JPH08225787A - コークス炉炭化室の異常状況判定装置および判定方法 - Google Patents

コークス炉炭化室の異常状況判定装置および判定方法

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JPH08225787A
JPH08225787A JP20725395A JP20725395A JPH08225787A JP H08225787 A JPH08225787 A JP H08225787A JP 20725395 A JP20725395 A JP 20725395A JP 20725395 A JP20725395 A JP 20725395A JP H08225787 A JPH08225787 A JP H08225787A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、コークス炉押出機の押出し抵抗を
測定して、炭化室のカーボン付着や壁面損傷などの異常
状況を監視するコークス炉炭化室の異常状況測定装置お
よびその測定方法を提供する。 【解決手段】 押出機のラム位置或いは時間を検出する
検出器と、誘導電動機の回転数を計測する測定器と、誘
導電動機のコークス押出し時における二次電流を測定す
る測定装置とを備え、これらからの信号を取り込んで押
出しトルクを演算する装置、および炭化室コークスを押
出し移動させる押出機のラム位置を検出すると共に、押
出機を移動させる誘導電動機の回転数およびコークス押
出し時における二次電流を測定し、これらの値を演算装
置に入力して押出しトルクを求め、その中のトルクのピ
ーク値およびそれと相関する押出機の位置から炭化室に
おける異常状態を判定する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコークス炉押出機の
押出し抵抗を精度良く測定して、炭化室のカーボン付着
や壁面損傷などの異常状況を監視するところのコークス
炉炭化室の異常状況測定装置およびその測定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般にコークスは、コークス炉の炭化室
に装入された石炭を加熱乾溜した後、これを室外に押出
し、冷却して製造されるが、このような作業が繰り返し
実施される炭化室では、炉壁に石炭の乾溜に伴って発生
するカーボンが付着し、繰り返し作業によってその付着
が次第に進行すると乾溜されたコークスケーキの押出し
作業に支障をきたす。すなわち、押出し抵抗(電動機側
ではトルク)が大きくなると共に、はなはだしい場合に
は押詰まりという事態が起こり、場合によっては炉の煉
瓦壁面が著しく損傷するに至る虞れがある。炉壁面に損
傷を起こすような状態で無理に過大なトルクで押出し作
業を続けると、押詰まり、或いは損傷が一層大きくなり
操業を一次中止しなければならないことになる。従っ
て、かかる事態の発生は未然に防ぐ必要がある。
【0003】一方、炭化室への装入物の性状や炉の乾溜
状態によっても押出しトルクは大きく左右される。従っ
て、炭化室でのコークスケーキを押出す際の抵抗(トル
ク)値を正確に測定することは、炉壁の状態および操業
の状態を判断するのに重要な項目である。
【0004】コークス炉押出機の負荷トルク値を、負荷
電流を測定して求める方法には、既に「一次電圧と一次
電流」を測定する方法が公開されている(例えば「コー
クスサーキュラー」第40巻第3号(1991)168
〜170頁参照)。この方法は、負荷測定装置を用いて
二次出力を求め、さらに電動機の回転数を入力し、その
微分値を加速トルクに置き換えて、負荷トルク値を求め
るものである。ここでいう負荷測定装置は、一次電流と
一次電圧を入力し、また電動機の加速負荷や内部損失を
予め定数または起動からの時間による関数として入力し
ておき、演算によりモータートルクを算出するものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の押出機
の押出し用電動機の一次電圧、一次電流を測定する方法
は、以下の欠点がある。つまり (1)二次出力を求めるために、負荷測定装置を別に設定
し、一次電圧、一次電流値より二次出力を求める必要が
ある。 (2)負荷測定装置は、電動機内部損失分を演算して二次
出力を求めるが、この演算に用いる定数は、想定した一
定値を設定する方法であり、正確さには限度がある。 (3)さらに一次電流は、ラムが始動する際のように大き
な負荷変動は把握できるが、押出しラムが定速域に入り
炭化室中央部以降になると押出し負荷変動を感度良く把
握する程のS/N比が得られない(図6)。従って、炭
