JPH0820621A - ポリウレタンウレア - Google Patents

ポリウレタンウレア

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Publication number
JPH0820621A
JPH0820621A JP6153579A JP15357994A JPH0820621A JP H0820621 A JPH0820621 A JP H0820621A JP 6153579 A JP6153579 A JP 6153579A JP 15357994 A JP15357994 A JP 15357994A JP H0820621 A JPH0820621 A JP H0820621A
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JP
Japan
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polyurethane urea
parts
molecular weight
polymerized fatty
polyurethane
Prior art date
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Application number
JP6153579A
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English (en)
Inventor
Osamu Matsuda
修 松田
Yasuyuki Taniguchi
泰之 谷口
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)有機ジイソシアネートと重合脂肪酸類
とから得られる末端イソシアネート基のポリアミドプレ
ポリマー、(b)他の高分子ジオール、(c)鎖延長
剤、および必要により(d)末端停止剤から形成された
数平均分子量が2000〜100000であるポリウレ
タンウレア。 【効果】 本発明のポリウレタンウレアを用いた印刷イ
ンキは、一液型で用いた場合にもポリオレフィンフィル
ム、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム等広範な
プラスチックフィルムに対する良好な接着性、ラミネー
ト加工適性、さらには耐ボイル、レトルト性等に優れて
いる。また、種々の合成樹脂成形品の装飾、保護用コー
ティング剤、接着剤、塗料としても適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリウレタンウレアに関
するものである。さらに詳しくは、ポリプロピレン、ポ
リエステルおよびナイロン等の各種プラスチックフィル
ムに対して優れた接着性を有し、印刷インキ、接着剤、
塗料等の用途に適したポリウレタンウレアに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、被包装物の多様化、包装技術の高
度化に伴い、包装材料として各種プラスチックフィルム
が開発され、使用されるようになってきている。また、
プラスチックフィルムを包装材料に使用するにあたって
は、装飾または表面保護のために印刷が施される。かか
る印刷のための印刷インキには、幅広い接着性、高度な
印刷適性が必要となってきている。さらに、包装材料の
高性能化のために施される種々の後加工に対する適性、
例えば、ラミネート適性、ボイル、レトルト適性を具備
していることが要求される。
【0003】今日、印刷インキ用バインダーには、ポリ
エステルフィルム、ナイロンフィルムといった各種プラ
スチックフィルムに対して幅広い適性を有するポリウレ
タンウレアが広く用いられている。これらポリウレタン
ウレアをバインダーとした印刷インキは、印刷した後に
施される後加工の種類によって、一液型で用いる場合と
ポリイソシアネート化合物を混合した二液型で用いる場
合がある。特に食品包装用途においては、ボイル殺菌、
レトルト殺菌工程が行われる用途があり、印刷インキに
おいても接着性、耐熱性、耐薬品性といった高耐性が要
求されるため、通常は二液型で用いられる場合が多い。
しかし、二液型の場合、貯蔵安定性の点から、使用直前
にポリイソシアネート化合物を混合しなければならず、
可使時間に制限があり、作業が煩雑である。さらに、残
肉安定性に欠け、その再使用が困難であるなどの問題が
あった。。
【0004】これらの問題を解決する手段として重合脂
肪酸、有機ジアミン、および多価アルコールから得られ
たアミド結合ならびにエステル結合を有するポリオール
と有機ジイソシアネートとから形成された熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂を用いる方法(例えば特公昭63−296
85号公報)が提案されている。この方法において得ら
れる印刷インキバインダーを用いた印刷インキを一液型
