JPH08246059A - 熱間圧延ロール - Google Patents

熱間圧延ロール

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JPH08246059A
JPH08246059A JP5071395A JP5071395A JPH08246059A JP H08246059 A JPH08246059 A JP H08246059A JP 5071395 A JP5071395 A JP 5071395A JP 5071395 A JP5071395 A JP 5071395A JP H08246059 A JPH08246059 A JP H08246059A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 丸鋼または平鋼等の棒鋼用圧延および線材用
圧延の中間および仕上げスタンドで使用される耐摩耗性
および耐割損性に優れた安価な熱間圧延ロールを提供す
ること。 【構成】 外層成分を重量%で、C:1.7〜2.5
%、Si:0.3〜2.0%、Mn:0.3〜1.5
%、Ni:0.2〜1.5%、Cr:3〜6%、Mo:
3〜10%、W:3〜10%、V:3〜7%、Co:
0.5〜10%、P≦0.020%、S≦0.020%
で、且つM=C%−0.24×V%の値が、0.3≦M
<1.0を満足すること、その他不可避的不純物と残部
Feで構成された外層と前記外層に金属的に接合した鋳
鋼または鍛鋼製の内層からなるロールを連続鋳掛け肉盛
法で製造し、焼入れ温度1000〜1130℃から10
0℃まで、300〜600℃/Hrの冷却速度で冷却し
て、500〜550℃の温度で数回焼戻して外層硬度を
85〜95HsCにした耐摩耗性に優れた熱間圧延ロー
ル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主として、丸鋼または平
鋼等の棒鋼用圧延および線材用圧延の中間および仕上げ
スタンドで使用される圧延ロールで、圧延速度が5〜3
0m/secで使用される熱間圧延ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】丸鋼または平鋼等の棒鋼圧延および線材
圧延の中間および仕上スタンドで使用される熱間圧延ロ
ールは、高度の耐摩耗性が要求されるため、焼結法で製
造したタングステンカーバイト(WC)を主体にした高
硬度の超硬ロールが使用されている。また、一部チルド
ロール等の鋳鉄ロールが使用されている。この超硬ロー
ルは、硬いタングステンカーバイト(WC)の粉末を焼
結処理して製造しているため、チルドロール等の鋳鉄ロ
ールに比較して、極めて高い耐摩耗性と耐肌荒れ性を達
成しており、棒鋼、線材ミルの中間および仕上スタンド
で広く適用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記超
硬ロールは、耐摩耗性は優れているものの、靱性が劣る
欠点がある。従って、圧延中、特に圧延材がロール間に
噛み込まれる時、圧延材がロールに衝突する際の機械的
な衝撃力によりロールにクラックが入ったり、割損する
問題があった。また、高価なタングステンカーバイト
(WC)粉末を多量に使用する超硬ロールは、鋳鉄ロー
ルに比較してロールの価格が数10倍、高いことも問題
であった。さらに、タングステンカーバイト(WC)の
比重が大きいため、ロールの重量が大きくなりロールの
補修,手入れ作業時のハンドリング性も悪い問題もあっ
た。
【0004】一方、チルドロールの様な鋳鉄系ロールで
は高硬度を確保できず、圧延使用中のロール摩耗が大き
くなり、製品の形状を確保するためには、ロール交換を
頻繁に行なう必要があった。さらに、寸法精度の厳しい
仕上スタンドや寸法精度の厳格材の製品には使用できな
かった。また、鋼板用の熱間圧延で使用しているハイス
ロールの硬度レベルは75〜85HsCであった。従っ
て、高度の耐摩耗性が要求される棒鋼,線材ミルの中間
および仕上スタンドには適用出来なかった。
【0005】本発明はこの様な問題を解決し、超硬ロー
