JPH0820584A - イミダゾール誘導体及びその用途 - Google Patents

イミダゾール誘導体及びその用途

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JPH0820584A
JPH0820584A JP15246394A JP15246394A JPH0820584A JP H0820584 A JPH0820584 A JP H0820584A JP 15246394 A JP15246394 A JP 15246394A JP 15246394 A JP15246394 A JP 15246394A JP H0820584 A JPH0820584 A JP H0820584A
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JP15246394A
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Hidefumi Yukimasa
秀文 行正
Masafumi Nakao
雅文 中尾
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(I'): 【化1】 〔式中、A'はイミダゾール環上に少なくとも1つのニ
トロ基を有する縮合イミダゾリル基を、Xは酸素原子又
は硫黄原子を、Bは縮合環を形成していてもよい5又は
6員複素環基を、m及びnはそれぞれ0〜4の整数を示
す〕で表されるイミダゾール誘導体又はその塩、及び式
(I): 【化2】 〔式中、Aはイミダゾール環上に少なくとも1つのニト
ロ基を有するイミダゾール−1−イル又は縮合イミダゾ
リル基を示し、他の記号は前記と同意義を示す〕で表さ
れるイミダゾール誘導体又はその医薬的に許容される塩
を含有してなる抗菌剤及び抗潰瘍剤。 【効果】 本発明の化合物は、特にヘリコバクター・ピ
ロリに代表されるヘリコバクター属菌に起因する各種消
化器系統の疾患及び潰瘍の予防又は治療に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイミダゾール誘導体に関
する。より詳細には、本発明は、優れた抗菌活性、特に
ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)のよう
なヘリコバクター属菌に対する強い抗菌活性を有するイ
ミダゾール誘導体及びそれを含有してなる抗菌剤及び抗
潰瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】潰瘍治
療剤としては、制酸剤、抗コリン剤、抗ガストリン剤、
消化管ホルモン剤、抗ペプシン剤、ヒスタミンH2 受容
体拮抗剤、組織修復剤、粘膜保護剤、微小循環改善剤、
プロトンポンプ阻害剤等が開発されてきた。特に、これ
ら潰瘍治療剤の中で、強力な酸分泌抑制作用を有してい
るヒスタミンH2 受容体拮抗剤及びプロトンポンプ阻害
剤の開発によって、潰瘍の治療は容易になった。
【0003】しかしながら、これら潰瘍治療剤は、投薬
を中止した後の漬瘍再発率が高く、それが現在解決すべ
き大きな問題として残されている。ヘリコバクター・ピ
ロリは、ヘリコバクター(Helicobacter)属に属するグラ
ム陰性の微好気性細菌であり、胃炎、十二指腸潰瘍、胃
潰瘍等の再発の大きな原因となる可能性が示唆されてい
る。
【0004】このヘリコバクター・ピロリに起因する各
種疾患の治療には、現在、ビスマス製剤と抗生物質の二
剤併用や、ビスマス製剤、メトロニダゾール(米国特許
第2,944,061 号)、及びテトラサイクリン(例えば米国
特許第2,712,517 号)もしくはアモキシリン(米国特許
第3,192,198 号)の三剤併用等による化学療法が行われ
ている。上記メトロニダゾールは、抗ヘリコバクター・
ピロリ作用を有するイミダゾール誘導体であり、抗生物
質と併用して使用されている。これらビスマス製剤、抗
生物質及びメトロニダゾール等は、内服の形で投与され
ている。
【0005】しかしながら、上記のビスマス製剤、抗生
物質及びメトロニダゾール等は、ヘリコバクター・ピロ
リの増殖を阻止する十分な濃度をその増殖箇所に維持す
るために、一日に大量投与する必要があり、それによっ
て嘔吐、下痢等の副作用が発現するなど、多くの問題が
ある。
【0006】抗ヘリコバクター・ピロリ作用を有する種
々の化合物が報告されている。例えば、特開平5-117268
号公報には抗ヘリコバクター・ピロリ作用を有するピリ
ジン誘導体が開示されており、ヨーロッパ特許(EP 0535
528A1) には、抗ヘリコバクター・ピロリ作用を有する
イミダゾール誘導体が開示されている。しかしながら、
これらの公報には、ニトロ基を有する二環性縮合イミダ
ゾール化合物の開示はない。また、特開昭49-70967号公
報、特表平3-505733号公報、特開昭 51-125285号公報、
特開昭50-89370号公報、特開昭50-84570号公報及び特開
平3-173817号公報には、イミダゾール誘導体が開示され
ている。しかしながら、これらの公報には、ヘリコバク
ター属菌に対する抗菌活性を有することについての開示
はない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を鑑み鋭意研究を重ねた結果、優れた抗菌作用、特に
ヘリコバクター・ピロリに代表されるヘリコバクター属
菌に対する優れた抗菌作用を有し、さらに抗菌作用に加
えて抗潰瘍作用をも有するイミダゾール誘導体を見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、(1)一般式
(I')
【0009】
【化8】 〔式中、A'はイミダゾール環上に少なくとも1つのニ
トロ基を有する縮合イミダゾリル基を、Xは酸素原子又
は硫黄原子を、Bは縮合環を形成していてもよい5又は
6員複素環基を、m及びnはそれぞれ0〜4の整数を示
す〕で表わされるイミダゾール誘導体又はその塩、
(2)Bが、一般式(VI)
【0010】
【化9】 〔式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子、置換基を有し
ていてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよ
いアミノ基もしくは置換基を有していてもよいカルボキ
シル基を示すか、又はR1とR2はそれらが結合している
炭素原子と共に窒素原子を含有していてもよい芳香環を
形成していてもよく、R1及びR2が結合している炭素原
子間の結合は一重結合又は二重結合であり(一重結合の
場合には2個の水素が付加されていることを示す)、Y
は酸素原子、硫黄原子又は式
【化10】 (式中、R4は水素原子又は置換基を有していてもよい
アルキル基を示す)で表される基を示す〕で表わされる
5員複素環基である前記(1)記載のイミダゾール誘導
体、(3)Bが、一般式(VII)
【0011】
【化11】 〔式中、R1'及びR2'はそれぞれ水素原子もしくは低級
アルキル基を示すか、又はR1'とR2'はそれらが結合し
ている炭素原子と共に窒素原子を含有していてもよい芳
香環を形成していてもよく、R1'及びR2'が結合してい
る炭素原子間の結合は一重結合又は二重結合であり(一
重結合の場合には2個の水素が付加されていることを示
す)、R3は水素原子、炭化水素基又は複素環基を、Y'
は酸素原子、硫黄原子又は基
【化12】 を示す〕で表わされる6員複素環基である前記(1)記
載のイミダゾール誘導体、(4)縮合イミダゾリル基
が、環を構成する原子として2〜4個の窒素原子を有す
る前記(1)記載のイミダゾール誘導体、(5)A'
が、イミダゾールと6員複素環との縮合イミダゾリル基
である前記(1)記載のイミダゾール誘導体、(6)
A'が、イミダゾールと窒素原子を含有する6員複素環
との縮合イミダゾリル基である前記(1)記載のイミダ
ゾール誘導体、(7)A'が、イミダゾールとピリジ
ン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン又はトリアジン
との縮合イミダゾリル基である前記(1)記載のイミダ
ゾール誘導体、(8)A'が、イミダゾールとピリジン
又はピリダジンとの縮合イミダゾリル基である前記
(1)記載のイミダゾール誘導体、(9)A'が、2−
又は3−ニトロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6
−イル基である前記(1)記載のイミダゾール誘導体、
(10)A'が、2−又は3−ニトロイミダゾ[1,2
