JPH082102Y2 - 液体用組立式コンテナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、果実ジュース等の液体やクリーム，ジャム
等のペーストをバルク輸送するための液体用組立式コン
テナに関するものである。

［従来の技術］ 従来、果実ジュース等液状食品をバルク輸送する方法
として専用タンク車やステンレス鋼製コンテナを車輛に
積載して輸送する方法が行われてきたが、コンテナ等の
消毒や入念な洗浄を必要とするため、ワンウェイ用に作
られた軟質の袋体に液体を収容しこれを組立式コンテナ
で輸送する方法が行われている。しかしながら、この方
式では、コンテナを架台上に載置し袋体底面中央から内
容液を取り出す方法が採られ、下からバルブ等を操作し
なければならず、操作が非常に面倒である。

［考案が解決しようとする課題］ 考案者は、袋体下底面から液体を排出せずに、袋体の
側面下部から側板や底枠側面を通して排出できれば架台
を必要とせず、操作が非常に容易となるので、この側板
側面から取り出すため、袋体の取出ノズルの保持構造に
ついて検討を重ね、本考案を完成するに至った。

［課題を解決するための手段］ 本考案によれば、パレットを設けた底枠の４周に側板
を着脱可能に結合させて立設し，箱体内の平面底板
（５）または逆角錘状底板（17）上に軟質袋体を装填し
た液体用組立式コンテナにおいて、前記袋体の１側面下
縁部に設けた液体取出ノズル（６）が前記液体取出ノズ
ルに対向する側板（２）または底枠側板（18）の窓部
（７）に引き出され、前記取出ノズルに設けた鍔（10）
とフランジ（９）間の管状部が前記窓部に設けた半円形
切欠きを有するノズル保持板（11）と、該ノズル保持板
上に載置され半円形切欠きを有し上下滑動可能としたノ
ズル押え板（12）で挟持固定されることを特徴とする液
体用組立式コンテナが提供される。

本考案の第１の実施例を図面に基いて説明すると、第
１図は底枠（１）と側板（２）及び天板（３）を分離し
た状態における斜視図で、底枠（１）には運搬，段積み
用のパレット（４）が取り付けられ、底枠内には液体用
直方体形袋体（図示せず）の底面を支持するため平板の
底板（５）が取り付けられている。底枠の４周には側板
（２）が公知の方法で着脱可能に立設結合されて箱体を
形成し、箱体の天井部には天板（３）が冠着する。箱体
内面に接して軟質直方体状の袋体が装填され、袋体の天
井部には液体出入口が、また１側面底縁部には液状体の
取出ノズル（６）が設けられている。この取出ノズル
は、対応する側板（２）に設けた角形の窓部（７）（点
線で示す）に引き出されている。

第２図は上記袋体取出ノズル部の縦断面図で、軟質合
成樹脂シート製の袋体（８）の側面下部に取出ノズル
（６）がフランジ（９）で一体的に取り付けられ、取出
ノズルに設けた鍔（10）とフランジ間の管状部を上開き
の半円形切欠きを持ったノズル保持板（11）と、下開き
の半円形切欠きを持ったノズル押え板（12）で挟持固定
されている。取出ノズルには内容液の無菌取出し装置取
付用のアダプター（13）が設けられ、先端にはキャップ
（14）が装置されており、窓部（７）は上からの差込式
のダンパー（15）で閉じられている。なお、窓部は製作
の都合上、保持板等より大きく切り欠かれるため、窓部
の上方及び左右両側は第３図に示すように盲板（16）で
塞がれ、袋体の外側への膨出を防止している。

窓部（７）の両側部に、それぞれ２筋の案内溝を設
け、内側案内溝にノズル保持板（11）が固着し、その上
に上下滑動自在にノズル押え板（12）が嵌着し、この両
者で形成される円窓で、袋体のフランジと鍔の間を挟持
固定する。また外側の案内溝には差込式ダンパー（15）
が嵌着し、側板開口部を閉じる。

