JPH08218833A - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents

内燃機関の吸気装置

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JPH08218833A
JPH08218833A JP7025409A JP2540995A JPH08218833A JP H08218833 A JPH08218833 A JP H08218833A JP 7025409 A JP7025409 A JP 7025409A JP 2540995 A JP2540995 A JP 2540995A JP H08218833 A JPH08218833 A JP H08218833A
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cam
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Hirobumi Tsuchida
博文 土田
Shunichi Shiino
俊一 椎野
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 始動中においてシリンダへ流入する燃料流量
の応答遅れを抑制する。 【構成】 吸気通路2に配設された吸気弁8と、複数の
カムを選択的に切り換えることで吸気弁2の開弁時期ま
たはリフト量を変更する可変動弁機構50と、機関の運
転状態に応じて可変動弁機構50を切り換える弁駆動制
御手段53と、可変動弁機構50が、少なくとも第1及
び第2カム51、52を備えるとともに、この第1カム
51が通常運転中に対応する吸気弁の所定のリフト量を
備える一方、第2カム52が機関始動時に対応して第1
カム51より相対的にリフト量が小なる所定のリフト量
を備え、弁駆動制御手段53は、機関の始動中の場合に
は第2カム52を選択する一方、そうでない場合には第
1カム51を選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可変動弁機構を備えた
内燃機関の吸気装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの運転状態に応じて複数のカム
プロフィールを切り換えて、吸気バルブの開閉タイミン
グ及びリフト量を変更する吸気装置としては、特開平2
−277923号公報、特開平2−267323号公報
などが知られており、例えば、高速運転用にリフト量が
大かつ開弁期間の長いカムを備える一方、低速運転用に
はリフト量が小かつ開弁期間の短いカムを備え、エンジ
ンの回転数に応じて高速用カムと低速用カムを選択的に
切り換えて、運転状態にかかわらず最適な出力を得るも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の内燃機関の吸気装置にあっては、低速用カムにおい
ては600rpm以上の回転域、すなわち、自動車用内燃
機関等におけるアイドリング回転域以上で吸気を行うこ
とを主眼としているため、始動時のクランキングのよう
に回転数が200rpm程度と極端に低い回転域において
は、図8に示すように、吸気の流量に比して吸気バルブ
8のリフト量が大きいため、吸気の流速が低下し、イン
ジェクタなどによって吸気ポート2に向けて供給された
燃料の一部は壁流となり、図中斜線部Faで示すように
吸気ポート2の内周や吸気バルブ8の傘部近傍に付着す
る。このため、シリンダ1の内部には燃料が流入しにく
く、図9に示すようにインジェクタからの燃料噴射量と
実際にシリンダ1内へ供給される燃料流量にずれが発生
し、インジェクタ噴射量に対してシリンダへ流入する燃
料流量の応答性が低下し、始動性が低下するだけでな
く、クランキング終了後にシリンダへ流入する燃料流量
が増大するため、HC排出量の増大など排気エミッショ
ンが悪化する場合があった。
【0004】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、シリンダへ流入する燃料流量の壁流による
