JPH08205893A - Hcvプロテアーゼ活性測定法 - Google Patents

Hcvプロテアーゼ活性測定法

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JPH08205893A
JPH08205893A JP30418695A JP30418695A JPH08205893A JP H08205893 A JPH08205893 A JP H08205893A JP 30418695 A JP30418695 A JP 30418695A JP 30418695 A JP30418695 A JP 30418695A JP H08205893 A JPH08205893 A JP H08205893A
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JP
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region
hcv
labeled
peptide
hcv protease
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JP30418695A
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Inventor
Tokumatsu Takeshita
徳末 竹下
Nobuko Kakiuchi
信子 垣内
Yasumasa Komoda
泰正 菰田
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 操作性および定量性に優れたHCVプロテア
ーゼ活性の測定法、ならびにHCVプロテアーゼ阻害剤
のスクリーニング法を提供する。 【構成】 C型肝炎ウイルス(HCV)前駆体ポリプロ
テインの非構造タンパク質中のNS3領域およびNS4
A領域、ならびに場合によりそれより下流領域をコード
する遺伝子を大腸菌で発現させ、単離精製して得られる
HCVプロテアーゼと、合成基質ペプチドとを試験管内
で反応させることからなる、HCVプロテアーゼ活性の
測定法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、抗HCV剤開発に
不可欠なアッセイ系に関する。より詳しくは、本発明は
HCVプロテアーゼ活性の測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】本邦に於ける慢性非A非B型肝炎患者は
120万人いると推定されているが、その6割がC型肝
炎ウイルス(HCV)に因るものであるとされている。
又、慢性C型肝炎は高い確率で肝硬変、肝細胞癌へ移行
するとされる。しかも、HCVキャリアーは本邦では人
口の1〜2%を占め、若年層になるにつれて比率は低下
するものの、これらキャリアーは将来肝炎発症のリスク
を負っていることになる。したがって、非A非B型肝炎
発症時の早い時期にウイルスを排除することが必要であ
る。インターフェロンによる治療は最も一般に行なわれ
る治療であるが、その治癒率は20〜40%に過ぎず、
また深刻な副作用や高価な経費の問題を有している。そ
こでより効果的な抗HCV剤の開発が望まれている。
【0003】HCVは1988年に米国Chiron社
がウイルスの遺伝子の一部の塩基配列を明かにして以来
((Q.-L. Choo et al., Science, 244, 359, (1989)、
G. Quo, et al. Science, 244, 362 (1989)))、分子
生物学的手法による遺伝子解明がなされた。その結果H
CVはフラビウイルス、ペスチウイルスに近似のRNA
ウイルスであることが明かとなった。これらウイルス
は、遺伝子である一本鎖RNAをmRNAとして、宿主
細胞中で一続きの長い蛋白が翻訳される。ウイルス蛋白
はウイルス粒子を構成する構造蛋白とウイルス生活環の
なかで必要な機能を担っている非構造蛋白(NS)とに
分けられるが、構造蛋白は宿主のエンドペプチダーゼで
切断を受け、非構造蛋白はウイルス遺伝子から翻訳され
るプロテアーゼで切断され、機能型の蛋白となる。ウイ
ルス由来プロテアーゼは他のウイルス例えばHIV(ヒ
ト免疫不全ウイルス)等のレトロウイルス、HAV(A
型肝炎ウイルス)等のピコーナウイルスにも存在が確か
められている(H.-G. Krausslich and E. Wimmer, Ann.
Rev. Biochem. 57, 701, (1988))。HIV、あるいは
フラビウイルスに属する黄熱病ウイルス(T.J.Chambers
et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87, 8898 (199
0))では、ウイルスプロテアーゼ阻害によってウイルス
の感染性が失われことが明かにされている。HCVに於
ては上記のごとく遺伝子解析によってプロテアーゼの存
在が予測されていたが、実際にプロテアーゼ活性を確か
めたのはウイルス遺伝子DNAの無細胞転写翻訳実験あ
るいは動物細胞(M.Hijikata et al., J. Virol., 67,
4665 (1993), A. Grakoui et al.,J. Virol., 67, 2832
(1993))または大腸菌内での一過性の発現系において
である。
【0004】これに対して、単離精製した酵素を用いて
プロテアーゼ活性を測定する酵素反応系は、操作性の良
さ、定量性が期待できる。特平表5−507612号に
は、単離精製した酵素を用いたアッセイの可能性が示唆
されているが、内容は予備的であり、新規酵素として必
要な要件を満たしていない。即ち、酵素の物質としての
特性、アミノ酸配列の特定、酵素の作用としての切断部
位の特定、あるいは力価の測定法等も示されていない。
【0005】本発明者らは先の特許出願(特願平5−1
8854号)において、単離精製したNS3酵素を用い
たアッセイの可能性を示すとともに、酵素特性、切断部
位を明かにした。ここでNS3酵素とは、HCVの非構
造タンパク質領域のNS3領域に存在するプロテアーゼを
いう(図1参照)。しかし、NS3のみの発現による酵
素は不安定で活性も低く、より安定で切断活性の高い酵
素が望まれている。
【0006】一方、酵素の活性に寄与する他の蛋白の可
能性として、Failla等は Hela細胞においてNS3のみ
ではなくNS4Aを発現することがNS3/NS4A、
NS4B/5Aの切断には必要であり、又、NS4Aの
発現によりNS4A/4B、NS4B/5Aの切断も加
速されると報告している(J. Virol., 68, 3753 - 376
0 (1994))。しかしこのような動物細胞発現系では、上
記のごとく操作性や定量性の点で各種の問題を有する。
