JP2004307373A - 炭化水素の回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複合半透膜を製造する際に排出する多官能性アミン、多官能酸ハロゲン化物および極性官能基を有する脂肪族有機化合物を溶質として含む炭化水素/水の非混和性溶液から溶質を除去し、精製する方法を提供する。
【解決手段】多官能性アミン、多官能酸ハロゲン化物および極性官能基を有する脂肪族有機化合物を溶質とし、炭化水素または水を溶媒とする炭化水素溶液/水溶液の非混和性溶液に、アルカリ性溶液とアルコールとを接触せしめ、ついで前記溶質が移行したアルカリ性溶液とアルコールとを分離して前記溶質を除去する。
【選択図】なし
【解決手段】多官能性アミン、多官能酸ハロゲン化物および極性官能基を有する脂肪族有機化合物を溶質とし、炭化水素または水を溶媒とする炭化水素溶液/水溶液の非混和性溶液に、アルカリ性溶液とアルコールとを接触せしめ、ついで前記溶質が移行したアルカリ性溶液とアルコールとを分離して前記溶質を除去する。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に複合半透膜の製造工程から排出する多官能性アミンや多官能酸ハロゲン化物等を含む炭化水素/水の非混和性溶液から炭化水素を回収する方法に関するものであり、さらに、このようにして回収された炭化水素を溶媒として用いることを特徴とする、複合半透膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多官能性アミンと多官能酸ハロゲン化物との界面重縮合反応によって得られるポリアミドからなる超薄膜層を微多孔性支持膜上に被覆してなる複合半透膜は、透過性や選択分離性の高い逆浸透膜として注目されている。多官能の芳香族アミンと多官能酸ハロゲン化物とを界面重縮合反応させるものとしては、例えば特許文献1、2がこれまでに知られている。これらの公報では、多官能酸ハロゲン化物を溶解する溶媒としては、n−ヘキサン、トリクロロトリフルオロエタンなどに代表される低沸点溶媒の他に、n−ノナン、n−デカンの様な高沸点の炭化水素系溶媒が用いられているが、これらの複合半透膜を製造する際には溶媒を蒸発させるため資源の損失となり、工業的な規模での生産では問題となる。また蒸気が大気中に放出されるため、地球環境に与える影響が大きい。
【0003】
蒸発して空気中に拡散した溶媒を回収するには、ファン動力や凝縮させるのに大きなエネルギーコストを必要とし、また液体状態で直接回収しても溶質を分離するため蒸留法によりやはり大きなエネルギーコストがかかる。
【0004】
省エネルギーかつ地球環境に与える影響の小さい、比重差を利用した溶媒の回収方法としては、例えば特許文献3、4がこれまでに知られている。これらの公報では、複合逆浸透膜を製造する工程から回収された非混和性溶液を、アルカリ性溶液と混合して塩を発生させることで、精製を行っている。しかしながらこの方法は、水溶性の高い物質や酸ハロゲン化物などの加水分解を受けやすい物質の除去にのみ有効であり、膜の透水性を向上させるために添加される、極性官能基を有する脂肪族有機化合物の除去は困難であった。
【0005】
【特許文献1】
特開昭59−179103号公報
【0006】
【特許文献2】
特公昭63−36803号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平8−206475号公報
【0008】
【特許文献4】
特許第3221266号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、複合半透膜を製造する際に排出する多官能性アミン、多官能酸ハロゲン化物および極性官能基を有する脂肪族有機化合物を溶質として含む炭化水素/水の非混和性溶液から溶質を除去し、精製された炭化水素を回収して回収炭化水素を複合半透膜の製造において再使用することにより、資源の損失を低減させるとともに、炭化水素蒸気が大気中に放出されるのを抑えることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、多官能性アミン、多官能酸ハロゲン化物および極性官能基を有する脂肪族有機化合物を溶質とし、炭化水素または水を溶媒とする炭化水素溶液/水溶液の非混和性溶液に、アルカリ性溶液とアルコールとを接触せしめ、ついで前記溶質が移行したアルカリ性溶液とアルコールとを分離して前記溶質を除去する工程を含むことを特徴とする炭化水素の回収方法、およびこのようにして回収された炭化水素を用いることを特徴とする複合半透膜の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において多官能性アミンとは、第1級、第2級アミノ基を同一分子内に2個以上持つ脂肪族、芳香族、ヘテロ環化合物、脂環式化合物であって、20℃において水に対し0.1重量%以上の溶解性を持つものが好ましい。具体例としては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、エチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン等を挙げることができる。これらは単独であっても、混合物であってもよい。
【0012】
多官能性アミンは炭化水素/水の非混和性溶液中に水溶液として含まれる。多官能性アミン水溶液の濃度は好ましくは0.1〜12重量%、より好ましくは0.5〜10重量%である。
【0013】
多官能酸ハロゲン化物とは、同一分子内に2つ以上のハロゲン化カルボニル基を有する脂肪族、芳香族、ヘテロ環化合物、脂環式化合物であって、より具体的には、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,3−ベンゼンジカルボン酸、1,4−ベンゼンジカルボン酸等の酸ハロゲン化物である場合に本発明方法が好ましく適用される。上記2官能以上の酸ハロゲン化物は単独であっても、混合物であってもよい。
【0014】
次に極性官能基を有する脂肪族有機化合物について説明する。極性官能基とは、例えばエステル基、ケト基、エーテル基、スルホン基、アミド基、ウレア基である。
【0015】
本発明においてエステル基を有する脂肪族有機化合物とは、直鎖または分枝鎖飽和もしくは不飽アルキルカルボン酸エステルである。本発明方法が好ましく適用される直鎖飽和アルキルカルボン酸エステルとしては、カプロン酸エチル、ヘプタン酸エチル、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、ペラルゴン酸メチル、ペラルゴン酸エチル、ノナン酸エチル、デカン酸メチル、デカン酸エチル、ウンデカン酸メチル、ウンデカン酸エチル、ドデカン酸メチル、ドデカン酸エチル、トリデカン酸メチル、トリデカン酸エチルなどが挙げられる。また、分枝鎖飽和アルキルカルボン酸エステルとしては、カプリル酸イソアミル、イソ酪酸イソブチル、イソペンタン酸イソブチル、ブチル酢酸イソプロピル、2−エチルヘプタン酸エチル、3−メチルノナン酸メチルなどが挙げられる。さらに、不飽和アルキルカルボン酸エステルとしては、メタクリル酸ヘキシル、trans−3−ヘキセン酸エチル、cis−2−オクテン酸エチル、trans−4−ノネン酸エチルなどが挙げられる。
