JPH08206766A - ラック軸製造装置 - Google Patents

ラック軸製造装置

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Publication number
JPH08206766A
JPH08206766A JP3292395A JP3292395A JPH08206766A JP H08206766 A JPH08206766 A JP H08206766A JP 3292395 A JP3292395 A JP 3292395A JP 3292395 A JP3292395 A JP 3292395A JP H08206766 A JPH08206766 A JP H08206766A
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JP
Japan
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rack shaft
rack
roll
rolling roll
rolling
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Withdrawn
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JP3292395A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Yasuda
務 安田
Hisao Tezuka
尚雄 手塚
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SHOWA AUTO ENG
Showa Corp
Original Assignee
SHOWA AUTO ENG
Showa Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラック軸製造方法において、装置を小型化す
るとともに、加工効率を上げ、しかも転造ラック歯の形
状精度を向上すること。 【構成】 転造ロール27を用いるラック軸製造装置2
0において、転造ロール27がロール軸方向の中央部を
膨出させた樽形状をなしているもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はラック軸素材の側面にラ
ック歯を転造するラック軸製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車のステアリング機構等で
用いられるラック軸は、丸棒の周面の一部を平坦にし
て、ここにラック歯を形成したものである。
【0003】ラック軸素材に塑性加工によってラック歯
を成形する方法として、特公昭58-31257号に、素材のラ
ック歯形成部分を、ラック歯形を設けた上型で、該素材
の軸線に対し垂直方向に加圧する方法が示されている。
【0004】また、特公平3-5892号公報には、歯列形成
部を平面部とした中空パイプからなるラック軸素材の該
平面部に、ラック歯に対応する凹凸面を形成した成形型
を当てがい、該中空パイプ内にポンチを圧入することに
より、前記平面部の肉を前記成形型の凹凸面内に喰込ま
せて歯列を形成させる方法が示されている。
【0005】然しながら、このような従来技術はいずれ
も中空パイプの側面に予め平面部を成形する行程があ
り、また大きな加工力(加圧力)を必要とし、このため
形成されるラック歯の周囲にバリができ易い。
【0006】そこで、本出願人は、特願平5-299091号に
より、比較的小さな力でラック歯を成形でき、バリの発
生も少ないラック軸の製造方法を提案した。この先願技
術は、「側面にラック歯を有するラック軸を製造するに
際し、中空パイプ状のラック軸素材をその内部に心金を
挿入した状態で保持するとともに、周面にラック歯形を
形成した転造ロールを前記ラック軸素材に沿わせて回転
自在に保持し、前記ラック軸素材と前記転造ロールとを
該転造ロールの接線方向に相対的に摺動させて該ラック
軸素材にラック歯を転造する」ようにしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上述した
先願技術には、下記〜の問題点がある。 転造ラック歯の形状精度を上げるためには、転造ロー
ルのロール軸の曲げ剛性を上げるため、転造ロール径を
大きくする方が良い。然しながら、転造ロール径を大き
くすると、装置が大型化するばかりか、転造ロールと被
