JPH08225985A - ビスマス−スズ合金めっき浴 - Google Patents

ビスマス−スズ合金めっき浴

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JPH08225985A
JPH08225985A JP2647995A JP2647995A JPH08225985A JP H08225985 A JPH08225985 A JP H08225985A JP 2647995 A JP2647995 A JP 2647995A JP 2647995 A JP2647995 A JP 2647995A JP H08225985 A JPH08225985 A JP H08225985A
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JP
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bismuth
plating bath
salt
acid
bath
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JP2647995A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Tanabe
靖博 田辺
Junichi Katayama
順一 片山
Yukio Nishihama
幸男 西浜
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Okuno Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Okuno Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】陰極電流密度の変動に伴う析出合金組成の変動
がほとんどなく、ビスマスの置換析出が生じることがな
く、しかも平滑化剤、光沢剤等を配合した場合にも、B
i含有率の低下や電流効率の低下が生じ難い。 【構成】ビスマス塩、2価のスズ塩、ビスマス塩及び2
価のスズ塩を溶解する酸、並びに、一般式(a): (R1 3 P (a) 〔式中、R1 は、低級アルキル基、シクロアルキル基又
はフェニル基を示す〕で表わされる化合物、一般式
(b): 〔式中、R2 は低級アルキル基又はフェニル基、R3
ハロゲン原子又は基OM(Mは水素原子、アルカリ金属
又は低級アルキル基)〕で表わされる化合物、及び一般
式(c): 〔式中、R4 、R5 、R6 、R7 及びR8 は、同一又は
異なって、水素原子又はアルカリ金属を示す〕で表わさ
れる化合物を含有するビスマス−スズ合金めっき浴。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビスマス−スズ合金め
っき浴に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子部品にはんだ接合を行う際の
下地皮膜としては、Sn−Pb合金皮膜が広く用いられ
ている。しかしながら、近年、Pbによる環境汚染が問
題となり、将来的には鉛の使用制限が行われる可能性が
高いために、Sn−Pb合金の代替として使用し得る低
融点合金皮膜の開発が望まれており、Bi−Sn、Sn
−In、Sn−Sb、Sn−Ag、Sn−Zn等の各種
合金の使用が検討されている。
【0003】また、電子工業の発展に伴い半導体関係で
は部品の小型化、プラスチック基板の導入検討などの動
向により、より低いはんだ接合温度が求められている
が、従来用いられているSn−Pb合金は、共晶点が1
83℃であり、この温度以下のはんだ接合は困難であ
る。Pbを含有しない合金の中では、Bi−Sn合金の
共晶点が139℃であり、Sn−Pbの共晶点より40
℃程度低く、また、BiはIn、Agなどの他の金属元
素と比較して安価であり、しかも、毒性が低いために、
低温接合用皮膜としてBi−Sn合金に対する期待が高
まっている。
【0004】従来、Bi−Sn合金めっき浴としては硫
酸浴、有機スルホン酸浴(特開昭63−14887号公
報)などが報告されている。しかしながら、公知の硫酸
浴、有機スルホン酸浴等では、低電流密度部分において
Bi含有率が低くなる傾向があり、Biが57重量%以
下のBi−Sn合金ではBi含有率が低いほど皮膜の融
点が高くなることから、低電流密度部分ではBi含有率
が低下してはんだ濡れ性が低下するという問題点があ
る。例えば、プリント配線基板のスルホール部分につい
ては、めっきの際に低電流密度部分となることから、形
成される合金皮膜のBi含有率が低くなって、はんだ濡
れ性が低下する可能性がある。
【0005】更に、Bi−Sn合金浴の大きな欠点とし
て、Snに対してBiが貴な金属であるために、従来の
硫酸浴、有機スルホン酸浴等では、浴中のBiイオンが
置換析出反応を起こし易く、被処理物を浴中に浸漬する
際或いは浴から引き上げる際に、通電されていないと被
