JPH08243378A - マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

マイクロカプセルの製造方法

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JPH08243378A
JPH08243378A JP29842395A JP29842395A JPH08243378A JP H08243378 A JPH08243378 A JP H08243378A JP 29842395 A JP29842395 A JP 29842395A JP 29842395 A JP29842395 A JP 29842395A JP H08243378 A JPH08243378 A JP H08243378A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 酵母を酵素処理することによりその菌体
内成分を菌体外に放出させた後、該酵母菌体を酸性水溶
液で処理し、次いでこの酵母菌体内にカプセル化すべき
物質を内包させることを特徴とする、マイクロカプセル
の製造方法。 【効果】 従来困難とされていたトリグリセリド、脂肪
酸エステル類、および脂溶性ビタミン類のカプセル化を
容易に実現できた。従来のカプセル化法と比較して、よ
り高い比率でより多量の親水性物質を酵母菌体中へ内包
させることが可能になった。本発明の方法により製造さ
れた親水性成分の酵母カプセルは保持力および安定性も
良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマイクロカプセルの
製造方法に関し、さらに詳細には、酵母菌体内にカプセ
ル化すべき物質を内包してなるマイクロカプセルの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロカプセルは、液体、固体、気体
を内包し、そのまわりを薄い皮膜で均一に覆った1μm
〜数百μmまでの大きさの微粒子であり、現在、無色及
び有色染料、医薬品、農薬、香料、飼料素材及び食品素
材等を内包させたマイクロカプセルが工業的に製品化さ
れている。マイクロカプセルは、ある特性をもった物質
の外側に薄膜を形成させることでその特性も同時に封じ
込めてしまうことが可能で、必要時に内包された物質を
取り出すことができるものである。マイクロカプセルの
製造方法としては、コアセルベーション法、界面重合
法、in situ 法等が有力な方法として知られている。
【0003】一方、これらとは全くその製法を異にす
る、微生物を利用したマイクロカプセルがこれまでに幾
つか提唱されている。微生物マイクロカプセルは、微生
物の細胞壁を膜材として利用するため、内包すべき物質
を既に出来上がっている膜材に包括させることにより得
られる。製造方法としては、具体的には次のものが挙げ
られる。
【0004】米国特許第4001480号明細書におい
ては、真菌類を低窒素高炭素の培地組成で培養し、その
脂質含有量を40〜60wt%まで高め、その脂質に可
溶性の物質をカプセル化する方法が紹介されている。本
方法によれば、カプセル化はカプセル化すべき物質が真
菌類と接触することにより細胞内に取り込まれ、細胞内
に形成された脂肪球中に不動的に保持される。
【0005】また、特開昭58−107189号公報
は、成長微生物の脂質含量の増量方法として、培地から
回収した脂質含量10wt%以上の成長微生物(例えば
油脂形成性酵母菌、麦酒酵母菌など)に脂質増量用有機
物質(例えば脂肪族アルコール類、エステル類、芳香族
炭化水素類、水添芳香族炭化水素類)から選択される液
体を包含せしめた後、これら脂質増量用有機物質に可溶
な芯物質となるべき液体をカプセル化してなる微生物カ
プセルを開示している。
【0006】さらに特開昭61−88871号公報で
は、脂質含量10wt%未満の真菌類に疎水性物質もし
くは親水性物質を内包させ、必要時に圧力を加えること
で破壊し中身を取り出すことを特徴とする微生物カプセ
ルを挙げている。
【0007】一方最近、簡便で優れた方法として、予め
菌体内成分を溶出させた酵母の細胞壁をマイクロカプセ
ルの基材として用いる方法が開示されている(特開平4
−4033、特開平4−63127、特開平4−117
245、特開平5−95791、特開平5−13801
0、および特開平5−253464)。しかし、これら
の方法によっても、酵母の細胞壁内に芯物質である疎水
性液体を高密度に含有させるためにはカプセル化の目標
物質でない乳化剤等の併用が必要となり芯物質以外の成
分がカプセル化されることを避けることができなかった
(特開平4−4033、特開平4−63127、特開平
4−117245、および特開平5−138010)。
また必ずしも乳化剤等のカプセル化補助剤を必要とし
ない方法として、酵母の細胞壁をアルカリ液で処理する
方法(特開平4−63127)、またはカプセル時のp
Hを中性域に調整した後に内包せしめる疎水性液体と酵
母の細胞壁を混合し、カプセル化処理する方法(特開平
5−253464)が開示されているが、マイクロカプ
セルにおける脂肪酸の含有量は60%程度に留まってい
た。また、脂肪酸と比較して、トリグリセリドは食品添
加物としてより利用しやすいが、上記の全ての方法で
は、外因性のトリグリセリドが3%程度しかカプセル化
されないなど食品に応用する場合に非常に大きな問題点
があり、改善しなければならない点が多かった。
【0008】油脂を含む疎水性液体は栄養学的機能を有
するものも多く、それらは一般的に動物や植物から得ら
れるが、最近では微生物からも製造されるようになって
きた。これら疎水性液体の一部は食品素材および飼料素
材として有効に利用されているが、熱、光、酸化剤等に
より変質し易いものも多く、また液状のものであれば非
常に扱いにくいといった欠点を有している。有用な疎水
性液体を従来法より、より高密度にカプセル化できれ
ば、これら欠点を改善でき、更に高度な用途への応用が
可能になるものと期待されている。
【0009】食品および飼料へ応用することを前提とし
て疎水性液体をマイクロカプセル化するにあたっては、
次の3点を十分考慮して製造工程を選択すべきである。
まず第一に、食品ないしは飼料として摂取されても、そ
の安全性について何ら懸念すべきことのない皮膜材およ
びカプセル化助剤が使用されること;第二に、油脂成分
の多くは熱変成を受け易い特性を有するため、過度に高
温、長時間の条件を要するカプセル化工程は避けるこ
と;第三に、できればカプセル化助剤を必要とすること
なく、芯物質である疎水性液体をできるだけ高密度に含
有するカプセルが調製できること等である。しかし、現
在のところ、上記の3条件を十分に満たすようなマイク