加工面との接触面積が多くなって転造圧力が小となり、
転造ロールの1摺動行程あたりの被加工部の盛り上がり
が少なくなって加工時間が長くなる。
【0008】上記の不都合を解消するために、転造
ロール径を小さくすると、転造ロールと被加工面との接
触面積が少なくなって転造圧力が大となり、転造ロール
の一摺動行程当たりの被加工部の塑性変形量が多くなっ
て加工時間も短くなる。然しながら、転造ロール径を小
さくする場合には、転造圧力により転造ロールのロール
軸が中高状(ロール軸の中央部が最も大きく変形するも
の)に曲がり、転造ラック歯の形状精度が落ちる。
【0009】即ち、転造圧力が転造ロールのロール軸を
中高状に曲げるように作用するため、ラック歯の形状が
ラック軸方向の中央部と左右両端部で異なるものになり
易い。左右両端部の歯形を適正に成形しようとすれば、
中央部の歯形の盛り上がりが不足する。逆に、中央部の
歯形を適正に成形しようとすれば、左右両端部の素材変
形量が過大になって左右両端部の歯形の心金の存在によ
るパイプ周方向への膨出量が多大になる。
【0010】ラック歯がラック軸の軸線に対し傾斜す
るヘリカルラック軸を製造する場合には、ラック軸素材
と転造ロールの接点(最大荷重作用点)が、図9
(A)、(B)のP1 〜P3 に示す如く、転造ロール
(もしくはラック軸素材)の軸方向の一端側から他端側
へと徐々に移動する。即ち、ヘリカルラック軸では、ラ
ック軸素材が転造ロールに及ぼす荷重が上述のP1 〜P
3 の如くに移動し、集中荷重になるので大荷重となり、
転造ロールのロール軸の中高状の曲がりは特に顕著とな
る(図9(B))。また、ヘリカルラック軸を製造する
場合には、素材保持手段や転造ロール支持手段の変形
も、転造ロールがラック軸素材の軸方向の中央部を成形
するときに最大となる。このため、ヘリカルラック軸に
おいて、ラック軸素材の軸方向に成形されるラック歯
は、歯底の線が左右両端部にいくに従って深く、また歯
先の盛り上がりも左右両端部ほど早く盛り上がることが
考えられる。成形されるラック歯が軸方向全域で所定の
歯形をなすようにするためにはそれだけ摺動工程を多く
する必要がある。或いは左右両端部の歯形の心金の存在
によるパイプ周方向への膨出量が多くなり、この膨出部
は最終仕上げ工程で研磨して削除されるため、材料の歩
留りが悪くなる。
【0011】本発明は、ラック軸製造方法において、装
置を小型化するとともに、加工効率を上げ、しかも転造
ラック歯の形状精度を向上することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、側面にラック歯を有するラック軸を製造するラック
軸製造装置において、ラック軸素材を保持する素材保持
手段と、周面にラック歯形を形成され、ラック軸素材に
沿って回転可能に支持されてなる転造ロールと、上記素
材保持手段と上記転造ロールとを該転造ロールの接線方
向に相対的に摺動させる摺動手段と、上記素材保持手段
に保持されたラック軸素材と上記転造ロールの軸間距離
を調整する送り手段とを有してなり、上記転造ロール
が、ロール軸方向の中央部を膨出させた樽形状をなして
いるものである。
【0013】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記ラック軸素材が、中空パ
イプ状であり、その中空部に心金を挿入した状態で前記
素材保持手段に保持されるものである。
【0014】
【作用】 ラック軸素材と転造ロールとを摺動手段により該転造
ロールの接線方向に相対的に摺動させることにより、ラ
ック軸素材にラック歯を転造できる。このとき、転造ロ
ールはラック軸素材に圧接するが、ラック軸素材は転造
ロールに相対的に接線方向に摺動するので、転造ロール
はラック軸素材に喰込みながら、接線力により回転し、
ラック軸素材にラック歯を転造する。
【0015】そして、転造ロールはラック軸素材に対す
る上述の相対的摺動の所定行程毎(例えば1行程毎)
に、送り手段によりラック軸素材との軸間距離を狭める
ことができる。これにより、転造ロールは前記相対的摺
動の所定行程毎に少しずつ素材に喰込んでいくので、一
度に大きな力を必要とせず、比較的小さな力でラック歯
を成形することができる。また成形されたラック歯にバ
リを生ずることが少なく、かつ転造により強度に優れた
ラック歯を成形することができる。
【0016】このとき、転造圧力が転造ロールのロール
軸の軸線を中高状に曲げるように変形せしめるものの、
転造ロールはその中央部を予め膨出せしめられた樽形状
