JPH08226060A - 繊維層材の製造方法 - Google Patents

繊維層材の製造方法

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JPH08226060A
JPH08226060A JP7301601A JP30160195A JPH08226060A JP H08226060 A JPH08226060 A JP H08226060A JP 7301601 A JP7301601 A JP 7301601A JP 30160195 A JP30160195 A JP 30160195A JP H08226060 A JPH08226060 A JP H08226060A
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JP
Japan
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fiber
fibers
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fiber layer
web
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JP7301601A
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English (en)
Inventor
Kenichi Kita
謙一 喜多
Kazuhiro Miki
一弘 三木
Yoshihisa Sonobe
佳寿 園部
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UENO KOGYO KK
Japan Felt Industrial Co Ltd
Original Assignee
UENO KOGYO KK
Japan Felt Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】繊維が厚さ方向に配列し、剛直性があり、バラ
けにくい繊維層材の製造方法を提供する。この繊維層材
は、マットやフィルター材等に好適である。 【構成】熱接着性繊維を含み、且つ繊維が一方向に配列
した繊維ウェッブを形成させ、この繊維ウェッブを熱接
着性繊維の溶融点以上の温度で加熱して繊維ウェッブを
構成する繊維2相互を部分的に接着3させて繊維シート
5となし、その後該繊維シート5を繊維配列方向に対し
垂直方向に折り畳み、次いでこの折り畳み物を折り畳み
方向の略直角方向に圧縮し、再び熱接着性繊維の溶融点
以上の温度に加熱し繊維相互を部分的に接着させて一体
化した繊維塊となし、その後該繊維塊を繊維配列方向に
対しほぼ垂直方向に切断して繊維層材を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、密度が小さく、保形性
に富みヘタリ性が少なく、剛直性に富み、クッション
性、通気性に富み、バラけにくい繊維層材の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】繊維層
材は、マット材或いはフィルター材などとして従来から
種々の用途に使用されている。従来の繊維層材において
は、図4に示すように、繊維層材を構成する相互に接着
3した繊維2が、繊維層材の表面と略平行に、すなわち
繊維層材の厚さ方向と略直角方向に配列されている。そ
のため密度が0.1g/cm3以下と小さい繊維層材の
場合、厚さ方向からの荷重に対して変形しやすく、また
保形性に乏しく、ヘタリが大きい欠点があった。そし
て、これらの変形を防止し、ヘタリを解消し、或いはク
ッション性をよくするには、繊維層材の密度を0.1g
/cm3以上の高い密度にする必要があった。また、繊
維層材は、各種空調向けフィルターとして使用されるこ
とが多いが、繊維が繊維層の厚さ方向と略直角方向に配
列させた従来の繊維層材をフィルターに使用した場合に
は、空気の流れによる圧力損失により、フィルター材が
圧縮され、圧力損失の上昇が早くなり、ダストの保持量
が多く取れない等の欠点を有していた。本発明は上記の
如き従来の繊維層材の欠点を解消し、密度が0.1g/
cm3以下と小さい場合でも、保形性に富み、厚さ方向
への荷重に対する変形性が小さく、ヘタリが少なく、弾
力、復元力が強く、クッション性に富み、しかも通気性
