JPH08199496A - 艶消しグラビア塗被紙の製造方法 - Google Patents

艶消しグラビア塗被紙の製造方法

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JPH08199496A
JPH08199496A JP7007368A JP736895A JPH08199496A JP H08199496 A JPH08199496 A JP H08199496A JP 7007368 A JP7007368 A JP 7007368A JP 736895 A JP736895 A JP 736895A JP H08199496 A JPH08199496 A JP H08199496A
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JP
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roll
paper
gravure
coated paper
rough surface
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JP7007368A
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Kunio Suzuki
邦夫 鈴木
Yusuke Kawai
雄介 河合
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低い白紙光沢と低いミスドット、即ち良好な
グラビア印刷適性、インキ受理性、塗被紙面状の優れた
グラビア印刷塗被紙の製造方法を提供する。 【構成】 平均粒子径1.0μm以上、3.0μm以下
のカオリンを全顔料中50重量%以上含む塗被組成物を
原紙上に塗被し、乾燥して後、ISO4287/1の局
部的山頂の平均間隔Sが90μm以下、JIS B06
01に準拠する十点平均粗さRzが3〜22μm、中心
線山高さRpが2〜18μm、且つ中心線山高さRpと
十点平均粗さRzの比(Rp/Rz)が0.55以上の
粗さ形状を有する粗面ロールを用いて少なくとも1回以
上カレンダー処理し、白紙光沢40以下にすることを特
徴とする艶消しグラビア塗被紙の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グラビア印刷適性、特
にミスドットが少なく、インキ受理性、印刷光沢に優れ
た艶消しグラビア塗被紙の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷物の視覚化が進展し、印刷用
塗工紙への品質要求がますます強くなってきた。特に、
雑誌などのカラー印刷化の進展により、グラビア印刷が
ますます普及してきている。グラビア印刷は、階調性に
は不足するものの、多量のインキを転写可能で、高い印
刷濃度が得られ、画像再現性に優れているため、ボリュ
ーム感ある印刷物が得られる。しかしながら、グラビア
印刷適性を得るには、高い平滑度の表面を形成するた
め、白紙光沢が高く、フルカラーの画像としては良い
が、文字印刷面は読み難い欠点があった。このような点
から艶消しグラビア塗被紙が開発されてきた。
【0003】白紙光沢を低減したグラビア塗被紙、即ち
艶消しグラビア塗被紙は、白紙光沢を低減するために、
スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダ
ー処理を軽くすると、平滑度が低下し、グラビア印刷時
に印刷ドットが抜けてしまうミスドット現象が発生し、
画質を著しく損なう。また、特開昭55−152895
号公報、特開昭59−199897号公報に示されるよ
うに、原紙のクッション性を増大して、グラビア印刷適
性を改善するため、原紙のパルプ配合にGPなど機械パ
ルプ、高収率パルプを配合することがよく行われてい
る。しかしながら、原紙に機械パルプ、高収率パルプを
必ず配合させなければならない場合、紙の色相が制約さ
れ、高い白色度を得ることができない。また、退色性が
低下し、長期保存に耐えられない。
【0004】一般的には、塗被組成物中の顔料として、
多量の炭酸カルシウム、特に乾式粉砕重質炭酸カルシウ
ムを多く配合することがよく行われている。特開昭59
−199897号公報に示されるように、特定の粒度分
布の炭酸カルシウムを用いることも行われている。しか
しながら、粗粒の炭酸カルシウムを多量に用いる配合で
は、平滑性が低下することから、グラビア印刷適性を確
保するためにはスーパーカレンダー、カレンダー処理を
