JPH08245495A - カルボン酸の製造方法 - Google Patents

カルボン酸の製造方法

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JPH08245495A
JPH08245495A JP7821195A JP7821195A JPH08245495A JP H08245495 A JPH08245495 A JP H08245495A JP 7821195 A JP7821195 A JP 7821195A JP 7821195 A JP7821195 A JP 7821195A JP H08245495 A JPH08245495 A JP H08245495A
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ammonia
carboxylic acid
acid
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producing
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JP7821195A
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Masato Kawabe
正人 河辺
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ニトリル化合物又はアミド化合物の加水分解
により副生する触媒成分の塩とアンモニアを有効に利用
しつつ、カルボン酸を製造する。 【構成】 無機酸などの酸性触媒を用い、ニトリル化合
物又はアミド化合物を加水分解し、副生する酸性触媒の
アンモニウム塩を電気透析して酸とアンモニアとを生成
させる。生成した酸はニトリル化合物又はアミド化合物
の加水分解工程での触媒として、生成したアンモニア
は、ニトリル化合物又はアミド化合物の製造工程での窒
素源として利用する。また、アルカリ金属水酸化物など
の塩基性触媒を用いて、前記化合物を加水分解する場合
には、副生するカルボン酸と塩基との塩を電気透析して
カルボン酸と塩基とを生成させ、塩基をニトリル化合物
の加水分解工程での触媒として再利用し、電気透析によ
り生成するアンモニアをニトリル化合物又はアミド化合
物の製造工程での窒素源として再利用する。電気透析
は、バイポーラ膜と、陽イオン交換膜及び陰イオン交換
膜の少なくとも一種の膜とで構成されるイオン交換膜を
用いて行なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニトリル化合物又はア
ミド化合物からカルボン酸を製造する方法に関するもの
である。カルボン酸は有機合成の分野において極めて重
要な化合物であり、中間体や製品として多量に製造され
ている。
【0002】
【従来の技術】ニトリル化合物又はアミド化合物を加水
分解してカルボン酸を製造する場合、通常、加水分解触
媒として濃硫酸などの無機酸が使用されている。この反
応では、下記反応工程式(1)で示されるように、ニト
リル化合物の加水分解により重硫酸アンモニウムが生成
する。
【0003】 RCN+H2 SO4 +2H2 O→RCONH2 ・H2 SO4 +H2 O →RCOOH+NH4 HSO4 (1) しかし、前記重硫酸アンモニウムは、有効に利用するこ
となく、工業排水として河川や井戸に廃棄されている。
そして、前記重硫酸アンモニウムの廃棄により環境破壊
が問題化している。
【0004】一方、近年、副生する重硫酸アンモニウム
の処理方法や重硫酸アンモニウムを副生しないプロセス
について精力的に開発されている。例えば、下記反応工
程式(2)に示されるように、重硫酸アンモニウムを熱
分解して、窒素とSO2 と水を生成させ、SO2 を酸化
して硫酸として回収し、ニトリル化合物の加水分解触媒
としてリサイクルする方法が開発されている。 NH4 HSO4 +1/2 O2 →1/2 N2 +5/2 H2 O+SO2 SO2 +1/2 O2 +H2 O→H2 SO4 (2) この方法では、重硫酸アンモニウムの硫黄成分を硫酸と
して再利用できる。しかし、重硫酸アンモニウムの熱
分解により窒素ガスが生成するので、アンモニアとして
回収できない。また、硫酸ガスを高温で扱うため、装
置の腐食が著しく、短期間内に装置を更新する必要があ
る。さらには、硫黄成分を硫酸として再利用するために
は、重硫酸アンモニウムの熱分解工程、熱分解により
生成した成分の分離工程、SO2 の酸化工程、硫酸の分
離工程という多くの工程を必要とし、設備費も膨大とな
る。そのため、上記のプロセスは、かなり大スケールの
カルボン酸の製造プラントで実施されているものの、汎
用性に乏しい。なお、これらの問題は、加水分解触媒と
して塩基性触媒を用いる場合にも同様に生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、副生する触媒成分の塩を有効に利用できるカルボン
