JPH08206475A - 複合半透膜の製造方法および溶媒の回収・精製方法 - Google Patents

複合半透膜の製造方法および溶媒の回収・精製方法

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JPH08206475A
JPH08206475A JP1719795A JP1719795A JPH08206475A JP H08206475 A JPH08206475 A JP H08206475A JP 1719795 A JP1719795 A JP 1719795A JP 1719795 A JP1719795 A JP 1719795A JP H08206475 A JPH08206475 A JP H08206475A
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秀幸 東山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超薄膜を有する複合逆浸透膜を製造する際
に、資源の損失を低減させ、極めて経済的な優れた複合
半透膜の製造方法を提供する。 【構成】 多孔性支持膜と、水に対して非混和性の溶液
(非混和性溶液)を用いて界面重合反応によって得られ
る超薄膜を有する複合逆浸透膜を製造する際に、複合逆
浸透膜を製造する工程から回収された非混和性溶液を、
再び該製造に用いることが可能な程度までにアルカリ性
溶液で精製することを特徴とする溶媒の回収・精製方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶液中の溶質の選択的
分離のための複合半透膜の製造方法に関する。更に詳し
くは、カン水や海水の脱塩、有価物の回収、廃水の再利
用、超純水の製造等に用いることのできる、逆浸透用の
半透性複合膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多官能性アミンと多官能酸ハロゲン化物
との界面重縮合反応によって得られるポリアミドからな
る超薄膜層を微多孔性支持膜上に被覆してなる複合半透
膜は、透過性や選択分離性の高い逆浸透膜として注目さ
れている。多官能の芳香族アミンと多官能酸ハロゲン化
物とを界面重縮合反応させるものとしては、例えば、特
開昭59−179103号公報,および特公昭63−3
6803号公報がこれまでに知られている。これらの公
報では、多官能酸ハロゲン化物を溶解する溶媒として
は、n−ヘキサン、トリクロロトリフルオロエタンなど
に代表される低沸点溶媒の他にn−ノナン、n−デカン
の様な高沸点の炭化水素系溶媒が用いられているが、こ
れらの複合半透膜を製造する際には溶媒を蒸発させるた
め、資源の損失となり、工業的な規模での生産では問題
となる。また、蒸気が大気中に放出されるため、地球環
境に与える影響が大きい。
【0003】蒸発して空気中に拡散した溶媒を回収する
には、ファン動力や凝縮させるのに大きなエネルギーコ
ストを必要とし、また、液体状態で直接回収しても、溶
質を分離するため、蒸留法によりやはり大きなエネルギ
ーコストがかかる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、これらの
複合半透膜を製造する際の多官能酸ハロゲン化物を溶解
する溶媒を回収し、精製後再び多官能酸ハロゲン化物を
溶解する溶媒として使用した結果、実用的な逆浸透膜を
得る事により資源の損失を低減させ、また、蒸気が大気
中に放出されるのを抑える事と省エネルギ−を実現する
事により地球環境に与える影響の小さい複合半透膜の製
造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は下記の構成を有する。
【0006】すなわち、本発明は、多孔性支持膜と、水
に対して非混和性の溶液(非混和性溶液)を用いて界面
重合反応によって得られる超薄膜を有する複合逆浸透膜
を製造する際に、複合逆浸透膜を製造する工程から回収
された非混和性溶液を、再び該製造に用いることが可能
な程度までにアルカリ性溶液で精製することを特徴とす
る溶媒の回収・精製方法である。
【0007】本発明における多孔性支持膜とは、膜断面
方向に非対称構造を有するものである。表面には一般的
に平均孔径(直径)が20〜5000オングストロ−ム
の微孔を有し、特に好ましくは30〜300オングスト
ロ−ムの微孔を有しているものが使用される。膜の厚さ
は10〜300μm、特に好ましくは30〜200μm
のものが適している。また、その素材は例えばポリエ−
テルスルホン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、
