JPH08201942A - 液晶シャッター及び立体画像認識眼鏡 - Google Patents

液晶シャッター及び立体画像認識眼鏡

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JPH08201942A
JPH08201942A JP7011918A JP1191895A JPH08201942A JP H08201942 A JPH08201942 A JP H08201942A JP 7011918 A JP7011918 A JP 7011918A JP 1191895 A JP1191895 A JP 1191895A JP H08201942 A JPH08201942 A JP H08201942A
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JP
Japan
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liquid crystal
alignment film
crystal shutter
cell
transparent electrode
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JP7011918A
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English (en)
Inventor
Shiro Koide
志朗 小出
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 テレビなどの2次元画像を立体表示するシス
テムにおいて必要な液晶シャッターと、それを搭載した
立体画像認識眼鏡の改善に関する。 【構成】 第1の透明基板11の表面に形成された第1の
透明電極13Aと、第1の透明電極の上に形成され、表面
にラビング処理がなされた第1の配向膜14Aと、第2の
透明基板12の表面に形成された第2の透明電極13Bと、
第2の透明電極の上に形成され、表面にラビング処理が
なされた第2の配向膜14Bとを有し、かつ第1の配向膜
14Aと第2の配向膜14Bとが対向配置され、その間に液
晶が封入されて成り、第1の配向膜14Aのラビング方向
と第2の配向膜14Bのラビング方向とがほぼ平行か、あ
るいはほぼ反平行になっている液晶パネルと、液晶パネ
ルの上に形成された第1の偏光板15Bと、液晶パネルの
下に形成された第2の偏光板15Aとを有すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶シャッター及び立体
画像認識眼鏡に関し、更に詳しく言えば、テレビなどの
2次元画像を立体表示するシステムにおいて必要な液晶
シャッターと、それを搭載した立体画像認識眼鏡に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、3次元画像が表示可能なテレビな
どの画像表示方式が提唱されている。この3次元画像を
表示させる方式の一つに、専用の立体画像認識眼鏡を観
測者が着用することで3次元画像を観測者に認識させる
という方式がある。この方式で現在有力視されているの
が、画像を表示する受像機には右目用の映像と左目用の
映像とを時系列で交互に切り替えて映し出し、一方、観
測者は図5に示すような立体画像認識眼鏡(G1)を着
用して、受像機の画像を見るという方式である。この立
体画像眼鏡(G1)は図5に示すように左右の目に液晶
シャッター(S1,S2)が貼付され、これらの液晶シ
ャッター(S1,S2)を駆動する駆動回路(10)が
接続されてなるものである。
【0003】受像機に映し出される画像は、2枚のフィ
ールドに、左目用の画像(LI)と右目用の画像(R
I)とがそれぞれ割り当ててあり、時系列でこれらが交
互に高速に切り替わって表示される。さらに立体画像認
識眼鏡(G1)の左右の液晶シャッター(S1,S2)