−a]ピリジン−5−イル基である上記(1)記載のイ
ミダゾール誘導体、(11)R1及びR2が、それぞれ水
素原子又は置換基を有する低級アルキル基である前記
(2)記載のイミダゾール誘導体、(12)R1及びR2
の何れか一方が、モノ−又はジ−低級(C1-6)アルキ
ルアミノ基で置換された低級アルキル基である前記
(2)記載のイミダゾール誘導体、(13)R1及びR2
が、それぞれ炭素数1〜6の直鎖又は分枝状のアルキル
基である前記(2)記載のイミダゾール誘導体、(1
4)Xが硫黄原子である前記(1)記載のイミダゾール
誘導体、(15)Yが、式
【化13】 (式中、R4は水素原子又は置換基を有する低級アルキ
ル基を示す)で表される基である前記(2)記載のイミ
ダゾール誘導体、(16)m及びnが共に0である前記
(1)記載のイミダゾール誘導体、(17)6−〔(イ
ミダゾール−2−イル)チオ〕−3−ニトロイミダゾ
[1,2−b]ピリダジン又はその塩である前記(1)
記載のイミダゾール誘導体、(18)6−〔〔1−(2
−ヒドロキシエチル)イミダゾール−2−イル〕チオ〕
−3−ニトロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン又はそ
の塩である前記(1)記載のイミダゾール誘導体、(1
9)6−〔(4−ジメチルアミノメチルイミダゾール−
2−イル)チオ〕−3−ニトロイミダゾ[1,2−b]
ピリダジン又はその塩である前記(1)記載のイミダゾ
ール誘導体、(20)一般式(I)
【0012】
【化14】 〔式中、Aはイミダゾール環上に少なくとも1つのニト
ロ基を有するイミダゾール−1−イル又は縮合イミダゾ
リル基を示し、X、B、m及びnは上記と同意義を有す
る〕で表されるイミダゾール誘導体もしくはその医薬的
に許容される塩を含有してなる抗菌剤、(21)Aが、
イミダゾール環上に少なくとも1つのニトロ基を有する
縮合イミダゾリル基である前記(20)記載の抗菌剤、
(22)ヘリコバクター属菌に対して抗菌作用を示す前
記(20)記載の抗菌剤、(23)ヘリコバクター・ピ
ロリに対して抗菌作用を示す前記(20)記載の抗菌
剤、及び(24)前記(20)記載の一般式(I)で表
されるイミダゾール誘導体もしくはその医薬的に許容さ
れる塩を含有してなる抗潰瘍剤を提供するものである。
【0013】上記の一般式(I')及び(I)で表わさ
れるイミダゾール誘導体が不整炭素を含有する場合、光
学活性化合物及びラセミ体混合物も本発明に包含され
る。上記の一般式(I')及び(I)の各定義におい
て、詳細は次の通りである。一般式(I')及び(I)
の各定義中、「低級」とは、特に指示がなければ、炭素
原子1〜6個を有する基を意味するものとする。
【0014】まず、A'及びAの定義を詳細に説明す
る。A'又はAで示される「縮合イミダゾリル基」の例
としては、イミダゾールと5又は6員環とが縮合してな
る縮合イミダゾリル基が挙げられ、このうちイミダゾー
ルと6員環とが縮合してなる縮合イミダゾリル基が好ま
しい。5又は6員環の例としては、炭素環類(例えば、
芳香環又は脂環)、複素環類(例えば、窒素原子、酸素
原子あるいは硫黄原子を含有する複素環類)等が挙げら
れ、このうち複素環類が好ましく、窒素原子を含む複素
環類がより好ましい。5員炭素環の好ましい例として
は、シクロペンタン、シクロペンテン等が挙げられる。
6員炭素環の好ましい例としては、シクロヘキサン、シ
クロヘキセン、ベンゼン環等が挙げられる。5員複素環
の好ましい例としては、ピロール、イミダゾール、ピラ
ゾール、イミダゾリジン、イミダゾリン等の窒素原子を
1〜2個含有する複素環類が挙げられる。6員複素環の
好ましい例としては、ピリジン、ピリダジン、ピリミジ
ン、ピラジン、トリアジン、ピペラジン等の窒素原子を
1〜3個含有する複素環類が挙げられ、このうちピリジ
ン及びピリダジンが好ましい。
【0015】「縮合イミダゾリル基」としては、環を構
成する原子として2〜4個の窒素原子を有する縮合イミ
ダゾリル基が好ましい。具体的には、「縮合イミダゾリ
ル基」としては、例えばイミダゾ[1,2−b]ピリダ
ジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダゾ
[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[4,5−b]ピラ
ジニル、イミダゾ[1,5−a]ピリミジニル、イミダ
ゾ[1,2−d][1,2,4]トリアジニル、イミダ
ゾ[1,5−d][1,2,4]トリアジニル、イミダ
ゾ[5,1−c][1,2,4]トリアジニル、イミダ
ゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジニル、イミダ
ゾ[1,5−b]ピリダジニル、1H−プリニル、イミ
ダゾ[1,5−a]ピリジル、1H−イミダゾ[4,5
−b]ピリジル等が挙げられる。これらの中で、好まし
い例としては、イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6
もしくは−7もしくは−8−イル基及びイミダゾ[1,
2−a]ピリジン−5もしくは−6もしくは−7もしく
は−8−イル基が挙げられ、イミダゾ[1,2−b]ピ
リダジン−6−イル基又はイミダゾ[1,2−a]ピリ
ジン−5−イル基がより好ましく、イミダゾ[1,2−
b]ピリダジン−6−イル基が最も好ましい。
【0016】A'又はAで示される「縮合イミダゾリル
基」又はAで示される「イミダゾール−1−イル基」が
イミダゾール環上に有するニトロ基の数は、好ましくは
1〜3個、特に1個が好ましい。該ニトロ基は、イミダ
ゾール環を構成する炭素原子に結合しているのが好まし
い。A'又はAで示される「イミダゾール環上に少なく
とも1つのニトロ基を有する縮合イミダゾリル基」とし
ては、2−又は3−ニトロイミダゾ[1,2−b]ピリ
ダジン−6−イル基、2−又は3−ニトロイミダゾ
[1,2−a]ピリジン−5−イル基等が好ましく、2
−又は3−ニトロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−
6−イル基がより好ましい。また、A'又はAで示され
る「縮合イミダゾリル基」は、イミダゾール環上以外、
即ちイミダゾリル基と縮合している環上にニトロ基を有
していてもよい。
【0017】A'又はAで示される「縮合イミダゾリル
基」又はAで示される「イミダゾール−1−イル基」が
有するニトロ基以外の置換基の好ましい例としては、ハ
ロゲン原子(例えば塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等)、
水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホ基、スルフ
ァモイル基、モノ−又はジ−低級アルキルアミノ基、低
級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルコキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、モノ−又はジ−低級アルキル
カルバモイル基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、
アシル基等が挙げられる。
【0018】以下に、上記のニトロ基以外の置換基の定
義について詳細に説明する。「モノ−又はジ−低級アル
キルアミノ基」の好ましい例としては、直鎖状もしくは
分枝状の1又は2個の低級アルキル基で置換されたアミ
ノ基が挙げられ、具体的には、例えばメチルアミノ、エ
チルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブ
チルアミノ、イソブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキ
シルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等が挙げ
られる。「低級アルキルカルボニルアミノ基」の好まし
い例としては、直鎖状もしくは分枝状の低級アルキルカ
ルボニルアミノ基が挙げられ、具体的には、例えばアセ
チルアミノ、プロピオニルアミノ、イソプロピオニルア
ミノ、ブチリルアミノ等が挙げられる。
【0019】「低級アルコキシカルボニル基」の好まし
い例としては、直鎖状もしくは分枝状の低級アルコキシ
カルボニル基が挙げられ、具体的には、例えばメトキシ
カルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニ
ル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、
イソブトキシカルボニル等が挙げられる。「モノ又はジ
低級アルキルカルバモイル基」の好ましい例としては、
直鎖状もしくは分枝状の1又は2個の低級アルキル基で
置換されたカルバモイル基が挙げられ、具体的には、例
えばメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピ
ルカルバモイル、イソプロピルカルバモイル、ブチルカ
ルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジブチルカルバモ
イル、ペンチルカルバモイル、ヘキシルカルバモイル等
が挙げられる。
【0020】「低級アルキル基」の好ましい例として
は、直鎖状もしくは分枝状のC1-6 アルキル基が挙げら
れ、具体的には、例えばメチル、エチル、n−プロピ
ル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−
ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等が挙げられる。
「低級アルコキシ基」の好ましい例としては、直鎖状も
しくは分枝状のC1-6アルコキシ基が挙げられ、具体的
には、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプ
ロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペンチルオキシ、
ヘキシルオキシ等が挙げられる。「アシル基」の好まし
い例としては、C1-6 アシル基が挙げられ、具体的に
は、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリ
ル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイ
ル、ヘキサノイル等が挙げられる。これらの中で、ホル
ミルが特に好ましい。
【0021】A'又はAで示される「イミダゾール−1
−イル基」又は「縮合イミダゾリル基」は、ニトロ基以
外の上記置換基を同種もしくは異なって2つ以上有して
いてもよい。Aで示される「イミダゾール−1−イル
基」が有するニトロ基以外の置換基としては、低級アル
キル基が好ましい。A'で示される縮合イミダゾリル基
がニトロ基以外の置換基を有する場合には、その置換基
は環を構成する何れの原子に結合していてもよいが、環
を構成する炭素原子に結合しているのが好ましい。
【0022】次に、Bの定義について詳細に説明する。
Bの定義中、「縮合環を形成していてもよい5員複素環
基」の好ましい例としては、一般式(VI)
【0023】
【化15】 〔式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子、置換基を有し
ていてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよ
いアミノ基もしくは置換基を有していてもよいカルボキ
シル基を示すか、又はR1とR2はそれらが結合している
炭素原子と共に窒素原子を含有していてもよい芳香環を
形成していてもよく、R1及びR2が結合している炭素原
子間の結合は一重結合又は二重結合であり(一重結合の
場合には2個の水素が付加されていることを示す)、Y
は酸素原子、硫黄原子又は式
【化16】 (式中、R4は水素原子又は置換基を有していてもよい
アルキル基を示す)で表される基を示す〕で表わされる
5員複素環基が挙げられる。
【0024】また、「縮合環を形成していてもよい6員
複素環基」の好ましい例としては、一般式(VII)
【0025】
【化17】 〔式中、R1'及びR2'はそれぞれ水素原子もしくは低級
アルキル基を示すか、又はR1'とR2'はそれらが結合し
ている炭素原子と共に窒素原子を含有していてもよい芳
香環を形成していてもよく、R1'及びR2'が結合してい
る炭素原子間の結合は一重結合又は二重結合であり(一
重結合の場合には2個の水素が付加されていることを示
す)、R3は水素原子、炭化水素基又は複素環基を、Y'
は酸素原子、硫黄原子又は基
【化18】 を示す〕で表わされる6員複素環基が挙げられる。
【0026】上記の5員複素環基及び6員複素環基の各
定義について説明する。R1、R2、R1'及びR2'の定義
中、「低級アルキル基」の好ましい例としては、炭素数
1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基(例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、ペンチル、ヘキシル等)が挙げられ、特に炭素数
1〜3の直鎖状又は分枝状のアルキル基(例えば、メチ
ル、エチル、プロピル等)が好ましい。R1及びR2の定
義中、「置換基を有していてもよい低級アルキル基」に
おける置換基の好ましい例としては、A又はA'が有し
ていてもよい置換基と同様のものが挙げられ、それらの
中で、モノ−又はジ−低級アルキルアミノ基が特に好ま
しい。
【0027】R1及びR2の定義中、「置換基を有してい
てもよいアミノ基」における置換基の好ましい例として
は、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキ
ル、複素環基等が挙げられる。上記「アルキル基」の好
ましい例としては、直鎖状もしくは分枝状のC1-6 アル
キル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−
プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、
n−ペンチル、n−ヘキシル等)が挙げられ、C1-3
ルキル基がより好ましい。上記「シクロアルキル基」の
好ましい例としては、C3-8 シクロアルキル基(例えば
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シク
ロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等)が挙
げられる。上記「アリール基」の好ましい例としては、
6-12アリール基(例えばフェニル、ナフチル、ビフェ
ニリル等)が挙げられる。上記「アラルキル基」の好ま
しい例としては、C7-19アラルキル基(例えばベンジ
ル、フェネチル、ベンズヒドリル、トリチル、ナフチル
エチル等)が挙げられる。上記「複素環基」の好ましい
例としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択
されるヘテロ原子1〜4個を含有する5又は6員複素環
基が挙げられ、具体的には、例えばピロリジノ、2−オ
キソピロリジノ、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリ
ル、イミダゾリル、フリル、チエニル、オキサゾリル、
イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、ピペ
リジノ、ピペリジニル、ピリジル、ピリダジニル、ピラ
ジニル、ピペラジニル、ピリミジニル、インドリル、
1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリ
ル、1,3,4−トリアゾリル、テトラゾリル、1,3
−ジオキソラニル、モルホリノ、モルホリニル等が挙げ
られる。これらの複素環基は、5又は6員環(例えばベ
ンゼン、ピリジン、シクロヘキサン等)と二環性縮合環
基(例えば8−キノリル、8−プリニル等)を形成して
いてもよい。また、上記アルキル、シクロアルキル、ア
リール、アラルキル、複素環基は、さらに1〜3個の適
当な置換基(例えば水酸基、カルボキシ基、C1-6アル
キル基で置換されていてもよいアミノ基等)で置換され
ていてもよい。
【0028】R1及びR2の定義中、「置換基を有してい
てもよいアミノ基」における置換基としては、C1-6
ルキル基が好ましく、C1-3 アルキル基がより好まし
い。R1及びR2の定義中、「置換基を有していてもよい
カルボキシル基」の好ましい例としては、カルボキシル
基及びエステル類、アミド類等のカルボキシル基の誘導
体が挙げられる。上記「エステル類」の例としては、ア
ルキルエステル類、シクロアルキルエステル類、アリー
ルエステル類、アラルキルエステル類、複素環で置換さ
れたアルキルエステル類等が挙げられ、上記「アミド
類」の例としては、未置換のアミド及びモノ−又はジ−