セルロ−スエステル、ポリフェニレンオキサイド、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンスルフィ
ドスルホン、ポリフェニレンスルホン等が用いられ、形
状は平膜状であっても中空糸状、管状であってもよい。
また、これらの膜は織布や不織布等で裏うち補強されて
いても構わない。織布、不織布の素材にはポリエステ
ル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアクリルニトリ
ル、再生セルロ−ス、アセチルセルロ−スなどが好適で
ある。 この多孔性支持膜の製造方法の1例を挙げれ
ば、12〜25重量%の濃度のポリスルホンのジメチル
ホルムアミド溶液を密に織ったポリエステル布あるいは
不織布などの支持体上に一定の厚さに注型し、凝固浴に
浸漬する。凝固浴としては水、あるいは水と溶媒の混合
物などが好ましい。該ポリスルホン溶液を支持体上に注
型後、溶媒を一定時間蒸発させてから凝固浴に浸漬して
もよい。その際の温度は0℃〜溶媒の沸点、より好まし
くは5℃〜(溶媒の沸点−50℃)の範囲で行われる。
【0008】製造した多孔性支持膜の保存は純水中で行
うことが可能であるが、膜面での微生物の発生を防止す
るため、1〜10ppmの濃度の次亜塩素酸ナトリウム
水溶液中で行うこともある。
【0009】本発明に於いて多官能性アミンとは第1
級、第2級アミノ基を同一分子内に2個以上持つ脂肪
族、芳香族、ヘテロ環化合物、脂環式化合物であって、
しかも常温において水に対して0.1重量%以上の溶解
性を持つものが好ましい。具体例としては、m−フェニ
レンジアミン、p−フェニレンジアミン、ピペラジン、
2−メチルピペラジン、エチレンジアミン、N,N−ジ
メチルエチレンジアミン、1,3,5−トリアミノベン
ゼン等を用いることができる。これらは単独で用いるこ
ともできるが、混合物として用いてもよい。
【0010】多官能性アミン水溶液の濃度は0.1〜1
2重量%、好ましくは0.5〜10.0重量%であり、
該水溶液には多官能酸ハロゲン化物との反応を妨害しな
いものであれば、界面活性剤や有機溶媒、酸化防止剤等
が含まれていてもよい。
【0011】多官能酸ハロゲン化物とは、同一分子内に
2つ以上のハロゲン化カルボニル基を有する脂肪族、芳
香族、ヘテロ化合物、脂環式化合物であり、特に好まし
く用いられる物質としては1,3,5−シクロヘキサン
トリカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3,5
−ベンゼントリカルボン酸、1,3−ベンゼンジカルボ
ン酸、1,4−ベンゼンジカルボン酸等の酸ハロゲン化
物を用いることができる。上記2官能以上の酸ハロゲン
化物は単独で用いることもできるが、混合物として用い
ても良い。
【0012】官能性アミンとの反応性を考慮すると、多
官能酸ハロゲン化物は、多官能酸塩化物であることが好
ましい。
【0013】多官能酸ハロゲン化物の溶液(架橋剤溶
液)を調整する際の溶媒(非混和性溶液)としては、炭
化水素、特に脂肪族炭化水素が好ましい。一般的には炭
素数が約8以上の、より好ましくは炭素数が約8〜12
の、飽和脂肪族および脂環式脂肪族炭化水素が用いられ
る。また、不飽和炭化水素であっても不飽和度の比較的
小さい、炭化数が8以上のモノオレフィンであれば使用
可能である。特に好ましくはノルマルパラフィンであ
り、適当な溶媒の具体例としてはn−オクタン、n−ノ
ナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、シ
クロオクタン、エチルシクロヘキサン、1−オクテン、
1ーデセン等を挙げることが出来る。また、それらの混
合物を使用してもよい。
【0014】架橋剤の濃度は0.01〜1重量%が好ま
しい。これよりも濃度が低いと架橋ポリアミド系超薄膜
層が形成されにくく、塩排除率の低い膜が得られ、逆に
濃度が高いと透過水量の低い膜が形成される。
【0015】膜面に架橋剤溶液を塗布する時間は10秒
〜5分が好ましい。これよりも長時間塗布すると透過水
量の低い膜が形成される傾向がある。
【0016】架橋剤溶液を塗布して架橋ポリアミド層を
形成させた後には非混和性溶液を蒸発させるのが一般的
である。
【0017】本発明の方法では、非混和性溶液を回収
し、精製後再び架橋剤溶液として使用することが重要で
ある。
【0018】非混和性溶液を回収する方法は、例えば、
膜を水平方向から10°以上傾けて、より好ましくは水
平方向から45°以上傾けて、特に好ましくは垂直方向
に保持することにより、該非混和性溶液の自重で膜面よ
