JP5801799B2 - シアン化塩を用いて化学物質を調製する電気化学的方法 - Google Patents

シアン化塩を用いて化学物質を調製する電気化学的方法 Download PDF

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Description

本発明は、シアン化塩を用いた電気化学的調製方法に関する。シアン化水素を出発原料とする多くの合成法が知られている。しかし、シアン化水素は毒性の高い化学物質であり、そのためその取扱い、保存、および輸送は極めて危険で、好ましくは避けるべきである。
US2,855,428には、酸性条件下でホルムアルデヒドおよび液体シアン化水素をアミン化合物と反応させることによってアミンニトリルを調製する(いわゆるSinger)方法が開示されている。
DE4211713には、アミノジカルボン酸をホルムアルデヒドおよびシアン化水素と反応させ、生成したアミドおよびニトリル基を反応混合物に酸または塩基を加えて加水分解することによって、アミノジカルボン酸−N,N−二酢酸化合物を調製する方法が開示されている。
ここで、反応混合物のpHを十分に低く保つ電気化学的方法を用いれば、シアン化水素の代わりにシアン化アルカリ金属塩等のシアン化塩を用いて同じ調製方法を実施できることが見出された。
したがって、本発明は、シアン化物とシアン化水素反応性化合物との反応を含む方法を提供し、この方法は、シアン化物がシアン化塩であり、該方法が、シアン化塩が加えられた反応混合物を電気化学セルを通して輸送するステップを含む電気化学的方法であり、その方法においてシアン化塩がシアン化水素反応性化合物と反応する一方、少なくとも部分的に電流の影響下でシアン化塩が酸性化され、塩のカチオン含量が減少することを特徴としている。
本発明の方法を用いれば、合成のために大量のHCNを使用し保存することが避けられることが示される。これによって安全性が改善される。また、HCNの入手が制限されていることも、もはや問題でなくなる。この点に関し、多くの国々においてHCNは適切なパイプラインによる以外は輸送できないことに注目されたい。追加的な利点として、本発明の電気化学的方法によって調製された化合物は、シアン化塩を用いる類似の方法よりも不純物レベルがずっと低いことが見出された。
DE4211713の実施例4において、アミノジカルボン酸およびホルムアルデヒドとNaCNとの反応が開示されていることに注目されよう。しかし、この反応の間に副生成物として水酸化物が生成し、その結果として反応は直ちに加水分解ステップに進行してカルボン酸のナトリウム塩が生成し、さらに水酸化物イオンの存在による望ましくない副次的影響としていくつかの副生成物、即ちニトリロ三酢酸塩(NTA)等の望ましくない誘導体または鹸化生成物が生成する。本発明の方法によればこれを避けることができる。
前述のように、本発明の方法にはシアン化塩が添加されて電気化学セルを通して輸送される反応混合物が含まれており、この方法においてシアン化塩はシアン化水素反応性化合物と反応する一方、(少なくとも部分的に)電流の影響下でシアン化塩が酸性化され、塩のカチオン含量が減少する。方法の好ましい実施形態においては、プロセス条件下でシアン化物がシアン化水素反応性化合物と瞬時に反応する際、その場のシアン化水素しか存在しない。しかし、さほど好ましくはないが、シアン化水素はシアン化水素反応性化合物と反応する前に、ある(可能な限り短い)時間の間、その状態で存在することが考えられる。例えば一実施形態において、シアン化水素は電気化学セルの外に輸送され、別の反応器内でシアン化水素反応性化合物と反応することができる。
本出願において「電気化学的方法」という用語は、プロトンを生成して水溶性塩をその対応する酸および塩基に変換する膜/水分離方法として定義される。あるいは、より単純化すれば、電気化学的方法とは電気化学ユニットのいくつかの区画におけるpHが外的な電位勾配の影響下で制御される方法である。
本発明の電気化学的方法はバイポーラ膜を用いる電気透析方法、あるいは電極を用いる電気−電気透析方法であって、カチオン交換膜と組み合わせられた水性電解質の電気化学的酸化によってプロトンが生成し、生成したプロトンが第2の区画に送られ、そこでシアン化塩がシアン化水素反応性化合物と反応する。