著しく強化する必要がある。その結果、白紙光沢が上昇
するため、さらに粗粒の炭酸カルシウムを用いることと
なり、さらに平滑度が悪化するという悪循環に陥る。ま
た、多量の粗粒炭酸カルシウムを塗液中に用いる場合、
保水性が低下し、ストリークなどの塗工結果を起こし易
い。
【0005】また、カレンダー掛けの方法については、
ミスドットを防ぐなどのグラビア適性を向上させる点で
スーパーカレンダーが優れているが、スーパーカレンダ
ー処理では白紙光沢が出過ぎてしまう。一方、ソフトカ
レンダーは、紙パルプ技術タイムス、昭和62年、8月
号、31ページからの記事に示されるように、金属ロー
ルと薄い硬質の合成樹脂材料層でカバーした弾性ロール
の組み合わせからなり、1から4ニップ程度の少ないニ
ップ数で処理するカレンダーであり、確かに白紙光沢は
出難いが、平滑性向上効果が低く、グラビア印刷適性の
向上効果は望み難い。また、ソフトカレンダー処理で線
圧を向上し、高い平滑度を得ようとすると、弾性ロール
が硬いため、紙の地合に添った厚み分布の影響を受け、
白紙光沢がムラになり、著しく外観を損ない、艶消しグ
ラビア塗被紙として通用しないものとなってしまう。
【0006】オフセット印刷用の艶消し塗被紙などの仕
上げに、しばしばサンドブラスト法などで粗面化した金
属ロールを用いて塗被紙を処理し、艶消し塗被紙を製造
する技術が特開昭55−1359号公報などに開示され
ている。粗面化ロール処理(マットカレンダー処理)
は、塗層の配合とは独立して、表面平滑性を低下させて
しまうため、艶消しグラビア塗被紙製造に活用した場
合、グラビア印刷適性を損なってしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のことから、十分
に白紙光沢が低く、優れたグラビア印刷適性、特にミス
ドットの発生率が低く、インキ受理性、印刷光沢、塗被
紙面状に優れた艶消しグラビア塗被紙を生産性良く製造
することが難しいのが現状であり、その実現が塗被紙を
製造する者にとって大きな課題となっている。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる現状に鑑み、本発
明者らは、従来にない優れたグラビア印刷適性、インキ
受理性、印刷光沢性、塗被紙面状を有する艶消しグラビ
ア塗被紙を生産性良く製造することを目的として鋭意研
究した結果、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明の艶消しグラビア塗被紙の製
造方法は、平均粒子径1.0〜3.0μmのカオリンを
全顔料中に50重量%以上含む塗被組成物を原紙上に塗
被し、乾燥して後、下記〜の条件からなる粗さ形状
を有する粗面ロールを備えたカレンダーニップ間を該粗
面ロール側に該塗被面を当接して少なくとも1回通過さ
せ、白紙光沢40以下にすることを特徴とするものであ
る。 ISO4287/1の局部的山頂の平均間隔Sが90
μm以下 JIS B0601に準拠する十点平均粗さRzが3
〜22μm 中心線山高さRpが2〜18μm 中心線山高さRpと十点平均粗さRzの比(Rp/R
z)が0.55以上
【0010】また、本発明の艶消しグラビア塗被紙の製
造方法において、前記粗面ロールを備えたカレンダーニ
ップ間を通過させる以前に、平滑金属ロールおよび充填
ロールもしくはショアD硬度80゜以上の弾性ロールか
らなるカレンダーニップ間を少なくとも2回通過させる
ことが好ましい。
【0011】さらに、セラミックもしくはサーメットを
表面に溶射した該粗面ロールを用いることにより、さら
に良好な生産効率とグラビア印刷適性が獲得可能であ
る。
【0012】以下、本発明の艶消しグラビア塗被紙の製
造方法について、詳細に説明する。艶消しグラビア塗被
紙においては、塗被層顔料をカオリンにすることによ
り、局所的平滑性が増大するなどの効果からミスドット
が発生し難くなる。特に、デラミネートカオリンのよう
に大型の平板なカオリンを用いるとグラビア印刷適性の
改善が図れることは良く知られている。また、微粒のカ
オリンを用いると、塗層の空隙径が小さくなり、毛管現
象からグラビアインキの吸収速度が増大することも分か
っている。しかしながら、カオリンを多量に配合する
と、白紙光沢がどうしても高くなり、艶消しグラビア塗
被紙を製造することが難しい。
【0013】そこで、平均粒子径3.0μm以下のカオ
リンを全顔料中の50%以上配合した塗層で、本発明の
粗面ロールで表面を処理すると、かなりの線圧を掛けて
カレンダー処理を行っても、白紙光沢の上昇を防ぐこと
ができる。ただ、平均粒子径1.0μm以下のカオリン
