JPH08244424A - タイヤ圧力モニタシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 省電力化が図られ、小容量の電池でも長時間
に渡ってのタイヤ圧の検出が可能な圧力モニタシステム
を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、自動車の運転席側に設けられ認識
符号を電波として放射する質問器、及び自動車の各車輪
に取付けられ前記質問器より送信された認識符号により
選択されて電池電源が与えられることによりそのタイヤ
の空気圧を検出する圧力センサの出力データを電波とし
て前記質問器側に送信する応答器を備え、選択されたタ
イヤの圧力データを前記質問器側に設けた表示器で表示
するように構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電波を利用して自動車
タイヤの空気圧をモニタするタイヤ圧力モニタシステム
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車のタイヤの空気圧（以下、タイヤ
圧力という）が規定値以上かどうかをモニタすること
は、安全上大切である。この種のタイヤ圧力モニタシス
テムの概念図を図５に示す。図において、１は自動車の
ボデイ、２，３は車輪、４は車輪３のタイヤ３ａの圧力
を検出すべくこの車輪のホイール３ｂに取り付けられた
圧力センサである。この圧力センサの電源として電池が
用いられており、この電池もホイール３ｂに取り付けら
れている。車輪２及び図では見えていない他の２個の車
輪にもそれぞれ電池を備えた圧力センサ４と同様のセン
サが設けられている。５は表示器で、運転席側に設けら
れている各タイヤの圧力はそれぞれその車輪に取り付け
られた圧力センサ４によって検出され、その検出値は無
線で表示器５に送信されてその値が表示される。６は例
えばホイール３ｂに巻き付けられた送信用アンテナ、７
は表示器５に設けた受信用アンテナをそれぞれ示すもの
である。

【０００３】このような構成のモニタシステムにおいて
は、圧力センサの電源として各車輪のホイールに取り付
けた電池が用いられるが、その電池を長時間を保たせる
には大きな容量のものを必要とする。しかし、そのよう
な大きな電池を走行する自動車の車輪に取り付けると、
ホイールのバランスがとれなくなり、危険である。電池
の消耗を避け、小容量の電池を長時間持たせる方法とし
て、車が回転したときのみ送信回路をオンにすることも
考えられるが、車が回転したことを検出する検出回路が
別途必要となり、更にこの方法ではアイドリング状態で
のタイヤ圧の検出が不可能という問題がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点を解決する為になされたもので、その目的は省電力
化が図られ、小容量の電池でも長時間に渡ってのタイヤ
圧の検出が可能で、かつ回転検出回路等が不必要なこの
種の圧力モニタシステムを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、自動車の運転
席側に設けられ認識符号を電波として放射する質問器、
及び自動車の各車輪に取付けられ前記質問器より送信さ
れた認識符号により選択されて電池電源が与えられるこ
とによりそのタイヤの空気圧を検出する圧力センサの出
力データを電波として前記質問器側に送信する応答器を
備え、選択されたタイヤの圧力データを前記質問器側に
設けた表示器で表示するように構成したものである。

【０００６】

【作用】このような本発明では、必要時のみ選択された
所望のタイヤの圧力が検出され、これにより電池の消耗
が防がれる。

【０００７】

【実施例】以下図面を用いて本発明を説明する。図１は
本発明に係わるシステムの一実施例を示す構成図であ
る。図において１０は変調部１０ａと復調部１０ｂより
なる質問器で、自動車の運転席側に設けられる。２０〜
５０はそれぞれ圧力センサを含む応答器で、応答器２０
は自動車の例えば右前輪、３０は左前輪、４０は右後
輪、又５０は左後輪のホイールにそれぞれ取付けられて
いる。質問器１０は各応答器２０〜５０との間で通信を
行う。