化室内部の異常検知法としての機能は有していない。 以上のことから負荷測定装置を設定することによるスペ
ース上、費用上の欠点がある。
【0006】本発明は、このような従来の問題点を改善
するものであり、従来の押出機に対し容易、かつ安価に
設置することを可能とし、さらに高精度に押出し抵抗を
測定することによりコークス炉炭化室の異常状況を正確
に判定する装置および判定方法を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、一般的に押出機の押出し用電動機として使用
されている巻線型誘導電動機の、回転子の電流(以下こ
れを二次電流という。)を計測し合わせて電動機の回転
数を検出して電動機の出力トルク(負荷トルクの絶対
値)を演算し、これにより精度の高い押出し抵抗を測定
するという手段を採用した。
【0008】すなわち、本発明は、炭化室コークスを誘
導電動機を用いて移動させる押出機において、該押出機
のラム位置を検出する検出器と、該誘導電動機の回転数
を計測する測定器と、該誘導電動機のコークス押出し時
における二次電流を測定する測定装置とを備え、かつ、
これらの機器からの信号を取り込んで押出しトルクを演
算する演算装置から構成されることを特徴とするコーク
ス炉炭化室の異常状況判定装置を提供するものである。
さらに、本発明は、炭化室コークスを押出し移動させる
押出機のラム位置を検出すると共に、押出機を移動させ
る誘導電動機の回転数およびコークス押出し時における
二次電流を測定し、これらの値を演算装置に入力して押
出しトルクを求め、その中のトルクのピーク値(押出し
開始から押出し完了までの間の最大値ではなくトルク変
動推移の中での極大値をピークという)およびそれと相
関する押出機の位置から炭化室における異常状態を判定
することを特徴とするコークス炉炭化室の異常状況判定
方法を提供するものである。また、炭化室コークスを押
出し移動させる押出機のラム位置或いは押出し開始より
の時間を検出すると共に、押出しラムを移動させる誘導
電動機の回転数およびコークス押出し時における二次電
流を測定し、これらの値を演算装置に入力して押出しト
ルクを求める際に、二次電流はある周期をもって脈動し
ており、結果として算出トルクも脈動しているが、これ
らの脈動の周期を抽出し、該周期によって炭化室内のラ
ム移動の各位置での炭化室異常を検知する方法を提供す
るものである。
【0009】上記押出機のラム位置の検出は、レーザー
距離計やラムビームの移動距離の計測等により直接測定
する方法も可能であるし、ロータリーエンコーダー等の
接触回転式位置検出法、或いは電動機軸の回転数を計測
してラムの移動距離を計算するような間接的に算出する
方法によることもできる。また、時間すなわち押出機の
押出し開始よりの経過時間を検出してもよい。押出し開
始からの経過時間によっておよそのラムの炭化室内位置
が判断できるからである。押出し開始からの経過時間の
検出は、時間を直接測定する方法も可能であるが、電流
記録計または回転数記録計等のチャートから読取ること
もできる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、押出機のラム位置の
直接或いは間接測定を行い、もしくは押出し開始からの
時間経過を測定すると共に、一次電流でなく二次電流を
計測し、さらに、この二次電流の変化とともに電動機の
回転数を検出し、電動機出力トルク(負荷トルクの絶対
値)を演算するようにしたから、従来の一次電流の計測
では困難であった押出し中の電動機の負荷トルクの変動
を正確に捕らえることができ、かつ、より精度の高い押
出し抵抗を求めることができ、これにより炭化室のカー
ボン付着度の的確に判定することができる。
【0011】
【実施例】図2は、コークス押出機を備えたコークス炉
を概略的に示すもので、主として装炭車1、炭化室2、
炭化室2内にて往復摺動自在に設けられた押出しラム
3、押出しラム3の先端に装着されたラムヘッド4、押
出しラム3に係合するようにして設けられた押出機5、
炭化室2の下方に設けられた蓄熱室6、炭化室2の下流
端に設けられたコークスガイド車7、コークス消火車8
とからなっている。
【0012】このコークス炉の操業において、炭化室2
内に装入された石炭は、10数時間の乾留で軟化、溶
融、固化、収縮しコークス9となる。このコークス9は
押出機5に係合する押出しラム3のラムヘッド4により
押出され、炭化室2からコークスガイド車7を介してコ
ークス消火車8に排出される。
【0013】次に、このコークス押出機における本発明
による操業方法を図1に示すブロック図を参照しながら
説明する。押出しラム3の上縁には往復摺動用ラック1
1が設けられていて、これに駆動用ピニオン12が歯合