即ち、細胞培養系によるプロテアーゼ阻害剤のアッセイ
は酵素反応系に比べて、操作性の点で以下の欠点をも
つ: 1.Failla等の方法によるアッセイを行うには、 i)Hela細胞を4 x 105 cells / plateまで前培養する
(1日〜7日) ii)Hela細胞にワクシニアウイルスを吸着させる(〜2
時間)。 iii)発現ベクターのトランスフェクションする(〜1
時間) iv)35Sーメチオニンでラベルする(〜1時間) v)3時間後細胞を回収する vi)蛋白をイムノプレシピテイションする、ことが必要
であり、以上の手順で少なくとも2日を要する。 2.細胞培養用の培地、血清、使い捨て器具を含めて消
耗品に費用がかかる。 3.無菌操作等の操作が煩雑であり、熟練を要する。 4.細胞の操作にクリーンベンチ、組換え実験にはそれ
に適した施設が必要である。
【0007】また、感度、定量性については以下の欠点
を有する: 1.細胞で発現される微量の蛋白の検出をするため、放
射性同位体か同等の高い感度を有する検出方法を用いな
ければならない。 2.結果が細胞の状態に大きく依存し、アッセイ間で値
がばらつく。 3.酵素反応の量的および時間的コントロールが困難で
ある。即ち酵素および基質の細胞で生合成され、酵素反
応が引き続いて起こり、生合成と酵素反応がほぼ平行し
て起こっている為、酵素及び基質の量、酵素反応の開始
の時点を決めにくい。 4.細胞に含まれる未知の因子の関与を否定するため
の、数多くのコントロール実験が必要である。
【0008】したがって、より簡単な操作で、定量性に
優れたHCVプロテアーゼ活性の測定法が求められてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】感染性のあるHCVの
産生にはウイルス蛋白のプロッセシングが必須であると
考えられる。したがって、HCV非構造蛋白のプロセッ
シングに必須のウイルスプロテアーゼの阻害は、HCV
感染を阻止すると考えられ、したがって副作用の少ない
有効な抗HCV剤となる可能性を有している。このよう
な阻害剤開発には、効率のよいHCVプロテアーゼ活性
の測定法の確立が不可欠である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記従来
技術のもつ欠点を克服して効率のよいHCVプロテアー
ゼ活性測定法を完成させるべく鋭意研究した結果、HC
Vプロテアーゼとして従来必要十分と考えられていたN
S3領域のみでなく、NS3より下流域を同時に大腸菌
で発現し、簡便な精製法で単離することにより、安定で
切断活性の高い単離酵素を大量に得ることができた。ま
た、HCVプロテアーゼの切断部位近傍の合成ペプチド
を基質として用い、上記酵素と組み合わせることによ
り、操作性および定量性に優れた測定法を完成すること
に成功した。また、本発明のHCVプロテアーゼ活性の
測定法はプロテアーゼ阻害剤のスクリーニングにも有用
である。
【0011】すなわち、本発明は、C型肝炎ウイルス
(HCV)前駆体ポリプロテインの非構造タンパク質中
のNS3領域およびNS4A領域、ならびに場合により
それより下流領域をコードする遺伝子を大腸菌で発現さ
せ、単離精製して得られるHCVプロテアーゼと、合成
基質ペプチドとを反応させることからなる、HCVプロ
テアーゼ活性の測定法を提供する。
【0012】さらに、本発明は、C型肝炎ウイルス(H
CV)前駆体ポリプロテインの非構造タンパク質中のN
S3領域およびNS4A領域、ならびに場合によりそれ
より下流領域をコードする遺伝子を大腸菌で発現させ、
単離精製して得られるHCVプロテアーゼと、合成基質
ペプチドとを反応させる系において、反応系に試験化合
物を添加し、該合成基質ペプチドの切断反応の進行を、
試験化合物添加のものと添加しないものとで比較するこ
とからなる、HCVプロテアーゼ阻害剤のスクリーニン
グ法を提供する。
【0013】本発明の測定法およびスクリーニング法で
は細胞培養系を使用せず、試験管内で、単離精製したH
CVプロテアーゼと合成基質ペプチドを使用する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、発現させるHC
Vプロテアーゼ領域としてはNS3およびNS4Aを含
む領域であれば、いかなる箇所でもよい。したがって、
発現させるHCVプロテアーゼ領域としては、 i)NS3領域およびNS4A領域を含む領域、 ii)NS3領域、NS4A領域およびNS4B領域を含
む領域、 iii)NS3領域、NS4A領域、NS4B領域および
NS5A領域を含む領域、あるいは iv)NS3領域、NS4A領域、NS4B領域、NS5
A領域およびNS5B領域を含む領域、 が含まれる。又、HCVにはいくつかのサブタイプが知
られているが、いずれのサブタイプのアミノ酸配列を用
いてもよい。
【0015】上記のHCV非構造領域遺伝子に相当する
cDNA断片の構成および構築は先の特許出願の明細書(特
願平5−18854号)、及びJ.Virol., 67, 4665 (19
93)、あるいはProc.Natl. Acad.Sci. USA, 90, 10773(1
993)に述べる方法によって実施できる。
【0016】HCVプロテアーゼは上記遺伝子を用い、
大腸菌、動物細胞、昆虫細胞、ウサギ網状赤血球溶血液
などで発現させることができる。
【0017】これらのHCVプロテアーゼを発現させる
発現ベクターは、効率よく融合蛋白の発現できるものな
らばいかなるものでもよい。例えば、pTZ18、pT
Z19、pUC18、pUC19、Bluescrip
t KS、SK、pHSG398、pRSET、pGE
X−2T、pRIT2Tなどが挙げられる。発現したプ
ロテアーゼの安定性を増し、精製が容易に行えるよう
に、プロテアーゼのアミノ酸末端側にマルトースバイン
ディングプロテイン(MBP)との融合した状態で発現
するpMAL−cなどが好ましい。発現に用いる大腸菌
株としてはHB101、TB1、JM105などを用い
ることができるが、組換えプラスミドの変異が起こりに
くいrecA-の菌株JM109が好ましい。
【0018】基質として用いる合成ペプチドは、HCV
プロテアーゼの切断部位として特定されているNS3/NS4
A、NS4A/NA4B、NS4B/NS5A、NS5A/NS5Bの各切断部位近傍
のアミノ酸配列を有しているものであればよく、これら
のコンセンサスなアミノ酸以外の1または2以上のアミ
ノ酸を置換、欠失または付加してもよい。コンセンサス
なアミノ酸とはNS3/NS4A、NS4A/NA4B、NS4B/NS5A、NS5A
/NS5Bの各切断点近傍のアミノ酸配列に保存されたアミ
ノ酸のことである。即ち、以下の表I中の下線で示した
アミノ酸のことである。
