JPH08246116A - アルミニウム合金製ホイールの製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金製ホイールの製造方法

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JPH08246116A
JPH08246116A JP7457995A JP7457995A JPH08246116A JP H08246116 A JPH08246116 A JP H08246116A JP 7457995 A JP7457995 A JP 7457995A JP 7457995 A JP7457995 A JP 7457995A JP H08246116 A JPH08246116 A JP H08246116A
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rim
alloy
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wheel
aluminum alloy
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JP7457995A
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Shoichi Sakota
正一 迫田
Akira Hideno
晃 秀野
Nobuaki Ohara
伸昭 大原
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Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 展伸加工により形成したアルミニウム合金製
リムの内側に鋳造加工により形成したアルミニウム合金
製ディスクを溶接により接合するホイールの製造方法に
おいて、少なくとも 0.4wt%以上のMg及び 0.8wt%を
越えるSiを含有するAl−Mg−Si系合金板を 400
℃以上の温度で溶体化処理した後展伸加工してリムを
得、該リムにAl−Mg−Si系合金高圧鋳造ディスク
を溶接した後、溶接部を1℃/秒以上の冷却速度で冷却
し、引き続いて 100〜200 ℃の温度範囲で5〜60分の加
熱処理を行うことを特徴とするアルミニウム合金製ホイ
ールの製造方法。 【効果】 本発明によれば従来のアルミニウム合金ホイ
ールに比べ、リム、ディスク及びその溶接部の強度が向
上する結果、ホイール自体の性能が著しく向上すると同
時に、リサイクルも容易となる等工業的に顕著な効果を
奏するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用のアルミニウ
ム合金製ホイールの製造方法に関し、更に詳しくはリム
とディスクを組み合わせて溶接する2ピースホイールに
おいて、従来品に比べ製品強度を向上すると共にリサイ
クル性を著しく改善したアルミニウム合金製ホイールの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
用等のホイールは重要保安部品であり、強度、耐衝撃性
等、その品質には高い信頼性が要求される。最近、車両
の走行安定性、車両の軽量化の観点から、アルミニウム
合金製ホイールの使用が広範囲に行われている。このよ
うなアルミニウム合金製ホイールはその構造上1ピース
ホイール、2ピースホイール、及び3ピースホイールの
3種に大別できる。
【0003】1ピースホイールはタイヤを装着するリム
部と車両に取りつけるためのディスク部を一体で鋳造加
工し、それを機械加工により仕上げたものである。一体
品であるがために剛性が高く、部品の欠落等がないとい
う利点があるが、意匠の変更が容易でないこと、構造上
避けられない引け巣、ピンホール等の欠陥がリム部に生
じ、空気漏れを起こす可能性がある等の理由により思い
切った軽量化が図られていない。
【0004】これに対し2ピースあるいは3ピースホイ
ールは圧延板を展伸加工したリムに別に作ったディスク
を溶接あるいはボルト締めで組み付けたものである。図
1に2ピースホイールの一例を示すが、タイヤを装着す
るリム(1)の内面側と、車軸に取付けられるディスク
(2)の外周を溶接したものである。
【0005】このリムは板厚が均一なアルミニウム合金
圧延板をロールベンディングし、端面をフラッシュバッ
ト溶接して幅広リングとした後にロール成形によりリム