をなしているものであるため、ラック軸素材に摺接する
転造ロールの樽形状加工面はロール軸の中高変形に伴な
ってそのラック軸素材との摺接部ではストレート状を呈
する。これにより、ラック軸に付与されるラック歯の形
状をラック軸方向の中央部と左右両端部で均等化できる
ものとなる。
【0017】即ち、本発明では、転造ロールがラック軸
素材に摺接してラック歯形を転造成形するときに生ずる
ロール軸の中高変形量を相殺して、転造ロールの加工面
が上述のストレート状を呈するように、転造ロールの樽
形膨出量を定めておくものである。このため、ラック軸
のラック歯の形状をラック軸方向で均等化するために、
転造ロール径を大きくして該ロール軸の曲げ剛性を確保
する如くが不要となり、装置を小型にできる。
【0018】上記により、転造ロール径を小さくし
ても、ラック時のラック歯の形状をラック軸方向で均等
化でき、結果として、転造ラック歯の加工精度を落とさ
ず、転造圧力を大きくできる。
【0019】上記により、転造ロール径を小さくで
きるから、転造ロールと被加工面との接触面積が減少す
ることとなり、単位面積あたりの圧接力が増加し、結果
として転造ロールの1摺動行程あたりの被加工部の盛り
上がりを増加し、加工時間を短縮できる。
【0020】上記〜は、転造ロールのロール軸の中
高状曲がり傾向が特に顕著となる、ヘリカルラック軸の
製造装置で特に有効に作用する。
【0021】
【実施例】図1は本発明の一実施例を示す正面図、図2
は図1の側面図、図3は図2の要部拡大部、図4はラッ
ク軸素材への心金挿入状態を示す断面図、図5はラック
軸を示す斜視図、図6は転造ロールの一例を示す模式
図、図7は転造ロールの他の例を示す模式図、図8は心
金を示す模式図、図9はヘリカルラック軸の加工工程モ
デル図である。
【0022】(第1実施例)(図1〜図4、図7〜図
9) ラック軸10は、図5に示す如く、中空の丸パイプから
なるラック軸素材11の周面の一部である平坦状側面
に、その軸方向に交差する多数のラック歯12を有する
ものである。
【0023】ラック軸製造装置20は、架台21と、素
材クランプ装置22(素材保持手段)と、心金設定装
置23と、転造ロール移動装置24(摺動手段)と、転
造深さ調整装置25(送り手段)とを有し、ラック軸素
材11に心金26を挿入した状態で、ラック軸素材11
と転造ロール27とを該転造ロール27の接線方向に相
対的に摺動させてラック軸素材11にラック歯12を転
造するものである。
【0024】以下、ラック軸製造装置20の各部の構成
について説明する。 (A) 架台21(図1、図2) 架台21は、四隅の支柱31を介して、天板32を支え
る。
【0025】(B) 素材クランプ装置22(図1〜図4) 素材クランプ装置22は、左右の前後支柱31、31に
固定のクランプホルダガイド41にガイドされているク
ランプホルダ42内の凹所43に、左右に2分割された
クランプ部材44、45を配置し、クランプ部材44、
45の間にラック軸素材11を保持する。
【0026】左右のクランプ部材44、45はクランプ
ホルダ42の凹所43内で左右方向移動自在に配置され
ている。他方、クランプホルダ42の下面に一体配置し
たクランプ用シリンダ46のロッドにはクランプ用カム
47が連結され、クランプ用カム47のくさび状カム面
が左クランプ部材44の横当接面に衝合している。
【0027】これにより、クランプ用シリンダ46がク
ランプ用カム47を上動すると、左クランプ部材44が
右動し、左右のクランプ部材44、45がラック軸素材
11を保持し、ラック軸素材11の転造加工を開始可能
とする。ラック軸素材11の転造加工が終了すると、ク
ランプ用シリンダ46がクランプ用カム47を下動する
結果、左右のクランプ部材44、45の間に介装されて
いるスプリング(不図示)が左クランプ部材44を原位
置に戻し、左右のクランプ部材44、45によるラック
軸素材11の保持を解除する。
【0028】左右クランプ部材44、45は、図3、図
4に示す如く、素材下面クランプ部48と、素材上面ク
ランプ部49とを有する。素材下面クランプ部48は、
クランプ部材44、45の前後方向の全域に渡って設け
られ、ラック軸素材11の下半面〜赤道面11Aの上部
を締付けできるようにラック軸素材11のパイプ外周面
と略同形をなす。素材上面クランプ部49は、ラック軸
素材11の保持を確実にするために、クランプ部材4
4、45の前後両端部に設けられ、ラック軸素材11の
上半面を締付けできるようにラック軸素材11のパイプ