【0019】表I HCVサブタイプ 配列 HCV中の部位 H-FDA CMSADLEVVT STWVLVGGVL NS3 / NS4A H-AP CMSADLEVVT STWVLVGGVL HCV-1 CMSADLEVVT STWVLVGGVL HCV-J CMSADLEVVT STWVLVGGVL HCV-BK CMSADLEVVT STWVLVGGVL HC-J6 CMQADLEVMT STWVLAGGVL HCV-T CMSADLEVVT STWVLVGGVL HC-J8 CMQADLEIMT SSWVLAGGVL HCV-JT, JT' CMSADLEVVT STWVLVGGVL H-FDA YQEFDEMEEC SQHLPYIEQG NS4A / NS4B H-AP YQEFDEMEEC SQHLPYIEQG HCV-1 YREFDEMEEC SQHLPYIEQG HCV-J YQEFDEMEEC ASHLPYIEQG HCV-BK YQEFDEMEEC ASHLPYIEQG HC-J1, J4 YEAFDEMEEC ASRAALIEEG HCV-T YQEFDEMEEC ASHLPYIEQG HC-J8 YQAFDEMEEC ASKAALIEEG HCV-JT, JT' YREFDEMEEC ASHLPYIEQG H-FDA WISSECTTPC SGSWLRDIWD NS4B / NS5A H-AP WISSECTTPC SGSWLRDIWD HCV-1 WISSECTTPC SGSWLRDIWD HCV-J WINEDCSTPC SGSWLKDVWD HCV-BK WINEDCSTPC SGSWLRDVWD HC-J1, J4 WITEDCPIPC SGSWLRDVWD HCV-T WINEDCSTPC SGSWLRDVWD HC-J8 WITEDCPVPC SGSWLQDIWD HCV-JT WINEDCSTPC SGSWLKDVWD HCV- JT' WINEDCSTPC SGSWLRDVWD H-FDA GADTEDVVCC SMSYTWTGAL NA5A / NS5B H-AP GADTEDVVCC SMSYSWTGAL HCV-1 EANAEDVVCC SMSYSWTGAL HCV-J GEAGEDVVCC SMSYTWTGAL HCV-BK EEASEDVVCC SMSYTWTGAL HC-J6 SEEDDSVVCC SMSYSWTGAL HCV-T EEDGEGVICC SMSYTWTGAL HC-J8 SDQEDSVICC SMSYSWTGAL HCV-JT, JT' GEASDDIVCC SMSYTWTGAL コンセンサス D C S E T A (Grakoui, et al., J. Virol., 67, 2832(1993))
【0020】上記コンセンサスなアミノ酸DまたはE、
CまたはT、ならびにSまたはAは各位置で自由に組み
合わせることができる。すなわち、上記のD,C,Sや
E,T,Aの組み合わせのみでなく、D,T,SやE,
C,Sの組み合わせであってもよい。
【0021】合成ペプチドの長さは5〜25アミノ酸が
よいが、好ましくは、10〜20アミノ酸である。例え
ば、YQEFDEMEEC ASHLPYIEQG、WINEDCSTPC SGSWLKDVWD、
GEAGDDIVCC SMSYTWTGAL等があげられる。最も好ましい
ものは、GEAGDDIVPC SMSYTWTGAL、GEAGDDIVPC SMSYTW
T、DDIVPC SMSYTWT、DDIVPC SMSYTであり、これらは大
腸菌内で切断反応が最も速く進行するNS5A / NS5Bの切
断点を含むアミノ酸配列をほぼ有している。しかも本来
のアミノ酸配列GEAGDDIVCC SMSYTWTGALでは、隣り合っ
た2つのシステインが速やかにジスルフィド結合を形成
して酵素反応を受けない化合物になる欠点を、P2をプロ
リンに変換することによって改良したものである。P2位
のプロリンは天然型 NS4B / NS5A切断点に存在してお
り、HCVプロテアーゼの天然型切断点の認識になんら
支障を与えるものではないのみならず、ペプチドの溶解
性を高める。
【0022】また、これらのペプチドのN末端あるいは
C末端を蛍光、発光、発色基、アフィニティーリガン
ド、抗原などでラベルすることができる。例えば、N末
端を蛍光試薬のダンシル基(Dns-)、FITC基でラベルした
ものはHPLC検出で感度よく夾雑物の干渉なくペプチドの
シグナルを検出することができる。又、アフィニティー
リガンドであるビオチンをN末端あるいはC末端ラベル
し、アビジンコートしたミクロタイタープレートに固定
化し、ELISA法で検出が行なえる。または、ABC法で検出
することもできる。さらに、抗原であるジゴキシゲニン
(Dig)でN末端あるいはC末端をラベルすれば、抗Dig抗
体で検出できる。
【0023】酵素反応の条件として、pHは5〜10で行
なうことができるが、好ましくはpH7〜8である。二価
のイオンとして、カルシウム、マグネシウム、マンガン
を加えることができる。反応温度は0〜90℃で行なう
ことができるが、好ましくは25〜60℃である。
【0024】反応の検出はHPLC、TLC、ELISA法を用いる
ことができる。
【0025】反応は経時的に進行し、 i)NS3領域およびNS4A領域を含む領域、 ii)NS3領域、NS4A領域およびNS4B領域を含
む領域、 iii)NS3領域、NS4A領域、NS4B領域および
NS5A領域を含む領域、および iv)NS3領域、NS4A領域、NS4B領域、NS5
A領域およびNS5B領域を含む領域、 を発現させたHCVプロテアーゼのいずれを用いても2
時間後には基質の90%以上が切断された。これに対し
てNS3領域のみを発現させたHCVプロテアーゼを用
いた場合には反応の進行が他のプロテアーゼに比べて著
しく遅かった(図3および表2参照)。
【0026】さらに、このような本発明のHCVプロテ
アーゼ活性測定法を用いてプロテアーゼ阻害剤をスクリ
ーニングすることができる。上記したHCVプロテアー
ゼと、合成基質ペプチドとを反応させる系において、反
応系に阻害剤の候補となる試験化合物を添加し、該合成
基質ペプチドの切断反応の進行を、試験化合物添加のも
のと添加しないものとで比較するによってスクリーニン
グを行うことができる。本発明のスクリーニング法にお
いては、実施例4に示すように、酵素反応液に試験化合
物を加えて、37℃15分プレインキュベーションし、
次いでN末端を蛍光標識したペプチド基質を添加して3
7℃で10分反応させる。その後、90℃5分加熱して
反応を止め、氷上保存して測定できる。したがって、1
時間以内で測定を完了することができ、上記した細胞培
養系に比べて極めて短時間で測定を行うことができる。
また、無菌操作などの煩雑な操作を伴わず、使用する施
設も簡単なものでよい。さらに、細胞を用いないので、
細胞培養系に比べて測定間のバラツキがなく、信頼のお
ける結果が得られる。放射性同位体などの検出方法を用
いる必要がない点も本発明の利点である。