ルに代わって耐摩耗性および耐割損性に優れた安価なロ
ールを提供する。さらに、比重の大きいタングステン
(W)を10%以下に抑えて、ロールを軽量化してお
り、ロールを補修、手入れする際のハンドリング作業性
を改善することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、上記課題を解決す
るため、本発明ロールを解決したもので、本発明の第一
の要点は従来の超硬ロール並の硬度を確保することにあ
る。即ち、従来の鋳鉄ロールでは、チルドロールの様に
3 C型の炭化物を利用したものでは80HsCが限界
であり、85HsC以上の硬度を確保することは不可能
であった。
【0007】この目的を達成するための本発明の要旨と
するところは、高周波誘導加熱を利用して芯材周囲に外
層溶湯を鋳掛けて製造する圧延ロールにおいて、外層成
分を重量%で C :1.7〜2.5% Si:0.3〜2.0% Mn:0.3〜1.5% Ni:0.2〜1.5% Cr:3〜6% Mo:3〜10% W :3〜10% V :3〜7% Co:0.5〜10% P≦0.020% S≦0.020%で且つ、M=C%−0.24×V%の
値が、0.3≦M<1.0を満足することその他不可避
的不純物と残部Feで構成された外層と前記外層に金属
的に接合した鋳鋼または鍛鋼製の内層および軸からなる
ロールを連続鋳掛け肉盛法で製造し、焼入れ温度100
0〜1130℃から100℃まで、300〜600℃/
Hrの冷却速度で冷却して、500〜550℃の温度で
数回焼戻して、外層硬度を85〜95HsCにした耐摩
耗性に優れた熱間圧延ロールにある。
【0008】
【作用】上記の組成にすることによって、耐摩耗性の極
めて高いMC系の粒状炭化物とM6 C系(一部M2 C)
の共晶炭化物を晶出させ、さらに熱処理によって、外層
硬度85〜95HsCを確保して耐摩耗性、耐肌荒れ
性、強靱性を改善したものである。材料硬度85HsC
以上を確保する熱処理条件を見出すため、表1に示す化
学成分でφ100×200hのインゴットを製作し、焼
入れ温度を950℃,1000℃,1100℃の3水準
から200,250,300,500,1000℃/H
rの冷却速度で、常温まで冷却した後、500℃で10
時間焼戻しして硬度を測定した。
【0009】
【表1】
【0010】その結果を図1に示す。実験結果より、硬
度85HsCを確保するには焼入温度が最低1000℃
確保する必要がある。また、焼入温度を1200℃に仕
上げた場合、インゴットの一部が溶けだすトラブルが発
生した。従って、実物ロールの焼入れでは材料の凝固完
了温度より低い1130℃の焼入温度が限界である。一
方、冷却速度については、200,250℃/Hrでは
軟らかい上部ベイナイト組織を生成するため、硬度85
HsCを達成できないことがわかった。従って、硬度8
5HsCを確保するには、焼入温度から常温まで300
℃/Hr以上の冷却速度で冷却する必要がある。冷却速
度は大きいほど硬度は上昇するが、実物ロールの焼入れ
では600℃/Hrが限界である。
【0011】次に化学成分の影響を図2に示すが、C%
からVC炭化物にとられるC%(0.24×V%)を減
じた値Mを0.3≦M≦1.0にすると硬度85HsC
を確保できる。即ち、V量が多すぎるとVC炭化物に炭
素をとられるため、地組織のC含有量が不足し、焼入れ
後の硬度が低くなることがわかった。逆にV量が少な過
ぎるとVC炭化物が少なくなり硬度が低くなる。
【0012】また、V以外のCr,Mo,WはVC炭化
物が晶出した後、Cと結合し硬いM 6 C,M2 C炭化物
をつくり硬度アップに寄与する。さらに、Cr,Mo,
Wは地組織の焼入れ性を向上させるとともに、500〜
550℃の焼戻し処理で硬い炭化物を析出し、二次硬化
させる働きがある。従って、硬度85HsCを確保する
にはM=C%−(0.24×V%)の値を、0.3≦M
≦1.0にし、且つ焼入れ温度を1000〜1130℃
で(1200℃以上では材料が一部溶融するため、11
30℃とした。)焼入れ温度から常温までの冷却速度を
300〜600℃/minに制御する必要がある。
【0013】以下合金成分を上記範囲に限定した理由を
