JPH08195181A - 走査型電子顕微鏡 - Google Patents

走査型電子顕微鏡

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JPH08195181A
JPH08195181A JP514595A JP514595A JPH08195181A JP H08195181 A JPH08195181 A JP H08195181A JP 514595 A JP514595 A JP 514595A JP 514595 A JP514595 A JP 514595A JP H08195181 A JPH08195181 A JP H08195181A
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charge
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electron beam
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Yuji Fukutome
裕二 福留
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、電子顕微鏡本来の機能を制限するこ
となく試料のチャージアップを除去する。 【構成】試料7に照射される電子ビームのビーム電流値
1 、試料7を透過する電子ビームの電流値I2 を検出
し、これら検出された各電流値I1 、I2 に基づいて試
料7のチャージアップを判定し、チャージアップと判定
した場合、2次電子放出比δに応じて簡易電子銃22の
加速電圧Vo を求め、この加速電圧Vo を簡易電子銃2
2のフィラメント23に印加して電子ビームを試料7に
照射し、この試料7のチャージアップを除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料のチャージアップ
を除去する機能を備えた走査型電子顕微鏡(SEM)に
関する。
【0002】
【従来の技術】図4は走査型電子顕微鏡の構成図であ
る。顕微鏡本体1にはその上部に電子銃2が設けられ、
この電子銃2から下方に向かって電子ビーム絞り用の第
1陽極3、第2陽極4が設けられ、さらに第1電磁レン
ズ(コンデンサレンズ5)、第2電磁レンズ(対物レン
ズ)6が配置されている。
【0003】顕微鏡本体1の下部には、試料7が例えば
角度45度をもって傾斜して配置されている。なお、この
角度は任意に設定可能となっている。この試料7の近傍
には、二次電子検出器8が配置されている。なお、図示
しないが顕微鏡本体1には、電子ビームを試料7上に走
査させるための偏向板及びアライメント調整用のコイル
が配置されている。
【0004】かかる構成であれば、電子銃2から電子ビ
ームが放出されると、この電子ビームは試料7上に照射
される。このとき電子ビームは偏向板により試料7上の
所望領域に走査される。
【0005】この電子ビームが試料7に照射されると、
試料7からは二次電子が放出される。二次電子検出器8
はこれら二次電子を電流として検出し、この電流に応じ
た検出信号を出力する。しかるに、この検出信号を処理
することにより試料7の表面形状が画像として測定され
る。
【0006】ところが、電子ビームを試料7に照射し、
その照射時間が同一走査領域に対して長くなると、試料
7における走査領域は正極「+」又は負極「−」に帯
電、つまりチャージアップされる。
【0007】このチャージアップの極性は、電子銃2に
印加される加速電圧によって決まり、例えば加速電圧1
kV以上では、図5に示すように負極「−」にチャージ
アップされる。
【0008】このように試料7が正極「+」又は負極
「−」にチャージアップされると、試料7の表面の画像
はその画質が低下し、ひどい場合には試料表面の画像が
現れなくなる。
【0009】このようにチャージアップが生じた場合、
このチャージアップを除去することが行われている。こ
のチャージアップ除去の技術としては、例えば、第1の
方法として試料7の裏面にイオンを照射することで帯電
を緩和する方法(特開平2−15546号公報)や、第
2の方法として低真空SEMで用いられているように顕
微鏡本体1に形成された試料室内を低真空状態にし、電
子ビームにより帯電した分子を利用して試料7の表面上
にチャージした電子を中和する方向がある。
【0010】又、チャージアップ除去する第3の方法と
して、測定プローブに用いている電子ビームの加速電圧
を測定時の電圧と逆の極性に帯電する電圧に交互に切り
替えることにより帯電を緩和する方法(特願平4−12
845号)がある。
【0011】さらにチャージアップを防止する方法とし
ては、試料7によってチャージアップしない加速電圧に
設定する方法(特開昭62−69527号公報)があ
る。しかしながら、第1の方法では、試料7の裏面にイ
オンを照射するために、試料7の表面の帯電を中和する
ためには試料7が薄膜でなければならない。
【0012】第2の方法では、緩和した後の分子がコン
タミ(試料汚染)の原因となる場合があり、さらに試料
室が高真空の場合には適用できない。第3の方法では、
加速電圧を切り替えるときに各レンズの軸合わせを瞬時
に行う必要があり、このレンズの軸合わせに技術的に困
難な面が多い。さらにチャージアップを防止する方法で
は、試料7によって加速電圧が固定されてしまうため、
高分解能の写真を撮影するために加速電圧を高くできな
い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにチャージ
アップを除去するためには、試料7が薄膜でなければな