の開閉の切り替えは、左目用の画像(LI)と右目用の
画像(RI)の切り替えに同期させて行う。
【0004】このように受像機と立体画像認識眼鏡とを
制御することにより、図6に示すように、受像機に左目
用の画像(LI)が表示されているときには右目用の液
晶シャッター(S1)が閉じて左目用の液晶シャッター
(S2)が開き、逆に右目用の画像(RI)が表示され
ているときには右目用の液晶シャッター(S1)が開い
て左目用の液晶シャッター(S2)が閉じることにな
る。
【0005】以上の動作を継続的に行うことで、立体画
像認識眼鏡(G1)を着用した観測者の右目には右目用
の画像(RI)が、左目には左目用の画像(LI)が、
それぞれ認識されるので、観測者は左右の画像によって
相互に生じる残像によって、あたかも立体画像が見える
かのごとく認識される。このような用途として用いられ
る液晶シャッター(S1,S2)には、高速な電圧応答
性が要求される。具体的には遮光/透光の切り替え動作
に要する応答時間が、合計で10msec〜20msec、好ま
しくは5msec〜15msec程度に高速な応答性が必要とな
る。
【0006】液晶セルとして広く用いられているのはT
N(Twisted Nematic)モードの液晶セル(以下でこれ
をTNセルと称する)であるが、このTNセルは、高い
信頼性と量産性に優れてはいるものの、この液晶シャッ
ターに用いることができるほど高速な応答速度を実現出
来なかった。一般的に、TNセルは図7に示すようにガ
ラスからなる第1の透明基板(1)の表面に、不図示の
第1の透明電極,第1の配向膜が順次形成され、第1の
配向膜の表面に、ラビング処理が施され、同様にしてガ
ラスからなる第2の透明基板(2)の表面に、不図示の
第2の透明電極,第2の配向膜が順次形成され、第2の
配向膜の表面にラビング処理が施されたのちに、第1,
第2の透明基板(1,2)が、第1,第2の配向膜が対
向するように配置され、その間にネマティック型の液晶
が封入され、第1の透明基板(1)の下に第1の偏光板
(5A)が、第2の透明基板(2)の上に第2の偏光板
(5B)がそれぞれ配置されて成る。
【0007】このとき、図7に示すように第1の配向膜
のラビング方向(R1)と第2の配向膜のラビング方向
(R2)とはほぼ直交しており、また第1,第2の偏光
板(5A,5B)の偏光軸はクロスニコルの関係に有
る。TNセルは、電圧無印加の状態では図7に示すよう
に各液晶分子(LM)がねじれながら配向しており、電
圧を印加すると、図8に示すように各液晶分子(LM)
は電圧印加によって生じる電界の方向にいっせいに立上
がる。
【0008】上述の立体画像認識眼鏡の液晶シャッター
として一般のTNセルが使用可能かどうかを確認するた
め、本発明の発明者は、常法でTNセルを形成し、ノー
マリホワイトの構成にて図10に示すような波形の駆動
電圧をTNセルに印加し、図9に示すような実験装置を
用いてTNセルの電気光学応答を測定してみた。すなわ
ち図9に示すように、上述のTNセルを用いた液晶シャ
ッター(LS)に交流の駆動電源(32)を接続し、液
晶シャッター(LS)の背面には光源(30)を、前面
には光電変換する光検出器(31)をそれぞれ配置し、
信号測定装置(33)によって光検出器(31)によっ
て検出される信号を測定してTNセルからなる液晶シャ
ッター(LS)の電気光学応答性を測定した。
【0009】なお、この実験で用いたTNセルの仕様は
以下の通りである。 配向膜 日立化成製PIQ 上下の配向膜のラビング方向のなす角 90° セルギャップ 7.0μm 液晶 メルク社製 ZLI1132 なお、TNセルに印加する駆動電圧は、図10に示すよ
うに電圧印加の期間(T1)と、電圧無印加の期間(T
2)を繰り返して印加する。印加時のピーク電圧は±2
0Vであって、電圧無印加の期間(T2)は電圧印加の
期間(T1)と同一にし、これを繰り返し印加する。
【0010】その駆動電圧に対応する電圧応答波形が同
じ図10に示されている。当該TNセルはノーマリホワ
