JPH0821503A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JPH0821503A
JPH0821503A JP15732694A JP15732694A JPH0821503A JP H0821503 A JPH0821503 A JP H0821503A JP 15732694 A JP15732694 A JP 15732694A JP 15732694 A JP15732694 A JP 15732694A JP H0821503 A JPH0821503 A JP H0821503A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速機の外寸を可能な限り小さく抑えるとい
う要求を満たしつつ、皿ばねに隣接する無段変速部の入
力ディスクへのひび割れの発生を有効に防止することを
目的とする。 【構成】 共通の入力軸9上に配置された二つの無段変
速部6,8と、前記入力軸の一端部に配置されてそれら
の無段変速部に予圧を与える皿ばね21と、前記入力軸の
前記端部に配置されて前記皿ばねを締め上げるローディ
ングナット20と、前記入力軸の前記端部を支持するベア
リング23とを具える、ダブルキャビティ形式のトロイダ
ル型無段変速機において、前記皿ばね21およびローディ
ングナット20を、前記入力軸9の軸線方向について前記
ベアリング23と同一の位置に重ねて配置するとともに前
記ベアリングの内周面に対し半径方向内方に配置するこ
とを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、共通の入力軸上に配
置された二つの無段変速部と、前記入力軸の一端部に配
置されてそれらの無段変速部に予圧を与える皿ばねと、
前記入力軸の前記端部に配置されて前記皿ばねを締め上
げるローディングナットと、前記入力軸の前記端部を支
持するベアリングとを具える、ダブルキャビティ形式の
トロイダル型無段変速機に関し、特には、そのトロイダ
ル型無段変速機における上記皿ばねおよびローディング
ナットの有利な配置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダブルキャビティ形式のトロイダル型無
段変速機としては例えば、本願出願人が先に特開平4--6
9439号にて開示した図6に示す如きものが従来知られ、
この変速機は二個の入力ディスク1,2と二個の出力デ
ィスク3,4とを具えており、ここで、入力ディスク1
は、出力ディスク3と対向してキャビティ円を画成する
とともにそれらの間に一対の変速用摩擦ローラ5(図で
は片方のみ示す)を挟持して無段変速部6を構成し、ま
た入力ディスク2も、出力ディスク4と対向してキャビ
ティ円を画成するとともにそれらの間に一対の変速用摩
擦ローラ7(図では片方のみ示す)を挟持してもう一つ
の無段変速部8を構成している。
【0003】そして入力ディスク1,2は、上記二つの
無段変速部に共通の入力軸9の両端部にボールスプライ
ン10を介して軸線方向移動可能にそれぞれ駆動結合さ
れ、また出力ディスク3,4は、その入力軸9に回転自
在に嵌合されたドライブギヤ11に通常のスプラインを介
して駆動結合され、そのドライブギヤ11に噛合するドリ
ブンギヤ12は、入力軸9の側方の第1出力軸13の一端部
に通常のスプラインを介して駆動結合され、その第1出
力軸13の他端部に形成されたギヤ14と、上記入力軸9と
同一の軸線上に配置された第2出力軸15の端部に形成さ
れた出力ギヤ16とは共に、それら第1,第2出力軸13,
15の側方に配置された図示しない中間軸上の中間ギヤに
噛合している。
【0004】かかる構成により、図示しないエンジンか
ら図示しないトルクコンバータを介して入力軸9に入力
された駆動トルクは、二個の入力ディスク1,2から摩
擦ローラ6,7を介して二個の出力ディスク3,4へ並
列的に伝達され、それらの出力ディスク3,4からさら
にドライブギヤ11、ドリブンギヤ12、第一出力軸13、ギ
ヤ14、中間ギヤおよび出力ギヤ16を経て第2出力軸15に
伝達されて、変速機外へ出力され、ひいては車両の駆動
輪へもたらされる。また上記入力された駆動トルクによ
る入力軸9の回転は、上記キャビティ円の中心を通る軸
線周りでの摩擦ローラ6,7の傾転により入出力ディス
ク1,3間および入出力ディスク2,4間で無段変速さ
れるとともにその摩擦ローラ6,7を経ることで反転さ
れてドライブギヤ11へ伝えられ、ドライブギヤ11に噛合