として使用した場合、接着性、残肉安定性等は改良され
るものの耐ボイル性、耐レトルト性においては、は必ず
しも満足されるものではなかった。
【0005】また、重合脂肪酸誘導体として、カルボキ
シル基をアミド化後、還元してアミノ基としたダイマー
ジアミン、さらにホスゲン化してイソシアネート基とし
たジメリルジイソシアネート、カルボキシル基をエステ
ル化後、還元して水酸基としたダイマージオール等を用
いる方法(例えば、特開平2−64173号、特開平2
−64174号、特開平2−64175号、特開平2−
117974号、特開平3−70779号等各公報)が
あるが、基材、特にナイロンに対する接着性が不十分で
あり、結果として耐ボイル性、耐レトルト性に劣るとい
った問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
プロピレン、ポリエステル及びナイロン等の種々のプラ
スチック類に対する十分な接着性を有し、印刷インキと
して用いた場合、印刷適性、ラミネート加工適性、耐ボ
イル性、耐レトルト性に優れ、接着剤や塗料にも適した
ポリウレタンウレアを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題を解
決するためになされたものであり、その要旨は、(a)
有機ジイソシアネートと重合脂肪酸類とから得られる末
端イソシアネート基のポリアミドプレポリマー、(b)
高分子ジオール、(c)鎖延長剤、および必要により
(d)末端停止剤から形成された数平均分子量が200
0〜100000であることを特徴とするポリウレタン
ウレアに存する。
【0008】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明における有機ジイソシアネートとしては、2,4−
もしくは2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピ
レンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソ
シアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−も
しくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、
メチルシクロヘキサンジイソシアネート(水添TD
I)、1−イソシアネート−3−イソシアネートメチル
−3,5,5トリメチルシクロヘキサン(IPDI)、
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソ
シアネート,テトラメチルキシリレンジイソシアネート
(TMXDI)、水添TMXDI、水添XDI等が挙げ
られる。これらは単独使用でも2種以上の併用でもよ
い。なお、溶解性、印刷適性に優れたポリウレタンウレ
アを得るために好ましいのは脂環式イソシアネートであ
り、より好ましくはIPDIである。
【0009】本発明における重合脂肪酸類としては、オ
レイン酸、リノール酸などのC18の不飽和脂肪酸、乾性
油脂肪酸または半乾性油脂肪酸、およびこれらの脂肪酸
の低級モノアルコールエステルを触媒の存在化または非
存在化に二分子重合させたものが挙げらる。重合脂肪酸
類は、通常、重合体脂肪酸あるいはダイマー酸とも呼ば
れ、一般に未反応の単量体、主成分である二量体および
その他の高次重合体からなる混合物であり、代表的なも
のとしては、C18モノカルボン酸0〜5重量%、C36ダ
イマー酸70〜98重量%、およびC54トリマー酸0〜
30重量%からなるものがある。また、必要があれば、
真空蒸留または溶剤抽出法等の適当な分別手段によって
高濃度化したダイマー酸を使用することも可能である。
さらに、不飽和性を低くするために、かかる分別を行う
前または後の重合脂肪酸類に水素添加して飽和性を有す
るダイマー酸も使用できる。 本発明に用いる重合脂肪
酸類中のダイマー酸含有量は、60重量%以上、好まし
くは、70重量%以上のものである。市販ダイマー酸の
例としては、ヘンケル白水株式会社製のバーサダイム2
88およびバーサダイム52等がある。
【0010】上記有機ジイソシアネートと重合脂肪酸類
とから得られる末端イソシアネート基のポリアミドプレ
ポリマーは、本発明のポリウレタンウレアを形成する成
分の1つであり、有機ジイソシアネートと重合脂肪酸類
とをプレポリマーとして用いることで、樹脂溶液の性状
を改良し、アミド結合を分子中に導入でき、接着性を向
上し、柔軟性を付与でき、結果としてポリイソシアネー
ト化合物を混合することなく一液型で用いた場合にも優
れた耐ボイル性、耐レトルト性が得られる。
【0011】有機ジイソシアネートと重合脂肪酸類との
ポリアミドプレポリマーにおけるイソシアネート基とカ
ルボキシル基の当量比は、1/0.005〜1/0.
9、好ましくは1/0.05〜1/0.7、特に好まし
くは1/0.1〜1/0.5である。当量比が1/0.