【0016】
本発明においてケト基を有する脂肪族有機化合物とは、直鎖または分枝鎖飽和もしくは不飽和アルキルケトンである。本発明方法が好ましく適用される直鎖飽和アルキルケトンとしては、2−オクタノン、2−デカノン、2−ドデカノン、7−トリデカノン、8−ペンタデカノン、9−ヘプタデカノンなどが挙げられる。また、分枝鎖飽和アルキルケトンとしては、2−メチルプロピルプロピルケトン、ジ−t−ブチルケトン、ジ−ネオペンチルケトンなどが挙げられる。さらに、不飽和アルキルケトンとしては、4−ペンテン−1−イルペンチルケトン、2−ヘプテン−1−イルヘプチルケトンなどが挙げられる。
【0017】
本発明においてエーテル基を有する脂肪族有機化合物とは、直鎖または分枝鎖飽和もしくは不飽和アルキルエーテルである。本発明方法が好ましく適用される直鎖飽和アルキルエーテルとしては、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオクチルエーテルなどが挙げられる。また、分枝鎖飽和アルキルエーテルとしては、2−メチルプロピルプロピルエーテル、ジ−t−ブチルエーテル、ジ−ネオペンチルエーテルなどが挙げられる。さらに、不飽和アルキルエーテルとしては、4−ペンテン−1−イルペンチルエーテル、2−ヘプテン−1−イルヘプチルエーテル、3−オクテン−1−イルブチルエーテルなどが挙げられる。
【0018】
本発明においてスルホン基を有する脂肪族有機化合物とは、直鎖あるいは分枝鎖飽和アルキルスルホンである。本発明方法が好ましく適用される直鎖飽和アルキルスルホンとしては、ジブチルスルホン、ジヘキシルスルホン、ジオクチルスルホン、ジデシルスルホンなどを用いることができる。また、分枝鎖飽和アルキルスルホンとしては、2−メチルブチルプロピルスルホン、ジ−t−ブチルスルホン、ジ−ネオペンチルスルホンなどが挙げられる。
【0019】
本発明においてアミド基を有する脂肪族有機化合物とは、N−アルキルアミド、N,N−ジアルキルアミド、環状アルキルアミド、N−アルキル環状アルキルアミドである。本発明方法が好ましく適用されるものとしては、例えばN−シクロヘキシルホルムアミド、N,N−ジイソプロピルホルムアミド、N,N−ジイソプロピルアセトアミド、N,N−ジブチルホルムアミド、δ−バレロラクタム、N−メチル−δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、N−メチル−ε−カプロラクタム、2−アザシクロオクタノン、2−アザシクロノナノンなどが挙げられる。
【0020】
本発明においてウレア基を有する脂肪族有機化合物とは、アルキル基を窒素原子の置換基として有するN,N,N’,N’−テトラアルキルウレア、環状構造を有するアルキレンウレアである。本発明方法が好ましく適用されるものとしては、例えば1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,1,3,3−テトラエチルウレア、N,N’−ジメチルプロピレンウレア、ビス(テトラメチレン)ウレア、ビス(ペンタメチレン)ウレアなどが挙げられる。
【0021】
上記の極性基を有する脂肪族有機化合物は、単独であっても、混合物であってもよい。
【0022】
溶媒である炭化水素は特に脂肪族炭化水素である場合が本発明方法に好ましい。特に炭素数が8以上の、より好ましくは8〜12の、飽和脂肪族または脂環式炭化水素である場合が好ましい。また、不飽和炭化水素であっても、炭素数が8以上のモノオレフィンであれば本発明方法を適用できる。特に好ましくはノルマルパラフィンであり、適当な溶媒の具体例としてはn−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン、1−オクテン、1−デセン等を挙げることができる。また、それらの混合物であってもよい。
【0023】
本発明において、上記の多官能性アミン、多官能酸ハロゲン化物および極性官能基を有する脂肪族有機化合物を溶質とし、炭化水素または水を溶媒とする炭化水素溶液/水溶液の非混和性溶液から前記の溶質を除去するには、溶質を加水分解してアルカリ性溶液への溶解性の高い物質へと変換させ、また高極性物質であるアルコールの添加によりアルカリ性溶液への溶質の分配比を向上させている。すなわち、高極性物質であるアルコールを含んだアルカリ性溶液と接触することで、多官能性アミンは元来高水溶性のためアルカリ性溶液中へと移行し、多官能酸ハロゲン化物は加水分解されてアルカリ性溶液への溶解性の高いカルボン酸へと変換され、極性基を有する脂肪族有機化合物のうちエステル基を有する脂肪族有機化合物はアルコールの存在により加水分解が促進されて、アルカリ性溶液への溶解性の高いカルボン酸と高水溶性の低級アルコールへと変換され、その他の極性基を有する脂肪族有機化合物はアルコールの存在によりアルカリ性溶液への分配比が向上し、それぞれがアルカリ性溶液へと溶け込むので、アルカリ性溶液を分離すれば溶質は炭化水素溶液中から除去され炭化水素が精製されることになる。また添加したアルコールも、高極性物質であることによりアルカリ性溶液への分配比が高いため、炭化水素中にはほとんど残存しない。
【0024】
本発明においてアルコールとは、炭素数1〜6の飽和アルコール(直鎖状のものであっても分岐状のものであってもよい)あるいはフェノールであり、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、i−プロパノール、i−ブタノール、t−ブタノール、2−メチルブタン−1−オール、2,2−ジメチルプロパン−1−オール、フェノールなどが挙げられる。
【0025】
アルコールの使用量は、炭化水素溶液に対して5〜100容積%であることが好ましく、より好ましくは10〜50容積%である。またアルカリ性溶液に対しては100容積%以上用いることが好ましい。
【0026】
アルコールの添加方法は、アルカリ性溶液中にあらかじめ混和させておいてもよく、使用後の非混和性溶液およびアルカリ性溶液に対して順序の前後を問わず、別途添加してもよい。
【0027】