処理物や形成されたBi−Sn合金膜表面にBiが置換
析出することがある。このように被処理物にBiが置換
析出した場合には、その上にBi−Sn合金皮膜が形成
されても良好な密着は得られず、また、得られたBi−
Sn合金皮膜上にBiが置換析出した場合には、置換析
出した皮膜にはBi酸化物が多く含有されているため、
皮膜のはんだ濡れ性、接合強度などについて悪影響があ
る。また、Bi−Sn合金めっき浴において陽極として
Sn又はBi−Sn合金を用いた場合には、陽極に対し
ても非通電時にBiの置換析出が発生し、これによりめ
っき浴中のBi、Sn金属濃度に変動が起こり、電析に
より得られるBi−Sn合金皮膜の組成にも変動が生じ
る。
【0006】更に、Bi−Sn合金めっき浴には、平滑
で緻密なめっき皮膜を得るために、通常、平滑化剤とし
てのノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテルなど)や、光沢剤としてのSn用、S
n−Pb用等の公知の光沢剤等が添加されているが、こ
れらの添加剤を配合した場合には、皮膜中のBi含有率
が大きく低下する傾向が認められる。
【0007】
【発明が解決すべき課題】本発明の主な目的は、従来浴
での問題点であった陰極電流密度の変動に伴う析出合金
組成の変動やビスマスの置換析出がほとんど生じること
がなく、しかも平滑化剤、光沢剤等の添加剤を配合した
場合にも、Bi含有率の低下が生じ難いビスマス−スズ
合金めっき浴を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した如
き従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねてきた。そ
の結果、ビスマス塩、2価のスズ塩、及びこれらの金属
塩を溶解する酸を基本成分として含有するめっき浴に、
更に、特定の有機リン化合物を添加したビスマス−スズ
合金めっき浴によれば、上記目的が達成されることを見
出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、(i) ビスマス塩、(ii)2
価のスズ塩、(iii)ビスマス塩及び2価のスズ塩を溶解
する酸、並びに(iv)一般式(a): (R1 3 P (a) 〔式中、R1 は、低級アルキル基、シクロアルキル基又
はフェニル基を示す〕で表わされる化合物、一般式
(b):
【0010】
【化3】
【0011】〔式中、R2 は、低級アルキル基又はフェ
ニル基を示し、R3 は、ハロゲン原子又は基OM(Mは
水素原子、アルカリ金属又は低級アルキル基を示す)を
示す〕で表わされる化合物、及び一般式(c):
【0012】
【化4】
【0013】〔式中、R4 、R5 、R6 、R7 及びR8
は、同一又は異なって、水素原子又はアルカリ金属を示
す〕で表わされる化合物から選ばれた少なくとも一種の
有機リン化合物を含有することを特徴とするビスマス−
スズ合金めっき浴に係る。
【0014】本発明のビスマス−スズ合金めっき浴は、
ビスマス塩、2価のスズ塩、及びこれらの金属塩を溶解
する酸を基本成分として含有するものである。
【0015】本発明のめっき浴に配合するビスマス塩及
びスズ塩としては、特に限定はなく、後述するこれらの
金属塩を溶解する酸を含有するめっき浴中において、沈
殿を生じることなく安定に存在し得るビスマス塩及び2
価のスズ塩であればいずれも用いることができる。この
様なビスマス塩の具体例としては、硫酸ビスマス等の無
機酸塩、メタンスルホン酸ビスマス等の有機スルホン酸
塩、酢酸ビスマス等の有機酸塩、酸化ビスマス、水酸化
ビスマス、塩化ビスマス等を挙げることができ、2価の
スズ塩の具体例としては、硫酸スズ等の無機酸塩、メタ
ンスルホン酸スズ等の有機スルホン酸塩、酢酸スズ等の
有機酸塩、酸化スズ、水酸化スズ、塩化スズ等を挙げる
ことができる。ビスマス塩及び2価のスズ塩は、それぞ
れ一種単独で、或いは二種以上組み合わせて用いること
ができる。
【0016】これらのビスマス塩及び2価のスズ塩のう
ちで、溶解性が良く浴安定性が良好である点で、酸化ビ
スマス、メタンスルホン酸ビスマス等のビスマス塩、及
び酸化スズ、メタンスルホン酸スズ等のスズ塩が好まし
い。
【0017】本発明のめっき浴におけるビスマス塩の配
合量は、ビスマス金属として、1〜40g/l程度とす
ればよく、3〜10g/l程度とすることが好ましい。
また、スズ塩の配合量は、スズ金属として、1〜50g
/l程度とすればよく、5〜30g/l程度とすること
が好ましい。ビスマス塩とスズ塩の配合割合は、上記し
た各濃度範囲において、めっき浴中における金属分の重
量比として、ビスマス:スズ=1:9〜4:6程度の範
囲となるようにすればよく、かかる金属比の範囲内にお
いて、陰極電流密度とは無関係に、浴中の金属比とほぼ
等しい組成を有するビスマス−スズ合金皮膜を形成する
ことができる。
【0018】本発明のビスマス−スズ合金めっき浴に