酸の製造方法を提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、触媒成分(酸性触媒
又は塩基性触媒)とアンモニア又はアンモニア水とを簡
便かつ効率よく生成させてカルボン酸の製造に有効に利
用できる方法を提供することにある。
【0007】本発明のさらに他の目的は、触媒成分とア
ンモニアとを高い効率で再利用できる、汎用性の高いカ
ルボン酸の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するため鋭意検討の結果、電気透析を利用すると、
副生する触媒成分の塩(酸性触媒のアンモニウム塩又は
カルボン酸と塩基性触媒との塩)を効率よく分解でき、
生成した触媒成分およびアンモニア又はアンモニア水
を、ニトリル化合物又はアミド化合物からカルボン酸を
製造する方法に有効に再利用できることを見いだし、本
発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明では、(A)酸性触媒を
用い、ニトリル化合物又はアミド化合物を加水分解する
工程と、副生する酸性触媒のアンモニウム塩を電気透析
して酸とアンモニア又はアンモニア水とを生成させる工
程とを含むカルボン酸の製造方法であって、(1)生成
した酸をニトリル化合物又はアミド化合物の加水分解工
程での触媒として再利用する工程、および(2)生成し
たアンモニア又はアンモニア水をニトリル化合物又はア
ミド化合物の製造工程での窒素源として再利用する工程
のうち少なくともいずれか一方の工程を含む方法、又は
(B)塩基性触媒を用い、ニトリル化合物又はアミド化
合物を加水分解する工程と、副生するカルボン酸と塩基
との塩を電気透析してカルボン酸と塩基とを生成させる
工程とを含むカルボン酸の製造方法であって、(1)生
成した塩基をニトリル化合物の加水分解工程での触媒と
して再利用する工程、および(2)生成したアンモニア
又はアンモニア水をニトリル化合物又はアミド化合物の
製造工程での窒素源として再利用する工程のうち少なく
ともいずれか一方の工程を含む方法により、カルボン酸
を製造する。
【0010】これらの方法において、電気透析により生
成する酸又は塩基を加水分解工程での触媒として再利用
するとともに、アンモニア又はアンモニア水をニトリル
化合物又はアミド化合物の製造工程での窒素源として再
利用できる。また、電気透析は、種々のイオン交換膜、
例えば、バイポーラ膜と、陽イオン交換膜及び陰イオン
交換膜の少なくとも一種の膜とで構成されるイオン交換
膜を用いて行なうことができる。
【0011】以下に、必要に応じて添付図面を参照しつ
つ本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明において、前記ニトリル化合物とア
ミド化合物の種類は、特に制限されず、広い範囲の化合
物から選択できる。代表的なニトリル化合物は、式RC
N又はRCOCNで表すことができ、代表的なアミド化
合物は、RCONH2 で表すことができる(式中、Rは
脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素
基又は複素環基を示し、これらの基はさらに置換基を有
していてもよい)。また、ニトリル化合物及びアミド化
合物としては、ポリニトリル、ポリアミド類も使用でき
る。すなわち、前記脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素
基、芳香族炭化水素基又は複素環基は、一価の基に限ら
ず二価以上の多価基であってもよい。
【0013】前記脂肪族炭化水素基には、飽和炭化水素
基及び不飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチ
ル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの炭素数1〜
10(好ましくは1〜6)程度のアルキル基、ビニル、
アリル、1−プロペニル、イソプロヘニル、2−ブテニ
ルなどの炭素数2〜10程度のアルケニル基、エチニ
ル、2−プロペニルなどの炭素数2〜10程度のアルキ
ニル基、炭素数2〜10程度のアルキレン基などが含ま
れる。
【0014】脂環族炭化水素基には、例えば、シクロブ
チル、シクロヘキシル、シクロオクチル基などの炭素数
4〜10程度のシクロアルキル基やこれらに対応するシ
クロアルキレン基などが例示され、芳香族炭化水素基と
しては、例えば、フェニル、ナフチル基などの炭素数6
〜13程度のアリール基やこれらに対応するアリーレン
基などが例示できる。また、アラルキル基には、例え
ば、ベンジル、フェニルエチル、フェネチル基などの炭
素数7〜15程度のアラルキル基が含まれる。
【0015】複素環基としては、例えば、窒素原子、酸
素原子及び硫黄原子から選択された少なくとも1つの原