応答遅れを低減して始動性及び排気エミッションを改善
可能な内燃機関の吸気装置を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図10に
示すように、吸気通路2に配設された吸気弁8と、複数
のカムを選択的に切り換えることで前記吸気弁2の開弁
時期またはリフト量を変更する可変動弁機構50と、機
関の運転状態に応じて前記可変動弁機構50を切り換え
る弁駆動制御手段53とを備えた内燃機関の吸気装置に
おいて、前記可変動弁機構50が、少なくとも第1及び
第2のカム51、52を備えるとともに、この第1のカ
ム51が通常運転中に対応する吸気弁の所定のリフト量
を備える一方、第2のカム52が機関始動時に対応して
前記第1のカム51より相対的にリフト量が小なる所定
のリフト量を備え、前記弁駆動制御手段53は、機関の
始動中の場合には前記第2のカム52を選択する一方、
そうでない場合には前記第1のカム51を選択する。
【0006】また、第2の発明は、図10に示すよう
に、吸気通路2に配設された吸気弁8と、複数のカムを
選択的に切り換えることで前記吸気弁2の開弁時期また
はリフト量を変更する可変動弁機構50と、機関の運転
状態に応じて前記可変動弁機構50を切り換える弁駆動
制御手段53とを備えた内燃機関の吸気装置において、
機関の運転状態が始動中である場合には前記吸気通路2
へ燃料を噴射する時期を吸気弁8の閉弁期間中に変更す
る燃料噴射時期制御手段54と、前記可変動弁機構50
が、通常運転中に対応する吸気弁の所定のリフト量を備
えた第1のカム51と、機関始動時に対応して前記第1
のカム51より相対的にリフト量が小なる第2のカム5
2とを備え、前記弁駆動制御手段53は、機関の始動中
の場合には前記第2のカム52を選択する一方、そうで
ない場合には前記第1のカム51を選択する。
【0007】また、第3の発明は、前記第1又は第2の
発明において、前記第2のカムは、始動中の機関回転数
において所定の吸気流速を発生可能なリフト量を備え
る。
【0008】また、第4の発明は、前記第3の発明にお
いて、前記第2のカムは、吸気弁の開弁期間中の前半の
リフト量を後半のリフト量に比して低く設定される。
【0009】また、第5の発明は、図10に示すよう
に、前記第1ないし第4の発明のいずれかひとつにおい
て、前記弁駆動制御手段53は、機関回転数を検出する
手段55と、機関の始動状態を検出する手段56を備
え、機関回転数が所定値以下かつ、機関が始動状態の場
合に前記第2のカムを選択する。
【0010】
【作用】したがって、第1の発明は、弁駆動制御手段は
機関の運転状態に応じて可変動弁機構を切り換え、通常
運転中には第1のカムで吸気弁を駆動する一方、機関の
始動中には第2カムを選択して第1のカムより相対的に
小さなリフト量で吸気弁を駆動する。吸気通路から流入
した吸気は、吸気弁の開弁期間中にシリンダへ流入する
が、第2のカムのリフト量が第1のカムより小さいため
に、始動中の極端に機関回転数が低い場合にも吸気流速
が増大されて、吸気通路または吸気弁に付着した燃料を
剥離するとともに、霧化を促進することができる。
【0011】また、第2の発明は、弁駆動制御手段は機
関の運転状態に応じて可変動弁機構を切り換え、通常運
転中には第1のカムで吸気弁を駆動する一方、機関の始
動中には第2カムを選択して第1のカムより相対的に小
さなリフト量で吸気弁を駆動し、燃料噴射時期制御手段
は機関の始動中であれば燃料噴射時期を吸気弁の閉弁期
間中に変更する。機関始動中では吸気通路から流入した
吸気は、吸気弁の開弁機関中にシリンダへ流入し、この
とき、第2のカムのリフト量が第1のカムより小さいた
めに、始動中の極端に機関回転数が低い場合にも吸気流
速が増大される一方、閉弁期間中に噴射された燃料は吸
気通路または吸気弁に付着するが、吸気弁の開弁に伴う
リフト量に応じて流速の増大した吸気よって燃料は剥離
されるとともに、霧化を促進されながらシリンダへ流入
し、噴射された燃料の応答遅れを抑制して始動性及び排
気エミッションの改善を図ることができる。
【0012】また、第3の発明は、第2のカムのリフト
