JPH08209274A - 耐摩耗性アルミニウム系焼結合金 - Google Patents

耐摩耗性アルミニウム系焼結合金

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JPH08209274A
JPH08209274A JP7225995A JP7225995A JPH08209274A JP H08209274 A JPH08209274 A JP H08209274A JP 7225995 A JP7225995 A JP 7225995A JP 7225995 A JP7225995 A JP 7225995A JP H08209274 A JPH08209274 A JP H08209274A
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JP7225995A
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Zenzo Ishijima
善三 石島
Junichi Ichikawa
淳一 市川
Hideji Sasaki
秀二 佐々木
Hideo Yomo
英雄 四方
Hideo Urata
秀夫 浦田
Shoji Kawase
祥司 川瀬
Junichi Ueda
順一 上田
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Honda Motor Co Ltd
Resonac Corp
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Honda Motor Co Ltd
Hitachi Powdered Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で摺動特性に優れ、かつ耐摩耗性で、摩
擦係数の低いAl−Si系焼結合金を提供する。 【構成】 全体組成が重量比でSi:1.3〜23.3
%、Cu:1.1〜5%、Mg:0.1〜1.5%、T
i、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、ZrおよびN
bから選ばれる1種もしくは2種以上の遷移金属:0.
005〜1%、固体潤滑材:1〜45%、残部のAlお
よび不可避不純物からなり、Al合金部分は初晶Siが
分散しているAl−Si系合金相とAl固溶体相との斑
組織を呈し、斑組織面積に占めるAl固溶体相の面積が
20〜80%であり、前記Al合金部分の粒界に固体潤
滑材が分散していることを特徴とする耐摩耗性アルミニ
ウム系焼結合金、および上記と同一組成の焼結合金であ
って、Al−Si系合金相の少なくとも摩擦予定部の初
晶Siの最大粒径は5〜60μmであり、他の部分の初
晶 Siの粒径は5μm以下である耐摩耗性アルミニウ
ム系焼結合金。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯車、プーリー、コン
プレッサー用ベーン、コンロッド、ピストンなどの、軽
量で強度が高く、かつ耐摩耗性であることを要求される
部品の材料として好適なアルミニウム系焼結合金に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】機械効率の向上や省エネルギーの要求か
ら、機械要素は軽量化材料への置換が進んでいる。中で
もアルミニウム系焼結合金は、鋳造合金に比べて、初晶
Siを微細化でき、Si含有量を多くできることなどの
理由から、比強度と耐摩耗性に優れた材料として期待さ
れている。
【0003】従来の焼結Al−Si系合金としては、例
えば特開昭53−128512号公報に開示されている
ように、組成を構成する元素またはその母合金の粉末を
混合し、圧粉焼結して製造する方法がある。このように
して作られる合金は、液相焼結により微細化した初晶S
iを均一に分散させることにより、引張り強さが比較的
高い材料を得ることができる。また、軟質な金属粉末を
用いることができるため、粉末成形性がよく、金型成形
によるニアネットシェープ化ができるという特長を有す
る。
【0004】また、特開昭62−10237号公報に記
載されているように、Si以外の元素も含む急冷凝固ア
ルミニウム合金粉を用いる方法がある。同公報によれ
ば、圧粉体を熱間鍛造することにより、Al−Si系合
金素地中に初晶Siが均一に分散した組織が得られ、引