り落下するため該非混和性溶液を回収することが出来
る。また、その際に膜を引き上げることでより好ましく
回収出来る。更に好ましくは気体を吹きつけることによ
り、該超薄膜表面の該非混和性溶液を効率よく膜面より
落下させ、回収することが出来る。
【0019】この際の気体を吹きつける角度は膜面に対
して90°以下、より好ましくは45°以下、更に好ま
しくは30°以下の角度で吹きつけることにより、効率
よく回収できる。また、膜の走行方向に対して、向かう
方向で気体を吹きつけることが好ましい。
【0020】この際、周囲の温度を該非混和性溶液の引
火点以下、より好ましくは0〜30℃、更に好ましくは
6〜24℃、吹きつける気体の温度は該非混和性溶液の
引火点以下、より好ましくは0〜30℃、更に好ましく
は6〜24℃にする。これよりも高温となると該非混和
性溶液を蒸発させるため、回収効率が低下する。また、
この温度よりも低いと該超薄膜層が凍結し、欠陥が生
じ、塩排除率の低い膜が形成される傾向がある。
【0021】吹きつける気体の膜面での風速は5〜50
m/sec、より好ましくは10〜25m/secにす
る。これより風速が低いと該非混和性溶液を膜面より落
下させにくくなり、回収効率が低下する。また、これよ
り風速が高いと該非混和性溶液を蒸発させるため、回収
効率が低下する。
【0022】この際、該非混和性溶液が飛散するのを防
止するため、周囲を囲む覆い板6を用いることが重要で
ある。又、該非混和性溶液をうける受け皿5は、該非混
和性溶液が滞留していると大気中に溶媒が拡散して好ま
しくないので、速やかに除去することが好ましく、具体
的には、受け皿5に溝や傾斜を設けて、排出口に導き出
すことが好ましい。又、受け皿や覆い板の材質は特に限
定されるものではないが、該非混和性溶液はアシルハラ
イドを含んでいて、若干の金属腐食性を有するのでプラ
スチック性であることが好ましい。又、支持膜面側ロー
ルは該非混和性溶液と直接には接しないので金属ロール
でも良いが、超薄膜面側ロールはゴムロールであること
が好ましい。
【0023】回収した非混和性溶液の精製方法として
は、非混和性溶液を中和する方法が好ましい。回収され
た非混和性溶液中には多官能性アミンと多官能酸ハロゲ
ン化物が存在しており、アルカリ性溶液と混合すること
により塩となってアルカリ性溶液に溶け込むことにより
非混和性溶液が精製される。
【0024】このアルカリ性溶液の成分には、具体的に
はアルカリ金属の塩基性化合物、例えば、特に好ましい
ナトリウム化合物の場合、水酸化ナトリウムが最も好ま
しくついで、リン酸3ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸水素ナトリウムの順で好ましい。ナトリウム化合物に
次いで好ましいカリウム化合物についてもほぼ同様の順
列である。その他、アンモニア、水酸化アンモニウム、
炭酸アンモニウム等も用いることができる。また、それ
らの混合物を使用してもよい。
【0025】アルカリ性溶液の濃度は、例えば、水酸化
ナトリウムならば、0.5〜50重量%、より好ましく
は10〜15重量%であり、これ以外のアルカリも、前
記重量%の水酸化ナトリウムと同様の規定度に調整する
ことが好ましい。これよりも低濃度の場合は精製処理に
時間をがかかる。これよりも高濃度の場合はアルカリ塩
が多量に発生する。
【0026】非混和性溶液とアルカリ性溶液とを混合す
る方法は、例えば容器の中に非混和性溶液とアルカリ性
溶液とを密閉し放置しておいてもよいが、精製に長時間
を必要とする。より好ましくは容器を上下左右に動かし
たり、容器の中を棒状のもので混ぜたり、更に好ましく
は容器に攪拌羽根を取り付け、それを回転させること、
または、ジェット攪拌を利用することにより混合でき
る。
【0027】攪拌羽根を使用する場合は、攪拌羽根は1
段でもよいが、より好ましくは多段の方が効率がよく、
攪拌羽根の形状は、かい型、プロペラ型およびタ−ビン
型のどれであってもよい。攪拌効率を低下させなければ
これらを混合で用いてもよい。攪拌羽根の回転数は10
RPM以上が適当であり、より好ましくは100RPM
以上である。これよりも回転数が低いと混合する効率が
低下し、精製に長時間を必要とする。
【0028】非混和性溶液とアルカリ性溶液とを混合す
る際の温度は、非混和性溶液の引火点以下、より好まし
くは1〜30℃が適当である。これ以上高温であると非
混和性溶液の引火の危険性がある。また、引火の危険性
を防止するために、容器内に不燃焼性気体、例えば窒素
等を封入すると、より好ましい。
【0029】非混和性溶液の精製を行う際の該非混和性
溶液とアルカリ性溶液の容量比は1対0.05〜5.