【0027】本発明の別の態様では、本発明は、以下の
工程からなるHCVプロテアーゼ活性の測定法を提供す
る: (1)C型肝炎ウイルス(HCV)前駆体ポリプロテイ
ンの非構造タンパク質中のNS3領域およびNS4A領
域、ならびに場合によりそれより下流領域をコードする
遺伝子を大腸菌で発現させ、単離精製して得られるHC
Vプロテアーゼと、ビオチンまたは抗原物質または抗体
物質で標識(標識a)した合成基質ペプチドとを反応さ
せる; (2)工程(1)の切断産物である標識ペプチドを、さ
らに抗原物質で標識(標識b)する; (3)ペプチドに標識した前記抗原物質に、前記抗原に
対する酵素標識抗体を結合する;そして (4)工程(3)の酵素の活性を測定する;ただし、工
程(2)、工程(3)または工程(4)の前に、標識a
に対する親和性を利用して標識ペプチドの固定化を行
う。
【0028】この方法は、HCVプロテアーゼ阻害剤の
スクリーニングなどのように、多数の試料についてその
活性を測定しなければならない場合において、処理能力
の高いELISA法の汎用性を高め、基質の変化に容易
に対応できる点で有用である。この方法は、従来のEL
ISA法に先立って、酵素反応後、生成物に抗原物質を
結合させるポストラベル法である。
【0029】上記方法で使用する合成基質ペプチドは、
プロテアーゼ切断で生じたアミノ基に対して特異的に標
識反応を行うため、このアミノ基以外に反応しうるアミ
ノ基が存在していてはならない。また、標識反応で得ら
れた反応生成物を固定化するために、合成基質ペプチド
の切断部位のC末側またはN末側をビオチンまたは抗原
物質または抗体物質であらかじめ標識しておく必要があ
る(この標識を標識aという)。このような条件を満た
す限り、基質ペプチドのアミノ酸配列は、酵素の基質特
異性の範囲内で自由に設計することができる。
【0030】しかし、以下の実施例に示すように基質ペ
プチド中にシステインが含まれている場合には、切断反
応で生じたアミノ基以外に、システインのチオール(S
H)基も抗原物質で標識されることがある。このような
基質ペプチドを用いる場合には、アミノ基に対する標識
反応に先立って、システインのチオール基を修飾してチ
オール基が抗原物質で標識されないようにしなければな
らない。チオール基の修飾剤としては、その後のアミノ
基に対する標識反応を阻害せず、さらにその後の処理に
も影響しないものであれば、特に限定されない。好まし
いチオール基の修飾剤は、N−メチルスクシミド、N−
エチルスクシミドなどのN−アルキルスクシミド、およ
びヨード酢酸、ヨード酢酸ナトリウムを含む。ヨード酢
酸、ヨード酢酸ナトリウムは水に対する溶解度が高いた
め特に好ましい。これらの修飾剤は、水または緩衝液、
アルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムア
ミドなどの溶液として用いる。反応条件は特に限定され
ないが、反応温度として室温〜50℃、反応時間として
30分〜60分の範囲で十分である。チオール基修飾剤
の量は、試料中に含まれるチオール基に対して、上記の
反応条件下で完全に修飾反応が進行すればよく、特に制
限はない。
【0031】次いで、上記反応での切断産物である標識
ペプチドをさらに抗原物質で標識する(この標識を標識
bという)。例えば、標識aを基質ペプチドの切断部位
のN末側に付けた場合には、標識bをカルボキシル基に
対して行う。
【0032】抗原物質としては、それに対する抗体を作
製できる物質であれば、その種類は限定されない。この
抗体は通常のELISAでの二次抗体に相当するもので
あり、実際の使用に際しては検出反応に用いる酵素で標
識しなければならないため、入手の容易さから、既に酵
素標識された抗体が市販されているジゴキシゲニンが適
している。しかしながら、ジゴキシゲニン自体はアミノ
基と反応しないため、アミノ基をジゴキシゲニンで標識
するために、ジゴキシゲニンをアミノ基の修飾剤である
ヒドロキシスクシミド化しなければならない。すなわ
ち、アミノ基に対する標識反応は、ジゴキシゲニン−3
−O−メチルカルボニル−ε−アミノカプロン酸−N−
ヒドロキシスクシミドエステル(以下、DIG−NHS
という)などのジゴキシゲニン標識試薬を用いて行う。
DIG−NHSの溶剤としては、水と完全に混和し、D
IG−NHS自身と反応しないものであれば、特に限定
されない。ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミ
ドが好ましい。反応温度は特に限定されないが、室温〜
50℃の範囲で十分である。また、反応時間も特に限定
されないが、30分〜60分で十分である。DIG−N
HSの濃度は特に限定されないが、反応温度、反応時
間、および使用量に応じて、0.01〜1mg/mlの
範囲で使用可能である。
【0033】ジゴキシゲニンの標識反応には過剰量のD
IG−NHSを用いるため、次の工程(固定化、酵素反
応)以降の支障とならないように、未反応のDIG−N
HSの不活化処理を行う。不活化処理は、過剰量のアミ
ノ基を有する物質を加えてDIG−NHSと反応させる
ことによって実施できる。このような物質としては、一
級アミノ基を有し、水溶性の物質であれば特に限定され
ない。好ましい例として、アミノ酸およびその誘導体を
挙げることができる。水溶液のpHは、微アルカリ性、
好ましくはpH7.5〜10の範囲である。濃度および
使用量は、DIG−NHSの濃度および使用量に応じて
変更でき、未反応のDIG−NHSと完全に反応すれば
よく、特に限定されない。また、反応条件も特に限定さ
れないが、室温〜50℃の範囲の温度で、30分〜60
分の時間で十分である。
【0034】以上の処理によりプロテアーゼ切断で生じ
た断片の末端アミノ基に対するジゴキシゲニンの選択的
な標識が可能となる。
【0035】次いで得られたジゴキシゲニンで標識され
た切断断片を固定化する。ただし、請求の範囲に記載す
るように、固定化の時期はこの段階であっても、あるい
は上述した標識bを行う前であっても、あるいは酵素活
性の測定直前であってもよい。
【0036】固定化を行うには、標識aに対する親和性
を利用する。例えば、標識aがビオチンである場合には
アビジンまたはストレプトアビジンを、標識aが抗原で
ある場合には該抗原に対する抗体を、標識aが抗体であ
る場合には該抗体に対する抗原を用いて担体に固定化を
行う。担体としては固体担体が好ましく、例えば任意の
大きさ、形状に成型されたスチレンやポリスチレンなど
の高分子担体の他、これらの材料で成型した反応容器の
内壁、具体的には標識aに対して親和性を示す物質(ス
トレプトアビジン、抗体、抗原)をコーティングしたチ
ューブ、マイクロタイタープレート、ビーズ、カラム担
体などを用いて行う。固定化は検出感度、基質量および
反応液量に応じて、ジゴキシゲニン標識反応液の全量も
