JPH0820026A - タイヤ成形用金型 - Google Patents

タイヤ成形用金型

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JPH0820026A
JPH0820026A JP14999394A JP14999394A JPH0820026A JP H0820026 A JPH0820026 A JP H0820026A JP 14999394 A JP14999394 A JP 14999394A JP 14999394 A JP14999394 A JP 14999394A JP H0820026 A JPH0820026 A JP H0820026A
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molding
mold
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピースの硬度に優れ耐久性が良好で、メンテ
ナンスが簡単に行えるタイヤ成形用金型を提供する。 【構成】 複数のピース10はホルダセクタ20に装着
され、セグメント5を構成している。ピース10同士は
それらの隣接面12同士が当接することにより隣接配置
されている。ピースの成形面11と隣接面12とがなす
角部11eの硬度が140〜4000の範囲内に制御さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タイヤ成形用金型に係
り、更に詳細には、耐久性及びメンテナンス性に優れ、
高い寸法精度を有し外観の良好なタイヤを成形できるタ
イヤ成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のタイヤ成形用金型としては、図2
0(a)に示すような上下分割形式の金型、及び図20(b)
に示すような径方向への分割形式の金型が知られてお
り、このような金型においては、タイヤ加硫成形時に金
型と未加硫ゴムとの間に封じ込められた空気等のガスを
金型の外部に排出するために、ベントホールと称され
る、金型の内外に連通する小孔が多数穿設されていた。
しかし、かかるベントホールを穿設する作業には熟練を
要し、しかも穿設個数が多いため工数も多くなる結果、
金型の製造効率が十分ではないという問題があった。ま
た、ベントホールにより、成形されたタイヤ表面にスピ
ューと称される毛状のゴムが発生するので、これを除去
しなければならず、除去したとしてもタイヤ表面に痕跡
が残存し易く、この痕跡がタイヤの外観を損なったり、
タイヤの初期走行特性を損なうという問題があった。更
に、上述の如き金型を用いてタイヤの成形を繰り返す
と、上記スピューが切断されてベントホール内に残存し
たり、ゴム分等の汚れが堆積することによりベントホー
ルが詰まることがあり、金型を定期的に(数百〜数千回
の成形毎)洗浄する必要があり、この洗浄は全てのベン
トホールにつきドリル等を用いて手作業で行わなければ
ならず、金型のメンテナンスが煩雑であるという問題が
あった。
【0003】このような問題に対して、特開平4−22
3108号公報及び特開平5−220753号公報に
は、図20(b)に示すようなセグメント形式のタイヤ成
形用金型を用い、タイヤにトレッドパターンを付与する
トレッド成形部1を複数のピースに分割してホルダ2で
保持し、型組の際に各ピース1同士の隣接間隔を適切に
制御して、ゴム分の排出を阻止する空気抜きの隙間を設
けることにより、ベントホールの数を低減又は無くし得
ることが開示されている。また、ピース1を分割して上
記空気抜きの隙間を設けることは、図20(a)に示すよ
うな金型にも適用可能であることも記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようなピースを分割して隣接配置する金型においても、
通常のタイヤ成形用金型同様に、タイヤを数百〜数千回
成形すると、金型表面、ベントホール、ピース間の空気
抜きの隙間にゴム分が固着し、得られるタイヤの外観が
損なわれたり、空気抜き効果が低下するために金型を数
百〜数千ショット毎に定期的に洗浄する必要がある。一
般に、タイヤ成形用金型の洗浄は、金型にガラスビー
ズ、鉄粉等の粉体を吹きつけるブラスト洗浄により行わ
れるが、上記ピース分割金型においては、上記空気抜き
の隙間に入り込んだゴム分等の汚れを除去するために、
各ピースをホルダからはずしてブラスト処理を行う必要
があった。
【0005】ところで、上記ピース分割金型では、ピー
スがアルミ合金で作製されているため硬度的に十分では
なく耐摩耗性に劣ることから、これらピースが上記ブラ
スト洗浄により塑性変形し、図21(a)〜(c)に示すよう
に、ピース1の成形面1aと隣接面1bとがなす角部1
cにおいて肉垂れ現象が発生し、この肉垂れ現象によ
り、ピース1間に設けた空気抜きの隙間tが狭小化又は
閉塞して空気抜き効果が損なわれ、タイヤ成形ができな
くなるという課題があった。また、上述のように肉垂れ
を生じたピース1をホルダー2に組み込む際には、これ
ら肉垂れ部分が邪魔になり、複数のピース1を所定寸法
で組み込み難くなり、これらピース1を環状に配置して
タイヤ成形を行えば、得られるタイヤの真円度が低下す
るという課題があった。更に、ピース1に生じた肉垂れ
は、複数のピース1を隣接配置してホルダに組み込む際
にピース同士の無用な接触を引き起こし、ピース1間で
破損等を生ずるという課題があった。
【0006】また、図21(a)〜(c)に示したようにピー
ス1に肉垂れが発生した場合、従来は手作業により肉垂
れを除去する必要があり煩雑であった。更に、このよう
に肉垂れを除去したとしても、ピース1を定期的にブラ
スト洗浄することにより当該除去部分に新たに発生する
肉垂れはブラスト洗浄毎に大きくなる。従って、これら
漸次大きくなる肉垂れを順次除去するとすれば、図21
(d)に示すようにピース1間やピース1の端部に比較的
大きな切欠部分1dを生じ、このままの状態でタイヤ成
形を行えば、この切欠部分1d(及び大きくなった隙間
t)がタイヤ表面に太い線として転写されてしまい、得
られるタイヤの外観を損なうという課題があった。一
方、このような肉垂れ現象を回避すべく、金型材料とし
て高強度タイプのアルミ合金(溶体化、時効処理により
硬化させて得られるアルミ合金)用いてピースを作製す
ることも考えられるが、タイヤの成形温度は約170℃
であり、該アルミ合金の時効温度とほぼ一致するので、
タイヤ成形中に該アルミ合金が過時効状態になり、硬度
が低下するのみならず、寸法も経時変化を起こし、ピー
ス間の寸法調整が困難になるという課題があった。
【0007】本発明は、このような従来技術の有する課
題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、ピースの硬度に優れ耐久性が良好で、メンテナンス