形状とするため、余肉が無く、寸法精度も良く、後加工
する必要もなく、更にタイヤ装着時の気密性についても
信頼性が高く、万一、走行中に歩道等に衝突した場合で
もリムが延性に富んでいるため、変形を起こすのみで欠
損することはなく好ましいものである。
【0006】そしてリム用合金としては強度、曲げ加工
性、耐久性、耐食性共に優れ、製品組み付け後の熱処理
を必要としないAl−Mg系合金(5000系)が適し
ており、特に本用途としては成形性、溶接性が良好なJ
IS5454合金が広く用いられている。これに対しA
l−Mg−Si系合金(6000系)は加工性は良好で
かつ熱処理により十分な強度を得ることができるが、溶
性性が悪く、熱影響部の強度低下が大きいため、溶接が
必要な板リム材としては採用されていないのが現状であ
る。
【0007】他方ディスクについては鍛造又は鋳造より
製造されるが、鍛造品は高強度で信頼性が高い反面、成
形方法による制約から形状的な自由度が低くなると共
に、予備成形、粗打ち、仕上げ打ち等の多くの工程を経
るため、歩留りが悪くなり、製造コストも高くなるとい
う欠点がある。この点、鋳造品は鍛造品と比べ形状的な
自由度が高く、低コストであるが、高強度で信頼性の高
いものとするためにはその材質、製造方法に細心の注意
を払う必要がある。
【0008】ディスク用合金は製造方法により異なる
が、鍛造の場合、一般的な鍛造用合金であるJIS60
61合金が用いられ、鋳物の場合、強度、靭性、耐食性
のバランスの良いAl−Mg−Si系のJISAC4C
H合金が広く用いられている。また鋳造方法としては大
部分が低圧鋳造であるが、引け巣、ポロシティ等の内部
欠陥低減を目的として、一部、溶湯鍛造が実用化されて
いる。溶湯鍛造とは型内に溶湯を層流で充填し、かつ高
圧下で凝固させる方法であり、冷却速度が早いため、組
織が微細化され、強度、伸び等が向上することは公知で
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】最近の自動車部品の軽
量化、低コスト化の要求により、2ピースホイールにつ
いても軽量化が強く望まれており、そのためには素材自
体の高強度化を図る必要がある。しかしリム用として実
用化されている5000系合金及びディスク用として用
いられているAC4CH合金いずれも強度に限界がある
ため、更に薄肉化するためには高強度な素材開発が要求
されている。
【0010】また省資源及び低コスト化を目的としたリ
サイクル性の観点から、2ピースホイールをスクラップ
として再利用するためには、Al−Mg−Si系合金
(6000系)からなるディスク部と、Al−Mg系合
金(5000系)からなるリム部を分別しなければなら
ず、リサイクルを困難にしており、同一材質でリムとデ
ィスクを成形することが強く望まれている。
【0011】本発明は上記の問題点に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、低コストで従来品に比べ
製品強度を向上すると共にリサイクル性を著しく改善し
たアルミニウム合金製2ピースホイールの製造方法を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明者等は同一材質でリム及びディスクを製造す
ることを前提として各種アルミニウム合金について検討
した結果、以下の知見を得た。 (1) リム及びディスク共に単独では、熱処理(溶体化、
水冷、人工時効)を行うことにより6000系合金で
も、現行材以上の強度、靭性が得られる。 (2) 通常の6000系合金(例えばJIS6061合
金):0.15〜0.4 wt%Cu− 0.4〜0.8 wt%Si− 0.8
〜1.2 wt%Mg−Al)はリム材として使用した場合デ
ィスクとリムの溶接時に、薄肉で熱影響を受けやすいリ
ム部がかなり強度低下し、製品性能がかえって劣化す
る。 (3) 溶接後の熱影響部を急冷した後、人工時効処理を施
すことは、強度回復にとって若干有効であるが、急冷手
段に工夫を要すると共に急冷時の熱歪みによる変形が問
題となり、また溶接部と非溶接部とで機械的性能に差を
生じ、製品性能が劣化するため好ましくない。 (4) 製造コストが高く、かつ薄肉化が困難な熱間鍛造法
ではディスクの低コスト化は困難である。 (5) 6000系合金の湯廻り性は悪く、また引け巣、鋳
造割れ等を生じ易いため、従来の低圧鋳造法ではディス
クとして必要な製品性能が安定して得られない。 (6) 溶湯を層流で充填し、500kgf/cm2 以上の高圧下