するドリブンギヤ12と同一方向すなわち入力軸9と同一
方向へ回転するギヤ14から、中間ギヤを介して出力ギヤ
16ひいては第2出力軸15に伝えられ、それゆえ入力軸9
と同一方向の出力回転として第2出力軸15から取り出さ
れる。
【0005】ここで、上記トルクコンバータからの駆動
トルクは、入力軸9の入力ディスク1側の端部に形成さ
れたフランジ17とその入力ディスク1との間に直列に介
挿されたカムフランジ18およびカムローラ19を介して入
力ディスク1ひいては入力軸9へ伝達され、そのカムロ
ーラ19は、カムフランジ18に入力される駆動トルクの大
きさに対応してカムフランジ18の周方向へ移動して、カ
ムフランジ18による支持下で入力ディスク1を出力ディ
スク3へ向けて押圧する。この一方、入力軸9の入力デ
ィスク2側の端部に締着されたローディングナット20と
その入力ディスク2との間には、皿ばね21と、環状の予
圧調整板22とが直列に介挿され、上記ローディングナッ
ト20により締め上げられるとともに上記予圧調整板22の
板厚変更によって圧縮量を適宜調節された上記皿ばね21
は、入力ディスク2を出力ディスク4へ向けて押圧する
とともに入力軸9をその入力ディスク2の押圧方向とは
逆の方向へ押圧する。
【0006】かかる構成により、上記二つの無段変速部
6,8の、摩擦ローラ5と入出力ディスク1,3間およ
び摩擦ローラ7と入出力ディスク2,4間には、駆動ト
ルクが入力されていない間は上記圧縮された皿ばね21に
よって予圧が与えられる一方駆動トルクが入力されると
上記カムローラ19によってその駆動トルクに応じた大き
さの押圧力が与えられることにより、駆動トルクの伝達
に関して過不足のない摩擦力が発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
トロイダル型無段変速機にあっては、変速機の外寸を可
能な限り小さく抑えるという基本的要求に基づき、入力
軸9の皿ばね21が配置された側の端部が、第2出力軸15
の出力ギヤ16側の端部内にニードルベアリングを介して
嵌挿されてその第2出力軸15の出力ギヤ16側の端部を支
持するボールベアリング23により支持され、さらに、皿
ばね21および予圧調整板22に隣接する入力ディスク2の
背面に凹部2aが形成されて、それら皿ばね21と予圧調整
板22とが、その入力ディスク2の背面の凹部2a内に収容
されている。
【0008】しかしながらかかる構造では、入力される
駆動トルクの増大に対応して摩擦ローラ5と入出力ディ
スク1,3間および摩擦ローラ7と入出力ディスク2,
4間に大きな押圧力が与えられると、ボールスプライン
10のための比較的深いスプライン溝10a が形成された二
個の入力ディスク1,2のうちの、上記凹部2aが形成さ
れて剛性が比較的低くなっていると同時にカムローラ19
およびカムフランジ18による背後からの支持もない上記
入力ディスク2の方に、特にそのスプライン溝10a 付近
で応力集中により相当大きな内部応力が発生し、これが
ため、上記押圧力が特に大きくなる場合には、上記スプ
ライン溝10a 付近にひび割れが発生する可能性を否定し
切れなかった。
【0009】そしてこの問題の解決のためには、皿ばね
21と予圧調整板22とを入力ディスク2の外に配置して入
力ディスク2から上記凹部2aをなくすことでその入力デ
ィスク2の剛性を高めることが考えられるが、単にそれ
ら皿ばね21と予圧調整板22とを入力ディスク2の外に配
置するだけでは、その皿ばね21およびそれを締め上げる
ローディングナット20と、入力軸9の皿ばね21が配置さ
れた側の端部を支持するボールベアリング23との干渉防
止上、そのボールベアリング23を軸線方向外方へずらす
必要が生じ、ひいては変速機の外寸を入力軸9の軸線方
向に大きくする必要が生じて、変速機の外寸を可能な限
り小さく抑えるという基本的要求を満たし得なくなると
いう新たな問題を生じさせてしまう。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記従来の
ダブルキャビティ形式のトロイダル型無段変速機の課題
を有利に解決したトロイダル型無段変速機を提供するこ
とを目的とするものであり、この発明のトロイダル型無
段変速機は、共通の入力軸上に配置された二つの無段変
速部と、前記入力軸の一端部に配置されてそれらの無段
変速部に予圧を与える皿ばねと、前記入力軸の前記端部
に配置されて前記皿ばねを締め上げるローディングナッ