005未満では、接着性に効果を及ぼすための十分なア
ミド結合含有量が得られず、結果としてボイル、レトル
ト適性が低くなる。一方、1/0.9を越えると、溶剤
への溶解性が低下し、本来ポリウレタンウレアが有する
印刷適性等が損なわれる。
【0012】本発明における高分子ジオール成分として
は、ポリウレタン製造に通常用いられているものが使用
でき、例えばポリエーテルジオール、ポリエステルジオ
ール、ポリエーテルエステルジオール、ポリオレフィン
ポリオールおよびこれら2種類以上の混合物が挙げられ
る。ポリエーテルジオールとしては、アルキレンオキシ
ドを単独または共重合させて得られるもの、例えばポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
エチレン−プロピレングリコール、ポリテトラメチレン
エーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリ
コール、ポリオクタメチレンエーテルグリコールおよび
それらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0013】ポリエステルジオールとしては、ジカルボ
ン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン
酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸等)またはそれら
の無水物とグリコール(エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレング
リコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジ
オール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメ
チル−2,5−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジ
オール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,
9−ノナンジオール等の脂肪族グリコール;ビスヒドロ
キシメチルシクロヘキサン等の脂環族グリコール;キシ
リレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等
の芳香環を有するグリコール;C1〜18アルキルジエ
タノールアミン等のアルキルジアルカノールアミン等)
とを縮重合させて得られたもの、例えばポリエチレンア
ジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレ
ンアジペート、ポリエチレン/プロピレンアジペート
等、または前記ジオール類を開始剤として用いて得られ
るポリラクトンジオール例えばポリカプロラクトンジオ
ール、ポリメチルバレロラクトンジオールおよびこれら
の2種以上の混合物が挙げられる。
【0014】ポリエーテルエステルジオールとしては、
エーテル基含有ジオールもしくは他のグリコールとの混
合物を前記ジカルボン酸とまたはそれらの無水物とを反
応させるか、またはポリエステルグリコールにアルキレ
ンオキシドを反応させることによって得られるもの、例
えばポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートが
挙げられる。
【0015】ポリオレフィンポリオールとしては、水素
添加型ポリブタジエンポリオール、水素添加型ポリイソ
プレンポリオール等が挙げられる。この他、ポリカーボ
ネートジオール類、ポリブタジエンポリオール類も使用
可能である。 なお、グリコールのうち一部をグリセリ
ン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタン
トリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトール等の
ポリオールに置換することができる。
【0016】高分子ポリオールの数平均分子量は、通常
500〜6000、好ましくは1000〜4000であ
る。鎖延長剤としては、分子量が500未満の低分子ジ
オール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、等の脂肪族グリコー
ル、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベ
ンゼン等の芳香族グリコールといったグリコール類や低
分子ジアミン、例えばエチレンジアミン、1,2−プロ
ピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,9−ノ
ナンジアミン、1,12−ドデカンジアミン等の脂肪族
ジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5
−トリメチルシクロヘキサン(IPDA)、ジシクロヘ
キシルメタン−4,4’−ジアミン(水添MDA)、イ
ソプロピリデンシクロヘキシル−4,4’−ジアミン、
1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビスアミノ
メチルシクロヘキサン等の脂環族ジアミン等が挙げられ
る。また、これらを2種以上混合して用いてもよい。好
ましくは脂環族ジアミンであり、より好ましくはIPD
Aである。
【0017】本発明において、必要により使用される末
端停止剤としては、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の
1価のアルコール、モノエチルアミン、n−プロピルア
ミン、ジエチルアミン、ジn−プロピルアミン、ジn−
ブチルアミン等のモノアミン、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられ
る。
【0018】本発明において、ポリウレタンウレアは次