子をヘテロ原子として含む複素環基が含まれ、複素環基
は、縮合複素環基、芳香族性複素環基又は非芳香族性複
素環基のいずれであってもよい。複素環基には、例え
ば、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピリ
ジル、ピラジニル、ピリミジル、インドニル、キノリ
ル、モルホリノ、モルホリニル、ピペリジニル、ピペリ
ジノ基などが含まれる。
【0016】Rで表されるこれらの基は、その種類に応
じて、さらにハロゲン原子、ヒドロキシル基、メトキシ
基などのアルコキシ基やエーテル基、チオール基、アル
キルチオ基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基な
どのアルコキシカルボニル基やエステル基、アシル基、
アミノ基、ニトロ基などを置換基として有していてもよ
い。
【0017】脂肪族ニトリルには、飽和又は不飽和脂肪
族炭化水素基を有するニトリル、例えば、炭素数2〜6
の飽和又は不飽和ニトリル(例えば、アセトニトリル、
プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリ
ル、バレロニトリル、イソバレロニトリル、カプロニト
リルなどの飽和モノニトリル類;マロニトリル、サクシ
ノニトリル、グルタルニトリル、アジポニトリルなどの
飽和ジニトリル類;α−アミノプロピオニトリル、α−
アミノメチルチオブチロニトリル、α−アミノブチロニ
トリル、アミノアセトニトリルなどのα−アミノニトリ
ル類;ラクトニトリル、ヒドロキシアセトニトリル、α
−ヒドロキシイソブチロニトリル(アセトンシアンヒド
リン)、α−ヒドロキシ−γ−メチルチオブチロニトリ
ル(4−メチルチオ−2−ヒドロキシブチロニトリル)
などのα−ヒドロキシニトリル類;シアノ酢酸などのカ
ルボキシル基を有するニトリル類;アミノ−3−プロピ
オニトリルなどのβ−アミノニトリル類など)、不飽和
ニトリル(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、シアン化アリル、クロトンニトリルなど)が挙げ
られる。
【0018】また、脂肪族ニトリルには、RCOCN
(Rは前記に同じ)で表される化合物、例えば、ピルボ
ニトリル(シアン化アセチル)、シアノアセトンなども
含まれる。
【0019】芳香族ニトリルには、例えば、例えば、ベ
ンゾニトリル、o−、m−およびp−クロロベンゾニト
リル、o−、m−およびp−フルオロベンゾニトリル、
o−、m−およびp−ニトロベンゾニトリル、p−アミ
ノベンゾニトリル、4−シアノフェノール、o−、m−
およびp−トルニトリル、2,4−ジクロロベンゾニト
リル、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,6−ジフ
ルオロベンゾニトリル、アニソニトリル、α−ナフトニ
トリル、β−ナフトニトリルなどの芳香族モノニトリル
類;フタロニトリル、イソフタロニトリル、テレフタロ
ニトリルなどの芳香族ジニトリルなどが含まれる。
【0020】芳香族ニトリルには、例えば、シアン化ベ
ンジル、ケイ皮酸ニトリル、フェニルアセトニトリル、
マンデロニトリル、p−ヒドロキシフェニルアセトニト
リル、p−ヒドロキシフェニルプロピオニトリル、p−
メトキシフェニルアセトニトリルなどのアラルキル基を
有するニトリルも含まれる。
【0021】複素環式ニトリルには、窒素原子、酸素原
子及び硫黄原子から選択された少なくとも1つの原子を
ヘテロ原子として含む5又は6員環を含む複素環基を有
するニトリル化合物、例えば、2−チオフェンカルボニ
トリル、2−フロニトリルなどの硫黄原子又は酸素原子
をヘテロ原子として含むニトリル;2−シアノピリジ
ン、3−シアノピリジン、4−シアノピリジン、シアノ
ピラジンなどの窒素原子をヘテロ原子として含むニトリ
ル;5−シアノインドールなどの縮合環式複素環基;例
えば、シアノピペリジン、シアノピペラジンなどの水素
化された複素環式ニトリル、縮合複素環式ニトリルも含
まれる。
【0022】複素環式ニトリルには、RCOCN(Rは
複素環基を示す)で表される化合物、例えば、ニコチノ
ニトリル、イソニコチノニトリルなども含まれる。
【0023】なお、ニトリル化合物が複数のシアノ基を
有する場合、少なくとも1つのシアノ基がアミド基又は
カルボキシル基に変換されればよく、アミド化合物が複
数のアミド基を有する場合、少なくとも1つのアミド基
がカルボキシル基に変換されればよい。
【0024】アミド化合物には、前記ニトリル化合物に
対応する化合物、例えば、アセトアミド、プロピオンア
ミド、ブチルアミド、イソブチルアミド、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、ラクトアミド、ピルボアミド、
α−ヒドロキシイソブチルアミド、4−メチルチオ−2
−ヒドロキシイソブチルアミド、フェニルアセトアミ
