JPH08203865A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JPH08203865A
JPH08203865A JP7007906A JP790695A JPH08203865A JP H08203865 A JPH08203865 A JP H08203865A JP 7007906 A JP7007906 A JP 7007906A JP 790695 A JP790695 A JP 790695A JP H08203865 A JPH08203865 A JP H08203865A
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JP
Japan
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reaction chamber
tracer
electrode
plasma
side wall
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JP7007906A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ietomi
洋 家富
Satoru Ito
哲 伊東
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】プラズマ処理装置の経時変化を未然に防止す
る。 【構成】トレーサー1が、試料台12を取り囲むアース
電極11の表面から設定深さの位置に埋め込まれる。反
応室24内のマイクロ波への磁力線31の作用により発
生したプラズマ中のイオン30が、アース電極11に衝
突しアース電極11に損傷を与える。損傷が設定深さに
達したときにプラズマ中に浮遊するトレーサー1は、分
光器2及び質量分析装置3によって検出される。 【効果】トレーサー1の測定によりアース電極11の損
傷の度合を知ることができ、アース電極11は新しいも
のと交換される。このため、プラズマ処理装置の経時変
化が予防される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマ処理装置に係
り、特に、半導体素子基板等をエッチング処理するのに
好適なプラズマ処理装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】従来のプラズマ処理装置は、例えば特公
平4−69414 号公報,特開平4−133322号公報,日立評論
71巻5号,33〜38頁(1989)に記載された電
子サイクロトロン共鳴(ECR)を利用したマイクロ波
導入方式のプラズマ処理装置、及び特開昭55−38043 号
に記載された高周波印加方式の平行平板型プラズマ処理
装置がある。マイクロ波導入方式のプラズマ処理装置に
は、更に高周波を基板電極に印加することにより、電極
に負の自己バイアス(プラズマに対して)を発生させる
タイプもある。平行平板型プラズマ処理装置方式におい
ては、一つの印加された高周波がプラズマ生成及び自己
バイアス誘起の二つの機能を果たしている。この基板電
極の自己バイアスを制御することにより、シースでのイ
オン加速を変化させ、プロセスの最適化を図ることがで
きる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】プラズマ中のイオンは
電子に比べ動きにくく、通常、プラズマ処理装置壁面は
プラズマに対して負の電位をもつ。この結果、イオンが
プラズマとプラズマ処理装置壁面との間のシースを横切
り壁面に衝突するので、その壁面は損傷を受ける。ま
た、基板電極に発生させた負の自己バイアスは、イオン
による電極およびその近傍に位置する壁面の損傷を一層
増加させる。イオン衝突により壁面がこのようにスパッ
タされると、電極表面状態の変化及び壁材物質の浮遊な
どが起こる。電極表面の損傷は、プラズマ状態を変化さ
せ、また壁材物質の浮遊は処理装置内のプラズマ化学反
応に影響を及ぼす可能性がある。
【0004】プラズマ処理装置が主に使われている半導
体デバイスの製造においては、最近、デバイスの微小化
とともにプロセスの条件が一段と厳しくなる傾向があ
る。このため、イオン衝撃によるプラズマ処理装置内の
壁面の損傷、それに起因するプロセス条件の変化は、プ
ラズマ処理装置の経時変化を顕在化させ、半導体デバイ