のような方法で製造できる。例えば、有機イソシアネー
トと重合脂肪酸類よりなるポリアミドプレポリマーと、
他の高分子ジオール、場合により鎖延長剤の一部とをイ
ソシアネート基過剰のモル比で反応させて末端イソシア
ネート基のプレポリマーをつくり、溶剤で希釈して、次
いで鎖延長剤で延長するプレポリマー法等である。ポリ
アミドプレポリマーは、例えば、有機イソシアネートと
重合脂肪酸類を混合し、60〜150℃、好ましくは8
0〜120℃で加熱攪拌することによって得られるが、
末端イソシアネート基のプレポリマー化反応時の構成成
分の添加順序に特に制限はなく、必要に応じてプレポリ
マー化反応途中に適宜、有機ジイソシアネートモノマー
を再添加することも可能である。また、末端停止剤の添
加方法は、鎖延長反応前に反応させる、あるいは鎖延長
剤と同時に添加する、あるいは鎖延長反応終了後、添加
して反応を完結する等のいずれの方法でもよい。ポリウ
レタンウレア中の重合脂肪酸類含有量は、通常0.05
〜70重量%であり、好ましくは0.5〜50重量%で
ある。
【0019】使用される溶剤としては、例えばエタノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール
類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジオキサン、
テトラヒドロフラン等のエーテル類;トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の
エステル類;クロルベンゼン、トリクレン、パークレン
等のハロゲン化炭化水素およびそれらの2種以上の混合
物が挙げられる。
【0020】反応は触媒を用いることも可能である。ウ
レタン化反応を促進する触媒としては、例えばトリエチ
ルアミン、ジメチルアニリン等の3級アミン系触媒また
はスズ、亜鉛等の金属系触媒が挙げられる。本発明のポ
リウレタンウレアの分子量の数平均分子量としては、通
常2000〜100000であり、下限としては、好ま
しくは5000以上、より好ましくは10000以上で
ある。上限としては、好ましくは80000以下、より
好ましくは50000以下である。数平均分子量が下限
未満の場合には、これをビヒクルとして用いた印刷イン
キの乾燥性、耐ブロッキング性、皮膜強度、耐油性等が
低下しやすく、上限を越える場合にはポリウレタンウレ
ア溶液の粘度が高いために取り扱いが困難になり、得ら
れる印刷インキの光沢が低下し、また再溶解性等も低下
しやすい。
【0021】また、ポリウレタンウレア溶液の樹脂濃度
は特に制限されないが、印刷時の作業性を考慮して適宜
決定されればよく、通常は15〜60wt%、粘度は5
0〜100000mPa・sが実用上好適である。ま
た、本発明では必要に応じて、本発明のポリウレタンウ
レアと相溶性のある樹脂を副成分として使用し得る。例
えば、硝化綿、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピ
レン、塩素化ポリエチレン/プロピレン等の塩素化ポリ
オレフィン、クロルスルフォン化ポリオレフィン、エチ
レン酢酸ビニル共重合体もしくはその塩素化物もしくは
クロルスルフォン化物またはマレイン酸樹脂、塩化ビニ
ル/酢酸ビニル共重合体、その他のポリウレタン樹脂等
が挙げられる。
【0022】本発明におけるポリウレタンウレアを印刷
インキとして用いる場合には、従来のバインダーに代え
てまたはそれとともに使用することができる。これらバ
インダーに着色剤、溶剤、さらに必要に応じてインキ流
動性およびインキ表面皮膜を改良するための界面活性
剤、ワックス、その他添加剤を適宜配合し、ボールミ
ル、アトライター、サンドミル等の通常のインキ製造装
置を用いて練肉することにより印刷インキを製造するこ
とができる。なお、該印刷インキ中、本発明のバインダ
ーの配合量は、その樹脂固形分が3〜20wt%の範囲
内となるのが好ましい。
【0023】本発明のバインダーは、接着性、後加工
性、耐熱性等の性能が優れているということから、印刷
インキのバインダーとしてだけではなく、種々の合成樹
脂成形品用の装飾、保護用コーティング剤、接着剤ある
いは塗料としても使用することができ、極めて有用であ
る。
【0024】
【実施例】次に、本発明を、実施例および比較例により
更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない
限り以下の実施例の記載に限定されるものではない。な
お、「部」は重量部、「%」は重量%を示す。 〔実施例1〕攪拌機、温度計、還流冷却器および滴下漏
斗を備えた四つ口フラスコに、ダイマー酸(ヘンケル白
水(株)製バーサダイム288)10.4部、イソホロン
ジイソシアネート(IPDI)40.0部を仕込み(N
CO/COOH=1/0.1)、100℃で5時間反応
させ、遊離イソシアネート含有量27.0%のプレポリ
マーを合成した。さらに、3−メチル−1,5−ペンチ
レンアジペート((株)クラレ製、クラポールP−201
0、数平均分子量2000、水酸基価56KOHmg/
g))140.4部を仕込み、100℃で6時間反応さ
せ、遊離イソシアネート含有量2.02%のプレポリマ
ーを得た。次いでトルエン197.6部、メチルエチル
ケトン92.5部、イソプロピルアルコール46.3部
を加えて均一溶液とした後、イソホロンジアミン(IP
DA)10.3部、モノエタノールアミン1.9部を攪
拌下に30℃で5時間反応させポリウレタンウレア樹脂
溶液Aを得た。
【0025】〔実施例2〕実施例1と同一の装置に、ダ
イマー酸(バーサダイム288)20.7部、IPDI
40.0部、さらに、3−メチル−1,5−ペンチレン
アジペート(数平均分子量2000、水酸基価56KO
Hmg/g)105.3部を仕込み(NCO/COOH
=1/0.2)、100℃で9時間反応させ、遊離イソ
シアネート含有量4.65%のプレポリマーを得た。次
いでトルエン281.0部、メチルエチルケトン40.
