JPH08244372A - ペーパーレス感熱孔版印刷原紙用フィルム - Google Patents

ペーパーレス感熱孔版印刷原紙用フィルム

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JPH08244372A
JPH08244372A JP5557895A JP5557895A JPH08244372A JP H08244372 A JPH08244372 A JP H08244372A JP 5557895 A JP5557895 A JP 5557895A JP 5557895 A JP5557895 A JP 5557895A JP H08244372 A JPH08244372 A JP H08244372A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 穿孔感度および耐カール性に優れ、印刷時の
画像の解像度、濃度に優れたペーパーレス感熱孔版印刷
原紙用フィルムを提供する。 【構成】 融点が150〜240℃のポリエステル樹脂
からなる厚み1〜30μmの二軸延伸フィルムであっ
て、下記式(1)〜(4)を同時に満足することを特徴
とするペーパーレス感熱孔版印刷原紙用フィルム。 【数1】S≦10 ………(1) F≦150 ………(2) 10≦S×F≦1500 ………(3) 0.02≦Ra≦0.3 ………(4) [上記式中、Sは100℃で10分処理後のフィルムの
加熱収縮率(%)、Fは100℃で10秒処理後のフィ
ルムの加熱収縮応力(g/mm2 )、Raはフィルム表
面の中心線平均粗さ(μm)を表す]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペーパーレス感熱孔版
印刷原紙用ポリエステルフィルムに関する。さらに詳し
くは、本発明は、特定の融点および収縮特性を有するこ
とにより穿孔感度および耐カール性に優れ、印刷時の画
像の解像度、濃度に優れたペーパーレス感熱孔版印刷原
紙用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、感熱孔版印刷用原紙としては、ポリエステル等の熱
可塑性樹脂フィルムに多孔性薄葉紙をラミネートしたも
の、また実質的に熱可塑性フィルムのみからなる(ペー
パーレス)感熱孔版印刷原紙用フィルムが知られてお
り、かかる用途に用いられるフィルムには、以下のよう
な特性が要求される。
【0003】(1)フィルム製造時および原紙作成時の
取扱い性および生産性にも優れていること。具体的に
は、フィルム製造時には、延伸性が良好で、破断等のト
ラブルを起こさず、また巻取性、スリット性も良好で、
巻取時にシワが入ったり、巻きずれを起こしたりしない
ことが必要である。原紙作成時においても、フィルムの
巻出しや、工程内でのフィルム走行等でのトラブルが発
生しないことが必要である。
【0004】(2)多孔性薄葉紙とのラミネートおよび
印刷時の作業に十分耐え得る強度、弾性率を有するこ
と。また、かかるラミネート条件あるいは保存中の温湿
度変化によりカールが生じないこと。カールが大きくな
ると、取り扱いおよび孔版印刷機内で原紙の搬送性が不
良となり、原紙詰り等のトラブルが生じ大きな問題とな
る。
【0005】(3)熱穿孔感度が良いこと。すなわち、
少量の熱量で溶融し、かつ、印刷時の画像が鮮明になる
ような適度な大きさの穿孔が得られるよう充分な熱収縮
特性を有することが必要である。 (4)多数回製版時においても熱穿孔感度が低下しない
こと。すなわち離形層の界面活性剤やシリコンオイル、
フィルムの溶融カス等が感熱ヘッドの汚れとして付着し
ないことが必要である。
【0006】(5)熱穿孔の階調性が良いこと。原紙と
して使用する際、穿孔されるべき部分以外が周囲の穿孔
の影響で溶融してしまうと、印刷画像の階調性が劣るよ
うになり、好ましくない。すなわち、穿孔される部分と
穿孔されない部分とがはっきり区別できるような熱穿孔
特性を有することが望まれる。従来、かかる用途に用い
るフィルムとして、特開昭62−282983号公報、
特開昭63−160895号公報、特開昭63−312
192号公報、特開平3−30996号公報、また特開
平3−45720号公報、特開平6−320700号公
報等に種々提案されているが、上記課題を全て解決でき
るものでなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑み鋭意検討した結果、特定の収縮特性を有する特定の
ポリエステルからなる二軸配向フィルムが、ペーパーレ
ス感熱孔版印刷原紙用として好適であることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、融点が150
〜240℃のポリエステル樹脂からなる厚み1〜30μ
mの二軸延伸フィルムであって、下記式(1)〜(4)
