JPH08246349A - アルデヒド吸着能を有する消臭繊維及びその製造方法 - Google Patents

アルデヒド吸着能を有する消臭繊維及びその製造方法

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JPH08246349A
JPH08246349A JP7707095A JP7707095A JPH08246349A JP H08246349 A JPH08246349 A JP H08246349A JP 7707095 A JP7707095 A JP 7707095A JP 7707095 A JP7707095 A JP 7707095A JP H08246349 A JPH08246349 A JP H08246349A
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JP
Japan
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fiber
chitosan
weight
urethane resin
heat
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Pending
Application number
JP7707095A
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English (en)
Inventor
Eizo Sakurai
英三 桜井
Masaru Ogasawara
賢 小笠原
Satoru Takeuchi
悟 竹内
Mitsuaki Shiotsuki
光昭 塩月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 悪臭ガスのアルデヒド、とりわけタバコ臭中
のアセトアルデヒドを効率良く吸着し、耐久性に優れた
使用用途の広い消臭繊維を提供する。 【構成】 繊維上にキトサンとウレタン樹脂とからなる
被膜が形成され、キトサンが1〜10重量%付着された
アルデヒド吸着能を有する消臭繊維を、キトサンの酸水
溶液と熱反応型水溶性ウレタン樹脂との混合溶液に繊維
をディップし、搾液してキトサンを1〜10重量%付着
させた後、加熱処理して得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、悪臭ガスのアルデヒド
に対する吸着能を有する消臭繊維及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】生活空間における快適性を求める場合
に、その一つに臭いの問題がある。人間が生活するうえ
で生ずる臭いには、例えば台所やトイレの臭い、タバコ
の臭い、ペットの臭い、衣類や寝装品の臭い等種々の臭
いがある。臭いをその種類でみると、代表的なものとし
てアンモニア、硫化水素、メルカプタン、アルデヒドが
挙げられるが、このうちアンモニア、硫化水素、メルカ
プタンを消臭する繊維が、特開平1−259867号、
特開平2−84533号、特公平3−77308号、特
開平6−272174号各公報に開示され、また市販も
されている。しかし、これら消臭繊維では、アルデヒド
は消臭されず、タバコ臭中の刺激臭であるアセトアルデ
ヒドを消臭することは到底不可能であった。
【0003】従来、アルデヒドを捕集、除去するものと
しては、活性炭や植物精油類等が知られているが、多量
でないとその効果が乏しいか或いは高価で実用的ではな
く、また、特開平3−29033号公報や特公平6−1
6840号公報に開示のキチン質またはポリアミノ酸或
いはアミノ糖を含有するポリマーを使用したアルデヒド
吸着剤は、粒状またはフィルム状の使用であったり、或
いはアミノ糖を含有するポリマーでは付与する素材また
は用途に制限がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、悪臭
ガスのアルデヒド、とりわけタバコ臭中のアセトアルデ
ヒドを効率良く吸着し、耐久性に優れた使用用途の広い
消臭繊維を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊維上にキト
サンとウレタン樹脂とからなる被膜が形成され、キトサ
ンが1〜10重量%付着されたアルデヒド吸着能を有す
る消臭繊維、
【0006】及び、キトサンの酸水溶液と熱反応型水溶
性ウレタン樹脂との混合溶液に繊維をディップし、搾液
してキトサンを1〜10重量%付着させた後、加熱処理
することを特徴とするアルデヒド吸着能を有する消臭繊