しくはその一部を用いて行うことができる。その際、界
面活性剤を含む緩衝液で希釈することも可能である。界
面活性剤としては、ノニデット(Nonidet)P−
40、ツィーン(Tween)20、トリトン(Tri
ton)X−100などの非イオン性の界面活性剤が好
ましく、その濃度は0.001〜1%で十分である。固
定化の温度および時間は特に限定されないが、温度は4
℃(冷蔵庫内)〜37℃の範囲で、時間は1〜24時間
の範囲で行うことができる。
【0037】未反応の基質ペプチドおよび標識された切
断生成断片の固定化を行った後、反応液中の酵素などの
夾雑物を除くために洗浄を行う。洗浄液には、固定化の
ときに用いた希釈液の他に、生化学実験で汎用されてい
るTBS(Tris Buffered Salin
e)やPBS(Phosphate Buffered
Saline)などの緩衝液を用いることができる。
【0038】これ以降の操作は通常のELISAと同様
に行うことができる。すなわち、洗浄後、ペプチドに標
識した前記抗原物質に、前記抗原に対する酵素標識され
た抗ジゴキシゲニン抗体(以下、酵素標識抗体という)
を結合させる。結合工程の前に、固定化に用いた器具表
面での非特異的吸着を防ぐために、ブロッキング試薬に
よる処理を行うことが好ましい。ブロッキング試薬とし
て、ウェスタンブロット法などで用いるスキムミルク、
カゼインなどを用いることができる。ブロッキング処理
は、4℃〜37℃の温度で、1〜24時間の範囲で行う
ことができる。
【0039】基質ペプチドの切断断片に選択的に標識さ
れたジゴキシゲニンに対する酵素標識抗体の結合は、標
識されている酵素(標識酵素)の安定性にもよるが、4
℃〜37℃の温度で、1〜数時間の範囲で行うことがで
きる。通常、室温中、1時間で十分である。標識酵素に
は、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼが多く
用いられるが、特に限定されない。
【0040】結合しなかった余分の酵素標識抗体を除く
ために、TBSなどの緩衝液で洗浄する。その後、標識
酵素に対する基質溶液を加えて、酵素反応を行う。酵素
反応を酸またはアルカリによって停止させた後、酵素反
応によって生じた生成物の吸光度または蛍光強度を測定
する。
【0041】本発明によるこの方法を用いると、反応生
成物をジゴキシゲニンなどの抗原物質で標識することに
よって従来のELISA法と同様の操作で測定できる。
さらに、従来のELISA法では測定対象物質に対する
抗体(一次抗体)が必要であったが、本発明の方法では
測定対象物質に特異的な抗体を必要としないため、広範
囲で使用可能である。
【0042】以下の実施例7〜12では、HCVプロテ
アーゼとしてHCVのNS3領域、NS4A領域および
NS4B領域を含む領域由来のプロテアーゼ(345P
s)、基質ペプチドとしてビオチン化(C末端リジンの
ε−アミノ基)およびアセチル化(N末端アミノ基)し
たAc・GEAGDDIVPCSMSYTWTK[Bi
o]を用いた例を示すが、本発明の方法はこの実施例に
限定することなく、広く使用できる。
【0043】本発明のHCVプロテアーゼ活性測定法お
よびプロテアーゼ阻害剤のスクリーニングを以下の実施
例により詳しく説明するが、本発明の範囲はこれに限定
されない。
【0044】
【実施例】
実施例1:酵素発現ベクターの構築 HCV非構造領域遺伝子に相当するcDNA断片の構成およ
び構築は先の特許出願の明細書(特願平5−18854
号)、及びJ.Virol., 67, 4665 (1993)、あるいはProc.
Natl. Acad.Sci. USA, 90, 10773(1993)に述べるとうり
である。
【0045】pMANS2d3X:特願平5−18854号に述
べるとうり、ベクターpMal-cにHCVのORF(オープン
リーディングフレーム)上985 - 1325番のアミノ酸に相
当するcDNA断片を挿入したものである。
【0046】pMANS34NsH:pTZ18にHCVのORF上722 -
1647番のアミノ酸に相当するcDNA 断片を挿入したpN722
- 1647をSac II - Hind IIIで切断し、pMANS2d3Xの同
じ制限酵素で切断したものに挿入し、pMANS34Nsを得
た。これをEcoT22 - Hind IIIで切断し、合成DNA断片を
挿入し、pMANS34NsHを得た。
【0047】pMANS34Sm:pTZ18にHCVのORF上722 - 1
908番のアミノ酸に相当するcDNA 断片を挿入したpN722
- 1908をSac II - Hind IIIで切断してえたフラグメン
トを、pMANS2d3Xの同じ制限酵素で切断したフラグメン
トと置換し、pMANS34Smを得た。p MANS345C:pTZ18にH
CVのORF上729 - 3010番のアミノ酸に相当するcDNA 断
片を挿入したpN729 - 3010をSac II -Sal Iで切断し、p
MANS2d3Xの同じ制限酵素で切断したものに挿入し、pMAN
S345Cを得た。
【0048】pMANS345Bs:pTZ18にHCVのORF上722 -
2472番のアミノ酸に相当するcDNA 断片を挿入したpN722
- 2472をPst I - Hind IIIで切断してえたフラグメン
トを、pMANS345Cの同じ制限酵素で切断したフラグメン
トと置換し、PMANS345Bsを得た。
【0049】pMANS345Ps:pMANS345C をPst Iで切断
し、再び酵素的に結合し、小さなフラグメントを欠失さ
せpMANS345Psを得た。
【0050】実施例2:酵素の発現と精製 上記の発現ベクターで大腸菌株JM109コンピテント細胞
を形質転換する。形質転換した大腸菌は50μg / μl ア
ンピシリンを含むLBrothで一夜37℃前培養し、50μg /
μl アンピシリンを含むLBrothで希釈し(20 - 30 倍)、
37℃約2時間培養した。濁度がOD600 = 0.5〜 0.7になっ
た時点で最終濃度0.5 mMのイソプロピルベータチオガラ
クトシドを加え、さらに20℃で3時間培養した後、培養
液を遠心し菌体を集めた。菌体は−80℃の冷凍庫で保
存した。
【0051】保存した菌体を培養液の1/10容のバッ
ファーA(10 mM Na-燐酸バッファーpH7.2、30 mM NaCl、
10 mM ベータメルカプトエタノール)に懸濁し、超音波
破砕機で氷冷下10分細胞を破砕した。遠心分離して上清
を得、上清に70 % 飽和になるように硫酸アンモニウム
を加え、蛋白を沈殿させた。沈殿を遠心分離で集め、上
清の1/2容のバッファーAに溶解し、アミロース樹脂
カラムにアプライした。カラムはバッファーAで洗浄
後、バッファーB(10 mM Na-燐酸バッファー pH7.2、30