を同時に満足することを特徴とするペーパーレス感熱孔
版印刷原紙用フィルム。
【0009】
【数2】S≦10 ………(1) F≦150 ………(2) 10≦S×F≦1500 ………(3) 0.02≦Ra≦0.3 ………(4) [上記式中、Sは100℃で10分処理後のフィルムの
加熱収縮率(%)、Fは100℃で10秒処理後のフィ
ルムの加熱収縮応力(g/mm2 )、Raはフィルム表
面の中心線平均粗さ(μm)を表す]
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
いうポリエステルの二官能性酸成分は芳香族ジカルボン
酸もしくはそのエステル形成性誘導体を主とするもので
あり、具体的にはテレフタル酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、そのエステル形成誘導体としては、テレフ
タル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメ
チルなどが挙げられ、これらの中でもテレフタル酸、テ
レフタル酸ジメチルが好ましい。またグリコール成分と
しては、エチレングリコール、ブチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4
−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられ、これら
の中でもエチレングリコール、ブチレングリコールが好
ましい。
【0011】本発明で用いるポリエステルは、上記の芳
香族ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体
と、上記のアルキレングリコールとを出発原料とするポ
リエステルでもよいが、2種以上の成分を含む共重体で
あることが好ましい。共重合する成分として上記のほか
に、例えばジエチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分、
アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸など
のジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸
などが挙げられる。
【0012】本発明のポリエステルフィルムの融点は、
150〜240℃、好ましくは160〜230℃の範囲
である。融点が240℃より高い場合には、本発明の目
的とする高度な穿孔感度が得られなくなり、150℃未
満では、フィルムの耐熱寸法安定性が悪化して原紙を製
造する工程や、原紙の保存中にカールが発生したり、印
刷画像の階調性が劣るようになるので好ましくない。
【0013】本発明のフィルムの厚みは1〜30μm、
好ましくは3〜20μmである。さらに好ましくは5〜
15μmである。フィルム厚みが薄くなれば熱伝導距離
が短縮され、穿孔時に必要な熱エネルギーも減少するた
め穿孔性が向上し、印刷時の解像度や印字品位性が向上
するが、厚みが1μm未満では、フィルムの剛性が低下
し、孔版用原紙とした際の搬送性が悪化するようになる
ので好ましくない。また厚みが30μmを超えると穿孔
性が悪化するため、印刷時にむらが生じるようになるた
め好ましくない。
【0014】本発明のフィルムは100℃で10分間処
理後の加熱収縮率(S)が10%以下、好ましくは8%
以下でである。Sが10%を超えると、孔版用原紙と
し、サーマルヘッドを用いドット状の穿孔を形成する際
に穿孔むらが生じやすくなるため好ましくない。本発明
のフィルムは100℃で10秒間処理後のフィルムの加
熱収縮応力(F)は150g/mm2 以下、好ましくは
100g/mm2 以下である。Fが150g/mm2
超えると、サーマルヘッドを用いドット状の穿孔を形成
する際に穿孔むらが生じ、太さむら、濃淡むらあるいは
寸法変化が生じるので好ましくない。
【0015】本発明の最大の特徴である、低熱源で良好
な穿孔を与え、さらに良好な耐カール性を有するペーパ
ーレス感熱原紙用フィルムを得るには、前述のフィルム
特性とともに収縮特性(加熱収縮率と加熱収縮応力)の
バランスが重要である。すなわち、収縮特性のバランス
の尺度である、加熱収縮率と加熱収縮応力の積(S×
F)は10〜1500である。S×F値が10未満で
は、穿孔時に穴が広がる力が不足して、印刷時に鮮明な
画像が得られるほどの十分な大きさを有する穿孔が得ら
れなくなるため好ましくない。またS×F値が1500
を超えると、保存中の温湿度変化によりカールが生じ、
取り扱い性および孔版印刷機内で原紙の搬送性が不良と
なり、原紙詰り等のトラブルが生じたり、サーマルヘッ
ドによる穿孔時に太さむら、濃淡むらあるいは寸法変化
が生じるので好ましくない。
【0016】また、常温カール径および50℃カール径
は通常18mm以上、好ましくは20mm以上である。
常温カール径および50℃カール径が18mm未満で
