JPH08216515A - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

可逆性感熱記録媒体

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JPH08216515A
JPH08216515A JP7021572A JP2157295A JPH08216515A JP H08216515 A JPH08216515 A JP H08216515A JP 7021572 A JP7021572 A JP 7021572A JP 2157295 A JP2157295 A JP 2157295A JP H08216515 A JPH08216515 A JP H08216515A
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厚 木島
Hidehiko Sai
英彦 細
Kentaro Yamawaki
健太郎 山脇
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】媒体及び転写材自体の偽造が困難であるととも
に、真偽判定を簡単に行なうことが可能な可逆性感熱記
録媒体を提供する。 【構成】基材2上に金属反射層3、光熱変換層4、書き
換え可能な感熱記録層5、ホログラム画像を有するホロ
グラム層8を積層することにより、ホログラム層8の上
面からレーザー光等の非接触印字手段を用いてホログラ
ム層8下に可視情報を書き込むことにより、ホログラム
画像に影響を与えることなく書き換え可能な可視情報を
記録することができ、ホログラム画像と書き換え可能な
可視情報が重畳した状態で両者を確認できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温度に依存し書き換え
可能な可逆性感熱記録層上にホログラム画像を有し、情
報媒体、シール又はラベル、転写材等に用いることが可
能なホログラムの意匠性と偽造防止性に優れた可逆性感
熱記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、書き換え可能な感熱記録媒体とし
て、特開昭55−154198号公報及び米国特許第4
268413号公報に記載されるポリ塩化ビニル等の熱
可塑性樹脂とこの熱可塑性樹脂中に分散される高級脂肪
酸等の有機低分子物質等を主成分とした感熱記録層を支
持体上に設ける構成のものがある。
【0003】この感熱記録層は、光吸収特性(光散乱
性)が温度に依存して、可逆的に変化するものである。
すなわち、感熱記録層を構成する感熱記録材料は室温近
傍の特定温度T0 より高い温度に2つの状態転移温度T
1 、T2 (但し、T1 <T2 )を有し、感熱記録層をT
2 以上に加熱し、かつ保持した後にT0 以下に冷却する
と感熱記録材料に白濁を生じ、光散乱性が増大して最大
遮光状態となる。一方、この白濁状態にある感熱記録層
をT1 以上T2 未満に加熱し、かつ保持した後にT0
下に冷却するとその光散乱性が減少して透明状態とな
る。したがってT0以下の温度条件下において、感熱記
録層の最大遮光状態及び透明状態をそれぞれ安定に保持
でき、かつこれらの状態を可逆的に変化させることが可
能なため、いずれか一方の状態をベース状態に設定する
ことにより、他方の状態との相違から記録された可視情
報を書き換え可能な状態で保持できる感熱記録媒体とし
て利用できるものである。
【0004】また、熱エネルギーの制御のみによって、
化学的に発色・消色する可逆性感熱記録材料が、特開平
2−188293号公報、特開平2ー188294号公
報、国際公開番号WO90/11898号等に開示され
ており、これらはロイコ化合物と、熱エネルギーの制御
によりロイコ化合物を顕色・減色する顕減色剤と、バイ
ンダーとを主成分とした可逆性感熱記録材料であり、こ
れを感熱記録層として支持体上に設けてなるものであ
る。この感熱記録材料は、顕色効果を有する基(酸性成
分)と減色効果を有する基(塩基製成分)の両性質を具
備する化合物を顕減色剤に用いて、印加する熱の制御に
よって発色、消色を行なうものである。この感熱記録材
料によれば、日常生活の環境下において経時的に安定な
画像を保持することが可能である。その発消色特性及び
画像安定性は、材料中の顕減色剤の化学構造によるとこ
ろが大きい。
【0005】また、近年、レリーフ型ホログラムをカー
ドなどの媒体の基材上に装飾や偽造改竄防止などの目的
としてシール、ラベル又は転写箔などを用いて形成され
ている。とくに安価であること、薄さ、改竄の困難性な
どから転写箔がホログラムの形成手段として多様されて
いる。このようなホログラム転写箔は特開昭61−19
0370号公報に記載されるように、支持体フィルムの
片面に剥離ニス層、表面レリーフ型ホログラムを形成し
た樹脂層、金属反射層、感熱接着層を順次形成してな
り、基材面に対して感熱接着層を密着させ、転写箇所を
加熱押圧し所定のホログラム画像を転写形成するもので
ある。基材上に印刷絵柄などがある場合には、透明金属
反射層を利用した透明ホログラムを用いることにより、
ホログラムによる基材上の印刷絵柄の見え方に影響を与
えることなく、ホログラム画像と印刷絵柄を重ね合わせ