がよくマットやフィルター材に好適な繊維層材の製造方
法を提供することを目的とする。
【0003】また、合成繊維を主体とする非バインダー
繊維と、バインダー繊維とが配合されたカード紡出ウエ
ッブをクロスレイヤーで折り畳みながら略水平に積層
し、この積層体をウエッブの積層方向に圧縮しつつ、バ
インダー繊維の溶融点以上、非バインダー繊維の溶融点
以下の温度で熱処理し、バインダー繊維を溶融し構成繊
維同士を接着させウエッブを成形固着した敷ぶとんの詰
め物材料用の繊維構造体及びこの繊維の配向を特定の方
向に配向させた植物栽培用の繊維構造体が知られている
(特開平1−118656号公報)。本発明は、かかる
繊維構造体の剛直性を高め、また構成繊維のバラけを改
善したマットやフィルター材に好適な繊維層材を効率良
く生産する製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、熱接
着性繊維を含み、且つ繊維が一方向に配列した繊維ウェ
ッブを形成し、この繊維ウェッブを熱接着性繊維の溶融
点以上の温度で加熱して繊維ウェッブを構成する繊維相
互を部分的に接着させて繊維シートとなし、その後該繊
維シートを繊維配列方向に対し垂直方向に折り畳み、次
いでこの折り畳み物を折り畳み方向の略直角方向に圧縮
し、再び熱接着性繊維の溶融点以上の温度に加熱し繊維
相互を部分的に接着させて一体化した繊維塊となし、そ
の後該繊維塊を繊維配列方向に対しほぼ垂直方向に切断
することを特徴とする繊維層材の製造方法である。
【0005】本発明の繊維層材の製造方法について詳し
く説明する。本発明で使用する熱接着性繊維は、加熱に
より溶融し接着性を発揮する繊維であり、加熱した際に
繊維相互を接着する作用をなすものである。熱接着時の
条件又は出来上がりの風合いにもよるが、繊維全体の少
なくとも10%以上混入する必要がある。10%未満で
あると、繊維層材に切断した時、接着されてない部分よ
りバラけが生じ形態保持性が悪くなる。熱接着性繊維と
しては、繊維層材を構成する主繊維よりも低い温度で溶
融する合成繊維であればいずれでも良いが、好ましいの
は例えばポリエステル又はポリプロピレンを芯とし低融
点ポリエステルやポリエチレンを鞘とした芯鞘型或はこ
れらのサイドバイサイド型の複合繊維である。また繊維
に低融点樹脂を付着或は被覆したものも使用できる。こ
れらの複合繊維を熱接着性繊維に用いた場合は、繊維ウ
ェッブを熱接着性繊維のみで構成させても良い。そし
て、熱接着性繊維の混入量、加熱処理条件によって、繊
維層材の剛性を適宜に変えることができ、繊維相互の接
着の割合いを多くするほど繊維層材の剛性は大きくな
る。また繊維相互の接着には熱溶融性合成樹脂粒子を使
用してもよい。
【0006】また、本発明で熱接着性繊維と混合して使
用する繊維は、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊
維、アクリル系繊維、レーヨン、アセテート繊維、ガラ
ス繊維、炭素繊維、各種天然繊維等の単独又は複数から
なる繊維で、熱接着性繊維より溶融点の高い繊維であ
る。これら繊維は単独で用いても又は二種以上併用して
もよい。また、加熱により捲縮する捲縮繊維を使用する
こともできる。繊維の太さは用途に応じて適宜に決める
ことができ、特に限定されない。例えば自動車の座席マ
ット材として使用するときには、繊維の剛性が確保しや
すい15デニール以上の太い繊維がよく、フィルター材
として特に捕集効率を上げる場合は、1デニール前後の
極細の繊維を使用する。
【0007】繊維を一方向に配列させた繊維ウエッブを
製造するには種々の方法が採用できる。例えば、長繊維
を一方向に引き揃えてなる繊維ウエッブ、或いは短繊維
をカーデングして一方向に配列させてなる繊維ウエッブ
を、繊維配列方向が同一方向になるように所望の厚さに
重ね合わせて製造する。上記の繊維ウエッブを形成させ
る際、ウェッブ構成繊維全部を完全に一方向に配向させ
ると、得られた最終製品の繊維層材は、繊維が厚さ方向
に完全に配向したものとなる。本発明の繊維層材の繊維
の配向は、全ての繊維が厚さ方向になる配向する必要は
ないが、繊維本来の弾性を利用するため、また通気性を
よくするため、全体の繊維のうちの50%以上が厚さ方
向に配列されている必要がある。したがって、その原料
たる上記の繊維ウエッブは全体の繊維のうちの50%以
上を一方向に配列させる必要がある。この繊維ウエッブ
の繊維配向性をチェックするには、顕微鏡で一定視野の
