JPH08206114A - 超音波カテーテル - Google Patents

超音波カテーテル

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Publication number
JPH08206114A
JPH08206114A JP1546595A JP1546595A JPH08206114A JP H08206114 A JPH08206114 A JP H08206114A JP 1546595 A JP1546595 A JP 1546595A JP 1546595 A JP1546595 A JP 1546595A JP H08206114 A JPH08206114 A JP H08206114A
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JP
Japan
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ultrasonic
shaft
catheter
ultrasonic catheter
drive shaft
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Application number
JP1546595A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yagami
弘之 矢上
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】血管や脈管等の体腔内に挿入される外径1mm以
下の細径な超音波カテーテルであって、屈曲性、耐久
性、トルク伝達性、プッシャビリティーが高く、血管内
の走行性に優れた超音波カテーテルを提供する。 【構成】超音波カテーテル1は、超音波振動子2と、超
音波振動子2より基端側に設けられ、体外の駆動源31
からの駆動力を超音波振動子2に伝達し超音波振動子2
を回転または往復運動させる駆動シャフト3と、超音波
振動子2および駆動シャフト3を被包する中空の外装シ
ャフト4とを有している。そして、外装シャフト4は、
ポリイミド系樹脂を用いて外径1mm以下、肉厚50μm
以下に形成され、さらに、外装シャフト4と駆動シャフ
ト3との最小間隔を100μm 以下としたことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血管、脈管等の体腔内
に挿入して用いられる超音波カテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、心臓の冠状動脈や他の細血
管、或いは胆管等の脈管に挿入して、管腔断面像の表示
や血流測定等を行う超音波カテーテルが知られている。
現在用いられている超音波カテーテルは、いずれも外径
が1mm以上であるため、血管拡張用バルーンカテーテ
ル、レーザー照射用カテーテル、アテレクトミーカテー
テル等の治療用のカテーテルを使用する際には、治療用
カテーテルと交換して用いられている。又、現在使用さ
れている超音波カテーテルは、単独での血管走行性が不
十分であるため、超音波カテーテルにガイドワイヤーを
挿入して用いられるオーバーザワイヤー・タイプやモノ
レールワイヤー・タイプが多い。
【0003】従って、治療用カテーテルと同時に使用で
きる超音波カテーテルや更に末梢まで挿入でき、血管選
択性に優れたガイドワイヤー型の超音波カテーテルが要
望されている。この要望を満たすには、少なくとも超音
波カテーテルの外径は1mm以下、好ましくは0.4mm以
下とすることが必要とされる。
【0004】ところで、超音波カテーテルには機械走査
型と電子走査型の2種類がある。前者の構造は、体腔内
に挿入されるカテーテル先端部に超音波振動子を設け、
振動子と外部の電気回路と接続する信号伝達体をカテー
テルに内蔵し、該振動子或いは超音波反射板等を機械的
に回転或いは往復運動させる機構を有する。この機構と
しては、カテーテル先端に内蔵した小型のモーターによ
り直接駆動させる方式や、カテーテル外部の駆動源から
カテーテルに内蔵した駆動シャフトにより駆動力を伝達
する遠隔駆動方式が知られている。また後者は、体腔内
に挿入されるカテーテル先端部に複数の超音波振動子を
有し、スイッチング回路を備え、外部回路との信号伝達
用の信号伝達体を備えている。
【0005】超音波画像の画質の点からは、機械式走査
型の方が単純な超音波ビームが得られるため優れている
とされており、また、超音波カテーテルの細径化を実現
するには、機械式にならざるを得ない。また、カテーテ
ルにモーターを内蔵する方式では、カテーテルの外径を
1mm以下、特に0.4mm以下としたときに適合するモー
ターを製作することは極めて困難であり、価格的にも非
常に高価になる。従って、細径化を効果的に実現するに
は、機械走査型であって、遠隔駆動方式の超音波カテー
テルが最も適していると考えられる。
【0006】上記いずれの型の超音波カテーテルに於い
ても、外装シャフトにはいわゆるカテーテル素材である
ナイロン系、オレフィン系、ポリエステル系、ポリウレ
タン系等の樹脂単層シャフト、或いは金属ブレードやコ
イルで補強した多層シャフトが用いられてきた。従来の
外径1mm以上の機械走査型遠隔駆動方式の超音波カテー
テルにおいては、外装シャフトの肉厚を200μm 以上
とすることが可能なため、上記した材料を用いて、強
度、耐久性の十分な外装シャフトを形成でき、性能のよ
い超音波カテーテルを得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、外径が
1mm以下、好ましくは0.4mm以下の超音波カテーテル
を得るには、駆動シャフトおよび超音波振動子の回転あ
るいは往復運動を妨げないように、駆動シャフト外径と
超音波振動子の径方向の幅や、駆動シャフトおよび超音
波振動子と外装シャフトとの間隔を十分に大きくとりた
いため、外装シャフトは肉厚が小さく、かつ、屈曲性、
耐キンク性、トルク伝達性、プッシャビリティー(押し