0、より好ましくは1対0.1〜0.5が適当である。
一般的には、複合逆浸透膜を製造する工程から回収され
た該非混和性溶液に含まれる多官能性アミンと多官能酸
ハロゲン化物の濃度は10重量%以下であり、10〜1
5重量%のアルカリ性溶液を用いて精製する際は上記の
容量比が適当である。
【0030】非混和性溶液とアルカリ性溶液とを混合す
る際の時間は、1時間以上、より好ましくは3時間以上
が適当である。これよりも短時間では精製が不十分とな
る。かかる精製により、非混和性溶液は、多官能性アミ
ンと多官能酸ハロゲン化物がほとんど完全に除かれて、
驚くほど高純度になり、有機溶媒成分のみを純粋に得る
ことができる。従って、これを非混和性溶液というの
は、多少問題があるが、用語の混乱を避けるため、かか
る精製後も、非混和性溶液という表現を用いる事とす
る。
【0031】非混和性溶液とアルカリ性溶液の分離は比
重差を利用して分離することができる。この際の静置す
る時間は10分以上、より好ましくは30分以上が適当
である。該静置処理は、攪拌に用いた容器をそのまま用
いることもできるが、攪拌用容器とは別の分離用容器を
用いることもできる。また、攪拌用容器を静置用容器に
兼用する場合、ある程度、一方の液を回収した後、残り
の十分分離されていない混合液を該分離用容器に導いて
更に分離する方法が好ましい。
【0032】かかる分離用容器として特に限定されるも
のではないが、容器の上部と下部に流出口を有し、か
つ、下部の流出口は、所定圧力以下では流出が起きない
容器を用いることが好ましい。かかる構成により、上部
の流出口より非混和溶液、下部の流出口よりアルカリ水
溶液がそれぞれ流出して、分離できる。所定圧力とは、
具体的には、上部の流出口の最下端部から下部の流出口
の最上端部までの液深により得られる下部の流出口での
液圧として、液体がすべて非混和性溶液の場合の液圧を
下限とし、同様に水溶液である場合を上限とする範囲内
あることが肝要であ。該範囲内であれば、水溶液と非混
和性溶液との境界面が下がれば、比重の軽い非混和性溶
液の比率が増えて、液圧が下がり、下部の流出口からに
流出が止まり、該境界面が上がれば、比重の重い水溶液
の比率が増えて、液圧が上がり、下部の流出口からに流
出が起きて、流入液中の水溶液と非混和性溶液の比率に
左右されず、該境界面の位置が自動的に調整されて、そ
れぞれの流出口において、他方の液体が混入することが
防げる。かかる調整機構としては、下部の流出口を別の
容器に導入して、最初の容器の上部の流出口の最下端部
よりもやや低い、液面を保持機構を有すればよい。該機
構としては、簡便には、かかる位置に流出口を設けるこ
とがあげられる。これらの流出口は、孔状、スリット
状、堤状等があげられる。
【0033】また、水溶液と非混和性溶液との混合液体
の流入口としては、最初の容器の上部、下部または側面
のいずれでも構わない。また、容器全体が密閉された構
造である方が、安全上好ましい。
【0034】具体例としては図2に示すような容器を使
用することで容易にかつ効率的に精製した非混和性溶液
を分離回収できる。容器10には底部から伸びた非混和
性溶液側仕切り板11と上部から伸びたアルカリ水溶液
側仕切り板13を有している。これらの仕切り板を複数
枚備えて、多段で分離回収を行ってもよい。容器Aの形
状は円形であっても多角形でもよい。液流入管1は容器
10の上部、側面または底部に接続されていてもよい。
静置した非混和性溶液とアルカリ性溶液を液流入管14
から容器10に流入する。非混和性溶液は非混和性溶液
とアルカリ水溶液の槽15から非混和性溶液の槽16に
流出し、アルカリ水溶液は非混和性溶液とアルカリ水溶
液の槽15からアルカリ水溶液の槽17に流出する。そ