繊維を観察し、一方向に配列している繊維の本数を数え
その割合を算出しても良いし、繊維ウエッブの縦及び横
の強度を測定しその割合を算出して繊維の配向性を調べ
る方法でもよい。例えば繊維ウエッブの縦及び横の強度
がそれぞれ30Kgf/5cmW及び15Kgf/5c
mWであれば、繊維ウエッブの繊維の縦方向の配向性は
30/(30+15)=66.7%となる。そして、こ
の配向性はまた本発明の繊維層材の厚さ方向の繊維の配
向性となる。また、上記の繊維ウエッブの目付は、後述
のヒダ折り状に折り畳みを行う操作時、均一なになる様
に150g/m2以下、好ましくは30〜80g/m2
よい。
【0008】本発明においては、上記の繊維を一方向に
配列した繊維ウエッブを、一旦熱接着性繊維の溶融点以
上他の繊維の溶融点以下の温度で加熱処理し、繊維ウエ
ッブに含ませた熱接着性繊維を溶融させ繊維ウエッブの
繊維相互を接着させて繊維シートにする。繊維を一方向
に配列したままの繊維相互が未接着状態の繊維ウエッブ
も後述のヒダ折り操作の素材に供することができるが、
この未接着状態の繊維ウェッブを素材に用いた場合は、
ソフトな感触を有する繊維層材がえられる。一方、本発
明の如く、前記繊維ウェッブの繊維相互を部分接着させ
た繊維シートを素材に用いた場合は、剛直な感触を有す
る繊維層が得られ、またこの場合は繊維相互の接着部分
が多くなり、繊維のバラけが少ない繊維層が得られる。
すなわち、繊維ウエッブの繊維相互を接着させたものを
素材に用いることにより、上記の繊維相互が未接着状態
の繊維ウエッブを素材に用いた場合に比し、同じ繊維を
原料に用いても、剛直な感触を有する繊維層材が得ら
れ、また繊維相互の接着部分が多くなり、繊維のバラけ
が少ない強固な繊維層材が得られる。
【0009】また、上記の繊維を一方向に配列した繊維
ウエッブをそのまま用いた場合には、嵩高過ぎて後述の
折り畳み工程時に折り畳み数を多くできないため、圧縮
加熱時の圧着力が弱くなり、仕上がった繊維塊の繊維相
互の接着が充分にできず、繊維層材がバラけ易くなる。
上記繊維ウェッブを、加熱して熱接着性繊維で繊維相互
を熱接着した繊維シートは、繊維相互が接着しているの
で嵩高性が少なく比較的緻密であるため、折り畳み数が
多くとれ、円滑に圧縮加熱が行え、生産効率が良く、し
かもバラけにくい繊維層材が得られる。そこで、本発明
では繊維を一方向に配列した繊維ウエッブを、一旦加熱
処理し、繊維ウエッブに含ませた熱接着性繊維を加熱溶
融させて繊維相互を接着させた繊維シートにして、次の
折り畳み工程に移行させる。
【0010】本発明では、上記の如くして得た繊維シー
トを繊維配列方向に対し垂直方向に折り畳み、次いでこ
の折り畳み物を折り畳み方向の略直角方向に圧縮し、再
び熱接着性繊維の溶融点以上他の繊維の溶融点以下の温
度で加熱する。この圧縮加熱によって繊維相互が部分的
に接着し一体化した繊維塊が得られる。この操作は具体
的には、一定の幅を有する長尺の繊維シートを順次繊維
配列方向に対し垂直方向にヒダ折り状に折り畳み、折り
畳み方向の略直角方向に圧縮し所定の密度となし、次い
で熱風を吹付貫通させて、予め混入したウエッブ中の熱
接着性合成繊維又は熱溶融性合成樹脂粒子を溶融させて
繊維相互を接着し、一体化する方法を採用するのが好ま
しく、この方法によるとウエッブ積層体を連続的に製造
することができる。また、繊維シートをヒダ折り加工す
る際に、繊維シートの表面に熱融着性樹脂を少量付着さ
せておくと繊維シート同士の接着がより強固になるた
め、強度の良い繊維層材が得られる。上記のヒダ折り高
さが繊維層材の厚さとなり、この厚みが大きければ大き
い程スライスして本発明の繊維層材を数多く生産できる
が、熱接着処理時に熱を均一に内部まで行き渡らせるの
が困難になる。そのため通常は10〜200mm程度の
厚さが好ましい。
【0011】上記の如くして得た繊維塊を、マットやフ
ィルター材に使用するために、繊維配列方向に対しほぼ
垂直方向に切断する。この繊維配列方向と切断方向の角
度はその用途により任意に選ぶことができる。また、こ
の切断は、スライスにより行われるが、その際の厚さ
は、繊維層材の用途によって適宜に変える。本発明の繊
維層材の表面及び/又は裏面は切断面であるため、その
感触は芝生様の感触であり、摩擦係数が高い。例えば、
経、緯ともに56番、双糸で構成した目付165g/m
2の布地に対する動摩擦係数を測定したところ、切断面
は1.2〜1.7あり、切断しない面の約0.6〜0.