ロカプセルの製造方法は確立されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
記の従来技術の欠点を有しないマイクロカプセルの製造
方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、前
記課題を解決すべく種々検討を試みたところ、酵母を酵
素処理することによりその菌体内成分を菌体外に放出さ
せた後、該酵母菌体を酸性水溶液で処理し、次いでこの
酵母菌体内にカプセル化すべき物質を内包させることに
より、より多量の疎水性物質を含有するマイクロカプセ
ルのみならず、親水性物質を含有するマイクロカプセル
をも製造することができることを見い出し、本発明を完
成させるに至った。すなわち、本発明は、酵母を酵素処
理することによりその菌体内成分を菌体外に放出させた
後、該酵母菌体を酸性水溶液で処理し、次いでこの酵母
菌体内にカプセル化すべき物質を内包させることを特徴
とする、マイクロカプセルの製造方法を提供するもので
ある。
【0012】特定の理論に拘泥するわけではないが、本
発明のマイクロカプセルの製造方法においては、酵素処
理のみのものと比べて、酸処理することで、酵母細胞壁
表面の電荷(負に帯電している)が減少し、電気的な反
発が軽減され、カプセル化すべき物質をより取り込ませ
易くなると考えられている。
【0013】本発明によるマイクロカプセルの製造方法
は、基本的に次の工程からなるものである。 酵母を酵素処理することにより、菌体内成分を菌体外
に放出させる工程 菌体内成分を放出させた酵母を酸性水溶液で処理する
工程 カプセル化工程 この他必要に応じ、酵母の洗浄、脱水、pH・温度・圧
力の調整、乾燥工程等を組み入れることも可能である。
以下、本発明を上記の工程に則して詳細に説明する。
【0014】酵母とは、出芽もしくは***により増殖す
る微生物の総称であり、本発明においてはいかなる酵母
を用いてもよい。麦酒酵母菌、パン酵母菌、トルラ酵母
菌等を使用することができ、具体的には、例えば、サッ
カロマイセス属のサッカロマイセス・セレビッシェ(Sac
charomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・ルーキシ
(Saccharomyces rouxii)、サッカロマイセス・カールス
バーゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、およ
び、キャンディダ属のキャンディダ・ウティリス(Candi
da utilis)、キャンディダ・トロピカリス(Candida tro
picalis)、キャンディダ・リポリティカ(Candida lipol
ytica)、キャンディダ・フレーベリ(Candida flaveri)
等が使用することができる。これらは、単独であるいは
組み合わせて使用することができる。酵母の形状は種類
によって種々の形があるが、なるべく球形に近い形態の
ものが好ましい。また、粒径は1〜20μmの範囲が好
ましい。本発明で使用されるこれらの酵母菌は、生のま
までも、乾燥した状態でもよく、さらに増殖力のない死
滅した菌であってもよい。
【0015】本発明で用いられるこれらの酵母には、水
もしくは極性溶剤に可溶性の酵素およびタンパク質、ア
ミノ酸成分、糖質分、核酸成分等の菌体内成分が存在し
ており、これらの成分は酵母菌体内へのカプセル化すべ
き物質の内包を阻害しうる。従って、カプセル化すべき
物質をより大量に酵母菌体内に内包させるためには、予
め酵素処理法により、これらの菌体内成分を菌体外に放
出させた後の酵母菌残渣を用いることが必要である。こ
の酵素処理法としては、任意の公知の方法を用いること
ができ、その例としては、Babayan, T.L. and Bezruko
v, M.G., 1Acta Biotechnol.0,5, 129-136 (1985)
に記載の自己消化酵素を活用するのが最も経済的であ
る。それ以外にも、プロテアーゼによる処理、あるい
は、ヌクレアーゼ、β−グルカナーゼ、エステラーゼお
よびリパーゼからなる群より選択される少なくとも一種
の酵素をプロテアーゼと組合せた処理を行ってもよい。
プロテアーゼの例としては、アルカラーゼ、ニュートラ
ーゼ(ノボ社)、プロテアーゼA、M、N等、パパイ
ン、ニューラーゼF(アマノ社)などを挙げることがで
きる。具体的には、自己消化酵素を有する酵母菌体の水
分散液あるいは上記のような酵素を添加した酵母菌体の
水分散液を30〜60℃で、1〜48時間、好ましく
は、40〜50℃で15〜24時間インキュベーション
することにより酵母菌体を酵素処理することができる。
酵素で処理した酵母菌体の水分散液を遠心分離等によ
り、上清と酵母菌残渣に分離し、この酵母菌残渣を用い
て以下の処理を行うとよい。
【0016】酵素処理を速やかに行う目的で、酵母の酵
素処理の前に、高圧ホモジナイザー等により前処理を行
ってもよい。具体的には、高圧ホモジナイザーを用いて
100〜600kg/cm2の圧力下で予備分散させ、次いで
800〜2000kg/cm2の圧力下で分散することによ
り、前処理を行うことができる。
【0017】次いで、酵素処理した酵母菌体を酸性水溶
液で処理する。この処理により、酵母菌表面の負の電荷
が低減し、酵母菌体へのカプセル化すべき物質の浸透性
が増加する。具体的には、酵素処理後の酵母菌残渣を酸
性水溶液に懸濁し、所望により、適当な酸濃度に調整し
た後、この懸濁液に所定時間、加熱および撹拌を施すと
よい。本発明の方法に用いられる酸性水溶液としては、
塩酸、燐酸、硫酸、乳酸、クエン酸、酢酸、アスコルビ
ン酸等からなる群から選ばれた少なくとも1つの酸の水
溶液を用いることができるが、特に限定はされない。酸
性水溶液のpHは2.0以下が適当であり、0〜1が好
ましく、0〜0.5がより好ましい。また、酵母菌残渣
は、酸性水溶液に固形分濃度1〜10%、好ましくは2
〜5%となるように懸濁させるとよい。この懸濁液の加
熱温度および時間は系のpHやイオン強度に依存して設
定されることが好ましいが、例えば、pHが0〜0.5
の酸性水溶液により処理される場合には、50℃以上1
00℃以下、好ましくは85℃以上100℃以下の温度
で、5分以上1時間以下、好ましくは10分以上30分
以下加熱するとよい。この際、pHが0〜0.5の酸性
水溶液により1時間以上という長時間の加熱処理を行っ
たりpHが0以下という過度な酸性水溶液での処理を行
えば、酵母の細胞壁の強度がそれに応じて低下し、酸処
理した酵母の収率の低下を招く場合がある。上記のよう
な酸性水溶液による処理に際しては、必要に応じて各種
有機溶剤、分散剤、防腐剤を添加することも可能であ
る。有機溶剤としては、メタノール、エタノール等の各
種アルコール、アセトン、ヘキサン等を、分散剤として