の結果、非混和性溶液は非混和性溶液の槽16に、アル
カリ水溶液はアルカリ水溶液の槽17に分離回収でき
る。このとき、液面保持用仕切り板12によりアルカリ
水溶液の液面の高さを保持することにより、非混和性溶
液とアルカリ水溶液の槽15からの流入が過ぎて、非混
和性溶液がアルカリ水溶液の槽17に混入するのを防い
でいる。
【0035】本発明により回収、精製された非混和性溶
液は市販されている非混和性溶液と同等の性状を有し、
燃料はもとより、ファインケミカルにも使用可能なもの
であり、複合逆浸透膜を製造する際の多官能酸ハロゲン
化物の溶液(架橋剤溶液)の溶媒(非混和性溶液)とし
て使用できるものである。
【0036】
【実施例】以下の実施例によって更に詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例により何ら限定されるもので
はない。
【0037】実施例1〜3 本発明において使用した繊維補強ポリスルホン支持膜
は、以下の手法により製造した。
【0038】ポリエステル繊維からなるタフタ(タテ
糸、ヨコ糸とも150デニールのマルチフィラメント
糸、織密度タテ90本/インチ、ヨコ67本/インチ、
厚さ160μ)上にポリスルホン(ユニオン・カーバイ
ト社製のUdel−P3500)の15重量%ジメチル
ホルムアミド溶液を200μmの厚みで20℃でキャス
トし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置することに
よって繊維補強ポリスルホン支持膜(以下FR−PS支
持膜と略す)を作製する。
【0039】このFR−PS支持膜上にm−フェニレン
ジアミンの水溶液(濃度2重量%)を均一に塗布し、1
分間静置した後、膜表面の余分な水溶液を取り除いてか
ら、トリメシン酸塩化物のn−デカン溶液(濃度0.1
重量%)を膜表面に500cc/m2 塗布して1分間静
置した後、膜面での風速が20m/sec、温度が24
℃の空気を膜面に対して20°の角度で図1に示すよう
な方法で吹きつけながら膜を1m/minの速度で垂直
方向に引き上げることにより該超薄膜表面の非混和性溶
液を回収した。その後、炭酸ナトリウムの0.2重量%
水溶液に5分間浸漬した。この方法で複合逆浸透膜を1
0m2 製造した。回収された非混和性溶液は4950c
cであった。
【0040】回収された非混和性溶液をセパラブルフラ
スコに3000cc入れ、12.5重量%の水酸化ナト
リウム水溶液を500cc追加し、プロペラ型の攪拌羽
根を2段設置し、室温において、回転数を100RPM
で表1に示した条件で攪拌した。その後10分間静置
後、非混和性溶液を採取し、その性状を測定した。その
結果を表1に示した。引火点はJISK2265、腐食
性はJISK2513に準じて測定した。更に、精製後
の非混和性溶液に含まれる多官能酸ハロゲン化物の濃度
の指標として、次の方法で遊離塩素イオン濃度を測定し
た。まずテフロン製容器(容器)を純水で洗浄後、熱風
乾燥機で50℃に昇温し、該容器を乾燥させる。その後
室温まで降温する。降温後、容器に採取した非混和性溶
液を50cc入れる。次に、純水を50cc入れ、密閉
する。次に室温において5分間、容器を手動で激しく振
動させる。次に5分間静置させた後、その水層部分を採
取し、イオンクロマトグラフ法で、遊離塩素イオン濃度
を測定した。
【0041】比較例1 市販のn−デカン溶液の性状を実施例1と同様な性状の
測定方法で測定した。その結果を表2に示した。
【0042】比較例2 回収された非混和性溶液を精製処理を行わないで、該非
混和性溶液の性状を実施例1と同様な性状の測定方法で
測定した。その結果を表2に示した。
【0043】比較例3 回収された非混和性溶液を実施例1と同様な方法で0.