を用いると低い白紙光沢を実現することができない。ま
た、カオリンの配合量が全顔料の50%に満たないと、
ミスドットを低減することができない。
【0014】グラビア印刷は、版の画線部を形成するセ
ルの凹部にインキを充填し、印刷紙に押しつけ、インキ
を転写させることにより画像を形成する。そのため、印
刷紙面にセル間の距離よりも大きな凹部が生ずるとイン
キと印刷紙との接触の機会が失われミスドットの原因と
なる。特に、多色グラビア印刷の主流となっている網点
グラビア式印刷において、印刷濃度の低い領域では網点
面積が小さくなるため、ミスドットは余計発生しやすく
なる。通常の印刷条件でミスドットを最も生じ易い網点
面積率は10%前後であるが、この場合のセルのエッジ
間の最短距離は150線の版で、90μm程度である。
本発明で用いる粗面ロールは、粗面のピーク間の平均距
離がこのセルのエッジ間の距離よりに短くなるように造
られており、セル間にまたがる大きな凹部が生じないた
め、ミスドットが大幅に軽減する。
【0015】また、グラビア印刷は凹版印刷で直接版に
印刷紙が接し、圧胴と版のニップで印刷紙がある程度紙
が版のセルに押し込まれ、インキを吸収する形でインキ
が転写される。このため、印刷紙の凹凸の深さは重要で
ある。
【0016】本発明の粗面ロールは、Rpが18μmを
超え、併せてRzが22μmを超えると、ミスドットを
発生し易くなる。また、Rpが2μmを下回り、併せて
Rzが3μmを下回ると、白紙光沢が40%を下回るこ
とができず、艶消し効果が得られない。なお、グラビア
印刷では印刷紙が直接、硬い版に接するため、できる限
り版への印刷紙の接触面積が確保されることがミスドッ
トを回避し、高い印刷光沢などの印刷物の品質を得るた
めに必要となる。そのためには、塗被紙表面の凹凸形状
が、非常に平坦な表面に深い細孔が適当数空いているこ
とが必要とされる。従って、型付けロールの表面は凹凸
を付けるのではなく、突起を刻んだものでなくてはなら
ない。この条件を満たすために、粗面ロールの表面形状
が、中心線山高さRpと十点平均粗さRzの比(Rp/
Rz)が0.55以上であることが必要である。
【0017】グラビア印刷では、版との密着性を要求さ
れるため、広い範囲にわたっての平滑性が要求される。
このため、粗面ロールで処理を施す前に、コットンロー
ル、ウールロールなどの充填ロールとチルドロール、鍛
鋼ロールなどの平滑金属ロールとを組み合わせたニッ
プ、もしくは平滑金属ロールとショアーD硬度80゜以
上のプラスチックカバー材層を持つ弾性ロールなどのロ
ールとの組み合わせニップで処理し、十分に平滑化して
おくと、粗面ロール処理した後のグラビア適性をより向
上させることができる。弾性体の材質は、ポリエーテル
樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アラミド樹脂など
のプラスチックである。上述の粗面ロール処理に先立つ
カレンダー処理は、塗工装置における乾燥機直後に設置
されたカレンダーで処理される場合もある。
【0018】また、粗面ロール処理を行う際の粗面ロー
ルとニップを形成するロールはコットンロール、ウール
ロール、アスベストロールなどの充填ロールで良いが、
より高いグラビア印刷適性を得るためには、ニップ内圧
力の分布が幅方向で均一になりやすく、粗面ロールと組
み合わせたニップでの操業時、磨耗性が優れているショ
アーD硬度80゜以上のポリエーテル樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、アラミド樹脂などのプラスチックカ
バー材層を持つ弾性ロールとニップを形成することが望
ましい。逆に、硬すぎると塗被紙表面にいびつな平滑む
らが付く場合がある。そのため、80゜〜90゜のショ
アーD硬度がさらに好ましい範囲である。
【0019】さらに、粗面ロールは、材質が特に限定さ
れず、鋼鉄乃至合金製ロールにサンドブラスト法、腐蝕
法、彫刻法、溶射法などによってロール表面に所望の粗
さを付与したもの、並びにその表面にクロムメッキ処理
を施したものが、適宜使用される。ただ、局部的山頂の
平均間隔(S)が90μm以下に制御するためには、サ
ンドブラスト法などでは不十分であり、セラミックもし
くはサーメットを表面に溶射した粗面ロールを用いるこ
とにより、ピーク間の距離を容易にコントロールできる
ようになる。
【0020】また、本発明に使用する粗面ロールを溶射
法で製造する場合、ロッドスプレイ法、プラズマパウダ
ースプレイ法が掲げられ、セラミック、およびサーメッ