この方法は好ましくは従来のカチオンおよび/またはアニオン交換膜と組み合わせたバイポーライオン交換膜を用い、イオンの分離および再配置は直流駆動力によって影響される。電気化学的変換が存在しないことによって、水分離方法のエネルギー効率が良くなり、また酸化されやすい化学物質の直接プロセッシングが可能になる(K.N.Mani、J.Membr.Sci.、58(1991)、117〜138頁も参照されたい)。
本発明の電気化学的方法は、陽極および陰極を電解質溶液の(水性)溶液に入れてそれに電位勾配を加えると、陽極および陰極でそれぞれ酸化および還元反応が起こり得て、溶液中の陽イオンおよび陰イオンの、特にプロトンの、それぞれの対電極への輸送がもたらされるという原理を用いている。2つの電極間に1つまたは複数のイオン交換膜またはイオン選択透過膜またはイオン半透膜を配置することにより、この方法によって異なった溶液の間の(Hイオン等の)イオン種の輸送が可能になり、それによりイオン種の分離が可能になる。
Mitsuhiro Okimotoらが「Electrochemical Oxidation of ketone acylhydrazones and their hydrogen cyanide adducts in sodium cyanide−methanol.Transformation of ketones to nitriles」、Journal of Organic chemistry、55巻3号、1990、1070〜1076頁において、メタノール中でケトンアシルヒドラゾンを電気分解的に酸化する方法を開示していることに注目されよう。この文献で開示された方法においては、ヒドラジンが電気分解的にヒドラゾンに変換され、同時に水が電気分解的に分解されて水素ガスを生成する。この文献で開示された方法は、本発明の電気化学的方法とは違って、異なった溶液間のイオン種の輸送には関係しない。
本発明の電気化学的方法においては、イオン交換膜の適用によって、シアン化水素反応性化合物が存在する区画において電気化学的変換が起こることが防止され、それにより陽極酸化されやすい化学物質を酸化することなしに反応混合物を酸性化することが可能になる。
電気化学的方法には、電気化学セルを通過する溶液が印加された電流を適度に伝導することが必要である。多くの実施形態においては、出発化合物および/または生成物によって溶液は十分に電導性になる。そうでなければ、溶液または電気化学セル内の他の流れに別の化合物を加えてその電導性を増大させることが望ましい。この化合物は、好ましくは不活性で意図された生成物から容易に分離できるように、または反応生成混合物中に留まり得るように選択される(これは、反応生成物がそれ自体電解質であって、意図された反応生成物のいくらかは溶液を電導性にするために用いられる場合である)。電導性を改善するためにそのような化合物を選択することは、当業者の技能の範囲内である。
本発明の方法のために用いられる溶液は、好ましくは水溶液であるが、バイポーラ膜によって電気化学的に解離してプロトンを産生し得る、例えばメタノールまたは酢酸等のプロトン性溶媒等の他の溶媒を用いてもよい。反応物の1つが水に難溶または不溶の場合には、有機溶媒と水の混合物が有用である。
別の実施形態においては、シアン化塩(本明細書においてXCNとも称する)はシアン化アルカリ金属またはHCNとシアン化アルカリ金属との混合物であってよい。シアン化アルカリ金属は好ましくはシアン化ナトリウムまたはシアン化カリウムである。シアン化塩は、それが方法において用いられる電気化学セル内で用いられる溶液に不溶でなく、また好ましくは用いられる電気化学セル内で用いられる(カチオン透過)膜をアルカリ土類金属カチオンが透過できるならば、シアン化アルカリ土類金属塩であってもよい。
シアン化水素反応性化合物は、以下にも説明するように、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒド等のアルデヒド;アセトン等のケトン;プロペンニトリル等の場合によりさらなる基によって置換されたアルケン;シアニド、またはイミン(シッフ塩基、即ちアミンとアルデヒドとの反応生成物)であってよい。好ましくは、シアン化水素反応性化合物は、本発明の方法において用いられる電気化学セル内で用いられる溶液に適度に溶解する。「適度な溶解」は、少なくとも0.1g/L溶液、好ましくは少なくとも1g/L溶液と定義される。