mM NaCl、10 mM ベータメルカプトエタノール、0.2 %
Tween 20)、バッファーC(10 mM Na-燐酸バッファー pH
7.2、500 mM NaCl、10 mM ベータメルカプトエタノー
ル)で洗浄した。カラムに結合した蛋白を10 mM マルト
ースを添加したバッファーAで溶出した。溶出した蛋白
は限外濾過で濃縮し、最終濃度が50%になるようにグ
リセロール添加し、−20℃の冷凍庫で保存した。得ら
れた酵素を分析した。即ち、得られた酵素標品をサンプ
ルバッファーに溶解し、100℃5分加熱した後、SDS-
ポリアクリルアミドゲルにアプライし電気泳動後、ク−
マシーブリリアントブルーで染色した。あるいは電気泳
動後、展開した蛋白をPVDF膜にトランスファーし、抗NS
3抗体および抗MBP抗体でウヱスタンブロットした。
【0052】実施例3:基質ペプチドの合成 ペプチドDns-GEAGDDIVPC SMSYTWTGAL、Dns-GEAGDDIVAC
SMSYTWTGAL、Dns-GEAGDDIVPN SMSYTWTGAL、Dns-GEAGDDI
VP(D)C SMSYTWTGAL、Dns-GEAGDDIVPC SMSYTWT、Dns-GEA
GDDIVPC SMS、Dns-GEAGDDIVAC SMS、Dns-GEAGDDIVCC SM
S、Dns-DDIVPC SMSYT、Dns-DDIVPC SMS、Dns-DDIVPC SM
SYTWT、Dns-GEAGDDIVPC SMSYTWTK、Dns-GEAGDDIVSC SMS
YTWTGAL、Dns-WINEDCSTPC SGSWLKDVWP、Dns-YQEFDEMEEC
ASHLPYIEQGはペプチド合成機を用いて固相法で行なっ
た。すなわち、αアミノ基をt-ブチルオキシカルボニル
基で保護し、側鎖のカルボキシル基をシクロヘキシル
基、水酸基をベンジル基、チオール基をメチルベンジル
基、そしてεーアミノ基をベンジルオキシカルボニル基
で保護した第2アミノ酸を、カルボキシル基が樹脂に結
合したαアミノ基が無保護の第1アミノ酸にジシクロヘ
キシルカーボジイミドを用いて縮合した後、αーアミノ
基の保護をトリフロロ酢酸で除去した。第3以下のアミ
ノ酸についても同様にして順次C端からN端へ合成し
た。全鎖合成後αーアミノ基の保護をトリフロロ酢酸で
除去し、ダンシルクロリドで修飾し、樹脂からの切り出
しと脱保護をフッ化水素で行ない上記各ペプチドを得
た。
【0053】Ac-GEAGDDIVPC SMSYTWTK-Bioは、αーアミ
ノ基を保護し、樹脂に固相化したリジンのεーアミノ酸
をビオチン化し、保護したアミノ酸を用いて固相合成
後、N末端をアセチル化した後に脱保護した。
【0054】Dig-GEAGDDIVPC SMSYTWTK-Bioは同様な固
相合成、脱保護の後ジスルフィド結合を形成させ、N末
端アミノ基の標識をジゴキシゲニン−3−O−サクシニ
ル[2−(N−マレイミド)]エチラミド(Digoxigenin-
3 - O - succinyl -[2-(N -maleimido)] - ethylamid
o)で行ないDTTでジスルフィド結合を切断し得た。
【0055】実施例4:酵素反応 標準的な酵素反応は以下のような条件で行った。50 mM
Tris HCl pH 7.6、 30mM NaCl、 10 mM DTT、酵素蛋白4
μg - 8μgを含む酵素反応液100 μlに、DMSOあるいは
水溶液で溶解した試験化合物を最終濃度が1 - 10μg/ml
になるように加え、 37℃15分プレインキュベーション
し、HPLC法ではN末端を蛍光標識したペプチド基質(DM
SO溶液)最終濃度86μM(最終DMSO濃度:2%)を添加
して反応を開始した。37℃で反応した後、90 ℃ 5分加
熱して反応を止め、氷上保存した。ELISA法では、Nあ
るいはC末端を蛍光標識、あるいはアフィニティー標識
した基質を同様に反応させた。
【0056】実施例5:検出 (1)HPLC法 反応液5μlをとり、逆相HPLC(φ4.6 mm x 15 cm)にア
プライした。カラムは50 mM 酢酸アンモニウム(pH 6.5)
中 22.5 % →60%のアセトニトリルの直線濃度勾配(10
分)で溶出し、未反応のペプチド基質 と切断産物のN
末端側断片の蛍光シグナルをexcitation : 340 nm 、em
ission : 510 nmで検出した。切断率は両者の面積の比
から求めた。
【0057】(2)ELISA法 N末端にジゴキシゲニン(Dig)で標識し、C末リジンの
側鎖のアミノ基をビオチン(Bio)標識した基質Dig-GEA
GDDIVPC SMSYTWTK-Bioを酵素反応した後、反応液1μlを
とり、2% 2ーメルカプトエタノールと0.01% NP-40を加
えた燐酸緩衝液(pH8.5)で2000倍に希釈し、10 μlをス
トレプトアビジンでコートしたミクロタイタープレート
に加えた。室温1時間放置後、プレートを洗浄し、アル
カリフォスファターゼ標識抗Dig抗体と室温1時間反応
した。プレートを洗浄後、アルカリフォスファターゼ基
質2,2’−アジド−ジ−(3−エチルベンズチアゾリ
ンサルフェート)(2,2' - Azido - di-(3-ethylbenzth
iazoline sulfate))溶液200μlを加え室温10分反応
し、1 N NaOH 50μlを加え反応を停止した。405 nmの吸
光度を測定し、残存Dig量を検出した。
【0058】実施例6:結果 (1)酵素の名称 上記のように発現プラスミド pMANS34NsH、 pMANS34Sm、
pMANS345C、 pMANS345Bs、 pMANS345Ps を大腸菌に感染さ
せ、マルトース結合蛋白と融合蛋白として発現し、アミ
ロース樹脂で精製した酵素をそれぞれ34NsH、34Sm、345
C、345Bs、345Psと称する。図1に各々発現プラスミド
の名称と挿入したHCV遺伝子の領域をしめす。
【0059】(2)酵素反応の検出 酵素345Ps 0.04 μgと合成基質Dns-GEAGDDIVPC SMSYTWT
を上記の条件で反応したときのHPLCのクロマトグラムを
図2に示す。未反応の基質は保持時間7〜8分に、切断
を受けた産物は保持時間3〜4分にそれぞれに溶出され
た。この時切断率は24%であった。
【0060】(3)時間反応曲線 34NsH、34Sm、345C、345Bs、345Ps各0.08μg / μlを上
記の反応条件で合成基質Dns-GEAGDDIVPC SMSYTWTと反応
させた時間反応曲線を図3に示す。反応は経時的に進行
し、2時間後には34Sm、345C、345Bs、345Psでは基質の
90 %以上が切断された。しかし、34NsHでは反応の進行
は他の酵素の比べ著しく遅かった。
【0061】次いで切断された反応液中のペプチドのN
末端をアミノ酸シークエンサーで分析した。未切断の基
質および切断産物のN端側の断片はダンシル基でアミノ