量が、始動中の機関回転数において所定の吸気流速を発
生可能なリフト量を備えるため、始動中のクランキング
で極端に回転数の低い場合にも、吸気の流速を確保して
吸気弁、吸気通路に付着した燃料の剥離、霧化を行うこ
とができ、噴射された燃料の応答遅れを抑制することが
できる。
【0013】また、第4の発明は、第2のカムを、吸気
弁の開弁期間中の前半のリフト量を後半のリフト量に比
して低く設定することにより、開弁期間の前半では小さ
なリフト量に制限することで吸気の流速を増大させ、付
着した燃料の剥離、霧化を促進する一方、開弁期間の後
半ではリフト量を増大させることで吸気量を確保し、噴
射された燃料の応答遅れを抑制しながら、適切な吸気量
を確保して機関の始動を円滑に行うことができる。
【0014】また、第5の発明は、前記弁駆動制御手段
は、機関回転数が所定値以下かつ、機関が始動状態の場
合にのみ第2のカムを選択するため、機関始動中に回転
数が上昇した場合には速やかに通常運転用の第1カムに
切り換えることができ、吸気量の増大に応じてリフト量
を増大して、安定した燃焼を継続させることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を4弁式エンジンに適
用した場合を、添付図面に基づいて説明する。
【0016】図1に示すように、シリンダ1には吸気ポ
ート2、3及び排気ポート4、5が連通し、吸気ポート
2、3の上流にはインジェクタ6が配設され、コントロ
ーラ7からの信号に応じてインジェクタ6は開弁し、吸
気ポート2、3へ信号に応じた燃料を噴射する。
【0017】コントローラ7はエンジンの運転状態に応
じた燃料噴射量を算出するために、回転数センサ30か
らのエンジン回転数Neと、エアフローメータ31から
の吸気流量Qと、水温センサ32からの冷却水温度と、
イグニッションスイッチ等に連動したスタートスイッチ
33からのスタート信号SSWと、クランク角センサ3
4からの角度信号とをそれぞれ読み込んで、演算された
燃料噴射量に応じた開弁信号をインジェクタ6へ送出す
る。
【0018】吸排気タイミングを制御する動弁機構は、
吸気ポート2、3には可変動弁機構を介して開閉駆動さ
れる吸気弁8、9と、排気ポート4、5には排気カムシ
ャフト13に結合されたカム17、18にそれぞれ開閉
駆動される排気弁17、18とから構成され、吸気側に
は可変動弁機構を備える一方、排気側は通常の弁駆動機
構で構成される。
【0019】吸気弁8、9を駆動する可変動弁機構は、
吸気カムシャフト12には吸気弁8、9に対応してそれ
ぞれ形成された始動用カム14、15に加えて通常運転
用カム16が形成され、この通常運転用カム16は始動
用カム14、15の間に配設される。
【0020】始動用カム14、15と通常運転用カム1
6のプロフィールは、図3、図4に示すように設定さ
れ、通常運転用カム16はアイドリングから最高回転数
までの回転領域で最適の出力が確保可能な所定のリフト
量と開弁タイミングに設定される一方、始動用カム1
4、15は始動中のクランキング時の回転数に呼応して
最適な流速を確保可能なプロフィールに設定される。
【0021】すなわち、吸気弁8、9のリフト量の最大
値を後述するように、吸気弁8、9の近傍に付着した燃
料を巻き込むことが可能な流速を発生する所定値、例え
ば、約2mm程度に抑制するとともに、全開弁期間のうち
の前半における吸気弁8、9のリフト量を抑制する一
方、後半におけるリフト量を増大させて所定のリフト量
を達成するようなプロフィールに設定され、後半のリフ
ト量は前半に比して高く設定される。なお、開弁期間の
前半及び後半とは開弁期間の中心を境にして大別したも
のである。
【0022】これら3つのカム14〜16にはそれぞれ
摺接するロッカアームが配設され、始動用カム14には
第1ロッカアーム22が摺接し、通常運転用カム16に
はフリーロッカアーム24が、始動用カム15には第2
ロッカアーム23がそれぞれ摺接し、これらロッカアー
ム22〜24はロッカシャフト21によって基端を軸支
される一方、カム14〜16に応じて揺動する他端で吸
気弁8、9を開閉駆動するものである。
【0023】ここで、吸気弁8、9は第1ロッカアーム