張り強さが更に向上する。この合金は、強度は比較的高
いが、粉末が硬いために金型成形によるニアネットシェ
ープ化が困難であること、焼結時に液相が発生しないこ
となどのために、焼結のみでは粉末相互の十分な結合を
達成することができず、ビレット形状からの押出しや鍛
造など、数回の圧縮工程を必要とする点に問題がある。
【0005】また、このような課題を解決するために、
特開平5−156399号公報に提案されている焼結合
金は、急冷凝固Al−Si系合金粉に、所定量の純Al
粉を混合した粉末の圧粉体を熱間鍛造して製造され、微
細な初晶Siが分散した共晶Al−Si素地中に、熱間
鍛造で変形したAl固溶体粒が5〜20容量%分散した
組織を有するものである。この合金はAl固溶体粒が接
着剤として作用し、硬質な粒界の相互の密着性を向上さ
せ、耐摩耗性および靭性を向上させたものである。
【0006】一方、本出願人による特願平6−3760
6号において提案したアルミニウム系焼結合金は、全体
組成が重量比でSi:2.4〜23.5%、Cu:2〜5
%、Mg:0.2〜1.5%、Ti、V、Cr、Mn、F
e、Co、Ni、ZrおよびNbから選ばれる1種もし
くは2種以上の遷移金属:0.01〜1%、残部のAl
および不可避不純物からなり、最大粒径が5〜60μm
の初晶Siが分散したAl−Si系合金相とAl固溶体
相との斑組織を呈し、かつ斑組織面に占めるAl固溶体
相の面積が20〜80%である。この焼結合金は、遷移
金属を含有させることにより粒界のCu合金相を減少さ
せ、延性に優れ、かつ強度と耐摩耗性とを兼ね備えたも
のである。
【0007】さらに、前記焼結合金の改良として、特願
平6−335712号において提案したアルミニウム系
焼結合金は、前記焼結合金の焼結方法を変更して、先ず
Al−Si系合金相中の初晶Siの粒径が5μm以下の
焼結体を製作した後、合金表面部を加熱して表面部のA
l−Si系合金相中の初晶Siの最大粒径が5〜60μ
mになるようにしたものであり、表面部は前記焼結合金
と同様の性質を有し、焼結合金内部は微細な初晶Siに
より強度を向上させたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本出願人が提案した前
記の焼結合金は、強度と耐摩耗性とを兼ね備えた優れた
合金であるが、この合金の強度と耐摩耗性を低下させる
ことなく、更に摩擦係数を低くすることができれば、摺
動部を有する機械要素への適用範囲を拡大することがで
きる。本発明の目的は、このような観点から、摩擦係数
の低いAl−Si系焼結合金を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな目的を達成するために鋭意検討を行った結果、本発
明に到達した。すなわち、本発明の焼結合金は、アルミ
ニウム合金中に固体潤滑材を含有させたものであって、
全体組成が重量比でSi:1.3〜23.3%、Cu:
1.1〜5%、Mg:0.1〜1.5%、Ti、V、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、ZrおよびNbから選ば
れる1種もしくは2種以上の遷移金属:0.005〜1
%、黒鉛、MoS2、BN、WS2、雲母、タルクおよび
亜鉛華などの1種もしくは2種以上の固体潤滑材:1〜
45%、および残部のAlおよび不可避不純物からな
り、 Al合金部分は最大粒径が5〜60μmの初晶S
iが分散しているAl−Si系合金相とAl固溶体相と
の斑組織を呈し、斑組織面に占めるAl固溶体相の面積
が20〜80%であり、かつ前記Al合金部分の粒界に
固体潤滑材が分散していること特徴とするものである。
また、他の第二の発明は、全体組成は前記と同一であっ
て、合金の表面部または少なくとも摺動予定面部のAl
−Si系合金相中の初晶Siの最大粒径が5〜60μm
であり、その他の部分のAl−Si系合金相中の初晶S
iの粒径が5μm以下であることを特徴とするものであ
る。
【0010】これらの焼結合金中の固体潤滑材は、気孔
を除く合金の体積比で1〜20%に相当する含有量であ
る。なお、この焼結合金は、焼結体のままでも使用でき
るが、高密度化および高強度化を目的として、焼結体を
常温または熱間で押出、鍛造、圧延等により塑性加工を
施したり、またはこの合金系で通常行なわれる溶体化処
理および時効処理などを施すこともできる。
【0011】