トの組成物として、Al23、TiO2、SiO2、Fe
23、MgO、CaO、Cr23、ZrO2、Y23
C、MnO2、K2O、Na2Oなどが挙げられる。
【0021】ここで、中心線山高さRpは、粗さ曲線か
らその中心線の方向に基準長さの部分を抜き取り、粗さ
曲線の中心線と、それに平行で最高の山の高さを通る直
線との間隔を表したものである。JIS B0601に
準拠する十点平均粗さRzとは、粗さ曲線から基準長さ
を抜き取った部分の平均線に平行かつ粗さ曲線を横切ら
ない直線から測定した最高から5番目までの山頂の標高
の平均値と最深から5番目までの谷底の標高の平均値と
の差をμmで表したものである。ISO4287/1の
局部的山頂の平均間隔Sとは、粗さ曲線から基準長さを
抜き取った部分の局部的山頂の間隔の平均値である。
【0022】勿論、粗面ロールの表面形状を塗被紙に転
写する際に、ライン速度、カレンダー線圧、ロール表面
温度、スチームシャワーの使用、塗布液の配合、カレン
ダー処理順序により転写効率が異なり、結果的に白紙光
沢および印刷光沢に影響を及ぼすことは十分に考えられ
る。しかしながら、様々な品質要求に対して低白紙光
沢、高印刷光沢を有し、且つ均質感に富み、高級感溢れ
る塗被紙を提供するためには、本発明に記載される表面
形状の条件を満たす粗面ロールにより型付け処理するこ
とが必要条件であり、所望の艶消し効果を得るためにこ
れらの操業条件を変更することは構わない。
【0023】本発明の艶消し塗被紙に用いられる塗被液
では、本発明を構成する素材の外に、一般に紙加工用の
素材を用いることができる。
【0024】顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウ
ム、軽質炭酸カルシウム、サチンホワイト、タルク、酸
化チタン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、ゼオライ
ト、硫酸バリウム、無定型シリカ、プラスチックピグメ
ントなどが挙げられる。接着剤としては、例えば、アセ
チル化澱粉、燐酸エステル化澱粉、酸化澱粉、エーテル
化澱粉などの澱粉、これらを自家変性により低粘度化し
た澱粉、デキストリン、カゼイン、大豆蛋白などの天然
系接着剤、アクリル系、スチレン−アクリル系、スチレ
ン−ブタジエン系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン
−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリル系、酢
酸ビニル−ブチルアクリレート系などの共重合体接着
剤、ポリビニルアルコールなどの合成接着剤などが挙げ
られる。
【0025】これらの塗被液には、必要に応じて、分散
剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤などの
通常用いられている各種助剤を適宜使用できる。
【0026】本発明において、塗被液を塗工する装置と
して、フラッデドニップ型、ジェットファウンテン型、
ショートドエル型などの各種ブレードコーター、ロッド
ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコー
ター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター
などの通常の各種塗工装置で1層または、2ないし3層
塗工された塗被紙は各層塗工毎に乾燥され、場合によっ
ては原紙を抄造する抄紙機上に設置されたオンマシンコ
ーターで塗工される。また、本発明の粗面ロール処理
は、塗工装置における乾燥機を出た直後に設置され、乾
燥直後に処理を受ける場合もある。また、本発明の粗面
ロール処理に先立ち、あるいは処理中に塗被紙に蒸気、
微少水滴を噴霧する処理を行う場合もある。
【0027】本発明の艶消しグラビア塗被紙に用いられ
る原紙は、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、G
P、PGW、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの
機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどの各種パルプ
を含み、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タ
ルク、クレー、カオリンなどの各種填料、サイズ剤、定
着剤、歩留まり剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各