22、第2ロッカアーム23と常時当接し、これらリフ
ト量の異なる始動用カム14、15と通常運転用カム1
6は油圧による可変動弁機構によって選択され、選択さ
れたカムに応じて吸気弁8、9は駆動される。
【0024】図示しないシリンダヘッドに支持されたロ
ッカシャフト21の内周には可変動弁機構を駆動する作
動油通路20が形成され、この作動油通路20はコント
ローラ7の指令に応じて所定の高圧、低圧を切り換える
油圧供給手段19と連通する。
【0025】そして、このロッカシャフト21に基端を
支持された第2ロッカアーム23の内部にはフリーロッ
カアーム24に対峙する所定の位置で開口した油室25
が形成され、油室25には第2ロッカアーム23とフリ
ーロッカアーム24を選択的に結合するピストン27が
収装される。
【0026】油室25はフリーロッカアーム24に対峙
する所定の位置で開口しており、この油室25と対峙す
るフリーロッカアーム24には孔部24Aが貫通形成さ
れ、さらにこの孔部24Aと対峙する第1ロッカアーム
22には孔部22Aが貫通形成され、これら油室25、
孔部24A、孔部22Aは同軸位置でほぼ等径に形成さ
れる。
【0027】そして、孔部24Aにはフリーロッカアー
ム24と第1ロッカアーム22とを結合するピストン2
6が収装され、孔部22Aにはピストン26と摺接する
ガイドピストン28及びガイドピストン28をフリーロ
ッカアーム24へ向けて付勢するリターンスプリング2
9が収装され、ピストン26、27はそれぞれ孔部22
A、24Aへ嵌合可能に形成される。
【0028】リターンスプリング29は油室25の油圧
に抗してピストン26、27を付勢し、すなわち、フリ
ーロッカアーム24と第1及び第2ロッカアーム22、
23の結合を解除する方向に付勢し、油室25へ供給さ
れる油圧が所定の高圧になると、ピストン27はピスト
ン26、28を介してリターンスプリング29に抗して
伸長し、ピストン27が孔部24Aに嵌合し、ピストン
26は孔部22Aに嵌合することで、フリーロッカアー
ム24は第1及び第2ロッカアーム22、23と結合さ
れ、吸気弁8、9はフリーロッカアーム24に摺接する
通常運転用カム16によって駆動される。
【0029】一方、油室25に加わる油圧が所定値未満
の低圧では、リターンスプリング29が伸長してピスト
ン26、27はそれぞれ孔部22A、24Aから抜ける
ため、ガイドピストン28とピストン26及びピストン
26とピストン27が端部を相互に摺接させることで、
フリーロッカアーム24と第1及び第2ロッカアーム2
2、23の相対変位を許容して、吸気弁8、9は第1及
び第2ロッカアームに摺接する始動用カム14、15に
応じて開閉駆動される。
【0030】したがって、コントローラ7の指令に応じ
て油圧供給手段19からの圧油に応じて吸気弁8、9を
駆動するカムは、始動用カム14、15または通常運転
用カム16のいずれか一方に設定されるのである。
【0031】ここで、始動用カム14、15のプロフィ
ールは、始動時のクランキング回転数に基づいて設定さ
れたもので、クランキング回転数を約200rpmとした
とき、吸気ポート2、3の管内圧はほぼ大気圧となる。
すなわち、始動時には1サイクル当たりで全開運転時と
同等の吸気量が吸入され、このため、1サイクル当たり
の燃料噴射量も全開運転時と同等以上に設定する必要が
ある。
【0032】ここで、インジェクタ6から噴射された燃
料が、安定してシリンダ1内へ流入する状態として、例
えば800rpmの全開運転時を考えると、1気筒当たり
600ccの行程容積における平均吸気流量及び流速は、 0.6[l]×800×1/2=240[l/min] となる(ただし、吸入効率100%の場合)。
【0033】吸気行程を1/4サイクルと考えると、平
均吸気流量は 240[l]×4=960[l/min]=16×10-3
[m3/sec] であり、吸気弁8、9の外径をΦ30[mm]として一般
的なリフト量8[mm]における吸気流速は、カーテン面
積S=30[mm]×π×2×8[mm]=1508[m
m2]であるから、 16×10-3[m3/sec]/1508[mm2]≒=10.