で凝固させる高圧鋳造ならば、内部欠陥のない健全な鋳
物素材を得られるが、溶接による熱影響部にブローホー
ルあるいは微小割れ等の溶接欠陥を生じやすい。
【0013】そこでまずリム材について溶接部の強度を
後処理で回復しうる材料及び製造方法について、更に検
討を重ねた結果、以下の知見を得た。 (7) 自動車用ボディシートとして開発された焼き付け硬
化性の高い6000系合金板ならばリム材として必要な
成形性、耐食性を有すると共に、熱処理によりリム材と
して十分な強度が得られる。この6000系合金のベー
クハード性は過飽和固溶状態のMg、SiがMg2Si
(β″,β′)として析出することによるものであり、
平衡状態図におけるMg2 Siバランス組成は必ずしも
極大の強度が得られる組成ではなく、やや過剰Siの組
成とすることにより高強度が得られる。これはSi固溶
による固溶強化効果及び過剰Siの存在がβ″等の析出
を促進する効果があるためと考えられている。 (8) ベークハード型の6000系合金ならば溶接後の冷
却は空冷程度で十分焼入れ効果があり、急冷手段を必要
としない。
【0014】次にディスク材について高圧鋳造品の溶接
欠陥を低減しうる製造方法について検討した結果、以下
の知見を得た。 (9) 鋳込後の溶存ガス量がある一定限度以下ならば溶接
時のブローホールを低減しうる。 (10) 溶接部表面の結晶粒径が一定限度以下ならば微小
割れを低減しうる。 これらの知見に基づき、本発明をなすにいたった。
【0015】すなわち本発明製造方法は、展伸加工によ
り形成したアルミニウム合金製リムの内側に鋳造加工に
より形成したアルミニウム合金製ディスクを溶接により
接合するホイールの製造方法において、少なくとも 0.4
wt%以上のMg及び 0.8wt%を越えるSiを含有するA
l−Mg−Si系合金板を 400℃以上の温度で溶体化処
理した後展伸加工してリムを得、該リムにAl−Mg−
Si系合金高圧鋳造ディスクを溶接した後、溶接部を1
℃/秒以上の冷却速度で冷却し、引き続いて100 〜200
℃の温度範囲で5〜60分の加熱処理を行うことを特徴と
するものである。そしてこの場合リム材としてMg:
0.4〜3wt%、Si: 0.8wt%を越え3wt%以下を含
み、又はさらにCu: 0.1〜0.8 wt%を含むアルミニウ
ム合金を用いるのは有効である。
【0016】
【作用】本発明に係る2ピースホイールの製造方法につ
いて以下詳細に説明する。まず本発明はリム材に焼き付
け硬化性を有するAl−Mg−Si系合金板を用いるこ
とを特徴とする。ここで焼き付け硬化性を有するために
は、合金板の組成がSi: 0.8〜3.0 wt%、Mg: 0.4
〜3.0 wt%を含有し、好ましくは、Cu: 0.1〜0.8 wt
%を含むことが望ましい。また本合金板をリム加工する
前に 400℃以上の温度で溶体化処理を施しておく必要が
ある。
【0017】ここでSi添加量がそれぞれ 0.8wt%を下
回り、又はMgの添加量が 0.4wt%を下回ると十分な焼
き付け硬化性が得られず、特に溶接部の強度が低下する
ため好ましくない。一方Si、Mg添加量がそれぞれ
3.0wt%を越えて添加されると、焼き付け硬化性は十分
であるが、靭性及び耐食性が劣化するため好ましくな
い。
【0018】CuはSi、Mgと共に上記の焼き付け硬
化性を大きくする効果があるため、添加することが好ま
しいが、その添加量が 0.1重量%未満ではその効果はな
く、また 0.8重量%を越えて添加すると、耐食性特に耐
糸錆性が劣化するため、好ましくない。
【0019】またリム加工前に溶体化処理を施していな
い、あるいは溶体化処理温度が 400℃未満では、リム加
工に必要な延性が得られないと共に、十分な焼き付け硬
化性が得られず、特に溶接部の強度が低下するため好ま
しくない。溶体化処理の上限温度については特に規定し
ないが、各合金の固相線温度より30℃低い温度以上で溶
体化処理を行うと、バーニングを生じて、強度、延性が
大幅に低下するため好ましくない。
【0020】次にリム加工時の肌荒れ、割れ等の欠陥を
防止するためには、当該合金板の溶体化処理後の結晶粒
径は 100ミクロン以下とすることが好ましい。ここで結
晶粒径が 100ミクロン以上では幅広リングとした後のロ
ール成形時の加工度が大きい部位に肌荒れを生じ、肉厚
減少を伴うような苛酷な成形条件下では結晶粒界を起点
とした微小割れを生じるため、好ましくない。
【0021】次に本発明はディスク材に、靭性、溶接性