【作用】次に、本発明の各構成要件について説明する。 (1)斑組織と初晶Siの粒径 斑組織は、初晶Siが分散したAl−Si系合金相とA
l固溶体相とで構成される。初晶Siが分散したAl−
Si系合金相は、相中にMg、Cuおよび遷移金属元素
が拡散した固溶体であって、この素地中に初晶Siが分
散しており、比較的硬質な相であって、主として材料強
度および耐摩耗性に寄与する。
【0012】Al固溶体相は、純アルミニウム粉の形態
で添加されたAl中に、Si、Mg、Cuおよび遷移金
属が拡散した固溶体であって、比較的軟質であり、合金
の靭性に寄与するとともに、初期摩耗を受けてAl−S
i系合金間に油溜まりを形成し、潤滑性および摩擦中の
相手材とのなじみ性に寄与する。また、塑性変形し易い
ので、摺動面近傍の硬質な初晶Si粒子が摩耗粉として
脱落しそうになったり、脱落した場合に、それらを埋没
させ、Si粒子が研摩粒子として作用することを防ぐ効
果がある。
【0013】前述の初晶Si粒子が分散したAl−Si
系合金相と軟質なAl固溶体相の2つの相は、Al−S
i系合金相が合金断面の面積比で20%未満のときは、
初晶Siの量が少ないために耐摩耗性は著しく低くな
る。また、Al−Si系合金相が80%を越える場合に
は、摩擦摺動により脱落したSi粒子を埋没させるAl
固溶体相の量が少ないために、耐摩耗性はやはり低くな
る。したがって、2つの相が、合金断面の面積比で20
〜80:80〜20の割合で斑状に混在した複合組織で
あるときに、両相の相互作用によって強度および耐摩耗
性が良好になる。
【0014】初晶Siの粒径が大きくなると粒子のエッ
ジは鋭角になり、硬質な初晶Si粒子が突起物の状態を
呈して、相手材を引かき摩耗させる。一方、初晶Siの
量が少ないかまたは初晶Siの粒径が小さいと、摩擦摺
動時に素地から脱落し、脱落した初晶Siが研摩粒子と
して作用するために摩耗が進行する。したがって、耐摩
耗性の点から、初晶Siの粒径は適度の大きさであるこ
とが必要であり、最大粒径は5〜60μmのものが好ま
しい。一方、強度の点から考えると、初晶Siが大きい
ほど強度が低い。すなわち、初晶Siの粒径が小さいほ
ど強度が高くなるので好ましく、粒径5μm以下が好適
である。そこで、摩擦部材の表面あるいは少なくとも摺
動する部位に存在する初晶Siは、耐摩耗性を考慮し
て、最大粒径を5〜60μmにするとともに、内部の初
晶Siは、合金全体の強度を考慮して粒径を5μm以下
にすることによって、耐摩耗性と強度をともに向上させ
ることが可能となる。
【0015】(2)Si アルミニウム合金中のSiは、一般的に熱膨張係数を低
下させ、耐摩耗性を向上させる等の効果を有する。全体
組成からみたSiの量は、後述の初晶Siが分散したA
l−Si系合金とAl固溶体相とが斑組織を呈するよう
な範囲で決定され、1.3〜23.5重量%の範囲が適当
である。全体組成中のSi量が少な過ぎると、初晶Si
が分散したAl−Si系合金中のSi量が少ないか、あ
るいはAl固溶体相の占める割合が多いことを意味し、
その場合には、耐摩耗性に寄与する初晶Siの量が少な
いため耐摩耗性が不十分となる。一方、Si量が多過ぎ
ると、上記と反対に初晶Siが分散したAl−Si系合
金中のSi量が多過ぎるか、あるいはAl固溶体相の占
める割合が少なくなり、やはり耐摩耗性が低下する。
【0016】Siは、Al−Si合金粉の形態で添加さ
れる。Al−Si合金の粉末製造の際の急冷凝固により
初晶Siが晶出するためには、Si含有量が13重量%
以上であることが必要である。一方、Si含有量が30
重量%を越えると粉末製造時の溶湯温度が高くなるた
め、Si含有量は13〜30%が適当である。焼結した
後のAl−Si合金粉の部分は、後述のようにCu、N
i、Mgの一部が固溶し、初晶Siが分散したAl−S
i系合金となって、焼結合金の斑組織の片方の合金相を
構成する。
【0017】(3)Mg Mgは焼結中に液相を生じて素地中に固溶する。その効
果としては、焼結の促進および時効析出するMg2Si
による基地の強化および耐摩耗性の向上が挙げられる。
Mgの量は、全体組成で0.1重量%未満では効果が不
十分であり、一方1.5重量%を越えて添加してもそれ
以上の添加効果を示さないため、0.1〜1.5重量%の
範囲としたが、好ましい範囲は0.3〜0.7重量%であ
る。
【0018】また、添加手段としては、Mg含有量が3
5重量%以上のAl−Mg合金粉またはMg粉の形態で