が簡単に行えるタイヤ成形用金型を提供することにあ
る。また、本発明の他の目的は、真円度が高く外観の良
好なタイヤを成形できるタイヤ成形用金型を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究した結果、ピースの少なくとも特定
角部の硬度を一定範囲内に制御することにより、上記目
的が達成できることを見出し、本発明を完成するに到っ
た。従って、本発明のタイヤ成形用金型は、製品タイヤ
にトレッドパターンを付与する、全体として環状をなす
複数のピースと、これらピースを周方向に隣接して装着
できるホルダとを備えたタイヤ成形用金型において、上
記ピースは、トレッドパターンの一部を付与する成形面
と、他の上記ピースと当接又は近接する隣接面と、上記
ホルダと当接又は近接する背面とを有し、上記ピース同
士の隣接面の間に空気抜きの隙間を備え、上記ピースの
成形面と隣接面とがなす角部のビッカース硬度がHV1
40〜4000である、ことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明のタイヤ成形用金型においては、ピース
の成形面と隣接面とがなす角部の硬度をHV140〜4
000に制御した。従って、この角部の硬度及び耐摩耗
性が良好であり、金型のブラスト洗浄に際し、この角部
が塑性変形する度合いは著しく少なく、上記角部の肉垂
れ現象を回避することができる。よって、本発明のタイ
ヤ成形用金型では、ピースの隣接面の間に設けた空気抜
きの隙間が遮断されることがなく、繰り返しの使用及び
洗浄等の耐久性に優れる。また、上記角部が肉垂れしな
いことから、ピースをホルダに隣接配置する際にピース
の配置位置が肉垂れにより狂うことがなく、良好な寸法
精度を維持できるため、得られるタイヤの真円度を低下
させることがない。
【0010】以下、本発明のタイヤ成形用金型について
詳細に説明する。本発明のタイヤ成形用金型は、全体と
して環状、即ちタイヤの形状に合致した環状をなす複数
のピースと、これらピースを隣接させて装着できるホル
ダとを備える。このホルダの形状としては、環状をなし
ていてもよいが、この環を所定間隔で分割して得られる
セクタ状をなしていてもよい。また、上記ピースは、タ
イヤにトレッドパターンの一部を付与する成形面と、他
のピースと当接又は近接する隣接面と、上記ホルダと当
接又は近接する背面とを有している。
【0011】そして、本発明のタイヤ成形用金型におい
ては、この成形面と隣接面とがなす角部のビッカース硬
度がHV140〜4000であり、好ましくは、HV1
90〜1000である。この角部の硬度をHV140〜
4000とするには、ピース自体をこのような硬度を有
する材料を用いて作製すればよいが、これのみに限定さ
れるものではなく、角部のみに焼き入れ等の熱処理を施
したり、角部のみに表面処理を施して高硬度の層を設け
ることによっても上記硬度を満足させることができる。
上記角部の硬度がHV140未満では、ブラスト洗浄時
に肉垂れが発生・進行するので好ましくない。なお、ピ
ースの成形面がHV140未満の場合には、ブラスト洗
浄時において成形面に肌荒れが発生して外観を損なうこ
とがあるので、ピース成形面としてもHV140以上に
制御するのが一層好ましい。
【0012】また、上述の肉垂れ現象をほぼ完全に回避
するには、HV190以上にすればよいが、ピースの加
工性を考慮するとピース自体の硬度はHV430以下に
するのが好ましい。但し、ピースを加工した後、焼き入
れ(これは鉄系合金にのみ有効)、メッキ、CVD等の
表面処理を施すことにより、硬度をHV300〜400
0にまで容易に向上させることができる。なお、通常の
タイヤ成形用金型におけるブラスト処理の場合にはHV
1000程度もあれば十分であり、この点から部分焼き
入れ(HV300〜550)やCrメッキ(HV100
0程度)を適用することで容易に上記硬度範囲に調整で
きる。また、これら表面処理により、HV1000以上
にすることも可能であるが、このような過度の表面処理
は経済的に無駄である。なお、上記角部を約0.05〜
0.2mmで面取り加工することにより、該角部がブラ
スト洗浄の際に肉垂れするのを一層抑制することがで
き、特にこの効果はHV190以下の場合に一層顕著に
なる。この面取り加工は、R面又はC面の状態で面取り
すればよいが、0.05〜0.2mmの曲率半径をもっ
てR面状に加工するのが好ましい。
【0013】また、上記硬度範囲を満足するピース作製
材料としては、特に限定されるものではなく、鉄系合
金、銅合金、ニッケル合金等を挙げることができるが、
ゴム成分との反応性が小さいことから鉄系合金が好まし
く、鉄系合金のうちでも、成形面を精密に鋳出すための
鋳造性と強度を考慮すれば、球状黒鉛鋳鋼、炭素鋼鋳鋼
が特に好ましい。また、銅合金としては、BeCu合金
(特に、2〜3重量%のBeと、0.5〜1.0重量%
のCoを含むCu合金)が鋳造性、硬度及び熱伝導性に
優れ良好であるが、ゴム成分との反応性が高いため、こ
の合金を用いる場合には、合金表面にNi及び/又はC
rメッキを施す必要がある。なお、炭素鋼鋳鋼を使用す
る場合、鋳造性(低融点化)及び硬度の向上を考慮すれ
ば、炭素分を0.4〜0.5重量%含有したS30C〜
S55C相当の組成とすることが好ましいが、更にN
i、Cr、Mo等の焼き入れ性向上成分を含有させたも
のを使用するのが一層好ましい。
【0014】ところで、上記ピースの成形面に存在する
骨部や薄板形状のブレード部、即ち、タイヤのトレッド
溝を成形する凸部は、従来、アルミ鋳物で鋳出すか又は
ブレード部では鋼板をアルミ鋳物で鋳ぐるむことによ
り、アルミ合金製のピース地に埋設されていた。この理
由は、アルミ合金は硬度が十分でないため、ブレード部
をピース地から一体的に鋳出しても、曲がりや破損が生
じてしまうからである。また、上述のように鋳ぐるまれ
たブレード部であっても接合強度が十分とは言い難く、
アルミ合金自体の強度が十分でないことと相俟って、こ
のようなブレード部がセクタの端面から数mmの近傍に
存在する場合やピース間を跨ぐ場合には、そのブレード
部が変形したり、鋳ぐるまれていたアルミ鋳物から欠落
するという問題があった。従来はかかる問題を回避すべ
く、ブレード部の位置を変更してセクタ端面から3mm
以上離間させたり、ブレード部がピース間を跨がないよ
うに曲線をもってピースを分割したりしており、ブレー
ド部作製に当たり制約が多かった。なお、従来は、上記
鋳ぐるみ以外の方法として、予め放電加工法(以下、
「EDM」という。)等により作製しておいたピースの
成形面に鋼板を嵌入することによりブレード部を設ける
ことも行われていたが、工数がかかるばかりか、接合強
度も不十分であるという問題があった。また、EDM自
体としても、加工に長時間を要し、経済的にも不利であ
る。
【0015】以上のように、従来技術では、ブレード部