置換アミド等が挙げられる。置換アミドが有する置換基
の例としては、アルキル、シクロアルキル、アリール、
アラルキル、複素環で置換されたアルキル等が挙げら
れ、これらは、カルボキシル基又はアミノ低級アルキル
基で置換されていてもよい。これらのアルキル、シクロ
アルキル、アリール、アラルキル、複素環基の好ましい
例としては、上述と同様のものが挙げられる。上記アミ
ドがジ置換アミドの場合には、それらが結合している窒
素原子と共に環を形成していてもよい。そのような環の
例としては、窒素原子1〜2個を含有する6員環(例え
ばピリジン、ピラジン等)等が挙げられ、これらの窒素
原子を含有する環は、例えば低級アルキル、アラルキル
等の置換基を有していてもよい。
【0029】R1又はR1'としては、水素原子が好まし
い。R2又はR2'としては、水素原子又はモノ−又はジ
−低級アルキルアミノ基で置換されていてもよい低級ア
ルキル基が好ましい。
【0030】R3の定義中、「炭化水素基」の好ましい
例としては、低級アルキル基、アリール基、アラルキル
基等の炭素数1〜20の炭化水素基が挙げられる。これ
らの中で、アリール基が特に好ましい。上記「低級アル
キル基」の好ましい例は、R 1、R2、R1'及びR2'にお
ける定義と同じである。上記「アリール基」の例として
は、炭素数6〜12のアリール基が挙げられ、好ましい
例としては、フェニル、トリル、キシリル、クメニル、
メシチル、ビフェニリル、ナフチル等が挙げられる。こ
れらの中で、特に好ましい例としては、フェニル、トリ
ル等が挙げられる。上記「アラルキル基」の好ましい例
としては、ベンジル、フェネチル等が挙げられる。R3
の定義中、「複素環基」の例としては、R1又はR2にお
ける置換基の定義で説明したものと同様のものが挙げら
れ、それらの中で好ましい例としては、ピリジルメチ
ル、ピリジルエチル、ピリジル、フルフリル等が挙げら
れる。
【0031】R4の定義中、「置換基を有していてもよ
いアルキル基」におけるアルキル基の例としては、直鎖
状もしくは分枝状のC1-8 アルキル基(例えばメチル、
エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプ
チル、オクチル、イソプロピル、イソブチル、ネオペン
チル、tert−ブチル等)が挙げられ、好ましい例として
は、直鎖状もしくは分枝状のC1-3 アルキル基(例えば
メチル、エチル、プロピル等)が挙げられる。
【0032】R4の定義中、「置換基を有していてもよ
いアルキル基」が有する置換基の例としては、芳香環
基、1〜3個の水酸基、置換基を有していてもよい1〜
3個のアミノ基等が挙げられる。上記「芳香環基」にお
ける芳香環の例としては、窒素原子を1〜3個含有して
いてもよいC6-12芳香環が挙げられ、具体的には、例え
ばピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリ
アジン、キノリン、イソキノリン、ベンゼン、ナフタレ
ン等が挙げられる。これらのC6-12芳香環は、C 1-6
ルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル等)、C1-6 アルコキシ基(例えばメトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシ
等)、芳香環基(例えばフェニル、ピラジニル等)等で
置換されていてもよい。上記「置換基を有していてもよ
いアミノ基」の例としては、メチルアミノ、エチルアミ
ノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、メチルベンジルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ等
が挙げられる。
【0033】R4の定義中、「置換基を有していてもよ
いアルキル基」が有する置換基の好ましい例としては、
水酸基が挙げられる。R4としては、水素原子又は置換
基を有していてもよいC1-3 アルキル基が好ましい。
【0034】R1とR2が、それらが結合している炭素原
子と共に窒素原子1〜2個を含有していてもよい芳香環
を形成した場合、その形成される芳香環の好ましい例と
しては、ベンゼン、ピリジン、ピラジン等の6員芳香環
が挙げられ、これらの中で特に好ましい例としては、ベ
ンゼンが挙げられる。Yとしては、式
【化19】 で表される基が好ましく、Y'としては、基
【化20】 が好ましい。Bで示される縮合環を形成していてもよい
5又は6員複素環基は、任意に置換基を有していてもよ
い。該置換基の例としては、A又はA'が有していても
よい置換基と同様のものが挙げられる。
【0035】Bとしては、縮合環を形成していてもよい
5員複素環基が好ましい。より好ましくは、Bは、前記
一般式(VI)で表される5員複素環基であり、とりわけ
前記一般式(VI)において、R1が水素原子、低級アル
キル基で置換されたカルボキシル基、又は式
【0036】
【化21】 (式中、R5は水素原子を、R6はアミノあるいはカルボ
キシルで置換された低級アルキルを示すか、又はR5
6はそれらが結合している窒素原子と共にさらに窒素
原子を含有していてもよい6員複素環を形成していても
よく、該複素環は、フェニルで置換されていてもよい低
級アルキル基により置換されていてもよい)で表される
基を示し、R2が水素原子あるいはジ低級アルキルアミ
ノで置換されていてもよい低級アルキル基を示すか、又
はR1とR2がそれらが結合している炭素原子と共に窒素
原子を含有していてもよい6員芳香環を形成していても
よく、Yが酸素原子、硫黄原子又は式
【化22】 (式中、R7は水素原子、又は水酸基;低級アルキ
ル、低級アルコキシもしくはフェニルで置換されていて
もよいフェニル基;又はベンゼン環と縮合していても
よい窒素原子を含有する6員複素環基等の置換基〜
によって置換されていてもよいC1-8 アルキル基を示
す)で表される基を示すものが好ましい。
【0037】最も好ましくは、Bは、前記一般式(VI)
で表される5員複素環基であり、とりわけ前記一般式
(VI)において、R1が水素原子を示し、R2が水素原子
又はジ低級アルキルアミノ基で置換された低級アルキル
基を示し、かつYが式
【化23】 (式中、R7'は水素原子又は水酸基によって置換された
1-3 アルキル基を示す)で表される基を示すものが好
ましい。
【0038】一般式(I')及び(I)の定義中、Xと
しては硫黄原子が好ましい。mとしては0〜2の整数が
好ましく、0がより好ましい。nとしては0が好まし
い。一般式(I')又は(I)で表される化合物の好ま
しい例としては、6−〔(イミダゾール−2−イル)チ
オ〕−3−ニトロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
(実施例6−3で製造された化合物)、6−〔〔1−
(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール−2−イル〕チ
オ〕−3−ニトロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
(実施例9−8で製造された化合物)又は6−〔(4−
ジメチルアミノメチルイミダゾール−2−イル)チオ〕
−3−ニトロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン(実施
例11で製造された化合物)、これらの塩等が挙げられ
る。
【0039】一般式(I')及び(I)で表わされるイ
ミダゾール誘導体〔以下、それぞれ化合物(I')及び
(I)と略することもある〕は、その分子中に塩基性を
示す基又は酸性を示す基が存在するとき、酸又は塩基と
塩を形成することができる。これらの塩の種類は、特に
限定されない。塩基性を示す基が存在するときの塩の例
としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン
塩等の無機酸との塩や、酢酸、酒石酸、クエン酸、フマ
ール酸、マレイン酸、トルエンスルホン酸、メタンスル
ホン酸等の有機酸との塩が挙げられる。また、酸性を示
す基が存在するときの塩の例としては、アルカリ金属
(例えばナトリウム、カリウム等)との塩が挙げられ
る。上記の塩は、一般に医薬的に許容される塩として使
用することができる。
【0040】本発明の化合物(I')は、例えば以下の
方法で製造することができる。 一般式(II')
【0041】
【化24】 〔式中、各記号は上記と同意義を有し、Zは反応性基を
示す〕で表わされる化合物又はその塩と一般式(III)