て見ることが可能となる。さらにホログラム画像と印刷
絵柄を重ね合わせた印刷一体型ホログラムが提案されて
おり、シール、ラベル又は転写箔などとして用いられて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなホログラムは、単にホログラムの立体画像の特異
性とホログラム転写箔製造工程の難易性により、偽造・
変造・改竄等の不正防止対策とするものであるが、金属
箔上に透明インキで正規のホログラム画像の絵柄を印刷
し、一見あたかもホログラム画像の如く見せる偽造技術
も出現しており、確実に不正行為を一見して識別可能な
不正防止対策とは言えない面もでてきている。またカー
ドなどの不正防止対策としてのセキュリティ情報等は、
識別のためカードの特定の部分に集中させるか、目視等
の簡単に識別できないような情報形態としてカード上に
配置することが行なわれているが、ホログラムとの組み
合わせによる不正防止対策は未だなく、現状では上記し
たようなカードのホログラム部分はホログラムのみの情
報を提供しているに過ぎないのが現状である。
【0007】そこで、本発明はホログラム立体画像下に
書き換え可能な可逆性感熱記録層を形成し、可視情報を
書き換え表示可能とすることにより、媒体自体の偽造が
困難であるとともに、真偽判定を簡単に行なうことが可
能な可逆性感熱記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであり、請求項1に記載の発
明は、基体上に反射性薄膜層、赤外線を吸収し熱を発生
する赤外線吸収材料を含有する光熱変換層、書き換え可
能な可逆性感熱記録層、ホログラム層を設けてなること
を特徴とする可逆性感熱記録媒体である。
【0009】請求項2の発明は、支持体上に剥離層、ホ
ログラム層、書き換え可能な可逆性感熱記録層、赤外線
を吸収し熱を発生する赤外線吸収材料を含有する光熱変
換層、反射性薄膜層、接着層を設けてなることを特徴と
する可逆性感熱記録媒体である。
【0010】請求項3の発明は、請求項1又は2に記載
の可逆性感熱記録媒体において、ホログラム層が微小凹
凸形状を有するホログラム形成層及びその微小凹凸形状
面に屈折率がホログラム形成層と異なる透過性薄膜層か
らなることを特徴とする可逆性感熱記録媒体である。
【0011】請求項4の発明は、請求項1又は2に記載
の可逆性感熱記録媒体において、可逆性感熱記録層は、
樹脂母材と樹脂母材中に分散される有機低分子物質とを
主成分とし、かつ温度に依存してその透明度が可逆的に
変化することを特徴とする可逆性感熱記録媒体である。
【0012】請求項5の発明は、請求項1又は2に記載
の可逆性感熱記録媒体において、可逆性感熱記録層は、
ロイコ化合物と、ロイコ化合物と熱的に反応して顕色ま
たは減色させる顕減色剤と、バインダーを主成分とし、
かつ熱エネルギーの制御により、可逆的に発色・消色す
ることを特徴とする可逆性感熱記録媒体である。
【0013】請求項6の発明は、請求項1に記載の可逆
性感熱記録媒体において、被貼着材に接する面に粘着層
を設けてなることを特徴とする可逆性感熱記録媒体であ
る。
【0014】
【作用】本発明の可逆性感熱記録媒体は、上面からホロ
グラム画像中に書き換え可能な可視情報が存在して見
え、かつホログラム画像下の可逆性可逆性感熱記録層に
接して赤外波長領域の光を吸収し熱に変換する光熱変換
層を設けることにより、レーザー光等の非接触印字手段
を用いて可視情報を書き込むことができ、ホログラム画
像と書き換え可能な可視情報が重畳した状態で形成され
るため、装飾性を示すとともに偽造・改竄等の不正行為
を判別できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。図1は本発明の可逆性感熱記録媒体の一実施例を示
す断面図であり、図2は本発明の第2の発明の可逆性感
熱記録媒体の断面図である。
【0016】図1は本発明の可逆性感熱記録媒体1の層
構成を示しており、基材2上に反射性薄膜層3、赤外線
を吸収し熱を発生する赤外線吸収材料を含有する光熱変
換層4、書き換え可能な可逆性感熱記録層5、ホログラ
ム画像を有するホログラム形成層6及びホログラム形成
層6と屈折率の異なる透過性薄膜層7からなるホログラ
ム層8が順次設けられている。また、可逆性感熱記録媒
体1の用途に応じて、例えばカード状の情報媒体の場合
には、基材2の他方の面には文字情報やデザインなどか
らなる印刷層や磁気記録層などの情報記録手段を任意に
設け、シール又はラベル等に用いる場合は基材2の他方
の面には、感熱接着剤又は感圧接着剤(粘着剤)からな
る接着層(図示しない)を設けることができる。
【0017】ホログラム層8に用いられるホログラム画
像は、従来公知のホログラム技術による画像を用いるこ
とができる。例えばホログラムとしては、これらの画像
をホログラム形成層6にレリーフホログラムからなる白
色光再生型ホログラム、フレネル型やフーリエ変換型を
含む単色光再生型ホログラム等として形成し、レリーフ
形成面にはホログラム形成層6と異なる屈折率を有し、
かつ透明性を示す反射性薄膜層6を設けることにより高
いホログラム効果を得ることができる。ホログラムに
は、文字、イメージ等の画像などの他に特定の情報を有
する回折格子とすることもできる。この回折格子は空間