込み性)に優れており、さらに、内面の摩擦抵抗ができ
るだけ小さいものであることが要求される。しかしなが
ら、この要求を満たすには、従来使用していた上記の樹
脂単層シャフトや多層シャフトでは、肉厚が充分とれ
ず、またその内面の摩擦抵抗も比較的大きくなり、良好
な特性が得られない。
【0008】したがって、本発明は、外径1mm以下、好
ましくは0.4mm以下の細径な超音波カテーテルであっ
て、屈曲性、耐キンク性、トルク伝達性、プッシャビリ
ティー(押し込み性)も高く、操作性に優れるととも
に、安定した超音波画像を得ることができる、優れた性
能を備えた超音波カテーテルを提供することを目的とす
る。また、本発明は、外装シャフト内面の摩擦抵抗を低
減できる超音波カテーテルを提供することを目的とす
る。さらに、本発明は、血管拡張用バルーンカテーテ
ル、レーザ照射用カテーテル、アテレクトミーカテーテ
ル等の治療用カテーテル内に挿入して好適に使用でき
る、極細径の超音波カテーテルを提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
ないし(10)の本発明により達成される。
【0010】(1) 体腔内に挿入して用いられる超音
波カテーテルであって、超音波振動子と、該超音波振動
子より基端側に設けられ、体外の駆動源からの駆動力を
該超音波振動子に伝達し該超音波振動子を回転または往
復運動させる駆動シャフトと、該超音波振動子および該
駆動シャフトを被包する中空の外装シャフトとを有し、
該外装シャフトをポリイミド系樹脂を用いて外径を1mm
以下、肉厚を50μm以下に形成し、さらに、該外装シ
ャフトと該駆動シャフトとの最小間隔を100μm 以下
としたことを特徴とする超音波カテーテル。
【0011】(2) 体腔内に挿入して用いられる超音
波カテーテルであって、超音波振動子と、該超音波振動
子より発信する超音波を体腔内へと反射する超音波反射
体と、該超音波反射体より基端側に設けられ、体外の駆
動源からの駆動力を該超音波反射体に伝達し該超音波反
射体を回転または往復運動させる駆動シャフトと、該超
音波振動子、該超音波反射体および該駆動シャフトを被
包する中空の外装シャフトとを有し、該外装シャフトを
ポリイミド系樹脂を用いて外径を1mm以下、肉厚を50
μm以下に形成し、さらに、該外装シャフトと該駆動シ
ャフトとの最小間隔を100μm 以下としたことを特徴
とする超音波カテーテル。
【0012】(3) 前記駆動シャフトは、その外側
に、前記超音波振動子と体外の送受信回路との間で信号
の伝達を行う信号伝達体を一体的に有しており、該信号
伝達体と前記外装シャフトとの間隔が前記最小間隔とな
っていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載
の超音波カテーテル。
【0013】(4) 前記ポリイミド系樹脂は、フッ素
系樹脂を5〜30%含有することを特徴とする上記
(1)ないし(3)のいずれかに記載の超音波カテーテ
ル。
【0014】(5) 前記外装シャフトの先端から所定
長にかけて螺旋状の溝を形成したことを特徴とする上記
(1)ないし(4)に記載の超音波カテーテル。
【0015】(6) 前記螺旋状の溝のピッチを先端方
向に向かって小さくしたことを特徴とする上記(1)な
いし(5)のいずれかに記載の超音波カテーテル。
【0016】(7) 前記外装シャフトの先端に、前記
超音波カテーテルの案内部材を設けたことを特徴とする
上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の超音波カテ
ーテル。
【0017】(8) 前記案内部材は、前記外装シャフ
トの先端に固定されたコイルスプリングよりなることを
特徴とする上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の
超音波カテーテル。
【0018】(9) 前記案内部材は、前記外装シャフ
トの先端に固定された超弾性金属ワイヤーよりなること
を特徴とする上記(1)ないし(6)のいずれかに記載
の超音波カテーテル。
【0019】(10) 前記超音波カテーテルの先端側
に、X線造影可能な部材を設けたことを特徴とする上記
(1)ないし(9)のいずれかに記載の超音波カテーテ
ル。
【0020】
【実施例】以下、本発明を、添付図面に示す実施例に基
づき説明する。
【0021】図1は、本発明の超音波カテーテルの一実
施例を示す部分断面全体側面図、図2は、図1に示す実
施例の超音波振動子および背面材を示す拡大縦断面図、
図3は、背面材の変形例を示す拡大縦断面図、図4は、
図1のIV−IV線における端面図である。なお、図1は、
本発明の超音波カテーテルの途中部分を省略して示して
いる。また、図1、図3および図4における左側を「先
端」、右側を「基端」とする。
【0022】図1に示す本発明の超音波カテーテル1
は、体腔内に挿入して用いられる超音波カテーテルであ
って、超音波振動子2と、超音波振動子2より基端側に
設けられ、体外の駆動源21からの駆動力を超音波振動
子2に伝達し超音波振動子2を回転または往復運動させ
る駆動シャフト3と、超音波振動子2および駆動シャフ
ト3を被包する中空の外装シャフト4とを有し、外装シ
ャフト4をポリイミド系樹脂にて外径を1mm以下、肉厚
を50μm 以下に形成し、さらに、外装シャフト4と駆
動シャフト3との最小間隔を100μm 以下としたもの
である。
【0023】超音波振動子2は、超音波カテーテル1の
先端部に配置され、図2に示すように、PZT(チタン
酸ジルコン酸鉛)、PbTiO3(チタン酸鉛)等のセ
ラミック系圧電体や、PVDF(ポリフッ化ビニリデ
ン)等の高分子圧電体、上記セラミックおよび高分子と
の複合圧電体などから構成される圧電体21の両面に、
電極22を蒸着、印刷等により形成したものである。こ
の超音波振動子2としては、超音波カテーテル1の径方
向の幅tが0.9mm以下程度、好ましくは0.15〜
0.25mm程度であり、固有音響インピーダンスは、4
×106〜4×107kg/m2・s程度である。
【0024】超音波振動子2の背面には、背面側に放出