スの製造における歩留まりを低下させる。このようなプ
ラズマ処理装置の経時変化に対しては、壁材の選択,電
極形状の改善、及び壁面に対する保護膜の被覆などが対
策として考えられる。しかし、壁面損傷に対する検出機
構はこれまで考えられていない。
【0005】本発明の目的は、経時変化を予防でき、被
処理材に対して安定した処理を行うことができるプラズ
マ処理装置を提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、経時変化を予防でき
ると共に保護膜の損傷度合を知ることができるプラズマ
処理装置を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、トレーサー物質の設
置を簡便に行うことができるプラズマ処理装置を提供す
ることにある。
【0008】本発明の他の目的は、イオンの衝突による
損傷をより正確に計測できるプラズマ処理装置を提供す
ることにある。
【0009】本発明の他の目的は、トレーサー物質によ
る被処理材の処理への影響の度合を少なくできるプラズ
マ処理装置を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、イオンによる損傷部
を特定できるプラズマ処理装置を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、損傷の時間的な進行
度合を知ることができるプラズマ処理装置を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求
項1の発明の特徴は、被処理材保持部材,電極、及び反
応室側壁の少なくとも1つの表面部分に設けられたトレ
ーサー物質と,このトレーサー物質を計測する手段とを
備えたことにある。
【0013】上記他の目的を達成する請求項2の発明の
特徴は、被処理材保持部材,電極、及び反応室側壁の表
面に形成された少なくとも1つの保護膜内に設けられた
トレーサー物質と,トレーサー物質を計測する手段とを
備えたことにある。
【0014】上記他の目的を達成する請求項3の発明の
特徴は、被処理材保持部材,電極、及び反応室側壁の少
なくとも1つの表面に取り付けられた、トレーサー物質
を含む小片と,トレーサー物質を計測する手段とを備え
たことにある。
【0015】上記他の目的を達成する請求項4の発明の
特徴は、被処理材保持部材,電極、及び反応室側壁の表
面に形成された少なくとも1つの保護膜に取り付けられ
た、トレーサー物質を含む小片と,トレーサー物質を計
測する手段とを備えたことにある。
【0016】上記他の目的を達成する請求項5の発明の
特徴は、トレーサー物質を含む小片の材質および表面状
態を、小片を取り付ける部分の材質及び表面状態と実質
的に同じくしたことにある。
【0017】上記他の目的を達成する請求項6の発明の
特徴は、トレーサー物質が希ガスであることにある。
【0018】上記他の目的を達成する請求項7の発明の
特徴は、トレーサー物質が被処理材保持部材,電極及び
反応室側壁の少なくとも1つを構成する元素またはその
同位体であることにある。
【0019】上記他の目的を達成する請求項8の発明の
特徴は、トレーサー物質が保護膜を構成する元素または
その同位体であることにある。
【0020】上記他の目的を達成する請求項9の発明の
特徴は、トレーサー物質の設置位置によって異なるトレ
ーサー物質を用いたことにある。
【0021】上記他の目的を達成する請求項10の発明
の特徴は、複数のトレーサー物質の深さを変えて被処理
材保持部材,電極、及び反応室側壁の少なくとも1つに
設けたことにある。
【0022】
【作用】請求項1の発明は、被処理材保持部材,電極、
及び反応室側壁の少なくとも1つの表面部分にトレーサ
ー物質を設けているので、トレーサー物質を設けた上記
部材がイオンの衝突による損傷を受けることによってト
レーサー物質が浮遊する。このトレーサー物質を計測す
ることによって上記部材の損傷を知ることができ、上記
部材の交換時期を知ることができる。このため、上記部
材の交換を適切に行うことができるので、被処理材保持
部材手段に保持された被処理材の経時変化を防止でき被
処理材を安定に処理できる。
【0023】請求項2の発明は、トレーサー物質を保護
膜内に設けているので、上記のように経時変化を予防で
きると共に保護膜の損傷度合を知ることができる。