は、孔版印刷機内で原紙の搬送性が不良となり、原紙詰
り等のトラブルが生じる傾向がある。さらに常温カール
径と50℃カール径との比は1.0〜2.0、好ましく
は1.0〜1.7である。この値が2.0を超えると、
ラミネート条件あるいは保存中の温湿度変化によりカー
ルが生じやすくなる傾向がある。
【0017】本発明のフィルムは、フィルム製造時の巻
上げ工程および印刷時の作業性を向上させるため、ある
いは、熱穿孔時のサーマルヘッドとフィルムとの融着を
防止するため、表面を粗面化してフィルムに適度な滑り
性が付与させることが好ましく、そのためには微細な不
活性粒子を添加すればよい。かかる目的で用いる微細な
不活性粒子としては、平均粒径が通常0.05〜3.0
μm、粒度分布値(r)が通常1.5以下、好ましくは
平均粒径が0.1〜2.0μm、粒度分布値(r)が
1.4以下のものが挙げられる。平均粒径が0.05μ
m未満では、巻き特性が劣る傾向がある。また平均粒径
が3.0μmを超えたり、粒度分布値(r)が1.5を
超える場合は、フィルム表面の平面性が損なわれて熱伝
達にムラが生じ、穿孔が不均一となり、解像度が劣った
り、印字品位性を損なったりする恐れがある。
【0018】さらに粒子の添加量は通常0.05〜3重
量%、好ましくは0.1〜2重量%である。粒子の添加
量が0.05重量%未満では、巻き特性が劣る傾向があ
る。また粒子の添加量が3重量%を超えると、フィルム
表面の粗面化の度合いが大き過ぎて熱伝達にムラが生
じ、穿孔が不均一となり、解像度が劣ったり、印字品位
性を損なったりする恐れがある。
【0019】本発明で用いることのできる不活性粒子の
例としては、酸化ケイ素、酸化チタン、ゼオライト、窒
化ケイ素、窒化ホウ素、セライト、アルミナ、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、リン酸リチウ
ム、リン酸マグネシム、フッ化リチウム、酸化アルミニ
ウム、酸化ケイ素、酸化チタン、カオリン、タルク、カ
ーボンブラック、窒化ケイ素、窒化ホウ素および特公昭
59−5216号公報に記載されたような架橋高分子微
粉体を挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではない。この際、配合する不活性粒子は単成分でもよ
く、また2成分以上を同時に用いてもよい。
【0020】本発明においてポリエステルに不活性粒子
を配合する方法としては、特に限定されないが、例えば
不活性粒子をポリエステルの重合工程に添加する方法、
またはフィルム化前に溶融混練りする方法が好ましく用
いられる。本発明においては、上記したような方法によ
り表面を適度に粗面化したフィルムを得ることができる
が、作業性や印刷時の解像度、印字品位性をさらに高度
に満足させるために、フィルム表面の中心線平均粗さ
(Ra)を0.02〜0.3μm、好ましくは0.05
〜0.2μmの範囲となるよう適宜、条件を選択する必
要がある。次に本発明のポリエステルフィルムの製造方
法について説明する。
【0021】本発明においては、ポリマーをエクストル
ーダーに代表される周知の溶融押出装置に供給し、当該
ポリマーの融点以上の温度に加熱し溶融する。次いで、
溶融したポリマーをスリット状のダイから押し出し、回
転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるよう
に急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得
る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シー
トと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、本
発明においては静電印加密着法および/または液体塗布
密着法が好ましく採用される。
【0022】ここで言う静電印加密着法とは、通常、シ
ートの上面側にシートの流れと直交する方向に線状電極
を張り、該電極に約5〜10kVの直流電圧を印加する
ことによりシートに静電荷を与え、ドラムとの密着性を
向上させる方法である。また、液体塗布密着法とは、回
転冷却ドラム表面の全体または一部(例えばシート両端
部と接触する部分のみ)に液体を均一に塗布することに
より、ドラムとシートとの密着性を向上させる方法であ
る。本発明においては、必要に応じ両者を併用してもよ
い。
【0023】本発明においてはこのようにして得られた
シートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件
について具体的に述べると、前記未延伸シートを好まし
くは縦方向に20〜100℃で2〜4倍に延伸し、次い
で横方向に2〜4倍延伸を行い、二軸に配向したフィル
ムを得る。さらに好ましくは未延伸シートをまず20〜
80℃で2〜3倍、さらに40〜100℃で1.1〜