本発明におけるアルカリ性溶液のアルカリ成分としては、具体的にはアルカリ金属の塩基性化合物、例えば、特に好ましいナトリウム化合物の場合、水酸化ナトリウムが最も好ましく、ついで、リン酸3ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの順で好ましい。ナトリウム化合物に次いで好ましいカリウム化合物についてもほぼ同様の順列である。その他、アンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム等も用いることができる。また、それらの混合物を使用してもよい。
【0028】
アルカリ性溶液の濃度は、例えば、水酸化ナトリウムならば、0.1〜12.5mol/l、より好ましくは1〜4mol/lであり、これ以外のアルカリも、前記水酸化ナトリウムと同様の規定度に調整することが好ましい。これよりも低濃度の場合は精製処理に時間がかかる。これよりも高濃度の場合はアルカリ塩が多量に発生する。
【0029】
アルカリ性溶液の使用量は、一般には炭化水素溶液に対して5〜500容積%であることが好ましく、より好ましくは10〜50容積%であるが、水酸化ナトリウム水溶液の場合には炭化水素溶液に対して10〜100容積%の範囲とすることが好ましい。
【0030】
非混和性溶液とアルカリ性溶液およびアルコールとを接触させる方法は、例えば容器の中に非混和性溶液とアルカリ性溶液およびアルコールとを密閉し放置しておいてもよいが、精製に長時間を必要とする。より好ましくは容器を上下左右に動かしたり、容器の中を棒状のもので混ぜたり、更に好ましくは容器に攪拌羽根を取り付け、それを回転させること、または、ジェット攪拌を利用することにより混合し十分に接触させることができる。
【0031】
攪拌羽根を使用する場合は、攪拌羽根は1段でもよいが、より好ましくは多段の方が効率がよく、攪拌羽根の形状は、かい型、プロペラ型およびタ−ビン型のどれであってもよい。攪拌効率を低下させなければこれらを混合で用いてもよい。攪拌羽根の回転数は10RPM以上が適当であり、より好ましくは100RPM以上である。これよりも回転数が低いと混合する効率が低下し、精製に長時間を必要とする。
【0032】
非混和性溶液とアルカリ性溶液およびアルコールとを接触させる際の温度は、炭化水素の引火点以下、より好ましくは1〜30℃が適当である。これ以上高温であると炭化水素に引火する危険性がある。また、引火の危険性を防止するために、容器内に不燃焼性気体、例えば窒素等を封入することが好ましい。
【0033】
非混和性溶液とアルカリ性溶液およびアルコールとを接触させる際の時間は、1時間以上、より好ましくは3時間以上が適当である。これよりも短時間では精製が不十分となる。
【0034】
以上の工程を経て、多官能性アミン、多官能酸ハロゲン化物および極性官能基を有する脂肪族有機化合物のほとんどはアルカリ性溶液中に移行するので、これを分離することにより、炭化水素溶液中から溶質が除かれて高純度となり、有機溶媒成分をほぼ純粋に得ることができる。
【0035】
炭化水素とアルカリ性溶液およびアルコールとの分離は、比重差を利用して分離することができる。この際の静置する時間は10分以上、より好ましくは30分以上が適当である。該静置処理は、攪拌に用いた容器をそのまま用いることもできるが、攪拌用容器とは別の分離用容器を用いることもできる。また、攪拌用容器を静置用容器に兼用する場合、一方の液をある程度回収した後、残りの十分分離されていない混合液を該分離用容器に導いて更に分離する方法が好ましい。
【0036】
かかる分離用容器として特に限定されるものではないが、容器の上部と下部に流出口を有し、かつ、下部の流出口は所定圧力以下では流出が起きない容器を用いることが好ましい。かかる構成により、上部の流出口より炭化水素、下部の流出口よりアルカリ水溶液がそれぞれ流出して、分離できる。所定圧力とは、具体的には上部の流出口の最下端部から下部の流出口の最上端部までの液深により得られる下部の流出口での液圧として、液体がすべて炭化水素の場合の液圧を下限とし、同様に水溶液である場合を上限とする範囲内にあることが肝要である。該範囲内であれば、水溶液と炭化水素との境界面が下がれば、比重の軽い炭化水素の比率が増えて、液圧が下がり、下部の流出口から流出が止まり、該境界面が上がれば、比重の重い水溶液の比率が増えて、液圧が上がり、下部の流出口から流出して、流入液中の水溶液と炭化水素の比率に左右されず、該境界面の位置が自動的に調整され、それぞれの流出口において他方の液体が混入することが防げる。かかる調整機構としては、下部の流出口を別の容器に導入して、最初の容器の上部の流出口の最下端部よりもやや低い位置に、境界面を保持する機構を有すればよい。これらの流出口は、孔状、スリット状、堤状等があげられる。
【0037】
また、非混和性溶液の流入口としては、最初の容器の上部、下部または側面のいずれでも構わない。また、容器全体が密閉された構造である方が、安全上好ましい。
【0038】
具体例としては図1に示すような容器を使用することで容易にかつ効率的に精製した炭化水素を分離回収できる。容器1には底部から伸びた炭化水素側仕切り板2ならびにアルカリ水溶液側仕切版3と、上部から伸びた液面保持用仕切り板4を有している。これらの仕切り板を複数枚備えて、多段で分離回収を行ってもよい。容器の形状は円形であっても多角形でもよい。液流入管5は容器1の上部、側面または底部に接続されていてもよい。静置した非混和性溶液を液流入管5から容器1に流入する。炭化水素は非混和性溶液の槽6から炭化水素の槽7に流出し、アルカリ水溶液は非混和性溶液の槽6からアルカリ水溶液の槽8に流出する。その結果、炭化水素は炭化水素の槽7に、アルカリ水溶液はアルカリ水溶液の槽8に分離回収できる。このとき、液面保持用仕切り板4でアルカリ水溶液の液面の高さを保持することにより、非混和性溶液の槽6からの流入が過ぎて、炭化水素がアルカリ水溶液の槽8に混入するのを防いでいる。
【0039】
本発明により精製された炭化水素は市販されている炭化水素と同等の性状を有し、燃料はもとより、化成品原料としても使用可能なものであり、さらに複合逆浸透膜を製造する際の多官能酸ハロゲン化物および極性基を有する脂肪族有機化合物の溶液の溶媒として使用できるものである。
【0040】
次に、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを微多孔性支持膜上で反応させる工程を含む、架橋ポリアミドの超薄膜層を微多孔性支持膜上に有する本発明の複合半透膜の製造方法について説明する。
【0041】