の作製に種々の制約が課されていたが、本発明によれ
ば、ピース作製材料の硬度を制御し、この材料を用いて
ブレード部を鋳出すことができ、ブレード部をピース地
と一体的に形成することが可能になった。このブレード
部は、ピース地と一体的に形成されているため強度が良
好であり、また、鋳出すことができるためブレード部を
設ける位置等にほとんど制約を受けない。従って、タイ
ヤ成形用金型のデザイン上の自由度を向上させるもので
あり、また、EDMのような長時間を要する工程も不要
であり且つブレード部の作製を短時間で行うことができ
る。
【0016】本発明において、ブレード部の硬度として
は、ビッカース硬度でHVが140〜550であること
が好ましい。HVが140未満では、強度不足で簡単に
曲がってしまい、550を超えると靱性が不足して欠け
易くなるため、好ましくない。なお、ピースの上記角部
にブレード部等の細肉部がかかる場合には、ブレード部
等がブラスト洗浄により摩耗し易くなるため、鋳出した
後に局部的に焼き入れを施すことにより、HV300〜
550とするのが好ましい。0.5mm程度の板厚を有
するブレード部を健全に鋳出すことのできる材料として
は、以下の組成を有する球状黒鉛鋳鋼が好ましい。球状
黒鉛鋳鋼を用いてブレード部を鋳出す際には、HV55
0を超えないようにチル化を防止する必要があり、この
ためには、炭素分を3.0〜3.6重量%、珪素分を
2.0〜2.8重量%、黒鉛球状化剤(Mg)を0.0
15〜0.04重量%に制御してチル化促進成分を極力
低減した基本成分に、硬度を向上させチル化を促進させ
ない銅又はニッケルを4%重量以下含有させた球状黒鉛
鋳鋼を使用するのが好ましい。なお、硬度を一層向上さ
せ、且つ焼き入れ性を向上させるには、ニッケルととも
にモリブデンを0.2〜0.4重量%含有させるのがよ
い。
【0017】次に、上記ホルダを作製する材料として
は、ピースを装脱着する際にホルダが破損したり摩耗し
たりするのを回避すべく、HV140〜430の硬度を
有する材料が好ましい。更に、タイヤ成形時にピース及
びホルダが加熱されることを考慮すれば、ホルダの熱膨
張係数をピースの熱膨張係数と同等又はそれ以下とする
ことにより、装着・固定されたピースがタイヤ成形時に
ホルダと隙間を生じず一層強固に密着できるので、ピー
ス作製材料との熱膨張係数の差が小さい材料を用いるの
が好ましい。この熱膨張係数差は、常温から約200℃
迄の間で5×10-6/℃以下に制御するのが好ましい。
このように熱膨張係数差を制御することにより、複数の
ピースを隣接配置する際に、ピースの熱膨張分を考慮し
てホルダ寸法を調整する手間を省くことができ、常温で
装着された際にピース全体で構成する真円度が、タイヤ
成形時にも維持されることになる。上記ホルダ作製材料
として、具体的には、鉄系合金、特に球状黒鉛鋳鋼、鋳
鉄、炭素鋼鋳鋼を好ましく使用することができる。
【0018】次に、ピース間に存在する空気抜きの隙間
について説明する。この隙間は、タイヤ加硫成形時に金
型と未加硫ゴムとの間に封じ込められた空気等のガスを
金型の外部に排出する機能を果たすものであるが、本発
明においては、この隙間を意図的に設ける場合の外、ピ
ース間に必然的に存在する場合も含むものである。例え
ば、ピースを球状黒鉛鋳鋼を用いて精密鋳造法で作製す
ることにより成形面を鋳出し、図17に示すように、成
形面に対してほぼ垂直の方向(タイヤ成形金型の中心方
向)を加工軸とするエンドミル91の外周歯によりピー
スの隣接面を側面加工した場合には、通常Rz3〜10
μm程度の加工面粗さで規定される隙間が存在するが、
このような隙間であっても十分である。
【0019】この隙間は、ピースの隣接面の一部を成形
面から背面まで貫通するように切削し又は溝状の段差を
設けることによっても作成できる。但し、隣接する2つ
のピースにおいて、いずれか一方のピースの隣接面が上
述のように加工されていれば十分であり、必ずしも両方
のピースの隣接面が加工されている必要はない。この段
差の溝深さは、50μm以下とするのが好ましく、50
μmを超えるとタイヤ成形時におけるゴム成分のハミ出
し高さが大きくなり、製品タイヤの外観を損なうので好
ましくない。なお、ピースの隣接面の表面粗さにも影響
を受けるが、通常、空気を有効に逃がすためには3μm
以上の溝深さがあれば十分である。しかし、溝深さを1
0μm以下とした場合には、段差に侵入したゴム成分が
離型の際に切れて残存することにより目詰まりを起こす
ことがあるので。10μm以上にするのが更に好まし
い。
【0020】また、この隙間を形成する別法としては、
ピースの隣接面の全部又は一部を、切削又はブラスト処
理することにより十点平均粗さRz3〜50μm程度の
加工面粗さを有する状態に加工する方法を挙げることが
できる。なお、この形成法によれば、ゴム成分が隙間に
挿入し難いことからゴム成分が切れて隙間に残存するこ
とはないが、ゴム成分の材質によっては汚れ分が堆積し
て隙間を塞ぎ易くなるので、ピースの隣接面全体を上述
の如く粗面加工するのが好ましい。また、この場合も、
隣接する2つのピースのうちのいずれか一方が粗面加工
されていれば十分であり、必ずしも両方が粗面加工され
ている必要はない。なお、このような空気抜きの隙間
は、タイヤのトレッド部におけるランドエリアを形成す
る部分に少なくとも1つ配置されるようにピースを分割
して設けるのが好ましい。更に、ピースの成形面にデザ
イン的に分割できないランドエリアが存在する場合に
は、周方向(ピースが隣接配置される方向)に貫通する
小孔を骨部の付根近傍に設けて隣接するランドエリアと
連通させることにより、空気抜き効果を付与することも
可能である。
【0021】
【実施例】以下、本発明を、図面を参照して実施例によ
り更に詳細に説明する。 (実施例1)図1は、本発明のタイヤ成形用金型の一実
施例を部分的に示す斜視図である。同図には図20(b)
に示すようなセグメント形式の金型の一部分が示されて
おり、複数のピース10はホルダセクタ20に装着さ
れ、セグメント5を構成している。本実施例は、ピース
10の背面13とホルダ20の保持面21とを摺動させ
ながら(図2参照。)、ピース10を図示矢印Aで示す
周方向に移動させてホルダセクタ20に装着させる形式
のものである。なお、ピース10をホルダセクタ20に
装着するに当たっては、ピースの背面13とホルダセク
タの保持面21との間に約0.02mmの隙間を設ける
ことが脱着性向上の観点から好ましい。例えば、ピース
10とホルダセクタ20とが同種材質で構成されている
場合には、約20℃の温度差を設けることにより、この
隙間を確保できる。また、ピース10のホルダセクタ2
0への固定法は、特に限定されるものではないが、図3
(a)〜(c)に示すように、セグメント5の両端において、
ピース10及びセクタ20の側面を座ぐり加工し、ボル
ト60、ワッシャー61、座62等を用いて固定するこ