ド、マンデルアミド、p−ヒドロキシフェニルアセトア
ミド、p−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド、p−
メトキシフェニルアセトアミド、テレフタルアミド、ニ
コチンアミド、イソニコチンアミドなどが例示できる。
【0025】前記加水分解反応における触媒は、ニトリ
ル化合物やアミド化合物の加水分解に利用できる限り特
に制限されず、種々の酸性触媒および塩基性触媒が使用
できる。
【0026】酸性触媒としては、例えば、塩酸、硝酸、
リン酸、硫酸などの無機酸、トリクロロ酢酸、トリフル
オロ酢酸、メタンスルホン酸などの有機酸が例示でき
る。これらの酸性触媒は一種又は二種以上混合して使用
できる。好ましい酸性触媒には、鉱酸(例えば、硫酸な
どの無機酸)が含まれる。
【0027】アミド化合物を加水分解するための塩基性
触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムな
どのアルカリ金属炭酸塩などが使用される。これらの塩
基性触媒も単独で又は二種以上混合して使用できる。好
ましい塩基性触媒には、例えば、アルカリ金属水酸化物
が含まれる。
【0028】本発明は、(A)酸性触媒の存在下、ニト
リル化合物又はアミド化合物を加水分解することにより
カルボン酸を製造する方法に適用される。代表的なニト
リル化合物及びアミド化合物を例にとって説明すると、
カルボン酸の生成反応は、下記反応式(1a)又は(1
b)で表すことができる。
【0029】ニトリル化合物の加水分解反応(水和反
応) RCN+HA+2H2 O→RCOOH+NH4 A (1a) (式中、HAは酸性触媒を示す。Rは前記に同じ) アミド化合物の加水分解反応(水和反応) RCONH2 +HA+H2 O→RCOOH+NH4 A (1b) (式中、RおよびHAは前記に同じ) 酸性触媒の使用量は、加水分解反応が損なわれない範囲
で適当に選択でき、例えば、ニトリル化合物又はアミド
化合物1モルに対して、0.75〜10モル、好ましく
は0.9〜5モル、さらに好ましくは1〜3モル程度で
あり、1〜2.5モル程度である場合が多い。
【0030】また、加水分解反応における水の使用量
は、前記反応式から明らかなように、ニトリル化合物ま
たはアミド化合物に対して過剰モルであればよい。水の
使用量は、例えば、ニトリル化合物1モルに対して、少
なくとも1.5モル以上(例えば、1.5〜50モ
ル)、好ましくは2〜25モル、さらに好ましくは2.
2〜10モル程度であり、過剰モル(例えば、2.5〜
10モル)程度である場合が多い。また、アミド化合物
に対する水の使用量は、例えば、アミド化合物1モルに
対して、少なくとも0.7モル以上(例えば、0.8〜
50モル)、好ましくは1〜25モル、さらに好ましく
は1.2〜10モル程度であり、過剰モル(例えば、
1.5〜10モル)程度である場合が多い。
【0031】反応は、必要に応じて、反応に不活性な溶
媒中で行なってもよい。不活性溶媒としては、例えば、
ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキ
サンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、キシレン、トル
エンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタン、四塩化炭
素などのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなど
のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブ
チルなどのエステル類、ジメチルエーテル、ジエチルエ
ーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン類、非プロトン性極性溶媒などが
挙げられる。これらの溶媒は一種または二種以上混合し
て使用してもよい。
【0032】前記加水分解反応は、適当な条件、例え
ば、30〜200℃(好ましくは50〜150℃、さら
に好ましくは60〜120℃)程度で行なうことができ
る。
【0033】そして、加水分解により副生する酸性触媒
のアンモニウム塩を電気透析して酸とアンモニア(又は
アンモニア水)とを生成させる。電気透析工程での反応
は下記式で表すことができる。
【0034】NH4 A+H2 O→NH4 OH+HA NH4 OH→H2 O+NH3 上記反応式から明らかなように、副生物を有効に利用す
るためには、(1)電気透析により生成した酸をニトリ
ル化合物又はアミド化合物の加水分解工程での触媒とし
て再利用する工程、および(2)電気透析により生成す
るアンモニア又はアンモニア水を、前記ニトリル化合物
またはアミド化合物を製造するための窒素源として再利
用する工程のうち、少なくともいずれか一方の工程を含