本発明における微多孔性支持膜とは、膜断面方向に非対称構造を有するものである。表面には一般的に平均孔径(直径)が20〜5000オングストロームの微孔を有し、特に好ましくは30〜300オングストロームの微孔を有しているものが使用される。膜の厚さは10〜300μm、特に好ましくは30〜200μmのものが適している。また、その素材は例えばポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、セルロースエステル、ポリフェニレンオキシド、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン等が用いられ、形状は平膜状であっても中空糸状、管状であってもよい。また、これらの膜は織布や不織布等で裏うち補強されていても構わない。織布、不織布の素材にはポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、再生セルロース、アセチルセルロースなどが好適である。この微多孔性支持膜の製造方法の1例を挙げれば、12〜25重量%の濃度のポリスルホンのジメチルホルムアミド溶液を密に織ったポリエステル布あるいは不織布などの支持体上に一定の厚さに注型し、凝固浴に浸漬する。凝固浴としては水、あるいは水と溶媒の混合物などが好ましい。該ポリスルホンのジメチルホルムアミド溶液を支持体上に注型後、溶媒を一定時間蒸発させてから凝固浴に浸漬してもよい。その際の温度は0℃から溶媒の沸点、より好ましくは5℃〜(溶媒の沸点−50℃)の範囲で行われる。
【0042】
製造した微多孔性支持膜の保存は純水中で行うことが可能であるが、膜面での微生物の発生を防止するため、1〜10ppmの濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液で行うこともある。
【0043】
多官能性アミンとしては前述のものが水溶液として用いられる。多官能性アミン水溶液の濃度は好ましくは0.1〜12重量%、より好ましくは0.5〜10.0重量%である。
【0044】
多官能酸ハロゲン化物としては前述のものが炭化水素溶液として用いられる。ここで使用される炭化水素溶媒は、前述の本発明方法によって精製・回収された炭化水素である。多官能酸ハロゲン化物の濃度は0.01〜1重量%が好ましい。これよりも濃度が低いと架橋ポリアミド系超薄膜層が形成されにくく、塩排除率の低い膜が得られ、逆に濃度が高いと透過水量の低い膜が形成される。
【0045】
極性基を有する脂肪族有機化合物としては前述のものが用いられる。極性基を有する脂肪族有機化合物は、膜の透水性を向上させるために、上記多官能性アミンの水溶液や上記多官能酸ハロゲン化物の炭化水素溶液に加えたり、多孔性支持膜にあらかじめ含浸させたりすることができる。添加濃度は化合物によって適宜決定することができるが、具体的には、使用する炭化水素に対して0.03〜30重量%の範囲内にあると好ましく、0.06〜10重量%の範囲内であるとさらに好ましい。0.03重量%を下回ったり、30重量%を超えたりすると、分離機能膜の透水性が低下する傾向にある。また、30重量%を超えると、脂肪族有機化合物が膜面上に残って、膜の親水性を低下させやすい。
【0046】
上記の多官能性アミン水溶液、多官能酸ハロゲン化物炭化水素溶液、極性基を有する脂肪族化合物は、微多孔性支持膜上での界面重合反応に供される。
【0047】
膜面に多官能酸ハロゲン化物炭化水素溶液を塗布する時間は10秒〜5分が好ましい。これよりも長時間塗布すると透過水量の低い膜が形成される。
【0048】
多官能酸ハロゲン化物炭化水素溶液を塗布して架橋ポリアミド層を形成させた後には炭化水素を蒸発させるのが一般的である。
【0049】
【実施例】
以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0050】
実施例1〜5
炭化水素モデル溶液として、トリメシン酸クロリド0.2重量%、カプリル酸エチル(以下CAEE)2.5重量%、ジブチルホルムアミド(以下DBF)0.15重量%を含むn−デカン溶液を調製した(以下A液)。20ml蓋付きサンプル管に、A液、3.125mol/l水酸化ナトリウム水溶液(以下B液)、メタノール(以下C液)、m−フェニレンジアミン(以下mPDA)を、表1に示すようにC液がA液に対して5〜100容積%でかつB液に対して100容積%以上であり、そしてB液がA液に対して10〜100容積%となるように、さらにmPDAの水溶液中における濃度が0.1〜12重量%であるように加え、蓋をしてマグネチックスターラーを用いて8時間撹拌した。
【0051】
1時間静置した後、n−デカン相2μlをガスクロマトグラフィーを用いて測定し、CAEEとDBFの減少率を算出した。さらにn−デカン相0.2mlにテトラヒドロフラン0.8mlを加えて希釈し、その溶液を高速液体クロマトグラフィーを用いて測定し、トリメシン酸クロリドの分解物として含まれるべきトリメシン酸(以下TMA)とmPDAの減少率を算出した。
【0052】
ここで減少率とは次式で表される値をいう。
【0053】
減少率(%)={1−(撹拌後のピーク面積比/撹拌前のピーク面積比)}×100。
【0054】
なおガスクロマトグラフィーは島津製作所製GC−7Aを用い、ガラスカラムPolyethyleneglycol 6000 10% Shimalite TPA 30〜60mesh 2.6mmI.D.×1.6m、COL:60℃(4分間保持)−(昇温速度32℃/min)→180℃(8分間保持)、INJ/DET:250℃、N2 50ml/min、の条件で測定した。
【0055】
また高速液体クロマトグラフィーは島津製作所製LC−10Aを用い、TSK−GEL ODS−80TM 5μm 4.6mmI.D.×150mm、メタノール/水=90/10、1.0ml/min、40℃、240nm、の条件で測定した。
【0056】
その結果を表1に示した。
【0057】
比較例1
実施例1〜5と同様の実験で、C液を添加せず撹拌を行った。その結果を表1に示した。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】
本発明方法により、炭化水素/水の非混和性溶液が高純度に精製され得られた炭化水素は、超薄膜を有する複合逆浸透膜を製造する際に用いることができる。従って、資源の損失を低減させ、極めて経済的な優れた複合半透膜の製造方法を提供することができる。また、該超薄膜表面の水と非混和性の溶液の蒸気が大気中に放出されるのを抑えることと省エネルギ−を実現することにより、地球環境への影響も低減できる優れた複合半透膜の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭化水素とアルカリ性溶液とを分離するための容器の一例を示す。
【符号の説明】
1:容器
2:炭化水素側仕切り板
3:アルカリ水溶液側仕切り板
4:液面保持用仕切り板
5:液流入管
6:非混和性溶液の槽
7:炭化水素の槽
8:アルカリ水溶液の槽