シアン化水素反応性材料の選択に応じて、またある場合にはさらなる原料および反応条件に応じて、本発明のいくつかの実施形態を以下に述べ、以下さらに詳細に議論する。
本明細書に記載した反応式は本発明のいくつかの実施形態を説明することを意味するのみであり、常に完全に正確または完璧であるとは限らない。
本発明の電気透析方法の一実施形態を示す概略図である。 本発明の電気透析方法の一実施形態を示す概略図である。 本発明の電気透析方法の一実施形態を示す概略図である。 本発明の電気透析方法の一実施形態を示す概略図である。 本発明の電気透析方法の一実施形態を示す概略図である。
アミノニトリルプロセス
好ましい実施形態においては、本発明の方法は以下の式によってアミノニトリルを生成するSinger(類似)プロセスである。
R−NH+R’−CHO+XCN→R−N(H)2−n(−CHR’−CN)
式中、nは1または2である。一実施形態においては、Rは水素、アルキル、アルキレン、アルキレンアミンまたはアミノ酸基から選択される基であり、これらは場合により1つまたは複数のアルキル基、カルボキシレート基、水酸基、アミノ基で置換され、および/または1つもしくは複数のエーテル官能基を含み、R’は場合により1つまたは複数のカルボキシレート基で置換されたアルキル基および/または水素原子であり、好ましくはそれは水素原子である。
このSinger実施形態によって生成したアミノニトリルは、キレートならびにエチレンアミンの調製における適切な出発原料である。
アミンはアンモニア、一級アミンまたは二級アミン(その場合、反応はRNHを用いる代わりにR−NHを用いて開始される。式中、RおよびRの各々はRと同じ化合物群から独立に選択してよい)、モノ−、ジ−、トリ−、またはテトラアミンもしくはアミノ酸またはそれらの混合物であってよい。好ましくはアミンはアミノ酸、よりさらに好ましくは自然起源のアミノ酸、またはアルキルアミンもしくはアルキレンアミンである。R、RまたはR基に別のアミノ酸が存在する場合には(エチレンジアミンまたはジエチレントリアミン等のアルキレンアミンのように)、各々のアミノ基は同様に反応してアミノニトリルを生成し得ることに注目されたい。
特に好ましい実施形態においては、式R−N(H)2−n(−CHR’−CN)の化合物は、グルタミン酸モノ−もしくはジアセトニトリル、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンモノ−、ジ−もしくはトリアセトニトリル、イミノモノ−もしくはジアセトニトリル(IDAN)、エチレンジアミンモノ−、ジ−、トリ−もしくはテトラ−アセトニトリル、メチルグリシンモノ−もしくはジアセトニトリル、ヒドロキシエチルアミンモノ−もしくはジアセトニトリル、アスパラギン酸モノ−もしくはジアセトニトリルまたはそれらの塩である。
これらのニトリル化合物は加水分解されて対応するアミドもしくはカルボン酸またはそれらの塩を生成することができ、これらはキレート剤またはその前駆体として有用である。
本発明による電気化学的方法においてカチオンXの濃度がXCN化合物からインサイチュで減少する場合には、反応中にある程度の緩衝能が存在するようにするのが有利であることに注目されたい。この緩衝能により、pHをより容易に反応が最も良く進行する範囲に保つことができることが確実になる。アミノ酸ニトリルが生成する反応のようなある種の反応においては、この緩衝能は反応混合物中に本来的に存在しており、それによりこれらの反応は本発明の特に好ましい実施形態となる。追加的な緩衝性化合物、好ましくはシアン化物とシアン化水素反応性化合物との反応が進行するpH範囲にpKaを有する緩衝性化合物を添加することは可能であり、これは緩衝能が存在しない場合には特に有用である。
好ましい実施形態における本発明の方法の間のpHは0〜8の間、より好ましくは1〜7の間、最も好ましくは2〜6の間である。より高いpH範囲で他の反応条件を制御することによって重合および鹸化を抑制することは可能であるが、pH範囲が高くなると、シアン化化合物の望ましくない重合反応または鹸化反応が起こり始める危険が増大する。
シアノヒドリンプロセス
本発明の方法の別の実施形態においては、シアン化水素反応性化合物はアルデヒドまたはケトンであり、生成する生成物はシアノヒドリン化合物である。その場合、反応は下式によって進行する。
−C=O+XCN→R−C(OH)CN