イトのセルであるがゆえに電圧印加時には遮光し、電圧
無印加時には透光するが、電圧印加状態から電圧無印加
状態に切り替わるときの応答が遅いことが図10の光学
出力応答のグラフに示されている。次に、電圧印加の期
間(T1)と電圧無印加の期間(T2)の総計である一
周期の期間(T0)を変化させて、透光レベルの光出力
が最大になり、光学的液晶シャッターとしての最大のコ
ントラスト比が得られる一周期の期間(T0)の値を測
定したところ、T0=17msecを得た。これは立体画像
認識眼鏡用の液晶シャッターとしては不十分な応答速度
であった。
【0011】上述の実験から、TNセルは特に電圧印加
状態から電圧無印加状態に切り替わるときの反応が遅く
なっていることがわかったが、これは、TNセルは電界
を印加して液晶分子が立ち上がるときには、液晶分子は
電界からの規制力によって割合高速な応答を示すが、電
界印加の状態から電圧無印加の状態に切り替わるときに
は、TNセルでは各々の液晶分子が全体で90°回転す
るようにねじれながら配向しているので、各々の液晶分
子は、全体の液晶分子の回転方向のトルクバランスをと
りつつ、元の位置に復元しなければならないため、応答
速度が遅くなると推測される。
【0012】以上説明したように、汎用的に用いられて
いるTNセルでは高速な応答速度が実現できなかったの
で、このような高速応答を実現出来るシャッターとし
て、強誘電性液晶を用いた液晶シャッターが実験段階で
は採用されていた。この強誘電性液晶は極めて高速な電
圧応答性を示すので、このような目的には合致してい
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、強誘電
性液晶は高速ではあるものの、高価であって、配向安定
性や動作温度範囲などが安定せず、また、表示面に外部
から圧力が加わると、液晶分子が元の状態に復元出来な
いほど物理的な圧力に弱いので、使用者が着用するた
め、落下などの物理的衝撃への耐性が要求される立体画
像認識眼鏡に搭載するには全く不向きであった。
【0014】そこで、立体画像認識眼鏡に用いるために
高速、安価で実用に耐えうる液晶シャッターをどのよう
にして構成するかが課題となっていた。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の欠点
に鑑み成されたもので、図1に示すように、第1の透明
基板の表面に形成された第1の透明電極と、前記第1の
透明電極の上に形成され、表面にラビング処理がなされ
た第1の配向膜と、第2の透明基板の表面に形成された
第2の透明電極と、前記第2の透明電極の上に形成さ
れ、表面にラビング処理がなされた第2の配向膜と、前
記第1の配向膜と前記第2の配向膜とが対向配置され、
前記第1の配向膜と前記第2の配向膜との間に液晶が封
入されて成り、前記第1の配向膜のラビング方向と前記
第2の配向膜のラビング方向とがほぼ平行か、あるいは
ほぼ反平行になっている液晶パネルと、前記液晶パネル
の上に形成された第1の偏光板と、前記液晶パネルの下
に形成された第2の偏光板とを有することにより、高速
でかつ安価で堅牢な液晶シャッター及びそれを搭載した
立体画像認識眼鏡の提供を目的とするものである。
【0016】
【作 用】本発明に係る液晶シャッターによれば図1に
示すように、対向配置された第1の配向膜のラビング方
向と第2の配向膜のラビング方向とがほぼ平行か、ある
いはほぼ反平行になっている液晶パネルを有する。この
ため、第1の配向膜と第2の配向膜のラビング方向とは
ほぼ平行かほぼ反平行になっているので、当該液晶パネ
ルの第1,第2の配向膜の間に挟まれた液晶の液晶分子
は、全体としてTNセルのようにねじれず、すべての液
晶分子が寝た状態でほぼ一方向に配向している。
【0017】これにより、電界印加状態から電圧無印加
の状態への切り替え時に、液晶分子はTNセルのよう
に、液晶分子全体がねじれていた方向に回転しながら、
その回転方向とのトルクバランスをとりつつ元の状態に