【0042】
【化25】 〔式中、各記号は上記と同意義を有する〕で表わされる
化合物又はその塩とを、又は 一般式(IV')
【0043】
【化26】 〔式中、各記号は上記と同意義を有する〕で表わされる
化合物又はその塩と一般式(V)
【0044】
【化27】 〔式中、各記号は上記と同意義を有する〕で表わされる
化合物又はその塩とを、下記反応条件下で反応させるこ
とにより製造することができる。
【0045】一般式(II')及び一般式(V)の定義に
おいて、Zで示されている反応性基としては、当該分野
で一般的に用いられる反応性基を使用することができ
る。反応性基の好ましい例としては、例えばハロゲン原
子(例えば塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等)、C6 〜C
10アリールスルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホ
ニルオキシ、p−トリルスルホニルオキシ等)、C1
4アルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホ
ニルオキシ等)等が挙げられる。
【0046】一般式(II')、(III)、(IV')及び
(V)の各定義(Zを除く)における好ましい例は、一
般式(I')での説明と同様である。本反応は、エーテ
ル類(例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばジクロ
ロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素
等)、炭化水素類(例えばベンゼン、トルエン、ヘキサ
ン、ヘプタン等)、ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド等の溶媒中で行うことができる。
【0047】また、本反応は、必要により、塩基の存在
下で行うことができ、このような塩基としては、例えば
4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、トリ
エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン等の
有機塩基や、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の無機塩基、水素化ナトリウム、
水素化カリウム等が用いられる。
【0048】本反応において、反応温度は約−50℃〜
100℃が適切であり、約0℃〜50℃が好ましい。反
応時間は通常約1〜48時間であり、約5〜10時間が
好ましい。本反応を行う場合は、一般式(II')又は
(V)で表わされる化合物1モルに対して、一般式(II
I)又は(IV')で表わされる化合物を約1〜10モル量
使用するのが適切であり、約1〜3モル量使用するのが
好ましい。
【0049】本反応で合成された反応生成物は、公知の
手段、例えば溶媒抽出、液性変換、転溶、塩析、晶出、
再結晶、クロマトグラフフィー等によって単離精製する
ことができる。上記反応によって得られる化合物
(I')は、所望により、当該分野で一般的に用いられ
ている常法に従って、その塩に変換することができる。
【0050】なお、化合物(I')を製造する際に使用
される原料化合物(II')、(III)、(IV')及び
(V)の塩としては、化合物(I')で適用される塩と
同様の塩を適用することができる。上記の化合物
(I')を製造する際に使用される原料化合物(II')、
(III)、(IV')及び(V)は、自体公知の方法又は後
述の実施例に記載の方法あるいはそれに準じた方法等に
よって合成することができる。
【0051】本発明の化合物(I)は、例えば 一般式(II)
【0052】
【化28】 〔式中、各記号は上記と同意義を有する〕で表される化
合物又はその塩と前記化合物(III)又はその塩とを、
又は 一般式(IV)
【0053】
【化29】 〔式中、各記号は上記と同意義を有する〕で表される化
合物又はその塩と前記化合物(V)又はその塩とを、上
記化合物(I')の製造方法と同様の反応条件下で反応
させることにより製造することができる。
【0054】本発明の化合物(I)又はその塩は、抗菌
作用、特にヘリコバクター・ピロリに代表されるヘリコ
バクター属菌に対する強い抗菌活性を有するために、抗
菌剤として、上記のようなヘリコバクター・ピロリに起
因する各種消化器系統の疾患(例えば十二指腸潰瘍、胃
潰瘍、慢性胃炎等)の予防又は治療に有効である。ま
た、本発明の化合物(I)又はその塩は、ヘリコバクタ
ー属菌以外に、スタフィロコッカス・アウレウス等のグ
ラム陽性菌、及びヘモフィルス・インフルエンザエ、モ
ラキセラ・カタラリス等のグラム陰性菌にも抗菌作用を
示す。
【0055】更に、本発明の化合物(I)又はその塩
は、ヘリコバクター・ピロリに起因しないストレス性潰
瘍のような潰瘍の予防又は治療にも有効であり、新規な
抗潰瘍剤として十二指腸潰瘍及び胃潰瘍等の予防又は治
療に有効である。本発明の化合物(I)又はその医薬的
に許容される塩は、抗菌剤及び抗潰瘍剤として、ヒト等
の哺乳動物に経口的又は非経口的に投与することがで
き、一般に、経口的な投与が好ましい。
【0056】経口投与する場合の剤形の例としては、例
えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、
丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を
含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等が挙げられる。ま
た、非経口投与する場合の剤形の例としては、例えば注
射剤、注入剤、点滴剤、坐剤等が挙げられる。
【0057】本発明の化合物(I)又はその医薬的に許
容される塩を上記の剤形に製造する方法としては、当該
分野で一般的に用いられている自体公知の製造方法を適
用することができる。また、上記の剤形に製造する場合
には、必要に応じて、その剤形に製する際に製剤分野に
おいて通常用いられる賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢
剤、甘味剤、界面活性剤、懸濁化剤、乳化剤等を含有さ
せて製造することができる。
【0058】例えば、本発明の化合物(I)又はその医
薬的に許容される塩を錠剤に製する場合には、賦形剤、
結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を含有させて製造することが
でき、丸剤及び顆粒剤に製する場合には、賦形剤、結合
剤、崩壊剤等を含有させて製造することができる。ま
た、散剤及びカプセル剤に製する場合には賦形剤等を、
シロップ剤に製する場合には甘味剤等を、乳剤及び懸濁
剤に製する場合には懸濁化剤、界面活性剤、乳化剤等を
含有させて製造することができる。賦形剤の例として
は、乳糖、白糖、ブドウ糖、でんぷん、蔗糖、微結晶セ
ルロース、カンゾウ末、マンニトール、炭酸水素ナトリ
ウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられ
る。結合剤の例としては、5〜10重量%デンプンのり
液、10〜20重量%アラビアゴム液又はゼラチン液、
1〜5重量%トラガント液、カルボキシメチルセルロー
ス液、アルギン酸ナトリウム液、グリセリン等が挙げら
れる。崩壊剤の例としては、でんぷん、炭酸カルシウム
等が挙げられる。滑沢剤の例としては、ステアリン酸マ
グネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、
精製タルク等が挙げられる。甘味剤の例としては、ブド
ウ糖、果糖、転化糖、ソルビトール、キシリトール、グ
リセリン、単シロップ等が挙げられる。界面活性剤の例
としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート8
0、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリ
オキシル40等が挙げられる。懸濁化剤の例としては、
アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ベントナ
イト等が挙げられる。乳化剤の例としては、アラビアゴ
ム、トラガント、ゼラチン、ポリソルベート80等が挙
げられる。
【0059】更に、本発明の化合物(I)又はその医薬
的に許容される塩を上記の剤形に製造する場合には、所