生成するシアノヒドリンはメタクリル酸メチルまたは他のアクリル酸エステルの生成における適切な出発原料である。本発明の方法をシアノヒドリンの生成に用いる場合、グリコニトリルを作成することも可能である。これは過剰のシアン化水素を貯蔵するための既知化合物である(グリコニトリルはHCNよりも揮発性が低く、より重合しにくく、そのため危険性がより少ないため)。さらに、いくつかの化学反応においてグリコニトリルはHCNの代わりに原料として用いることができる。あるいは、このルートを用いてアセトンシアノヒドリンを作ることができる。これもある種の化学合成においてHCN源であることが知られている。
ヒダントインプロセス
本発明の方法の別の実施形態においては、水素反応性化合物はまたアルデヒドまたはケトンであるが、反応はアンモニアおよび二酸化炭素の存在下で実施され、生成物としてヒダントインが得られる。その場合、反応は下式によって進行する。
環状ヒダントイン化合物はメチオニンおよびフェニルグリシン等のアミノ酸の製造における適切な出発原料であり、これらは動物飼料および食品工業において適切に応用されている。
付加プロセス
本発明の方法の別の実施形態においては、シアン化水素反応性化合物は不飽和炭化水素化合物であり、方法は例えば下式によるMichael付加反応である。
XCN+CH=CH−CN→NC−CH−CH−CN
生成するジニトリルは1,4−ジアミノブタンの生成のための原料であり、これはナイロンの合成のために用いられる。商業的関心のある別の付加反応は下式によるものである。
CH=CH−CH=CH+2XCN→NC−CH−CH−CH−CH−CN
生成するアジポニトリルはナイロン66の出発原料である。
シアニドカップリングプロセス
本発明の方法のさらに別の実施形態においては、シアン化水素反応性化合物はシアン化物それ自体であり、ジシアン(シアノーゲンとも称される)を生成する。
2XCN→NC−CN
ジシアンはシュウ酸誘導体の調製における適切な出発原料である。
上記の反応においてシアン化水素とシアン化水素反応性化合物との反応は高温、高圧、または触媒の存在下のみ等の一定の条件下でのみ進行することが知られているが、本発明による電気化学的条件下でシアン化塩を用いて同じ反応を実施する場合にもこれらの条件を適用する必要があるであろうことを理解されたい。この点に関し、例えば1,3−ブタジエンをシアン化水素と反応させることによるアジポニトリルの調製は触媒の存在下に行なわれること、およびジシアンを得るためのシアニドのカップリングも通常は触媒の存在下に行なわれることが知られている。
適用される電気化学ユニットの膜は反応に必要な/用いられる反応条件および反応混合物中に存在する化学物質に耐えることができる必要がある。これは、ある反応については膜を選択する絶対的な自由度がないことを意味する。各々の特定の反応に最適な膜を選択することは当業者の技能の範囲内である。
電気化学的方法によってpHを完全に制御することが最も安全であるが、シアン化塩の完全なまたは部分的な化学的酸性化も可能であることを理解されたい。したがって一実施形態においては、方法の間のpHは有機もしくは無機酸の添加または酸性イオン交換樹脂の使用によって完全にまたは部分的に上述の好ましい範囲内に保つことができる。ある実施形態においてはエネルギー消費の観点から化学的酸性化が好ましいので、これによってよりコスト効率の良い方法に導かれる可能性がある。しかし、シアン化塩の使用および有機もしくは無機酸の添加によるpHの制御は、用いたシアン化塩に由来するカチオンおよび用いた酸のアニオンを含む無機もしくは有機の塩の生成をもたらす可能性がある。好ましい実施形態においては、この不利益は任意の出発原料または生成物を十分に低いpHにまで酸性化するための酸として用いることによって避けることができる(上述のアミノ酸ニトリルルートの意図された最終生成物である酸形態のキレート剤等)。化学的酸性化を適用する場合には、生成する無機または有機塩の分離が必要な場合があり、これは結晶化、電気透析、イオン交換樹脂、および膜濾過(ナノ濾過等)等の従来の手法を用いて実施することができる。
好ましい実施形態においては、化学的酸性化の副生物として塩が作られる場合には、プロセスは生成されたシアン化水素およびシアン化物反応性成分が含まれる区画とは隔離された区画でこの塩が作られるような方法で実施される。これにより追加的な塩分離ステップが必要な可能性が避けられる。これは原理的にはモノポーラ膜を含む電気透析方法を用いることによって実施することができる。