維の製造方法にある。
【0007】本発明の消臭繊維におけるキトサンは、平
均分子量が2,000〜500,000程度で、脱アセ
チル化度が60%以上、好ましくは80%以上のもの
で、脱アセチル化度が60%未満では、分子内にあるア
ミノ基が少なくアルデヒドの吸着能が不十分である。
【0008】キトサンは、ウレタン樹脂によって、キト
サンとウレタン樹脂とから形成された被膜として繊維上
に強固に付着され、繊維に1〜10重量%付着されてい
る。キトサンの付着量が1重量%未満では、アルデヒド
の吸着能が不十分であり、10重量%を超えると、繊維
の風合いが硬くなり、繊維製品として使用用途が限定さ
れる。
【0009】本発明の消臭繊維のベースとなる繊維は、
天然繊維、半合成繊維、合成繊維のいずれでの単独また
は混合物でもよく、またその形態も綿、糸、織物、編
物、不織布等のいずれであってもよい。
【0010】本発明の消臭繊維の製造方法について、以
下説明する。本発明においては、キトサンには、特に限
定はないが、前記のように平均分子量が2,000〜5
00,000程度で、脱アセチル化度が60%以上、好
ましくは80%以上のものが用いられ、キトサンの酸水
溶液として用いる。キトサンの酸水溶液は、酸として、
酢酸、塩酸、ギ酸、乳酸等の任意の酸を用い、キトサン
を酸濃度が1〜10重量%の水溶液に5〜80℃、好ま
しくは50℃以下で溶解する。溶解時の温度が高いと、
溶解に時間がかかり、高いと着色しやすくなる。
【0011】酸水溶液におけるキトサン濃度は、1〜1
0重量%とすることが好ましく、キトサン濃度が1重量
%未満では、繊維への付着量が不十分となり、10重量
%を超えると、粘度が高くなって繊維へのディップが困
難となり、また搾液が困難となる。したがい、キトサン
の酸水溶液の粘度を、1重量%溶液、20℃で400c
ps以下、好ましくは40cps以下となるようキトサ
ン濃度、溶解温度を調整することが望ましい。
【0012】本発明においては、熱反応型水溶性ウレタ
ン樹脂として、ウレタンプレポリマー末端のイソシアネ
ート基を例えば亜硫酸水素ナトリウムによってカルバモ
イルスルホネート基に転換する等により水溶性としたも
ので、常温ではキトサンのような水酸基含有化合物とは
反応せず、例えば90℃以上というような高温で反応す
るウレタン樹脂であり、一般に市販されているものが用
いられる。
【0013】熱反応型水溶性ウレタン樹脂は、キトサン
の酸水溶液に0.5〜5重量%の樹脂濃度に混合され、
キトサンの酸水溶液と熱反応型水溶性ウレタン樹脂との
混合溶液とする。樹脂濃度が0.5重量%未満では、付
着させるキトサンの固着が不十分となり耐久性に劣り、
5重量%を超えると、繊維の風合いが硬くなる。
【0014】キトサンの酸水溶液と熱反応型水溶性ウレ
タン樹脂との混合溶液への繊維のディップは、特に制限
されるものではないが、キトサンの着色や熱反応型水溶
性ウレタン樹脂の反応が生じない温度で行う。ディップ
後は、マングル等でキトサンが1〜10重量%付着する
ピックアップ率に搾液する。
【0015】搾液後の加熱処理は、キトサンと熱反応型
水溶性ウレタン樹脂とを反応させてその被膜を繊維上に
形成させて繊維に固着させるもので、繊維が特に水酸基
を含有するものであれば、熱反応型水溶性ウレタン樹脂
は繊維と反応してより強固に固着する。加熱処理は、乾
熱で行い、ウレタン樹脂の種類にもよるが、温度90〜
180℃、好ましくは120〜170℃で0.5〜60
分行う。加熱温度が90℃未満では、キトサンと熱反応
型水溶性ウレタン樹脂との反応、繊維との固着が不十分
となり、耐久性に劣り、180℃を超えると、繊維物性
が低下する。
【0016】加熱処理に際しては、加熱処理に先立ち7
0℃以下の温度で予備乾燥することが、熱反応型水溶性
ウレタン樹脂と水との副反応を抑制し、効果的にキトサ
ンを繊維に付着させるうえから好ましいことである。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中のアセトアルデヒドの消臭性能の評
価、キトサン付着量は、次の方法に拠った。
【0018】アセトアルデヒド消臭性能:容量370m
lの三角フラスコにアセトアルデヒド0.9%水溶液を
10μl注入し、同時に消臭繊維試料1gを入れて密栓
し、1時間後のフラスコ空間のアセトアルデヒドの残濃
度を北川式ガス検知管(型式133SB、測定範囲5〜
140ppm)で測定した。消臭繊維試料を入れる前の
アセトアルデヒドの濃度を初期濃度とした。
【0019】キトサン付着量:消臭繊維試料、消臭繊維
とする前のベース繊維をそれぞれ60℃で3時間乾燥し