むのが好ましい。好ましい方法では、前記酸の再利用工
程(1)およびアンモニア(又はアンモニア水)の再利
用工程(2)の双方の工程を含んでいる。さらに、分離
された水は、ニトリル化合物又はアミド化合物の加水分
解工程に供してもよい。
【0035】なお、ニトリル化合物は、前記アンモニア
を窒素源とする慣用の方法、例えば、アルデヒド化合物
とアンモニアとの反応、カルボン酸とアンモニアとの反
応などにより製造することができる。また、アミド化合
物も、前記アンモニアを窒素源とする慣用の方法、例え
ば、カルボン酸とアンモニアとの反応などにより製造す
ることができる。
【0036】さらに、本発明は、(B)塩基性触媒の存
在下、ニトリル化合物又はアミド化合物を加水分解する
ことによりカルボン酸を製造する方法に適用される。代
表的なニトリル化合物及びアミド化合物を例にとって説
明すると、カルボン酸の生成反応は、下記反応式(2
a)又は(2b)で表すことができる。
【0037】ニトリル化合物の加水分解反応 RCN+MOH+2H2 O→RCOOM+NH4 OH (2a) (式中、MOHは塩基性触媒を示す。Rは前記に同じ) アミド化合物の加水分解反応 RCONH2 +MOH+H2 O→RCOOM+NH4 OH (2b) (式中、R及びMOHは前記に同じ) 塩基性触媒の存在下での加水分解反応における塩基性触
媒の使用量は、水の使用量は、反応条件や反応溶媒は、
前記反応式から明らかなように、前記酸性触媒を用いた
加水分解反応におけるのと同様である。
【0038】そして、加水分解によりカルボン酸と塩基
との塩を電気透析してカルボン酸と塩基とを生成させ
る。電気透析工程での反応は下記式で表すことができ
る。
【0039】RCOOM+NH4 OH→RCOOM+H
2 O+NH3 ↑ RCOOM+H2 O→RCOOH+MOH 本発明の方法では、(1)電気透析により生成した塩基
をニトリル化合物の加水分解工程での触媒として再利用
する工程、および(2)電気透析により生成したアンモ
ニア又はアンモニア水をニトリル化合物又はアミド化合
物の製造工程での窒素源として再利用する工程のうち、
少なくともいずれか一方の工程を含んでいる。加水分解
反応により精製した副生物をさらに有効に利用するため
には、前記塩基の再利用工程(1)およびアンモニア
(又はアンモニア水)の再利用工程(2)の双方の工程
を含むのが好ましい。
【0040】前記電気透析は、種々の方法、例えば、イ
オン輸送能やイオン交換能を有する膜を用い、電圧を印
加しながら、酸性触媒のアンモニウム塩や、カルボン酸
と塩基との塩をイオン解離させ、陽イオン又は陰イオン
を選択的に膜を透過させて分離することにより行なうこ
とができる。
【0041】陽イオン交換膜の種類は、特に限定され
ず、種々の陽イオン交換能を有する膜、例えば、スルホ
ン酸基、カルボキシル基、ペルフルオロアルキルカルボ
キシル基、ホスホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エス
テル基、カルボン酸エステル基、ペルフルオロアルキル
カルボン酸エステル基、スルホンアミド基などの陽イオ
ン交換基を有する陽イオン交換膜が使用できる。膜の基
材は複数種の陽イオン交換基を有していてもよい。好ま
しい陽イオン交換基には、スルホン酸基、カルボキシル
基、ペルフルオロアルキルカルボキシル基が含まれる。
【0042】陰イオン交換膜の種類も、特に限定され
ず、種々の陰イオン交換膜、例えば、1級アミノ基、2
級アミノ基、3級アミノ基、4級アミノ基(第4級アン
モニウム塩)などの陰イオン交換基を有する陰イオン交
換膜が使用できる。膜の基材は複数種の陰イオン交換基
を有していてもよい。好ましい陰イオン交換基には、第
4級アンモニウム塩の基が含まれる。
【0043】なお、前記イオン交換基を有する基材とし
ては、種々のポリマー、例えば、ポリテトラフルオロエ
チレンなどのフッ素樹脂、架橋ポリマー(例えば、スチ
レン−ジビニルベンゼン系ポリマー、ビニル−ジビニル
ベンゼン系ポリマー、スチレン−ブタジエン系ポリマー
など)、アクリル系ポリマー、縮合ポリマー(例えば、
エチレンイミン−エピクロロヒドリン系ポリマー、エポ
キシ樹脂など)などが例示できる。また、イオン交換膜
の種類によっては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタ
ンなどの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、ビニルエス
テル樹脂などの熱硬化性樹脂も使用できる。また、基材
は、補強繊維や布などの支持体により補強されていても
よい。
【0044】さらに、電気透析に利用するイオン交換膜
は、均質膜、不均質膜、融合膜、含浸膜などのいずれで
あってもよい。また、イオン交換膜は、一方の面に陰イ
オン交換能、他方の面に陽イオン交換能を備えた複合膜
(バイポーラ膜)や、陰イオン交換基と陽イオン交換基