1部、イソプロピルアルコール80.3部を加えて均一
溶液とした後、IPDA12.3部、モノエタノールア
ミン2.2部を攪拌下に30℃で5時間反応させポリウ
レタンウレア樹脂溶液Bを得た。
【0026】〔実施例3〕実施例1と同一の装置に、ダ
イマー酸(ヘンケル白水(株)製バーサダイム52)6
2.1部、IPDI40.0部を仕込み(NCO/CO
OH=1/0.6)、100℃で5時間反応させ、遊離
イソシアネート含有量6.5%のプレポリマーを合成し
た。さらに、エチレンブチレンアジペート(大日本イン
キ化学工業(株)製、ポリライトODX−2330、数平
均分子量2000、水酸基価56KOHmg/g)7
1.5部を仕込み、100℃で10時間反応させ、遊離
イソシアネート含有量1.1%のプレポリマーを得た。
次いでトルエン270.1部、イソプロピルアルコール
115.9部を加えて均一溶液とした後、IPDA4.
6部、モノエタノールアミン1.1部を攪拌下に30℃
で5時間反応させポリウレタンウレア樹脂溶液Cを得
た。
【0027】〔比較例1〕実施例1と同一の装置に、I
PDI40.0部とエチレンブチレンアジペート(数平
均分子量2000、水酸基価56KOHmg/g)17
9.9部を仕込み、100℃で6時間反応させ、遊離イ
ソシアネート含有量3.4%のプレポリマーを得た。次
いでトルエン383.5部、メチルエチルケトン10
9.6部、イソプロピルアルコール54.8部を加えて
均一溶液とした後、IPDA12.3部、n−ブチルア
ミン2.6部を攪拌下に30℃で5時間反応させポリウ
レタンウレア樹脂溶液Dを得た。
【0028】〔比較例2〕実施例1と同一の装置に、I
PDI40.0部と3−メチル−1,5−ペンチレンア
ジペート(数平均分子量2000、水酸基価56KOH
mg/g)179.9部を仕込み、100℃で6時間反
応させ、遊離イソシアネート含有量3.3%のプレポリ
マーを得た。次いでトルエン383.5部、メチルエチ
ルケトン109.6部、イソプロピルアルコール54.
8部を加えて均一溶液とした後、ダイマージアミン(ヘ
ンケル白水(株)製、バーサミン551)38.6部、モ
ノエタノールアミン2.1部を攪拌下に30℃で5時間
反応させポリウレタンウレア樹脂溶液Eを得た。
【0029】実施例1〜3、比較例1、2における組成
比を表−1に示す。また、実施例1〜3、比較例1、2
において得られたポリウレタンウレア溶液の粘度、およ
び分子量も表−1に示す。なお、遊離イソシアネート含
有量、ポリウレタンウレア溶液の粘度および分子量の測
定は以下の方法により行った。 〔遊離イソシアネート含有量測定法〕1/2N−ジ−n
−ブチルアミン/トルエン溶液20mlの入った共栓付
三角フラスコにプレポリマーを採取し、1/2N−HC
lにて逆滴定した。
【0030】〔粘度の測定方法〕ポリウレタンウレア溶
液の粘度は回転粘度計((株)東京計器製VISCONI
C EHD−R)を用いて回転数20〜100rpm、
標準ロータ(1°34’)により25℃で測定した。 〔分子量測定方法〕得られたポリウレタンウレアの分子
量の測定は、THF溶液を調整し、東ソー製GPC装置
HLC−8020,カラムG3000HXL/G400
0HXL/G6000HXLを使用して、標準ポリスチ
レン換算数平均分子量を分子量とした。
【0031】
【表1】
【0032】〔評価試験〕実施例1〜3、比較例1、2
で得たポリウレタンウレア樹脂溶液を下記の配合でペイ
ントシェーカーにて練肉し、印刷インキを調製した。
【0033】
【表2】 変性ポリウレタンウレア(固形分) 12部 酸化チタン 30部 トルエン 34部 メチルエチルケトン 12部 イソプロパノール 12部
【0034】次に上記の印刷インキの各フィルム(コロ
ナ放電処理ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)、コロナ放電処理ナイロン(N
y))に対する接着性、ラミネート適性、耐ボイル性、
耐レトルト性を評価した。その結果を表−2に示す。 〔評価項目と測定方法〕 (1)接着性 上記印刷物を1日放置後、セロハンテープを貼り、90
℃の角度で勢いよく剥離して、印刷部分における剥離の
度合いによって接着性を評価した。 ◎:全く剥離せず ○:80%以上の
塗膜が残存 △:50〜80%の塗膜が残存 ×:残存する塗膜
が50%以下
【0035】(2)ラミネート強度 上記各印刷物のうちOPPについてはポリエチレンイミ
ン系、PET、Nyについてはポリイソシアネート系の
アンカーコート剤を使用し、押し出しラミネート機によ