トと、前記入力軸の前記端部を支持するベアリングとを
具える、ダブルキャビティ形式のトロイダル型無段変速
機において、前記皿ばねおよびローディングナットを、
前記入力軸の軸線方向について前記ベアリングと同一の
位置に重ねて配置するとともに前記ベアリングの内周面
に対し半径方向内方に配置することを特徴とするもので
ある。
【0011】なお、この発明のトロイダル型無段変速機
が、前記二つの無段変速部から前記入力軸の回転方向に
対し逆方向の出力回転を与えられる第1出力軸と、前記
入力軸と同一の軸線上に位置して前記ベアリングにより
一端部を支持されるとともに前記入力軸の前記端部を支
持する第2出力軸と、を具える場合には、前記第1出力
軸と前記第2出力軸との間をチェーンを介して連結して
も良い。
【0012】
【作用】かかるこの発明のトロイダル型無段変速機にあ
っては、前記皿ばねおよびローディングナットを、前記
入力軸の軸線方向について前記ベアリングと同一の位置
に重ねて配置するとともに前記ベアリングの内周面に対
し半径方向内方に配置するので、前記皿ばねに隣接する
無段変速部の入力ディスクの背面に凹部を形成しなくて
も、しかも前記皿ばねおよびそれを締め上げるローディ
ングナットとの干渉防止のために前記ベアリングを軸線
方向外方へずらさなくても、前記皿ばねを前記入力軸の
前記端部に配置することが可能となる。
【0013】従って、この発明のトロイダル型無段変速
機によれば、皿ばねに隣接する無段変速部の入力ディス
クの背面に凹部を形成する必要を無くし得て、その入力
ディスクへのひび割れの発生を有効に防止し得るととも
に、ベアリングを軸線方向外方へずらす必要を無くし得
て、変速機の外寸を可能な限り小さく抑えるという要求
をも満たすことができる。
【0014】なお、この発明のトロイダル型無段変速機
が、前記二つの無段変速部から前記入力軸の回転方向に
対し逆方向の出力回転を与えられる第1出力軸と、前記
入力軸と同一の軸線上に位置して前記ベアリングにより
一端部を支持されるとともに前記入力軸の前記端部を支
持する第2出力軸と、を具える場合に、前記第1出力軸
と前記第2出力軸との間をチェーンを介して連結するこ
ととすれば、前記第1出力軸および第2出力軸の側方に
位置する従来の中間軸で支持される中間歯車を設けなく
ても第2出力軸を第1出力軸と同一方向へ回転させ得
て、入力軸と第2出力軸との回転方向を一致させるとい
う要求を満たしつつ、前記中間軸を支持するベアリング
のスペース分を、前記第2出力軸の一端部を介して前記
入力軸の前記端部を支持するベアリングのために充てる
ことができる。
【0015】従って、上述のようにすれば、前記第1出
力軸と前記中間軸との間隔の拡大を考慮せずして、前記
第2出力軸の一端部を支持するベアリングの外径とボー
ル等の転動体の径とを拡大でき、ひいてはそのベアリン
グの荷重支持能力を高めることができるので、変速機の
外寸を可能な限り小さく抑えるという要求を満たしつ
つ、前記第2出力軸からより大きな出力トルクを取出し
得るようにすることができる。
【0016】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基づき詳
細に説明する。図1は、この発明のトロイダル型無段変
速機の第1の実施例の全体構成を示す断面図、図2は、
その実施例の無段変速機の構成のうち本発明に関する部
分を特に拡大して示す断面図、図3は、上記実施例の無
段変速機のケーシングのみを図1の矢印III 方向から見
た端面図、そして図4は、上記実施例の無段変速機の歯
車列を展開して示す断面図である。なお、この実施例の
トロイダル型無段変速機も、ダブルキャビティ形式のも
ので、図6に示す従来例と概略同様の構成を具えてお
り、それゆえ上記の図中従来例と同様の部分は、それと
同一の符号にて示す。
【0017】すなわち、この実施例のトロイダル型無段
変速機も、二個の入力ディスク1,2と二個の出力ディ
スク3,4とを具えており、ここで、入力ディスク1
は、出力ディスク3と対向してキャビティ円を画成する
とともにそれらの間に一対の変速用摩擦ローラ5(図で
は片方のみ示す)を挟持して無段変速部6を構成し、ま
た入力ディスク2も、出力ディスク4と対向してキャビ
ティ円を画成するとともにそれらの間に一対の変速用摩
擦ローラ7(図では片方のみ示す)を挟持してもう一つ
の無段変速部8を構成している。
【0018】そして入力ディスク1,2は、上記二つの
無段変速部に共通の入力軸9の両端部にボールスプライ
ン10を介して軸線方向移動可能にそれぞれ駆動結合さ