に優れたAl−Mg−Si系合金高圧鋳造品を用いるこ
とを特徴とする。
【0022】本用途に用いるAl−Mg−Si系合金の
成分は特に規定しないが、JIS6061あるいは6N
01等の従来は熱間鍛造用として用いられている合金で
あれば、強度、靭性共に、現行の鋳物合金以上の特性が
得られる。ここでAl−Mg−Si系合金高圧鋳造品の
靭性を向上するためには鋳込後に 500〜550 ℃の温度で
30分以上保持の溶体化処理を施すことが好ましい。溶体
化温度が 500℃以下あるいは保持時間が30分以下では靭
性の向上効果がなく、溶体化温度が 550℃以上ではバー
ニングを生じ、強度、伸びが低下するため好ましくな
い。
【0023】またAl−Mg−Si系合金高圧鋳造品の
溶接性を向上するためには鋳込後の溶存ガス量を0.20cc
/100g以下とすると共に、リムと接合すべき鋳肌表面の
結晶粒径を 100ミクロン以下とすることが好ましい。溶
存ガス量が 0.2cc/100g以上では溶接加熱時に溶存して
いた水素がブローホールとして出現し、溶接部の信頼性
を著しく損なうため好ましくない。また鋳肌表面の結晶
粒径が 100ミクロン以上では、溶接加熱時の潜熱により
結晶粒界に共晶溶融を生じて、凝固収縮により微小割れ
を生じるため好ましくない。
【0024】鋳込後の溶存ガス量を 0.2cc/100g以下と
する方法については特に規定しないが、市販の回転脱ガ
ス装置を用いて溶湯中に不活性ガスを吹き込む、あるい
は鋳込後に不活性ガス雰囲気中で 200〜 400℃の温度範
囲で焼鈍を行う等の手段により容易に達成できる。また
ディスク溶接部の鋳肌表面の結晶粒径を 100ミクロン以
下とする方法についても特に限定しないが、例えば加圧
力を大きくし、金型との密着を良くする、あるい該溶接
部の金型に熱伝導率の高い材料(例えば、アルミニウ
ム、銅等)を入れ子として挿入し、該溶接部の冷却速度
を50℃/秒以上とすることにより容易に達成できる。
【0025】上記の手段により得られたリムとディスク
を溶接し、ホイールを製造する際にその溶接部の冷却速
度は1℃/秒以上とする必要がある。冷却速度が1℃/
秒未満ではリムの溶接部近傍が徐冷となり焼入れ効果が
損なわれる結果、引き続き人工時効を施しても溶接部の
強度が回復しないため好ましくない。ここで溶接部の冷
却速度を1℃/秒以上とする方法については特に限定し
ないが、溶接部をファンにて空冷するあるいはミスト冷
却を行う等の手段により容易に達成できる。
【0026】溶接されたリムに強度を付与するために、
溶接後、 100〜200 ℃の温度で5〜60分保持の加熱処理
を行う必要がある。ここで加熱処理が 100℃未満あるい
は5分未満では、溶接部の強度が回復しないと共に、非
溶接部の強度もホイールとして必要な強度まで向上しな
い。一方、加熱処理温度が 200℃を越え、あるいは60分
を越えると、リムの強度は十分回復するが、リムの靭性
が低下すると共に、ディスクの強度が低下しはじめるた
め好ましくない。
【0027】なおホイールは組み付け後、意匠面あるい
は耐食性が重視される部位に塗装を行う場合が多く、こ
の塗料を焼き付けるための加熱工程がある場合が多い。
この加熱工程は現状では、 150〜180 ℃程度の温度で10
〜30分程度の条件が採用されており、この加熱工程を利
用して材料強度を向上させることは十分可能であり、か
つコスト削減の観点から合理的である。
【0028】
【実施例】以下に実施例に基づき詳細な説明を行う。
【0029】(実施例1)表1に示す組成のアルミニウ
ム合金を通常の方法により溶解し、半連続鋳造法により
鋳塊を得た。この鋳塊に均質処理を施した後、熱間圧
延、冷間圧延により板厚4mmの板材を得た。この板材
に、表2に示す条件で溶体化処理を施した後、水焼入れ
してT4処理材とした。この圧延板を14インチリム用の
一定寸法に切断した後、短円筒状に湾曲させて、フラン
シュバット溶接により両端突き合わせ部を接合した。こ
のフラッシュバット条件はその後のロール成形において
溶接部からの割れや破断が生じないような健全な溶接部
が形成されるような条件とした。このようにして溶接
後、溶接部のバリを除去してからロール成形加工により
JISD4218に規定された、図2に示す断面形状及
び寸法を有するリムを得た。
【0030】このリムに高圧鋳造により得られたJIS
6061合金の鋳物ディスクをMIG溶接により接合
し、直径14インチの2ピースホイールを得た。
【0031】この2ピースホイールに表2に示す条件で