復元するというような無駄な動きをせずに、各液晶分子
は最短の軌跡を描いてもとの状態に復元する。したがっ
て、液晶分子全体がねじれている方向に働くトルクとの
バランスをとりつつ元の状態に復元するという無駄な動
きをすることで応答速度が遅かったTNセルに比して高
速な電圧応答を示す。このように高速に応答する液晶パ
ネルの上下に偏光軸が互いにほぼ平行かあるいはほぼ直
交する第1,第2の偏光板が設けられていることによ
り、高速に遮光/透光を切り替えることができるので、
汎用の材料を用いて高速応答可能な光学的液晶シャッタ
ーを容易に製造することが可能になる。
【0018】また、本発明に係る立体画像認識眼鏡によ
れば、図2に示すように本発明に係る液晶シャッターが
右目側と左目側の両方に形成されて成る。このため、上
述のように高速応答可能な本発明に係る液晶シャッター
を用いているので、右目用の画像と左目用の画像とを時
系列で交互に受像機に映し出し、その切り替わりに同期
して観測者が着用した右目用の液晶シャッターと左目用
の液晶シャッターとが交互に開くように駆動する駆動回
路を用いることで、当該立体画像認識眼鏡を着用した観
測者が立体像を認識することが可能になる。
【0019】これにより、信頼性が高く、安価、堅牢で
かつ高速応答可能な立体画像認識眼鏡を製造することが
可能になる。
【0020】
【実施例】以下で本発明の実施例に係る液晶シャッター
について図面を参照しながら説明する。本実施例に係る
液晶シャッターは、図1に示すように、ガラスからなる
第1の透明基板(11)の表面にITO膜からなる第1
の透明電極(13A),第1の配向膜(14A)が順次
形成され、第1の配向膜(14A)の表面にラビング処
理が施されたのちに、シール材(16)が矩形を囲むよ
うに第1のガラス基板(11)と第2のガラス基板(1
2)の表面に選択形成されている。
【0021】また、ガラスからなる第2の透明基板(1
2)の表面にITO膜からなる第2の透明電極(13
B),第2の配向膜(14B)が順次形成され、第2の
配向膜(14B)の表面にラビング処理が施されてい
る。上記の第1の配向膜(13A)と第2の配向膜(1
3B)とが対向するように第1、第2の透明基板(1
1,12)が対向配置され、シール材(16)によって
第1,第2の透明基板(11,12)が固着され、第
1、第2の配向膜(13A,13B)の間のシール材
(16)で囲まれた矩形の領域内にネマティック型の液
晶(17)が封入されている。
【0022】さらに、第1の透明基板(11)の下部に
は第1の偏光板(15A)が形成され、第2の透明基板
(12)の上部には第2の偏光板(15B)が形成され
ている。各々の偏光軸は互いにほぼクロスニコルの関係
に有る。また、第1の配向膜(13A)のラビング方向
(R11)と第2の配向膜(13B)のラビング方向
(R12)とはほぼ平行になっている。この点が、本実
施例に係る液晶シャッターが従来例で説明したTNセル
と最も異なる点である。
【0023】上述のように、上下の配向膜のラビング方
向(R11,R12)が同じ液晶セル(以下でこれをベ
ンドセルと称する)は、電圧無印加時には図3に示すよ
うにすべての液晶分子(LM)が配向膜のラビング方向
(R11,R12)を向くようにほぼ一定方向に配向し
ており、TNセルのように全体でねじれながら配向して
はいない。これに電圧を印加すると、図4に示すように
各液晶分子(LM)は電圧印加によって生じる電界の方
向に立上がる。
【0024】電圧無印加時には、図3に示すように液晶
分子(LM)は寝た状態で配向しているので、このベン
ドセルを透過する光は液晶分子(LM)の長軸方向の屈
折率とそれに垂直な軸の屈折率との複屈折性に依存し、
電圧印加時には液晶分子(LM)は図4に示すように立
ち上がっているので、液晶分子の長軸方向の屈折率にの
み依存することになる。
【0025】このような電圧印加時と電圧無印加時との
間に生じる液晶セルの屈折率の差によって、電圧印加時
と無印加時とで透過光のコントラストをとり、透光/遮