7の約2倍以上であった。
【0012】図1は、本発明の製造方法で得られた繊維
層材を、一部模式的に拡大して示した斜視図である。1
は繊維層材、2は繊維層材を構成する厚さ方向に配列し
た繊維である。3は繊維相互の接着部分である。4は繊
維層材の表面で、切断面であり、この面において、繊維
層材を構成する各繊維2は繊維軸に対し直角方向に切断
されている。このように本発明の繊維層材は、繊維が厚
さ方向に配列し且つその繊維相互が部分的に接着してい
る。そしてまた、繊維層材の表面及び又は裏面は、繊維
層材を構成する各繊維の横切断面の集合体で構成されて
いる。
【0013】本発明の製造方法でえられた繊維層材は、
繊維が厚さ方向に配列し且つその繊維相互が部分的に接
着しているため、繊維層材が厚さ方向の荷重を受けて
も、個々の繊維がバネの役割をはたして、弾力、復元力
がよく、ヘタリの少ないものとなり、繊維層材全体とし
ては極めて変形し難く、剛直な感触を有し、バラけにく
く、クッション性の良いものとなるのでクッション材に
適する。また、本発明の繊維層材は、その表面の感触は
芝生様の感触であり、摩擦係数が高いので、例えば自動
車の座席マット材として使用した時には、その表面に設
けた他のシート材の動きが抑えられる利点があり、また
繊維が厚さ方向に並んでいるため、通気性がよく、長時
間使用しても汗ばむことがない利点がある。
【0014】本発明の製造方法でえられた繊維層材は、
厚さ方向に配列した繊維で構成され、厚さ方向の荷重に
対し弾力性があり、復元力がよく、ヘタリが少なく、バ
ラけにくく、しかも繊維層材の表面及び/又は裏面を切
断面とし、この切断面を各繊維の切断面の集合体で構成
されているから、流体が通過し易く、各種のフィルター
材として好適である。この繊維層材フィルター材に用い
た場合には、流体が表面又は裏面からスムースに入り、
厚さ方向に繊維方向が揃っているため、流体の流通性が
優れている。
【0015】この繊維層材をフィルターに用いるときに
は、流体を繊維方向に通す場合と流体を繊維と直角方向
に通す場合とがあるが、前記の性質を有する点からし
て、流体が繊維方向に通るように使用した場合は特に好
ましい。すなわち、繊維層の厚さ方向と略直角方向に配
列させた従来の繊維層材をフィルターに使用した場合に
は、流体の流れによる圧力損失により、フィルター材が
圧縮され、圧力損失の上昇が早くなり、ダストの保持量
が多く取れない等の欠点があったが、本発明の繊維層材
を流体が繊維方向に通るようにしてフィルターに用いる
場合にはかかる欠点がない。そのため、本発明の繊維層
材は、フィルター材として使用した時、従来の繊維層の
フィルター材に比し、同じ厚みで比較した場合、ほぼ2
倍以上寿命の長いフィルター材が得られる。また、本発
明の繊維層材を流体が繊維と直角方向に通すようにして
フィルターに用いる場合には、圧力損失が高く、ダスト
保持量が低くなるが、捕集率は高くなる。
【0016】
【実施例及び比較例】 実施例1 図を用いて本発明の実施例を説明する。太さ4デニー
ル、長さ51mmのポリエステル系熱接着性繊維(商品
名メルテイ、ユニチカ株式会社製、ポリエステル繊維を
芯とした芯鞘構造繊維)を100%使用して、カード機
にて繊維が長手方向に配向したウェッブを作った。この
ウエッブを150℃の加熱処理機中で3分間加熱処理し
て、熱接着繊維相互を部分的に溶融接着させシート状繊
維層を得た。シート状繊維層は目付け52g/m2、厚
さ0.86mmであり、また繊維の配向度は長手(縦)
方向の強度と幅(横)方向の強度より計算して91.7
%であった。
【0017】図2に示すごとく、上記のシート状繊維層