している。この駆動用ピニオン12は押出機用電動機1
3により駆動されるようになっている。また、駆動用ピ
ニオン12には押出機用電動機13の回転数を検出する
ための回転数検出器14が接続されている。さらに押出
機用電動機13には電動機電源側配線15、電動機二次
配線16を介して押出し電動機用制御盤17が接続され
ている。この押出し電動機用制御盤17は電動機二次電
流検出器18を介して演算装置19に接続されており、
また、この演算装置19には、さらに上記回転数検出器
14および押出しラム位置検出器(例えばレーザー距離
計)20が接続されていて、特定の押出しラム位置にお
ける電動機の出力軸でのトルク(負荷トルクの絶対値)
が、この演算装置19により計測されるようなってい
る。上記ラム位置検出器20はタイマーに置き換えても
よく、押出し開始よりの時間経過を測定することによっ
て、炭化室の異常位置を計測できる。電動機二次電流検
出器18は、回転子に流れる電流値が測定できる部位で
あれば、電動機制御盤17前後のいずれに設置してもよ
く、また具体的方法として電流検出器を配線内に組み込
むこともできるし、より簡易な方法として回転子と繋が
っている二次回路の配線を外部から挟んで電流値を測定
できるクランプ式計器でもよい。
【0014】なお、21はホストコンピュータシステム
であって、演算装置19における測定結果およびコーク
ス炉の設備や操業のデータが記憶され、測定された演算
結果に対し、比較データを供給し得るようになってい
る。22は演算装置19により得られた結果を出力表示
(記録)するためのデータ採集用記録計である。
【0015】なお、この演算装置19は、上記のように
計測値を取り込んで上記演算を行い負荷トルクを連続的
に求め、演算結果のデータのうち、トルクピーク値或い
は平均値の差が、予め設定した値を越えた場合、警報を
出すシステムとすることができる。現在および過去の演
算結果のデータは接続しているホストコンピュータに保
存する。また、演算装置19には過去のデータとの差の
比較を行い、一部でも差が予め設定した値を越えた場合
に警報信号を出力することができる。さらに、保存デー
タの連続表示および印字を出力する機能、およびホスト
コンピュータシステム21とのデータ伝送機能を有す
る。また、ホストコンピュータシステム21には、演算
装置とのデータ伝送機能や演算結果のうちのデータ保存
機能、また計測時に予め炭化室の窯番号等の操業上必要
なデータを演算装置に伝送する機能を有する。
【0016】本発明の押出しラムを押込み移動させる動
力は、巻線型の誘導電動機を用いるが、この誘導電動機
で一次電流値のみに基づいて負荷トルクを測定する従来
方式では、負荷トルクとは関係ない電流までを含むため
別に負荷測定装置が必要なのに対し、二次電流は負荷ト
ルクでほぼ決定される二次回路電圧に左右されるから、
負荷トルクと連動した値が流れる。そのことから、二次
電流と回転数、電動機二次回路の抵抗値を計算し、以下
の演算を行うことにより精度の高い負荷トルクを求める
ことができる。
【0017】この電動機の出力軸でのトルク“T”は以
下の式(1)により求められる。 T={(0.95×m)/Ns}×{(12 2 ×R2 )/S}‥‥‥(1) ここで、 Ns:電動機の同期回転数 N :電動機の運転回転数 S :電動機の回転すべり[(電動機の同期回転数Ns
−電動機の運転回転数N)/電動機の同期回転数Ns] 12 :二次電流 R2 :二次回路の電気抵抗 m :電動機の相数 上記式(1)により、電動機の出力軸でのトルクを電気
的方法で連続的に計測することができる。
【0018】二次電流は、電磁誘導により誘起されるも
のであるが、巻線ローターを回転させる力に対して負荷
が高い場合は回転子の回転速度が遅く、実際の回転数が
上がらず高い周波数つまり短い周期となる。負荷が低い
場合には、回転数が同期回転数に近くなり長い周期で変
動する電流となる。このように二次電流は、モーターに
かかる仕事の大きさによって変化するものであり、この
変化によっても、炭化室内の異常を検知することが可能
である。
【0019】なお、誘導電動機の電流より求めるトルク
には、加速時の加速トルクと負荷トルクの和となって現
れるため、正しい負荷トルクを求めるのには加速トルク
を減じてやる必要がある。このため、電動機の回転信号
を取込み、速度の微分演算を求め、加速トルクを求めて
いる。さらに演算上のトルクより加速トルクを減じて、
必要な負荷トルクを演算装置の中で演算する。
【0020】以下に本発明の具体例を示す。図3〜5は
炉高6.5m、炉幅430mm、炉長15.8mのコーク
ス炉において実施した結果を示している。この場合、演
算装置19は100msの演算周期のものを使用し、図1