外周面と略同形をなす。そして、左クランプ部材44の
素材下面クランプ部48、素材上面クランプ部49と右
クランプ部材45の素材下面クランプ部48、素材上面
クランプ部49は、それらの間にわずかの隙間g(図3
(B))を残して位置するとき、ラック軸素材11を締
付保持する。
【0029】図4において、50はクランプホルダ42
に設けた素材ストッパである。素材ストッパ50は、左
右のクランプ部材44、45に保持されるラック軸素材
11の長手方向の保持位置を位置決めするものである。
【0030】尚、クランプホルダガイド41とクランプ
ホルダ42、クランプ用カム47とクランプホルダ4
2、左クランプ部材44とクランプホルダ42はそれぞ
れ係合溝51A、52A、53Aと突起51B、52
B、53Bとの係合を介して、一方向にのみ移動自在に
ガイドされている。
【0031】(C) 心金設定装置23(図1〜図4) 心金設定装置23は、クランプホルダ42の後面に設け
られているシリンダブラケット61に心金用シリンダ6
2を備え、この心金用シリンダ62のロッドに心金取付
ブラケット63が固定され、この心金取付ブラケット6
3に前述の心金26が取付けられるようになっている。
尚、シリンダブラケット61とクランプホルダ42との
間にはブラケットガイド64が設けられ、心金取付ブラ
ケット63をガイドしている。
【0032】これにより、心金用シリンダ62が心金取
付ブラケット63を前進させると、心金26が左右のク
ランプ部材44、45間の素材挿入位置に設定され、ラ
ック軸素材11のパイプ内部に心金26を挿入してラッ
ク軸素材11の転造加工を開始可能とする。ラック軸素
材11の転造加工が終了すると、心金用シリンダ62が
心金取付ブラケット63を後退させる結果、心金26が
ラック軸素材11のパイプ内部から抜去される。
【0033】本実施例は心金を加工毎に所定の位置に移
動設定するものであるが、予め所定位置に固定しておい
ても支障ない。
【0034】(D) 転造ロール移動装置24(図1、図
2) 転造ロール移動装置24は、天板32の下面に吊下げ固
定されたシリンダブラケット71の両側に、左右一対の
ロール往復動シリンダ72、72が設けられている。そ
して、シリンダブラケット71の下面のスライドガイド
73には、スライドブラケット74が左右に移動自在に
ガイドされている。このスライドブラケット74はロー
ルホルダ75を有し、このロールホルダ75に前述の転
造ロール27を回転自在に支持している。
【0035】これにより、転造ロール27は、周面のラ
ック歯形を備えた状態で、素材クランプ装置22の左右
のクランプ部材44、45により保持されたラック軸素
材11に沿って回転自在に保持される。そして、転造ロ
ール27は、左右の往復動シリンダ72、72の作動に
よりスライドブラケット74が左右に往復動するに従
い、上記ラック軸素材11に対し該転造ロール27の接
線方向に相対的に摺動する。
【0036】本実施例はシリンダブラケットを天板に固
定するものであるが、シリンダブラケットの中心を軸に
して、シリンダブラケットを天板に対し回動自在に支持
することも可能である。これによれば、ラック軸軸線に
対し、傾斜した歯をもつヘリカルラック軸を成形するこ
とができる。
【0037】(E) 転造深さ調整装置25(図1、図2) 転造深さ調整装置25は、架台21の上面に設けられた
カムガイド81により転造深さ調整カム82を前後に移
動自在にガイドしている。他方、クランプホルダ42の
下面に突設してある従動部83の下当接面は上記転造深
さ調整カム82のくさび状カム面に衝合する。また、架
台21にはモータ84が支持され、モータ84により駆
動されるねじ軸85は転造深さ調整カム82に螺合され
ている。
【0038】転造深さ調整装置25は、転造ロール移動
装置24による転造ロール27の往復動の1行程毎にね
じ軸85を所定角度回転し、カムガイド81にガイドさ
れる転造深さ調整カム82を前方へと一定量ずつ前進さ
せる。この転造深さ調整カム82の移動毎に、クランプ
ホルダ42は前述のクランプホルダガイド41にガイド
されて上動する。そして、このクランプホルダ42の上
動は、転造ホルダ27の往復動に同期し、ラック軸素材
11に対する転造ロール27の各摺動行程毎に、ラック
軸素材11と転造ロール27との軸間距離を狭めるもの
となり、ラック歯の歯の深さを徐々に深くするものとな
る。
【0039】然るに、ラック軸製造装置20にあって
は、転造ロール27として、図6もしくは図7に示す如