述べる。 C:1.7%未満の場合は晶出炭化物量が少なく、高硬
度を確保できず、耐摩耗性が不十分である。また、逆に
2.5%以上になるとM6 C系の共晶炭化物量が増え、
塊状に偏析して、圧延使用中、その部分から剥落して肌
荒れの原因となる。また、炭化物量および硬度を適性範
囲内に制御するため、0.3≦C%−(0.24×V
%)<1.0を満足すること。
【0014】Si:Siは鋳造性に影響し、少なすぎる
と湯流れ性を悪くし鋳造欠陥を発生しやすくなるため、
0.3%以上とした。また、溶湯中の酸素と結合し、脱
酸効果もある。また、2%以上になると焼入れ性を阻害
し、硬度が低くなるため、2%を上限とした。 Mn:MnはSiと同様に溶湯の酸素と結合し、ガス欠
陥を防止する。また、Sと結合し、MnSをつくり脱硫
作用があるため結晶粒界を清浄にするため、0.3%以
上とする。また、Mnが2%以上になると残留オーステ
ナイトが増え、組織を不安定にするため2%以下とし
た。
【0015】Cr:Crは炭素と同様マトリックスの焼
入れ性を向上し、硬度を上げる。3%以下では焼入れ性
が悪く、耐摩耗性に劣る。逆に6%以上になると炭化物
が粗大化し、熱疲労特性が劣化して肌荒れの原因とな
る。 Mo:Moはマトリックスの焼入れ硬度を上昇させる効
果的な元素である。また、Moは焼戻し抵抗性の優れた
元素であり、Cr,Wとともに高硬度の複合炭化物をつ
くり、高温硬度を上げ耐摩耗性を向上させる。10%以
上になるとその効果はほとんど変わらなくなる。
【0016】W:WはMo同様、マトリックスの焼入れ
性を上げ硬化する。従って、3%以下ではその効果は少
なく、3%以上とした。また、硬い炭化物をつくり、材
料硬度を向上させるが、10%以上になると粗大な炭化
物をつくるため肌荒れの原因となる。 V:Vは炭素と結合し、MC系の硬い微細な炭化物を晶
出し、耐摩耗性を著しく改善する。7%以上になるとC
とのバランスでその効果はなくなる。また、3%以下で
はVの効果が少なくなる。また、炭化物量および硬度を
適性範囲内に制御するため、0.3≦C%−(0.24
×V%)<1.0を満足すること。
【0017】Co:CoはNiと同じ効果を有し、焼入
れ性を向上させ、マトリックス組織を緻密にし、高温硬
度を上げる効果がある。しかし、多くなり過ぎると逆に
硬度が低くなる。また、Coは耐酸化性有効でVを多量
に含む材料に対しては高温でのスケール発生防止に効果
がある。Coは0.5%以下では効果がほとんど無いた
め、0.5%以上必要である。また、10%以上になる
と逆に焼入れ性が劣るため、10%以下とした。 Ni:Niは焼入れ性を向上させるため、硬度確保のた
めに添加する。1.5%以上ではその効果がなくなり、
逆に残留オーステナイト量が増える等の組織不安定にな
るため、1.5%以下とした。また、0.2%以下では
焼入れ効果が出ないため、最低0.2%以上必要であ
る。
【0018】次に本発明の具体的な実施例を示す。
【実施例】
実施例1 まず、本発明の第一ステップとして、次の方法にて本発
明材および超硬ロール材,チルドロール材の試験材を製
作し高温での摩耗試験を行なった。本発明材は表1の化
学成分でφ100×200hの小型鋼塊を鋳造した。鋼
塊は軟化焼鈍後、1100℃で10時間保定後、常温ま
で2時間で冷却した。その後、500℃から650℃の
温度範囲で2〜3回焼戻しして70〜95HsCの範囲
で調整した試験材を製作した。また、比較材として、8
6,90,94HsCの硬度の超硬ロール材と70,7
4HsCの硬度のチルドロール材を準備した。比較材の
超硬ロール材,チルドロール材の化学成分は表2に示
す。
【0019】
【表2】
【0020】図3に熱間摩耗試験結果を示す。図より本
発明ロール材と超硬ロール材,チルドロール材の摩耗減
量と硬度の影響を示す。なお、熱間摩耗試験はディスク
型の相手材を所定の温度に誘導加熱し、試験材を相手材
に一定の荷重で押付け回転させ、転動数2万回後の試験
片重量を測定し、試験前の重量との差で摩耗減量を求
め、耐摩耗性を評価した。さらに、試験片の周速を変え
て摩耗試験し、摩耗減量および表面粗度を測定して実機