種添加剤を含み、酸性、中性、アルカリ性で抄造された
中質コート用原紙、上質コート用原紙、再生コート紙用
原紙などが挙げられる。また、本発明の原紙は、ノーサ
イズプレス原紙、澱粉、ポリビニルアルコールなどでサ
イズプレスされた、もしくはゲートロールコーター、各
種ブレードコーターなどで下塗り顔料塗工した原紙など
を用いることができる。
【0028】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、勿論、本発明はこれらの実施例によって
限定されない。なお、実施例に用いられている部および
%とはそれぞれ重量部および重量%を意味するものであ
る。なお、実施例または比較例中の諸測定値は、次の方
法によって得られたものである。
【0029】[平均粒子径]リーヅ・アンド・ノースロ
ップ製マイクロトラック7995−30SPA型で測定
し、体積加重平均粒子径(MVμm)を求めた。
【0030】[スムースター平滑度]原紙および艶消し
塗被紙のスムースター平滑度(mmHg)は、東英電子
KK製のスムースター平滑度試験機を用いて測定した。
【0031】[白紙光沢度]白紙光沢度(%)は、JI
S P8142に従い、角度75゜で測定した。
【0032】[ミスドット率]ミスドット率は、印刷局
式グラビア印刷適性試験機で東洋インキ工業(株)製O
G91(墨)インキをトルエンでザーンカップ#3で1
5秒の粘度に合わせ、150線の網点面積率10%の版
で印刷速度60m/min.、15kg/cmの線圧で印刷した。
印刷物の25mm×25mmの視野について画像解析装置P
IAS−LA500型で画像を取り込み、最暗部と最明
部を256階調に分割、最暗部より63階調を閾値とし
て二値化し、白抜け部の個数を算出し、全網点個数に対
する割合%を求め、ミスドット率とした。一般的に、ミ
スドット率1.5%以上では画質が悪く、受け入れ難
い。
【0033】実施例1〜7 [原紙の製造]LBKP80部およびNBKP20部か
らなるパルプに、軽質炭酸カルシウム5部、市販アルキ
ルケテンダイマー系内添サイズ剤0.1部、市販カチオ
ン化澱粉0.2部、市販カチオン系ポリアクリルアミド
部留まり向上剤0.03部を添加したパルプスラリーを
用い、坪量が70g/m2になるように抄造し、サイズプレ
スで澱粉水溶液を片面当り2g/m2塗工し、オンマシンカ
レンダーでスムースター平滑度が550mmHgになる
ように線圧を調整してカレンダー処理をして原紙を製造
した。
【0034】[塗被液の調製]以下の配合量に従って、
固形分濃度60%の塗被液を調製した。 (塗被液配合) 市販2級カオリン(エンケ゛ルハルト社製、ウルトラコート) 平均粒子径2.9μm 80部 市販重質炭酸カルシウム(イー・シー・シー・シ゛ャハ゜ン社製、カーヒ゛タル90) 10部 市販軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業製TP222H) 10部 市販ポリアクリル酸系分散剤(東亜合成化学社製、アロンT-40) 0.1部 市販スチレンーフ゛タシ゛エン系ラテックス(日本ゼオン(株)製、Nipol LX407F) 9部 市販カルボキシメチルセルロース 1.0部 ステアリン酸カルシウム 0.4部 水酸化カルシウム:pH9.5に調製
【0035】[塗被紙の製造]上記塗被液を前述の塗工
用原紙に、フラデッドニップ型ブレードコーター(三菱
重工KK社製)を用い、ベベルブレード方式で塗工速度
500m/min.、片面の塗工量14g/m2になるように塗工
し、乾燥を行い塗被紙を調製した。
【0036】[塗被紙の艶消し処理]該塗被紙の内の一
部のものは、下記条件にてス−パーカレンダーまたはソ
フトカレンダーで処理した。 <ス−パ−カレンダー条件> ・段数:6段 ・剛性ロール:チルドロール、外径400mm ・充填ロール:コットンロール、外径420mm ・処理速度:300m/min. ・線圧:205kg/cm
【0037】<ソフトカレンダー仕様> ・ニップ数 :2(塗被紙表裏各面に1回ずつ剛性ロー
ル面が当たるようにニップを形成する) ・剛性ロール:鍛造鋼ロール(加熱機構付き)、直径8
00mm ・弾性ロール:合成樹脂(ポリエーテル樹脂)被覆ロー
ル、ショアーD89゜直径700mm
【0038】<ソフトカレンダー処理条件> ・処理速度 :400m/min ・剛性ロール表面温度:100℃ ・線圧 :160kg/cm
【0039】上述のスーパーカレンダーもしくはソフト
カレンダー処理を施した塗被紙、または塗被紙に粗面ロ
ール処理を施した。
【0040】<粗面ロール処理>弾性ロールと硬質ロー