周波数を変化させるか、回折格子の方向を変化させる
か、またはこれらを組み合わせて情報を記録する。ま
た、このホログラム層8をリップマンホログラム等の体
積ホログラムなどとすることもでき、用途に応じて任意
に選択することができる。さらにホログラム層8のホロ
グラム画像は全面に設けられなくてもよく、媒体の一部
にホログラム画像を形成してもよく、またホログラム層
8自体もホログラム画像の大きさに合わせて部分的に可
逆性感熱記録層5上に設けることもできる。なお、基材
2を省略しホログラム層8を支持体として用いることも
できる。これによれば、層厚を薄くすることができ、シ
ール又はラベルに適する。
【0018】以下、構成する各層を説明する。基材2
は、支持体としての役割を有しており、例えば紙、合成
紙、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフラレート(P
ET)等、従来からプリペイドカード、キャッシュカー
ド、クレジットカード、入場券、通行券、商品券等のカ
ード類や証書類、シール類、ラベル類の用途に用いられ
るものであればとくに制限されず、異なる材質のものを
組み合わせてもよい。また単層または多層構成としても
よく、或いは透明、半透明、不透明など用途に応じて適
宜選択することができる。基材に可逆性感熱記録層、ホ
ログラム層の視認性が向上する着色を有するものであれ
ば反射性薄膜層3を省略することも可能である。例えば
レインボーホログラムの場合の反射性を有する基材やリ
ップマンホログラムの場合の暗色系(例として黒色)の
基材がある。さらに赤外線を透過する基材であれば、基
材側、すなわち裏面からの光熱変換層への赤外線照射か
ら可逆性感熱記録層への記録も可能となる。
【0019】反射性薄膜層3は、主に可逆性可逆性感熱
記録層5の視認性を得るために設けられるものであり、
白濁色−透明型可逆性可逆性感熱記録層の場合は、光反
射性を示す金属材料からなる薄膜状の反射層が好まし
い。例えばアルミニウム、錫、銀、銅、マグネシウム、
クロム、ニッケル等やこれらの合金又は化合物がある。
これらを薄膜状に形成する手段は、公知の手段である真
空蒸着法、反応性真空蒸着法、スパッタリング法、反応
性スパッタリング法、イオンプレーティング法、電気メ
ッキ法などを用いることができる。この反射性薄膜層3
は基材2の特性によっては省略することも可能である。
【0020】光熱変換層4は、赤外線領域の波長の光を
吸収して熱を発生するものであり、吸収波長域が700
〜1000nmの範囲にあることが好ましい。この実施
例では赤外線吸収剤を主成分として、これをバインダー
等に分散したものを塗布すことにより形成される。赤外
線吸収剤の具体的な例として、ポリメチン系色素;ピリ
リウム、チオピリリウム系;スクワリリウム系;クロコ
ニウム系;アズレニウム系;フタロシアニン系;テトラ
デヒドロコリン系;ジチオール金属錯塩系;ナフトキノ
ン、アントラキノン系;トリフェニルメタン系;アミニ
ウム、ジインモニウム系などが挙げられる。また赤外線
吸収剤を分散するバインダーとしては、アクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂と
酢酸ビニル樹脂、ビニルアルコール、マレイン酸などと
の共重合樹脂、ポリウレタン、エポキシアクリレート、
アクリルオリゴマー等の紫外線硬化樹脂などを一種又は
二種以上の組み合わせで用いられる。これらの塗布方法
は、公知のグラビアコート、リップコート、コンマコー
ト、ダイコート、マイクログラビアコート、カーテンコ
ート、ロールコート等の塗布手段、グラビア印刷、オフ
セット印刷、シルク印刷、フレキソ印刷等の印刷手段を
用いることができ、層厚は約0.1〜10μmである。
またはバインダーを用いずに、蒸着ないしスパッタリン
グ方式により50〜1000Åの膜厚に設けてもよい。
なお、光熱変換層4の上部に積層される各層は高い赤外
線透過性を有することが望ましい。また、光熱変換層4
は光透過性を有するのであれば、書き換え可能な可逆性
感熱記録層5の上側(赤外線照射側)に設けてもよい。
【0021】また書き換え可能な可逆性感熱記録層5
は、温度に依存して可逆的に透明度が変化するもので、
部分的に変化させることにより可視情報が記録される。
例えば上記したような、樹脂母材とそれに分散される有
機低分子物質とを主成分としてなり、感熱記録材料は室
温近傍の特定温度T0 より高い温度に2つの状態転移温
度T1 、T2 (但し、T1 <T2 )を有し、可逆性感熱
記録層をT2 以上に加熱し、かつ保持した後にT0 以下
に冷却すると感熱記録材料に白濁を生じ、光散乱性が増
大して最大遮光状態となる。一方、この白濁状態にある
可逆性感熱記録層をT1 以上T2 未満に加熱し、かつ保
持した後にT0 以下に冷却するとその光散乱性が減少し
て透明状態となる。このようにT0 以下の温度条件下に
おいて、可逆性感熱記録層の最大遮光状態及び透明状態
をそれぞれ安定に保持でき、かつこれらの状態を可逆的
に変化させることが可能なため、いずれか一方の状態を
ベース状態に設定することにより、他方の状態との相違
から記録された可視情報を書き換え可能な状態で保持で
きる。
【0022】上記樹脂母材には有機低分子とその屈折率