次に本考案の第２の実施例について説明する。第４図
は底枠（１）と側板（２）及び天板（３）を分離した状
態における斜視図で、底枠内には液状体用直方体形袋体
（図示せず）の逆角錘状底面を支承するため同形の角錘
状底板（17）が取り付けられ、その側面開口部は底枠側
板（18）の窓部（７）に合致するようになっている。側
板は底枠の底枠側板上に立設される。

袋体の取出ノズル部も構造は第１の実施例と全く同様
である。この実施例では窓部は第５図の窓部斜視図に示
すように、両側部にそれぞれ１筋の案内溝を設け、案内
溝にノズル保持板（11）が固着し、その上に上下滑動自
在に、下開きの半円形切欠きを持ったノズル押え板（1
2）が嵌着し、この両者で形成される円孔で袋体のフラ
ンジと鍔の間を挟持固定する。なお、ノズル押え板は水
平に回動するストッパー（20）の下面と接し、ノズル押
え板の飛び上りを防止する構造となっている。底枠側板
の上部に側板を立設する関係上、窓部（７）を覆うた
め、窓部側方に回動軸を有し水平に回動するカバー（1
9）が設けられている。

［作用］ 取出ノズルは、半円形切欠きを持ったノズル保持板及
びノズル押え板でフランジと鍔の間を挟持するので、動
揺しないようにしっかりと挟持固定される。

また、ノズル押え板は上下スライド式のため取外して
取出ノズルをノズル保持板から簡単に着脱でき、容易に
袋体をコンテナに装着し、または離脱させるすることが
できる。

［考案の効果］ 本考案によれば、ノズル取付部が側板または底枠側板
の窓部に位置するため、コンテナを吊り上げることな
く、グランドに静置した状態で、液取出装置と接続して
内容液を取り出すことが出来るので、非常に能率的であ
るとともに、作業も極めて安全である。また、第２の実
施例によれば、コンテナを傾けることなく内容液を余さ
ず取り出せる利点がある。

さらに、ノズル押え板は簡単に脱着できるので、取出
ノズルの窓部脱着も容易なため、袋体の取付け，取外し
の作業性に優れ、物流コストの低減効果が大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る実施例の液体用組立式コンテナの
底枠と側板及び天板を分離した状態における斜視図で、
第２図は袋体取出ノズル部の縦断面図，第３図は同じく
斜視図で、第４図は他の実施例の底板と側板及び天板を
分離した状態における斜視図で、第５図は底枠側板窓部
の斜視図である。 （１）…底枠，（２）…側板，（３）…天板，（４）…
パレット，（５）…底板，（６）…取出ノズル，（７）
…窓部，（８）…袋体，（９）…フランジ，（10）…
鍔，（11）…ノズル保持板，（12）…ノズル押え板，
（15）…ダンパー，（16）…盲板，（17）…角錘状底
板，（18）…底枠側板，（19）…カバー。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】パレットを設けた底枠の４周に側板を着脱
   可能に結合させて立設し，箱体内の平面底板（５）上に
   軟質袋体を装填した液体用組立式コンテナにおいて、前
   記袋体の１側面下縁部に設けた液体取出ノズル（６）が
   前記液体取出ノズルに対向する側板（２）の窓部（７）
   に引き出され、前記取出ノズルに設けた鍔（10）とフラ
   ンジ（９）間の管状部が前記窓部に設けた半円形切欠き
   を有するノズル保持板（11）と、該ノズル保持板上に載
   置され半円形切欠きを有し上下滑動可能としたノズル押
   え板（12）で挟持固定されることを特徴とする液体用組
   立式コンテナ。
2. 【請求項２】パレットを設けた底枠の４周に側板を着脱
   可能に結合させて立設し，箱体内の逆角錘形状の底板上
   の軟質袋体を装填した液体用組立式コンテナにおいて、
   前記袋体１側面下方に設けた液体取出ノズル（６）が、
   前記液体取出ノズルに対向する底枠側板（18）の窓部
   （７）に引き出され、前記取出ノズルに設けた鍔（10）
   とフランジ（９）間の管状部が前記窓部に設けた半円形
   切欠きを有するノズル保持板（11）と、該ノズル保持板
   上に載置され半円形切欠きを有し上下滑動可能としたノ
   ズル押え板（12）で挟持固定されることを特徴とする液
   体用組立式コンテナ。