とを有する両性膜などであってもよい。
【0045】電気透析は、原理的に『イオン交換膜』
(小坂勇次郎・清水博編、共立出版)の第233頁に記
載の塩類の加水分解に相当し、電気透析法についてはこ
れらの文献を参照できる。例えば、電気透析は、陽イオ
ン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に配置し、両端の電
極に電圧を印加する多室電気透析槽を用いてもよいが、
電流効率を高めるためには、バイポーラ膜と、陽イオン
交換膜及び陰イオン交換膜の少なくとも一種の膜とで構
成されるイオン交換膜とを備えた電気透析装置を用いて
行なうのが好ましい。
【0046】電気透析装置としては、例えば、二室型や
三室型が好ましく使用される。二室型電気透析装置で
は、陰イオン交換膜側を陽極側に臨ませ、陽イオン交換
膜側を陰極側に臨ませて配設した複数のバイポーラ膜
と、これらのバイポーラ膜の間に配設した陽イオン交換
膜又は陰イオン交換膜とで構成できる。そして、両端の
電極間に電圧を印加することにより、バイポーラ膜の陰
イオン交換膜と陽イオン交換膜部分との界面に浸透した
水分子又は塩を分解し、バイポーラ膜の陰イオン交換膜
側にHイオン又は陽イオンを、陽イオン交換膜側にO
イオン又は陰イオンを発生させる。
【0047】バイポーラ膜と陽イオン交換膜とを用いた
二室型電気透析装置は、例えば、図1に示されるよう
に、陽極1と陰極2との間に、複数のバイポーラ膜Bと
複数の陽イオン交換膜Cとを交互に設置することにより
構成できる。また、バイポーラ膜と陽イオン交換膜と陰
イオン交換膜とを用いた三室型電気透析装置は、例え
ば、図2に示されるように、陽極1と陰極2との間に、
バイポーラ膜Bと陰イオン交換膜Aと陽イオン交換膜C
とを順次配設することにより構成できる。
【0048】なお、電気透析装置において、陽イオン交
換膜は、バイポーラ膜の陰イオン交換膜と対向して配設
され、陰イオン交換膜は、バイポーラ膜の陽イオン交換
膜と対向して配設される。また、前記二室型電気透析装
置は、通常、陰極室6から陽極室5の方向に、前記塩
(酸性触媒のアンモニウム塩又はカルボン酸と塩基性触
媒との塩)を含む反応液を収容するための室(酸・塩基
混合室)4と、前記触媒成分(酸性触媒又は塩基性触
媒)の溶液を収容するための室(酸室又はアルカリ室)
3とを備えている。また、前記三室型電気透析装置は、
陰極室6から陽極室5の方向に、通常、前記塩(酸性触
媒のアンモニウム塩又はカルボン酸と塩基性触媒との
塩)を含む反応液を収容するための室(塩室)15と、
酸を収容するための酸室14と、アルカリを収容するた
めのアルカリ室13とを備えている。
【0049】なお、前記バイポーラ膜は、例えば、慣用
の方法で得ることができる。例えば、陽イオン交換膜と
陰イオン交換膜とをポリエチレン−エピクドルヒドリン
の混合物で貼合わせて硬化接着する方法(特公昭32−
3962号公報)、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜と
を、微粉の陽イオン交換樹脂または陰イオン交換樹脂と
熱可塑性物質とのペースト状混合物により圧着して接着
させる方法(特公昭35−14531号公報)、陽イオ
ン交換膜の表面にビニルピリジンとエポキシ化合物とか
らなる糊状物質を塗布し、放射線を照射する方法(特公
昭38−16633号公報)、陰イオン交換膜の表面上
にスルホン酸型高分子電解質とアリルアミン類を付着さ
せた後、電離性放射線を照射して架橋させる方法(特公
昭51−4113号公報)、イオン交換膜の表面に反対
電荷を有するイオン交換樹脂の分散系と母体重合体との
混合物を沈着させる方法(特開昭53−37190号公
報)、ポリエチレンフィルムに、スチレン、ジビニルベ
ンゼンを含浸重合したシート状物をステンレス製などの
枠で挾持し、一方の側をスルホン化させた後、シートの
他方の面をクロルメチル化し、次いでアミノ化処理する
方法(米国特許3562139号明細書)、陽イオン交
換膜と陰イオン交換膜との界面を無機化合物で処理し、
両膜を接合する方法(特開昭59−47235号公報)
などが例示できる。
【0050】電気透析の条件は、酸性触媒又は塩基性触
媒と、アンモニア又はアンモニア水の利用効率を損なわ
ない広い範囲から選択でき、温度は、例えば、0〜10
0℃(好ましくは10〜70℃、さらに好ましくは20
〜50℃)程度、電流密度は、例えば、1〜30A/d
2 (好ましくは3〜20A/dm2 )程度である。
【0051】本発明の方法は、電気透析により副生物の
塩を分解し、生成した酸性触媒、塩基性触媒又はアンモ
ニアをカルボン酸の製造工程にリサイクルできる。その
ため、環境汚染を防止しつつ、カルボン酸を製造する上
で有用である。しかも、従来の装置と電気透析装置とを
組み合わせるという簡単な構成で、しかも少ない工程数
でカルボン酸を効率よく製造できる。
【0052】
【発明の効果】本発明の方法では、ニトリル化合物又は