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に複合半透膜の製造工程から排出する多官能性アミンや多官能酸ハロゲン化物等を含む炭化水素/水の非混和性溶液から炭化水素を回収する方法に関するものであり、さらに、このようにして回収された炭化水素を溶媒として用いることを特徴とする、複合半透膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多官能性アミンと多官能酸ハロゲン化物との界面重縮合反応によって得られるポリアミドからなる超薄膜層を微多孔性支持膜上に被覆してなる複合半透膜は、透過性や選択分離性の高い逆浸透膜として注目されている。多官能の芳香族アミンと多官能酸ハロゲン化物とを界面重縮合反応させるものとしては、例えば特許文献1、2がこれまでに知られている。これらの公報では、多官能酸ハロゲン化物を溶解する溶媒としては、n−ヘキサン、トリクロロトリフルオロエタンなどに代表される低沸点溶媒の他に、n−ノナン、n−デカンの様な高沸点の炭化水素系溶媒が用いられているが、これらの複合半透膜を製造する際には溶媒を蒸発させるため資源の損失となり、工業的な規模での生産では問題となる。また蒸気が大気中に放出されるため、地球環境に与える影響が大きい。
【0003】
蒸発して空気中に拡散した溶媒を回収するには、ファン動力や凝縮させるのに大きなエネルギーコストを必要とし、また液体状態で直接回収しても溶質を分離するため蒸留法によりやはり大きなエネルギーコストがかかる。
【0004】
省エネルギーかつ地球環境に与える影響の小さい、比重差を利用した溶媒の回収方法としては、例えば特許文献3、4がこれまでに知られている。これらの公報では、複合逆浸透膜を製造する工程から回収された非混和性溶液を、アルカリ性溶液と混合して塩を発生させることで、精製を行っている。しかしながらこの方法は、水溶性の高い物質や酸ハロゲン化物などの加水分解を受けやすい物質の除去にのみ有効であり、膜の透水性を向上させるために添加される、極性官能基を有する脂肪族有機化合物の除去は困難であった。
【0005】
【特許文献1】
特開昭59−179103号公報
【0006】
【特許文献2】
特公昭63−36803号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平8−206475号公報
【0008】
【特許文献4】
特許第3221266号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、複合半透膜を製造する際に排出する多官能性アミン、多官能酸ハロゲン化物および極性官能基を有する脂肪族有機化合物を溶質として含む炭化水素/水の非混和性溶液から溶質を除去し、精製された炭化水素を回収して回収炭化水素を複合半透膜の製造において再使用することにより、資源の損失を低減させるとともに、炭化水素蒸気が大気中に放出されるのを抑えることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、多官能性アミン、多官能酸ハロゲン化物および極性官能基を有する脂肪族有機化合物を溶質とし、炭化水素または水を溶媒とする炭化水素溶液/水溶液の非混和性溶液に、アルカリ性溶液とアルコールとを接触せしめ、ついで前記溶質が移行したアルカリ性溶液とアルコールとを分離して前記溶質を除去する工程を含むことを特徴とする炭化水素の回収方法、およびこのようにして回収された炭化水素を用いることを特徴とする複合半透膜の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において多官能性アミンとは、第1級、第2級アミノ基を同一分子内に2個以上持つ脂肪族、芳香族、ヘテロ環化合物、脂環式化合物であって、20℃において水に対し0.1重量%以上の溶解性を持つものが好ましい。具体例としては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、エチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン等を挙げることができる。これらは単独であっても、混合物であってもよい。
【0012】
多官能性アミンは炭化水素/水の非混和性溶液中に水溶液として含まれる。多官能性アミン水溶液の濃度は好ましくは0.1〜12重量%、より好ましくは0.5〜10重量%である。
【0013】
多官能酸ハロゲン化物とは、同一分子内に2つ以上のハロゲン化カルボニル基を有する脂肪族、芳香族、ヘテロ環化合物、脂環式化合物であって、より具体的には、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,3−ベンゼンジカルボン酸、1,4−ベンゼンジカルボン酸等の酸ハロゲン化物である場合に本発明方法が好ましく適用される。上記2官能以上の酸ハロゲン化物は単独であっても、混合物であってもよい。
【0014】
次に極性官能基を有する脂肪族有機化合物について説明する。極性官能基とは、例えばエステル基、ケト基、エーテル基、スルホン基、アミド基、ウレア基である。
【0015】
本発明においてエステル基を有する脂肪族有機化合物とは、直鎖または分枝鎖飽和もしくは不飽アルキルカルボン酸エステルである。本発明方法が好ましく適用される直鎖飽和アルキルカルボン酸エステルとしては、カプロン酸エチル、ヘプタン酸エチル、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、ペラルゴン酸メチル、ペラルゴン酸エチル、ノナン酸エチル、デカン酸メチル、デカン酸エチル、ウンデカン酸メチル、ウンデカン酸エチル、ドデカン酸メチル、ドデカン酸エチル、トリデカン酸メチル、トリデカン酸エチルなどが挙げられる。また、分枝鎖飽和アルキルカルボン酸エステルとしては、カプリル酸イソアミル、イソ酪酸イソブチル、イソペンタン酸イソブチル、ブチル酢酸イソプロピル、2−エチルヘプタン酸エチル、3−メチルノナン酸メチルなどが挙げられる。さらに、不飽和アルキルカルボン酸エステルとしては、メタクリル酸ヘキシル、trans−3−ヘキセン酸エチル、cis−2−オクテン酸エチル、trans−4−ノネン酸エチルなどが挙げられる。
【0016】
本発明においてケト基を有する脂肪族有機化合物とは、直鎖または分枝鎖飽和もしくは不飽和アルキルケトンである。本発明方法が好ましく適用される直鎖飽和アルキルケトンとしては、2−オクタノン、2−デカノン、2−ドデカノン、7−トリデカノン、8−ペンタデカノン、9−ヘプタデカノンなどが挙げられる。また、分枝鎖飽和アルキルケトンとしては、2−メチルプロピルプロピルケトン、ジ−t−ブチルケトン、ジ−ネオペンチルケトンなどが挙げられる。さらに、不飽和アルキルケトンとしては、4−ペンテン−1−イルペンチルケトン、2−ヘプテン−1−イルヘプチルケトンなどが挙げられる。
【0017】