本発明の方法を用いて、電気化学的方法による完全なpH制御を実施する代わりに化学的酸性化によって部分的に酸性化し、それでもこの反応混合物から塩を含まない生成物を作ることができるために、追加的な分離ステップを用いてもよい。この場合にも、結晶化、電気透析、イオン交換樹脂、および膜濾過(ナノ濾過等)の従来の分離手法を適用してよい。さらに好ましい実施形態においては、塩が生成されない構成を有する電気透析方法を用いることによってこの分離を避けることができる。そのような構成の例を図1に示す。ここではシアン化塩およびシアン化水素反応性成分を含む第1の溶液(図1で試料溶液1と称する)は陽極側のカチオン透過膜(C2)および陰極側のカチオン透過膜(C1)で隔離された第1の区画に供給され、無機もしくは有機酸を含む第2の溶液(図1で酸(HY)溶液7と称する)は前記カチオン透過膜(C2)の陽極側の前記電気透析構成の第2の区画に供給され、好ましくは有機もしくは無機酸のアニオン(Y)およびシアン化塩のカチオン(X)を含む電解質の第3の溶液(図1で塩(XY)溶液6と称する)は前記電気透析構成の前記カチオン透過膜(C1)の陰極側の第3の区画に供給される。
本出願において用いる「カチオン透過膜」という用語は、カチオンは透過するがアニオンは透過しにくいか透過しない機能性膜を意味する。膜については、スルホン酸基、カルボン酸基、および解離すると負電荷を有する他の基を含む膜の使用を有利に行なうことができる。多くの場合、この膜はスチレンポリマー系均一膜からなっている。市販の膜としては例えばSelemion CMV(旭硝子社製)、Aciplex CK−1、CK−2、K−101、およびK−102(旭化成社製)、Neosepta CL−25T、CH−45T、C66−5T、およびCHS−45T(トクヤマ社製)、Nafion 120、315、および415(Du Pont社製)、ならびにFumasep FTCM、FKB、およびFKL(FuMA−Tech社製)が挙げられる。膜は、アルカリ金属塩の種類によって、または例えば膜を傷付け、もしくは膜の寿命を短くする可能性がある、膜のいずれかの側の溶液中に存在するかもしれない他の成分によって選択することができる。
本出願において用いる「アニオン透過膜」という用語は、アニオンは透過するがカチオンは透過しにくいか透過しない機能性膜を意味する。膜については、四級アミン基および解離すると正電荷を有する他の基を含む膜の使用を有利に行なうことができる。この膜はスチレンポリマー系均一膜からなっていてよい。市販の膜としては例えばSelemion AMV(旭硝子社製)、Aciplex A201、A192、およびA501SB(旭化成社製)、Neosepta AMX、AHA、およびACM(トクヤマ社製)、ならびにFumasep FAA、FAP、およびFTAM(FuMA−Tech社製)が挙げられる。膜は、プロセス条件によって、または例えば膜を傷付け、もしくは膜の寿命を短くする可能性がある、膜のいずれかの側の溶液中に存在するかもしれない成分によって選択することができる。
バイポーラ膜電気透析
バイポーラ膜電気透析(BPM)は基本的には水素イオン選択透過膜を用いる電気透析の特別な形態であり、最も有利な電気透析方法である。これは、BPM電気透析以外の電気透析法(即ちアニオン−およびカチオン−透過膜のみの使用に基づく方法)を用いた場合には鉱物酸または有機酸が必要で、副生物は通常、塩であり、これは廃棄流と考えられ得るからである。BPM電気透析方法においては副生物としてアルカリ生成物を製造することが可能であり、これは価値のある副流である。例えばその理由は、これをアミノニトリルまたは前記アミノニトリルプロセスからのアミドの加水分解に用いて、対応するアミノ(ポリ)カルボン酸塩を製造することができるからである。
図1は好ましい電気透析方法の実施形態を示す。ここでは酸由来のプロトンがカチオン透過膜(C2)を通して陰極側の区画に輸送され、用いた酸(HY)のアニオン(Y)がアニオン透過膜(A)を通して陽極側の区画に輸送され、またシアン化塩由来のカチオン(X)がシアン化水素反応性化合物が反応する区画から隔離された酸由来のアニオンと同じ区画に輸送されて、所望の反応生成物が得られ、塩の流れ(6)が分離される。