れ、また出力ディスク3,4は、その入力軸9に回転自
在に嵌合されたドライブギヤ11に通常のスプラインを介
して駆動結合され、そのドライブギヤ11に噛合するドリ
ブンギヤ12は、入力軸9の側方の第1出力軸13の一端部
に通常のスプラインを介して駆動結合され、その第1出
力軸13の他端部に形成されたギヤ14と、上記入力軸9と
同一の軸線上に配置された第2出力軸15の端部に形成さ
れた出力ギヤ16とは共に、図4に示すように、それら第
1,第2出力軸13,15の側方に配置された中間軸24上の
中間ギヤ25に噛合している。
【0019】かかる構成により、図示しないエンジンか
らトルクコンバータ26および遊星歯車式の前後進切換え
機構27とを介して入力軸9に入力された駆動トルクは、
上記従来例と同様にして、第2出力軸15に伝達されて、
変速機外へ出力され、ひいては車両の駆動輪へもたらさ
れる。また上記入力された駆動トルクによる入力軸9の
回転も、上記従来例と同様にして、無段変速されるとと
もに第2出力軸15に伝えられ、それゆえ入力軸9と同一
方向の出力回転として第2出力軸15から取り出される。
【0020】さらに入力軸9の入力ディスク1側の端部
に形成されたフランジ17とその入力ディスク1との間に
は、カムフランジ18およびカムローラ19が直列に介挿さ
れ、この一方、入力軸9の入力ディスク2側の端部に締
着されたローディングナット20とその入力ディスク2と
の間には、皿ばね21と、環状の予圧調整板22とが直列に
介挿されており、前後進切換え機構27からの駆動トルク
は、上記カムフランジ18およびカムローラ19を介して入
力ディスク1ひいては入力軸9へ伝達され、そのカムロ
ーラ19は、カムフランジ18に入力される駆動トルクの大
きさに対応してカムフランジ18の周方向へ移動して、カ
ムフランジ18による支持下で入力ディスク1を出力ディ
スク3へ向けて押圧し、一方、上記ローディングナット
20により締め上げられるとともに上記予圧調整板22の板
厚変更によって圧縮量を適宜調節された上記皿ばね21
は、入力ディスク2を出力ディスク4へ向けて押圧する
とともに入力軸9をその入力ディスク2の押圧方向とは
逆の方向へ押圧する。
【0021】従ってこの実施例でも、上記二つの無段変
速部6,8の、摩擦ローラ5と入出力ディスク1,3間
および摩擦ローラ7と入出力ディスク2,4間には、駆
動トルクが入力されていない間は上記圧縮された皿ばね
21によって予圧が与えられる一方駆動トルクが入力され
ると上記カムローラ19によってその駆動トルクに応じた
大きさの押圧力が与えられることにより、駆動トルクの
伝達に関して過不足のない摩擦力が発生する。
【0022】しかしてこの実施例では、入力軸9の皿ば
ね21が配置された側の端部は、上記従来例と同様、第2
出力軸15の出力ギヤ16側の端部内にニードルベアリング
28を介して嵌挿されてその第2出力軸15の出力ギヤ16側
の端部を支持するボールベアリング23によりケーシング
29に支持されているが、その一方で、出力軸15の出力ギ
ヤ16側の端部に凹部15a が形成されるとともにその端部
が短縮されて、ボールベアリング23の内周面の半径方向
内方にスペースが確保され、これにより皿ばね21および
ローディングナット20は、入力軸9の軸線方向について
ボールベアリング23と同一の位置に重ねて配置されると
ともにそのボールベアリング23の内周面に対し半径方向
内方に配置されている。それゆえこの実施例では、皿ば
ね21および予圧調整板22に隣接する無段変速部8の入力
ディスク2が、その背面に凹部を持たないためスプライ
ン溝10a 付近で十分な厚みを有しており、またボールベ
アリング23が軸線方向外方へずらされることなしに、そ
のボールベアリング23と皿ばね21およびローディングナ
ット20との干渉が防止されている。
【0023】従ってこの実施例のトロイダル型無段変速
機によれば、皿ばね21および予圧調整板22に隣接する無
段変速部8の入力ディスク2がそのスプライン溝10a 付
近で十分な厚みを有しているので、摩擦ローラ7からそ
の入力ディスク2に大きな押圧力が与えられても入力デ
ィスク2へのひび割れの発生を有効に防止することがで
き、しかもボールベアリング23が軸線方向外方へずらさ
れていないので、変速機の外寸を可能な限り小さく抑え
るという要求をも満たすことができる。
【0024】ところで図4は、上記実施例における第1
出力軸13上のギヤ14と中間軸24上の中間ギヤ25と第2出