【0024】請求項3の発明は、トレーサー物質を含む
小片を、被処理材保持部材,電極、及び反応室側壁の少
なくとも1つの表面に取り付けるので、請求項1の作用
と共に、トレーサー物質の上記部材への設置を簡便に行
うことができる。
【0025】請求項4の発明は、トレーサー物質を含む
小片を、被処理材保持部材,電極、及び反応室側壁の表
面に形成された少なくとも1つの保護膜に取り付けるの
で、請求項2の作用と共に、トレーサー物質の上記部材
への設置を簡便に行うことができる。
【0026】請求項5の発明は、トレーサー物質を含む
小片の材質および表面状態を、小片を取り付ける部分の
材質及び表面状態と実質的に同じくしているので、小片
を取り付けた部材の表面状態を模擬でき、その部材にお
けるイオンの衝突による損傷をより正確に計測できる。
【0027】請求項6の発明は、トレーサー物質として
被処理材への影響が最も少ない希ガスを用いているの
で、希ガスがプラズマ中に浮遊しても被処理材の処理へ
の影響の度合が最も少ない。
【0028】請求項7の発明は、トレーサー物質として
被処理材保持部材,電極及び反応室側壁の少なくとも1
つを構成する元素またはその同位体を用いているので、
トレーサー物質がプラズマ中に浮遊しても被処理材の処
理への影響の度合が少ない。請求項8の発明は、トレー
サー物質として保護膜を構成する元素またはその同位体
を用いるので、トレーサー物質がプラズマ中に浮遊して
も被処理材の処理への影響の度合が少ない。
【0029】請求項9の発明は、トレーサー物質の設置
位置によって異なるトレーサー物質を用いているので、
イオンによる損傷部から異なる種類のトレーサー物質が
プラズマ中に浮遊し、イオンによる損傷部を特定でき
る。
【0030】請求項10の発明は、複数のトレーサー物
質の深さを変えて被処理材保持部材,電極、及び反応室
側壁の少なくとも1つに設けているので、損傷の時間的
な進行度合を知ることができる。
【0031】
【実施例】本発明の一実施例であるプラズマ処理装置
(例えばECRプラズマエッチング装置)を図1により
説明する。本実施例は、磁場中のマイクロ波放電プラズ
マを利用して、被処理材である試料(ウェハ)13の表
面のエッチングを行うプラズマ処理装置である。
【0032】本実施例のプラズマ処理装置は、マイクロ
波電源20に接続される導波管21、及び真空容器10
を有する。石英ベルジャー23が、真空容器10と導波
管21との間に介在する。真空容器10及び石英ベルジ
ャー23は、反応容器を形成する。試料台(試料ホルダ
ー)12が、絶縁材16を介して真空容器10に取り付
けられる。試料台12は、ブロッキング・コンデンサ1
4に接続される。ブロッキング・コンデンサ14は、接
地されている高周波電源15に接続される。真空容器1
0も、接地されている。真空ポンプ42は、真空容器1
0内の空間に連絡される。処理ガス供給源40が、バル
ブ41を介して真空容器10内の空間に連絡される。ア
ース電極11が、試料台12を取り囲んで配置され、真
空容器10に接続される。石英ベルジャー23の近傍
で、導波管21の外側に磁場コイル22が配置される。
分光器2及び質量分析装置3が設けられる。4は、分光
器2及び質量分析装置3の出力を表示する表示装置であ
る。分光窓5が石英ベルジャー23近傍で導波管21に
設けられる。分光器2が、分光窓5に接続され、石英ベ
ルジャー23を介して反応室24内の物質が出す光を入
力する。質量分析装置3は、反応室24内のガスを導入
して質量分析を行う。石英ベルジャー23より下方の領
域が、反応室24である。
【0033】反応容器内は、真空ポンプ42によって真
空に保持される。マイクロ波電源20から出力されたマ
イクロ波が、導波管21により、放電空間を形成する反
応室24内に導入される。磁場コイル22によって形成
された磁力線31により生じる電子サイクロトロン共鳴
(ECR)を利用して、反応室24内で処理ガス供給源
40から供給された処理ガスを効率よくプラズマ化する
ことができる。電子はイオン30に比べ動きやすいた
め、生成されたプラズマは反応容器内の壁面に対して相
対的に正の電位をもつ。更に、高周波電源15から高周
波が試料台(ホルダー)12に印加される。試料台12
には負の自己バイアスがかかる。この自己バイアスによ
りイオン30がシースを横切って試料台12上面に設置
された試料13に引き込まれる。試料13に表面で、異
方性をもったエッチングが進行する。通常、ECR用の