行う。これは、Al−Mg二元系合金の融点が、Mg含
有量33〜70%の間において460℃程度の低い値を
示すためである。すなわち、純粋なMg粉の場合には、
焼結の過程でAl素地と固相拡散してMg濃度が低下す
ることにより液相が発生する。一方、Al−Mg合金粉
を用いる場合には、Mg含有量を例えば33%とする
と、前記と同様にAlとの拡散でMg濃度が低下するこ
とにより融点が上昇して、有効に液相を利用することが
できないので、Mg含有量は35重量%以上とすること
が望ましい。
【0019】(4)Cuおよび遷移金属 CuはAl合金素地を強化する元素であり、時効処理に
より一層大きな効果を示す。Cuの含有量は全体組成で
1.1重量%〜5重量%であり、Cu含有量が1.1重量
%未満では所望の強度の向上が認められず、反対に5重
量%を越えると、粉末粒界近傍においてCuを主成分と
する金属間化合物が多量に析出して靭性が低下するので
好ましくない。なお、好適なCu含有量は3.5〜4.5
重量%である。CuをCu粉の形態で添加した場合に、
Cuを素地に固溶させるために必要な加熱を行うと、溶
製材料のように初晶Siが粗大化し、反対に加熱の温度
を下げ時間を短縮すると、素地の粒界にCuの金属間化
合物、例えばAl2CuMg、Al6CuMg4等が残存
して強度の低下を招く。そこで、適量のTi、V、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、Zr、Nbなどの遷移金
属を共存させると、溶体化および時効処理により金属間
化合物を消失させることができる。この現象は、素地中
に過飽和に固溶したCuが時効処理により安定した化合
物として析出する際に、遷移金属とCuおよびSiが結
合し、素地中のCuおよびSiの量を部分的に減少させ
ると共に、金属間化合物のCuが素地中に拡散するため
であると考えられる。
【0020】全体組成における遷移金属の量は、前記の
Cu含有量の範囲において、0.005重量%未満では
その効果が認められず、一方、1重量%を越えると遷移
金属を主成分とする金属間化合物が析出して靭性が低下
するので0.005〜1重量%とした。また、好ましく
は0.1〜0.5%の範囲である。遷移金属は単体で添加
すると拡散し難いため、Cu−遷移金属合金粉の形態で
添加する。Cu−遷移金属合金の融点は高いが、焼結過
程でAl、Mg等の元素が固相拡散することにより融点
が低下して液相を生じる。合金粉中の遷移金属の量は、
全体組成として必要なCu量および遷移金属量を考慮し
て、0.2重量%以上が必要であるが、30重量%を越
えると合金粉末の融点が高くなり過ぎ、焼結中に液相を
発生しなくなるため0.2〜30重量%の範囲でなけれ
ばならない。また、好ましくは2〜10重量%の範囲で
ある。
【0021】(5)固体潤滑材 金属接触下における摩擦係数は、材料の硬さ、強度、粗
さ等の接触面の状態によって決定される。一般に、硬さ
が高くなるほど摩擦係数は低下する。初晶Siはその役
割を果たすものである。また、耐焼付性を向上させるた
めには、アルミニウム合金と相手材との接触面積を小さ
くすることが有効である。黒鉛、MoS2、BN、W
2、雲母、タルク、亜鉛華等の固体潤滑材を添加する
と、これらが摩擦面に被着して固体潤滑被膜を形成す
る。この固体潤滑被膜が介在することにより、相手材と
の焼付きが抑制され、また、金属接触部の摩擦係数は層
状構造を有する固体潤滑材の摩擦係数に近くなる。固体
潤滑材としては、焼結合金を真空中で使用する場合はM
oS2を、高温下で使用する場合にはBNを、また高荷
重下で使用する場合にはWS2を用いることが好適であ
り、焼結合金の使用雰囲気や使用温度、荷重などに応じ
て適宜に選択することができる。固体潤滑材の添加量
は、1体積%以下では添加効果が得られず、一方20体
積%以上では合金の強度が低下し、コストの面からも好
ましくない。体積%を重量%に換算すると、1体積%は
真比重が2.2の黒鉛の場合は約1重量%であり、20
体積%は真比重が7.4のWS2の場合に45重量%に相
当する。WS2は比重が高いので、添加量を少なくする
ことが好ましい。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明す
る。配合割合および組成は重量%である。原料粉とし
て、Al−20%Si合金粉、純Al粉、Cu−4%N
i合金粉、Al−50%Mg合金粉を用いた。これらの