とにより行うことができる。なお、座62が弾性を有す
る場合には、一層好ましく使用することができる。
【0022】上記ピース10は、全部のピースでタイヤ
全体のトレッドパターンを形成するもので、その成形面
11にはタイヤにトレッドパターンを形成するための凸
状パターン(骨部及びブレード部)が形成されている
(図示せず。)。また、走行時におけるタイヤの防振や
防音を図るべく、パターンピッチの異なるピースを隣接
配置することが多く、本実施例においては、S,M,L
の3種のピッチを有するピース10を8列(8枚)ずつ
上下2段に配置している。なお、ホルダセクタ20の上
縁部及び下縁部に示した番号は、ピース10の列番号を
表している。
【0023】これらピース10は、セラミックスモール
ド法のような精密鋳造法により成形面11を鋳出して鋳
造される。この鋳出しの際、成形面11の歪(ネジレ)
は0.15mm以下、好ましくは0.1mm以下に制御
される。次に、各ピースの成形面11の主要部を基準と
して他の面(隣接面12等)を機械加工することにより
成形面11の歪を維持し、最終的に各ピースをホルダに
組み込んだ状態でも、真円度が0.15mm以下、好ま
しくは0.1mm以下程度のタイヤ成形用金型が得られ
る。ピース隣接面12の加工は、その加工軸がピースの
ピッチ寸法に応じた角度をもって、タイヤ成形用金型の
中心軸方向(得られるタイヤの中心方向)に向いた平面
又は曲面により加工される。この際、ピース隣接面12
が曲面状の場合には、加工軸がタイヤ金型の中心方向を
向いて水平となるようにし、更に上記の角度を一定に保
ったままで加工するのが好ましい。ピース隣接面12の
具体的な加工例としては、NCフライスを用い、ピース
成形面11に対面してピースのピッチ寸法に応じた角度
を傾けてピースを固定し、Z軸を一定とした状態でX,
Y軸を制御し、エンドミルの外周歯により側面加工する
ことを例示することができる。なお、このように加工す
るためのソフト設計は容易に行うことができる。
【0024】以上のように加工して得られるピース10
を使用すれば、ピース10をホルダセクタ20に装着す
る際に隣接面12同士のガタ付きや隣接面12間の不要
な隙間が生じ難くなる。また、これとともにピース10
の硬度をHV140以上とすることにより、ピース同士
のカジリ(破損)等の不具合が生じ難くなり、装着性に
優れたピースを容易に得ることが可能になる。更に、ホ
ルダセクタの端面に配置されるピースに上述の曲面加工
を施すことにより、タイヤ成形時の型締めの際に同様の
効果が得られる。なお、ピース10の他の部分(背面
等)は、旋盤加工されたホルダセクタ20により保持さ
れる部位の寸法に合致させて旋盤やフライス等を用いて
加工される。以上のように、ピース10を加工すれば、
100〜200個のピース10を7〜8個のホルダセク
タ20に装着して型組を行った状態でも、0.15mm
の真円度を確保できる。
【0025】図1を参照して、ピース10同士は、それ
らの隣接面12同士が当接することにより隣接配置され
ているが、タイヤ加硫成形時における空気抜きの隙間
は、隣接面12の一部を成形面11から背面13まで貫
通させて代表的に0.02mm程度切削又は研削するこ
とにより設けることができる。別法として、ピース10
同士の間(隣接面12の一部同士の間)に0.02mm
程度のスペーサを挿入することによっても、空気抜きの
隙間を設けることができる。また、隣接面12の一部又
は全体を十点平均粗さRz3〜50μm程度の加工面粗
さを有する状態に加工することにより、空気抜き効果を
付与することも可能である。なお、上記空気抜きの隙間
の寸法が小さい場合には、ピース10の背面13側から
減圧することにより、所期の空気抜き効果を得ることも
できる。以上に説明したような空気抜きの隙間は、製品
タイヤのトレッド部におけるランドエリアを成形する部
分に少なくとも1つ配置されるのが好ましい。
【0026】本実施例において、ピース10の成形面1
1と隣接面12とがなす角部11eの硬度は、HV14
0〜550の範囲内に制御されている。但し、ピース1
0の全体がこの硬度範囲を満足するように構成されてい
てもよい。この硬度を実現するためには、ピース10の
材質を球状黒鉛鋳鋼、炭素鋼鋳鋼及びBeCu合金等と
することを例示できる。また、鉄系合金においては、角
部11eに焼き入れを施すことにより、硬度を更に向上
させることもできる。例えば、ピース10を球状黒鉛鋳
鋼で作製し、角部11eに800〜900℃で焼き入れ
を施すことにより、角部11eの硬度をHV400〜5
50に向上させることができる。また、本発明において
は、角部11eが所定の硬度を有すれば十分であるた
め、ピース10をアルミ合金で作製し硬質アルマイト等
の表面処理を施すことにより、角部11eの硬度をHV
1000程度にしてもよい。
【0027】上述のように、本実施例の金型は、角部1
1eの硬度が大きく耐摩耗性に優れるため、ブラスト洗
浄を繰り返しても図21(a)〜(c)に示すように角部11
eが肉垂れすることが少ない。従って、本実施例の金型
では、上記隣接面12の間に設けた空気抜きの隙間がブ
ラスト洗浄により閉塞されるのを回避でき、この金型は
繰り返し使用に対する耐久性に優れる。また、ピース1
0が肉垂れせず塑性変形し難いため、ピース10をホル
ダセクタ20に隣接配置する際の寸法精度に優れ、得ら
れるタイヤの真円度を向上させることができる。更に、
角部11eを0.05〜0.2mm程度面取り加工する
ことにより、肉垂れを一層良好に回避することができ金
型の耐久性を更に向上させることができるとともに、上
記隣接配置の際の寸法精度を一層向上させることがで
き、タイヤの真円度を一層向上させることができる。
【0028】次に、ホルダセクタ20の材質について説
明する。このホルダセクタ20の硬度は、HV140〜
430とするのが好ましく、この硬度範囲に制御するこ
とにより、ピース10を装脱着する際にホルダセクタ2
0が破損したり摩耗したりするのを回避することができ
る。また、タイヤ成形時にピース10及びホルダセクタ
20が170℃程度に加熱されることを考慮すれば、ピ
ース10の作製材料との熱膨張係数の差が小さい材料が
好ましく、両者の熱膨張係数差が常温から約200℃迄
の間で5×10-6/℃以下になるようにするのが好まし
い。このように熱膨張係数差を制御することにより、複
数のピース10を隣接配置する際に、ピース10の熱膨
張分を考慮してホルダセクタ20の寸法を調整する手間
を省くことができる。ホルダセクタ20の作製材料とし
て、具体的には、鉄系合金、特に球状黒鉛鋳鋼、炭素鋼
鋳鋼を好ましく使用することができる。更に、ホルダセ
クタ20の保持面21は、ピース10との熱伝導性を低
下させないために表面粗さRz10μm以下に加工する
のが好ましい。なお、ホルダセクタ20を部分的に肉抜
きして作製することにより、ホルダセクタ20の軽量化
を図ることができるが、上記熱伝導性を低下させないよ