磁力線31は試料台12に向かって拡散している。この
ため、磁力線31に運動を束縛されたイオン30は、試
料台12のみならずそれを取り囲むアース電極11に衝
突し、試料台12及びアース電極11に損傷を与える可
能性がある。
【0034】本実施例は、アース電極上部の損傷度合を
検出する手段として、トレーサー1をアース電極11の
上端部に埋め込んでいる。図2に示すように、トレーサ
ー1は、アース電極11の上面から予め定められた深さ
の位置に埋め込まれている。トレーサーとしては、例え
ばHe,ArまたはXeなどの希ガス、或いはアース電
極11または真空容器10を構成する元素の同位体を用
いる。トレーサー1は、例えばイオン打ち込みによって
所定の深さに埋め込まれる。トレーサー1として希ガス
を用いる場合は、処理ガスとは異なる種類のガスを用い
る。処理ガスと同じ種類のガスをトレーサー1に用いた
場合には、後述するように、質量分析装置3及び分光器
2で測定してもトレーサー1か処理ガスであるかを判別
できなくなり、アース電極11の損傷の度合を知ること
ができない。特に、処理ガスとしてArが用いられる場
合が多いので、このときは他の希ガスを用いる。
【0035】イオン30の衝突によってアース電極11
上面の損傷がトレーサー1の位置まで進むと、トレーサ
ー1がプラズマ中に浮遊する。トレーサー1は決められ
た特性(質量,発光スペクトルなど)を有しているの
で、浮遊したトレーサー1が質量分析装置3及び分光器
2によって測定される。トレーサー1の測定値が設定値
に達したときにその測定値が表示装置4に表示される。
浮遊したトレーサー1の設定値は実験等により予め求め
ておく。表示装置4に浮遊トレーサー1の存在が表示さ
れたとき、プラズマ処理装置が停止される。停止後に、
例えばアース電極11の交換等の適当な処置を行う。浮
遊したトレーサー1の測定により、アース電極11の損
傷の度合(トレーサー1が埋め込まれている深さまでの
損傷)を知ることができる。トレーサーに希ガス、或い
はアース電極11または真空容器10を構成する元素の
同位体を用いているので、半導体デバイスの製造プロセ
スに悪影響を与えない。
【0036】アース電極11の損傷が進みアース電極1
1の表面の凹凸の度合が大きくなると、プラズマの性質
が変化し、試料台12上に設置されている試料13のエ
ッチングレートが変化する(プラズマ処理装置の経時変
化)。すなわち、試料12上面の周辺部でのエッチング
レートが大きくなりその中央部におけるエッチングレー
トが小さくなる。本実施例は、トレーサー1を検出する
ことによってアース電極11の交換をプラズマ処理装置
の経時変化が生じる前に行うことができ、プラズマ処理
装置の経時変化を未然に防止できる。このため、被処理
材である試料に対して安定した処理を行うことができ、
試料上面でのエッチングレートはほぼ一様になる。トレ
ーサー1の埋め込み深さは、プラズマ処理装置の経時変
化が生じる損傷に達しない範囲で設定される。
【0037】トレーサー1は、アース電極11以外でイ
オン30が到達する部分、例えば試料台12及び真空容
器10の側壁の表面部に埋め込んでもよい。これによっ
て、真空容器10の側壁等のイオン到達部における損傷
度合を検出することができる。トレーサー1は、アース
電極11,試料台12及び真空容器10側壁の少なくと
も1つの表面部に設けられる。
【0038】イオン30の衝突によるアース電極11の
損傷を防止するためにアース電極11の上面を図3に示
すように保護膜7で被ってもよい。この場合、トレーサ
ー1は、保護膜7内に埋め込まれる。保護膜7内へのト
レーサー1の埋め込みは、保護膜7の形成時に、特定の
時期及び時間間隔でトレーサー1を混入すればよい。保
護膜7内にトレーサー1を埋め込む場合は、トレーサー
1としては上記の物質以外に保護膜を構成する元素の同
位体を用いてもよい。保護膜7は、アルミナ及びムライ
ト(アルミニウム,ケイ素及び酸素を含むセラミック)
などの半導体デバイスの製造プロセスに悪影響を与えな
い物質を用いる。図3の場合でも、前述した効果を得る
ことができる。保護膜7は、アース電極11,試料台1
2及び真空容器10側壁の少なくとも1つの表面に形成
される。これらの保護膜7の少なくとも1つにトレーサ
ー1が埋め込まれる。
【0039】本発明の他の実施例であるプラズマ処理装
置を図4を用いて説明する。本実施例のプラズマ処理装