が近似し、かつ相溶性がなく、機械的強度に優れる、フ
ィルム形成能を有する透明性に優れた熱硬化性樹脂又は
熱可塑性樹脂が用いられる。具体例として、飽和共重合
ポリエステル等のポリエステル樹脂;ポリ塩化ビニル樹
脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−ア
クリレート共重合体等の塩化ビニル共重合体;ポリウレ
タン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリ塩化ビニリデン
樹脂;塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニ
リデン−アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン
共重合体;天然ゴム、合成ゴム等のゴム系;ポリアミド
樹脂;シリコーン樹脂;ポリアクリレートもしくはポリ
メタクリレート樹脂、またはこれらの共重合体;ポリエ
チレン樹脂などがあり、これらの単独或いは二種以上混
合したものが用いられる。
【0023】上記樹脂母材に分散される有機低分子に
は、脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体、または脂環式有機酸
などがあり、さらに詳しくは飽和もしくは不飽和のモノ
あるいはジカルボン酸、またはこれらのエステル、アミ
ド等を含むものがある。脂肪酸の具体例として、ウンデ
カン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、
パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ナノデ
カン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロ
チン酸、モンタン酸、メリシン酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9
−ノナメリレンジカルボン酸、1,10−シクロブタン
ジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、
1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸等が挙げられる。なお、有機低分子と樹脂母材と
を混合した塗液は同様にして、公知のグラビアコート、
リップコート、コンマコート、ダイコート、マイクログ
ラビアコート、カーテンコート、ロールコート等の塗布
手段、グラビア印刷、オフセット印刷、シルク印刷、フ
レキソ印刷等の印刷手段を用いて可逆性感熱記録層5を
形成する。なお、この書き換え可能な可逆性感熱記録層
5の層厚は約1〜50μmが好ましい。
【0024】また、書き換え可能な可逆性感熱記録層5
に用いられる他の感熱記録材料として、ロイコ化合物
と、熱エネルギーの制御によりロイコ化合物を顕色・減
色する顕減色剤と、バインダーとを主成分とした可逆性
感熱記録材料を用いることができる。ロイコ化合物とし
て、例えばフルオレン化合物、フルオラン化合物、フタ
リド誘導体等が挙げられる。具体例としてはクリスタル
バイオレットラクトン、3−インドリノ−3−p−ジメ
チルアミノフェニル−6−ジメチルアミノフタリド、3
−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、2−(2−
フルオロフェニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジ−
n−ブチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−5−メチル−7−t−ブチルフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−ブチルアニリ
ノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロ
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エ
チル−p−トルイジノ)−フルオラン、3−ピロリジノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジ
ノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−N−メ
チルシクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−N−エチルペンチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン等を挙げることができる。
【0025】また、ロイコ化合物に対し顕減色剤として
作用する両性化合物は、フェノール性水酸基及びカルボ
キシル基の少なくとも一つを有し、かつアミノ基を官能
基としてまたは塩化合物の一部として有するものであ
る。顕減色剤として、例えばフェノール性水酸基または
カルボキシル基から成る酸性成分とアミノ基から成る塩
基性基の双方を有する化合物で、熱エネルギーの違いに
より酸性または塩基性となってロイコ化合物を顕色(発