1.5倍延伸する。次いで横方向に50〜100℃で2
〜4倍延伸を行い、2軸に配向したフィルムを得る。ま
た、前記未延伸シートを面積倍率が2〜16倍になるよ
うに同時二軸延伸することも可能である。
【0024】かくして得られたフィルムを熱処理しても
よく、また必要に応じ熱処理を行う前または後に再度縦
および/または横方向に延伸してもよい。本発明におい
ては、上記した熱収縮特性を有するフィルムを得るため
に、延伸倍率を面積倍率として2倍以上、延伸後の熱処
理を実質的に行わないか、行ったとしても150℃以
下、さらには120℃以下とし、熱処理時間は1秒〜5
分間でフィルムを30%以内の伸長または定長下で行う
ことが好ましい。
【0025】本発明においては、必要に応じポリエステ
ルフィルムの片面あるいは両面に脂肪族金属塩、リン酸
熱エステル系界面活性剤、シリコーンオイル等の流動性
潤滑剤、フッ素化合物等の融着防止層を施しても良い。
また、孔版印刷用原紙を製造する際の乾燥工程および夏
場を経る長期保存中にフィルムの収縮に起因すると考え
られるカールが発生することがある。したがって、得ら
れたフィルムを40〜70℃で5時間から5日間、好ま
しくは50〜60℃で12時間〜3日間エージング処理
すると当該環境下での耐カール性が良好となる。なお、
本発明においては、製膜に供するポリエステル全量に対
し、10重量%程度以下の他のポリマー(例えばポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホ
ン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリイミ
ド等)を含有させることができる。また、必要に応じ、
酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯電防止剤、染料、顔
料等の添加剤を配合してもよい。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用い
た物性測定法を以下に示す。 (1)融点 セイコー電子工業(株)製差動熱量計SSC580DS
C20型を用いて測定した。DSC測定条件は以下のと
おりである。すなわち、試料フィルム10mgをDSC
装置にセットし、10℃/分の速度で昇温し、0℃〜3
00℃の範囲で測定し、融点を融解吸熱ピークの頂点と
して測定した。 (2)加熱熱収縮率(S) 試料を無張力状態で100℃に保ったオーブン中、10
分間熱処理し、その前後の試料の長さを測定して次式に
て熱収縮率を算出した。
【0027】
【数3】S(%)={(L0 −L1 )/L0 }×100 (上記式中、L0 は熱処理前のサンプル長、L1 は熱処
理後のサンプル長) フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求
めた。
【0028】(3)加熱収縮応力(F) フィルムを幅10mmの短冊状に切り出し、一端を荷重
検出器のチャックに、もう一方を固定チャックにセット
し、チャック間は50mmとした。初期荷重をかけない
状態で、フィルムを100℃のオイルバス中に浸漬し、
浸漬開始から10秒後の応力値を測定した。浸漬前のフ
ィルム断面積から加熱収縮応力(g/mm2 )を算出し
た。
【0029】(4)微粒子の平均粒径 (株)島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−
CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法に
よって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒
子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値
を用いて平均粒径とした。
【0030】(5)中心線平均粗さ(Ra) 日本工業規格JIS B0601に記載されている方法
に従い、(株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3
F)を用いて、中心線平均粗さ(Ra)を求めた。な
お、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カ
ットオフ値は0.08mmとした。
【0031】(6)常温カール ポリエステルフィルムに熱融防止層を施した孔版印刷用
原紙をB4サイズに切り、これをフラットな台上にフィ
ルム面を上に置き25℃で24時間後のカール径を測定
した。 (7)50℃カール 常温カール測定時と同様の方法でフラットな台上にフィ
ルム面を上に置き50℃で湿度90%の恒温恒湿中で1
週間処理した後のカール径を測定した。
【0032】(8)感熱孔版印刷原紙実用特性 上記方法にて作成した孔版印刷用原紙をサーマルヘッド
により、印加エネルギー0.09mJ()および0.