は、ショ糖エステル、グリセリンエステル等を、防腐剤
としては、安息香酸、ソルビン酸、サリチル酸等を単独
で、または併用して使用することができる。
【0018】上記のように酸性水溶液で処理した酵母菌
体の懸濁液を遠心分離等により、上清と酵母菌残渣に分
離し、この酵母菌残渣を用いて以下の処理を行うとよ
い。上記のような酵素処理および酸性水溶液による処理
を施して得られる酵母菌体の細胞壁は、グルカン、マン
ナン、キチン層から構成される物理的、化学的に比較的
丈夫な皮膜であり、これはマイクロカプセルとして具備
すべき内包物質の保護機能を損なうこと無く、より多量
のカプセル化すべき物質を内包することができる。上記
のようにして処理した酵母菌体内にカプセル化すべき物
質を内包させることにより、マイクロカプセルを製造す
る。
【0019】カプセル化すべき物質は、疎水性、親水性
あるいは両親媒性のいかなる性質を有するものであって
もよいが、本発明の方法は、疎水性物質、特に、疎水性
液体をカプセル化するのに効果的である。疎水性液体と
は、実質的に水不溶性の液体であるもの、加熱により水
不溶性の液体となるもの、更に脂肪酸エステルやステロ
イド等の脂溶性の物質を適当な液体(例えば、以下に記
載する物質のうち液体であるもの)に溶解せしめた疎水
性液体を含むものである。具体的には、単純脂質として
高級脂肪酸と高級アルコールからなるパルミチン酸メチ
ルエステル等のモノエステル型の鎖式単純ワックスおよ
びコレステロールエステル、シトステロールエステル、
エルゴステロールエステル等のステロールエステルや脂
溶性ビタミンA、D、E等のエステルに代表される含環
式単純ワックスおよびシアノ脂質を含む単純ワックス
類、ジオール脂質、ジエステル等の複合ワックス類、モ
ノオレイン、モノステアリン等のモノグリセリドおよび
ジグリセリドまたトリオレイン、大豆油、コーン油、米
糠油、サフラワー油、綿実油、オリーブ油、ヒマシ油、
タラ油、イカ油、イワシ油、豚脂、牛脂、羊脂、馬油、
その他、微生物油脂類に代表されるトリグリセリド、キ
ミルアルコール、バチルアルコール等のモノアルキルや
ジアルキル、モノアルキルモノアシル、モノアルキルジ
アシル、トリアルキルタイプ等のアルキルグリセロール
エーテル脂質類およびモノアルケニル、ジアルケニル、
モノアルケニルモノアシル、モノアルケニルジアシル、
トリアルケニルタイプ等のアルケニルグリセリルエーテ
ル脂質類およびセラミド類があげられる。また誘導脂質
として飽和型と不飽和型で直鎖、モノ枝鎖およびポリ枝
鎖の長鎖炭化水素とこれら長鎖炭化水素が酸化されたオ
クタコサノールなどに代表される長鎖アルコール類、ジ
ヒドロスフィンゴシン、スフィンゴシン、フィトスフィ
ンゴシン、デヒドロフィトスフィンゴシン等の長鎖アミ
ノアルコール類、シトロネラール、ファルネサールや昆
虫フェロモンに多い長鎖アルデヒド類、フィロキノン、
ユビキノン等の直鎖ケトン類、ステアリン酸、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサ
ペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸に代表される各種脂
肪酸および、ヒドロキシ酸、ケト酸、ジカルボン酸等の
長鎖酸類とその塩類、ヘミテルペンやリモネン、メント
ール、シトラール、イオノン等のモノテルペン、ビサボ
レン、ファルネソール、ネロリドール、シペロン、ヒノ
キ酸
【0020】等のセスキテルペン、カンホレン、フィト
ール、ヒノキオール、スギオール、アビエチン酸、クロ
ロフィル、レチノール、トコフェロール、フィロキノン
等のジテルペンおよびトリテルペン、テトラテルペンや
メナキノン、ユビキノン等のポリテルペン等のテルペノ
イド類、コレステロール、シトステロール、エルゴステ
ロール、胆汁酸、性ホルモン、副腎脂質ホルモン、心臓
毒ゲニン、ステロイドサポゲニン、ソラニジン等のステ
ロイド類、フィトエン、リコピン、カロチン、キサント
フィル、シトラウリン、カプサンチン等のカロチノイド
類があげられる。また更に、複合脂質として大豆レシチ
ン等のホスファチジルコリンやホスファチジルエタノー
ルアミン、ホスファチジルセリン等のグリセロリン脂
質、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリ
セロール、カルジオリピン等のグリセロホスホノ脂質、
プラズマローゲン等のエーテルグリセロリン脂質、セラ
ミドリン酸、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂
質、セラミドシリアチン等のスフィンゴホスホノ脂質等
のリン脂質類、その他グリセロ糖脂質やスフィンゴ糖脂
質などの糖脂質類、サポニン、ソラニン等のステロイド
配糖体、脂肪酸糖、リポ多糖等の糖脂質類、リン糖脂質
類、硫脂質類、アミノ酸脂質類などがあげられる。
【0021】また更に、フェニトロチオンやピラクロフ
ァス等の脂溶性液体が挙げられる。グリセリン脂肪酸エ
ステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびポリ
ソルベート類等に代表される乳化剤等を芯物質として挙
げることもできる。親水性物質とは、水分子とのあいだ
に結合をつくりやすい官能基、すなわち水酸基、カルボ
キシル基、アミノ基、ケトン基、スルフォ基などを分子
構造の一部に有する比較的低分子の物質であり、実質的
に水に有意な量可溶し得るものである。具体的にはまず
アミノ酸類を挙げることができる。プロリン、スレオニ
ン、リジンなどのアミノ酸の他それらの金属塩、エステ
ル、ペプチドが含まれる。次いで糖類を挙げることがで
きる。グルコース、ガラクトース、フラクトースなどの
単糖類、マルトース、シュクロースなどの二糖類、ラフ
ィノースなどの少糖類の他、アミノ糖、糖アルコールな
どが含まれる。次いで水溶性ビタミン類が挙げられる。
チアミン、リボフラビンなどのビタミンB群、アスコル
ビン酸、葉酸、コリンなどがある。この他、核酸関連物
質が挙げられる。5’−GMP,5’−IMPなどのモ
ノヌクレオチドの他、塩基、ヌクレオシド、オリゴヌク
レチドがある。
【0022】これらのカプセル化すべき物質を単独であ
るいは組み合わせて、前記の処理を施した酵母菌体と混
合し、カプセル化を行う。具体的には、カプセル化すべ
き物質を前記の処理を施した酵母菌残渣の水分散液に添
加して、所望により、該分散液のpHを調整した後、一
定時間、一定温度にて撹拌することにより行うことがで
きる。カプセル化すべき物質と酵母菌体(固形分)の比
率は、2:1〜1:4が適当であり、1:1〜1:2が
好ましい。分散液中の酵母菌体の固形分濃度は、1〜1
0%が適当であり、2〜5%が好ましい。所望により、
前記分散液のpHは、5〜9、好ましくは6.5〜7.