される不要な超音波を吸収、減衰させるための背面材5
を設けることが好ましい。背面材5は、例えばエポキシ
樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂材
料、あるいは、シリコーンゴム等のゴム材料等の、超音
波減衰率の高い材料から形成され、例えばエポキシ系接
着剤等の接着剤により、超音波振動子2と実質的なずれ
が生じないように接着して設けられている。なお、背面
材5による超音波の吸収、減衰をより効果的に行う目的
で、上記の材料中に、固有インピーダンスの異なる散乱
体(例えば、タングステン)を含有させてもよい。
【0025】図2に示す背面材5は、その背面側に、厚
みの差Dがλ/4(λは送信周波数における背面材中の
波長)となる凹凸51を有している。この凹凸51によ
って、背面材5の背面からの反射波を干渉により打ち消
すことができ、背面からの反射波の影響を低減できる。
【0026】図2に示す背面材5の寸法としては、厚さ
0.04〜0.2mm程度であり、また、凹凸51の寸法
としては、上記Dが7〜50μm 程度、凸の幅が30〜
200μm 程度であり、凹の幅が30〜200μm 程度
である。
【0027】また、背面材としては、図3に示すようで
あってもよい。図3に示す背面材4は、低音響インピー
ダンス層52(固有音響インピーダンスZは、8×10
6kg/m2・s以下)と高インピーダンス層53(固有
音響インピーダンスZは、20×6kg/m2・s以
上)を交互に積層することにより構成されている。この
ような構成により、背面材5の背面からの反射波を干渉
により打ち消すことができ、背面からの反射波の影響を
低減できる。図3に示す背面材5の寸法は、厚さ0.0
4〜0.2mm程度である。
【0028】図1に示す駆動シャフト3は、線材を螺旋
状に巻回してなる中空のコイルからなっている。この駆
動シャフト3を構成する上記線材としては、図1に示す
ように横断面形状が横長の長方形である平板状のものの
ほか、横断面形状が円形、楕円形等の略丸棒状のもの等
を用いることができる。このうち、図示のように、平板
状の線材からなる平板コイルとすれば、コイルの薄肉
化、ひいては、駆動シャフト3の外径の低減を図れ、好
ましい。なお、図示の駆動シャフト3は1層コイルであ
るが、2層以上のコイルとすることもできる。
【0029】駆動シャフト3の構成材料(すなわち上記
線材の構成材料)としては、例えば、ステンレス鋼、実
質的に49〜58原子%Ni(残部Ni)のNi−Ti
系合金、このNi−Ti系合金の一部を0.01〜2.
0%Xで置換したNi−Ti−X系合金(Xは、Co、
Fe、Mn、Cr、V、Al、Nb、Pb、B等)、実
質的に38.5〜41.5重量%Zn(残部Cu)のC
u−Zn系合金、この合金の一部を1〜10重量%Xで
置換したCu−Zn−X系合金(Xは、Be、Si、S
n、Al)、実質的に36〜38原子%Al(残部N
i)のNi−Al系合金等の超弾性合金、析出硬化ステ
ンレス鋼(PHステンレス鋼で特に好ましくはセミオー
ステナイト系)、マルエージングステンレス鋼等のステ
ンレス鋼、高張力鋼等の金属材料などが用いられる。
【0030】このうち、特に、Ni−Ti系合金等の超
弾性合金が好ましい。ここでいう超弾性合金とは、一般
に形状記憶合金と称され、少なくとも生体温度(37℃
付近)で超弾性(通常の金属が永久歪を生じる領域まで
変形させた後もほぼ元の形状に戻る性質)を示すもので
ある。
【0031】駆動シャフト3の寸法としては、図示のよ
うな平板コイルとする場合、外径は0.9mm以下、好ま
しくは0.2〜0.3mm程度であり、厚さは0.02〜
0.2mm程度、好ましくは0.05〜0.15mm程度で
あり、コイル幅は0.05〜0.3mm程度、好ましくは
0.07〜0.2mm程度である。
【0032】駆動シャフト3の先端には、連結部材7が
取り付けられている。この連結部材7は、図4に示すよ
うに、側面にスリット7aを有する円筒状をなしてい
る。そして、連結部材7の基端およびその付近は、駆動
シャフト3内に挿入され、駆動シャフト3の内面に接着
剤等によって固着されており、先端は、背面材5の基端
に接着剤等により固着されている。これにより、超音波
振動子2は、背面材5とともに、駆動シャフト3に一体
的に連結しており、駆動シャフト3の回転あるいは往復
運動とともに回転あるいは往復運動する。なお、超音波
振動子2は、図示のような連結部材を介さず、直接駆動
シャフト3に接続された構成であってもよい。
【0033】図2および図3に示すように、超音波振動
子2の2つの電極22のそれぞれには、超音波振動子2
と後述する送受信回路32との間で信号の伝達を行うた
めの信号伝達体である信号線6が電気的に接続されてい
る。これらの信号線6は、それぞれ図4に示すように、
導電体6aと、この導電体6aを被覆し電気的に絶縁す
る絶縁体6bとから構成されており、一方の導電体6a
の先端が、電極22の一方に接続し、他方の導電体6a
の先端が、もう一方の電極22に接続している。信号線
6は、連結部材7のスリット7aを介して駆動シャフト
3の内腔に入り込み、この内腔を通って、後述するコネ
クタ10の内部まで延びている。
【0034】そして、外装シャフト4は、ポリイミド系
樹脂により構成され、超音波振動子2、駆動シャフト
3、背面材5等を被包するように設けられている。そし
て、外装シャフト4の寸法は、外径は、1mm以下、好ま
しくは0.4mm以下であり、肉厚は、50μm 以下、好
ましくは20〜40μm 程度であり、外装シャフト3と
駆動シャフト3との最小間隔lは、100μm 以下、好
ましくは10〜50μm程度となっている。
【0035】このように構成された外装シャフト4は、
0.5Kgf以上の引張強度と、屈曲外径10mm以下の
屈曲にもキンクしない高い屈曲性を備えたものとなり、
駆動シャフト3が回転あるいは往復運動する際や、治療
カテーテル等の他のカテーテル内に挿入して用いる際の
摺動抵抗が少ない(動摩擦抵抗0.1以下)。したがっ
て、プッシャビリティー、トラッカビリティーに優れ、
安定した超音波画像が得られかつ優れた操作性を備え