光を切り替えることができる。遮光/透光の特性は上下
に配置された第1,第2の偏光板(15A,15B)の
偏光軸を変えることで調整可能であって、これをクロス
ニコルで電圧無印加時に透光して電圧印加時に遮光する
ノーマリホワイト型の液晶セルとなるように偏光軸を設
定するパラレルニコルにすると逆に電圧印加時に透光し
て電圧無印加時に遮光するノーマリブラックの液晶セル
となる。
【0026】上述のベンドセルでは、各液晶分子(L
M)は全体としてTNセルのようにねじれながら配向し
ていないので、従来のTNセルの場合に特に電圧応答が
遅かった電界印加状態から電圧無印加の状態への切り替
えの際に、液晶分子(LM)はTNセルのように、全体
の液晶分子(LM)がねじれていた方向に回転しなが
ら、その回転方向とのトルクバランスをとりつつ元の状
態に復元するというような無駄な動きをせずに、最短の
軌跡を描いてもとの状態に復元する。
【0027】したがって、液晶分子(LM)全体がねじ
れている方向に働くトルクとのバランスをとりつつ元の
状態に復元するという無駄な動きをすることで応答速度
が遅かったTNセルに比して高速な電圧応答を示すこと
が可能になる。この事実を確認するため、図9に示すよ
うな実験装置を用いて、ベンドセルを用いた液晶シャッ
ターの電気光学応答性を測定する実験が、本発明の発明
者などによってなされた。
【0028】この実験は、上述のベンドセルからなる液
晶シャッター(LS)に交流の駆動電源(32)を接続
し、液晶シャッター(LS)の背面には光源(30)
を、前面には光電変換する光検出器(31)をそれぞれ
配置し、光検出器(31)によって検出される信号を測
定する信号測定装置(33)を用いることによって、光
源(30)からの光がこの液晶シャッター(LS)によ
ってどの程度カットされるかという電気光学応答性を測
定するものである。
【0029】なお、この実験で用いたベンドセルの仕様
は以下の通りである。 配向膜 日産化学製ポリイミド 上下の配向膜のラビング方向のなす角 0° セルギャップ 7.0μm 液晶 メルク社製 ZLI1132 (配向膜には液晶のチルト角がTNモードより高い材料
を選定する。本実験では約5〜10°の範囲のものを用
いた) また、上述のベンドセルに印加する駆動電圧は、図10
に示すように電圧印加の期間(T1)と、電圧無印加の
期間(T2)を繰り返して印加する。印加時のピーク電
圧は±20Vであって、電圧無印加の期間(T2)は電
圧印加の期間(T1)と同一にし、これを繰り返し印加
する。
【0030】電圧印加の期間(T1)と電圧無印加の期
間(T2)の総計である一周期の期間(T0)を変化さ
せて、透光レベルの光出力が最大になり、シャッターと
しての最大のコントラスト比が得られる一周期の期間
(T0)(これは液晶シャッターの1回の開閉に要する
総計時間に該当する)の値を測定したところ、T0=5
msecを得た。これにより、TNモードでの実験結果であ
るT0=17msecと比して、3倍以上高速な電圧応答を
ベンドセルが示すことが確認された。
【0031】なお、本実施例ではベンドセルについて説
明しているが、本発明はこれに限らず、例えばラビング
角が反平行になっている液晶セルを用いても、ほぼ同様
の効果を奏する。また、上述のベンドセルについては、
多階調表示のディスプレイの視野角を拡大する目的でこ
のベンドセルを用いたセルが提案されている(C-L.Kuo,
et al.,SID digest,p.927)が、本実施例に係る液晶シ
ャッターはこのようなベンドセルを、透光/遮光の切り
替えを行う液晶シャッターに用いたという点が上記文献
に記載のセルと異なる。
【0032】さらに、上記文献に記載のセルでは、液晶
のチルト角を約20°程度に高くとっている。これは、
多階調表示をする際には、液晶のチルト角を高くしない
とドメインと称する表示むらができてしまう理由に基づ
く。しかし、本実施例の液晶シャッターでは、単に透光
/遮光の液晶シャッターとして用いているにすぎないの