力軸15上の出力ギヤ16との噛合状態を展開して示してお
り、図示の如く、第2出力軸15の一端部を支持するボー
ルベアリング23は、ケーシング29の孔29a 内に嵌め込ま
れ、また第1出力軸13の一端部を支持するボールベアリ
ング30はケーシング29の孔29b 内に嵌め込まれ、そして
中間軸24の一端部を支持するローラーベアリング31はケ
ーシング29の孔29c 内に嵌め込まれて、それぞれケーシ
ング29に支持されている。また図3は、図1の矢印III
方向からケーシング27の端部を見た場合の、上記各ベア
リングが嵌め込まれる孔29a, 29b,29cの配置を示して
おり、これら図3および図4から明らかなように、現状
の中間軸24の配置では、ボールベアリング23とローラー
ベアリング31との間およびローラーベアリング31とボー
ルベアリング30の間が極めて近接していて、実質的にこ
れ以上のベアリング外径の拡大は行い得ない。
【0025】それゆえ、入力軸9と第2出力軸15との回
転方向を一致させることおよび、ボールベアリング23の
半径方向内方に皿ばね21とローディングナット20とを収
容するためボールベアリング23の内径の縮小はしないこ
とを前提として、第2出力軸15からさらに大きな出力ト
ルクを取り出すために、ボールベアリング23のボール径
と外径とを拡大してそのボールベアリング23の荷重支持
能力をさらに高めようとすると、上記実施例の構成では
中間軸24の位置を外方(図3では左方)へずらす必要が
生じ、変速機の外寸を可能な限り小さく抑えるという要
求を満たすことができなくなるという不都合があった。
【0026】図5は、上記不都合を解消したこの発明の
第2の実施例を示しており、図中先の第1の実施例と同
様の部分はそれと同一の符号にて示す。すなわちこの実
施例は、第1の実施例と概略同様の構成を具えるが、そ
の第1出力軸13と第2出力軸15との間の連結を、その第
1の実施例におけるギヤ14と中間ギヤ25と出力ギヤ16と
からなる歯車列で行う代わりに、第1出力軸13の端部に
設けたスプロケット32と第2出力軸15の端部に設けたス
プロケット33とに掛け渡したチェーン(図示例ではサイ
レントチェーン)34で行っている。
【0027】そしてこの第2の実施例では、上記チェー
ン34による連結を採用したことで不要となった、先の第
1の実施例における中間軸24およびそれを支持するロー
ラーベアリング31を取り除いてあり、それによってスペ
ースに余裕ができてボールベアリング23の外径の拡大が
可能となったことから、第1の実施例のものよりも外径
およびボール径の大きいボールベアリング23を、第2出
力軸15の端部の支持に用いている。
【0028】従ってこの第2の実施例のトロイダル型無
段変速機によれば、入力軸9と第2出力軸15との回転方
向を一致させ、かつボールベアリング23の半径方向内方
に皿ばね21とローディングナット20とを収容するという
前提を満たし、さらに変速機の外寸を可能な限り小さく
抑えるという要求をも満たすことができ、しかもボール
ベアリング23のボール径と外径とを拡大してそのボール
ベアリング23の荷重支持能力を先の第1の実施例よりも
さらに高めているので、第2出力軸15からさらに大きな
出力トルクを取り出すことができる。
【0029】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、第1出
力軸13と第2出力軸15との連結に第2の実施例のように
チェーンを用いず第1の実施例のようにギヤ14と中間ギ
ヤ25と出力ギヤ16とからなる歯車列を用いつつ、第2出
力軸15から大きな出力トルクを取り出す場合に、第2出
力軸15の中間部を支持して第2出力軸15からの荷重をボ
ールベアリング23と分担しているもう一つのボールベア
リング35(図2参照)を、第1の実施例での位置よりも
ボールベアリング23寄りの位置(図2では左寄りの位
置)へずらして配置して、そのボールベアリング35の荷
重分担分を増やすとともに、ボールベアリング35のボー
ル径と外径とを拡大して荷重支持能力を高めるようにし
ても良く、このようにした場合にも、変速機の外寸を可
能な限り小さく抑えるという要求を満たすことができ
る。またこの発明においては、所要に応じ、皿ばね21と
ローディングナット20とに加えて、さらに予圧調整板22
をもボールベアリング23の半径方向内方に収容しても良
い。
【0030】
【発明の効果】かくしてこの発明のトロイダル型無段変
速機によれば、皿ばねに隣接する無段変速部の入力ディ