12mJ()にて文字画像および16段階の階調画像
を製版した。製版された原紙のフィルム側から顕微鏡で
階調画像部の穿孔状態を観察し、以下の基準で評価し
た。 ◎:所定の穿孔が確実に行われ、穿孔の大きさも十分で
あり非常に良好 ○:所定の穿孔がほぼ確実に行われ、穿孔の大きさも十
分であり良好 △:稀に所定の穿孔が得られない部分や穿孔の大きさが
不十分な部分がある ×:所定の穿孔が得られない部分が数多くあり、穿孔の
大きさも不十分であり、実用上支障がある。
【0033】実施例1 テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコー
ル30重量部、1,4−ブタンジオール28重量部、テ
トラブチルチタネート0.005重量部を反応機にと
り、反応開始温度を160℃とし、メタノールの留去と
ともに反応温度を徐々に上昇させ、3時間後に210℃
とした。4時間後、実質的にエステル交換反応が終了し
たこの反応混合物に、平均粒径が0.75μmの架橋有
機粒子を0.3重量部を含有するエチレングリコールス
ラリー5重量部を添加し、テトラブチルチタネート0.
005重量部を加えて、4時間重縮合反応を行った。す
なわち、温度を210℃から徐々に昇温し260℃とし
た。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.
3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反
応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ共重合ポリ
エステルを得た。
【0034】得られたポリエステルを、265℃に設定
した押出機よりシート状に押出し、表面温度を30℃に
設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用して急
冷固化させ、厚み36μmの実質的に非晶質のシートを
得た。得られたシートを縦方向に65℃で2.7倍、横
方向に70℃で2.7倍に延伸し、さらに80℃で6秒
間熱処理を施し、厚み5μmの二軸配向フィルムを製造
した。次いで、得られたフィルムに熱融着防止層として
シリコーン系エマルジョン(KM768 信越化学工業
製)をワイヤーバーで塗布して孔版印刷用原紙を作成
し、評価を行った。
【0035】実施例2 実施例1において、テレフタル酸ジメチル100重量部
の替わりにテレフタル酸ジメチル95重量部、イソフタ
ル酸ジメチル5重量部を用いたほかは実施例1と同様の
方法で孔版印刷用原紙を作成し、評価を行った。
【0036】実施例3 実施例1において、厚み40μmの実質的に非晶質のシ
ートを得、当該シートを縦方向に65℃で3.0倍、横
方向に70℃で3.0倍に延伸し、さらに80℃で6秒
間熱処理を施し、厚み5μmの二軸配向フィルムを製造
した以外は実施例1と同様の方法で孔版印刷用原紙を作
成し、評価を行った。
【0037】比較例1 テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコー
ル60部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウ
ム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温
度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反
応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間
後、実質的にエステル交換反応の終了したこの反応混合
物に、平均粒径が0.75μmの架橋有機粒子を0.3
重量部を含有するエチレングリコールスラリー5重量部
を添加し、エチルアシッドフォスフェート0.04部、
三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反
応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温
し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、
最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間
を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出
させ、ポリエステルを製造した。
【0038】上記ポリエステルを280℃に設定した押
出機よりシート状に押出し、表面温度を30℃に設定し
た回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用して急冷固化