5になるように、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
重ソウ等のpH調節剤を用いて調整してもよい。カプセ
ル化工程における撹拌温度は特に限定はされないが、好
ましくは40〜80℃である。また、撹拌時間は、カプ
セル化すべき物質の内包されるべき量、カプセル化工程
の温度などに応じて適宜設定すれば良い。撹拌は、ホモ
ジナイザーを用いて、1000〜10000rpm、好ま
しくは2000〜4000rpm の速度で行うとよい。更
に、必ずしも必要ではないが、カプセル化すべき物質の
分散性向上を補助するために、界面活性剤や親水性の有
機溶剤を添加しても良い。更に必要に応じ、硬膜剤、防
腐剤、酸化防止剤などの各種劣化防止剤その他を添加し
てカプセル化を行うこともできる。本工程は酵母菌の培
養とは全く異なるものであり、溶存酸素の供給、糖源、
窒素源などの栄養源の添加は全く不要である。
【0023】上記のようにして作製された、カプセル化
すべき物質を内包する酵母菌体を回収し、洗浄する。上
記酵母菌体は、遠心分離、吸引濾過等の方法により回収
することができる。その他、必要に応じ、洗浄および熱
風乾燥、凍結乾燥等の処理を行い乾燥してもよい。この
ようにして得られたマイクロカプセルは食品、飼料など
の素材に使用することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を実施例により詳
細に説明する。なお本発明の範囲はこれらの実施例に限
定されるものではない。実施例中に示された酵母菌重量
は、全て乾燥状態での重量である。また、%で表示して
ある酵母菌体中のカプセル化率は、全て重量比%であ
る。
【0025】〔実施例1〕 〈酵素処理による菌体内成分の溶出処理工程〉麦酒酵母
菌(サッカロマイセス・セレビッシェ)20gを含む水
分散液200gを振盪培養機中で温度50℃の条件下で
17時間振盪し、菌体内の成分を自己消化法にて菌体外
に溶出させた。遠心分離操作により、溶出液と酵母菌残
渣を分離した後、酵素処理酵母菌残渣(以下、「酵素処
理残渣」という。)として固形分約20%のペーストが
得られた。
【0026】〈酸性水溶液による酵素処理残査の処理〉
上記の酵素処理残渣を固形分として5%となるように塩
酸溶液で懸濁し、最終塩酸濃度を0.05、0.1、
0.5、1.0、および2.0Nになるようにそれぞれ
調整した。この懸濁液を沸騰水浴中にて85℃以上で1
0分間加熱し、その後遠心分離した後、洗浄して酵素処
理酵母菌の塩酸処理残渣(以下、「塩酸処理残渣」とい
う。)を得た。塩酸処理残渣は水分が90〜85%、即
ち固形分が10〜15%となった。
【0027】〈カプセル化工程〉上記のようにして得ら
れたそれぞれの塩酸処理残渣を固形分で5%、またオレ
イン酸またはトリオレインを7.5%の濃度となるよう
に蒸留水で懸濁し、pHを7.0に水酸化ナトリウムで
調整した。この懸濁液を温度70℃の条件下においてホ
モジナイザーで16時間撹拌した。遠心分離することに
よりカプセル化酵母菌体を得た。得られたカプセル化酵
母菌体に含まれる脂質成分をクロロホルムで抽出し、そ
の重量を測定し、カプセル化率(〔カプセル化酵母菌体
中の脂質重量/カプセル化酵母菌体の乾燥重量〕×10
0(%))を算出した。その結果を表1および表2に示
す。例えば、1Nの塩酸処理でオレイン酸をカプセル化
した場合、カプセル化酵母の回収率は使用した塩酸処理
残渣の固形分とオレイン酸の総和の62.6%であり、
カプセル化したオレイン酸の最終回収率は75.5%で
あった。
【0028】上記方法で調製したカプセルをpH2、
4、7、9に塩酸または水酸化ナトリウムで調整した溶
液に懸濁し、24時間放置後、カプセル中に残存する脂
質量を測定した。また、120℃で20分間加熱した
後、同様に残存脂質量を測定したが、いずれも、脂質成
分の流出は認められなかった。このことから、これらの
カプセルはpH変化、温度変化に非常に安定であること
がわかる。
【0029】〔比較試験 1−1〕酸性水溶液による酵
素処理残渣の処理を行わなかった他は、実施例1の操作
を繰り返して、カプセル化酵母菌体を得た。得られたカ
プセル化酵母菌体に含まれる脂質成分をクロロホルムで
抽出し、その重量を測定し、カプセル化率を算出したと
ころ、オレイン酸のカプセル化率は36.0%であり
(表1の未処理群)、トリオレインのカプセル化率は
4.6%であった(表2の未処理群)。また、実施例1
においては、このカプセル化率に到達するまでに要する
カプセル化時間は1時間以内であり、塩酸処理残渣が自
己消化残渣に比べ、極めて速やかにカプセル化可能なこ
とが示唆された。
【0030】
【表1】 表1 オレイン酸カプセル化酵母のカプセル化率 ───────────────────── 塩酸濃度 処理液 カプセル化率 (N) のpH1) (%) ───────────────────── 0.0(未処理)5.80 36.0 0.05 1.35 56.2 0.1 1.07 54.0 0.5 0.34 69.6 1.0 0.01 72.4 2.0 *** 59.8 ─────────────────────1) pHは実測値
【0031】
【表2】 表2 トリオレインカプセル化酵母のカプセル化率 ───────────────────── 塩酸濃度 処理液 カプセル化率 (N) のpH1) (%) ───────────────────── 0.0(未処理)5.80 4.6 0.05 1.35 5.2 0.1 1.07 5.8 0.5 0.34 31.3 1.0 0.01 25.3 2.0 *** 19.7 ─────────────────────1) pHは実測値
【0032】〔比較試験 1−2〕酵素処理による菌体
内成分の溶出処理を行なわず、酸性水溶液による処理を
1Nの塩酸溶液を用いて行った他は、実施例1の操作を
繰り返して、オレイン酸またはトリオレインを酵母菌体
内にカプセル化した。この際、オレイン酸のカプセル化
率は55.3%であり、またトリオレインのカプセル化
率は7.7%であった。このことは、酵素処理を行わな
い場合、カプセル化率が有意に低下し、特にトリオレイ
ンに関してはほとんどカプセル化されないことを示して
いた。
【0033】〔比較試験 1−3〕酸性水溶液による酵
素処理残渣の処理において、塩酸溶液での処理を0.0