置は、図1の構造でアース電極11へトレーサー1を埋
め込む代わりに数種類のトレーサーを埋め込んだ小片8
a,8b,8c及び8dをアース電極11及び試料台1
2に取り付けたものである。トレーサー1aが埋め込ま
れた小片8aがアース電極11の上面外周部に設置され
る。トレーサー1bが埋め込まれた小片8bが、アース
電極11の上面内周部に設置される。トレーサー1cが
埋め込まれた小片8cがアース電極11の側面部に設置
される。トレーサー1dが埋め込まれた小片8dが試料
台12の上面に設置されている。各小片の材質及び表面
状態は、設置位置における材質及び表面状態と一致して
いる。試料台12の表面等に保護膜が形成される場合
は、前述の小片を保護膜の上に設置する。
【0040】イオン30は、アース電極11及び試料台
12だけでなく各小片の表面にも衝突する。或る小片が
イオン30の衝突によってトレーサーの埋め込み位置ま
で損傷を受けた場合には、そのトレーサーが、プラズマ
中に浮遊し、前述の実施例のように質量分析装置3及び
分光器2によって測定される。これらの測定値は表示装
置4に表示される。小片設置位置周辺のアース電極11
表面等の損傷そのものを検知できる。各小片ごとに埋め
込まれているトレーサーの種類が異なるので、プラズマ
中に浮遊するトレーサーの種類を特定することによっ
て、損傷を受けている場所を特定できる。本実施例は、
図1の実施例で得られる効果も生じる。異なる種類のト
レーサーが埋め込まれた上記小片を、真空容器10の側
壁のうちイオン30が到達する部分における表面に設置
してもよい。図1の実施例においても、本実施例のよう
に、アース電極11の上面部,アース電極11の側面部
及び試料台12の上面部に埋め込むトレーサーの種類を
変えてもよい。
【0041】トレーサーの埋め込み状態の他の実施例を
図5に示す。この図は、複数種類のトレーサーを埋め込
んだアース電極11の上面部の構造を示している。すな
わち、異なった種類のトレーサー1a及び1bがアース
電極11の上面を被った保護膜7内で所定の深さに埋め
込まれている。アース電極11の上面部の損傷によりプ
ラズマ中に浮遊したトレーサー1a及び1bを質量分析
装置3及び分光器2によって測定する。これらのトレー
サーを同じに測定することによってアース電極11の保
護膜7の損傷度合の検出精度を高めることができる。
【0042】トレーサー1a及びトレーサー1bを図6
に示すように保護膜7内に多層状に埋め込んでもよい。
損傷の進行によって最初にトレーサー1bがプラズマ中
に浮遊しその後トレーサー1aが浮遊する。トレーサー
1bが検出された時点における時間とトレーサー1aが
検出された時点における時間との差を求め、トレーサー
1aの埋め込み位置とトレーサー1bの埋め込み位置と
の間隔を上記時間差で割ることによって、保護膜7にお
ける損傷の時間的な進行度合を知ることができる。
【0043】図5及び図6に示すトレーサー1a及び1
bの配置は、アース電極11以外に形成された保護膜7
の内部,アース電極11の上面部,アース電極11の側
面部及び試料台12の上面部のいずれに埋め込んでもよ
い。
【0044】トレーサーは図7に示すように設けてもよ
い。この例は、アース電極11の表面に複数のトレーサ
ーの層を形成したものである。このような構成は、試料
台12等の他のイオンによる衝突によって損傷を受ける
部分に適用してもよい。本例は、トレーサーとしてケイ
素の含有量が異なる5種類のムライト26a,26b,2
6c,26d及び26eをアース電極11の表面に層状
に設けたものである。これらのムライトは、保護膜であ
り、アース電極11に近い程ケイ素の含有量が増加す
る。イオンの衝突による損傷は、反応室24内のガスに
接してケイ素の含有量が少ないムライト26aからムラ
イト26eに向かって進行する。ムライトが損傷を受け
るとムライトを構成する元素がプラズマ中に浮遊する。
ケイ素の含有量が多いムライトが損傷を受けるので、プ
ラズマ中に浮遊するケイ素の量が増加する。ケイ素の量
の増加は、質量分析装置3等によって計測される。この
ため、プラズマ中に浮遊するケイ素の量の計測値に基づ
いて、どのムライト層まで損傷を受けているかを知るこ
とができる。本実施例は、図6の例と同じように損傷の
時間的な進行度合を知ることができる。
【0045】本発明の他の実施例である平行平板型反応
性エッチング装置を図8に示す。図1の実施例と同じ構