うに注意する必要がある。この観点からは、肉抜き部分
に熱膨張差を吸収する構造でアルミ合金をインサートす
ることや油を封入することが好ましい。
【0029】また、本実施例においては、以下に説明す
るように、ピース10とホルダセクタ20との位置決め
がなされる。まず、ホルダセクタ20の保持面21に
は、周方向Aに延在する周溝22が上下2段に3本ずつ
形成されており、これら周溝22の所定位置には板状の
ストッパ30が設けられている。一方、図2に示すよう
に、ピース10の背面13には、周溝22の位置に合致
させてピン孔14が穿設されており、ピン孔14に、周
溝22の幅より若干小さな径を有する位置決めピン15
を挿入することにより凸部が形成されている。
【0030】そして、ピース10をセクタ20に装着す
るに当たっては、ピース10の位置決めピン15を周溝
22に案内させながら周方向に移動させるが、位置決め
ピン15の高さHとストッパ30の高さIとの関係を図
5(a)〜図5(c)のように調整することにより、所定のピ
ース10(S,M,L)は、周溝22の所定位置に配置
された所定のストッパ30と当接して所定位置(1〜
8)に位置決めされる(図4参照。なお、図4におい
て、ストッパ及びピンに付したa,b,cの符号は、そ
れぞれ図5(a),(b),(c)の態様に相当するものとす
る。)。即ち、例えば、図4において、第1〜3列のピ
ースS,S,Mはピン15をどの周溝22で案内させる
かによって区別される。また、案内させる周溝22が同
一である、例えば第1列、4列、7列のピースについて
は、図5に示すようなHとIとの関係により区別され、
各ピースは所定位置に停止することになる。このよう
に、本実施例においては、溝22の本数、溝の深さG、
ストッパの高さH、ピンの高さIを適宜変化させること
により、種々の位置決めパターンを採用することができ
る。以上説明したように、本実施例においては、角部1
1eの肉垂れが防止できるとともに、セクタ20に装着
するピース10の配置順を誤認することもなくなり、洗
浄後等の型組の際に、ピース10のセクタ20に対する
装着が簡易且つ正確になされる。
【0031】次に、上記ピース10の変形例を図6に示
す。同図において、このピース10aにおいては、背面
13a、13b及び13cの部分が切削されており、本
例によれば、ピースをセクタ20に装着する際にピース
とセクタ20とが摺動する部分を低減でき、ピースの装
着・脱着が一層容易となる。但し、切削による逃がし面
13a、13b等の面積を大きくし過ぎるとピースとセ
クタ20との熱伝達効率が低減するので、これら逃がし
面13a等の面積は、ピースの背面13の全面積(セク
タの保持面21全体と完全に接触する場合の背面13の
面積)の半分以下に制御するのが好ましい。また、ピー
ス10aの背面には、ガイドの一例である溝16が設け
られており、型ばらしの際に、この溝16にレール40
を案内させ、各ピース10aをレール40に移動させて
数珠つなぎ状態にしておけば、脱着したピース10aが
バラバラにならずに済み便利である。この場合、溝16
の断面形状は、図7に示すようにアンダーカットを有す
るような形状にし、レール40が溝16からはずれない
ようにするのが好ましい。なお、上記ガイドとしては、
必ずしも溝である必要はなく、孔であってもよい。更
に、レール40を軟質の金属線、例えば、銅製の棒材で
作製すると、ピース10aをブラスト洗浄する際に、レ
ール40を図8(a)に示す状態から図8(b)に示す状態に
湾曲させることにより、ピース10aの成形面11及び
隣接面12を露出させることができ、洗浄効率を向上さ
せることができる。なお、他の方法としては、ピース1
0aの合計長さより長いワイヤ41を準備し、このワイ
ヤ41によりピース10aを相互に連結しておく方法も
例示できる(図6参照。)。
【0032】(実施例2)本発明のタイヤ成形用金型の
他の実施例を図9に示す。図9(a)は実施例1に示すセ
グメント5と同様のセグメントの斜視図であり、図9
(b)はこのセグメントに用いるピース10bの斜視図で
ある。なお、以下、上記の部材と実質的に同一の部材に
は同一符号を付し、その説明を省略する。また、ピース
10bの角部11e及びセクタ20は、上述の硬度や熱
膨張係数の差を満足するものである。本実施例に示す金
型も上記セグメント形式の金型であるが、ホルダプレー
ト50,50を用いて、ピース10bを上下方向からセ
クタ20に抱き込ませ、ピース10bの装着強度を向上
させている。このようなホルダプレート50の使用は、
ピース10bが上下2段に配置されている場合に好適で
あり、ピース10bの上下における接触面19の接合強
度を大きくすることができる。ピース10bの段部11
aにホルダプレート50をはめ込むことにより、ピース
10bを図示矢印Dで示す方向に押圧することができ、
ピース10bの装着強度を一層向上させることができ
る。また、本実施例の金型は、ピース10bの装脱着方
向を図示矢印Bに示す半径方向にしたものである。ピー
ス10bの背面13には所定形状の凸部17が所定位置
に設けられており、セクタ20の保持面21には、所定
形状の凹部24が所定位置に設けられている。また、ピ
ース10bの隣接面12は曲面状に加工されている。
【0033】図10に示すように、本実施例において
は、凸部17の形状及び位置、凹部24の形状及び位置
を変化させることにより、特定のピース10bはセクタ
20の特定位置に装着されることを確実にし、位置決め
を行ったものである。なお、本実施例では、実施例1と
異なり、ピースを順番に周方向に配置する必要がないた
め、ピースの配置順に応じて位置決めのパターンを変化
させる必要がない。従って、ピースのパターンピッチの
種類別に対応した凹凸形状及び位置を選定すればよく、
図10において、例えば第2列と第7列のピースとは取
り替えることが可能である。更に、本実施例では、ピー
ス10とセクタ20とが摺動する割合が低いため、装着
性が更に良好である。また、本実施例においては、図3
に示すような固定がなされていない状態では、セグメン
ト内のピース10b全部を同時に脱着できるため、型ば
らしの作業性を向上できる。更に、ピース10bの背面
に溝を設け、この溝にレールを挿入することにより、装
脱着に際しピース10bがバラバラになることを回避で
きる(図6参照。)。更にまた、本実施例においては、
角部11e、セクタ20の硬度、熱膨張係数の差を上述
のように制御して構成しているため、肉垂れ現象を回避
することができ、金型寿命に優れ、得られるタイヤの真
円度にも優れる。次に、本実施例の変形例を図22に示
す。同図に示す例においても、ホルダプレート50を用
い、ピース10の背面部をセクタ20に固定している。
このように構成することにより、摺動面を小さくでき、
型構造も簡易なものとすることができる。また、セクタ
20内部に空洞部100を設け、これに油等を封入する