色)・減色(消色)させるものがある。塩基性基は官能
基として存在してもよいし、塩化物の一部として存在し
てもよい。アミノ基を官能基として有する顕減色剤とし
ては、例えば、アミノ安息香酸、ヒドロキシアミノ安息
香酸、アミノフェノール類、アミノナフトエ酸類、ニコ
チン酸類等が挙げられる。具体例としては、p−アミノ
安息香酸、m−アミノ安息香酸、o−アミノ安息香酸、
4−アミノ−3−メチル安息香酸、3−アミノ−4−メ
チル安息香酸、2−アミノ−5−エチル安息香酸、3−
アミノ−4−ブチル安息香酸、4−アミノ−3−メトキ
シ安息香酸、3−アミノ−4−エトキシ安息香酸、2−
アミノ−5−クロロ安息香酸、4−アミノ−3−ブロモ
安息香酸、2−アミノ−4−ニトロ安息香酸、4−アミ
ノ−3−ニトロ安息香酸、3−アミノ−4−ニトリル安
息香酸、アミノサリチル酸、ジアミノ安息香酸、2−メ
チル−5−アミノナフトエ酸、3−エチル−4−アミノ
ナフトエ酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、2−メチル
ニコチン酸、6−クロロニコチン酸等がある。
【0026】また、塩基性基を塩化物の一部として有す
るものとしては、フェノール性水酸基又はカルボキシル
基を有する化合物とアミノ基を有する化合物の塩又は錯
塩であり、例えば、ヒドロキシ安息香酸類、ヒドロキシ
サリチル酸類、没食子酸類、ビスフェノール酢酸等の酸
と脂肪族アミン類、フェニルアルキルアミン類、トリア
ルキルアミン類等との塩又は錯塩が挙げられる。具体例
としては、p−ヒドロキシ安息香酸−アルキルアミン
塩、p−ヒドロキシ安息香酸−フェニルアルキルアミン
塩、m−ヒドロキシ安息香酸−アルキルアミン塩、2,
4−ジヒドロキシ安息香酸−アルキルアミン塩、4,5
−ジヒドロキシ安息香酸−トリルアルキルアミン塩、p
−ヒドロキシ安息香酸メチル−アルキルアミン塩、p−
ヒドロキシ安息香酸ステアリル−アルキルアミン塩、没
食子酸−アルキルアミン塩、没食子酸ドデシル−アルキ
ルアミン塩、没食子酸ステアリル−アルキルアミン塩、
ビスフェノール酢酸−アルキルアミン塩、ビスフェノー
ル酢酸ステアリル−アルキルアミン塩、ビスフェノール
酢酸オクチル−アルキルアミン塩等が挙げられる。
【0027】さらに、これら顕減色剤は、本発明者等が
先に出願した特開平2ー188293号公報、特開平2
ー188294号公報、国際公法番号WO90/118
98号等に記載の材料も挙げることができる。また、二
種以上を同時に使用してもよい。
【0028】そして、バインダーとしては、水または有
機溶剤に溶解する高分子樹脂を使用することができる。
このような高分子樹脂の具体例としては、ポリビニルア
ルコール、メチルセルロース、、酢酸セルロース、メト
キシセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチ
ン、カゼイン、でんぷん類、ポリアクリル酸ソーダ、ス
チレンーマレイン酸共重合体等の水溶性高分子、ポリス
チレン、ポリ塩化ビニル、線状の飽和ポリエステル、ポ
リメタクリル酸メチルまたはポリメタクリル酸エチル等
のメタクリル樹脂の単独または共重合体、ポリウレタ
ン、ポリブチラール、ニトロセルロース、エチルセルロ
ース、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル、
パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、カルナウ
バワックス、マイクロクリスタリンワックス、ステアリ
ン酸アミド、ゴム類等の溶剤可溶型高分子などが使用で
きる。上記のロイコ化合物、両性化合物を水または有機
溶剤に均一に分散もしくは溶解させた塗液中にバインダ
ーを溶解させ、必要に応じて分散剤、消泡剤、増粘剤な
どの液性改良剤を添加してなる塗工液をバーコート、ブ
レードコート、エアーナイフコート、グラビアコート、
ロールコーティング等の公知の塗工方法により塗布、乾
燥して感熱記録層4を形成する。なお、この書き換え可
能な感熱記録層4の層厚は約1〜50μmが好ましい。
【0029】さらにホログラム層8は、ホログラム形成
層6と透過性薄膜層7からなる。このホログラム形成層
6は、ホログラム画像が少なくともその一部に形成され
ている。レリーフホログラムの場合は、ホログラム画像
を表すレリーフ形成面(凹凸)を樹脂上に形成してな
り、樹脂材料としてはポリ塩化ビニル、アクリル、ポリ
スチレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、不飽和
ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メ
タ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エ
ポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)ア
クリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミ
ン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレート等
の熱硬化性樹脂を用いたもの、あるいはこれらの混合物