成は、同一符号で示す。図1のプラズマ処理装置と異な
る点は、マイクロ波を真空容器10内の反応室に導入す
る構成を有しなく、試料台である基板ホルダー25、及
びこれに対向して設けられた対向電極17を有すること
である。基板ホルダー25は、絶縁材16を介して真空
容器10に取り付けられる。対向電極17も、真空容器
10に取り付けられる。高周波電源装置15が基板ホル
ダー25に接続されており、対向電極17と基板ホルダ
ー25との間に高周波が印加される。処理ガス供給源4
0から真空容器10内に導かれた処理ガスは、対向電極
17と基板ホルダー25との間でその高周波によってプ
ラズマ化される。同時に、基板ホルダー25には自己バ
イアスが生じる。このため、プラズマ中のイオンが、基
板ホルダー25の上面及び基板ホルダー25上に設置さ
れた試料である基板26に衝突する。このイオンによっ
て基板26のエッチングが進行する。
【0046】基板26周辺の基板ホルダー25上面は、
イオンの衝突によって損傷を受ける。対向電極17,そ
の基板ホルダー25の上面部及び反応容器である真空容
器10の側壁部に、種類の異なったトレーサー1a,1
b,1cがそれぞれ埋め込まれている。図8に示されて
いないが、それぞれ部材のイオンによる損傷によってプ
ラズマ中に浮遊したトレーサーは、図1の実施例と同様
に質量分析装置等の計測器で測定され、その測定結果が
表示装置に表示される。本実施例は、図4の実施例で得
られる効果を生じる。
【0047】上記の各実施例ではECRプラズマエッチ
ング装置及び平行平板型反応性エッチング装置について
述べたが、本発明はこれら以外のプラズマ処理装置に適
用し得ることは言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、イオンによる
損傷を受けた部材の交換を適切に行うことができるの
で、被処理材保持部材手段に保持された被処理材の経時
変化を防止でき被処理材を安定に処理できる。
【0049】請求項2の発明によれば、上記のように経
時変化を予防できると共に保護膜の損傷度合を知ること
ができる。
【0050】請求項3の発明によれば、更に、被処理材
保持部材,電極、及び反応室側壁の少なくとも1つへの
トレーサー物質の設置を簡便に行うことができる。
【0051】請求項4の発明によれば、更に、被処理材
保持部材,電極、及び反応室側壁の表面に形成された少
なくとも1つへのトレーサー物質の設置を簡便に行うこ
とができる。
【0052】請求項5の発明によれば、小片が取り付け
られた部材におけるイオンの衝突による損傷をより正確
に計測できる。
【0053】請求項6の発明によれば、希ガスを用いて
いるので、被処理材の処理への影響の度合が最も少な
い。
【0054】請求項7の発明によれば、トレーサー物質
がプラズマ中に浮遊しても被処理材の処理への影響の度
合が少ない。
【0055】請求項8の発明によれば、トレーサー物質
がプラズマ中に浮遊しても被処理材の処理への影響の度
合が少ない。
【0056】請求項9の発明によれば、トレーサー物質
の設置位置によって異なるトレーサー物質を用いている
ので、イオンによる損傷部を特定できる。
【0057】請求項10の発明によれば、トレーサー物
質を設けている部材の損傷の時間的な進行度合を知るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるマイクロ波方式プラズ
マ処理装置の構成図である。
【図2】図1のアース電極表面部におけるトレーサーの
埋め込み状態を示す説明図である。
【図3】アース電極表面部におけるトレーサーの埋め込
み状態の他の例を示す説明図である。
【図4】本発明の他の実施例であるマイクロ波方式プラ
ズマ処理装置の構成図である。
【図5】トレーサーの埋め込み状態の他の実施例の説明
図である。
【図6】トレーサーの埋め込み状態の他の実施例の説明
図である。
【図7】アース電極におけるトレーサーの他の設置状態
を示す説明図である。
【図8】本発明の他の実施例である平行平板型プラズマ
処理装置の構成図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c…トレーサー、2…分光器、3…
質量分析装置、4…表示装置、7…保護膜、8a,8
b,8c,8d…小片、10…真空容器、11…アース
電極、12…試料台、13…試料、15…高周波電源、
16…絶縁材、17…対向電極、20…マイクロ波電