【０００８】質問器１０の変調部１０ａにおいて、１１
は応答器２０〜５０の内，通信したい応答器の認識符号
（ＩＤｃｏｄｅ），例えば右前輪は“Ａ”，左前輪は
“Ｂ”と言うように前後，左右の車輪を認識出来る符号
を発生する認識符号発生回路、１２は例えば４３０ＭＨ
ｚ帯特定小電力規格を満たしたキャリア信号を発振する
発振器である。運転席側に設けた質問器１０としては特
に省電力化は必要ないので、認識符号発生回路１１には
例えばマイクロプロセッサを使用し、このプロセッサの
シリアルＩ／Ｏを用いても、又シリアルＲＯＭに認識符
号を入力したものを用いるようにしてもよい。１３は認
識符号発生回路１１と発振器１２の出力が与えられ、認
識符号発生回路１１の出力信号に応じて発振器１２の出
力を変調する変調回路、１４は変調回路の出力を放射す
るアンテナである。変調回路１３としては、無線規格を
満足するならばＡＳＫ変調回路或いはＦＳＫ変調回路の
何れを用いてもよい。復調部１０ｂにおいて、１５は応
答器２０〜５０の内の通信したい応答器から放射された
電波を受信するアンテナ、１６はアンテナの受信信号が
与えられ、特定領域の周波数を通過させるバンドパス・
フイルタである。１７はこのフイルタの出力を増幅する
アンプ、１８はアンプ１７の出力を受け、アンテナ１５
で受信したデータを復調する復調回路、１９は復調回路
１８の出力データに基づく被測定のタイヤ圧力値を表示
する表示器である。このような各部からなる質問器１０
は前記したように、自動車の運転席側に設けられてお
り、その場合表示器１９は図５においては表示器５に相
当し、アンテナ１４及び１５は図５においてはアンテナ
７に相当する。

【０００９】応答器２０において、２１は前記質問器１
０のアンテナ１４より放射された認識符号に伴う電波を
受信するアンテナ、２２はバンドパス・フイルタ、２３
はバンドパス・フイルタ２２の出力を復調する復調回
路、２４は復調された認識符号と予め入力されていた認
識符号が一致しているか否かを判別する認識符号判別回
路である。２５はタイヤの圧力，即ちこの場合自動車の
右前輪のホイールに取り付けられ、この前輪のタイヤ圧
力を検出する公知の圧力センサ、２６は圧力センサ２５
の出力に応じて変調された微弱信号を出力する送信器で
ある。２７は認識符号判別回路２４で得られる認識符号
の一致信号でオンになり、電源２８を圧力センサ２５と
送信器２６に供給するスイッチ、２９は送信器の出力を
放射するアンテナで、このアンテと前記した受信用アン
テナ２１は実施例では右前輪のホイール部分に巻き付け
られている。電源２８には電池が用いられている。

【００１０】復調回路２３としては、質問器１０の変調
回路１３としてＦＳＫ変調回路を用いた場合には例えば
図２に示す如く周波数−電圧変換器２３ａとこの変換器
出力を増幅するアンプ２３ｂよりなるＦＳＫ復調回路
が、又ＡＳＫ変調回路を用いた場合には図３に示す如く
検波ダイオード２３ｃ及びアンプ２３ｄよりなるＡＳＫ
復調回路を用いることが考えられる。一方、認識符号判
別回路２４としては、例えば図４に示す如く復調回路２
３の出力がシリアルに加えられこれをパラレル変換して
出力するシフトレジスタ２４ａと、このレジスタの出力
と予め定められた認識符号とが入力されるＥＸ−ＯＲゲ
ート２４ｂ及びこのＥＸ−ＯＲの出力を入力とするＯＲ
ゲート２４ｃよりなる回路を用いることが考えられる。
このような構成の認識符号判別回路２４においては、シ
フトレジスタ２４ａのデータと認識符号とが一致した場
合、全てのＥＸ−ＯＲゲートは“Ｌ”になる。各ＥＸ−
ＯＲゲートの出力をＯＲゲート２４ｃでＯＲをとること
により、ＯＲゲート２４ｃの出力が“Ｈ”の場合はパタ
ーンミスマッチ、“Ｌ”の場合はパターンマッチとなる
ようになっている。

【００１１】応答器３０〜５０はそれぞれの認識符号判
別回路２４に予め入力されている認識符号が異なるだけ
で、他の構成は応答器２０と全く同じであるので、応答
器２０と同一の符号のみを付してそれらの再説明はは省
略する。

【００１２】前記のように、電源２８は電池が用いられ
ている。なお、この電池電源は応答器２０を構成する各
回路のうち，圧力センサ２５と送信器２６にはスイッチ
２７を介して必要に応じて供給されるが、応答器を構成
する他の回路，例えば復調回路２３或いは判別回路２４
等には常時加えられている。この場合、復調回路２３或
いは判別回路２４の消費電力は圧力センサ２５と送信器
２６に比較して極めて少なく、これら復調回路２３或い
は判別回路２４等に常時電力を供給していても省電力上
特に問題ないものである。