た、外径1mm以下の超音波カテーテルを提供することが
可能となる。ここで、屈曲外径とは、屈曲所定の外径ま
で外力により変形した場合において、キンクが実質的に
生じず、外力を除去したのちにおいて、ほぼ元の形状に
戻る外径をいう。
【0036】外装シャフト4を構成するポリイミド系樹
脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミ
ド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエーテルイミド
樹脂等の、ポリイミドのホモポリマーおよびポリイミド
を主構成成分とし、これに他のポリマー成分を共重合し
たものが挙げられる。なお、このようなポリイミド系樹
脂には、その特性を損なわない範囲内で、例えばアロイ
化剤、相溶化剤、安定化剤、各種顔料等を混合したり、
他の樹脂材料をブレンドしても差し支えない。
【0037】特に、上記ポリイミド系樹脂に、例えばエ
チレン−テトラフルオルエチレン共重合体(ETF
E)、ポリクロルトリフルオルエチレン、ポリフッ化ビ
ニル、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオルプロピレン−
テトラフルオルエチレン共重合体、クロルトリフルオル
エチレン−フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系樹脂
を混入し、これを外装シャフト4の構成材料とするのが
好ましい。フッ素系樹脂を含有させることで、外装シャ
フト4の摺動抵抗をさらに低減することができる。
【0038】このようにフッ素系樹脂を混合する場合、
フッ素系樹脂の混合量は、上記ポリイミド系樹脂の5〜
30重量%、より好ましくは5〜10重量%とすること
が好ましい。このような割合であれば、ポリイミド系樹
脂の特性を損なうことなく、外装シャフト4の摺動抵抗
を有効に低減(具体的には、動摩擦抵抗を10〜40%
程度低減)できる。
【0039】なお、外装シャフト4の内面を、シリコー
ン、ポリエチレンテレフタレート(テフロン)等の低摩
擦性樹脂、あるいは、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート)、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、メチルビニルエーテル無
水マレイン酸共重合体等の親水性樹脂で薄くコーティン
グ(数μm 程度)することにより、外装シャフト4の内
面の摺動抵抗を低減することもできる。
【0040】外装シャフト4の形成は、例えば、上述し
たポリイミド系樹脂を、溶融押し出しによる電線被覆
法、ディッピング法等により成形して行うことができ
る。
【0041】このようなポリイミド系樹脂を用いて形成
された外装シャフト4は、肉厚50μm 程度の薄肉のも
のであっても相当の強度(具体的には、引張強度1kg
程度)を示すとともに、摺動抵抗を小さくできる(動摩
擦抵抗0.1以下)。したがって、外径1mm以下、肉厚
50μm 以下でかつ駆動シャフト3との間隔が100μ
m 以下である細径の超音波カテーテルの外装シャフトと
して好適に用いられる。外装シャフト4の肉厚は、50
μm 以下、好ましくは20〜40μm 程度である。上記
肉厚がこの範囲内であれば、駆動シャフト3および超音
波振動子2の径方向の幅を十分に確保でき、外径1mm以
下の超音波カテーテルを好適に製造することができる。
【0042】そして、外装シャフト4と駆動シャフト3
との最小間隔lは、100μm 以下、好ましくは10〜
50μm 程度である。この間隔lが100μm を上回る
と、駆動シャフト3と外装シャフト4との隙間(クリア
ランス)が大きすぎ、超音波カテーテル1が体腔内への
挿入時に該体腔の形状に沿って屈曲した際に、駆動シャ
フト3が外装シャフト4内で径方向に大きくずれ易く、
後述する機械的駆動源31からの駆動力が超音波振動子
2に正確に伝達され難く、安定した超音波画像が得られ
難い。なお、上記間隔とする場合、駆動シャフト3の一
部が外装シャフト4の内面に接触することがあるが、ポ
リイミド系樹脂製の外装シャフト4は上記の通り摺動抵
抗が小さいため、この接触により駆動シャフト3の回
転、往復運動が妨げられることはない。
【0043】なお、本発明において「最小間隔」とは、
駆動シャフト3の全体における外装シャフトとの間隔
(距離)のうち最小のもの(後述する図5に示す実施例
のように、駆動シャフトの外側に信号伝達体等が一体的
に設けられた場合は、この信号伝達体と外装シャフトと
の最小の間隔)をいう。
【0044】外装シャフト4の基端には、コネクタ10
が固着されている。このコネクタ10は、後述する外部
装置30に着脱可能に連結するように構成されている。
【0045】コネクタ10の内部には、2つの電気接点
11、12が内蔵されている。そして、一方の信号線6
の導電体6aの基端は、電気接点11に電気的に接続
し、他方の信号線6の導電体6aの基端は、電気接点1
2に電気的に接続している。
【0046】体外に設けられた外部装置30は、機械的
駆動源31と、送受信回路32と、2つの電気接点3
3、34を有している。コネクタ10を外部装置30に
連結すると、電気接点33が超音波カテーテル1側の電
気接点11に、電気接点34が超音波カテーテル1側の
電気接点12にそれぞれ接触し、これらが電気的に接続
する。これにより、送受信回路32からの電気信号が信
号線6の一方を介して、超音波振動子2へと伝達され、
振動子2が所定の波長の超音波を発信するとともに、体
腔内で反射された超音波の信号が、他方の信号線6を介
して送受信回路32へと伝達される。また、機械的駆動
源31は、駆動シャフト3を機械的に駆動し、駆動シャ
フト3を回転あるいは往復運動させる。この駆動によ
り、超音波振動子2のラジアルスキャンあるいはリニア
スキャンを行うことができる。
【0047】本発明の超音波カテーテルは、細径化が可
能なため、単独で心臓、脳、下肢等の末梢血管や脈管に
挿入して使用することができ、また、血管形成用バルー