別の好ましい実施形態においては、電気透析は陽極側の水素イオン選択透過膜と陰極側のカチオン透過膜を用いて行なわれる。図2に示す製造方法において用いられる電気透析によれば、それを通してシアン化塩および場合によりシアン化水素反応性化合物の水溶液(図2で試料溶液1と称する)が通過する各々の膜セルは、陽極側の半透膜としての水素イオン選択透過膜Hおよび陰極側のイオン交換膜としてのカチオン透過膜Cを備えている。水溶液2は水素イオン選択透過膜Hの陽極側およびカチオン透過膜Cの陰極側に供給される。この手順においては、水溶液1の中のアルカリ金属イオンは陰極の方に移動し、カチオン透過膜Cを透過して水溶液2の中に移動する。実際上、水素イオンは水素イオン選択透過膜Hの陽極側の水溶液2から分離して、水素イオン選択透過膜Hを通して試料水溶液1へと移動する。この機構により、試料水溶液1の中のアルカリ金属イオンは水素イオンによって置換され、試料水溶液1の中のアルカリ金属イオンの数が減少する。
本出願において用いる「水素イオン選択透過膜」という用語は、水素イオンのみが透過して他のカチオンまたはアニオンは透過しない機能性膜を意味し、これは積層されたカチオン交換膜およびアニオン交換膜からなるハイブリッド膜である。電位勾配が膜に印加されると、水は分解されて水素イオンおよび水酸イオンが生成し、水素イオンおよび水酸イオンはそれぞれ陰極側および陽極側に向かって移動し、水溶液2の中で水酸イオンが水素イオンと反応して水を生成するか、水溶液を(より)アルカリ性にする。したがって、見掛け上、水素イオンのみが膜を透過することができる。市販の水素イオン選択透過膜の例としては、Selemion HSV(旭硝子社製)、Neosepta BP1E(トクヤマ社製)、およびFumasep FBM(FuMA−Tech社製)が挙げられる。
水溶液2は、溶液を通して電流が流れることが可能な程度に十分な電導度を有する酸性水溶液、アルカリ性水溶液または中性水溶液であってよい。水溶液2の電導度は1〜500mS/cmの間、好ましくは20〜400mS/cmの間、より好ましくは50〜300mS/cmの間が必要である。好ましい実施形態においては、水溶液2はシアン化塩からのアルカリ金属イオンの水酸化物溶液である。
連続またはバッチ操作の電気透析の間に水溶液2を置き換えてもよい。これは、プロセスの間に溶液2の中のイオン性成分の濃度が上昇し、そのため電導度が極めて高くなり、それによって電流効率の低下が起こることがあるためである。水溶液2は循環してもよく、リサイクルしてもよい。
水溶液2は酸、塩基または塩、好ましくは塩基を含んでもよく、一実施形態における酸、塩基または塩の水溶液の濃度は1〜20wt%の範囲である。
電極セルの中に循環すべき電極溶液3としては、それが必要な電流を十分に伝導し、また電極の劣化を起こさない限り、アルカリ、酸または中性溶液を用いることができる。一実施形態においては、溶液3は濃度が0.5〜10wt%の間、好ましくは1〜5wt%の間、最も好ましくは2〜5wt%の間の酸、塩基または塩の溶液であってよい。塩基性溶液を用いる場合には、電気透析のための水溶液2と同じ塩基が好ましく用いられる。電極溶液の濃度が高すぎる場合には、電極プレートがより早く腐食されることがある。一方、濃度が低すぎる場合には電気抵抗が高くなり、そのためエネルギー消費が過剰になることがある。
別の実施形態においては、電気透析は3区画構成で実施される。この場合、各々のユニットセルは水素イオン選択透過膜、カチオン透過膜、およびアニオン選択透過膜、ならびに3つの異なった流体区画からなっている。図3に示すような製造方法において用いられる電気透析によれば、それを通して場合によりシアン化水素反応性化合物(図3で試料溶液4と称する)と共に水溶液が通過する各々の膜セルは、陽極側の半透膜としての水素イオン選択透過膜Hおよび陰極側のイオン交換膜としてのアニオン透過膜Aを備えている。水溶液2は水素イオン選択透過膜Hの陽極側およびカチオン透過膜Cの陰極側に供給される。シアン化塩溶液5はカチオン選択透過膜Cの陽極側およびアニオン透過膜Aの陰極側に供給される。この手順においては、シアン化塩溶液5の中のアルカリ金属イオンは陰極の方に移動し、カチオン透過膜Cを透過して水溶液2の中に移動する。溶液5の中のシアン化イオンは陽極の方に移動し、アニオン透過膜Aを透過して試料溶液4の中に移動する。実際上、水素イオンは水素イオン選択透過膜Hの陽極側の水溶液2から分離して、水素イオン選択透過膜Hを通して試料溶液4へと移動する。この機構により、シアン化塩溶液5は、酸性の試料溶液4および塩基性のアルカリ金属イオン含有水溶液2の、2つの別々の流れに分離される。