圧延における圧延速度の影響について調査した。
【0021】 〔試験条件〕 試験温度(相手材の加熱温度) 600℃ 相手材 S45C 荷重 500N (最大ヘルツ圧力:240MPa) 試験片周速 10,1,50m/sec すべり率 4% 転動数 2万回
【0022】〔試験結果〕 試験1.本発明材は硬度85以上にすると、摩耗減量が
小さくなり、超硬ロール材の1.5〜2倍の摩耗量を示
す。硬度が低いと摩耗減量が大きくなり超硬ロール材と
の差は大きくなる。また、チルドロール材は超硬ロール
材の20倍以上摩耗する。従って、硬度を85HsC以
上にすれば、超硬ロール材の1/2位の耐摩耗性を確保
できることがわかった。
【0023】試験2.試験片の周速を変えて試験した結
果を図4に示す。硬度を90HsC以上にした本発明材
は超硬ロール材より摩耗減量は大きいが、平均して約
1.5倍であった。また、試験片周速が1m/secの
場合は全体に摩耗減量が大きくなった。図5は表面粗度
を測定した結果である。試験片周速が1m/secの場
合は全体に表面粗度が大きく、本発明ロール材でRma
x.100μm近い値である。試験片周速が5m/se
c以上になるとRmax. で30μm以下になり、実機
ロールの目標値をクリアーした。なお、比較材の超硬ロ
ール材は10〜20μmのレベルにあった。しかし、試
験片周速が1m/secでは超硬,ハイス材とも、表面
粗度が大きくなった。
【0024】実施例2 次に、実機ロールでの試験結果を示す。φ300×10
0mmのスリーブタイプの試験ロールを製作し、実機の
圧延試験を行なった。なお、試験ロールの化学成分は表
3の通りで、M値は0.66である。熱処理は1030
℃で20Hr保定した後、常温まで2時間30分で冷却
した。焼戻し処理は540℃で3回行ない、表面硬度9
0HsCとした。
【0025】
【表3】
【0026】〔試験ロール〕 (a)ロールサイズ φ300×100mm (b)化学成分 (c)熱処理条件 焼入れ温度;1030℃ 焼入れ条件;焼入れ速度 1000〜常温まで400℃
/Hrで冷却。 焼戻し温度;540℃×3回 (d)硬度 90HsC このロールを実圧延に使用した結果を以下に示す。ま
た、比較材として超硬ロール,チルドロールの結果も示
す。
【0027】〔使用条件〕 圧延速度 10m/sec Kal形状 オーバル 圧延材温度 820℃ 圧延量 1200ton 本発明ロール,超硬
ロール 240ton チルドロール
【0028】使用の結果を表4および図6,7に示す。
図6はロール消耗量に対する圧延量を比較した耐摩耗性
(ton/mm)であって本発明ロールは、約1200
ton圧延してロールの摩耗量は片肉0.15mmで同
じ量圧延した超硬ロールを1としたときの約2倍の摩耗
量であった。また、チルドロールと摩耗量を比較すると
(同じ圧延量で比較)約1/13であった。これをロー
ル現単価を一定にして比較したのが図7の通りである。
ロール現単価で比較すると、本発明ロールは超硬ロール
を1としたときの約2倍の耐摩耗性を示した。また、ロ
ールの表面粗度については同じ量圧延した超硬ロールに
比較して少し劣る程度であったが、使用上は全く問題の
ないレベルであった。チルドロールとの比較では、チル
ドロールの5倍の量を圧延した時とほぼ同じレベルであ
った。
【0029】
【表4】
【0030】実施例3 φ430×700mm×1900Lの複合タイプの試験
ロールを製作し、実機の圧延試験を行なった。なお、試
験ロールの化学成分は表5の通りで、M値は0.82で
ある。熱処理は1050℃で20Hr保定した後、常温
まで2時間30分で冷却した。焼戻し処理は530℃で
4回行ない、表面硬度87HsCとした。
【0031】
【表5】
【0032】〔試験ロール〕 (a)ロールサイズ φ430×700mm×190
0L (b)化学成分 (c)熱処理条件 焼入れ温度;1050℃ 焼入れ条件;焼入れ速度 1000〜常温まで380℃
/Hrで冷却。 焼戻し温度;530℃×3回 (d)硬度 87HsC このロールを実圧延に使用した結果を表6に示す。ま
た、比較材として超硬ロール,チルドロールの結果も示