5を、その繊維方向が垂直になるようにヒダ折り加工し
た。ヒダ折りの折り部6、6間、すなわちヒダ折りの高
さは45mmであった。ヒダ折り配列したシート状繊維
層5の折り部6、6間の繊維は垂直方向に配列されてい
た。次いで、ヒダ折り配列したシート状繊維層5を折り
畳み方向の略直角方向に、すなわち左右から圧縮して、
130℃で加熱処理機中にて10分間加熱処理した。厚
さ45mm、目付け2250g/m2の一体化した繊維
塊が得られた。図3はこの繊維塊7の斜視図である。熱
処理によって隣接したシート状繊維層5、5の繊維相互
も部分接着し、シート状繊維層5、5同士が強固に接着
している。したがって、繊維塊7は一体化されたものと
なった。また、この繊維塊7はその構成繊維相互が接着
しているため、剛性を有しており、丁度硬質発泡スチロ
ールの如き感触を有するものであった。
【0018】この繊維塊7を繊維配列方向に垂直方向
に、すなわち図3では水平方向にスライスして本発明の
繊維層材1を得た。この繊維層材のバラけ性をみるため
に、繊維層材1を厚さ35mmにスライスし、この繊維
層材の厚さ方向に引張り応力をかけ繊維層がバラけるま
での荷重を測定したところ、2.0kg/cm幅であっ
た。また、この繊維塊7を繊維配列方向と垂直の方向に
厚さ約10mm、厚さ約5mm及び厚さ約3mmにスラ
イスして3種の繊維層材を作成した。そして、圧縮率、
変形率、圧縮弾性率、通気性及びD.H.Cを測定し
た。その結果を表1のNo.1〜3に示す。圧縮率、変
形率、圧縮弾性率の測定はJIS L1096に従っ
た。また、通気性はJIS L1096のフラジール法
に従った。また、D.H.Cは、ダスト消石灰を速度3
m/分で濾過し、圧損上昇が150mmAqになる迄の
ダスト保持量である。
【0019】比較例 比較のため、上記実施例1で使用したポリエステル系熱
接着繊維を100%使用して、カード機で繊維が水平方
向にアトランダムに配列しているウェッブを作り、15
0℃の熱処理機中にて3分間熱処理して、熱接着繊維の
一部を溶融接着させ、それぞれ厚さ約10mm、約5m
m、約3mmで、目付け約500、250、160g/
2の3種の繊維シートを作成した。各繊維シートの構
成繊維はその厚さ方向と直角方向にアトランダムに並ん
でいた。各繊維シートについて物性値を、実施例1と同
様に測定した。その結果を表1のNo.4〜6に示す。
【0020】また、比較のため、上記実施例1で使用し
たポリエステル系熱接着繊維を100%使用して、カー
ド機にて繊維が長手方向に配向した繊維ウェッブを作っ
た。この繊維ウエッブの目付けは50g/m2、厚さ1
0mmであり、また繊維の配向度は長手(縦)方向の強
度と幅(横)方向の強度より計算して91.7%であっ
た。この繊維ウエッブをそのまま実施例1と同様に、そ
の繊維方向が垂直になるようにヒダ折り加工した。ヒダ
折りの高さは45mmであった。次いで、ヒダ折り配列
したものを折り畳み方向の略直角方向に、すなわち左右
から圧縮して、130℃で加熱処理機中にて10分間加
熱処理した。厚さ45mm、目付け2000g/m2
一体化した繊維塊が得られた。この繊維塊をスライスし
て繊維層材となした。この繊維層材のバラけ性をみるた
めに、厚さ35mmの繊維層材にスライスし、この繊維
層材の厚さ方向に引張り応力をかけ繊維層がバラけるま
での荷重を測定したところ、1.0kg/cm幅であっ
た。実施例1の繊維層材に比しバラけ易かった。また、
この繊維塊を繊維配列方向と垂直の方向に厚さ約3mm
にスライスして繊維層材を作成した。そして、その物性
値を実施例1と同様に測定した。その結果を表1のN