に示すブロック図に基づいて実施した結果を示してい
る。これら図において、いずれも横軸は押出しラムの位
置を表している。ここで、図3は二次電流の変化を示す
図、図4は電動機回転数の変化を示す図、図5は演算装
置19で得られたトルク計算値の変化を示す図である。
なお、比較のため、図6に一次電流を測定した結果を図
3との対比で示す。
【0021】これら図において、Aの部分は押出しラム
ヘッド4が押出機5側窯口よりスタートし、炭化室のコ
ークスケーキを圧縮している期間であり、すなわち、電
動機の回転数があがり、二次電流がピーク点に達する。
また、図5により明らかのごとく、この区間は押出しト
ルクが徐々に大きくなっていく期間と想定される。
【0022】Bの部分は、コークスケーキ全体が移動を
開始し、コークガイド7の格子上を通過している状態を
示す。ピーク点bがコークスケーキ圧縮の最終点を示
し、この直後よりコークスケーキ9が炭化室の内壁を滑
って移動を開始するため電流は降下する。一方、押出し
トルクはこの区間の最初の部分に最大値b′が表れる。
この最大負荷トルク値は、炭化室長全域での壁面との摩
擦力を反映しており、該トルク値が高い場合には壁面の
損傷が激しいかまたは補修直後で表面状態が平滑化して
いない場合等が考えられる。
【0023】さらに、同一窯におけるこの最大値の推移
を過去のデータと比較することにより窯内状況の判断が
可能である。過去何データかの平均値またはそれを基礎
に管理範囲を定めておき、その基準値との比較で測定し
た最大値を評価することができる。最大値が高い場合に
は、乾留状態を改善して、コークス塊の収縮率を高めて
窯出しし易いように操業したり、窯内の煉瓦の状態を点
検して補修を施して対応する。図4ではノッチ切替え
(加速)により電動機回転数が上昇している様子を表し
ている。
【0024】Cの部分は、コークスケーキがガイド車格
子を通って、コークス消火車9内に落下している状態を
示す。コークスケーキはある固まりになって、順次落下
しており、その周期で二次電流および電動機出力トルク
が変動している。また、押出しコークスケーキ量が順次
減少しているので、電流も順次減少している。また、窯
の状態により電動機出力トルクの変動が敏感に現れる。
図3の二次電流値に低いピーク点cが認められ、対応位
置の押出しトルク値にもピークc′が見られるが、この
例では窯中間点付近でコークスケーキの崩れ、または窯
の状態が多少悪化し(カーボン付着大)、トルクが増大
したものである。
【0025】Dの部分は、押出しラムの先端がガイド車
格子の中を通過している状態を示し、窯内の状態に関係
なく一定の押出し抵抗を示している。なお、この区間の
後半は停止用のブレーキが動作を始め、そのために電流
が増加する。
【0026】このようにして、BおよびCの部分の電動
機出力トルクを計測し、押出しラム起動後のピーク値を
監視することにより窯内の異常状態や乾留状態の判断が
可能となる。また、この場合、各窯毎の最大抵抗値を前
回値と比較することにより、窯の状態の判断が容易とな
り、押出し抵抗値の挙動を監視することにより窯内の異
常な箇所を判断することも可能となる。さらに、長期的
なデータ採取により窯の異常状態の進行状況が把握可能
となる。
【0027】同様に、二次電流の波形を図7に示した
が、(a)図は炭化室内の異常が少ない通常の窯であ
る。(b)図は炭化室内壁面の損傷した異常窯である。
(a)図の波形は、前半4m程度は押出しラムを始動し
加速するために高いトルクがかかる。この区間では二次
抵抗値を高いものに切替えて始動電流を抑え高トルクを
出力させる操作をしているために脈動が見えなくなって
いるが、その区間が過ぎ定速に入ると、ほぼ1.6秒か
ら2.1秒周期程度の安定した周期を示している。中盤
より後半の方ではコークスが炉外に落下してラムにかか
る負担が軽くなったことによる電動機負担軽減の効果が
見えている。一方、(b)図の波形は、前半から二次電
流値の絶対値も高いが脈動の周期も短い。この(b)図
のデータを採取した炭化室は、中央部からガイド車より
の下部煉瓦に損傷があり、前日に溶射補修をした炭化室
であった。溶射補修した直後には表面の馴染みが悪く、
押出し抵抗が上昇する傾向は従来より把握していたが、
この窯のようにコークス塊を押出すラムが通過する際に
大きな抵抗となる要因がある場合、特に高い負荷がかか
るが、この二次電流のチャートにおける脈動周期からも
高い負荷がかかっていることが伺える。このように、二
次電流値の絶対値からでなく周期から炭化室の異常を検
出することが可能である。
【0028】発明者らが、検証した機器においては、周
期が1.3秒以下になると壁面が1m前後の長さで肌荒
れ損傷して正常窯の30%増の負荷がかかっていること