た後の重量差及び混合溶液組成より求めた。
【0020】(実施例1)アクリル繊維紡績糸(2d×
51mm、1/52)のスムース編地20gを下記処方
の混合溶液500mlの処理浴にディップし、マングル
で搾液した後、50℃で30分予備乾燥し、次いで12
0℃で5分間乾熱処理した。得られた編地は、そのアセ
トアルデヒド消臭性能を表1に示したが、優れた消臭性
能を有するものであった。
【0021】 混合溶液処方: ダイキトサンVL 5重量% (大日精化工業(株)製キトサン、脱アセチル化度80%、 粘度5cps(1%溶液、20℃)) 酢酸 5重量% エラストロンMF−25 4重量% (第一化薬工業(株)製熱反応型水溶性ウレタン樹脂、 有効成分換算1重量%) エラストロンキャタリスト64 0.2重量% (第一化薬工業(株)製反応触媒)
【0022】(実施例2)実施例1と同様にして得た編
地をJIS L0217、洗い方番号103に準じて5
回洗濯し、その編地のアセトアルデヒド消臭性能を表1
に示したが、編地は、優れた耐久性を奏するものであっ
た。
【0023】(実施例3)アクリル繊維紡績糸(2d×
51mm、1/52)のスムース編地20gを下記処方
の混合溶液500mlの処理浴にディップし、マングル
で搾液した後、50℃で30分予備乾燥し、次いで12
0℃で5分間乾熱処理した。得られた編地は、そのアセ
トアルデヒド消臭性能を表1に示したが、優れた消臭性
能を有するものであった。
【0024】 混合溶液処方: ダイキトサンVL 2重量% (大日精化工業(株)製キトサン、脱アセチル化度80%、 粘度5cps(1%溶液、20℃)) 酢酸 2重量% エラストロンMF−25 8重量% (第一化薬工業(株)製熱反応型水溶性ウレタン樹脂、 有効成分換算2重量%) エラストロンキャタリスト64 0.4重量% (第一化薬工業(株)製反応触媒)
【0025】(実施例4)実施例3と同様にして得た編
地をJIS L0217、洗い方番号103に準じて5
回洗濯し、その編地のアセトアルデヒド消臭性能を表1
に示したが、優れた耐久性を奏するものであった。
【0026】(比較例1)実施例1において、キトサン
の濃度を5重量%から0.5重量%に代えた以外、は実
施例1と同様にして処理した。得られた編地のアセトア
ルデヒド消臭性能を表1に示した。
【0027】(比較例2)実施例1で用いた処理前のア
クリル繊維紡績糸のスムース編地のアセトアルデヒド消
臭性能を表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の消臭繊維は、悪臭ガスのアルデ
ヒドの吸着、とりわけタバコ臭中のアセトアルデヒドの
吸着に優れており、繰り返し洗濯によっても吸着性能が
低下せず耐久性に優れたものであり、繊維の種類、形態
を問わないことから、その使用用途が広いものである。
また、本発明によれば、かかる消臭繊維を容易に得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩月 光昭 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維上にキトサンとウレタン樹脂とから
    なる被膜が形成され、キトサンが1〜10重量%付着さ
    れたアルデヒド吸着能を有する消臭繊維。
  2. 【請求項2】 キトサンの酸水溶液と熱反応型水溶性ウ
    レタン樹脂との混合溶液に繊維をディップし、搾液して
    キトサンを1〜10重量%付着させた後、加熱処理する
    ことを特徴とするアルデヒド吸着能を有する消臭繊維の
    製造方法。
JP7707095A 1995-03-09 1995-03-09 アルデヒド吸着能を有する消臭繊維及びその製造方法 Pending JPH08246349A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6709709B1 (en) * 1999-02-08 2004-03-23 Gunze Limited Deodorizing fibers and process for producing the same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6709709B1 (en) * 1999-02-08 2004-03-23 Gunze Limited Deodorizing fibers and process for producing the same

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