って、溶融ポリエチレンを積層し、3日後15mm幅に
切断した試料を用いてT型剥離強度を測定した。 (3)耐ボイル性 (2)の試験に用いたラミネート加工物を製袋し、内部
に水/食酢/サラダ油の混合物を入れ密封した。これら
を90℃/30分加熱処理した後の印刷物の状態を外観
から判断した。 ◎:外観が全く変化せず ○:ややブリスタ
ーが発生している △:ブリスターが発生している ×:デラミネート
が生じている
【0036】(4)耐レトルト性 PET、Nyそれぞれの印刷面にポリウレタン系ドライ
ラミネート用接着剤を塗布し乾燥した後、ポリプロピレ
ンフィルムをドライラミネートして積層体を得た。次い
でこれらのラミネート加工物を製袋し、内部に食酢/ト
マトケチャップ/サラダ油の混合物を入れ密封した。こ
れらを120℃/30分加熱処理した後の印刷物の状態
を外観から判断した。 ◎:外観が全く変化せず ○:ややブリスタ
ーが発生している △:ブリスターが発生している ×:デラミネート
が生じている
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】本発明のポリウレタンウレアは印刷イン
キ用バインダーとして有用である。本発明のバインダー
を用いた印刷インキは、一液型で用いた場合にもポリオ
レフィンフィルム、ポリエステルフィルム、ナイロンフ
ィルム等広範なプラスチックフィルムに対する良好な接
着性、ラミネート加工適性、耐ボイル、レトルト性等に
優れており、従来のバインダーに比較して広範な使用目
的に応じた印刷インキを設計できる。また、本発明のポ
リウレタンウレアは各種プラスチックに対して優れた接
着性を有するので、種々の合成樹脂成形品の装飾、保護
用コーティング剤、接着剤、塗料等としても適してい
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)有機ジイソシアネートと重合脂肪
    酸類とから得られる末端イソシアネート基のポリアミド
    プレポリマー、(b)高分子ジオール、(c)鎖延長
    剤、および必要により(d)末端停止剤から形成された
    数平均分子量が2000〜100000であることを特
    徴とするポリウレタンウレア。
  2. 【請求項2】 有機ジイソシアネートと重合脂肪酸類か
    ら得られる末端イソシアネート基のポリアミドプレポリ
    マーにおけるイソシアネート基とカルボキシル基の当量
    比が1/0.005〜1/0.9であることを特徴とす
    る請求項1に記載のポリウレタンウレア。
  3. 【請求項3】 ポリウレタンウレア中の重合脂肪酸類含
    有量が、0.05〜70重量%であることを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載のポリウレタンウレア。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のポ
    リウレタンウレアを含有することを特徴とする印刷イン
    キ組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれかに記載のポ
    リウレタンウレアを含有することを特徴とする塗料組成
    物。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし3のいずれかに記載のポ
    リウレタンウレアを含有することを特徴とする接着剤組
    成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0941860A2 (en) 1998-03-11 1999-09-15 Fuji Photo Film Co., Ltd. Laser beam image recording apparatus
WO2009023520A1 (en) * 2007-08-14 2009-02-19 Sun Chemical Corporation Packaging and ink therefor

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US6208371B1 (en) 1998-03-11 2001-03-27 Fuji Photo Film Co., Ltd. Laser beam image recording apparatus
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