を見いだした。また、1.0秒以下になると、前日の補
修材の盛り上がりなど10m程度の凹凸があることが判
った。
【0029】本発明は、電動機定格とこれにかかる負荷
レベルの差に起因するものであり、一概に周期または周
波数の絶対値で基準化することはできないが、各電動機
毎に実機において検証することにより、炭化室異常判定
検出技術として活用できることを確認した。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明において
は、巻線型誘導電動機の二次電流を計測し、合わせて電
動機の回転数を検出して電動機の出力トルク(負荷トル
クの絶対値)を演算するようにしたから、電動機の負荷
トルクの変動を正確に捕らえることができ、電気的過渡
期期間を除いて炉内全長に亘って押出し抵抗の計測が可
能であり、コークス炉炭化室のカーボン付着状況、炉壁
の損傷状態、乾留状態を正確に判断することが可能とな
る。また、この異常状況判定装置は従来のコークス押出
機を特に改造する必要もなく、そのまま容易に設けるこ
とができることなどから、設備コストも安価で済むなど
顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるコークス炉炭化室の異常状況判
定装置のブロック図。
【図2】コークス炉の模式的に示す一部断面図。
【図3】二次電流の変化を示す線図。
【図4】電動機回転数の変化を示す線図。
【図5】演算装置で得られたトルク計算値の変化を示す
線図。
【図6】一次電流の変化を示す線図。
【図7】(a)は通常窯での二次電流の変化を示す図、
(b)は異常窯での二次電流の変化を示す図。
【符号の説明】
1…装炭車 2…炭化室 3…押出しラム 4…ラムヘッド 5…押出機 6…蓄熱室 7…コークスガイド車 8…コークス消火車 9…コークス 11…往復摺動用ラック 12…駆動用ピニオン 13…押出機用電動機 14…回転数検出器 15…電動機電源側配線 16…電動機二次配線 17…押出し電動機用制御盤 18…電動機二次電流検出器 19…演算装置 20…押出しラム位置検出器 21…ホストコンピュータシステム 22…データ採集用記録計
フロントページの続き (72)発明者 千葉 愼一郎 北海道室蘭市仲町12番地 ニッテツ北海道 制御システム株式会社内 (72)発明者 木村 信一 北海道室蘭市仲町12番地 ニッテツ北海道 制御システム株式会社内 (72)発明者 福永 正起 北海道室蘭市仲町12番地 北海製鉄株式会 社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化室コークスを誘導電動機を用いて移
    動させる押出機において、該押出機のラム位置或いは押
    出し開始よりの時間を検出する検出器と、該誘導電動機
    の回転数を計測する測定器と、該誘導電動機のコークス
    押出し時における二次電流を測定する測定装置とを備
    え、かつ、これらの機器からの信号を取り込んで押出し
    トルクを演算する演算装置から構成されることを特徴と
    するコークス炉炭化室の異常状況判定装置。
  2. 【請求項2】 炭化室コークスを押出し移動させる押出
    機のラム位置或いは押出し開始よりの時間を検出すると
    共に、押出機を移動させる誘導電動機の回転数およびコ
    ークス押出し時における二次電流を測定し、これらの値
    を演算装置に入力して押出しトルクを求め、その中のト
    ルクのピーク値およびそれと相関する押出機の位置から
    炭化室における異常状態を判定することを特徴とするコ
    ークス炉炭化室の異常状況判定方法。
  3. 【請求項3】 炭化室コークスを押出し移動させる押出
    機のラム位置或いは押出し開始よりの時間を検出すると
    共に、押出しラムを移動させる誘導電動機の回転数およ
    びコークス押出し時における二次電流を測定し、これら
    の値を演算装置に入力して押出しトルクを求め、測定し
    た二次電流および/または算出したトルクの波形解析に
    より、前記二次電流および/または算出したトルクの脈
    動の周期を抽出し、該周期によって炭化室内のラム移動
    の各位置での炭化室異常を検知することを特徴とするコ
    ークス炉炭化室の異常状況判定方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100398371B1 (ko) * 1997-04-23 2004-03-20 주식회사 포스코 비접촉 측정방법을 이용한 압출기 압출력 측정장치
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