全ての実施形態において、電気透析中に印加される電力は、好ましくは定電圧法または定電流法のいずれかによって制御される。電流密度が増大すると、必要な処理時間は減少する。しかし、電流密度が増大すると電圧を増大させる必要があり、そのため電力インプットが増大する。この結果、電気透析ユニット内のオーム抵抗によって溶液温度が上昇する。したがって、電圧および電流の両方の上限を、膜および出発原料または反応生成物の劣化を起こさない範囲内に溶液温度を保つように制御するのが好ましい。
電気透析操作は一般にセミバッチ系で実施され、この場合にはpHが所定の範囲内に維持されながらシアン化塩溶液がシアン化水素反応性成分に加えられ、各々の透析操作が完了した後で試料溶液が交換される。しかし、水溶液2を同時に交換する必要はなく、これを水溶液の新たな部分と置き換える際に次のバッチ操作に用いることができる。この操作によって、シアン化塩の水溶液の中のアルカリ金属イオンの濃度を効率的に低減することができる。電気透析は例えば供給および流出操作による連続操作で実施することもできる。これにはシアン化塩およびシアン化水素反応性化合物の連続添加ならびに反応混合物または反応混合物の一部の取り出しが含まれる。一方、本発明の方法によって酸性シアン化物溶液の中で同時にアルカリ金属イオンが取り出され、水素イオンが生成する。
バッチ処理においては、電気透析操作の完了はシアン化物溶液の投入が完了した時、および/または試料水溶液のpH値が所定の値に達した時に決定する必要がある。シアン化塩溶液を生成してそれからアルカリ金属イオンを除去するために電気透析を実施する場合には、アルカリ金属イオンの濃度が許容される下限に達する時またはそれまでに電気透析操作を完了させることが好ましい。これは、アルカリ金属イオンを完全に除去するために過剰の電気透析を行なうと電流効率が低下し、移動してシアン化塩溶液を汚染する酸イオンおよび塩基の量が増加するからである。
一実施形態においては、電気透析は陽極側の水素イオン選択透過膜および陰極側のアニオン透過膜を用いて実施される。図4に示す生産方法において用いられる電気透析によれば、それを通して場合によりシアン化水素反応性化合物を含む中性から酸性の水溶液(図4で試料溶液4と称する)が通過する各々の膜セルは、陽極側の半透膜としての水素イオン選択透過膜Hおよび陰極側のイオン交換膜としてのアニオン透過膜Aを備えている。シアン化塩水溶液5は水素イオン選択透過膜Hの陽極側およびアニオン透過膜Aの陰極側に供給される。この手順においては、試料溶液4の中でシアン化水素が生成する。実際上、水素イオンは水素イオン選択透過膜Hの陽極側のシアン化塩溶液5から分離して、水素イオン選択透過膜Hを通して試料溶液4へと移動する。この機構により、シアン化塩溶液5の塩基度は増大し、シアン化物含量は低下する一方、試料溶液4の中でシアン化水素が生成する。
(実施例)
実施例において用いた電気化学セルスタックは、図5によるいわゆる2区画バイポーラ膜電気透析構成であり、7枚の水素イオン選択透過膜H(Eurodiaから得たBP1−E型)、6枚のカチオン透過膜C(Eurodiaから得たCMB型)、2枚のカチオン透過膜P(Eurodiaから得たC66−10F型)、およびいずれもニッケル製の2個の電極(陽極および陰極)を含んでいた。陽極区画および陰極区画の両方において、単一の2リットルの容器から2つのポンプを用いて陽極区画および陰極区画を通して5wt%のNaOH溶液(図5で電極溶液3と称する)を循環させた。電極から発生する酸素および水素ガスは過剰の空気で希釈して容器から分離した。電極溶液の濃度は実施例の試験を通して一定とした。各々の水素イオン透過膜Hの陽極側において、当初は1リットルの容器から2wt%のNaOH溶液を循環させた(図5の水溶液2)。試験の間、アルカリ濃度は増加し、濃度が約8wt%(電導度の測定値約270mS/cmに基づく)に達した時、アルカリの一部を取り出し、新たな脱イオン水を加えて低濃度(約150mS/cm)で再開した。以下にさらに示すように、各々の水素イオン選択透過膜Hの陰極側において、シアン化水素反応性成分を含む溶液(図5の試料溶液1)を1リットルの反応容器から循環させた。
グリコロニトリルの調製
