
にしたので、広範囲のドップラ周波数(両伝送装置間の
相対的な広範囲の移動速度)においても、送信ダイバー
シティを有効に機能させることができる。
【0080】また、第2の本発明によれば、相対的な移
動速度が高速な場合には、第2の受信電界強度情報記憶
手段に格納されている、下りのタイミングの直前の上り
のタイミングにおける各ブランチの受信電界強度情報を
使用し、また、相対的な移動速度が停止速度及び低速な
場合には、第1の受信電界強度情報記憶手段に格納され
ている、下りのタイミングの前の2以上の上りのタイミ
ングにおける各ブランチの受信電界強度情報を使用し
て、アンテナ決定手段が、下りのタイミングにおける各
ブランチの伝搬特性を予測して、その予測値が最も良好
なブランチを、下りのタイミングで使用するブランチ
(送受共用アンテナ)に決定するようにしたので、広範
囲のドップラ周波数(両伝送装置間の相対的な広範囲の
移動速度)においても、送信ダイバーシティを有効に機
能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の送信ダイバーシティ制御回路を示
すブロック図である。
【図2】TDMA/TDD方式の上り/下りフレーム構
成を示す説明図である。
【図3】第1実施例の基地局構成を示すブロック図であ
る。
【図4】第1実施例のアンテナ決定方法のイメージ図で
ある。
【図5】第1実施例のアンテナ決定回路の処理フローチ
ャートである。
【図6】第1実施例のRSSI変化とアンテナ決定の関
係図である。
【図7】第1実施例の効果の補足説明図である。
【図8】第2実施例の送信ダイバーシティ制御回路を示
すブロック図である。
【図9】第2実施例のアンテナ決定方法のイメージ図で
ある。
【図10】第2実施例のアンテナ決定回路の処理フロー
チャートである。
【図11】第2実施例での予測方法の切替えの必要性の
説明図である。
【符号の説明】
15…送信ダイバーシティ制御回路、23A、23B…
RSSI格納メモリ、24…送信アンテナ決定回路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時分割双方向伝送方式を採用している通
    信システムにおける送信ダイバーシティ装置において、 複数の送受共用アンテナの中から1個を選択して送信さ
    せる選択対象時の下りのタイミングの前の2以上の上り
    のタイミングにおける各ブランチの受信電界強度情報を
    検出して記憶する受信電界強度情報記憶手段と、 この受信電界強度情報記憶手段に記憶された各ブランチ
    の複数の受信電界強度情報に基づいて、下りのタイミン
    グにおける伝搬特性をブランチ毎に予測し、最も良好な
    予測値にかかるブランチに係る上記送受共用アンテナを
    選択対象時の下りのタイミングに使用するものと決定す
    るアンテナ決定手段と、 選択対象時の下りのタイミングにおいて、上記アンテナ
    決定手段が決定した送受共用アンテナを選択させるアン
    テナ切替手段とを有することを特徴とする送信ダイバー
    シティ装置。
  2. 【請求項2】 時分割双方向伝送方式を採用している通
    信システムにおける送信ダイバーシティ装置において、 複数の送受共用アンテナの中から1個を選択して送信さ
    せる選択対象時の下りのタイミングの前の2以上の上り
    のタイミングにおける各ブランチの受信電界強度情報を
    検出して記憶する第1の受信電界強度情報記憶手段と、 選択対象時の下りのタイミングの直前の上りのタイミン
    グにおける受信電界強度情報を各ブランチについてそれ
    ぞれ2個以上検出して記憶する第2の受信電界強度情報
    記憶手段と、 少なくとも上記第2の受信電界強度情報記憶手段に記憶
    されている全て又は一部の受信電界強度情報に基づい
    て、上記第1及び第2の受信電界強度情報記憶手段のい
    ずれに記憶されている受信電界強度情報を下りのタイミ
    ングに使用する上記送受共用アンテナの決定に利用する
    かを決定する記憶情報選択手段と、 決定された第1又は第2の受信電界強度情報記憶手段に
    記憶された各ブランチの複数の受信電界強度情報に基づ
    いて、下りのタイミングにおける伝搬特性をブランチ毎
    に予測し、最も良好な予測値にかかるブランチに係る上
    記送受共用アンテナを選択対象時の下りのタイミングに
    使用するものと決定するアンテナ決定手段と、 選択対象時の下りのタイミングにおいて、上記アンテナ
    決定手段が決定した送受共用アンテナを選択させるアン
    テナ切替手段とを有することを特徴とする送信ダイバー
    シティ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002087113A1 (fr) * 2001-04-19 2002-10-31 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Appareil de station de base et procede de communication radio
JP2010206549A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Nec Infrontia Corp 無線通信装置、ダイバーシティ制御方法

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