5時間の攪拌を行い、その性状を測定した。その結果を
表2に示した。
【0044】実施例4〜5、比較例4〜5 実施例1と実施例3および比較例1と比較例3で得られ
た該非混和性溶液を用いて、実施例1と同様な方法で複
合逆浸透膜を製造した。
【0045】得られた膜の逆浸透性能は、1500pp
m食塩水溶液を温度25℃、圧力15kg/cm2 の条
件で供給して、その食塩排除率と造水量を測定すること
で評価した。また、食塩排除率は、次式により求めた。
【0046】食塩排除率[%]=[1−(透過液中の食塩濃
度/供給液中の食塩濃度)]×100また、透過性能とし
て、水透過速度は単位面積、単位時間当りの水の透過水
量で決定した。
【0047】その結果を表3に示した。
【0048】
【表1】
【表2】
【表3】
【0049】
【発明の効果】表1〜3の結果のように、回収された溶
媒の純度は、簡便な精製方法にもかかわらず、極めて優
れたものであった。また、このようにして回収された溶
媒を複合半透膜の製造に用いても、性能の低下はまった
く認められなかった。
【0050】本発明により、超薄膜を有する複合逆浸透
膜を製造する際に、資源の損失を低減させ、極めて経済
的な優れた複合半透膜の製造方法を提供することができ
る。また、該超薄膜表面の水と非混和性の溶液の蒸気が
大気中に放出されるのを抑える事と省エネルギ−を実現
する事により、地球環境への影響も低減できる優れた複
合半透膜の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複合逆浸透膜を製造する際の該超薄
膜表面の該非混和性溶液を回収する方法を示す。
【図2】 本発明の複合逆浸透膜を製造する工程から回
収された該非混和性溶液を精製処理後、アルカリ水溶液
と分離回収する方法を示す。
【符号の説明】
1:複合半透膜 2:支持膜面側ロ−ル 3:超薄膜面側ロ−ル 4:送風機ノズル 5:受け皿 6:覆い板 7:該超薄膜表面から落下する非混和性溶液 8:回収された非混和性溶液 9:複合半透膜の進行方向 10:容器 11:非混和性溶液側仕切り板 12:アルカリ水溶液側仕切り板 13:液面保持用仕切り板 14:液流入管 15:非混和性溶液とアルカリ水溶液の槽 16:非混和性溶液の槽 17:アルカリ水溶液の槽

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔性支持膜と、水に対して非混和性の
    溶液(非混和性溶液)を用いて界面重合反応によって得
    られる超薄膜を有する複合逆浸透膜を製造する際に、複
    合逆浸透膜を製造する工程から回収された非混和性溶液
    を、再び該製造に用いることが可能な程度までにアルカ
    リ性溶液で精製することを特徴とする溶媒の回収・精製
    方法。
  2. 【請求項2】 該非混和性溶液が炭化水素又は脂肪族炭
    化水素であることを特徴とする請求項1記載の溶媒の回
    収・精製方法。
  3. 【請求項3】 該非混和性溶液を超薄膜層を形成後、気
    体を吹きつけることにより回収することを特徴とする請
    求項1記載の溶媒の回収・精製方法。
  4. 【請求項4】 該非混和性溶液を水酸化ナトリウム水溶
    液で精製処理することを特徴とする請求項1記載の溶媒
    の回収・精製方法。
  5. 【請求項5】 該非混和性溶液を精製処理する水酸化ナ
    トリウム水溶液の濃度が0.5〜50重量%であること
    を特徴とする請求項1記載の溶媒の回収・精製方法。
  6. 【請求項6】 複合半透膜が架橋芳香族ポリアミドから
    なることを特徴とする請求項1記載の溶媒の回収・精製
    方法。
  7. 【請求項7】 精製した該非混和性溶液を、比重差によ
    り、分離回収することを特徴とする請求項1記載の溶媒
    の回収・精製方法。
  8. 【請求項8】 互いに非混和である溶液を、比重差によ
    り分離回収する際、容器の上部と下部に流出口を有し、
    かつ、下部の流出口は、所定圧力以下では流出が起きな
    い容器を用いることを特徴とする比重差を利用した分離
    回収方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の溶媒の回収・精製方法で
    得られた溶媒を用いることを特徴とする複合半透膜の製
    造方法。
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