スクの背面に凹部を形成する必要を無くし得て、その入
力ディスクへのひび割れの発生を有効に防止し得るとと
もに、ベアリングを軸線方向外方へずらす必要を無くし
得て、変速機の外寸を可能な限り小さく抑えるという要
求をも満たすことができる。
【0031】なお、この発明のトロイダル型無段変速機
が、前記二つの無段変速部から前記入力軸の回転方向に
対し逆方向の出力回転を与えられる第1出力軸と、前記
入力軸と同一の軸線上に位置して前記ベアリングにより
一端部を支持されるとともに前記入力軸の前記端部を支
持する第2出力軸と、を具える場合に、前記第1出力軸
と前記第2出力軸との間をチェーンを介して連結するこ
ととすれば、入力軸と第2出力軸との回転方向を一致さ
せるという要求を満たしつつ、前記中間軸を支持するベ
アリングのスペース分を、前記第2出力軸の一端部を介
して前記入力軸の前記端部を支持するベアリングのため
に充てることができることから、前記第1出力軸と前記
中間軸との間隔の拡大を考慮せずして、前記第2出力軸
の一端部を支持するベアリングの外径とボール等の転動
体の径とを拡大でき、ひいてはそのベアリングの荷重支
持能力を高めることができるので、変速機の外寸を可能
な限り小さく抑えるという要求を満たしつつ、前記第2
出力軸からより大きな出力トルクを取出し得るようにす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のトロイダル型無段変速機の第1の実
施例の全体構成を示す断面図である。
【図2】上記第1の実施例の無段変速機の構成のうち本
発明に関する部分を特に拡大して示す断面図である。
【図3】上記第1の実施例の無段変速機のケーシングの
みを図1の矢印III 方向から見た端面図である。
【図4】上記第1の実施例の無段変速機の歯車列を展開
して示す断面図である。
【図5】この発明のトロイダル型無段変速機の第2の実
施例の構成のうち本発明に関する部分を特に拡大して示
す断面図である。
【図6】従来のトロイダル型無段変速機の構成を例示す
る断面図である。
【符号の説明】
6,8 無段変速部 9 入力軸 13 第1出力軸 15 第2出力軸 20 ローディングナット 21 皿ばね 22 予圧調整板 23 ボールベアリング 34 チェーン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共通の入力軸(9)上に配置された二つ
    の無段変速部(6,8)と、前記入力軸の一端部に配置
    されてそれらの無段変速部に予圧を与える皿ばね(21)
    と、前記入力軸の前記端部に配置されて前記皿ばねを締
    め上げるローディングナット(20)と、前記入力軸の前
    記端部を支持するベアリング(23)とを具える、ダブル
    キャビティ形式のトロイダル型無段変速機において、 前記皿ばね(21)およびローディングナット(20)を、
    前記入力軸(9)の軸線方向について前記ベアリング
    (23)と同一の位置に重ねて配置するとともに前記ベア
    リングの内周面に対し半径方向内方に配置することを特
    徴とする、トロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 前記二つの無段変速部(6,8)から前
    記入力軸(9)の回転方向に対し逆方向の出力回転を与
    えられる第1出力軸(13)と、前記入力軸と同一の軸線
    上に位置して前記ベアリング(23)により一端部を支持
    されるとともに前記入力軸の前記端部を支持する第2出
    力軸(15)とを具える、請求項1記載のトロイダル型無
    段変速機において、 前記第1出力軸(13)と前記第2出力軸(15)との間
    を、チェーン(34)を介して連結することを特徴とす
    る、トロイダル型無段変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US6638194B2 (en) 2000-09-20 2003-10-28 Tochigi Fuji Sangyo Kabushiki Kaisha Drive power transmission apparatus
DE19950803C2 (de) * 1998-10-21 2003-12-24 Nsk Ltd Getriebeeinheit
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