末端が保護され、分析されず、切断産物のC端の断片の
N末端からのアミノ酸配列が分析できるが、結果は期待
されたとおりのSMSYTWTのアミノ酸配列であり、切断が
正しい切断部位で起こっていることを確認した。
【0062】(4)反応速度 34NsH、34Sm、345C、345Bs、345Psの反応速度を比較し
た。反応条件は酵素 0.08 μg/μl、標準溶液(50 mM T
ris HCl (pH7.6), 30 mM NaCl, 5 mM CaCl2, 10mM DT
T) 中、37℃でプレインキュベーション 30分後、 0.05
μg/μl、0.1μg/μl、0.2μg/μl、0.5μg/μl、1μg
/μl、2μg/μlの基質をいれ、37 ℃10分反応した。反
応は70 ℃5分加熱して止めた。得られた結果を以下の表
IIに示す。表IIから明らかなように、切断活性は345P
s、345Bsが最高であり、345C、34Smの順であった。34Ns
Hはこれらに比し著しく低かった。
【0063】
【表1】
【0064】(5)阻害剤の効果 実施例4に記載の方法を用いて、セリンプロテアーゼ阻
害剤の一つであるPMSF(フェニルメタンスルフォニルフ
ロリド)のプロテアーゼ活性に及ぼす効果を調べた。酵
素には345Psを、基質には Dns-GEAGDDIVPC SMSYTWT を
用い、1mM および 10mM 濃度のPMSF の効果を検討し
た。対照としてプロテアーゼ活性をもつトリプシンを用
いた。
【0065】得られた結果を図4に示す。プロテアーゼ
活性は、トリプシンと同様に10mM PMSFで阻害を受けた
が、その程度はトリプシンより小さかった。
【0066】実施例7:チオール基修飾 実施例4に記載の方法によって得られた反応液(反応時
間:3時間)を試料として用いた(この反応液には、H
PLC分析により未反応基質の存在は認められなかっ
た)。
【0067】(1)チオール基の修飾 5μlのN−エチルマレイミド(100mM、エタノー
ル溶液)に1μlの反応液を加え、撹拌後、室温(23
℃)で30分、チオール基の修飾反応を行った。これに
5μlのDIG−NHS(ベーリンガー・マンハイム社
製:0.4mg/ml、ジメチルスルホキシド溶液)を
加え、撹拌した後、さらに室温で30分反応を行った。
次いで10μlのグリシン水溶液(500mM、水酸化
ナトリウムでpHを8.5に調節)を加えて、さらに室
温で90分反応を行った。このようにして得られた反応
液に、100μlの固定用希釈液(50mM、リン酸緩
衝液(pH8.5)、0.01%ノニデットP−40)
を加えて撹拌した。
【0068】(2)プレートへの固定 (1)の全量をストレプトアビジン・コーティド・マイ
クロタイタープレート(ベーリンガー・マンハイム社
製)に入れ、撹拌し、室温で放置した。1時間後、内容
物を捨て、350μlの固定用希釈液、TBSで順次洗
浄した。300μlの50%ブロックエース(大日本製
薬(株)社製:TBSで希釈)を加え、1時間放置し
た。内容物を捨て、300μlのTBSで2回洗浄し
た。
【0069】(3)抗ジゴキシゲニン抗体およびアルカ
リホスファターゼによる標識 (2)で得られたプレートに200μlのアルカリホス
ファターゼ標識の抗ジゴキシゲニン抗体(ベーリンガー
・マンハイム社製:TBSで1000倍に希釈:0.7
5U/ml)を加え、1時間放置した。300μlのT
BSで2回洗浄した後、アルカリホスファターゼの基質
として200μlのp−ニトロフェノールリン酸2ナト
リウム溶液(2.5mg/ml:100mM炭酸ナトリ
ウム緩衝液(pH9.8)、2mM塩化マグネシウム)
を加え、室温(23℃)で15分反応を行った。50μ
lの水酸化ナトリウム(1N)を加えて反応を停止さ
せ、吸光度(405nm)を測定した。同様の処理を未
反応液(基質溶液)およびTBSを用いて行った。さら
に、チオール基の修飾としてのN−エチルマレイミド処
理を行わない場合についても、同様の操作を行った。得
られた結果を表IIIに示す。
【0070】 表III チオール基修飾の効果(吸光度) 修飾 反応液 未反応液 TBS 有 1.583 0.243 0.234 無 1.752 1.071 0.230
【0071】実施例8:反応生成物量と吸光度との関係
(1) 実施例7で用いた反応液および未反応液のそれぞれを等
量のジメチルスルホキシドで希釈した後、ビオチン量が
一定になるように両者を種々の割合で混合した。得られ
た混合試料の1μlを用いて、実施例7と同様の操作を
行った(室温:23℃)。ただし、N−エチルマレイミ
ド処理およびジゴキシゲニン標識反応は37℃で行っ
た。得られた結果を図5に示す。
【0072】実施例9:反応生成物量と吸光度との関係
(2) 実施例7で用いた反応液および未反応液のそれぞれを2
倍量のジメチルスルホキシドで希釈した後、ビオチン量
が一定になるように両者を種々の割合で混合した。マイ
クロタイタープレートに2μlの混合試料を入れ、実施
例7と同様の操作を行った(室温:23℃)。ただし、
N−エチルマレイミドの代わりにヨード酢酸ナトリウム
(100mM、TBSに溶解)を用い、DIG−NHS
の濃度は0.2mg/mlとした。チオール基の修飾反
応およびジゴキシゲニン標識反応は37℃で30分、グ
リシン処理は37℃で45分行った。また、アルカリホ
スファターゼの発色時間は10分とした。得られた結果
を図6に示す。
【0073】実施例10:測定値のバラツキ 反応液および未反応液のそれぞれを4倍量のジメチルス
ルホキシドで希釈した後、ビオチン量が一定になるよう
に両者を種々の割合で混合した。得られた混合試料の2
μlを用いて、実施例9と同様の操作を行った(室温:
23℃)。ただし、ヨード酢酸ナトリウム処理およびジ
ゴキシゲニン標識反応は37℃で35分、グリシン処理
は15μlのグリシン溶液を加え、37℃で40分行っ
た。ストレプトアビジン・コーティド・マイクロタイタ
ープレートへの固定化は、100μlの固定用希釈液を
入れ、この中に10μlのグリシン処理反応液を加え
た。また、アルカリホスファターゼの発色時間は15分
とした。得られた結果を表IVに示す。
【0074】 *:標準偏差/平均値
【0075】実施例11:プロテアーゼ阻害剤を含む場
合 プロテアーゼ阻害剤としてPMSF(フェニルメタンス
ルホニルフルオリド)処理を行った酵素反応液を用い
た。反応停止は4倍量のジメチルスルホキシドを加え
た。1μlの停止反応液を用いて、実施例10と同様な
操作を行った。得られた結果を表Vに示す。
【0076】表V PMSFによる阻害 PMSF濃度 活性(切断%) 10mM 71 1mM 870mM 100
【0077】実施例12:測定の適応範囲 試料として、基質ペプチドの切断断片のSMSYTWT
K[Bio]を用いた。2μlの試料溶液(ジメチルス