うちCu−4%Ni合金粉3.13重量%およびAl−
50%Mg合金粉1重量%を配合して母材とした。この
母材に、固体潤滑材の種類および添加量を変えて配合し
た試料番号1〜9の混合粉を所定形状に圧粉成形した。
圧粉体を400℃で脱ろうし、540℃で60分間の焼
結を行った後、熱間鍛造によって密度比100%とし、
490℃で溶体化処理および240℃で時効処理を行っ
た。各試料について、引張り強さおよびピンオンディス
ク摩擦摩耗試験による摩耗量を測定して比較した。ピン
オンディスク摩擦摩耗試験は、試料をピンとし、相手材
のディスクとしてS48C材(機械構造用炭素鋼)の熱
処理品を用い、滑り速度5m/秒、面圧49MPaの条
件で間欠鉱油潤滑下に行った。試験の結果を表1に示
す。
【0023】
【表1】
【0024】固体潤滑材を含有するアルミニウム焼結合
金の試料は、摩擦係数および摩耗量が少ないが、一方、
固体潤滑材の含有量が多くなると引張り強さが低下す
る。高い強度が要求されない部材としては、固体潤滑材
の含有量が30体積%のものも使用可能であると考えら
れるが、20体積%を越えるものは強度の低下が大きい
ので、1〜20体積%が望ましい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、斑組織からなる特
定組成のアルミニウム系合金マトリックス中に、固体潤
滑材を1〜45重量%含有する本発明の合金は、強度は
従来材と比べて遜色なく、摩擦係数が低く、耐摩耗性も
高いものであるから、軽量で摺動特性に優れ、かつ耐摩
耗性であることを要求される各種の機械要素への適用範
囲を拡大することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 四方 英雄 千葉県松戸市大金平1−48−1 (72)発明者 浦田 秀夫 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 川瀬 祥司 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 上田 順一 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全体組成が重量比でSi:1.3〜23.
    3%、Cu:1.1〜5%、Mg:0.1〜1.5%、T
    i、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、ZrおよびN
    bから選ばれる1種もしくは2種以上の遷移金属:0.
    005〜1%、固体潤滑材:1〜45%、残部のAlお
    よび不可避不純物からなり、Al合金部分は最大粒径が
    5〜60μmの初晶Siが分散しているAl−Si系合
    金相とAl固溶体相との斑組織を呈し、斑組織面に占め
    るAl固溶体相の面積が20〜80%であり、前記Al
    合金部分の粒界に固体潤滑材が分散していることを特徴
    とする耐摩耗性アルミニウム系焼結合金。
  2. 【請求項2】 全体組成が重量比でSi:1.3〜23.
    3%、Cu:1.1〜5%、Mg:0.1〜1.5%、T
    i、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、ZrおよびN
    bから選ばれる1種もしくは2種以上の遷移金属:0.
    005〜1%、固体潤滑材:1〜45%、残部のAlお
    よび不可避不純物からなり、Al合金部分は初晶Siが
    分散しているAl−Si系合金相とAl固溶体相との斑
    組織を呈し、斑組織面に占めるAl固溶体相の面積が2
    0〜80%であり、前記Al合金部分の粒界に固体潤滑
    材が分散しているアルミニウム系焼結合金であって、合
    金表面部または少なくとも摺動予定面部のAl−Si系
    合金相中の初晶Siの最大粒径が5〜60μmであり、
    その他の部分のAl−Si系合金相中の初晶Siの粒径
    が5μm以下であることを特徴とする耐摩耗性アルミニ
    ウム系焼結合金。
JP7225995A 1995-02-07 1995-02-07 耐摩耗性アルミニウム系焼結合金 Pending JPH08209274A (ja)

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