アミド化合物の加水分解工程で副生する触媒成分の塩を
分解して、触媒又はアンモニアを再生させ、カルボン酸
の製造工程に再使用できる。そのため、触媒成分などの
回収も含めて、有効かつ比較的安価に副生成分を有効に
利用しつつ、カルボン酸を製造できる。また、触媒成分
(酸性触媒又は塩基性触媒)とアンモニア(又はアンモ
ニア水)とを簡便かつ効率よく生成させてカルボン酸の
製造に有効に利用できる。さらには、触媒成分とアンモ
ニア(又はアンモニア水)とを高い効率で再利用でき、
カルボン酸の製造方法として汎用性が高い。
【0053】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0054】実施例1 1.イソブチロニトリル製造工程 ジルコニウム触媒を充填したステンレス製反応管(直径
1インチ)に、常圧下、200℃でイソブチルアルデヒ
ド0.5モル/hrとアンモニア1モル/hrとを供給
し、生成ガスを冷却し、凝縮液を蒸留することにより、
イソブチロニトリルを0.49モル/hrの生成速度で
得た。
【0055】2.イソ酪酸ナトリウム製造工程 イソブチロニトリル0.49モル/hrと2規定の水酸
化ナトリウム水溶液270モル/hrとをガラス製撹拌
槽(1リットル)で80℃に加熱したところ、アンモニ
アガスが発生した。さらに、反応液に窒素ガスをバブリ
ングして、溶解するアンモニアをストリップした。撹拌
槽から発生したアンモニアガスとストリップガスとを混
合し、前記イソブチロニトリルの製造工程にリサイクル
した。アンモニアを除去した反応液を分析したところ、
0.49モル/hrでイソ酪酸ナトリウムが生成してい
た。
【0056】3.電気透析工程 バイポーラ膜(ネオセプターBP−1、(株)トクヤマ
製)と陽イオン交換膜(ネオセプターAMH、(株)ト
クヤマ製)とを備えた図1に示す電気透析槽(TS2B
−2−5型、有効膜面積:200cm2 ×5対、(株)
トクヤマ製)を用いた。
【0057】この電気透析槽の酸・塩基混合室にイソ酪
酸ナトリウム製造工程で得られた反応液5リットルを、
アルカリ室に0.4%水酸化ナトリウム水溶液5リット
ルを、陽極室と陰極室には10%水酸化ナトリウム水溶
液5リットルをそれぞれ循環し、約40℃,電流20A
(電流密度10A/100cm2 )で4時間に亘り電気
透析した。その結果、イソ酪酸ナトリウムの99%がイ
ソ酪酸に転換し、20%イソ酪酸水溶液と2規定水酸化
ナトリウム水溶液が得られた。精製した2規定水酸化ナ
トリウム水溶液はイソ酪酸ナトリウムの製造工程にリサ
イクルした。また、20%イソ酪酸水溶液からイソ酪酸
を抽出法(抽出溶媒メチルエチルトン,抽出溶媒量5リ
ットル)により回収した。
【0058】実施例2 1.乳酸ナトリウムの製造工程 ラクトアミドと12%水酸化ナトリウム水溶液330g
/hrを500mlガラス製撹拌槽で80℃に加熱した
ところ、アンモニアガスが発生した。さらに、実施例1
と同様のバブリングにより反応混合液と窒素ガスを接触
させ、溶解するアンモニアをストリップした。ガラス製
撹拌槽から発生したアンモニアガスとストリップガスを
混合し、ラクトアミドを製造する工程にリサイクルし
た。アンモニアを除去した反応混合液を分析したとこ
ろ、乳酸ナトリウム22%を含んでいた。
【0059】2.電気透析工程 実施例1と同じ電気透析槽の酸・塩基混合室に前記反応
混合液5リットルを、アルカリ室に0.4%水酸化ナト
リウム水溶液5リットルを、陽極室と陰極室には10%
水酸化ナトリウム水溶液5リットルをそれぞれ循環し、
電流20Aで4時間電気透析した。その結果、乳酸ナト
リウムの99%が乳酸に転換し、20%イソ乳酸水溶液
と12%水酸化ナトリウム水溶液が得られた。12%水
酸化ナトリウム水溶液は乳酸ナトリウムの製造工程にリ
サイクルした。また、濃縮法により20%乳酸水溶液か
ら乳酸を回収した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は二室型電気透析装置の一例を示す概略構
成図である。
【図2】図2は三室型電気透析装置の一例を示す概略構
成図である。
【符号の説明】
1…陽極 2…陰極 3…室(酸室又はアルカリ室) 4…室(酸・塩基混合室) 5…陽極室 6…陰極室 13…アルカリ室 14…酸室 15…室(塩室) B…バイポーラ膜 A…陰イオン交換膜 C…陽イオン交換膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性触媒を用い、ニトリル化合物又はア
    ミド化合物を加水分解する工程と、副生する酸性触媒の
    アンモニウム塩を電気透析して酸とアンモニア又はアン
    モニア水とを生成させる工程とを含むカルボン酸の製造
    方法であって、(1)生成した酸をニトリル化合物又は
    アミド化合物の加水分解工程での触媒として再利用する
    工程、および(2)生成したアンモニア又はアンモニア