などを使用することができる。なお、レリーフ形成面が
外部に露出する場合は、レリーフ形成面を保護するため
に、その上面に保護層(図示せず)を設けることもでき
る。
【0030】また、本発明では表1に示す材料を用い
て、このレリーフ形成面にはホログラム層と異なる屈折
率を有し、かつ透明性を示す薄膜層を設けることによ
り、薄膜層の反射光と薄膜層とホログラム層との界面の
反射光、さらには薄膜層とホログラム層との界面で起こ
る反射が薄膜層内で多重反射となることからより高いホ
ログラム効果を得ることができる。この薄膜層の形成に
は公知の手段である真空蒸着法、反応性真空蒸着法、ス
パッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法、電気メッキ法などを用いることができ
る。さらに表1に記載した以外であってもホログラム形
成層6(例えば屈折率n=1.3〜1.3)よりも屈折
率が高いものであれば好ましい。表1以外には、例えば
Bi2 3 、CaO・SiO2 等がある。
【0031】
【表1】
【0032】さらにホログラム層8は、他のホログラム
としてリップマンホログラムを用いることができる。こ
のリップマンホログラムは密度の異なる部分、すなわち
屈折率の異なる部分を層中に形成することによりホログ
ラム画像を記録する。記録材料としては銀塩乳剤、ゼラ
チン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂などの感光材料
が用いられる。これに露光−現像−定着処理を行い、層
中の屈折率を変化させ、ホログラム画像を記録する。
【0033】上記のような構成からなる本発明の可逆性
感熱記録媒体1は、基体2に反射性薄膜層3、光熱変換
層4、書き換え可能な可逆性感熱記録層5、ホログラム
層8を順次積層してなり、可逆性感熱記録媒体1の正面
からはホログラム層8によるホログラム画像が目視され
る。書き換え可能な可逆性感熱記録層5への可視情報記
録はホログラム層8上から半導体レーザー光(赤外線、
約700〜1000nm)を可視情報のパターンに応じ
て部分的に照射し、光熱変換層4の発熱により書き換え
可能な可逆性感熱記録層5の部分的な加熱を行い、可逆
性感熱記録層を最大遮光状態及び透明状態にそれぞれ安
定に保持、またはこれらの状態を可逆的に変化させるこ
とが可能であり、またいずれか一方の状態をベース状態
に設定することにより、他方の状態との光学的相違から
記録された可視情報をホログラム層8のホログラム画像
を介して読み取ることができる。
【0034】また、図示はしないが、ホログラム画像及
び可視情報の視認性を向上させ、意匠効果を増すことを
目的として着色層を設けることも可能であり、例えばア
クリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、
ビニル系樹脂等をバインダーとして、所望する色の染料
または顔料を分散したものが用いられる。
【0035】さらに媒体の最外層に、下層に位置するの
各層の保護のために保護層(図示しない)を設けること
もでき、ホログラム画像や可視情報等の視認・検出を妨
げない程度の透明性を有しているものであれあよく、例
えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂などの公知の合成樹脂、
或いは天然樹脂を用いることができる。さらに紫外線ま
たは熱硬化樹脂をベースに耐性を向上させる添加物とし
て、イソシアネート系などの硬化剤、ポリエチレンワッ
クス、カルナバワックス等のワックス類、或いは炭酸カ
ルシウム、シリカ、アルミナ等の体質顔料、シリコーン
油脂等の油脂類などを用いることができる。
【0036】本発明をシール又はラベルとして用いる場
合には、接着層として基材2の裏面に感熱接着剤又は感
圧接着剤(粘着剤)が形成される。この接着層に感熱接
着剤を用いる場合は、加熱による接着時に感熱記録層へ
の影響が無いことが要求される。平プレス方式の場合で
低温(100℃以下)、熱ロール方式であれば比較的高
温でも可能である。接着剤の例としては不飽和ポリエス
テル樹脂、ウレタン樹脂、ゴム・ポリイソシアネート等
の熱硬化性接着剤、自己架橋アクリル接着剤、酢酸ビニ
ル、ナイロン、熱可塑性ポリエステル等の熱可塑性接着
剤、さらには天然ゴムラテックス、SBRラテックス、
NBRラテックス、ブチルゴムなどのゴム系接着剤など
が用いられる。
【0037】次に本発明の第2の発明である可逆性感熱
記録媒体11は、図2に示すように支持体12上に剥離
層19、ホログラム層18、書き換え可能な可逆性感熱
記録層15、赤外線を吸収し熱を発生する赤外線吸収材
料を含有する光熱変換層14、反射性薄膜層13、感熱
接着剤又は感圧接着剤(粘着剤)からなる接着層18が
順次設けられている。なお、ホログラム層18、書き換
え可能な可逆性感熱記録層15、赤外線を吸収し熱を発
生する赤外線吸収材料を含有する光熱変換層14、反射
性薄膜層13、感熱接着剤又は感圧接着剤(粘着剤)か
らなる接着層20については上述の同一の構成層と同じ
である。
【0038】支持体12は、抗張力、耐熱性などを有す