熱処理を行ない、得られたホイールについて日本自動車
規格(JASO)に基づいた回転疲労試験を実施した。
その結果を表2に示す。
【0032】なお回転疲労試験はホイールを回転ディス
クにセットし、回転軸に一定量の曲げモーメントを負荷
しつつ、10万回回転させ、試験後にホイールを取り外
し、溶接部の亀裂あるいはリム部の変形の有無を調べ
た。ここで曲げモーメントは回転軸に取りつけた重りの
重量を変更することによりJASO規格の 224kg-mから
最高 672kg-mまで変更し、苛酷条件での耐久限を比較し
た。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】表2に示したように、5000系展伸リム
を溶接した比較製造法No.7によるホイールに比べ、本
発明法によるホイールは、リムの溶接部及び非溶接部共
に、強度向上した結果、ホイール自体の耐久限が高いこ
とが判る。これに対してリム成形前における溶体化処理
温度の低い比較製造法No.3によるホイール、及び溶接
後の熱処理温度が低い比較製造法No.5によるホイール
は、リム部の強度が十分でないために、変形し易い。ま
た溶接時の冷却を本発明より徐冷で行った比較製造法N
o.4によるホイールは溶接による熱影響部の強度レベル
が非溶接部に比べ低いため、耐久試験時に溶接部を起点
として亀裂を生じた。また焼き付け硬化性がない600
0系合金を使用した比較製造法No.6によるホイール
は、溶接部の強度が、大幅に低下すると共に、非溶接部
の強度自体も全く回復しないために、試験開始後、早期
に溶接部を起点とした亀裂及びリム部の変形を生じるた
め、耐久限が低い。
【0036】(実施例2)表1に記載した本発明例に係
るリム板(合金No.1)を溶体化処理後、リム加工した
リムに表3に示す条件で製造された各種合金の鋳物ディ
スクを熱処理後、溶接し、得られたホイールに 170℃×
45分の熱処理を施した。その後、実施例1と同様の条件
で回転疲労試験を行った。その結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】表3に示したように本発明に係るディスク
には靭性、溶接性が良好なAl−Mg−Si系合金の高
圧鋳造品を用いているため、溶接欠陥を生じず、ホイー
ルとしての耐久性が高い。特に鋳造後の溶存ガス量が少
ない本発明製造法No.1は耐久性がより大きい。これに
対して、高圧鋳造法を用いず凝固組織の粒径が大きい比
較製造法No.3、No.4は耐久試験時に溶接部を起点と
して早期に破断することが判る。
【0039】
【発明の効果】このように本発明によれば従来のアルミ
ニウム合金ホイールに比べ、リム、ディスク及びその溶
接部の強度が向上する結果、ホイール自体の性能が著し
く向上すると同時に、リサイクルも容易となる等工業的
に顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】2ピースホイールを示す側断面図である。
【図2】実施例で用いたホイールの断面図である。
【符号の説明】
1 リム 2 ディスク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 展伸加工により形成したアルミニウム合
    金製リムの内側に鋳造加工により形成したアルミニウム
    合金製ディスクを溶接により接合するホイールの製造方
    法において、少なくとも 0.4wt%以上のMg及び 0.8wt
    %を越えるSiを含有するAl−Mg−Si系合金板を
    400℃以上の温度で溶体化処理した後展伸加工してリム
    を得、該リムにAl−Mg−Si系合金高圧鋳造ディス
    クを溶接した後、溶接部を1℃/秒以上の冷却速度で冷
    却し、引き続いて 100〜200℃の温度範囲で5〜60分の
    加熱処理を行うことを特徴とするアルミニウム合金製ホ
    イールの製造方法。
  2. 【請求項2】 リムがMg: 0.4〜3wt%、Si: 0.8
    wt%を越え3wt%以下を含み、又はさらにCu: 0.1〜
    0.8 wt%を含むアルミニウム合金である請求項1記載の
    アルミニウム合金製ホイールの製造方法。
JP7457995A 1995-03-07 1995-03-07 アルミニウム合金製ホイールの製造方法 Pending JPH08246116A (ja)

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