o.7に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1から分かるように、本発明の繊維層材
は、比較例のNo.4〜6の繊維シートに比較して密度
が小さいにもかかわらず、圧縮率、変形率が極めて小さ
く、圧縮弾性率が大きい。圧縮率は、一定の荷重を掛け
た時の厚さ方向のヘタリ状態を表し、この数値が小さい
と厚さ方向のヘタリが少ないことを示す。変形率は、一
定時間荷重後除重した時の元の厚さよりどの程度変形し
ているかの尺度であり、この数値が小さい程繰返し荷重
に耐え、厚さ方向に対するヘタリが少ないことを示す。
また圧縮弾性率は、一定時間荷重後除重した時の厚さ方
向の復現力を表し、その値が100%の場合は完全に元
の厚さに戻ること意味する。
【0023】
【発明の効果】本発明の繊維層材の製造方法では、熱接
着性繊維を含み、且つ繊維が一方向に配列した繊維ウェ
ッブを形成させ、この繊維ウェッブを一旦熱接着性繊維
の溶融点以上の温度で加熱して繊維ウェッブを構成する
繊維相互を部分的に接着させて繊維シートとなし、この
繊維シートを素材にして繊維層材を製造したので、得ら
れた繊維層材は、従来の上記繊維ウェッブを素材にして
製造した繊維層材に比し、同じ繊維を原料を用いても剛
直な感触に富み、また負荷がかかってもバラけにくい繊
維層材が得られる。
【0024】また、上記の繊維を一方向に配列した繊維
ウエッブをそのまま素材に用いた場合には、嵩高過ぎ
て、折り畳み工程でのテンションが余り掛けられないた
め、折り工程に長時間必要となり、また仕上がった繊維
塊の繊維相互の接着が充分にできず、繊維層材がバラけ
易くなったり、反発弾性が弱く、ヘタリ易いものにな
る。更に折り畳み数が多く取れないために、繊維量が少
なくなり、フィルター材としての特性も得られない。本
発明の製造方法では、上記繊維ウェッブを一旦加熱して
熱接着性繊維で繊維相互を熱接着した繊維シートにして
いるので、折り畳み時のテンションにも充分耐えるた
め、折り工程時間を短縮でき、また折り畳み数が多くと
れ、円滑に圧縮加熱が行え、しかもバラけにくい繊維層
材が得られる。そして、本発明の製造方法で得られた繊
維層材は、マットやフィルター材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】一部模式的に拡大した本発明の繊維層材の斜視
図。
【図2】本発明の繊維層材の製造過程におけるシート状
繊維層繊維層のヒダ折り状態を示す斜視図。
【図3】本発明の繊維層材の製造過程における繊維塊の
斜視図。
【図4】一部模式的に拡大した従来の繊維層シートの斜
視図。
【符号の説明】 1 繊維層材、2 繊維、3 繊維相互の接着部、4
切断面 5 シート状繊維層、6 ヒダ折り部、7 繊維塊

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱接着性繊維を含み、且つ繊維が一方向に
    配列した繊維ウェッブを形成し、この繊維ウェッブを熱
    接着性繊維の溶融点以上の温度で加熱して繊維ウェッブ
    を構成する繊維相互を部分的に接着させて繊維シートと
    なし、その後該繊維シートを繊維配列方向に対し垂直方
    向に折り畳み、次いでこの折り畳み物を折り畳み方向の
    略直角方向に圧縮し、再び熱接着性繊維の溶融点以上の
    温度に加熱し繊維相互を部分的に接着させて一体化した
    繊維塊となし、その後該繊維塊を繊維配列方向に対しほ
    ぼ垂直方向に切断することを特徴とする繊維層材の製造
    方法。
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