は、ビスマス塩及び2価のスズ塩を溶解する酸を配合す
ることが必要である。このような酸を配合することによ
って、ビスマス塩及びスズ塩が浴中で安定に存在し、金
属分の沈殿の生じ難い安定性のよいめっき液が得られ
る。この様な酸の具体例としては、硫酸;メタンスルホ
ン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタン
スルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸
等のアルカンスルホン酸;2−ヒドロキシエタンスルホ
ン酸、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−ヒドロ
キシブタンスルホン酸等のアルカノールスルホン酸;フ
ェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、ジメチル
フェノールスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエン
スルホン酸、キシレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸
等を挙げることができる。本発明では、これらの酸を一
種単独で、或いは二種以上混合して用いることができ
る。
【0019】これらの酸のうちで、浴の安定性が良好で
ある点で、メタンスルホン酸が好ましい。
【0020】本発明のめっき浴において、ビスマス塩及
び2価のスズ塩を溶解する酸の配合量は、10〜500
g/l程度とすればよく、100〜400g/l程度と
することが好ましい。酸の配合量が少なすぎる場合に
は、ビスマス塩及びスズ塩の溶解性が低下してめっき浴
の安定性が悪くなり、また、低電流部の析出性も低下す
るので好ましくない。一方、酸の配合量が多すぎると、
均一な皮膜を得難くなるのでやはり好ましくない。
【0021】本発明ビスマス−スズ合金めっき浴には、
添加剤として下記一般式(a): (R1 3 P (a) 〔式中、R1 は上記に同じ〕で表わされる化合物、一般
式(b):
【0022】
【化5】
【0023】〔式中、R2 及びR3 は上記に同じ〕で表
わされる化合物、及び一般式(c):
【0024】
【化6】
【0025】〔式中、R4 、R5 、R6 、R7 及びR8
は上記に同じ〕で表わされる化合物から選ばれた少なく
とも一種の有機リン化合物を配合することが必要であ
る。本発明のめっき浴では、これらの特定の有機リン化
合物を配合することによって、浴中の金属比にほぼ対応
する組成を有し、低電流密度から高電流密度の広い範囲
において合金組成の変動のほとんどないビスマス−スズ
合金めっき皮膜を形成することができる。また、この様
な有機リン化合物を配合したビスマス−スズ合金めっき
浴によれば、被めっき物や陽極に対するビスマスの置換
析出が生じることもない。
【0026】上記一般式(a)、(b)及び(c)にお
いて、低級アルキル基としては、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、tert- ブチル、ペンチル
等の炭素数1〜5の直鎖又は分枝鎖状アルキル基を例示
できる。また、一般式(a)におけるシクロアルキル基
としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペン
チル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチ
ル等の炭素数3〜8のシクロアルキル基を例示できる。
また、一般式(b)及び一般式(c)におけるアルカリ
金属としては、ナトリウム、カリウム等を例示できる。
また、一般式(b)におけるハロゲン原子としては、ヨ
ウ素、臭素、塩素等を例示できる。
【0027】上記した一般式(a)の化合物の具体例と
しては、トリ−n−ブチルホスフィン、トリシクロヘキ
シルホスフィン、トリフェニルホスフィン等を挙げるこ
とができ、一般式(b)の化合物の具体例としては、メ
チルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン
酸、ブチルホスホン酸、フェニルホスホン酸等のホスホ
ン酸、及びこれらのホスホン酸のナトリウム塩、カリウ
ム塩、ジメチルエステル、ジクロライド等を挙げること
ができ、一般式(c)の化合物の具体例としては、1−
ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、1
−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸ナトリウ
ム、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸カリ
ウム等を挙げることができる。本発明では、これらの有
機リン化合物を一種単独で、或いは二種以上混合して用
いることができる。
【0028】本発明において、好ましい有機リン化合物