望により、製剤分野において通常用いられる着色剤、保
存剤、芳香剤、矯味剤、安定剤、粘稠剤等を添加するこ
とができる。一般式(I)で表される化合物又はその医
薬的に許容される塩は、安定かつ低毒性で安全に使用す
ることができる。その1日の投与量は患者の状態や体
重、化合物の種類、投与経路等によって異なるが、経口
投与の場合には、成人1日当たりの投与量は約1〜約5
00mgが適切であり、約10〜約200mgが好まし
い。上記の投与量の範囲では、毒性は見られない。
【0060】また、本発明の化合物(I)又はその医薬
的に許容される塩は、他の抗菌剤及び抗潰瘍剤と併用し
て投与することもできる。以下実施例、製剤例、試験例
を示して、本発明をより具体的に説明するが、本発明は
これらに限定されないものであることはいうまでもな
い。
【0061】実施例11−(ベンズオキサゾール−2−イル)チオエチル−2
−メチル−5−ニトロイミダゾールの製造
【0062】
【化30】 (1)2−メチル−5−ニトロ−1−〔2−(トルエン
スルホニルオキシ)エチル〕イミダゾール 2−メチル−5−ニトロ−1−イミダゾールエタノール
(5.2g)、塩化パラトルエンスルホン酸(5.7
g)及びトリエチルアミン(3.4g)を、ジクロロメ
タン(100ml)に溶解し、40℃で終夜攪拌した。水
洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、残
渣にエチルエーテルを加えて濾取することにより、2−
メチル−5−ニトロ−1−〔2−(トルエンスルホニル
オキシ)エチル〕イミダゾールの結晶(8.9g)を得
た。
【0063】(2)1−(ベンズオキサゾール−2−イ
ル)チオエチル−2−メチル−5−ニトロイミダゾール 水素化ナトリウム(60重量%含量)(0.132g)
を、ジメチルホルムアミド(10ml)に加えて室温で1
0分間攪拌し、さらに2−メルカプトベンズオキサゾー
ル(0.45g)を加えて室温で30分間攪拌した。攪
拌後、5−メチル−2−ニトロ−1−〔2−(トルエン
スルホニルオキシ)エチル〕イミダゾール(0.97
g)をさらに加え、60℃で終夜加熱攪拌した。その
後、反応液に水(100ml)を加え、ジクロロメタンで
抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を
留去し、残渣をジクロロメタン/エチルエーテルより再
結晶させることにより、1−(ベンズオキサゾール−2
−イル)チオエチル−2−メチル−5−ニトロイミダゾ
ール(0.80g)が得られた。 融点 144〜145℃ 元素分析:C131243S 理論値:C 51.31 H 3.97 N 18.41 実測値:C 51.15 H 4.04 N 18.34
【0064】実施例21−(ベンズイミダゾール−2−イル)チオエチル−2
−メチル−5−ニトロイミダゾールの製造
【0065】
【化31】 2−メルカプトベンズオキサゾール(0.45g)の代
わりに2−メルカプトベンズイミダゾール(0.45
g)を使用し、実施例1に記載の方法に準じて2−メチ
ル−5−ニトロ−1−〔2−(トルエンスルホニルオキ
シ)エチル〕イミダゾールと反応させることにより、標
記化合物(0.52g)が得られた。 融点 290〜292℃(分解) 元素分析:C131352S・1/2H2O 理論値:C 49.99 H 4.52 N 22.42 実測値:C 50.31 H 4.48 N 22.71
【0066】実施例31−(ベンズチアゾール−2−イル)チオエチル−2−
メチル−5−ニトロイミダゾールの製造
【0067】
【化32】 2−メルカプトベンズオキサゾール(0.45g)の代
わりに2−メルカプトベンズチアゾール(0.45g)
を使用し、実施例1に記載の方法に準じて2−メチル−
5−ニトロ−1−〔2−(トルエンスルホニルオキシ)
エチル〕イミダゾールと反応させることにより、標記化
合物(0.61g)が得られた。 融点 121〜122℃ 元素分析:C1312422 理論値:C 48.73 H 3.78 N 17.49 実測値:C 48.71 H 3.79 N 17.42
【0068】実施例46−(ベンズオキサゾール−2−イル)チオ−3−ニト
ロイミダゾ[1,2−b]ピリダジンの製造
【0069】
【化33】 水素化ナトリウム(60%含量)(0.132g)を、
ジメチルホルムアミド(10ml)に懸濁し、2−メルカ
プトベンズオキサゾール(0.45g)を加えて室温で
10分間攪拌した。攪拌後、6−クロロ−3−ニトロイ
ミダゾ[1.2−b]ピリダジン(0.60g)をさら
に加え、120℃で10時間加熱攪拌した。その後、さ
らに水(100ml)を加え、ジクロロメタンで抽出し
た。抽出後、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶
媒を留去し、残渣をジクロロメタンより再結晶させるこ
とにより、6−(ベンズオキサゾール−2−イル)チオ
−3−ニトロイミダゾ[1,2−b]ピリダジンの結晶
(0.56g)が得られた。 融点 176〜178℃ 元素分析:C13753S 理論値:C 49.84 H 2.25 N 22.35 実測値:C 49.72 H 2.05 N 21.97
【0070】実施例56−(ベンズイミダゾール−2−イル)チオ−3−ニト
ロイミダゾ[1.2−b]ピリダジンの製造
【0071】
【化34】 2−メルカプトベンズオキサゾール(0.45g)の代
わりに2−メルカプトベンズイミダゾール(0.45
g)を用い、実施例4に記載の方法に準じ、標記化合物
(0.60g)を得た。 融点 283〜285℃ 元素分析:C13862S 理論値:C 50.00 H 2.58 N 26.91 実測値:C 50.13 H 2.41 N 26.73
【0072】実施例6 6−クロロ−3−ニトロイミダゾ[1,2−b]ピリダ
ジンを用い、実施例4に記載の方法に準じ、表1に示す
化合物を得た。
【0073】
【表1】
【0074】実施例7 5−クロロ−3−ニトロイミダゾ[1,2−a]ピリジ
ンを用い、実施例4に記載の方法に準じ、表2に示す化
合物を得た。
【0075】
【表2】
【0076】実施例81−ベンジル−2−〔(3−ニトロイミダゾ[1,2−
b]−ビリダジン−6−イル)チオ〕イミダゾール・1
塩酸
【0077】
【化35】 実施例6−3で得られた2−〔(3−ニトロイミダゾ
[1,2−b]−ピリダジン−6−イル)チオ〕イミダ
ゾール(262mg)を水素化ナトリウム(6%)(40m
g)のジメチルホルムアミド(20ml)の懸濁液に0℃
で加えた後、10分間攪拌した。反応液に臭化ベンジル
(170mg)を加え3時間室温で攪拌した後、反応液に
水(100ml)を加え、ジクロロメタンで抽出後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、得ら
れた固体をジクロロメタンに溶解し、4規定塩化水素の
酢酸エチルエステル溶液(1ml)を加えた。溶媒を留去
後、残渣をエタノール−エチルエーテルより再結晶し、
融点147−150℃の1−ベンジル−2−〔(3−ニ
トロイミダゾ[1,2−b]−ビリダジン−6−イル)
チオ〕イミダゾール・1塩酸の無色結晶(154mg)を
得た。 元素分析:C161262S・HCl 理論値 :C 49.42 H 3.37 N 21.61 実測値 :C 49.11 H 3.27 N 21.64
【0078】実施例9 実施例6で得られた2−〔(3−ニトロイミダゾ[1,
2−b]ピリダジン−6−イル)チオ〕イミダゾールを
用い、実施例8に記載の方法に準じ、表3に示す化合物
を得た。
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】実施例106−(ベンズイミダゾール−2−イル)オキシ−3−ニ
トロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
【0082】
【化36】 2−ヒドロキシベンズイミダゾール(0.8g)と6−
クロロ−3−ニトロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン
(0.6g)のジメチルホルムアミド(20ml)溶液に
水素化ナトリウム(60%)(0.12g)を加え、室
温で2日間撹拌した。溶媒を留去後、残渣を水、メタノ
ール、ジメチルスルホキシドで洗浄し、融点322−3
23℃の6−(ベンズイミダゾール−2−イル)オキシ
−3−ニトロイミダゾ[1,2−b]ピリダジンの無色
結晶(0.22g)を得た。 元素分析: C13863 理論値: C 52.71 H 2.72 N 28.37 実測値: C 53.12 H 2.82 N 28.14