ンカテーテル、レーザ治療用カテーテル、アテレクトミ
ーカテーテル等の治療用カテーテルの内腔に挿入して使
用し、超音波カテーテルによる体腔内の診断と上記治療
用カテーテルによる治療とを同時あるいは平行して行う
ことができる。
【0048】図5は、本発明の他の実施例を示す部分拡
大縦断面図である。以下、本実施例について説明する
が、図1に示す実施例と同様の構成については同一の符
号を付して説明は省略する。
【0049】図5に示す駆動シャフト3は、中実な棒状
に形成されている。そして、この駆動シャフト3は、そ
の外側に、超音波振動子2と送受信回路との間で信号の
伝達を行う信号伝達体である信号線6を一体的に有して
いる。本実施例では、信号線6は、互いに重なり合わな
いように、駆動シャフト3の基端まで螺旋状に巻回して
いる。これにより、信号線6は、駆動シャフト3の一部
をなしており、これとともに回転あるいは往復運動す
る。
【0050】また、背面材5は、駆動シャフト3の先端
に、直接接着剤等によって固着され、これにより、超音
波振動子2と駆動シャフト3とが一体的に接続してい
る。
【0051】このような棒状の駆動シャフト3において
は、引張強度20kgf/mm2以上の機械的強度に優
れ、かつ、超音波カテーテル1の先端側から少なくとも
約5cm以上は屈曲外径が少なくとも約50mm以下に
屈曲できる柔軟性を備え、さらに曲げ応力を除荷した
後、ほぼ元の形状に復元される特性を有するものが好ま
しい。これは、心臓、脳、下肢等の細径の末梢血管や脈
管への挿入時に必要とされる特性である。ここで、屈曲
外径とは、屈曲所定の外径まで外力により変形した場合
において、キンクが実質的に生じず、外力を除去したの
ちにおいて、ほぼ元の形状に戻る外径をいう。
【0052】この駆動シャフト3の構成材料としては、
例えば、ステンレス鋼、実質的に49〜58原子%Ni
(残部Ti)のNi−Ti系合金、このNi−Ti系合
金の一部を0.01〜2.0%Xで置換したNi−Ti
−X系合金(Xは、Co、Fe、Mn、Cr、V、A
l、Nb、Pb、B等)、実質的に38.5〜41.5
重量%Zn(残部Cu)のCu−Zn系合金、この合金
の一部を1〜10重量%Xで置換したCu−Zn−X系
合金(Xは、Be、Si、Sn、Al)、実質的に36
〜38原子%Al(残部Ni)のNi−Al系合金等の
超弾性合金、析出硬化ステンレス鋼(PHステンレス鋼
で特に好ましくはセミオーステナイト系)、マルエージ
ングステンレス鋼等のステンレス鋼、高張力鋼等の金属
材料などが用いられる。このうち、特に、Ni−Ti系
合金等の超弾性合金が好ましい。ここでいう超弾性合金
とは、一般に形状記憶合金と称され、少なくとも生体温
度(37℃付近)で超弾性(通常の金属が永久歪を生じ
る領域まで変形させた後もほぼ元の形状に戻る性質)を
示すものである。
【0053】また、本実施例において、駆動シャフト3
の外径は0.1〜0.75mm程度、より好ましくは0.
2〜0.3mm程度である。また、信号線6の外径は、2
5〜50μm 程度である。
【0054】そして、本実施例では、外装シャフト4
と、駆動シャフト3の外側に一体的に設けられた信号線
6との最小間隔lが100μm 以下となっている。これ
により、図1に示す実施例と同様に、外装シャフト4
は、高い引張強度および屈曲性を備え、駆動シャフト3
が回転あるいは往復運動する際や、治療カテーテル等の
他のカテーテル内に挿入して用いる際の摺動抵抗が少な
くなる。したがって、プッシャビリティー、トラッカビ
リティーに優れ、安定した超音波画像が得られかつ優れ
た操作性を備えた、外径1mm以下の超音波カテーテルを
提供することが可能となる。
【0055】図6は、本発明の超音波カテーテルの他の
実施例を示す部分拡大縦断面図である。以下、本実施例
について説明するが、図1に示す実施例と同様の構成に
ついては、同一の符号を付して説明は省略する。
【0056】図6に示す本発明の超音波カテーテル1
は、体腔内に挿入して用いられる超音波カテーテルであ
って、超音波振動子2と、超音波振動子2の発信する超
音波を体腔内へと反射する超音波反射体8と、超音波反
射体8より基端側に設けられ、体外の駆動源からの駆動
力を超音波反射体8に伝達し超音波反射体を回転または
往復運動させる駆動シャフト3と、超音波振動子2、超
音波反射体8および駆動シャフト3を被包する中空の外
装シャフト4とを有しており、外装シャフト4をポリイ
ミド系樹脂を用いて外径を1mm以下、肉厚を50μm 以
下に形成し、さらに、外装シャフト4と駆動シャフト3
との最小間隔を100μm 以下としたことを特徴とする
ものである。
【0057】具体的には、超音波振動子2および背面材
5が、外装シャフト5内に内蔵され、超音波カテーテル
1の基端側から先端付近まで延設した固定部材14の先
端側部材14bに、超音波振動子の背面側(背面材5
側)を超音波カテーテル1の先端に向けた状態で接着剤
等により固着されている。図示の固定部材14は、基端
側部材14aと、基端側部材14aと別部材の先端側部
材14bとからなっているが、一部材としてもよい。
【0058】また、駆動シャフト3は、中実な棒状であ
り、かつ、この駆動シャフト3の先端に、超音波反射体
8が接着剤等により固着されている。また、駆動シャフ
ト3は、外装シャフト4に内蔵された軸受13により回
転可能に支持されている。駆動シャフト3の構成材料、
寸法等は、図5に示す実施例で述べたものと同様とする
ことができる。
【0059】そして、超音波振動子2から発信した超音
波は、超音波反射体8の反射面8aによって、超音波カ
テーテル1の径方向に反射される。これとともに、体腔
内を反射した超音波が、超音波反射体8の反射面8aで
反射されて、超音波振動子2へと到達する。駆動シャフ
ト3は、外部の機械的駆動源(図示せず)により駆動さ
れ、回転運動し、駆動シャフト3に接続した超音波反射
体8もこれとともに回転する。これにより、体腔内の所
望の位置でラジアルスキャンが可能である。
【0060】なお、本実施例はラジアル走査方式とした
が、図1に示す実施例において述べたように、軸受13
を設けず、駆動シャフト3の往復運動を可能として、超