させ、厚み36μmの実質的に非晶質のシートを得た。
得られたシートを縦方向に78℃で2.7倍、横方向に
90℃で2.7倍に延伸し、さらに230℃で6秒間熱
処理を施し、厚み5μmの二軸配向フィルムを製造し
た。次いで、得られたフィルムに熱融着防止層としてシ
リコーン系エマルジョン(KM768 信越化学工業
製)をワイヤーバーで塗布して孔版印刷用原紙を作成
し、評価を行った。
【0039】比較例2 実施例1において、厚み6μmの実質的に非晶質のシー
トを得、当該シートを縦方向に65℃で2.7倍、横方
向に70℃で2.7倍に延伸し、さらに80℃で6秒間
熱処理を施し、厚み0.8μmの二軸配向フィルムを製
造した以外は実施例1と同様の方法で孔版印刷用原紙を
作成し、評価を行った。
【0040】比較例3 実施例1において、厚み290μmの実質的に非晶質の
シートを得、当該シートを縦方向に65℃で2.7倍、
横方向に70℃で2.7倍に延伸し、さらに80℃で6
秒間熱処理を施し、厚み40μmの二軸配向フィルムを
製造した以外は実施例1と同様の方法で孔版印刷用原紙
を作成し、評価を行った。
【0041】比較例4 実施例1において、厚み36μmの実質的に非晶質のシ
ートを得、当該シートを縦方向に75℃で2.7倍、横
方向に80℃で2.7倍に延伸し、さらに85℃で6秒
間熱処理を施し、厚み5μmの二軸配向フィルムを製造
した以外は実施例1と同様の方法で孔版印刷用原紙を作
成し、評価を行った。
【0042】比較例5 実施例1において、厚み61μmの実質的に非晶質のシ
ートを得、当該シートを縦方向に65℃で3.5倍、横
方向に80℃で3.5倍に延伸し、さらに85℃で6秒
間熱処理を施し、厚み5μmの二軸配向フィルムを製造
した以外は実施例1と同様の方法で孔版印刷用原紙を作
成し、評価を行った。
【0043】比較例6 実施例1において、厚み68μmの実質的に非晶質のシ
ートを得、当該シートを縦方向に65℃で3.7倍、横
方向に80℃で3.7倍に延伸し、さらに80℃で6秒
間熱処理を施し、厚み5μmの二軸配向フィルムを製造
した以外は実施例1と同様の方法で孔版印刷用原紙を作
成し、評価を行った。
【0044】比較例7 実施例1において、エステル交換反応終了後の反応混合
物に平均粒径が0.35μmの架橋有機粒子を0.3重
量部を含有するエチレングリコールスラリー5重量部を
添加した以外は実施例1と同様の方法で孔版印刷用原紙
を作成し、評価を行った。
【0045】比較例8 実施例1おいて、エステル交換反応終了後の反応混合物
に平均粒径が2.1μmの炭酸カルシウム粒子を1.0
重量部を含有するエチレングリコールスラリー10重量
部を添加した以外は実施例1と同様の方法で孔版印刷用
原紙を作成し、評価を行った。以上、得られたフィルム
の物性および原紙評価結果をまとめて下記表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、穿孔感度および耐カー
ル性に優れ、印刷時の画像の解像度、濃度に優れたペー
パーレス感熱孔版印刷原紙用フィルムが提供でき、本発
明の工業的価値は高い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が150〜240℃のポリエステル
    樹脂からなる厚み1〜30μmの二軸延伸フィルムであ
    って、下記式(1)〜(4)を同時に満足することを特
    徴とするペーパーレス感熱孔版印刷原紙用フィルム。 【数1】S≦10 ………(1) F≦150 ………(2) 10≦S×F≦1500 ………(3) 0.02≦Ra≦0.3 ………(4) [上記式中、Sは100℃で10分処理後のフィルムの
    加熱収縮率(%)、Fは100℃で10秒処理後のフィ
    ルムの加熱収縮応力(g/mm2 )、Raはフィルム表
    面の中心線平均粗さ(μm)を表す]
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007069432A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Mitsubishi Polyester Film Copp 多孔性薄葉支持体を有しない感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム
JP2008207442A (ja) * 2007-02-26 2008-09-11 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ペーパーレス感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム

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