【0083】実施例116−〔(4−ジメチルアミノメチルイミダゾール−2−
イル)チオ〕−3−ニトロイミダゾ[1,2−b]ピリ
ダジン・3塩酸塩
【0084】
【化37】 50%ジメチルアミン水溶液(990mg)を0℃に冷却
し、そこへ酢酸(1ml)と37%ホルムアルデヒド
(1.2g)を加えた。この溶液に、実施例6−3で得
られた2−〔(3−ニトロイミダゾ[1,2−b]ピリ
ダジン−6−イル)チオ〕イミダゾール(0.26g)
を加え、50℃で48時間加熱撹拌した。反応溶液に1
規定水酸化ナトリウム水溶液(20ml)を加え、ジクロ
ロメタンで抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで分離精製し、それに4規定塩化水素の酢酸エチル
エステル溶液(1ml)を加えた。溶媒を留去し、析出し
た結晶をジクロロメタンに懸濁させ、濾取することによ
り、融点175−177℃の6−〔(4−ジメチルアミ
ノメチルイミダゾール−2−イル)チオ〕−3−ニトロ
イミダゾ[1,2−b]ピリダジン・3塩酸塩の無色結
晶(52mg)を得た。 元素分析: C121372S・3HCl 理論値: C 33.62 H 3.76 N 22.87 実測値: C 33.54 H 3.89 N 22.37
【0085】実施例125−メチル−4−(4−メチルピペラジノカルボニル)
−2−〔(3−ニトロイミダゾ[1,2−b]ピリダジ
ン−6−イル)チオ〕イミダゾール・2塩酸塩
【0086】
【化38】 4−カルボキシ−5−メチル−2−メルカプトイミダゾ
ール(158mg)、N−メチルピペラジン(100mg)
及びトリエチルアミン(100mg)のジメチルホルムア
ミド(10ml)溶液にシアノりん酸ジエチル(196m
g)を加え、0℃で30分間撹拌した。水(5ml)を加
えて室温で30分間撹拌した後、溶媒を留去し、析出す
る固体をエーテルに懸濁し、濾取した(248mg)。こ
れを実施例4と同様の操作に付し、得られた5−メチル
−4−(4−メチルピペラジノ)カルボニル−2−
〔(3−ニトロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6
−イル)チオ〕イミダゾール(30mg)を塩酸塩に変換
し、融点194−196℃の5−メチル−4−(4−メ
チルピペラジノカルボニル)−2−〔(3−ニトロイミ
ダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル)チオ〕イミ
ダゾール・2塩酸塩の無色結晶(43mg)を得た。 元素分析: C161883S・2HCl 理論値: C 43.79 H 4.36 N 25.53 実測値: C 43.92 H 4.43 N 25.32
【0087】実施例134−(4−ベンジルピペラジノカルボニル)−5−メチ
ル−2−〔(3−ニトロイミダゾ[1,2−b]ピリダ
ジン−6−イル)チオ〕イミダゾール・2塩酸塩
【0088】
【化39】 4−カルボキシ−5−メチル−2−メルカプトイミダゾ
ールを用い、実施例12に記載の方法に準じ、融点17
8−180℃の4−(4−ベンジルピペラジノカルボニ
ル)−5−メチル−2−〔(3−ニトロイミダゾ[1,
2−b]ピリダジン−6−イル)チオ〕イミダゾール・
2塩酸塩の無色結晶を得た。 元素分析: C222283S・2HCl・1/2H2O 理論値: C 47.15 H 4.50 N 19.99 実測値: C 46.89 H 4.71 N 19.51
【0089】実施例144−〔(5−アミノ−1−カルボキシ)ペンチルアミノ
カルボニル〕−5−メチル−2−〔(3−ニトロイミダ
ゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル)チオ〕イミダ
ゾール・2塩酸塩
【0090】
【化40】 4−カルボキシ−5−メチル−2−メルカプトイミダゾ
ール(316mg)とNε−第三ブトキシカルボニルリジ
ン第三ブチルエステル(604mg)とを用いて、実施例
12に記載の方法に準じ、4−〔(5−第三ブトキシカ
ルボニルアミノ−1−第三ブトキシカルボニル)ペンチ
ルアミノカルボニル〕−5−メチル−2−〔(3−ニト
ロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル)チ
オ〕イミダゾール(402mg)を得た。この化合物(2
11mg)をトリフルオロ酢酸(5ml)に溶解し、室温で
30分間放置した。トリフルオロ酢酸を留去し、アセト
ニトリル(10ml)に溶解後、濃塩酸(0.105ml)
を加えた。溶媒を留去し、析出する結晶をエチルエーテ
ルに懸濁させ、濾取することにより、融点178−18
0℃の4−(5−アミノ−1−カルボキシ)ペンチルア
ミノカルボニル−5−メチル−2−〔(3−ニトロイミ
ダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル)チオ〕イミ
ダゾール・2塩酢塩の無色結晶(187mg)を得た。 元素分析: C172085S・2HCl 理論値 C 39.16 H 4.25 N 21.49 実測値 C 39.31 H 4.19 N 21.17
【0091】実施例154−〔(1,2−ジカルボキシ)エチルアミノカルボニ
ル〕−5−メチル−2−〔(3−ニトロイミダゾ[1,
2−b]ピリダジン−6−イル)チオ〕イミダゾール・
1塩酸塩
【0092】
【化41】 4−カルボキシ−5−メチル−2−メルカプトイミダゾ
ールとアスパラギン酸ジ第三ブチルエステルを用いて、
実施例12及び実施例14に記載の方法に準じ、融点1
70−172℃の4−〔(1,2−ジカルボキシ)エチ
ルアミノカルボニル〕−5−メチル−2−〔(3−ニト
ロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル)チ
オ〕イミダゾール・1塩酸塩の無色結晶を得た。 元素分析: C151377S・HCl 理論値 C 38.17 H 2.78 N 20.78 実測値 C 38.01 H 2.54 N 20.92
【0093】製剤例1 カプセル剤 (1)実施例9−8で得られた化合物 10mg (2)ラクトース 90mg (3)微結晶セルロース 70mg (4)ステアリン酸マグネシウム 10mg 1カプセル 180mg 上記(1)、(2)及び(3)の全量と5mgの(4)を
混和した後、顆粒化し、これに残りの(4)(5mg)を
加えて、全体をゼラチンカプセルに封入した。
【0094】製剤例2 錠剤 (1)実施例9−8で得られた化合物 10mg (2)ラクトース 35mg (3)コーンスターチ 150mg (4)微結晶セルロース 30mg (5)ステアリン酸マグネシウム 5mg 1錠 230mg 上記(1)、(2)及び(3)の全量と20mgの(4)
及び2.5mgの(5)を混和した後、顆粒化し、この顆
粒に残りの(4)(10mg)及び(5)(2.5mg)を
加えて加圧成型し、錠剤とした。
【0095】試験例1ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)に対
する抗菌活性試験 (試験方法)実施例1〜6、9及び10で合成した化合
物を使用し、各々の抗菌活性を以下の方法〔寒天希釈
(Agar Dilution)方法〕によって測定した。被験化合
物を、各々ジメチルスルホキシドに溶解し、滅菌蒸留水
で2倍ずつ段階的に希釈することによって被験サンプル
を調製した。培地として7%馬血液加Brucella agar を
使用し、調製した被験サンプル2ミリリットルを、各々
7%馬血液加Brucella agar 18ミリリットルと混和す
ることによって、測定用平板を作製した。
【0096】被験菌として、ヘリコバクター・ピロリ菌
株 NCTC11637、CPY433 を使用し。各々の被験菌は、
2.5%牛胎児血清加Brucella broth培地を使用して、
CampyPakTM(BBLR Beckton Dickinson Microbiology Sys
tems) を挿入したガスパックジャー中で、37℃、20時
間振盪培養した。同培地で約106CFU/mlに調製した各
菌液5マイクロリットルを、各々の測定用平板に接種
し、CampyPakTMと水を含ませた脱脂綿を挿入したガスパ
ックジャー中で、37℃、4日間培養した。培養後、菌
株の発育を肉眼で観察し、菌株の発育が観察されない最
低濃度を該被験化合物のMIC値(最小発育阻止濃度)
とした。陽性対照として、メトロニダゾール(公知の抗
ヘリコバクター・ピロリ作用を有するイミダゾール誘導