本発明においてエーテル基を有する脂肪族有機化合物とは、直鎖または分枝鎖飽和もしくは不飽和アルキルエーテルである。本発明方法が好ましく適用される直鎖飽和アルキルエーテルとしては、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオクチルエーテルなどが挙げられる。また、分枝鎖飽和アルキルエーテルとしては、2−メチルプロピルプロピルエーテル、ジ−t−ブチルエーテル、ジ−ネオペンチルエーテルなどが挙げられる。さらに、不飽和アルキルエーテルとしては、4−ペンテン−1−イルペンチルエーテル、2−ヘプテン−1−イルヘプチルエーテル、3−オクテン−1−イルブチルエーテルなどが挙げられる。
【0018】
本発明においてスルホン基を有する脂肪族有機化合物とは、直鎖あるいは分枝鎖飽和アルキルスルホンである。本発明方法が好ましく適用される直鎖飽和アルキルスルホンとしては、ジブチルスルホン、ジヘキシルスルホン、ジオクチルスルホン、ジデシルスルホンなどを用いることができる。また、分枝鎖飽和アルキルスルホンとしては、2−メチルブチルプロピルスルホン、ジ−t−ブチルスルホン、ジ−ネオペンチルスルホンなどが挙げられる。
【0019】
本発明においてアミド基を有する脂肪族有機化合物とは、N−アルキルアミド、N,N−ジアルキルアミド、環状アルキルアミド、N−アルキル環状アルキルアミドである。本発明方法が好ましく適用されるものとしては、例えばN−シクロヘキシルホルムアミド、N,N−ジイソプロピルホルムアミド、N,N−ジイソプロピルアセトアミド、N,N−ジブチルホルムアミド、δ−バレロラクタム、N−メチル−δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、N−メチル−ε−カプロラクタム、2−アザシクロオクタノン、2−アザシクロノナノンなどが挙げられる。
【0020】
本発明においてウレア基を有する脂肪族有機化合物とは、アルキル基を窒素原子の置換基として有するN,N,N’,N’−テトラアルキルウレア、環状構造を有するアルキレンウレアである。本発明方法が好ましく適用されるものとしては、例えば1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,1,3,3−テトラエチルウレア、N,N’−ジメチルプロピレンウレア、ビス(テトラメチレン)ウレア、ビス(ペンタメチレン)ウレアなどが挙げられる。
【0021】
上記の極性基を有する脂肪族有機化合物は、単独であっても、混合物であってもよい。
【0022】
溶媒である炭化水素は特に脂肪族炭化水素である場合が本発明方法に好ましい。特に炭素数が8以上の、より好ましくは8〜12の、飽和脂肪族または脂環式炭化水素である場合が好ましい。また、不飽和炭化水素であっても、炭素数が8以上のモノオレフィンであれば本発明方法を適用できる。特に好ましくはノルマルパラフィンであり、適当な溶媒の具体例としてはn−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン、1−オクテン、1−デセン等を挙げることができる。また、それらの混合物であってもよい。
【0023】
本発明において、上記の多官能性アミン、多官能酸ハロゲン化物および極性官能基を有する脂肪族有機化合物を溶質とし、炭化水素または水を溶媒とする炭化水素溶液/水溶液の非混和性溶液から前記の溶質を除去するには、溶質を加水分解してアルカリ性溶液への溶解性の高い物質へと変換させ、また高極性物質であるアルコールの添加によりアルカリ性溶液への溶質の分配比を向上させている。すなわち、高極性物質であるアルコールを含んだアルカリ性溶液と接触することで、多官能性アミンは元来高水溶性のためアルカリ性溶液中へと移行し、多官能酸ハロゲン化物は加水分解されてアルカリ性溶液への溶解性の高いカルボン酸へと変換され、極性基を有する脂肪族有機化合物のうちエステル基を有する脂肪族有機化合物はアルコールの存在により加水分解が促進されて、アルカリ性溶液への溶解性の高いカルボン酸と高水溶性の低級アルコールへと変換され、その他の極性基を有する脂肪族有機化合物はアルコールの存在によりアルカリ性溶液への分配比が向上し、それぞれがアルカリ性溶液へと溶け込むので、アルカリ性溶液を分離すれば溶質は炭化水素溶液中から除去され炭化水素が精製されることになる。また添加したアルコールも、高極性物質であることによりアルカリ性溶液への分配比が高いため、炭化水素中にはほとんど残存しない。
【0024】
本発明においてアルコールとは、炭素数1〜6の飽和アルコール(直鎖状のものであっても分岐状のものであってもよい)あるいはフェノールであり、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、i−プロパノール、i−ブタノール、t−ブタノール、2−メチルブタン−1−オール、2,2−ジメチルプロパン−1−オール、フェノールなどが挙げられる。
【0025】
アルコールの使用量は、炭化水素溶液に対して5〜100容積%であることが好ましく、より好ましくは10〜50容積%である。またアルカリ性溶液に対しては100容積%以上用いることが好ましい。
【0026】
アルコールの添加方法は、アルカリ性溶液中にあらかじめ混和させておいてもよく、使用後の非混和性溶液およびアルカリ性溶液に対して順序の前後を問わず、別途添加してもよい。
【0027】
本発明におけるアルカリ性溶液のアルカリ成分としては、具体的にはアルカリ金属の塩基性化合物、例えば、特に好ましいナトリウム化合物の場合、水酸化ナトリウムが最も好ましく、ついで、リン酸3ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの順で好ましい。ナトリウム化合物に次いで好ましいカリウム化合物についてもほぼ同様の順列である。その他、アンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム等も用いることができる。また、それらの混合物を使用してもよい。
【0028】
アルカリ性溶液の濃度は、例えば、水酸化ナトリウムならば、0.1〜12.5mol/l、より好ましくは1〜4mol/lであり、これ以外のアルカリも、前記水酸化ナトリウムと同様の規定度に調整することが好ましい。これよりも低濃度の場合は精製処理に時間がかかる。これよりも高濃度の場合はアルカリ塩が多量に発生する。
【0029】
アルカリ性溶液の使用量は、一般には炭化水素溶液に対して5〜500容積%であることが好ましく、より好ましくは10〜50容積%であるが、水酸化ナトリウム水溶液の場合には炭化水素溶液に対して10〜100容積%の範囲とすることが好ましい。
【0030】
非混和性溶液とアルカリ性溶液およびアルコールとを接触させる方法は、例えば容器の中に非混和性溶液とアルカリ性溶液およびアルコールとを密閉し放置しておいてもよいが、精製に長時間を必要とする。より好ましくは容器を上下左右に動かしたり、容器の中を棒状のもので混ぜたり、更に好ましくは容器に攪拌羽根を取り付け、それを回転させること、または、ジェット攪拌を利用することにより混合し十分に接触させることができる。
【0031】