は、トリフェニルホスフィン、フェニルホスホン酸、1
−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸等である。
【0029】本発明のめっき浴中への有機リン化合物の
配合量は、1〜500g/l程度とすればよく、1〜1
00g/l程度とすることが好ましい。この様な有機リ
ン化合物の添加量の範囲内において、陰極電流密度の変
動に伴う析出合金組成の変動がほとんどなく、ビスマス
の置換析出が生じることがないビスマス−スズ合金めっ
き浴が得られる。有機リン化合物の配合量が多くなり過
ぎると析出速度が低下する傾向にあり、しかも、低電流
密度部分における析出性が低下するので好ましくない。
一方、有機リン化合物の配合量が少なすぎると、十分な
添加効果が発揮されない。
【0030】本発明のめっき浴には、更に必要に応じ
て、平滑化剤、光沢剤等を配合することができる。平滑
化剤としては、従来公知のスズめっき浴、ハンダめっき
浴等に配合されている平滑化剤をいずれも用いることが
でき、例えば、α又はβ−ナフトールエトキシレート、
α又はβ−ナフトールプロポキシエトキシレート、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンオクチルフェニルエーテル、多核フェノールエト
キシレート、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエー
テル等のノニオン系界面活性剤を使用できる。平滑化剤
の配合量は、特に限定的ではないが、通常、0.1〜5
0g/l程度とすればよい。また、光沢剤としては、従
来公知のスズめっき浴、ハンダめっき浴等に配合されて
いるものと同様の光沢剤を配合でき、その具体例とし
て、ホルマリン、アセトアルデヒド等の脂肪族アルデヒ
ド、ベンズアルデヒド、o−クロルベンズアルデヒド等
の芳香族アルデヒド、トリアジン類の縮合環化合物、ト
リアゾール類、トリアジン類、トリアゾール類、アセト
アルデヒドとo−トルイジンとの反応生成物等を挙げる
ことができる。光沢剤は、通常、アルコールと水の混合
溶媒等に溶解して添加され、その配合量は、特に限定的
ではないが、通常、有効成分量として、0.001〜1
g/l程度とすればよい。尚、平滑化剤や光沢剤の添加
量が多くなり過ぎると、電流効率の低下、皮膜中への有
機物吸蔵量の増加等が生じるので、平滑化剤の配合量は
1〜30g/l程度とすることが好ましく、光沢剤の配
合量は0.01〜0.2g/l程度とすることが好まし
い。本発明のめっき浴では、平滑化剤や光沢剤を配合す
ることによって、均一かつ微細なめっき皮膜を形成する
ことができる。
【0031】本発明のめっき浴では、上述したような平
滑化剤、光沢剤等の添加剤を配合する場合にも、析出し
たビスマス−スズ皮膜中のビスマス含有率がほとんど低
下せず、はんだ濡れ性が低下することがない。
【0032】本発明のビスマス−スズ合金めっき浴を用
いてめっきを行なうには、常法に従って、脱脂、活性化
等の前処理を行なった被めっき物を、浴温15〜30℃
程度のめっき浴中に浸漬し、陰極電流密度0.3〜10
A/dm2 程度の範囲でめっきを行えばよい。本発明の
めっき浴によれば、この様な広い電流密度範囲におい
て、めっき浴中の金属濃度比にほぼ対応した合金組成を
有するめっき皮膜を形成することができる。めっきの際
には、陰極揺動、液流等の方法で機械的攪拌を行うこと
が好ましい。陽極としてはビスマス−スズ合金、ビスマ
ス、スズ金属等の可溶性陽極の他、チタン−白金板、カ
ーボン等の不溶性陽極を用いることもできる。また、本
発明のめっき浴によれば、低電流密度範囲においても、
めっき浴中の金属濃度比にほぼ対応した合金組成を有す
るめっき皮膜を形成できるので、バレルメッキ法によっ
てめっきを行なうこともできる。
【0033】本発明のめっき浴では、被めっき物として
は、特に限定はなく、各種の導電性物質から適宜選択し
て用いることができる。特に、本発明のめっき浴では、
形成されるビスマス−スズ合金めっき皮膜は、はんだ付
の下地皮膜としての有用性が高いので、例えば、はんだ
付の行なわれる電子部品を被めっき物として好適に用い
ることができる。
【0034】
【発明の効果】本発明のビスマス−スズ合金めっき浴に
よれば、浴中の金属濃度比に応じた組成を有し、低電流
密度から高電流密度の広い範囲において合金組成の変動
がほとんど生じないビスマス−スズ合金めっき皮膜を形
成することができる。また、該合金めっき浴よれば、被
めっき物や陽極に対するビスマスの置換析出反応が生じ
ることもない。更に、該合金めっき浴によれば、平滑化
剤、光沢剤等を配合した場合にも、合金組成の変動が生
じることがなく、はんだ濡れ性を低下することなく均一
かつ微細な合金めっき皮膜を形成することができる。
【0035】本発明のビスマス−スズ合金めっき浴は、
上記したような優れた特徴を有し、各種の用途に使用で
きるものであるが、特に、Sn−Pb合金の代替として