ことにより、熱伝達性を大きく劣化させない程度に軽量
化が図られている。
【0034】(実施例3)図11は、本発明のタイヤ成
形用金型の他の実施例を示す斜視図であり、図11(a)
はセグメントの部分斜視図、図11(b)はこのセグメン
トに用いるピース10cの斜視図である。また、角部1
1e、セクタ20の硬度、熱膨張係数の差は上述のよう
に制御されている。本実施例に示す金型もセグメント形
式の金型であるが、ピース10cの装脱着方向を図示矢
印Cで示す軸方向(上下方向)にしたものである。従っ
て、ピース10cとセクタ20との摺動割合が低く、装
着性が良好である。そして、ピース10cとセクタ20
との位置決めは、ピース10cの背面13に設けた縦溝
18の高さhと幅x、この溝18に嵌合する(案内され
係止される)凸部25を適当に選定することにより行わ
れる。
【0035】本実施例においては、角部11e、セクタ
20の硬度、熱膨張係数が制御されているため、ブラス
ト洗浄の際に肉垂れ現象が極めて発生し難く、この結
果、本実施例の金型は耐久性に優れ、得られるタイヤの
真円度も良好である。また、本実施例においては、図3
に示すような固定がなされていない状態では、セグメン
ト内のピース10c全部を同時に脱着することができる
ため、型ばらしの作業性が向上できる。更に、ピース1
0cの溝16にレール40を挿入することにより、装脱
着に際しピース10cがバラバラになることを回避でき
る。なお、本実施例によれば、挿入したレール40の両
端を持ち上げたり、下のホルダをはずすことにより、セ
クタ20をタイヤの加硫成形機本体につけたままで、ピ
ース10cを同時且つ瞬時に脱着することができるの
で、脱着性は実施例2の場合より良好である。また、本
実施例においては、ピース10cの隣接面12は平面状
であるが曲面状とすることが可能であり、ピース10c
を上下2段に分割することも可能である。
【0036】(実施例4)図12に本発明のタイヤ成形
用金型の他の実施例を示す。本実施例に示す金型は、図
14(a)に示すような上下分割形式の金型であり、図1
2(a)はこの金型を一部切り欠いて示す斜視図、図12
(b)はこの金型に使用するピース10dを示す斜視図で
ある。なお、本実施例においても、角部11e、セクタ
20の硬度、熱膨張係数の差は、上述の如く制御されて
いる。従って、金型寿命に優れ、得られるタイヤの真円
度も良好である。また、本実施例の金型における位置決
めの機構は、実施例3と基本的に同じである。なお、ピ
ース10dの隣接面12が曲面加工されている場合に
は、全周分のピース10dを同時に脱着する必要がある
ため、セクタ20の保持面21とピース10dの背面1
3に抜き勾配を設けておくのが好ましい。但し、ピース
の隣接面の1箇所を平面とし、そのピースを先に取り外
すようにすれば、全ピースを同時に脱着する必要はなく
なる。また、図13に示すように、ピース10dに切削
面13aを設け、切削面13aを利用してピース10d
同士をワイヤ41で連結すれば、装脱着は一層容易に行
うことができる。この場合、約10ピース単位で連結す
るのが好ましい。
【0037】(実施例5)図14に本発明のタイヤ成形
用金型の他の実施例を示す。また、図15(a)及び(b)
は、図14に示すピースの斜視図である。図14におい
て、この金型においては、実施例2の金型と同様にホル
ダプレート50を用いてピース10e及び10fをセク
タ20に抱き込ませる形式を採用している。同図におい
て、図示した矢印は、ピース10e及び10fがセクタ
20に押圧される方向を示している。なお、角部11e
及びセクタ20は上述の硬度範囲、熱膨張係数差を満足
している。また、図15(a)に示すように、ピース10
e及び10fの成形面11には、タイヤにトレッド溝を
形成するための凸部の一例であるブレード70が設けら
れている。これらブレード部70は、球状黒鉛鋳鋼
(C:3.4重量%、Si:2.4重量%、Mg:0.
3重量%、Cu:2重量%、残部はFe)を用いた精密
鋳造法(セラミックスモールド法)により成形面11か
ら一体的に鋳出されており、そのビッカース硬度HVが
250(ピース本体はHV240)に制御されている。
従って、ブレード70の強度は良好であり、タイヤ成
形、型組、型バラシ等に際して破損する可能性が極めて
少ない。また、上述のように、例えばブレード70の隣
接面12を跨ぐ部分の角部に焼き入れを施すことによ
り、硬度をHV400〜500に向上させてもよい。
【0038】なお、これらブレード70を形成する際、
ピース同士の隣接面12を跨ぐような位置に設けること
は一般的に回避した方がよいが、本発明においてはブレ
ード70の強度が良好であるため、厚さ0.4〜1.0
mm×高さ5〜10mmのブレードを形成する場合、幅
を5mm以上とれれば強度上の問題は生じず、ブレード
の破損の可能性は無視できる。従って、ブレード70を
設ける位置等にはほとんど制約を受けず、本実施例の金
型によれば、ブレード70を設ける際のデザイン上の自
由度を向上することができる。なお、上記ピースの成形
面におけるトレッド部の歪は、0.05mm以下に制御
されており、成形面以外の面は前述の方法により機械加
工されている。また、ピースの隣接面も前述の方法によ
り曲面加工されており、その際の加工面粗さは3μmで
あり、いずれか一方の隣接面においてランドエリアに対
応する部分にのみ0.02mmの隙間ができるように、
段差が設けられている。
【0039】また、図15(b)に示すように、ピース1
0eの背面13には実施例2と同様に位置決めピン15
が設けられており、金型洗浄後の型組の際には実施例2
のように位置決めがなされる。更に、ピース10eの背
面13には、逃がし面13d〜13fが設けられており
ピースとセクタ20との装脱着性が向上させるととも
に、これら逃がし面は空気の排出経路の機能をも果たし
ている。なお、セクタ20の端面に配置されたピースに
ついては、図15に示すように、上下のピースの隣接面
においてズレ73が生じないようにするのが好ましく、
このためには、ピース10e又は10fの隣接面を加工
する位置を調整することにより段差の無い滑らかな曲面
(好ましくは平面)を構成すればよい。セクタ20の端
面を以上のように処理することにより、セクタ全体が型
締めされる際のピース隣接面のカジリ(破損等)を生じ
難くすることができる。上述のピース10e及び10f
を各60用い、図14に示すように、8個のセクタ20
に対して上下に装着したところ、ピース全体としての真
円度は0.07mmであった。また、ピース隣接面同士
の隙間について隙間ゲージを用いて測定したところ、
0.02mmの段差を設けてスリット状の空気抜き隙間
を設けた部分以外は、0.01mmを超える大きさの隙
間はなんら生じていなかった。
【0040】(耐肉垂れ性試験) (実施例6〜13、比較例1及び2)セラミックスモー
ルド精密鍛造法により作製された成形面を有し、表1に