音波振動子2によるリニアスキャンを行えるようにする
こともできる。
【0061】図7は、本発明の他の実施例を示す部分拡
大縦断面図である。この実施例は、外装シャフト4が、
先端が開口した基端部41と、基端部41の開口した先
端に接合した先端部42とから構成されている。その他
の構成は図1に示すものと同様である。
【0062】このようにすれば、外装シャフト4の基端
部41内に長尺の駆動シャフト3その他の部品を挿入
し、組み立てた後、先端部42と基端部41とを接合す
ることにより、超音波カテーテル1の製造をより容易と
することができる。また、先端部42を、基端部41と
異なる材料で構成することが可能となる。このため、例
えば、先端部42を、上記ポリイミド系樹脂以外の、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系
樹脂などの、超音波が通過し易い材料で形成し、より安
定した超音波画像を得られるようにすることができる。
また、基端部41と先端部42の境界を、図示のよう
に、超音波振動子2のほぼ近傍として、基端部41を、
上記ポリイミド系樹脂に、例えばタングステン粉末、
銅、金、銀、プラチナ等のX線造影性材料を混合したも
のを用いて形成し、先端部42を、上記X線造影性部材
を含有せず、かつ、超音波の通過が可能な材質により形
成することにより、超音波振動子2の位置、すなわち体
腔内の超音波による測定位置をX線透視下で視認可能と
することもできる。
【0063】図8は、本発明の超音波カテーテルの他の
実施例を示す部分拡大縦断面図である。この実施例で
は、外装シャフト4の先端部に、螺旋状の溝43が形成
されている。このようにすることにより、外装シャフト
4の屈曲性を向上させることができ、超音波カテーテル
1の屈曲性(柔軟性)を向上することができる。
【0064】溝43の形成は、外装シャフト4に例えば
レーザー加工、ダイシングソー加工等を施すことにより
行うことができる。
【0065】また、溝43のピッチは、図示のように、
カテーテル先端ほど狭くすることが好ましい。このよう
にすれば、超音波カテーテル1の先端に近い程、外装シ
ャフト4を柔軟にでき、超音波カテーテル1の柔軟性を
さらに向上できる。したがって、超音波カテーテル1の
操作性がさらに向上し、かつ、カテーテル先端による血
管壁の損傷の虞れが低減し、超音波カテーテル1が安全
に血管内を走行することができる。
【0066】このように、溝43のピッチを変化させる
場合は、そのピッチは、溝43の先端側では0.05〜
0.2mm程度、基端側では1.0〜40.0mm程度が好
適である。また、溝43のピッチを一定とする場合は、
0.5〜5mm程度とするのが好適である。また、外装シ
ャフト4の溝43を形成する部分の長さは、50〜30
0mm程度とするのが好ましい。
【0067】なお、図示の例では、溝43は1本の螺旋
状であるが、これに限らず、2本またはそれ以上として
もよい。
【0068】また、本実施例の外装シャフト4は、先端
から所定長離間した位置から、先端に向かって外径が漸
減している。このようにすることにより、溝43と相俟
って、超音波カテーテル1の屈曲性(柔軟性)を向上す
ることができる。
【0069】図9は、本発明の他の実施例を示す部分拡
大縦断面図である。本実施例においては、外装シャフト
4の先端に、超音波カテーテル1の体腔内への導入を容
易とするための案内部材15が設けられており、その他
の構成は図1と同様である。
【0070】本実施例では、案内部材15は、外装シャ
フト4の先端に固定されたコイルスプリング16から構
成されている。この案内部材15により、超音波カテー
テル1の先端部による体腔の損傷が低減され、超音波カ
テーテル1を安全に体腔内を走行させることが出来る。
【0071】また、このような案内部材15を設けるこ
とにより、図10に示すように、超音波カテーテル1を
治療用カテーテル70(図示の例では、血管60の狭窄
部を拡張するバルーン71を有する血管形成用バルーン
カテーテル70)の内腔72に挿入して使用する際に、
超音波カテーテル1を先行させ、この超音波カテーテル
1に沿って治療用カテーテル70を体腔内に挿入するこ
とができる。したがって、体腔内への挿入の際に、治療
用カテーテル70を案内するためのガイドワイヤを超音
波カテーテル1と別に用意する必要がなくなり、超音波
カテーテル1および治療用カテーテル70の操作性が向
上する。
【0072】案内部材15は、図示のように、先端に向
かってその外径が漸減していることが好ましい。これに
より、案内部材15の柔軟性をより向上することができ
る。
【0073】案内部材15を構成するコイルスプリング
16の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、実質
的に49〜58原子%Ni(残部Ni)のNi−Ti系
合金、このNi−Ti系合金の一部を0.01〜2.0
%Xで置換したNi−Ti−X系合金(Xは、Co、F
e、Mn、Cr、V、Al、Nb、Pb、B等)、実質
的に38.5〜41.5重量%Zn(残部Cu)のCu
−Zn系合金、この合金の一部を1〜10重量%Xで置
換したCu−Zn−X系合金(Xは、Be、Si、S
n、Al)、実質的に36〜38原子%Al(残部N
i)のNi−Al系合金等の超弾性合金、析出硬化ステ
ンレス鋼(PHステンレス鋼で特に好ましくはセミオー
ステナイト系)、マルエージングステンレス鋼等のステ
ンレス鋼、高張力鋼等の金属材料、あるいは、Pt、P
t合金、W、W合金、Ag、Ag合金等のX線不透過材
料が用いられる。
【0074】このうち、Pt、Pt合金、W、W合金、
Ag、Ag合金等のX線不透過材料を用いれば、超音波
カテーテル1の先端でもある案内部材15によって、X
線透視下においてその先端位置を容易に確認できる。ま
た、上記Ni−Ti系合金等の超弾性合金によりコイル
スプリング16を形成すれば、案内部材15をより柔軟
なものとすることができる。
【0075】コイルスプリング16の外径は、図示のよ
うに外径を変化させる場合には、先端側で0.2〜0.