る、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルム、酸化チタン等を混練した白色ポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルム、紙、塩化ビニル、AB
S、ポリイミド、金属箔、ユポなどの合成紙が用いられ
る。
【0039】剥離層19は、転写時に支持体12からホ
ログラム層18以下の転写層21を剥離させるものであ
り、例えば不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、
種々のアクリレートなどの熱硬化性樹脂やポリシラン樹
脂、或いはシリコーンオイルやテトラフロオロエチレン
微粒子などを含む塩化ビニル、アクリルなどの熱可塑性
樹脂やポリプロピレン等が用いられる。とくに剥離後の
剥離層19はホログラム層18の保護層としての役割を
もたせることも可能である。
【0040】この可逆性感熱記録媒体11を被転写材
(図示しない)に重ね合わせ、支持体12側から加熱・
加圧又は加圧により、転写層21を被転写材に接着し、
その後支持体12を剥離することにより、被転写材上に
可逆性可逆性感熱記録層14とホログラム層18とが重
畳してなる可逆性感熱記録媒体が形成される。この可逆
性感熱記録体の正面からはホログラム層18によるホロ
グラム画像が目視される。書き換え可能な可逆性感熱記
録層への可視情報記録はホログラム層18上から半導体
レーザー光(赤外線、約700〜1000nm)を可視
情報のパターンに応じて部分的に照射し、光熱変換層1
4の発熱により書き換え可能な可逆性感熱記録層15の
部分的な加熱を行い、可逆性感熱記録層を最大遮光状態
及び透明状態にそれぞれ安定に保持、またはこれらの状
態を可逆的に変化させることが可能であり、またいずれ
か一方の状態をベース状態に設定することにより、他方
の状態との光学的相違から記録された可視情報をホログ
ラム層18のホログラム画像を介して読み取ることがで
きる。
【0041】可逆性感熱記録媒体11の転写層21は転
写し易いように、所定の転写パターンに切り込みを入れ
ておいてもよい。
【0042】また、図示はしないが、ホログラム画像及
び可視情報の視認性を向上させ、意匠効果を増すことを
目的として着色層を設けることも可能であり、例えばア
クリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、
ビニル系樹脂等をバインダーとして、所望する色の染料
または顔料を分散したものが用いられる。
【0043】さらに具体的な実施例をあげて詳細に説明
する。 <実施例1>図1に示すように、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)樹脂シート(厚さ188μm)からな
る基材2、アルミニウム蒸着層(厚さ500Å)からな
る反射性薄膜層3、赤外線吸収剤(商品名:CY−20
日本化薬社製)とバインダーとしてポリパラバン酸と
からなる塗液を塗布してなる光熱変換層4、以下の組成
からなる塗液を塗布してなる書き換え可能な可逆性感熱
記録層5(層厚8μm)と、 *書き換え可能な可逆性感熱記録層の組成* ベヘン酸 4.0重量部 アジピン酸 2.0重量部 1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 1.0重量部 VRPH(商品名)(ユニオンカーバイト社製)14.0重量部 イソシアネート 1.4重量部 テトラヒドロフラン 70.0重量部 さらに熱可塑性ポリエステル樹脂を塗工し、その上面に
ホログラム画像レリーフパターンが形成されたスタンパ
を用いてホログラムレリーフ加工を行ないホログラム形
成層6を形成し、レリーフ形成面に透過性薄膜層7とし
てZnSを真空蒸着により設けてなるホログラム層8を
順次積層しての可逆性感熱記録媒体1を得た。
【0044】得られた可逆性感熱記録媒体1を正面から
観察したところ、ホログラム層のホログラム画像が視認
できた。さらに半導体レーザーを用いて赤外線(波長7
80nm 出力150mW)をホログラム層8上から照
射し、情報を書き込んだところ、照射された箇所に白濁
した情報が記録でき、この可視情報はホログラム画像と
重畳して観察された。この可逆性感熱記録媒体1の白濁
部分に再び半導体レーザーを用いて赤外線(波長780
nm 出力50〜100mW)を照射したところ、可視
情報が消去され、外部からはホログラム画像のみが観察
された。そして再び同様にして可視情報の記録を行った
ところ、可視情報の記録消去の繰り返しによるホログラ
ム画像への影響がないことが確認された。
【0045】<実施例2>次に図2に示すように、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)樹脂シート(厚さ1
88μm)からなる支持体12に、ポリシラン系樹脂か
らなる剥離層17、熱可塑性ポリエステル樹脂を塗工
し、その上面にホログラム画像レリーフパターンが形成
されたスタンパを用いてホログラムレリーフ加工を行な
いホログラム形成層16を形成し、レリーフ形成面に透
過性薄膜層17としてZnSを真空蒸着により設けてな
るホログラム層18、上記組成からなる書き換え可能な
可逆性感熱記録層15(層厚15μm)、赤外線吸収剤
(商品名:CY−20 日本化薬社製)とバインダーと