【００１３】このような構成の本発明に係わるシステム
の動作を以下に説明する。質問器１０の変調部１０ａに
おける変調回路１３は認識符号発生回路１１が出力する
アクセスの必要のある応答器の認識符号に応じて発信器
１２の発信出力を変調し、その変調出力は各アンテナ１
４を介して応答器２０〜５０に送信され、各応答器の受
信用アンテナ２１はその電波をそれぞれ受信する。応答
器２０〜５０の認識符号判別回路２４は受信用アンテナ
２１で受信した信号をバンドパス・フイルタ２２と復調
回路２３を介してそれぞれ復調された認識符号をこの認
識符号判別回路に予め入力されているそれぞれの認識符
号と一致しているか否かを判別し、一致した信号を検出
した応答器のみスイッチ２７をオンにして圧力センサ２
５及び送信器２６に電源２８を供給する。これにより、
圧力センサ２５は動作状態となってこの圧力センサが取
り付けられているタイヤの圧力を検出し、その出力は送
信機２６を介してアンテナ２９より電波として応答器１
０側に放射される。応答器１０における復調部１０ｂの
アンテナ１５はこれを受信し、その出力はバンドパス・
フイルタ１６，アンプ１７及び復調回路１８を介して表
示器１９に与えられ、表示器１９はアクセスした所望の
車輪のタイヤ圧力値を表示する。選択したいタイヤは、
質問器１０の変調部１０ａにおいて認識符号を変えるこ
とにより自由にアクセスすることができる。

【００１４】なお、上述した実施例においては、質問器
１０における発振器１２の出力として特定小電力規格を
満たすものとして説明したが、発振器１２の出力として
はこれに限定するものではなく、あらゆる電波規格に合
致した電波或いは微弱電波を使用するようにしてもよ
い。又、実施例では発振器１２の出力をこの発振器の外
部の変調回路１３で変調しているが、変調回路１３に内
蔵した発振器を用いるようにしてもよい。

【００１５】

【発明の効果】本発明によれば、認識符号が一致したと
きのみ、そのタイヤ圧力を検出するセンサを含む応答器
に電池電源を供給して動作させるように構成したので省
電力化が計られ、電源を電池としてもその電池は小容量
のものですむ。従って、小容量の電池でも長時間に渡っ
てのタイヤ圧の検出が可能である。更に、本発明によれ
ば駐車中でもモニタすることができるが、モニタが不用
な時には応答器の電源はオフになっている点、応答器の
出力信号は微弱電波を使用している点、更に複数の応答
器からの質問器で混信する事がなく再送も不必要な点等
の特徴があるが、これらの点でも省電力化が計られてい
る特徴がある。しかも、車輪の回転を検出する回転検出
回路等も不用で、全体として構成が簡略化されたタイヤ
圧力モニタシステムを実現することができる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示した構成図である。

【図２】図１のシステムに用いられる復調回路の一例の
回路図である。

【図３】図１のシステムに用いられる復調回路の一例の
回路図である。

【図４】図１のシステムに用いられる認識符号判別回路
の一例の回路図である。

【図５】タイヤ圧力モニタシステムの概念図である。

【符号の説明】 １０ 質問器 １１ 認識符号発生回路 １４，１５，２１，２９ アンテナ １９ 表示器 ２０〜５０ 応答器 ２４ 認識符号判別回路 ２５ 圧力センサ ２６ 送信器 ２７ スイッチ ２８ 電池電源

フロントページの続き (72)発明者 高井 潔 東京都武蔵野市中町２丁目９番32号 横河 電機株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車の運転席側に設けられ認識符号を電
   波として放射する質問器、及び自動車の各車輪に取付け
   られ前記質問器より送信された認識符号により選択され
   て電池電源が与えられることによりそのタイヤの空気圧
   を検出する圧力センサの出力データを電波として前記質
   問器側に送信する応答器を備え、選択されたタイヤの圧
   力データを前記質問器側に設けた表示器で表示するよう
   に構成してなるタイヤ圧力モニタシステム。