1Nの水酸化ナトリウム溶液(pH=12.0,特開平
4ー63127による至適条件)での処理に置き換えた
他は、実施例1の操作を繰り返してオレイン酸またはト
リオレインを酵母菌体内にカプセル化した。この際、オ
レイン酸のカプセル化率は46.5%であり、またトリ
オレインのカプセル化率は4.5%であった。このこと
は、アルカリによる酵母菌残渣の処理より酸による処理
の方が、カプセル化において有効であることを示してい
た。
【0034】〔実施例2〕 〈酵素処理による菌体内成分の溶出処理工程〉実施例1
と同様の方法で行った。 〈酸性水溶液による酵素処理残査の処理〉実施例1と同
様の方法で行ったが、最終塩酸濃度を1Nとした。
【0035】〈カプセル化工程〉上記によって得られた
それぞれの塩酸処理残渣を固形分で5%、また大豆油を
7.5%の濃度となるように蒸留水で懸濁し、pHを
7.0に水酸化ナトリウムで調整した。この懸濁液を温
度70℃の条件下において、ホモジナイザーで16時間
撹拌した。遠心分離することによりカプセル化酵母菌体
を得た。得られたカプセル化酵母菌体に含まれる脂質成
分をクロロホルムで抽出し、その重量を測定し、カプセ
ル化率を算出した。この結果、大豆油のカプセル化率は
22.0%であった。
【0036】〔比較試験2〕酸性水溶液による酵素処理
残渣の処理を行わなかった他は、実施例2の操作を繰り
返して、カプセル化酵母菌体を得た。得られたカプセル
化酵母菌体においては、大豆油のカプセル化率が有意に
低下しており、4.4%となった。このことは酵素処理
の後、酸性水溶液で酵母菌体を処理する本発明の方法
が、トリオレインだけでなくトリグリセリド一般に応用
できることを示すものである。
【0037】〔実施例3〕 〈酵素処理による菌体内成分の溶出処理工程〉実施例1
での自己消化による菌体内成分の溶出処理に先立ち、高
圧ホモジナイザーを用い、500kg/cm2の圧力下で麦酒
酵母菌を10%の固形分濃度で水に予備分散した後、1
000kg/cm2の圧力下でさらに分散した。その後、振盪
培養機中で温度50℃の条件下で8時間振盪し、自己消
化により菌体内の水溶性成分を菌体外に溶出させ、遠心
分離操作により溶出液と酵母菌残渣を分離して、酵素処
理残渣を得た。
【0038】〈酸性水溶液による酵素処理残査の処理〉
実施例1と同様の方法で行ったが、最終塩酸濃度を1N
とした。
【0039】〈カプセル化工程〉実施例1と同様の操作
で、オレイン酸またはトリオレインをカプセル化した。
この際、オレイン酸のカプセル化率は74.6%、また
トリオレインのカプセル化率は18.6%であった。ま
た、これらのカプセルはpH変化、温度変化に非常に安
定であり、水中に懸濁して24時間放置しても、脂質成
分の流出は認められなかった。
【0040】〔比較試験3〕酸性水溶液による酵素処理
残渣の処理を行わなかった他は、実施例3の操作を繰り
返して、カプセル化酵母菌体を得た。得られたカプセル
化酵母菌体に含まれる脂質成分をクロロホルムで抽出
し、その重量を測定し、カプセル化率を算出したとこ
ろ、オレイン酸のカプセル化率は42.7%であり、ト
リオレインのカプセル化率は4.6%であった。
【0041】〔実施例4〕 〈酵素処理による菌体内成分の溶出処理工程〉実施例1
と同様の方法で行った。
【0042】〈酸性水溶液による酵素処理残査の処理〉
酸性水溶液による酵素処理残渣の処理で、塩酸を硫酸に
置き換え、最終硫酸濃度を0.5および1.0Nとした
以外は実施例1の操作を繰り返した。この際、硫酸処理
残渣は固形分が、それぞれ、14%および12%となっ
た。
【0043】〈カプセル化工程〉上記のようにして得ら
れたそれぞれの硫酸処理残渣を固形分で5%、またトリ
オレインを7.5%の濃度となるように蒸留水で懸濁
し、pHを7.0に水酸化ナトリウムで調整した。この
懸濁液を温度70℃の条件下において、ホモジナイザー
で16時間撹拌した。遠心分離することによりカプセル
化酵母菌体を得た。得られたカプセル化酵母菌体に含ま
れる脂質成分をクロロホルムで抽出し、その重量を測定
して、カプセル化率を算出した。その結果を表3に示
す。また、これらのカプセルはpH変化、温度変化に非
常に安定であり、水中に懸濁して24時間放置しても、
脂質成分の流出は認められなかった。
【0044】〔比較試験 4−1〕酸性水溶液による酵
素処理残渣の処理を行わなかった他は、実施例4の操作
を繰り返して、カプセル化酵母菌体を得た。得られたカ
プセル化酵母菌体に含まれる脂質成分をクロロホルムで
抽出し、その重量を測定し、カプセル化率を算出したと
ころ、トリオレインのカプセル化率は4.6%であった
(表3の未処理群)。
【0045】
【表3】 表3 トリオレインカプセル化酵母のカプセル化率 ───────────────────── 硫酸濃度 処理液 カプセル化率 (N) のpH1) (%) ───────────────────── 0.0(未処理)5.84 4.6 0.5 0.62 12.7 1.0 0.33 34.2 ─────────────────────1) pHは実測値
【0046】〔比較試験 4−2〕酵素処理による菌体
内成分の溶出処理を行なわず、酸性水溶液による処理を
1Nの硫酸溶液を用いて行った他は、実施例4の操作を
繰り返して、トリオレインを酵母菌体内にカプセル化し
た。この際、トリオレインのカプセル化率は4.2%で
あった。このことから、酵素処理を行わない場合、トリ
オレインはほとんどカプセル化されないことが明らかと
なった。
【0047】〔実施例5〕 〈酵素処理による菌体内成分の溶出処理工程〉実施例1
と同様の方法で行った。 〈酸性水溶液による酵素処理残査の処理〉実施例1と同
様の方法で行った。
【0048】〈カプセル化工程〉上記のようにして得ら
れたそれぞれの塩酸処理残渣を固形分で5%、またパル
ミチン酸メチルエステルを7.5%の濃度となるように
蒸留水で懸濁し、pHを7.0に水酸化ナトリウムで調
整した。この懸濁液を温度70℃の条件下において、ホ
モジナイザーで16時間撹拌した。遠心分離することに
よりカプセル化酵母菌体を得た。得られたカプセル化酵
母菌体に含まれる脂質成分をクロロホルムで抽出し、そ
の重量を測定し、カプセル化率を算出したところ、パル
ミチン酸メチルエステルのカプセル化率は54.7%で
あった。また、これらのカプセルはpH変化、温度変化