6[m/S] となる。
【0034】したがって、この程度の吸気流速を確保で
きれば全開相当の燃料が噴射量された場合でも、安定し
てシリンダ1内へ流入できるこのことから、約200rp
mのクランキング時に同等の流速を確保するためのリフ
ト量を考える。
【0035】上記と同様に気筒容積600[cc]での平
均吸気流量及び流速は、 0.6[l]×200×1/2×4=240[l/min] =3.96×10-3 [m3/sec] ここで、リフト量を2[mm]とすると、カーテン面積S
=30[mm]×π×2×2[mm]=376.8×10-6
[mm2]であるから、 3.96×10-3[m3/sec]/376.8×10-6[mm
2]≒10.6[m/S] となり、始動時における吸気弁8、9のリフト量は、約
2mm程度にとすることが必要である。
【0036】以上のように構成された可変動弁機構は、
コントローラ7からの指令に基づいて駆動され、この制
御の一例を図5のフローチャートに示し、以下このフロ
ーチャートに基づいて詳述する。
【0037】図示しないイグニッションキー等の始動装
置の操作を示すスタートスイッチ33からのスタート信
号SSWをステップS1で読み込んだ後、ステップS2
ではスタート信号SSWがオンであるか、すなわち、始
動中であるかを判定する。
【0038】始動中であれば、ステップS3へ進んで回
転数センサ30からエンジンの回転数Neを読み込み、
ステップS4で回転数Neが所定の回転数以下、この場
合、400rpm以下であるかを判定する。回転数Neが
400rpm以下であれば、クランキング中であると判定
し、ステップS5で油圧供給手段19から所定の圧力未
満の圧油を可変動弁機構の油室25へ供給して、吸気弁
8、9を始動用カム14、15による駆動に切り換え
る。
【0039】一方、ステップS4で回転数Neが400
rpmを越えるクランキング終了後では、ステップS6へ
進んで油室25の油圧を所定の高圧に切り換えて、通常
運転用カム16によって吸気弁8、9を駆動する。
【0040】上記ステップS1〜S6は、所定時間毎、
例えば10msecごとに実行され、イグニッションキー等
が操作されてスタートスイッチ33はONとなり、同時
にクランキングが開始される。
【0041】コントローラ7はエンジンの回転数が所定
値未満であることから始動時のクランキングを判定して
油圧供給手段19を低圧側に切り換え、上記したよう
に、リターンスプリング29の付勢力によってピストン
25、26が孔部24A、22Aへ嵌合するのを規制し
て、第1及び第2ロッカーアーム22、23のフリーロ
ッカーアーム24に対する相対的変位を許容し、吸気弁
8、9を始動用カム14、15によって駆動する。
【0042】同時にコントローラー7は、燃料噴射量及
び燃料噴射時期を始動に応じた所定値にそれぞれ設定す
る。燃料噴射量は、水温センサ32が検出した水温など
から始動用の増分値を演算あるいはマップから選択し、
燃料噴射時期は、クランク角センサ34からの信号に基
づいて、吸気弁8、9の閉弁期間中にインジェクタ6が
所定の燃料を吸気ポート2、3へ噴射するよう燃料噴射
時期を変更する。なお、クランク角センサ34が検出す
る信号は、Ref信号(上死点あるいは所定のクランク
角)及びPos信号(所定のクランク角度ごと、例え
ば、1度ごとの信号)などから構成され、始動用の燃料
噴射時期は、吸気弁8、9の閉弁期間中の所定のクラン
ク角度、すなわち、吸気弁8、9の開弁開始位置から所
定の角度以前に設定される。
【0043】ここで、吸気弁8、9の閉弁期間中にイン
ジェクタ6から噴射された燃料は、吸気とともにシリン
ダ1へ向かって流れ、吸気弁8、9の開弁直前にはこれ
ら吸気弁8、9の近傍の吸気ポート2、3に滞留する壁
流となる。
【0044】始動用カム14、15によって吸気弁8、
9が開弁すると、吸気ポート2、3内の吸気及び燃料が
シリンダ1内に流入するが、このとき、始動用カム1
4、15が吸気弁8、9に付与するリフト量は上記した
ように、クランキング時において所定の流速となるよう
な小さな値に制限されるとともに、所定のリフト量に至
るまでの開弁初期、すなわち上記した開弁期間の前半で
はリフト量が抑制されるために吸気弁8、9を通過する
吸気の流速はさらに増大する。
【0045】このため、図6に示すように、吸気弁8、
9の近傍に付着した壁流Faは、高速の吸気とともにシ
リンダ1内へ流入し(図中Fb)、このとき、吸気ポー
ト2、3及び吸気弁8、9から剥離した燃料は霧化を促
進されるため、始動時における着火性を改善することで
始動性を向上させることができる。
【0046】さらに始動用カム14、15が回転して開
弁期間の後半に入ると、吸気弁8、9のリフト量は前半
に比して相対的に高いため、始動中のクランキングのよ