6mm程度、基端側で0.3〜1.0mm程度が好ましい。
また、外径を一定とする場合には、0.3〜0.5mm程
度が好ましい。また、コイルスプリング16の長さは、
10〜50mm程度が好ましい。また、コイルスプリング
16を、上記超弾性合金製とする場合は、座屈強度(負
荷時の降伏応力)は5〜200kg/mm2(22
℃)、より好ましくは、8〜150kg/mm2、復元
応力(除荷時の降伏応力)は、3〜180kg/mm2
(22℃)、より好ましくは、5〜150kg/mm2
である。
【0076】なお、コイルスプリング16を屈曲した形
状とし、所望の血管を選択し該血管へ超音波カテーテル
1を誘導できる血管の選択性機能を付加してもよい(図
示せず)。
【0077】また、案内部材15の先端による体腔内の
損傷の虞れをさらに低減するために、図11に示すよう
に、先端部材17を取り付けてもよい。この先端部材1
7は、滑らかな凸曲面を有するヘッドピース状に形成さ
れている。先端部材17としては、例えば、極細金属線
を加熱溶融して滑らかな凸曲面状としたもの、あるい
は、ロウ材を球状に加工したものが用いられる。
【0078】また、先端部材17の基端には、支持棒1
71が固着されている。支持棒171は、コイルスプリ
ング16の内部を通って基端側へ延び、基端部が固着剤
9を介して外装シャフト4に固着されている。これによ
り、先端部材17が案内部材15の先端に固定される。
この支持棒171により、超音波カテーテル1の先端付
近の耐キンク性および引張強度の向上を図ることができ
る。
【0079】支持棒171の構成材料としては、上記コ
イルスプリング16の構成材料として挙げたものと同様
のものを使用できる。また、支持棒171の横断面形状
としては、円形、楕円形、長方形等のいかなるものであ
ってもよい。また、支持棒171と、先端部材17と
は、一体とすることもできる。
【0080】また、固着剤9としては、ロウ材、各種接
着剤が好適に使用できる。
【0081】なお、案内部材15は、図12に示すよう
にしてもよい。図12に示す実施例では、案内部材15
が、上記Ni−Ti系合金等の超弾性合金により形成さ
れたワイヤー18で構成されている。このような案内部
材15によっても、図9に示す実施例と同様に、超音波
カテーテル1の先端部による体腔の損傷が低減され、超
音波カテーテル1を安全に体腔内を走行させることが出
来る。
【0082】ワイヤー18の寸法は、外径が0.3〜
1.0mm、長さが10〜50mm程度が好ましく、座屈強
度(負荷時の降伏応力)は、5〜200kg/mm
2(22℃)、より好ましくは、8〜150kg/m
2、復元応力(除荷時の降伏応力)は、3〜180k
g/mm2(22℃)、より好ましくは、5〜150k
g/mm2である。
【0083】また、図示のワイヤー18は、その先端側
が屈曲した形状をなしており、血管の分岐箇所におい
て、所望の血管を選択し該血管へ超音波カテーテル1を
誘導できる血管の選択性機能も有している。
【0084】図13は、本発明の他の実施例を示す部分
拡大縦断面図である。本実施例は、超音波カテーテル1
の先端側に、X線造影可能な部材を有しているものであ
る。
【0085】具体的には、図13に示す実施例は、図1
2に示す実施例とほぼ同様の構成であるが、棒状体15
の先端付近に、X線造影可能なマーカー19が埋設され
ている。これにより、X線透視下において超音波カテー
テル1の体腔内での位置を容易に確認することができ
る。
【0086】マーカー19の材質としては、上記コイル
スプリング13の構成材料として例示したX線不透過材
料が好適に用いられる。また、マーカー19の長さは、
X線透視下で明確に視認できるように、超音波カテーテ
ル1の長手方向に 〜mm程度とすることが好ましい。
【0087】なお、超音波カテーテル1の先端側に、X
線造影可能な部材を設ける構造は、図13に示す構成に
限定されるものではなく、例えば、図9に示す実施例に
おいて、上記したように、コイルスプリング16をX線
不透過材料で形成し、このコイルスプリング16を上記
X線造影可能な部材とすることも可能である。
【0088】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、安
定した超音波画像を得られ、血管や微小な脈管等の体腔
内や各種治療用カテーテル内での操作性に優れた、極細
径の超音波カテーテルを提供できる。従って、体腔内へ
の挿入時において、超音波カテーテルと治療用カテーテ
ルとの交換が不要となり、血管壁損傷の危険を低減で
き、該治療用カテーテルによる治療と同時あるいは平行
して体腔内の測定も行うことができる。
【0089】前記ポリイミド系樹脂が、フッ素系樹脂を
5〜30%含有する場合は、外装シャフトの摺動抵抗を
さらに低減でき、より安定した超音波画像を得られ、よ
り操作性に優れた超音波カテーテルを提供できる。
【0090】前記外装シャフトの先端から所定長にかけ
て螺旋状の溝を形成した場合、特に、前記螺旋状の溝の
ピッチを先端方向に向かって小さくした場合は、超音波
カテーテルの先端部の柔軟性をさらに向上でき、その操
作性をさらに向上できる。
【0091】前記外装シャフトの先端に、前記超音波カ
テーテルの案内部材を設けた場合は、別体のガイドワイ
ヤを用いることなく、体腔内の目的部位まで超音波カテ