撹拌器、凝縮器、およびpH電極を備えた1リットルの反応容器に、クエン酸三ナトリウム30gおよびクエン酸10gを含む水900gを前もって仕込んだ。
この溶液を、遠心ポンプにより電気透析スタックを通して各々の水素イオン選択膜の陰極側に沿って循環させた(図5の試料溶液1)。170分の間、43.9wt%のホルムアルデヒド溶液476g(7モル)および28.7wt%のシアン化ナトリウム溶液1,189g(7モル)を同時に反応器の中に注入し、同時に電気透析スタックに印加する電流を調節することによって反応混合物の酸度をpH=4に保った。注入の最後に循環および電気透析スタックに印加する電流を5分間継続してpHを3とした。循環および電流を停止し、反応混合物を回収した。
反応混合物の1H−NMR分析により、主成分がグリコロニトリルであることが示された。
A−グルタミン酸N,N−ジニトリル(GLDN)の調製
1リットルの反応器に40wt%のグルタミン酸一ナトリウム(MSG)溶液842.5g(2モル)を仕込み、室温で43.3wt%のホルムアルデヒド溶液136.8g(2モル)を加えて混合した。次いで反応器の内容物を電気透析スタックに、各々の水素イオン選択膜の陰極側に沿って循環し(図5の試料溶液1)、電気透析スタックに電流を印加して酸度をpH=4に保った。同時に28.8wt%のシアン化ナトリウム溶液の一定注入を開始し、注入速度を180分で679.4g(NaCN4モル)としながら、電流を調節することによってpHを約4で一定に保った。シアン化物注入開始の約90分後、43.3wt%のホルムアルデヒド溶液を90分で136.8g(2モル)の速度で注入した。シアン化物/ホルムアルデヒドの注入の最後に電気透析方法を停止し、反応器および電気透析システムからの生成物を回収して、以下に述べるように鹸化した。
B−GLDNの鹸化によるグルタミン酸N,N−二酢酸四ナトリウム塩(GLDA−Na4)の調製
加熱浴、Dean−Stark装置、およびプロペラ型撹拌器を備えた1リットルのステンレススチール反応器に、25wt%NaOH溶液200g(1.25モル)を前もって仕込んだ。反応器の内容物を沸騰するまで加熱した。実施例2Aの生成混合物から回収したMSG1.3モルに対応する量のMSGを90分で加えた。同時に50wt%のNaOH溶液240g(3モル)の注入を開始した。アルカリの注入時間は60分であった。完全な反応の間、混合物を沸騰させた。沸点が110℃を超えた時、水をゆっくりと反応混合物に注入した。注入が完了した後、アンモニアを130分で留去した。反応器の内容物を室温に冷却して回収した。最初に仕込んだMSGの全収率84%が達成された。
1 試料溶液
2 水溶液
3 電極溶液
4 試料溶液
5 シアン化塩溶液
6 塩(XY)溶液
7 酸(HY)溶液
A アニオン透過膜
C カチオン選択透過膜
C1 陰極側のカチオン透過膜
C2 陽極側のカチオン透過膜
H 水素イオン選択透過膜
P カチオン透過膜
X カチオン
Y アニオン

Claims (3)

  1. シアン化物とシアン化水素反応性化合物との反応を含む方法であって、該シアン化物がシアン化塩であり、
    該方法が、シアン化塩が加えられた反応混合物を電気化学セルを通して輸送するステップを含む電気化学的方法であり、前記電気化学セルが、バイポーラ膜およびカチオン透過膜を含むバイポーラ膜電気透析セルであり、該方法において前記シアン化塩が前記シアン化水素反応性化合物と反応する一方、少なくとも部分的に電流の影響下で前記シアン化塩が酸性化され、前記カチオン透過膜を透過することによって塩のカチオン含量が減少し、
    前記シアン化水素反応性化合物がアミンおよびアルデヒドまたはケトンのイミン官能性縮合生成物であり、該生成物がアミノニトリルである、前記方法。
  2. 前記シアン化水素反応性化合物がアミノ酸およびアルデヒドまたはケトンのイミン官能性縮合生成物であり、該生成物がアミノ酸ニトリルである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ニトリルが、付加反応によりアミドになるか、あるいは、アミドを経由してカルボン酸またはカルボン酸塩に加水分解される追加のステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
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