体)を使用し、被験化合物と同様に操作してメトロニダ
ゾールのMIC値を求めた。
【0097】(試験結果)被験化合物(実施例1〜6、
9及び10で合成した化合物)とメトロニダゾール(陽
性対照)のMIC値の結果を表4に示す。
【0098】
【表5】 表4から、試験に使用したヘリコバクター・ピロリの全
ての菌株において、本発明の化合物は、メトロニダゾー
ルよりも強い抗菌活性を有していることが明らかであ
る。
【0099】
【発明の効果】本発明の化合物(I')、(I)又はそ
の塩は、ヘリコバクター・ピロリに代表されるヘリコバ
クター属菌に対して強い抗菌活性を有している。従っ
て、本発明の化合物(I')、(I)又はその塩を使用
すれば、ヘリコバクター属菌(特にヘリコバクター・ピ
ロリ)に対する従来の抗菌剤の有効量より非常に少ない
投与量で望ましい抗菌効果を得ることができる。
【0100】本発明の化合物(I')、(I)又はその
塩は、特にヘリコバクター・ピロリに代表されるヘリコ
バクター属菌に対する強い抗菌活性を有するために、抗
菌剤として、ヘリコバクター属菌に起因する十二指腸潰
瘍、胃潰瘍、慢性胃炎等の各種の疾患の予防又は治療に
有効であり、ヘリコバクター・ピロリは潰瘍を再発させ
る大きな原因でもあるため、本発明の化合物(I')、
(I)又はその塩は、潰瘍の再発防止にも有効である。
【0101】また、本発明の化合物(I')、(I)又
はその塩は、スタフィロコッカス・アウレウス等のグラ
ム陽性菌、及びヘモフィルス・インフルエンザエ、モラ
キセラ・カタラリス等のようなグラム陰性菌に対する優
れた抗菌作用も有している。従って、本発明の化合物
(I')、(I)又はその塩は、抗菌剤として、これら
の菌に起因する各種の疾患の予防又は治療にも有効であ
る。
【0102】更に、本発明の化合物(I')、(I)又
はその塩は、上記の作用に加えて、抗潰瘍剤として、ヘ
リコバクター属菌に起因しないストレス性潰瘍のような
潰瘍の予防又は治療にも有効である。本発明の化合物
(I')、(I)又はその塩は、安定かつ低毒性であ
る。即ち、本発明は、副作用のない優れた抗菌剤及び抗
潰瘍剤を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 403/12 223 417/12 223 487/04 144 7019−4C 519/00 301

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I') 【化1】 〔式中、A'はイミダゾール環上に少なくとも1つのニ
    トロ基を有する縮合イミダゾリル基を、Xは酸素原子又
    は硫黄原子を、Bは縮合環を形成していてもよい5又は
    6員複素環基を、m及びnはそれぞれ0〜4の整数を示
    す〕で表わされるイミダゾール誘導体又はその塩。
  2. 【請求項2】 Bが、一般式(VI) 【化2】 〔式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子、置換基を有し
    ていてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよ
    いアミノ基もしくは置換基を有していてもよいカルボキ
    シル基を示すか、又はR1とR2はそれらが結合している
    炭素原子と共に窒素原子を含有していてもよい芳香環を
    形成していてもよく、R1及びR2が結合している炭素原
    子間の結合は一重結合又は二重結合であり(一重結合の
    場合には2個の水素が付加されていることを示す)、Y
    は酸素原子、硫黄原子又は式 【化3】 (式中、R4は水素原子又は置換基を有していてもよい
    アルキル基を示す)で表される基を示す〕で表わされる
    5員複素環基である請求項1記載のイミダゾール誘導
    体。
  3. 【請求項3】 Bが、一般式(VII) 【化4】 〔式中、R1'及びR2'はそれぞれ水素原子もしくは低級
    アルキル基を示すか、又はR1'とR2'はそれらが結合し
    ている炭素原子と共に窒素原子を含有していてもよい芳
    香環を形成していてもよく、R1'及びR2'が結合してい
    る炭素原子間の結合は一重結合又は二重結合であり(一
    重結合の場合には2個の水素が付加されていることを示
    す)、R3は水素原子、炭化水素基又は複素環基を、Y'
    は酸素原子、硫黄原子又は基 【化5】 を示す〕で表わされる6員複素環基である請求項1記載
    のイミダゾール誘導体。
  4. 【請求項4】 縮合イミダゾリル基が、環を構成する原
    子として2〜4個の窒素原子を有する請求項1記載のイ
    ミダゾール誘導体。
  5. 【請求項5】 A'が、イミダゾールと6員複素環との
    縮合イミダゾリル基である請求項1記載のイミダゾール
    誘導体。
  6. 【請求項6】 A'が、イミダゾールと窒素原子を含有
    する6員複素環との縮合イミダゾリル基である請求項1
    記載のイミダゾール誘導体。
  7. 【請求項7】 A'が、イミダゾールとピリジン、ピリ
    ダジン、ピリミジン、ピラジン又はトリアジンとの縮合
    イミダゾリル基である請求項1記載のイミダゾール誘導
    体。
  8. 【請求項8】 A'が、イミダゾールとピリジン又はピ
    リダジンとの縮合イミダゾリル基である請求項1記載の
    イミダゾール誘導体。
  9. 【請求項9】 A'が、2−又は3−ニトロイミダゾ
    [1,2−b]ピリダジン−6−イル基である請求項1
    記載のイミダゾール誘導体。
  10. 【請求項10】 A'が、2−又は3−ニトロイミダゾ
    [1,2−a]ピリジン−5−イル基である請求項1記
    載のイミダゾール誘導体。
  11. 【請求項11】 R1及びR2が、それぞれ水素原子又は
    置換基を有する低級アルキル基である請求項2記載のイ
    ミダゾール誘導体。
  12. 【請求項12】 R1及びR2の何れか一方が、モノ−又
    はジ−低級(C1-6)アルキルアミノ基で置換された低
    級アルキル基である請求項2記載のイミダゾール誘導
    体。
  13. 【請求項13】 R1及びR2が、それぞれ炭素数1〜6
    の直鎖又は分枝状のアルキル基である請求項2記載のイ
    ミダゾール誘導体。
  14. 【請求項14】 Xが硫黄原子である請求項1記載のイ
    ミダゾール誘導体。
  15. 【請求項15】 Yが、式 【化6】 (式中、R4は水素原子又は置換基を有する低級アルキ
    ル基を示す)で表される基である請求項2記載のイミダ
    ゾール誘導体。
  16. 【請求項16】 m及びnが共に0である請求項1記載
    のイミダゾール誘導体。
  17. 【請求項17】 6−〔(イミダゾール−2−イル)チ
    オ〕−3−ニトロイミダゾ[1,2−b]ピリダジン又
    はその塩である請求項1記載のイミダゾール誘導体。
  18. 【請求項18】 6−〔〔1−(2−ヒドロキシエチ
    ル)イミダゾール−2−イル〕チオ〕−3−ニトロイミ
    ダゾ[1,2−b]ピリダジン又はその塩である請求項
    1記載のイミダゾール誘導体。
  19. 【請求項19】 6−〔(4−ジメチルアミノメチルイ
    ミダゾール−2−イル)チオ〕−3−ニトロイミダゾ
    [1,2−b]ピリダジン又はその塩である請求項1記
    載のイミダゾール誘導体。
  20. 【請求項20】 一般式(I) 【化7】 〔式中、Aはイミダゾール環上に少なくとも1つのニト
    ロ基を有するイミダゾール−1−イル又は縮合イミダゾ
    リル基を示し、X、B、m及びnは一般式(I')にお
    ける定義と同意義を有する〕で表されるイミダゾール誘
    導体もしくはその医薬的に許容される塩を含有してなる
    抗菌剤。
  21. 【請求項21】 Aが、イミダゾール環上に少なくとも
    1つのニトロ基を有する縮合イミダゾリル基である請求
    項20記載の抗菌剤。
  22. 【請求項22】 ヘリコバクター属菌に対して抗菌作用
    を示す請求項20記載の抗菌剤。
  23. 【請求項23】 ヘリコバクター・ピロリに対して抗菌
    作用を示す請求項20記載の抗菌剤。
  24. 【請求項24】 請求項20記載の一般式(I)で表さ
    れるイミダゾール誘導体もしくはその医薬的に許容され
    る塩を含有してなる抗潰瘍剤。
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