ーテルを容易に導入でき、超音波カテーテルの操作性が
さらに向上する。
【0092】さらに、前記超音波カテーテルの先端側
に、X線造影可能な部材を設けた場合は、超音波カテー
テルの先端位置を容易に確認でき、その操作性を一層向
上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波カテーテルの一実施例を示す部
分断面全体側面図である。
【図2】図1に示す実施例の超音波振動子および背面材
を示す拡大縦断面図である。
【図3】背面材の変形例を示す拡大縦断面図である。
【図4】図1のIV−IV線における端面図である。
【図5】本発明の超音波カテーテルの他の実施例を示す
部分縦断面図である。
【図6】本発明の超音波カテーテルの他の実施例を示す
部分縦断面図である。
【図7】本発明の超音波カテーテルの他の実施例を示す
部分断面全体側面図である。
【図8】本発明の超音波カテーテルの他の実施例を示す
部分断面側面図である。
【図9】本発明の超音波カテーテルの他の実施例を示す
部分縦断面図である。
【図10】本発明の超音波カテーテルの適用例を示す説
明図である。
【図11】本発明の超音波カテーテルの他の実施例を示
す部分縦断面図である。
【図12】本発明の超音波カテーテルの他の実施例を示
す部分縦断面図である。
【図13】本発明の超音波カテーテルの他の実施例を示
す部分縦断面図である。
【符号の説明】
1 超音波カテーテル 2 超音波振動子 3 駆動シャフト 4 外装シャフト 6 信号線 43 溝 8 超音波反射体 31 機械的駆動源 32 送受信回路 15 案内部材 16 コイルスプリング 18 ワイヤー 19 X線造影用マーカー l 最小間隔

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体腔内に挿入して用いられる超音波カテ
    ーテルであって、 超音波振動子と、該超音波振動子より基端側に設けら
    れ、体外の駆動源からの駆動力を該超音波振動子に伝達
    し該超音波振動子を回転または往復運動させる駆動シャ
    フトと、該超音波振動子および該駆動シャフトを被包す
    る中空の外装シャフトとを有し、 該外装シャフトをポリイミド系樹脂を用いて外径を1mm
    以下、肉厚を50μm以下に形成し、さらに、該外装シ
    ャフトと該駆動シャフトとの最小間隔を100μm 以下
    としたことを特徴とする超音波カテーテル。
  2. 【請求項2】 体腔内に挿入して用いられる超音波カテ
    ーテルであって、 超音波振動子と、該超音波振動子より発信する超音波を
    体腔内へと反射する超音波反射体と、該超音波反射体よ
    り基端側に設けられ、体外の駆動源からの駆動力を該超
    音波反射体に伝達し該超音波反射体を回転または往復運
    動させる駆動シャフトと、該超音波振動子、該超音波反
    射体および該駆動シャフトを被包する中空の外装シャフ
    トとを有し、 該外装シャフトをポリイミド系樹脂を用いて外径を1mm
    以下、肉厚を50μm以下に形成し、さらに、該外装シ
    ャフトと該駆動シャフトとの最小間隔を100μm 以下
    としたことを特徴とする超音波カテーテル。
  3. 【請求項3】 前記駆動シャフトは、その外側に、前記
    超音波振動子と体外の送受信回路との間で信号の伝達を
    行う信号伝達体を一体的に有しており、該信号伝達体と
    前記外装シャフトとの間隔が前記最小間隔となっている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波カテー
    テル。
  4. 【請求項4】 前記ポリイミド系樹脂は、フッ素系樹脂
    を5〜30%含有することを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれかに記載の超音波カテーテル。
  5. 【請求項5】 前記外装シャフトの先端から所定長にか
    けて螺旋状の溝を形成したことを特徴とする請求項1な
    いし4に記載の超音波カテーテル。
  6. 【請求項6】 前記螺旋状の溝のピッチを先端方向に向
    かって小さくしたことを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれかに記載の超音波カテーテル。
  7. 【請求項7】 前記外装シャフトの先端に、前記超音波
    カテーテルの案内部材を設けたことを特徴とする請求項
    1ないし6のいずれかに記載の超音波カテーテル。
  8. 【請求項8】 前記案内部材は、前記外装シャフトの先
    端に固定されたコイルスプリングよりなることを特徴と
    する請求項1ないし6のいずれかに記載の超音波カテー
    テル。
  9. 【請求項9】 前記案内部材は、前記外装シャフトの先
    端に固定された超弾性金属ワイヤーよりなることを特徴
    とする請求項1ないし6のいずれかに記載の超音波カテ
    ーテル。
  10. 【請求項10】 前記超音波カテーテルの先端側に、X
    線造影可能な部材を設けたことを特徴とする請求項1な
    いし9のいずれかに記載の超音波カテーテル。
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