に非常に安定であり、水中に懸濁して24時間放置して
も、脂質成分の流出は認められなかった。
【0049】〔比較試験5〕酸性水溶液による酵素処理
残渣の処理を行わなかった他は、実施例5の操作を繰り
返して、カプセル化酵母菌体を得た。得られたカプセル
化酵母菌体に含まれる脂質成分をクロロホルムで抽出
し、その重量を測定し、カプセル化率を算出したとこ
ろ、パルミチン酸メチルエステルのカプセル化率は2
5.4%であった。
【0050】〔実施例6〕 〈酵素処理による菌体内成分の溶出処理工程〉実施例1
と同様の方法で行った。 〈酸性水溶液による酵素処理残査の処理〉実施例1と同
様の方法で行った。
【0051】〈カプセル化工程〉上記によって得られた
塩酸処理残渣を固形分で5%、またオレイン酸モノグリ
セリドを7.5%の濃度となるように蒸留水で懸濁し、
pHを7.0に水酸化ナトリウムで調整した。この懸濁
液を温度70℃の条件下において、ホモジナイザーで1
6時間撹拌した。遠心分離することによりカプセル化酵
母菌体を得た。得られたカプセル化酵母菌体に含まれる
脂質成分をクロロホルムで抽出し、その重量を測定し、
カプセル化率を算出したところ、オレイン酸モノグリセ
リドのカプセル化率は34.0%であった。また、これ
らのカプセルはpH変化、温度変化に非常に安定であ
り、水中に懸濁して24時間放置しても、脂質成分の流
出は認められなかった。
【0052】〔比較試験6〕酸性水溶液による酵素処理
残渣の処理を行わなかった他は、実施例6の操作を繰り
返して、カプセル化酵母菌体を得た。得られたカプセル
化酵母菌体にふくまれる脂質成分をクロロホルムで抽出
し、その重量を測定し、カプセル化率を算出したとこ
ろ、オレイン酸モノグリセリドのカプセル化率11.9
%であった。
【0053】〔実施例7〕 〈酵素処理による菌体内成分の溶出処理工程〉実施例1
と同様の方法で行った。 〈酸性水溶液による酵素処理残査の処理〉実施例1と同
様の方法で行った。
【0054】〈カプセル化工程〉上記によって得られた
塩酸処理残渣を固形分で5%、また大豆レシチン(ホス
ファチジルコリン)を7.5%の濃度となるように蒸留
水で懸濁し、pHを7.0に水酸化ナトリウムで調整し
た。 この懸濁液を温度70℃の条件下において、ホモ
ジナイザーで16時間撹拌した。遠心分離することによ
りカプセル化酵母菌体を得た。得られたカプセル化酵母
菌体に含まれる脂質成分をクロロホルムで抽出し、その
重量を測定して、カプセル化率を算出したところ、大豆
レシチンのカプセル化率は31.3%であった。また、
これらのカプセルはpH変化、温度変化に非常に安定で
あり、水中に懸濁して24時間放置しても、脂質成分の
流出は認められなかった。
【0055】〔比較試験7〕酸性水溶液による酵素処理
残渣の処理を行わなかった他は、実施例7の操作を繰り
返して、カプセル化酵母菌体を得た。得られたカプセル
化酵母菌体に含まれる脂質成分をクロロホルムで抽出
し、その重量を測定し、カプセル化率を算出したとこ
ろ、大豆レシチンのカプセル化率は6.41%であっ
た。
【0056】〔実施例8〕 〈酵素処理による菌体内成分の溶出処理工程〉実施例1
と同様の方法で行った。 〈酸性水溶液による酵素処理残査の処理〉実施例1と同
様の方法で行った。
【0057】〈カプセル化工程〉上記によって得られた
塩酸処理残渣を固形分で5%、またレチニルパルミテー
ト30%溶液(コーンオイル中)を7.5%の濃度とな
るように蒸留水で懸濁し、pHを7.0に水酸化ナトリ
ウムで調整した。この懸濁液を温度70℃の条件下にお
いて、ホモジナイザーで16時間撹拌した。遠心分離す
ることによりカプセル化酵母菌体を得た。得られたカプ
セル化酵母菌体に含まれる脂質成分をクロロホルムで抽
出し、そのレチニルパルミテート含量をHPLCにより
測定したところ、レチニルパルミテートのカプセル化率
は6.70%であった。また、これらのカプセルはpH
変化、温度変化に非常に安定であり、水中に懸濁して2
4時間放置しても、脂質成分の流出は認められなかっ
た。
【0058】〔比較試験8〕酸性水溶液による酵素処理
残渣の処理を行わなかった他は、実施例8の操作を繰り
返して、カプセル化酵母菌体を得た。得られたカプセル
化酵母菌体に含まれる脂質成分をクロロホルムで抽出
し、その含量を測定し、カプセル化率を算出したとこ
ろ、レチニルパルミテートのカプセル化率は3.11%
であった。
【0059】〔実施例9〕 〈酵素処理による菌体内成分の溶出処理工程〉実施例1
と同様の方法で行った。 〈酸性水溶液による酵素処理残渣の処理〉実施例1と同
様の方法で行った。 〈カプセル化工程〉上記によって得られた塩酸処理残渣
を固形分で3%、またレシチンを31%セファリンを3
2%含むリン脂質混合物(理研ビタミン社製“レシオン
PK”)を5%の濃度となるように蒸留水で懸濁し、p
Hを7.0に水酸化ナトリウムで調整した。この懸濁液
を温度70℃の条件下において、ホモジナイザーで16
時間撹拌した。遠心分離することによりカプセル化酵母
菌体を得た。得られたカプセル化酵母菌体に含まれる脂
質成分をクロロホルムで抽出し、そのなかのレシチン及
びセファリン含量をHPLCにより測定したところ、合
計で16.9%であった。またこれらのカプセルは、p
H2の条件下において若干の内包化物の漏出が認められ
た他は、pH変化、温度変化に非常に安定であり、水中
に懸濁して24時間放置しても、脂質成分の流出は認め
られなかった。
【0060】〔比較試験9〕酸性水溶液による酵素処理
残渣の処理を行わなかった他は、実施例9の操作を繰り
返して、カプセル化酵母菌体を得た。得られたカプセル
化酵母菌体に含まれる脂質成分をクロロホルムで抽出
し、そのなかのレシチン及びセファリン含量を測定した
ところ、合計で1.02%であった。
【0061】〔実施例10〕 〈酵素処理による菌体内成分の溶出処理工程〉実施例1
と同様の方法で行った。 〈酸性水溶液による酵素処理残渣の処理〉実施例1と同
様の方法で行った。 〈カプセル化工程〉上記によって得られた塩酸処理残渣
を固形分で5%、また9種のアミノ酸即ちアラニン、バ
リン、プロリン、セリン、スレオニン、システイン、グ
リシン、アルギニン、リジンをそれぞれ1%の濃度にな
るように蒸留水で懸濁し、pHを7.0に水酸化ナトリ
ウムで調整した。この懸濁液を温度30℃の条件下にお
いて、ホモジナイザーで16時間撹拌した。遠心分離す