で、シャッターの駆動電圧を切った時に、多少のドメイ
ンが発生すること数秒間を厭わねばチルト角を小さくと
ることができる点が上記の文献と異なる。本実施例では
5°〜10°の範囲のものを用いておりチルト角を小さ
くすることによって、当該セルのコントラスト比を高く
とることができるという利点がある。但し、本発明は、
チルト角を5°〜10°に限定するものではなく、透光
/遮光のシャッター機能を有する範囲で任意に設定でき
るものである。
【0033】次に、上述の本実施例に係る液晶シャッタ
ーを用いた立体画像認識眼鏡についてについて以下で説
明する。この立体画像眼鏡(G11)には図2に示すよ
うに左右の目に液晶シャッター(S11,S12)が貼
付され、これらの液晶シャッター(S11,S12)を
駆動する駆動回路(20)が接続されてなる。また、こ
れらの液晶シャッター(S11,S12)は第1の実施
例で説明したベンドセルを用いた高速応答可能な液晶シ
ャッターである。
【0034】これを用いて立体画像を認識するには、観
測者が上述の立体画像認識眼鏡(G11)を着用して、
受像機に映し出される画像を見る。受像機に映し出され
る画像は、2枚のフィールドに、左目用の画像(LI)
と右目用の画像(RI)とがそれぞれ割り当ててあり、
時系列でこれらが交互に高速に切り替わって表示され
る。一方、立体画像認識眼鏡(G11)の左右の液晶シ
ャッター(S11,S12)の開閉の切り替えは、左目
用の画像(LI)と右目用の画像(RI)の切り替えに
同期させて行う。
【0035】このように受像機と立体画像認識眼鏡(G
11)を制御することによって、図6に示すように、受
像機に左目用の画像(LI)が表示されているときには
右目用の液晶シャッター(S11)が閉じて左目用の液
晶シャッター(S12)が開き、逆に右目用の画像(R
I)が表示されているときには右目用の液晶シャッター
(S11)が開いて左目用の液晶シャッター(S12)
が閉じることになる。
【0036】以上の動作を継続的に行うことによって、
この立体画像認識眼鏡(G1)を着用した観測者の右目
には右目用の画像(RI)が、左目には左目用の画像
(LI)が、それぞれ認識されるので、左右の画像によ
って相互に生じる残像によって、観測者にはあたかも立
体画像が見えるかのごとく認識される。以上説明したよ
うに、本実施例に係る立体画像認識眼鏡によれば、本実
施例で既に述べた高速な液晶シャッター(S11,S1
2)を備えている。
【0037】これらの液晶シャッター(S11,S1
2)は1回の開閉に要する総計時間が上述のように5ms
ecと高速である。これは周波数に換算すると200Hz
となり、ビデオレートの60Hzや、一般に人間が開閉
を認識できる最高の周波数である32Hzをはるかに超
えて高速である。これにより、立体画像認識眼鏡(G1
1)を着用した観測者が立体画像を認識できる程度に高
速な応答速度で液晶シャッター(S11,S12)の開
閉を切り替えることができるので、汎用材料を用いて、
信頼性が高く、安価、堅牢でかつ高速応答可能な立体画
像認識眼鏡を製造することが可能になる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る液晶シ
ャッターによれば、対向配置された第1の配向膜のラビ
ング方向と第2の配向膜のラビング方向とがほぼ平行
か、あるいはほぼ反平行になっている液晶パネルを有す
る。これにより、従来のTNセルのときに遅い応答を示
していた電界印加状態から電圧無印加の状態に切り替わ
る時に、TNセルのように、ねじれ方向でのトルクバラ
ンスをとりつつ回転しながら元の状態に復元せずに、そ
れぞれの液晶分子は最短の軌跡を描いて元の一に復元す
るので、液晶分子は高速に復元し、TNセルなどに比し
て高速な電圧応答を示す。したがって、高速応答可能な
液晶シャッターを汎用の材料などを用いて形成すること
が可能になる。
【0039】また、本発明に係る立体画像認識眼鏡によ
れば、本発明に係る液晶シャッターが右目側と左目側の
両方に形成されて成る。このため、観測者が着用した右