うに非常に低速の場合でも、前半に比して増大された吸
気弁8、9のリフト量によって始動に必要な吸気量を確
保することが可能となるのである。
【0047】したがって、壁流に起因するインジェクタ
6の燃料噴射量と、シリンダ1内へ実際に流入した燃料
流量は図7に示すようになって、図9に示した前記従来
例に比してインジェクタ6からの燃料噴射量に対するシ
リンダ1の燃料流入量の応答性は向上し、壁流に起因す
る過剰な燃料の流入が抑制されるため始動に必要な燃料
流量と吸気量を確実に確保することで始動性を改善する
とともに、HCの排出量を低減することができ、始動性
の改善と排気エミッションの低減を同時に達成すること
が可能となり、さらに、始動時における燃料増量補正量
を低減することが可能となって、燃費及び排気エミッシ
ョンの低減を促進することができるのである。
【0048】こうして、開弁初期のリフト量が微小かつ
開弁後期のリフト量が吸気に所定の流速を付与可能な始
動用カム14、15によって壁流及び始動時燃料噴射量
を低減しながら確実にエンジンの始動を行った後、コン
トローラ7はエンジンの回転数Neが所定値を越えたこ
とを条件に、油圧供給手段19からの油圧を所定の高圧
に切り換えて、ピストン25、26を伸長させてフリー
ロッカーアーム24と第1及び第2ロッカーアーム2
2、23を結合して吸気弁8、9は通常運転用カム16
によって開閉駆動され、始動時よりも吸気量の増大する
通常運転中、すなわち、アイドリング回転以上の運転領
域においても始動用カム14、15に比して増大したリ
フト量によって吸気弁8、9を駆動することで、通常運
転中の出力を従来と同様に確保することができるのであ
り、コントローラー7は、燃料噴射時期及び燃料噴射量
を通常運転に呼応した値に変更し、吸気量に応じた燃料
をシリンダ1に供給するのである。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明は、機関
の始動中には第2カムを選択して第1のカムより相対的
に小さなリフト量で吸気弁を駆動し、機関始動中の極端
に機関回転数が低い場合にも吸気流速が増大されて、吸
気通路または吸気弁に付着した燃料を剥離するととも
に、霧化を促進することができ、付着した燃料によるシ
リンダへ流入する燃料流量の応答遅れを低減して始動性
を改善するとともにHCの排出量を低減して排気エミッ
ションを向上することができる。
【0050】また、第2の発明は、機関の始動中には第
2カムを選択して第1のカムより相対的に小さなリフト
量で吸気弁を駆動するとともに、燃料噴射時期を吸気弁
の閉弁中に変更し、機関始動中の極端に機関回転数が低
い場合にも吸気流速が増大され、閉弁中に噴射されて吸
気通路または吸気弁に一旦付着した燃料を剥離するとと
もに、霧化を促進することができ、噴射燃料流量とシリ
ンダへ流入する燃料流量の応答遅れを低減して始動性を
改善するとともにHCの排出量を低減して排気エミッシ
ョンを向上することができる。
【0051】また、第3の発明は、第2のカムのリフト
量が、始動中の機関回転数において所定の吸気流速を発
生可能なリフト量を備えるため、始動中のクランキング
のように極端に回転数の低い場合にも、吸気の流速を確
保して吸気弁、吸気通路に付着した燃料の剥離、霧化を
行うことができ、噴射燃料流量とシリンダへ流入する燃
料流量の応答遅れを低減して始動性を改善するとともに
HCの排出量を低減して排気エミッションを向上するこ
とができ、またシリンダへ流入する燃料流量の応答性を
向上することによって、始動時の燃料噴射量を前記従来
に比して低減することも可能となって、燃費及び排気エ
ミッションをさらに改善することができる。
【0052】また、第4の発明は、第2のカムを、吸気
弁の開弁期間中の前半のリフト量を後半のリフト量に比
して低く設定することにより、開弁期間の前半では小さ
なリフト量に制限することで吸気の流速を増大させ、付
着した燃料の剥離、霧化を促進する一方、開弁期間の後
半ではリフト量を増大させることで吸気量を確保し、シ
リンダに流入する燃料流量の応答遅れの抑制と吸気量の
確保を共に行うことが可能となって、始動性及び排気エ
ミッションを改善することができる。
【0053】また、第5の発明は、前記弁駆動制御手段
は、機関回転数が所定値以下かつ、機関が始動状態の場
合にのみ第2のカムを選択するため、機関始動中のクラ
ンキング終了に呼応して回転数が上昇すると速やかに通
常運転用の第1カムに切り換えることができ、クランキ
ングからアイドリング以上の機関回転数へ円滑に切り換
えて安定した燃焼を継続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す内燃機関の概略構成図。
【図2】同じく可変動弁機構の要部断面図。
【図3】同じくカムの断面図。
【図4】同じくカムの特性図。