ルホキシドに溶解したもの)に対して、実施例10と同
様に、ヨード酢酸ナトリウム処理(37℃、30分)、
ジゴキシゲニン標識(37℃、30分)、およびグリシ
ン処理(37℃、40分)を行い、その10μlを固定
化した。発色反応は室温(24.5℃)で10分行っ
た。これらの操作を種々の濃度で行い、その結果を図7
に示す。
【0078】
【発明の効果】本発明のHCVプロテアーゼ活性測定法
は、試験管内で実施することができるので、細胞培養系
に比べて極めて短時間で測定を行うことができる。ま
た、無菌操作などの煩雑な操作を伴わず、使用する施設
も簡単なものでよい。さらに、細胞を用いないので、細
胞培養系に比べて測定間のバラツキがなく、信頼のおけ
る結果が得られる。放射性同位体などの検出方法を用い
る必要がない点も本発明の利点である。また、本発明の
HCVプロテアーゼ阻害剤のスクリーニング法を用いる
と、極めて簡単かつ確実に阻害剤のスクリーニングを行
うことができ、抗HCV剤の開発におおいに利用でき
る。
【0079】さらに、発色原子団を遊離させることによ
って活性測定が困難なプロテアーゼに対しては、酵素反
応後に生成物に抗原物質を結合させるポストラベル法に
よるELISA法を用いる本発明のHCVプロテアーゼ
活性測定法が有利である。この測定法は基質の変化に容
易に対応でき、極めて応用範囲が広い。
【図面の簡単な説明】
【図1】HCV前駆体ポリプロテイン構造、および本発
明で使用した発現プラスミドの名称とそれぞれに挿入し
たHCV遺伝子の領域を示す。なお、図中、アミノ末端
側のCはウイルスコアタンパク質、E1およびE2はエ
ンベロープタンパク質1および2を表し、これらはウイ
ルス構造タンパク質に相当する。それより下流領域から
の産物はウイルス複製に機能する非構造タンパク質(N
S)に相当する。
【図2】酵素345Psと合成基質Dns−GEAGD
DIVPC SMSYTWTを反応させたときのHPL
Cのクロマトグラムである。
【図3】酵素34NsH、34Sm、345C、345
Bs、345Psを合成基質Dns−GEAGDDIV
PC SMSYTWTと反応させたときの時間反応曲線
を示す。
【図4】酵素345Ps、合成基質 Dns-GEAGDDIVPC SM
SYTWT を用い、阻害剤としてPMSFを添加したときの
効果、ならびに同濃度のPMSF存在下におけるトリプ
シンの基質N−ベンゾイルFVR(Phe−Val−A
rg)−p−ニトロアニリド切断反応の結果を示す。
【図5】N−エチルマレイミド処理を行った場合の反応
生成物量と吸光度(405nm)との関係を示す。
【図6】ヨード酢酸ナトリウム処理を行った場合の反応
生成物量と吸光度(405nm)との関係を示す。
【図7】ヨード酢酸ナトリウム処理を行った場合の測定
適応範囲を示す。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C型肝炎ウイルス(HCV)前駆体ポリ
    プロテインの非構造タンパク質中のNS3領域およびN
    S4A領域、ならびに場合によりそれより下流領域をコ
    ードする遺伝子を大腸菌で発現させ、単離精製して得ら
    れるHCVプロテアーゼと、合成基質ペプチドとを反応
    させることからなる、HCVプロテアーゼ活性の測定
    法。
  2. 【請求項2】 HCVプロテアーゼが、NS3領域およ
    びNS4A領域を含む領域をコードする遺伝子を用いて
    発現させたものである、請求項1記載の測定法。
  3. 【請求項3】 HCVプロテアーゼが、NS3領域、N
    S4A領域およびNS4B領域を含む領域をコードする
    遺伝子を用いて発現させたものである、請求項1記載の
    測定法。
  4. 【請求項4】 HCVプロテアーゼが、NS3領域、N
    S4A領域、NS4B領域およびNS5A領域を含む領
    域をコードする遺伝子を用いて発現させたものである、
    請求項1記載の測定法。
  5. 【請求項5】 HCVプロテアーゼが、NS3領域、N
    S4A領域、NS4B領域、NS5A領域およびNS5
    B領域を含む領域をコードする遺伝子を用いて発現させ
    たものである、請求項1記載の測定法。
  6. 【請求項6】 合成基質ペプチドがNS3/NS4A、
    NS4A/NS4B、NS4B/NS5AまたはNS5
    A/NS5Bの各切断部位近傍のペプチド、あるいはこ
    れらのペプチド中のコンセンサスアミノ酸以外の1また
    は2以上のアミノ酸を置換、欠失または付加したペプチ
    ドである、請求項1記載の測定法。
  7. 【請求項7】 合成基質ペプチドが10〜20アミノ酸
    である、請求項6記載の測定法。
  8. 【請求項8】 合成基質ペプチドがNS5A/NS5B
    切断部位近傍のペプチドである、請求項6記載の測定
    法。
  9. 【請求項9】 C型肝炎ウイルス(HCV)前駆体ポリ
    プロテインの非構造タンパク質中のNS3領域およびN
    S4A領域、ならびに場合によりそれより下流領域をコ
    ードする遺伝子を大腸菌で発現させ、単離精製して得ら
    れるHCVプロテアーゼと、合成基質ペプチドとを反応
    させる系において、反応系に試験化合物を添加し、該合
    成基質ペプチドの切断反応の進行を、試験化合物添加の
    ものと添加しないものとで比較することからなる、HC
    Vプロテアーゼ阻害剤のスクリーニング法。
  10. 【請求項10】 以下の工程からなる、請求項1記載の
    HCVプロテアーゼ活性の測定法: (1)C型肝炎ウイルス(HCV)前駆体ポリプロテイ
    ンの非構造タンパク質中のNS3領域およびNS4A領
    域、ならびに場合によりそれより下流領域をコードする
    遺伝子を大腸菌で発現させ、単離精製して得られるHC
    Vプロテアーゼと、ビオチンまたは抗原物質または抗体
    物質で標識(標識a)した合成基質ペプチドとを反応さ
    せる; (2)工程(1)の切断産物である標識ペプチドを、さ
    らに抗原物質で標識(標識b)する; (3)ペプチドに標識した前記抗原物質に、前記抗原に
    対する酵素標識抗体を結合する;そして (4)工程(3)の酵素の活性を測定する、ただし、工
    程(2)、工程(3)または工程(4)の前に、標識a
    に対する親和性を利用して標識ペプチドの固定化を行
    う。
  11. 【請求項11】 合成基質ペプチドがシステインを含む
    場合、抗原物質による標識(標識b)に先立って、シス
    テインのチオール基が抗原で標識されないようにチオー
    ル基を修飾しておくことを特徴とする請求項10記載の
    測定法。
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