示す材質及び硬度を有する各種テストピースを準備し、
図16に示すように、成形面11側からブラスト洗浄を
施した。この際、各ピースにおいて、隣接面12をRz
5μmとなるように表面加工し、角部11eについては
鋭角的なままとする一方で、他の角部11e’について
は曲率半径約0.1mmの面取り加工を施した。また、
ブラスト洗浄は、#100のガラスビーズを成形面11
より約30cm離間した位置から4kgf/cm2の圧
力で10分及び20分間噴射することにより行った。こ
のようなブラスト洗浄を施した後、図16(b)に示すよ
うに、角部11eの塑性変形量t1及びt2、及び成形面
の荒れを測定した。得られた結果を表2に示す。なお、
10分間及び20分間のブラスト洗浄は、通常の洗浄時
間とピース面積から逆算すると、実際には約50回及び
100回の洗浄回数に相当するものである。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】表1及び2から、Al系合金に係る比較例
1及び2では、ブラスト洗浄10分間により既にt1
0.02mm以上となっており、このことは0.02m
mの空気抜きの隙間を設けてあったとしても、このブラ
スト洗浄で該隙間が閉塞してしまい、空気抜き効果がほ
とんど無くなることを意味する。この場合、空気抜き効
果を回復するためには、肉垂れした部分を研削する等の
処理を行うことが必要であり、手間がかかる。また、成
形面11の表面粗さもRz20以上になっており、この
ような表面の荒れが製品タイヤに転写される。これに対
し、実施例6〜10では、硬度的に最も劣る実施例6で
も角部に若干の面取りを施すことにより、変形量t1
空気抜き効果を阻害する程度に達しない。また、HBが
200超える実施例においては、角部が鋭角的なままで
も、t1が0.01以下であり、空気抜き効果に悪影響
を及ぼす程度ではない。更に、HV210を超えるもの
で面取りを施したもの、及びHV320を超えるもの
(面取りしないもの)については、ほとんど肉垂れによ
る変形が発生しない。また、鉄系合金以外の実施例11
では、BeCu合金に溶体化及び時効硬化処理を施すこ
とにより、実施例9と同様の効果が得られている。一
方、実施例6のFCD−400に硬式Crメッキを施す
ことにより得られる実施例13では、該メッキ部の硬度
がHV900となっており、ブラスト洗浄による変形も
ほとんど生じていない。更に、成形面11の表面荒れも
実施例6〜13ではRz15μmを超えておらず、特に
HV210を超える例においてはRz10μm以下であ
り、良好な結果が得られている。
【0044】(ゴムのハミ出し試験) (実施例14及び比較例3)FCD−600(球状黒鉛
鋳鋼)又は6061−T6(Al合金)から成るピース
を作製し(図17参照)、各ピースの隣接面12に表3
に示す条件で空気抜きの隙間を設けた。得られた各ピー
ス(16個)を図18に示すゴム加硫試験機に装着し
た。この試験機を用い、以下に示す方法で加硫成形及び
ブラスト洗浄をを行った。この際、骨部72で閉塞され
る領域11Rにおける空気溜まりの発生状態(ゴム分等
の汚れの付着による空気抜き効果の劣化の程度)、ゴム
のハミ出し高さを評価した。なお、図17に示すよう
に、上記で使用したピースは、成形面11に骨部72を
備えており、また、隣接面12L(成形面11に向かっ
て左側)及び12R(右側)は、原則としてエンドミル
91の外周歯による側面加工によってRz1μmで切削
加工されており、角部11e及び11e’には約0.0
5mmの面取りがなされている。
【0045】[加硫成形及びブラスト洗浄の方法]上述
のようにして得られた各ピースをピースNo.に応じて
図18に示す加硫成形試験機に装着し、ヒータ80を作
動させ、ベース81を介して各ピースの表面温度を17
0℃に加熱した。次いで、タイヤ成形に一般的に使用さ
れる未加硫ゴムシート83を各ピースと当接させた後、
約15秒間で常圧から20kg/cm2の圧力となるよ
うにシート83を矢印Eの方向に均一に加圧し、このま
ま10分間保持して成形を行った。この際、所要に応じ
て、枠84に設けた減圧孔(図示せず)により、ピース
の背面側を700mmHgに減圧した。減圧の有無に応
じて、各10回ずつ成形を行い、初期の空気抜き効果を
評価し、得られた結果を表4に示した。次いで、各ピー
スを加硫成形試験機から脱着し、実施例6〜13と同一
の条件下約10分間のブラスト洗浄を行った。しかる
後、各ピースを加硫成形試験機に再度装着し、原則とし
て減圧せずに2000回までの成形を行った。得られた
結果を表5に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】表3及び表4より、ピースが汚れておらず
ブラスト洗浄が行われていない初期の状態では、ピース
間の実質的な隙間が50μmを超える程度になると、ゴ
ムのハミ出し高さが0.5mmを超える状態となること
が分かる。一方、従来技術のようにベント孔を設けた場
合にはハミ出しが約10mmとなるので、タイヤの外観
を害する(ピースNo.15参照)。また、空気溜まり
等の有無については、減圧しない成形条件下において、
ピースの実質的な隙間が3μm以下程度になると、骨7
2の付根近傍で転写の不具合が生じ易くなる。このこと
は、ベント孔85を設けたピースNo.15でも同様で
ある。但し、減圧を行った場合には、いずれの場合でも
転写性は良好であった。また、減圧の有無はゴムのハミ
出し高さにはそれほど影響を及ぼさないことも分かっ
た。
【0050】次に、成形条件がゴムのハミ出しに与える
影響を確認すべく、図18(b)において、成形圧を加
える速度を小さくして(30秒間で0から20kg/c
2)成形を行った。この結果、全てのピースにおいて
ゴムのハミ出し高さが約30%低減し、例えば、ピース
No.8及び9では、ハミ出し高さがそれぞれ0.35
mm及び0.6mmになった。一方、転写性(骨72付
根部の転写性)は、全般的に若干低下する傾向にあっ
た。従って、ゴムの材質をも含めた成形条件を変更する
ことによってもゴムのハミ出し高さを抑制することは可
能であるが、空気抜きの隙間を0.05mmまでとする
ことにより、転写性をそれ程低下させることなく、0.
5mm以下のハミ出し高さとすることができる。
【0051】また、ブラスト洗浄を施すことにより、A
l合金製のピースNo.15及び16では硬度が十分で
はないために成形面11が初期状態に比しかなり荒れた
状態になったが、硬度に優れる鉄系のピースでは、成形
面11の肌の光沢が若干増した程度でほとんど変化は生
じなかった。
【0052】表5に示したように、ブラスト洗浄後にお
ける2000回成形において、ピースNo.1には若干
の目詰まりが発生した。ピースNo.2の隙間(約3μ
m)が隙間の下限と考えられる。ピースNo.3〜9に
ついては全く問題は生じなかった。また、ピースNo.