くに、ロール軸方向の中央部を膨出させた樽形状のもの
を用いる。
【0040】図6の樽形状転造ロール27は、ロール軸
方向に沿って互いに並列をなす多数の環状ラック歯を形
成するに際し、ロール軸方向の全長に渡ってロール中央
部が湾曲状に膨出する樽形をなすものである。このと
き、各環状ラック歯の歯先径da 、歯底径df を互いに
異ならせ、各環状ラックの歯高さhは互いに同一であ
る。
【0041】図7の樽形状転造ロール27は、ロール軸
方向に沿って互いに並列をなす多数の環状ラック歯を形
成するに際し、ロール軸方向の左右両端側の歯面はロー
ル軸方向に傾斜させ、中央部の歯面はロール軸方向に平
坦とし、ロール軸方向の全体ではロール中央部が膨出す
る樽形をなすものである。このとき、ロール軸方向の左
右両端側では各環状ラック歯の歯先径da 、歯底径df
を互いに異ならせ、中央部では各環状ラック歯の歯先径
da 、歯底径df を互いに同一とし、ロール軸方向の全
長に渡って各環状ラック歯の歯高さhは互いに同一であ
る。
【0042】尚、ラック軸製造装置20にあっては、心
金26として、図8に示す如く、その横断面形状が、ラ
ック軸素材11のラック歯形成予定部に対し、空隙を介
して離隔する加工支持面90を備え、かつこの加工支持
面90が中高状をなすものを用いることとしている。こ
のとき、加工支持面90は、中央の平坦面91と、両側
のテーパ面92、92とによって中高状をなすものが好
ましい。(A)図は加工途中、(B)図は加工完了時を
示す。
【0043】以下、ラック軸製造装置20によるラック
軸10の製造手順について説明する。 (1) 心金設定装置23により、心金26を左右のクラン
プ部材44、45間の素材挿入位置に設定する。
【0044】(2) ラック軸素材11を左右のクランプ部
材44、45間の素材挿入位置に位置付け、上記(1) の
心金26をラック軸素材11に挿入する。このとき、ラ
ック軸素材11の端面をクランプホルダ42に設けた素
材ストッパ50に突き当て、ラック軸素材11の長手方
向の保持位置を位置決めする。
【0045】(3) 素材クランプ装置22により、上記
(2) のラック軸素材11を左右のクランプ部材44、4
5により保持する。
【0046】(4) 転造深さ調整装置25により、クラン
プホルダ42を適宜の上動位置に設定し、次いで、転造
ロール移動装置24により、転造ロール27を往復動さ
せる。これにより、転造ロール27のラック歯形が、心
金26の加工支持面90により背面支持されるラック軸
素材11の外周部に喰込んで摺動し、浅いラック歯12
が冷間加工により転造される。
【0047】(5) 以後、ラック軸素材11に対する転造
ロール27の上記(4) の摺動行程毎に、転造深さ調整装
置25によりクランプホルダ42を上動させてラック軸
素材11と転造ロール27との軸間距離を狭め、ラック
歯12の歯の深さを徐々に深くしていき、最終的に所定
深さのラック歯12を形成する。
【0048】(6) 上記(5) の転造終了後、心金設定装置
23により心金26を抜去し、素材クランプ装置22に
より左右のクランプ部材44、45によるラック軸素材
11の保持を解除する。
【0049】以下、本実施例の作用について説明する。 ラック軸素材11と転造ロール27とを転造ロール移
動装置24により該転造ロール27の接線方向に相対的
に摺動させることにより、ラック軸素材11にラック歯
12を転造できる。このとき、転造ロール27はラック
軸素材11に圧接するが、ラック軸素材11は転造ロー
ル27に相対的に接線方向に摺動するので、転造ロール
27はラック軸素材に喰込みながら、接線力により回転
し、ラック軸素材11にラック歯12を転造する。
【0050】そして、転造ロール27はラック軸素材1
1に対する上述の相対的摺動の所定行程毎(例えば1行
程毎)に、転造深さ調整装置25によりラック軸素材1
1との軸間距離を狭めることができる。これにより、転
造ロール27は前記相対的摺動の所定行程毎に少しずつ
素材に喰込んでいくので、一度に大きな力を必要とせ
ず、比較的小さな力でラック歯12を成形することがで
きる。また成形されたラック歯12にバリを生ずること
が少なく、かつ転造により強度に優れたラック歯12を
成形することができる。
【0051】このとき、転造圧力が転造ロール27のロ
ール軸の軸線を中高状に曲げるように変形せしめるもの
の、転造ロール27はその中央部を予め膨出せしめられ
た樽形状をなしているものであるため、ラック軸素材1