のはんだ付用下地めっき皮膜を形成するために有効に用
いることができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0037】実施例1 下記表1及び表2に記載の各組成を有するビスマス−ス
ズ合金めっき浴を調製し、下記の条件で各めっき浴を用
いて、ビスマス−スズ合金めっき皮膜を形成した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】めっき条件 陽極 Ti−Pt板 陰極 圧延Cu板 攪拌 カソードロッカー(1m/分) 浴温 25℃ 得られた各めっき皮膜について、高周波プラズマ発光分
光分析装置(ICP)によりBi含有率を測定し、陰極
電流密度とBi含有率との関係を求めた。その結果につ
いて、本発明めっき浴1〜4については図1に、本発明
めっき浴5〜7については図2に、比較めっき浴1〜4
については図3に、比較めっき浴5〜7については図4
に示す。本発明めっき浴については、陰極電流密度1〜
10A/dm2 の範囲についての結果を示し、比較めっ
き浴については、陰極電流密度0.5〜5A/dm2
範囲についての結果を示す。尚、比較浴1,2及び4〜
7については5A/dm2 以上の電流密度では密着のな
い粗雑な外観となり、比較浴3については2A/dm2
以上の電流密度では密着のない粗雑な外観となった。
【0041】これらの結果から明らかなように、本発明
のめっき浴によれば、1〜10A/dm2 という広い電
流密度範囲において、浴中濃度とほぼ同様の合金組成を
有し、合金組成がほぼ一定のめっき皮膜を形成できた。
これに対して、有機リン化合物を配合していない比較め
っき浴では、めっき皮膜のBi含有率は浴中濃度と比べ
て低い値となり、特に、平滑化剤及び光沢剤を配合した
比較浴1,2及び4〜7については、めっき皮膜のBi
含有率は浴中濃度と比べて非常に低くなり、2A/dm
2 以下の電流密度では、Bi含有率は極めて低い値とな
った。しかも、比較めっき浴では、電流密度の変動に伴
って、めっき皮膜の合金組成が大きく変動した。
【0042】また、本発明のめっき浴では、1〜10A
/dm2 の全ての電流密度範囲において、均一で緻密な
めっき皮膜が形成され、特に、平滑化剤及び光沢剤を配
合した本発明浴1,2及び4〜7については、より平滑
で緻密なめっき皮膜が形成された。これに対して、比較
めっき浴では、均一な外観のめっき皮膜が形成される電
流密度範囲が狭く、特に、平滑化剤及び光沢剤を配合し
ていない比較めっき浴3では、非常に狭い電流密度範囲
で密着性のある皮膜が形成されただけであった。
【0043】更に、本発明めっき浴では、めっき終了
後、被めっき物を浴中においたままで通電を停止しても
ビスマスの置換析出は生じなかったが、比較めっき浴で
は、めっき終了後、被めっき物を浴中においたままで通
電を停止すると、ビスマスの置換析出が生じた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明めっき浴1〜4についての陰極電流密度
とBi含有率との関係を示すグラフ。
【図2】本発明めっき浴5〜7についての陰極電流密度
とBi含有率との関係を示すグラフ。
【図3】比較めっき浴1〜4についての陰極電流密度と
Bi含有率との関係を示すグラフ。
【図4】比較めっき浴5〜7についての陰極電流密度と
Bi含有率との関係を示すグラフ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i) ビスマス塩、(ii)2価のスズ塩、(ii
    i)ビスマス塩及び2価のスズ塩を溶解する酸、並びに
    (iv)一般式(a): (R1 3 P (a) 〔式中、R1 は、低級アルキル基、シクロアルキル基又
    はフェニル基を示す〕で表わされる化合物、一般式
    (b): 【化1】 〔式中、R2 は、低級アルキル基又はフェニル基を示
    し、R3 は、ハロゲン原子又は基OM(Mは水素原子、
    アルカリ金属又は低級アルキル基を示す)を示す〕で表
    わされる化合物、及び一般式(c): 【化2】 〔式中、R4 、R5 、R6 、R7 及びR8 は、同一又は
    異なって、水素原子又はアルカリ金属を示す〕で表わさ
    れる化合物から選ばれた少なくとも一種の有機リン化合
    物を含有することを特徴とするビスマス−スズ合金めっ
    き浴。
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US6183545B1 (en) 1998-07-14 2001-02-06 Daiwa Fine Chemicals Co., Ltd. Aqueous solutions for obtaining metals by reductive deposition
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