    水をニトリル化合物又はアミド化合物の製造工程での窒
    素源として再利用する工程のうち少なくともいずれか一
    方の工程を含むカルボン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 塩基性触媒を用い、ニトリル化合物又は
    アミド化合物を加水分解する工程と、副生するカルボン
    酸と塩基との塩を電気透析してカルボン酸と塩基とを生
    成させる工程とを含むカルボン酸の製造方法であって、
    (1)生成した塩基をニトリル化合物の加水分解工程で
    の触媒として再利用する工程、および(2)生成したア
    ンモニア又はアンモニア水をニトリル化合物又はアミド
    化合物の製造工程での窒素源として再利用する工程のう
    ち少なくともいずれか一方の工程を含むカルボン酸の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 (1)電気透析により生成した酸又は塩
    基をニトリル化合物又はアミド化合物の加水分解工程で
    の触媒として再利用するとともに、(2)電気透析によ
    り生成したアンモニア又はアンモニア水をニトリル化合
    物又はアミド化合物の製造工程での窒素源として再利用
    する請求項1又は2記載のカルボン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 電気透析を、バイポーラ膜と、陽イオン
    交換膜及び陰イオン交換膜の少なくとも一種の膜とで構
    成されるイオン交換膜を用いて行なう請求項1〜3のい
    ずれかの項に記載のカルボン酸の製造方法。
  5. 【請求項5】 無機酸の存在下、ニトリル化合物又はア
    ミド化合物を加水分解する工程と、この加水分解工程で
    副生する無機酸のアンモニウム塩を電気透析して無機酸
    とアンモニアとを生成させる工程と、この電気透析工程
    で生成した無機酸をニトリル化合物又はアミド化合物の
    加水分解工程にリサイクルするとともに、前記電気透析
    工程で生成したアンモニアを、ニトリル化合物又はアミ
    ド化合物を製造するための窒素源としてリサイクルする
    カルボン酸の製造方法。
  6. 【請求項6】 アルカリ金属水酸化物の存在下、ニトリ
    ル化合物又はアミド化合物を加水分解する工程と、この
    加水分解工程で副生するカルボン酸のアルカリ金属塩を
    電気透析してカルボン酸とアルカリ金属水酸化物とを生
    成させる工程と、この電気透析工程で生成したアルカリ
    金属水酸化物をニトリル化合物の加水分解工程にリサイ
    クルするとともに、前記電気透析工程で生成したアンモ
    ニアを、ニトリル化合物又はアミド化合物を製造するた
    めの窒素源としてリサイクルするカルボン酸の製造方
    法。
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SG1996006582A SG59966A1 (en) 1995-03-08 1996-03-06 Process for producing a carboxylic acid
TW085102743A TW375594B (en) 1995-03-08 1996-03-06 Process for producing a carboxylic acid
KR1019960005910A KR960034154A (ko) 1995-03-08 1996-03-07 카르복실산의 제조 방법
DE69608834T DE69608834T2 (de) 1995-03-08 1996-03-07 Verfahren zur Herstellung einer Carbonsäure
EP96103576A EP0731079B1 (en) 1995-03-08 1996-03-07 Process for producing a carboxylic acid
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007161685A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Astom:Kk 有機酸の製造方法
JP2007522156A (ja) * 2004-02-11 2007-08-09 レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング α−ヒドロキシカルボン酸及びそれらのエステルの製造方法
JP2009511241A (ja) * 2005-10-05 2009-03-19 エボニック デグサ ゲーエムベーハー カルボン酸ニトリルの加水分解のための二酸化マンガン触媒

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