攪拌羽根を使用する場合は、攪拌羽根は1段でもよいが、より好ましくは多段の方が効率がよく、攪拌羽根の形状は、かい型、プロペラ型およびタ−ビン型のどれであってもよい。攪拌効率を低下させなければこれらを混合で用いてもよい。攪拌羽根の回転数は10RPM以上が適当であり、より好ましくは100RPM以上である。これよりも回転数が低いと混合する効率が低下し、精製に長時間を必要とする。
【0032】
非混和性溶液とアルカリ性溶液およびアルコールとを接触させる際の温度は、炭化水素の引火点以下、より好ましくは1〜30℃が適当である。これ以上高温であると炭化水素に引火する危険性がある。また、引火の危険性を防止するために、容器内に不燃焼性気体、例えば窒素等を封入することが好ましい。
【0033】
非混和性溶液とアルカリ性溶液およびアルコールとを接触させる際の時間は、1時間以上、より好ましくは3時間以上が適当である。これよりも短時間では精製が不十分となる。
【0034】
以上の工程を経て、多官能性アミン、多官能酸ハロゲン化物および極性官能基を有する脂肪族有機化合物のほとんどはアルカリ性溶液中に移行するので、これを分離することにより、炭化水素溶液中から溶質が除かれて高純度となり、有機溶媒成分をほぼ純粋に得ることができる。
【0035】
炭化水素とアルカリ性溶液およびアルコールとの分離は、比重差を利用して分離することができる。この際の静置する時間は10分以上、より好ましくは30分以上が適当である。該静置処理は、攪拌に用いた容器をそのまま用いることもできるが、攪拌用容器とは別の分離用容器を用いることもできる。また、攪拌用容器を静置用容器に兼用する場合、一方の液をある程度回収した後、残りの十分分離されていない混合液を該分離用容器に導いて更に分離する方法が好ましい。
【0036】
かかる分離用容器として特に限定されるものではないが、容器の上部と下部に流出口を有し、かつ、下部の流出口は所定圧力以下では流出が起きない容器を用いることが好ましい。かかる構成により、上部の流出口より炭化水素、下部の流出口よりアルカリ水溶液がそれぞれ流出して、分離できる。所定圧力とは、具体的には上部の流出口の最下端部から下部の流出口の最上端部までの液深により得られる下部の流出口での液圧として、液体がすべて炭化水素の場合の液圧を下限とし、同様に水溶液である場合を上限とする範囲内にあることが肝要である。該範囲内であれば、水溶液と炭化水素との境界面が下がれば、比重の軽い炭化水素の比率が増えて、液圧が下がり、下部の流出口から流出が止まり、該境界面が上がれば、比重の重い水溶液の比率が増えて、液圧が上がり、下部の流出口から流出して、流入液中の水溶液と炭化水素の比率に左右されず、該境界面の位置が自動的に調整され、それぞれの流出口において他方の液体が混入することが防げる。かかる調整機構としては、下部の流出口を別の容器に導入して、最初の容器の上部の流出口の最下端部よりもやや低い位置に、境界面を保持する機構を有すればよい。これらの流出口は、孔状、スリット状、堤状等があげられる。
【0037】
また、非混和性溶液の流入口としては、最初の容器の上部、下部または側面のいずれでも構わない。また、容器全体が密閉された構造である方が、安全上好ましい。
【0038】
具体例としては図1に示すような容器を使用することで容易にかつ効率的に精製した炭化水素を分離回収できる。容器1には底部から伸びた炭化水素側仕切り板2ならびにアルカリ水溶液側仕切版3と、上部から伸びた液面保持用仕切り板4を有している。これらの仕切り板を複数枚備えて、多段で分離回収を行ってもよい。容器の形状は円形であっても多角形でもよい。液流入管5は容器1の上部、側面または底部に接続されていてもよい。静置した非混和性溶液を液流入管5から容器1に流入する。炭化水素は非混和性溶液の槽6から炭化水素の槽7に流出し、アルカリ水溶液は非混和性溶液の槽6からアルカリ水溶液の槽8に流出する。その結果、炭化水素は炭化水素の槽7に、アルカリ水溶液はアルカリ水溶液の槽8に分離回収できる。このとき、液面保持用仕切り板4でアルカリ水溶液の液面の高さを保持することにより、非混和性溶液の槽6からの流入が過ぎて、炭化水素がアルカリ水溶液の槽8に混入するのを防いでいる。
【0039】
本発明により精製された炭化水素は市販されている炭化水素と同等の性状を有し、燃料はもとより、化成品原料としても使用可能なものであり、さらに複合逆浸透膜を製造する際の多官能酸ハロゲン化物および極性基を有する脂肪族有機化合物の溶液の溶媒として使用できるものである。
【0040】
次に、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを微多孔性支持膜上で反応させる工程を含む、架橋ポリアミドの超薄膜層を微多孔性支持膜上に有する本発明の複合半透膜の製造方法について説明する。
【0041】
本発明における微多孔性支持膜とは、膜断面方向に非対称構造を有するものである。表面には一般的に平均孔径(直径)が20〜5000オングストロームの微孔を有し、特に好ましくは30〜300オングストロームの微孔を有しているものが使用される。膜の厚さは10〜300μm、特に好ましくは30〜200μmのものが適している。また、その素材は例えばポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、セルロースエステル、ポリフェニレンオキシド、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン等が用いられ、形状は平膜状であっても中空糸状、管状であってもよい。また、これらの膜は織布や不織布等で裏うち補強されていても構わない。織布、不織布の素材にはポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、再生セルロース、アセチルセルロースなどが好適である。この微多孔性支持膜の製造方法の1例を挙げれば、12〜25重量%の濃度のポリスルホンのジメチルホルムアミド溶液を密に織ったポリエステル布あるいは不織布などの支持体上に一定の厚さに注型し、凝固浴に浸漬する。凝固浴としては水、あるいは水と溶媒の混合物などが好ましい。該ポリスルホンのジメチルホルムアミド溶液を支持体上に注型後、溶媒を一定時間蒸発させてから凝固浴に浸漬してもよい。その際の温度は0℃から溶媒の沸点、より好ましくは5℃〜(溶媒の沸点−50℃)の範囲で行われる。
【0042】
製造した微多孔性支持膜の保存は純水中で行うことが可能であるが、膜面での微生物の発生を防止するため、1〜10ppmの濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液で行うこともある。
【0043】
多官能性アミンとしては前述のものが水溶液として用いられる。多官能性アミン水溶液の濃度は好ましくは0.1〜12重量%、より好ましくは0.5〜10.0重量%である。