してポリパラバン酸とからなる塗液を塗布してなる光熱
変換層14、アルミニウム蒸着層(厚さ500Å)から
なる反射性薄膜層、不飽和ポリエステルからなる接着層
20を順次積層し、可逆性感熱記録媒体11を得た。こ
の可逆性感熱記録媒体11を任意の基材(例えば塩化ビ
ニルシートなど)上に密着し、その裏面から100℃に
設定された熱ロールの加圧密着により接着させ、その後
支持体12を剥離し、可逆性感熱記録媒体が形成され
た。
【0046】この可逆性感熱記録媒体を正面から観察し
たところ、ホログラム層のホログラム画像が視認でき
た。さらに半導体レーザーを用いて赤外線(波長780
nm出力150mW)をホログラム層上から照射し、情
報を書き込んだところ、照射された箇所に白濁した情報
が記録でき、この可視情報はホログラム画像と重畳して
観察された。この可逆性感熱記録媒体の白濁部分に再び
半導体レーザーを用いて赤外線(波長780nm 出力
50〜100mW)を照射したところ、可視情報が消去
され、外部からはホログラム画像のみが観察された。そ
して再び同様にして可視情報の記録を行ったところ、可
視情報の記録消去の繰り返しによるグラム画像への影響
がないことが確認された。
【0047】また実施例1及び実施例2において、可逆
性感熱記録媒体のホログラム層から市販されているワー
ドプロセッサに付属するプリンターのサーマルヘッドに
より加熱印字を行なったところ、ホログラム画像上に外
部からはっきりと視認できるサーマルヘッドの走査跡の
傷ができた。このように周辺にある加熱印字手段を用い
ると改竄の跡が残るため、改竄の発見が容易であり、ま
たこれによる不正行為の抑止効果も有するものである。
【0048】
【発明の効果】本発明の可逆性感熱記録媒体は、ホログ
ラム画像を有するホログラム層、書き換え可能な可逆性
感熱記録層、光熱変換層を積層することにより、ホログ
ラム層の上面からレーザー光等の非接触印字手段を用い
てホログラム層下に可視情報を書き込みを行なうので、
ホログラム画像に影響を与えることなく可視情報を記録
することができるため、ホログラム画像と書き換え可能
な可視情報が重畳した状態で両者を確認することができ
る。また、この可視情報を改竄又は改変する場合にはホ
ログラム層に傷などの損傷を生じるため、不正行為がな
された事実を容易に判別できる。このように本発明はホ
ログラムの装飾性だけでなく、書き換えを行なう可視情
報の改変・改竄等の不正行為の有無の確認が瞬時にで
き、しかもそれによる抑止効果も期待できるという優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱記録媒体の一実施例を示す
部分拡大断面図である。
【図2】本発明の第2の発明の可逆性感熱記録媒体の一
実施例を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1、11 可逆性感熱記録媒体 2 基材 3、13 反射性薄膜層 4、14 光熱変換層 5、15 書き換え可能な可逆性感熱記録
層 6、16 ホログラム形成層 7、17 透過性薄膜層 8、18 ホログラム層 12 支持体 19 剥離層 20 接着層 21 転写層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06K 19/10 G06K 19/00 D R

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に反射性薄膜層、赤外線を吸収し熱
    を発生する赤外線吸収材料を含有する光熱変換層、書き
    換え可能な可逆性感熱記録層、ホログラム層を設けてな
    ることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】支持体上に剥離層、ホログラム層、書き換
    え可能な可逆性感熱記録層、赤外線を吸収し熱を発生す
    る赤外線吸収材料を含有する光熱変換層、反射性薄膜
    層、接着層を設けてなることを特徴とする可逆性感熱記
    録媒体。
  3. 【請求項3】前記ホログラム層が微小凹凸形状を有する
    ホログラム形成層及びその微小凹凸形状面に屈折率が前
    記ホログラム形成層と異なる透過性薄膜層からなること
    を特徴とする請求項1又は2記載の可逆性感熱記録媒
    体。
  4. 【請求項4】前記可逆性感熱記録層は、樹脂母材と該樹
    脂母材中に分散される有機低分子物質とを主成分とし、
    かつ温度に依存してその透明度が可逆的に変化すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の可逆性感熱記録媒
    体。
  5. 【請求項5】前記可逆性感熱記録層は、ロイコ化合物
    と、該ロイコ化合物と熱的に反応して顕色または減色さ
    せる顕減色剤と、バインダーを主成分とし、かつ熱エネ
    ルギーの制御により、可逆的に発色・消色することを特
    徴とする請求項1又は2記載の可逆性感熱記録媒体。
  6. 【請求項6】被貼着材に接する面に粘着層を設けてなる
    ことを特徴とする請求項1記載の可逆性感熱記録媒体。
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