ルから構成される1ニップのテストカレンダーで、ロー
ル径500mmである。弾性ロールは、ショアーD硬度
85゜のコットンロールと、ショアーD硬度89゜の樹
脂被覆ソフトロールを適宜選択して用いた。また、硬質
ロールは、下記表1に示される表面形状を持つ粗面ロー
ルで、処理線圧は、160kg/cm、処理速度は、1
50m/分であった。
【0041】上述した条件で処理し、艶消しグラビア塗
被紙を得た。得られた艶消しグラビア塗被紙について、
20℃、65%RHの恒温恒湿室内で24時間以上調湿
を行った後、グラビア印刷適性、紙物性の測定を行っ
た。仕上げ条件および、艶消しグラビア塗被紙の品質
は、下記表1に示した。
【0042】実施例8 塗液顔料配合を下記のごとくした以外は実施例1と同様
にして、艶消しグラビア塗被紙を得た。 市販2級カオリン(エンケ゛ルハルト社製、ウルトラコート)平均粒子径2.9μm 50部 市販重質炭酸カルシウム(イー・シー・シー・シ゛ャハ゜ン社製、カーヒ゛タル90) 10部 市販軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業製TP222H) 40部
【0043】実施例9 塗液顔料配合を下記のごとくした以外は実施例1と同様
にして、艶消しグラビア塗被紙を得た。 市販2級カオリン(エンケ゛ルハルト社製、ウルトラホワイト90)平均粒子径1.8μm 50部 市販重質炭酸カルシウム(イー・シー・シー・シ゛ャハ゜ン社製、カーヒ゛タル90) 10部 市販軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業製TP222H) 40部
【0044】比較例1〜3 下記表2に記入した粗面ロール処理の条件以外は実施例
1と同様の条件で処理し、艶消しグラビア塗被紙を得
た。
【0045】比較例4 塗液顔料配合を下記のごとくした以外は実施例1と同様
にして、艶消しグラビア塗被紙を得た。 市販微粒カオリン(カダム社製、アマソ゛ン88)平均粒子径0.8μm 50部 市販重質炭酸カルシウム(イー・シー・シー・シ゛ャハ゜ン社製、カーヒ゛タル90) 10部 市販軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業製TP222H) 40部
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】上記表1および表2の結果より、実施例1
〜9では優れたグラビア適性を持つ艶消しグラビア塗被
紙を得ることができた。一方、比較例1〜4では、艶消
しグラビア塗被紙として必要な特性を満たすことができ
なかった。
【0049】
【発明の効果】以上で明かなように、本発明の艶消しグ
ラビア塗被紙の製造方法により、十分に白紙光沢が低
く、ミスドットも少ない優れたグラビア印刷適性を持つ
グラビア艶消し塗被紙を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径1.0〜3.0μmのカオリ
    ンを全顔料中に50重量%以上含む塗被組成物を原紙上
    に塗被し、乾燥して後、下記〜の条件からなる粗さ
    形状を有する粗面ロールを備えたカレンダーニップ間を
    該粗面ロール側に該塗被面を当接して少なくとも1回通
    過させ、白紙光沢40以下にすることを特徴とする艶消
    しグラビア塗被紙の製造方法。 ISO4287/1の局部的山頂の平均間隔Sが90
    μm以下 JIS B0601に準拠する十点平均粗さRzが3
    〜22μm 中心線山高さRpが2〜18μm 中心線山高さRpと十点平均粗さRzの比(Rp/R
    z)が0.55以上
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載の粗面ロールを備えた
    カレンダーニップ間を通過させる以前に、平滑金属ロー
    ル、および充填ロールもしくはショアD硬度80゜以上
    の弾性ロールからなるカレンダーニップ間を少なくとも
    2回通過させることを特徴とする請求項1記載の艶消し
    グラビア塗被紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項1記載の粗面ロールが、セラ
    ミックもしくはサーメットを表面に溶射した該粗面ロー
    ルであることを特徴とする請求項1または2記載の艶消
    しグラビア塗被紙の製造方法。
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