【0044】
多官能酸ハロゲン化物としては前述のものが炭化水素溶液として用いられる。ここで使用される炭化水素溶媒は、前述の本発明方法によって精製・回収された炭化水素である。多官能酸ハロゲン化物の濃度は0.01〜1重量%が好ましい。これよりも濃度が低いと架橋ポリアミド系超薄膜層が形成されにくく、塩排除率の低い膜が得られ、逆に濃度が高いと透過水量の低い膜が形成される。
【0045】
極性基を有する脂肪族有機化合物としては前述のものが用いられる。極性基を有する脂肪族有機化合物は、膜の透水性を向上させるために、上記多官能性アミンの水溶液や上記多官能酸ハロゲン化物の炭化水素溶液に加えたり、多孔性支持膜にあらかじめ含浸させたりすることができる。添加濃度は化合物によって適宜決定することができるが、具体的には、使用する炭化水素に対して0.03〜30重量%の範囲内にあると好ましく、0.06〜10重量%の範囲内であるとさらに好ましい。0.03重量%を下回ったり、30重量%を超えたりすると、分離機能膜の透水性が低下する傾向にある。また、30重量%を超えると、脂肪族有機化合物が膜面上に残って、膜の親水性を低下させやすい。
【0046】
上記の多官能性アミン水溶液、多官能酸ハロゲン化物炭化水素溶液、極性基を有する脂肪族化合物は、微多孔性支持膜上での界面重合反応に供される。
【0047】
膜面に多官能酸ハロゲン化物炭化水素溶液を塗布する時間は10秒〜5分が好ましい。これよりも長時間塗布すると透過水量の低い膜が形成される。
【0048】
多官能酸ハロゲン化物炭化水素溶液を塗布して架橋ポリアミド層を形成させた後には炭化水素を蒸発させるのが一般的である。
【0049】
【実施例】
以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0050】
実施例1〜5
炭化水素モデル溶液として、トリメシン酸クロリド0.2重量%、カプリル酸エチル(以下CAEE)2.5重量%、ジブチルホルムアミド(以下DBF)0.15重量%を含むn−デカン溶液を調製した(以下A液)。20ml蓋付きサンプル管に、A液、3.125mol/l水酸化ナトリウム水溶液(以下B液)、メタノール(以下C液)、m−フェニレンジアミン(以下mPDA)を、表1に示すようにC液がA液に対して5〜100容積%でかつB液に対して100容積%以上であり、そしてB液がA液に対して10〜100容積%となるように、さらにmPDAの水溶液中における濃度が0.1〜12重量%であるように加え、蓋をしてマグネチックスターラーを用いて8時間撹拌した。
【0051】
1時間静置した後、n−デカン相2μlをガスクロマトグラフィーを用いて測定し、CAEEとDBFの減少率を算出した。さらにn−デカン相0.2mlにテトラヒドロフラン0.8mlを加えて希釈し、その溶液を高速液体クロマトグラフィーを用いて測定し、トリメシン酸クロリドの分解物として含まれるべきトリメシン酸(以下TMA)とmPDAの減少率を算出した。
【0052】
ここで減少率とは次式で表される値をいう。
【0053】
減少率(%)={1−(撹拌後のピーク面積比/撹拌前のピーク面積比)}×100。
【0054】
なおガスクロマトグラフィーは島津製作所製GC−7Aを用い、ガラスカラムPolyethyleneglycol 6000 10% Shimalite TPA 30〜60mesh 2.6mmI.D.×1.6m、COL:60℃(4分間保持)−(昇温速度32℃/min)→180℃(8分間保持)、INJ/DET:250℃、N2 50ml/min、の条件で測定した。
【0055】
また高速液体クロマトグラフィーは島津製作所製LC−10Aを用い、TSK−GEL ODS−80TM 5μm 4.6mmI.D.×150mm、メタノール/水=90/10、1.0ml/min、40℃、240nm、の条件で測定した。
【0056】
その結果を表1に示した。
【0057】
比較例1
実施例1〜5と同様の実験で、C液を添加せず撹拌を行った。その結果を表1に示した。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】
本発明方法により、炭化水素/水の非混和性溶液が高純度に精製され得られた炭化水素は、超薄膜を有する複合逆浸透膜を製造する際に用いることができる。従って、資源の損失を低減させ、極めて経済的な優れた複合半透膜の製造方法を提供することができる。また、該超薄膜表面の水と非混和性の溶液の蒸気が大気中に放出されるのを抑えることと省エネルギ−を実現することにより、地球環境への影響も低減できる優れた複合半透膜の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭化水素とアルカリ性溶液とを分離するための容器の一例を示す。
【符号の説明】
1:容器
2:炭化水素側仕切り板
3:アルカリ水溶液側仕切り板
4:液面保持用仕切り板
5:液流入管
6:非混和性溶液の槽
7:炭化水素の槽
8:アルカリ水溶液の槽
Claims (8)
- 多官能性アミン、多官能酸ハロゲン化物および極性官能基を有する脂肪族有機化合物を溶質とし、炭化水素または水を溶媒とする炭化水素溶液/水溶液の非混和性溶液に、アルカリ性溶液とアルコールとを接触せしめ、ついで前記溶質が移行したアルカリ性溶液とアルコールとを分離して前記溶質を除去する工程を含むことを特徴とする炭化水素の回収方法。
- アルコール量が炭化水素溶液に対して5〜100容積%であり、アルカリ性溶液に対して100容積%以上である請求項1記載の炭化水素の回収方法。
- 炭化水素が脂肪族炭化水素である請求項1記載の炭化水素の回収方法。
- アルコールが炭素数1〜6の飽和アルコールまたはフェノールである請求項1記載の炭化水素の回収方法。
- アルカリ性溶液として、濃度0.1〜12.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を炭化水素溶液に対して10〜100容積%使用する請求項1記載の炭化水素の回収方法。
- 非混和性溶液が、多官能性アミンと多官能酸ハロゲン化物とを微多孔性支持膜上で反応させる工程を含む架橋ポリアミドの超薄膜層を微多孔性支持膜上に有する複合半透膜の製造工程で排出されるものである請求項1記載の炭化水素の回収方法。
- 分離が比重差を利用するものである請求項1記載の炭化水素の回収方法。
- 多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを微多孔性支持膜上で反応させる工程を含む架橋ポリアミドの超薄膜層を微多孔性支持膜上に有する複合半透膜の製造方法において、請求項1の方法によって回収された炭化水素を溶媒として用いることを特徴とする複合半透膜の製造方法。
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