1に摺接する転造ロール27の樽形状加工面はロール軸
の中高変形に伴ってそのラック軸素材11との摺接部で
はストレート状を呈する。これにより、ラック軸に付与
されるラック歯12の形状をラック軸方向の中央部と左
右両端部で均等化できるものとなる。
【0052】即ち、上記実施例では、転造ロール27が
ラック軸素材11に摺接してラック歯形を転造成形する
ときに生ずるロール軸の中高変形量を相殺して、転造ロ
ール27の加工面が上述のストレート状を呈するよう
に、転造ロール27の樽形膨出量を定めておくものであ
る。このため、ラック軸のラック歯12の形状をラック
軸方向で均等化するために、転造ロール径を大きくして
該ロール軸の曲げ剛性を確保する如くが不要となり、装
置を小型にできる。
【0053】上記により、転造ロール径を小さくし
ても、ラック時のラック歯12の形状をラック軸方向で
均等化でき、結果として、転造ラック歯の加工精度を落
とさず、転造圧力を大きくできる。
【0054】上記により、転造ロール径を小さくで
きるから、転造ロール27と被加工面との接触面積が減
少することとなり、単位面積あたりの圧接力が増加し、
結果として転造ロール27の1摺動行程あたりの被加工
部の盛り上がりを増加し、加工時間を短縮できる。
【0055】上記〜は、転造ロールのロール軸の中
高状曲がり傾向が特に顕著となる、ヘリカルラック軸の
製造装置で特に有効に作用する。
【0056】以上、本発明の実施例を図面により詳述し
たが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があっても本発明に含まれる。例えば、転造深さ調
整装置は、ラック軸素材の往復動の半行程毎、或いは複
行程毎(所定摺動行程毎)に、転造ロールとラック軸素
材の軸間距離を狭めるものであっても良い。
【0057】また、本発明にあっては、ラック軸素材と
転造ロールとを互いに相対移動させれば良い。従って、
上記実施例では転造ロール移動装置24を用いて転造ロ
ールの側を往復動させたが、これとは逆にラック軸素材
の側を往復動させるものであっても良い。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ラック軸
製造方法において、装置を小型化するとともに、加工効
率を上げ、しかも転造ラック歯の形状精度を向上するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例を示す正面図である。
【図2】図2は図1の側面図である。
【図3】図3は図2の要部拡大部である。
【図4】図4はラック軸素材への心金挿入状態を示す断
面図である。
【図5】図5はラック軸を示す斜視図である。
【図6】図6は転造ロールの一例を示す模式図である。
【図7】図7は転造ロールの他の例を示す模式図であ
る。
【図8】図8は心金を示す模式図である。
【図9】図9はヘリカルラック軸の加工工程モデル図で
ある。
【符号の説明】
10 ラック軸 11 ラック軸素材 12 ラック歯 20 ラック軸製造装置 21 架台 22 素材クランプ装置(素材保持手段) 23 心金設定装置 24 転造ロール移動装置(摺動手段) 25 転造深さ調整装置(送り手段) 26 心金 27 転造ロール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側面にラック歯を有するラック軸を製造
    するラック軸製造装置において、 ラック軸素材を保持する素材保持手段と、 周面にラック歯形を形成され、ラック軸素材に沿って回
    転可能に支持されてなる転造ロールと、 上記素材保持手段と上記転造ロールとを該転造ロールの
    接線方向に相対的に摺動させる摺動手段と、 上記素材保持手段に保持されたラック軸素材と上記転造
    ロールの軸間距離を調整する送り手段とを有してなり、 上記転造ロールが、ロール軸方向の中央部を膨出させた
    樽形状をなしていることを特徴とするラック軸製造装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ラック軸素材が、中空パイプ状であ
    り、その中空部に心金を挿入した状態で前記素材保持手
    段に保持される請求項1記載のラック軸製造装置。
JP3292395A 1995-01-31 1995-01-31 ラック軸製造装置 Withdrawn JPH08206766A (ja)

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