ることによりカプセル化酵母菌体を得た。得られたカプ
セル化酵母菌体に含まれるアミノ酸を50%エタノール
溶液で抽出し、アミノ酸分析計により測定したところ、
9種のアミノ酸のカプセル化率は合計で4.86%であ
った。
【0062】〔比較試験10−1〕酸性水溶液による酵
素処理残渣の処理を行わなかった他は、実施例10の操
作を繰り返して、カプセル化酵母菌体を得た。得られた
カプセル化酵母菌体に含まれるアミノ酸を50%エタノ
ール溶液で抽出し、アミノ酸分析計により測定したとこ
ろ、9種のアミノ酸のカプセル化率は合計で0.83%
であった。 〔比較試験10−2〕酵素処理による菌体内成分の溶出
処理および酸性水溶液による処理のいずれも行わず、カ
プセル化工程のみ実施例10に準じて行いカプセル化酵
母菌体を得た。得られたカプセル化酵母菌体に含まれる
アミノ酸を50%エタノール溶液で抽出し、アミノ酸分
析計により測定したところ、9種のアミノ酸のカプセル
化率は合計で1.43%であった。
【0063】〔実施例11〕 〈酵素処理による菌体内成分の溶出処理工程〉実施例1
と同様の方法で行った。 〈酸性水溶液による酵素処理残渣の処理〉実施例1と同
様の方法で行った。 〈カプセル化工程〉上記によって得られた塩酸処理残渣
を固形分で5%、またプロリンを5%の濃度になるよう
に蒸留水で懸濁し、pHを7.0に水酸化ナトリウムで
調整した。この懸濁液を温度30℃の条件下において、
ホモジナイザーで16時間撹拌した。遠心分離すること
によりカプセル化酵母菌体を得た。得られたカプセル化
酵母菌体に含まれるプロリンを50%エタノール溶液で
抽出し、アミノ酸分析計により測定したところ、プロリ
ンのカプセル化率は2.80%であった(図1の酸処理
酵母群、洗浄0回)。また、このカプセルを多量の水に
再懸濁したのち遠心分離により回収するという方法で洗
浄したところ、4回の洗浄を繰り返したのちも有意な量
のプロリンが酵母菌体内に保持されていることが判明し
た(図1の酸処理酵母群、洗浄4回)。
【0064】〔比較試験11〕酸性水溶液による酵素処
理残渣の処理を行わなかった他は、実施例11の操作を
繰り返して、カプセル化酵母菌体を得た。得られたカプ
セル化酵母菌体に含まれるプロリンを50%エタノール
溶液で抽出しアミノ酸分析計により測定したところ、カ
プセル化率は1.29%であった(図1の自己消化酵母
群、洗浄0回)。また、このカプセルを実施例11と同
様の方法で洗浄したところ、2回の洗浄を終えた時点で
酵母菌体内にはもはやプロリンは殆ど保持されていなか
った(図1の自己消化酵母群、洗浄2回)。
【0065】〔実施例12〕 〈酵素処理による菌体内成分の溶出処理工程〉実施例1
と同様の方法で行った。 〈酸性水溶液による酵素処理残渣の処理〉実施例1と同
様の方法で行った。 〈カプセル化工程〉上記によって得られた塩酸処理残渣
を固形分で5%、またスレオニンを5%の濃度になるよ
うに蒸留水で懸濁し、pHを7.0に水酸化ナトリウム
で調整した。この懸濁液を温度30℃の条件下におい
て、ホモジナイザーで16時間撹拌した。遠心分離する
ことによりカプセル化酵母菌体を得た。得られたカプセ
ル化酵母菌体に含まれるスレオニンを50%エタノール
溶液で抽出し、アミノ酸分析計により測定したところ、
スレオニンのカプセル化率は0.50%であった(図2
の酸処理酵母群、洗浄0回)。このカプセルを多量の水
に再懸濁したのち遠心分離により回収するという方法で
2回洗浄したところ、酵母菌体内に保持されているスレ
オニン含量は、わずか23%低下するに留まった(図2
の酸処理酵母群、洗浄2回)。
【0066】〔比較試験12〕酸性水溶液による酵素処
理残渣の処理を行わなかった他は、実施例12の操作を
繰り返して、カプセル化酵母菌体を得た。得られたカプ
セル化酵母菌体に含まれるスレオニンを50%エタノー
ル溶液で抽出し、アミノ酸分析計により測定したとこ
ろ、カプセル化率は0.53%であり(図2の自己消化
酵母群、洗浄0回)、実施例12とほぼ同等のレベルで
あった。しかしながら、このカプセルを実施例12と同
様の方法で2回洗浄したところ、酵母菌体内に保持され
ているスレオニン含量は大幅に低下した(図2の自己消
化酵母群、洗浄2回)。
【0067】〔実施例13〕 〈酵素処理による菌体内成分の溶出処理工程〉実施例1
と同様の方法で行った。 〈酸性水溶液による酵素処理残渣の処理〉実施例1と同
様の方法で行った。 〈カプセル化工程〉上記によって得られた塩酸処理残渣
を固形分で5%、またアスコルビン酸を5%の濃度にな
るように蒸留水で懸濁し、pHを7.0に水酸化ナトリ
ウムで調整した。この懸濁液を温度30℃の条件下にお
いて、ホモジナイザーで16時間撹拌した。遠心分離す
ることによりカプセル化酵母菌体を得た。得られたカプ
セル化酵母菌体に含まれるアスコルビン酸をメタリン酸
で抽出し、F−キット(ベーリンガー・マンハイム社
製)により測定したところ、アスコルビン酸のカプセル
化率は1.17%であった(図3のアスコルビン酸、酸
処理酵母群)。
【0068】〔比較試験13〕酸性水溶液による酵素処
理残渣の処理を行わなかった他は、実施例13の操作を
繰り返して、カプセル化酵母菌体を得た。得られたカプ
セル化酵母菌体に含まれるアスコルビン酸をメタリン酸
で抽出し、F−キット(ベーリンガー・マンハイム社
製)により測定したところ、カプセル化率は0.43%
であった(図3のアスコルビン酸、自己消化酵母群)。
【0069】〔実施例14〕 〈酵素処理による菌体内成分の溶出処理工程〉実施例1
と同様の方法で行った。 〈酸性水溶液による酵素処理残渣の処理〉実施例1と同
様の方法で行った。 〈カプセル化工程〉上記によって得られた塩酸処理残渣
を固形分で5%、また5’グアニル酸モノフォスフェー
ト(以下5'-GMP)を5%の濃度になるように蒸留水
で懸濁し、pHを7.0に水酸化ナトリウムで調整し
た。この懸濁液を温度30℃の条件下において、ホモジ
ナイザーで16時間撹拌した。遠心分離することにより
カプセル化酵母菌体を得た。得られたカプセル化酵母菌
体に含まれる5'-GMPを80%エタノールで抽出し、
HPLCにより測定したところ、5'-GMPのカプセル
化率は1.13%であった(図3の5'-GMP、酸処理
酵母群)。
【0070】〔比較試験14〕酸性水溶液による酵素処
理残渣の処理を行わなかった他は、実施例14の操作を