10は、溝の深さが若干浅いためゴムが切れて残存し易
くなっているが、角部に面取りを施すことにより解決で
きる。ピースNo.11では減圧成形を行えば問題は生
じない。これに対して、従来技術のベント孔を備えるピ
ースNo.15では、ゴムのハミ出し高さが大きすぎる
ため、ベント孔内にゴムが残存し易いことが分かる。ま
た、ピースNo.16ではブラスト洗浄により肉垂れが
発生し、空気抜き効果が低減して目詰まりが発生した。
なお、鉄系のピースでも2000回成形を行うことによ
り、成形面11にゴム分の汚れが付着して肌が荒れた状
態となったが、この後にブラスト洗浄を軽く施すことに
より汚れを除去でき、また空気抜き効果も全ての鉄系ピ
ースにおいて回復した。また、Crメッキを施したピー
スNo.12では、成形面11の荒れ及び汚れは僅かし
か生じなかった。
【0053】(ブレード強度試験) (実施例15)球状黒鉛鋳鋼のFCD−600及びFC
D−800を用いて、図15(a)示すピース10eを
作製した。次いで、得られたピースから図19に示す試
験片を切り出した。なお、ブレード70は鋳出しにより
形成されており、本体10eと同じFCD−600又は
800製である。また、ブレード70の形状は、厚さ
0.5mm×長さ(幅)6.0mm×高さ6mmであ
る。上記試験片を図19に示すように台座86に固定
し、ブレード70に図示矢印方向の曲げ応力を加え、そ
の際の最大応力を測定した。なお、最大応力は図中のd
を5mm又は0.5mmとし、2通りで測定した。
【0054】(比較例4)本体10eの材質をAl合金
(AC4C)とし、ブレード70をSUS304で作製
して、鋳ぐるみ深さ4mm及びロッキングホールφ1.
5mmを設け本体10eに鋳ぐるんだ以外は、実施例1
5と同様の操作を繰り返した。得られた曲げ強度を実施
例15と比較すると、実施例15のFCD−600製の
ものは比較例4の約1.3倍であり、FCD−800製
のものは比較例4の約1.8倍であった。また、dを
0.5mmとすると、実施例15では曲げ強度は低下し
ないが、比較例4では、曲げ応力によりAl合金部分が
先に破断するため、曲げ強度は約1/2に低下した。以
上のように、ブレード70が所定の硬度を有し、鋳出さ
れている実施例15に係るピースでは、ブレード70が
ピースの材質自体の強度と基本的に同じである。従っ
て、ブレード70の強度が良好であり、ブレード70が
ピース間を跨ぐような状態になっても比較的問題はな
く、ブレードを設ける際のでデザイン上の制約を減少さ
せることができる。
【0055】以上、本発明を好適実施例により説明した
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、
本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。例え
ば、実施例1〜5の金型ではホルダ20との位置決めを
行っているが、このような位置決めは本発明の必須の事
項ではなく、角部11eの硬度条件さえ満足すれば十分
である。また、実施例1〜3及び5に示す金型は、上下
分割形式のものにも適用できる。更に、実施例1及び2
の金型では、ピースが上下2段に配置されているが、ピ
ースを上下一体で形成してもよい。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ピースの少なくとも特定角部の硬度を一定範囲内に制御
することとしたため、ピースの硬度に優れ耐久性が良好
で、メンテナンスが簡単に行えるタイヤ成形用金型を提
供することができる。また、本発明によれば、真円度が
高く外観の良好なタイヤを成形できるタイヤ成形用金型
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤ成形用金型の一実施例を部分的
に示す斜視図である。
【図2】図1の金型に用いるピースの斜視図である。
【図3】ピースとセクタとの固定状態を示す斜視図及び
部分断面図である。
【図4】ピースとセクタとの位置決め関係を示す模式図
である。
【図5】ストッパの高さとピンの高さとの関係を示す側
面説明図である。
【図6】ピースの変形例を示す斜視図である。
【図7】溝の形状を示す部分断面図である。
【図8】ピースの数珠つなぎ状態を示す模式図である。
【図9】本発明のタイヤ成形用金型の他の実施例を示す
部分斜視図である。
【図10】ピースとセクタとの位置決め関係を示す模式
図である。
【図11】本発明のタイヤ成形用金型の他の実施例を示
す部分斜視図である。
【図12】本発明のタイヤ成形用金型の他の実施例を示
す部分断面図である。
【図13】図12の金型に用いるピースの変形例を示す
斜視図である。
【図14】本発明のタイヤ成形金型の他の実施例を示す
部分側面図である。
【図15】図14に示す金型に用いるピースを示す斜視
図である。
【図16】ブラスト洗浄の様子を示す説明図である。
【図17】ピースの一例を示す斜視図である。
【図18】加硫成形試験機の側面図及び断面図である。
【図19】曲げ強度測定の方法を示す断面説明図であ
る。
【図20】従来のタイヤ成形用金型の一例を示す分解斜
視図である。
【図21】肉垂れの様子を示す断面説明図である。
【図22】図9に示すタイヤ成形用金型の変形例を示す
斜視図である。
【符号の説明】
5 セグメント、10,10a,10b,10c,10
d ピース、13 背面、15 位置決めピン、16
溝、17 凸部、18 縦溝、20 ホルダセクタ、2
1 保持面、22 周溝、24 凹部、25 凸部、3
0ストッパ、40 レール、41 ワイヤ、50 ホル
ダストッパ、70 ブレード

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製品タイヤにトレッドパターンを付与す
    る、全体として環状をなす複数のピースと、これらピー
    スを周方向に隣接して装着できるホルダとを備えたタイ
    ヤ成形用金型において、 上記ピースは、トレッドパターンの一部を付与する成形
    面と、他の上記ピースと当接又は近接する隣接面と、上
    記ホルダと当接又は近接する背面とを有し、 上記ピース同士の隣接面の間に空気抜きの隙間を備え、 上記ピースの成形面と隣接面とがなす角部のビッカース
    硬度がHV140〜4000である、ことを特徴とする
    タイヤ成形用金型。
  2. 【請求項2】 上記ピースが、鉄系合金又は銅系合金か
    ら成ることを特徴とする請求項1記載のタイヤ成形用金
    型。
  3. 【請求項3】 上記ピースが、球状黒鉛鋳鋼、炭素鋼鋳
    鋼又はベリリウム銅合金から成ることを特徴とする請求
    項1又は2記載のタイヤ成形用金型。
  4. 【請求項4】 上記ピースの成形面における凸部の全部
    又は一部が、鋳出されていることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1つの項に記載のタイヤ成形用金型。
  5. 【請求項5】 上記鋳出された凸部のビッカース硬度
    が、HV140〜550であることを特徴とする請求項
    4記載のタイヤ成形用金型。
  6. 【請求項6】 上記空気抜きの隙間が、少なくとも一方
    のピースの隣接面に設けられた凹凸から成ることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載のタイヤ
    成形用金型。
  7. 【請求項7】 上記凹凸の段差が3〜50μmであるこ
    とを特徴とする請求項6記載のタイヤ成形用金型。
  8. 【請求項8】 上記隣接面に設けられた凹凸が、この隣
    接面の十点平均粗さをRz3〜50μmとすることによ
    り構成されることを特徴とする請求項6記載のタイヤ成
    形用金型。
  9. 【請求項9】 上記ピースの成形面と隣接面とのなす角
    部が、0.05〜0.2mmで面取り加工されているこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載
    のタイヤ成形用金型。
  10. 【請求項10】 上記ホルダが、複数のセクタに分割さ
    れて成ることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つ
    の項に記載のタイヤ成形用金型。
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