目用の液晶シャッターと左目用の液晶シャッターとを交
互に開くことによって、当該立体画像認識眼鏡を着用し
た観測者が立体像を認識することが可能になるので、信
頼性が高く、安価、堅牢でかつ高速応答可能な立体画像
認識眼鏡を製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る液晶シャッターを説明す
る断面図である。
【図2】本発明の実施例に係る立体画像認識眼鏡を説明
する図面である。
【図3】本発明の実施例に係る液晶シャッターの動作を
説明する第1の図である。
【図4】本発明の実施例に係る液晶シャッターの動作を
説明する第2の図である。
【図5】従来例に係る立体画像認識眼鏡を説明する図面
である。
【図6】立体画像認識眼鏡を用いた立体画像表示方式を
説明する図面である。
【図7】従来例に係るTNセルの動作を説明する第1の
図である。
【図8】従来例に係るTNセルの動作を説明する第2の
図である。
【図9】液晶シャッターの電気光学応答を測定する光学
系を説明する図である。
【図10】液晶シャッターの駆動電圧と光学応答出力と
の関係を説明するグラフである。
【符号の説明】
(11) 透明基板 (12) 透明基板 (13A) 第1の透明電極 (13B) 第2の透明電極 (14A) 第1の配向膜 (14B) 第2の配向膜 (15A) 第1の偏光板 (15B) 第2の偏光板 (16) シール材 (20) 駆動回路 (LM) 液晶分子 (R11) 第1の配向膜のラビング方向 (R12) 第2の配向膜のラビング方向 (G11) 立体画像認識眼鏡 (S11,S12)液晶シャッター

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の透明基板の表面に形成された第1
    の透明電極と、 前記第1の透明電極の上に形成され、表面にラビング処
    理がなされた第1の配向膜と、 第2の透明基板の表面に形成された第2の透明電極と、 前記第2の透明電極の上に形成され、表面にラビング処
    理がなされた第2の配向膜と、 前記第1の配向膜と前記第2の配向膜とが対向配置さ
    れ、前記第1の配向膜と前記第2の配向膜との間に液晶
    が封入されて成り、前記第1の配向膜のラビング方向と
    前記第2の配向膜のラビング方向とがほぼ平行か、ある
    いはほぼ反平行になっている液晶パネルと、 前記液晶パネルの上に形成された第1の偏光板と、 前記液晶パネルの下に形成された第2の偏光板とを有す
    ることを特徴とする液晶シャッター。
  2. 【請求項2】 前記第1の偏光板の偏光軸と前記第2の
    偏光板の偏光軸とがほぼ平行か、あるいはほぼ直交する
    角度に設定されていることを特徴とする請求項1記載の
    液晶シャッター。
  3. 【請求項3】 前記液晶パネルの前記第1の透明電極と
    前記第2の透明電極との間に、駆動電圧を印加/無印加
    し、かつ前記駆動電圧が印加される期間が、前記駆動電
    圧が印加されない期間に等しいか又は短く設定されてい
    る駆動電圧を供給する駆動回路を有することを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載の液晶シャッター。
  4. 【請求項4】 前記液晶パネルに印加する駆動電圧が1
    5V以上のスタティック駆動の交流波形であることを特
    徴とする請求項3記載の液晶シャッター。
  5. 【請求項5】 請求項1,請求項2,請求項3,又は請
    求項4記載の液晶シャッターが右目側と左目側との両方
    に設けられていることを特徴とする立体画像認識眼鏡。
  6. 【請求項6】 前記右目側の液晶シャッターと前記左目
    側の液晶シャッターとが交互に開閉することを特徴とす
    る請求項5記載の立体画像認識眼鏡。
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