【図5】制御の一例を示すフローチャート。
【図6】始動時の燃料の流れを示す吸気系の断面図。
【図7】始動時の燃料流量及び回転数と時間との関係を
しめすグラフ。
【図8】従来例における始動時の燃料の流れを示す吸気
系の断面図。
【図9】同じく従来例における始動時の燃料流量及び回
転数と時間との関係をしめすグラフ。
【図10】第1ないし第5の発明のいずれかひとつに対
応するクレーム対応図である。
【符号の説明】
2、3 吸気ポート 6 インジェクタ 7 コントローラ 8、9 吸気弁 12 カムシャフト 14、15 始動用吸気カム 16 通常運転用吸気カム 19 油圧供給手段 22 第1ロッカアーム 23 第2ロッカアーム 24 フリーロッカアーム 25 油室 26、27 ピストン 29 リターンスプリング 30 回転数センサ 31 エアフローメータ 32 水温センサ 33 スタートスイッチ 34 クランク角センサ 50 可変動弁機構 51 第1カム 52 第2カム 53 弁駆動制御手段 54 燃料噴射時期制御手段 55 機関回転数検出手段 56 始動状態検出手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気通路に配設された吸気弁と、複数の
    カムを選択的に切り換えることで前記吸気弁の開弁時期
    またはリフト量を変更する可変動弁機構と、機関の運転
    状態に応じて前記可変動弁機構を切り換える弁駆動制御
    手段とを備えた内燃機関の吸気装置において、前記可変
    動弁機構が、少なくとも第1及び第2のカムを備えると
    ともに、この第1のカムが通常運転中に対応する吸気弁
    の所定のリフト量を備える一方、第2のカムが機関始動
    時に対応して前記第1のカムより相対的にリフト量が小
    なる所定のリフト量を備え、前記弁駆動制御手段は、機
    関の始動中の場合には前記第2のカムを選択する一方、
    そうでない場合には前記第1のカムを選択することを特
    徴とする内燃機関の吸気装置。
  2. 【請求項2】 吸気通路に配設された吸気弁と、複数の
    カムを選択的に切り換えることで前記吸気弁の開弁時期
    またはリフト量を変更する可変動弁機構と、機関の運転
    状態に応じて前記可変動弁機構を切り換える弁駆動制御
    手段とを備えた内燃機関の吸気装置において、機関の運
    転状態が始動中である場合には前記吸気通路へ燃料を噴
    射する時期を吸気弁の閉弁期間中に変更する燃料噴射時
    期制御手段と、前記可変動弁機構が、通常運転中に対応
    する吸気弁の所定のリフト量を備えた第1のカムと、機
    関始動時に対応して前記第1のカムより相対的にリフト
    量が小なる第2のカムとを備え、前記弁駆動制御手段
    は、機関の始動中の場合には前記第2のカムを選択する
    一方、そうでない場合には前記第1のカムを選択するこ
    とを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  3. 【請求項3】 前記第2のカムは、始動中の機関回転数
    において所定の吸気流速を発生可能なリフト量を備えた
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃
    機関の吸気装置。
  4. 【請求項4】 前記第2のカムは、吸気弁の開弁期間中
    の前半のリフト量を後半のリフト量に比して低く設定さ
    れたことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の吸気
    装置。
  5. 【請求項5】 前記弁駆動制御手段は、機関回転数を検
    出する手段と、機関の始動状態を検出する手段を備え、
    機関回転数が所定値以下かつ、機関が始動状態の場合に
    前記第2のカムを選択することを特徴とする請求項1な
    いし請求項4のいずれかひとつに記載の内燃機関の吸気
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002242713A (ja) * 2000-12-15 2002-08-28 Denso Corp 内燃機関の制御装置
JP2007239582A (ja) * 2006-03-08 2007-09-20 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の燃焼制御装置
JP2009275607A (ja) * 2008-05-15 2009-11-26 Mitsubishi Motors Corp エンジンの制御装置

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