繰り返して、カプセル化酵母菌体を得た。得られたカプ
セル化酵母菌体に含まれる5'-GMPを80%エタノー
ルで抽出し、HPLCにより測定したところ、ほとんど
カプセル化されていないことがわかった(図3の5'-G
MP、自己消化酵母群)。
【0071】
【発明の効果】本発明の方法により、高い比率(カプセ
ル化率)でより多量の疎水性液体を酵母菌体中へ短時間
で内包させることが可能になった。本発明の方法により
製造された疎水性液体成分の酵母カプセルは保持力およ
び安定性も良好で、実用上充分使用に足るものである。
驚くべきことに、本発明の方法により、従来困難とされ
ていたトリグリセリド、脂肪酸エステル類、および脂溶
性ビタミン類のカプセル化を容易に実現できた。さら
に、本発明の方法により、従来のカプセル化法と比較し
て、より高い比率でより多量の親水性物質を酵母菌体中
へ内包させることが可能になった。本発明の方法により
製造された親水性成分の酵母カプセルは保持力および安
定性も良好である。以上のごとく、本発明の方法は、微
生物を用いたマイクロカプセル化法として、品質的にも
工業的にも優れた手段である。
【0072】
【図面の簡単な説明】
【図1】洗浄0、2および4回後の、プロリンカプセル
化酵母のカプセル化率を示す。
【図2】洗浄0および2回後の、スレオニンカプセル化
酵母のカプセル化率を示す。
【図3】アスコルビン酸カプセル化酵母および5’−G
MPカプセル化酵母のカプセル化率を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 1/16 C12R 1:865)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酵母を酵素処理することによりその菌体
    内成分を菌体外に放出させた後、該酵母菌体を酸性水溶
    液で処理し、次いでこの酵母菌体内にカプセル化すべき
    物質を内包させることを特徴とする、マイクロカプセル
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 カプセル化すべき物質が疎水性物質であ
    る、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 疎水性物質が液体である、請求項2記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 疎水性液体が脂質である、請求項3記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 脂質が、長鎖炭化水素、長鎖アルコー
    ル、長鎖アミノアルコール、長鎖アルデヒド、長鎖ケト
    ン、長鎖酸およびその塩、テルペノイド、ステロイドな
    らびにカロテノイドからなる群より選択される少なくと
    も一種の誘導脂質である請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 脂質が、ワックス、グリセリド、エーテ
    ルグリセリドおよびセラミドからなる群より選択される
    少なくとも一種の単純脂質である請求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】 脂質が、リン脂質、糖脂質、リン糖脂
    質、硫脂質およびアミノ酸脂質からなる群より選択され
    る少なくとも一種の複合脂質である請求項4記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 カプセル化すべき物質が親水性物質であ
    る、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 親水性物質が、アミノ酸、水溶性ビタミ
    ン、ヌクレオチドおよび糖からなる群より選択される少
    なくとも一種の物質である請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 酵素がプロテアーゼである請求項1記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 酵素が、ヌクレアーゼ、β−グルカナ
    ーゼ、エステラーゼおよびリパーゼからなる群より選択
    される少なくとも一種の酵素とプロテアーゼとの組合せ
    である請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 酵素が酵母の持つ自己消化酵素である
    請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 酸性水溶液が2.0以下のpHを有す
    るものである請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】 酸性水溶液が0〜0.5のpHを有す
    るものである請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 酸性水溶液が塩酸、燐酸、硫酸、クエ
    ン酸、酢酸、アスコルビン酸、および乳酸からなる群か
    ら選ばれた少なくとも1つの酸の水溶液である請求項1
    記載の方法。
  16. 【請求項16】 酵母が、サッカロマイセス・セレビッ
    シェ(Saccharomycescerevisiae)、サッカロマイセス・
    ルーキシ(Saccharomyces rouxii)、サッカロマイセス・
    カールスバーゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis
    i)、キャンディダ・ウティリス(Candida utilis)、キャ
    ンディダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、キャン
    ディダ・リポリティカ(Candida lipolytica)、およびキ
    ャンディダ・フレーベリ(Candida flaveri)から成る群
    より選択される少なくとも一種の微生物である請求項1
    記載の方法。
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