す。
【0033】〔使用条件〕 圧延速度 8m/sec Kal形状 ラウンド 圧延材温度 900℃ 圧延量 12000ton 本発明ロール,15
000ton超硬ロール,2400ton チルドロー
ル 使用の結果、本発明ロールは、約12000ton圧延
してロールの摩耗量は片肉1.0mmで超硬ロールの耐
摩耗性の0.37倍であった。また、チルドロールと比
較すると、7.5倍の耐摩耗性であった。また、ロール
原単価で比較すると、超硬ロールの約1.8倍の耐摩耗
性を達成した。
【0034】
【表6】
【0035】図8に本発明ロール材と超硬ロール材,チ
ルドロール材の破壊靱性値を比較しているが、本発明ロ
ール材は破壊靱性値が大きいことがわかる。実機ミル
で、本発明ロールを18本使用したが、圧延使用中に超
硬ロールに発生するクラックおよび割損といったトラブ
ルは全く発生しておらず、耐事故性の点で優れているこ
とが確認できた。さらに、図9は本発明ロール材と超硬
ロール材,チルドロール材の密度を比較した。本発明ロ
ールは超硬ロールの約1/2の重量になり、ハンドリン
グ作業の大幅な改善が期待できる。
【0036】
【発明の効果】本発明ロールを実機圧延ロールに使用し
た結果、ロールの耐摩耗性においては、超硬ロールの約
1/2であったが、ロール価格比でみると(ロール価格
を一緒にして比較)、逆に2倍の耐摩耗性を達成でき、
飛躍的にロールコストを低減できる。また、使用中のク
ラック等のトラブルも解消できた。さらに、ロール重量
が軽くなったことによりロール手入れ,改削作業時のハ
ンドリング作業も大幅に改善できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱処理試験による焼入れ温度および冷却速度と
硬度の関係を示す図、
【図2】熱処理試験による化学成分およびM値と硬度の
関係を示す図、
【図3】本発明材および超硬ロール材,チルドロール材
の硬度と摩耗減量の関係を示す図、
【図4】本発明材および超硬ロールの周速度と摩耗減量
の関係を示す図、
【図5】本発明材および超硬ロールの周速度と表面粗度
の関係を示す図、
【図6】ロール消耗量に対する圧延量を比較した耐摩耗
性を示す図、
【図7】ロールコストを一定にしたときの耐摩耗性を比
較した図、
【図8】各ロール材の破壊靱性値の比較を示す図、
【図9】各ロール材の密度の比較を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 37/08 C22C 37/08 Z 38/00 302 38/00 302E 38/56 38/56

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 丸鋼または平鋼等の棒鋼用圧延ミルおよ
    び線材用圧延ミルの、中間および仕上げスタンドで使用
    される熱間圧延ロールにおいて、 外層成分を重量%で、 C :1.7〜2.5% Si:0.3〜2.0% Mn:0.3〜1.5% Ni:0.2〜1.5% Cr:3〜6% Mo:3〜10% W :3〜10% V :3〜7% Co:0.5〜10% P≦0.020% S≦0.020%で且つ、M=C%−0.24×V%の
    値が、0.3≦M<1.0を満足すること、その他不可
    避的不純物と残部Feで構成された外層と前記外層に金
    属的に接合した鋳鋼または鍛鋼製の内層からなるロール
    を連続鋳掛け肉盛法で製造し、焼入れ温度1000〜1
    130℃から100℃まで、300〜600℃/Hrの
    冷却速度で冷却して、500〜550℃の温度で数回焼
    戻して、外層硬度を85〜95HsCにした耐摩耗性に
    優れた熱間圧延ロール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100643170B1 (ko) * 2005-01-20 2006-11-10 주식회사 경도공업 선재 압연용 가이드롤러 조성물
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