源、21…導波管、22…磁場コイル、23…石英ベル
ジャー、40…処理ガス供給源、41…バルブ、42…
真空ポンプ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応室と,前記反応室内に導入された処理
    ガスをプラズマ化する手段と,前記反応室内に配置され
    て前記反応室の側壁に取り付けられると共に被処理材を
    保持する被処理材保持部材と,前記被処理材保持部材に
    対向して配置され前記反応室の側壁に取り付けられる電
    極と,前記被処理材保持部材,前記電極、及び前記反応
    室側壁の少なくとも1つの表面部分に設けられたトレー
    サー物質と,前記トレーサー物質を計測する手段とを備
    えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】反応室と,前記反応室内に導入された処理
    ガスをプラズマ化する手段と,前記反応室内に配置され
    て前記反応室の側壁に取り付けられると共に被処理材を
    保持する被処理材保持部材と,前記被処理材保持部材に
    対向して配置され前記反応室の側壁に取り付けられる電
    極と,前記被処理材保持部材,前記電極、及び前記反応
    室側壁の表面に形成された少なくとも1つの保護膜内に
    設けられたトレーサー物質と,前記トレーサー物質を計
    測する手段とを備えたことを特徴とするプラズマ処理装
    置。
  3. 【請求項3】反応室と,前記反応室内に導入された処理
    ガスをプラズマ化する手段と,前記反応室内に配置され
    て前記反応室の側壁に取り付けられると共に被処理材を
    保持する被処理材保持部材と,前記被処理材保持部材に
    対向して配置され前記反応室の側壁に取り付けられる電
    極と,前記被処理材保持部材,前記電極、及び前記反応
    室側壁の少なくとも1つの表面に取り付けられた、トレ
    ーサー物質を含む小片と,前記トレーサー物質を計測す
    る手段とを備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】反応室と,前記反応室内に導入された処理
    ガスをプラズマ化する手段と,前記反応室内に配置され
    て前記反応室の側壁に取り付けられると共に被処理材を
    保持する被処理材保持部材と,前記被処理材保持部材に
    対向して配置され前記反応室の側壁に取り付けられる電
    極と,前記被処理材保持部材,前記電極、及び前記反応
    室側壁の表面に形成された少なくとも1つの保護膜に取
    り付けられた、トレーサー物質を含む小片と、前記トレ
    ーサー物質を計測する手段とを備えたことを特徴とする
    プラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】前記小片の材質および表面状態を、前記小
    片を取り付ける部分の材質及び表面状態と実質的に同じ
    くした請求項3または4のプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】前記トレーサー物質が希ガスである請求項
    1,2,3または4のプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】前記トレーサー物質が前記被処理材保持部
    材,前記電極及び前記反応室側壁の少なくとも1つを構
    成する元素またはその同位体である請求項1,2,3ま
    たは4のプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】前記トレーサー物質が前記保護膜を構成す
    る元素またはその同位体である請求項1,2,3または
    4のプラズマ処理装置。
  9. 【請求項9】前記トレーサー物質の設置位置によって異
    なる前記トレーサー物質を用いた請求項1,2,3また
    は4のプラズマ処理装置。
  10. 【請求項10】複数のトレーサー物質を深さを変えて前
    記被処理材保持部材,前記電極、及び前記反応室側壁の
    少なくとも1つに設けた請求項1,2,3または4のプ
    ラズマ処理装置。
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