らなかったり、試料室が高真空の場合には適用できなか
ったり、又、レンズの軸合わせの技術的に困難な面が多
かったりし、さらにチャージアップを防止するために
は、加速電圧が固定されてしまい高分解能の写真を撮影
するために加速電圧を高くできないという、走査型電子
顕微鏡の機能に対する制限があった。そこで本発明は、
電子顕微鏡本来の機能を制限することなく試料のチャー
ジアップを除去できる走査型電子顕微鏡を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、電子
銃から出力された電子ビームを試料に照射し、この試料
から放出される2次電子を捕えて試料に対する表面測定
を行う走査型電子顕微鏡において、試料にチャージアッ
プされた電荷を除去するための簡易電子銃と、試料に照
射される電子ビームのビーム電流を検出するビーム電流
検出手段と、試料を透過する電子ビームの電流を検出す
る透過電流検出手段と、少なくともこれら電流検出手段
により検出された各電流値に基づいて試料のチャージア
ップを判定するチャージアップ判定手段と、ビーム検出
手段により検出されたビーム電流値と2次電流による下
限電流値との2次電子放出比に応じて試料のチャージア
ップを除去する簡易電子銃の加速電圧を求める加速電圧
算出手段と、判定手段からのチャージアップ判定を受け
た場合、加速電圧算出手段により求められた加速電圧を
簡易電子銃に印加するチャージアップ検出手段と、を備
えて上記目的を達成しようとする走査型電子顕微鏡であ
る。
【0015】請求項2によれば、チャージアップ判定手
段は、試料に照射される電子ビームのビーム電流をI
1 、試料を透過する電子ビームの電流を検出する透過電
流をI2 、2次電子による電流値の下限値をI3 とする
場合、 |I1 −(I2 +I3 )| の値が所定値よりも大きくなったときにチャージアップ
と判定する。
【0016】請求項3によれば、チャージアップ判定手
段は、2次電子の信号レベルが次第に上昇又は下降を示
したときにチャージアップと判定する。請求項4によれ
ば、加速電圧算出手段は、加速電圧と2次電子放出比と
の関係を示す曲線から試料のチャージアップを除去する
簡易電子銃の加速電圧を求める。
【0017】
【作用】請求項1によれば、電子銃から出力された電子
ビームを試料に照射し、この試料から放出される2次電
子を捕えて試料に対する表面測定を行う際に、試料に照
射される電子ビームのビーム電流をビーム電流検出手段
により検出するとともに試料を透過する電子ビームの電
流を透過電流検出手段により検出し、これら検出された
各電流値に基づいてチャージアップ判定手段により試料
のチャージアップを判定し、チャージアップと判定した
場合、試料に照射されるビーム電流値と2次電流による
下限電流値との2次電子放出比に応じて加速電圧算出手
段により簡易電子銃の加速電圧を求め、この加速電圧を
チャージアップ検出手段により簡易電子銃に印加して試
料のチャージアップを除去する。
【0018】請求項2によれば、試料に照射される電子
ビームのビーム電流をI1 、試料を透過する電子ビーム
の電流を検出する透過電流をI2 、2次電子による電流
値の下限値をI3 とする場合、 |I1 −(I2 +I3 )| の値が所定値よりも大きくなったときにチャージアップ
と判定する。
【0019】請求項3によれば、2次電子の信号レベル
が次第に上昇又は下降を示したときにチャージアップと
判定する。請求項4によれば、加速電圧と2次電子放出
比との関係を示す曲線から試料のチャージアップを除去
する簡易電子銃の加速電圧を求める。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。なお、図4と同一部分には同一符号を付
してその詳しい説明は省略する。図1は走査型電子顕微
鏡の構成図である。
【0021】主コントローラ10は、走査型電子顕微鏡
全体を制御する機能を有するもので、顕微鏡本体1にお
ける電子銃2の動作制御を行うとともに第1陽極3、第
2陽極4、第1電磁レンズ5、第2電磁レンズ6に対す
る印加電圧を制御する機能を有している。
【0022】2次電子検出器8には、画像保持回路11
が接続され、2次電子検出器8により検出された2次電
子に対する処理結果の画像、つまり試料7の表面形状が
画像データとして保持されるものとなっている。
【0023】この画像保持回路11には、画像信号切替
え器12を介して観察用CRT13が接続されている。
一方、顕微鏡本体1における第2電磁レンズ6の下方に
は、プローブ電流検出絞り20が配置されている。この
プローブ電流検出絞り20は、試料7に照射される電子
ビームの電流を検出してその検出電流値を出力する機能
を有している。
【0024】試料7の下部には、透過電流検出器21が
配置されている。この透過電流検出器21は、試料7を
透過する電子ビームの電流を検出してその検出電流値I
2 を出力する機能を有している。
【0025】又、試料7の斜め上方には、簡易電子銃2
2が設けられている。この簡易電子銃22は、試料7に
電子ビームを放射して試料7にチャージアップされた電
荷を除去するためのものである。
【0026】この簡易電子銃22は、図2の拡大図に示
すように、コイル状のフィラメント23に電源24を接
続し、かつフィラメント23から放射される電子ビーム
の進行路上に集束電極25、偏向電極26を配置した構
成となっている。
【0027】計算機30は、プローブ電流検出絞り20
により検出された電子ビームの電流値、透過電流検出器
21により検出された試料7を透過した電流値、及び2
次電子検出器8により検出された2次電子による電流値
を入力し、これら電流値に基づいて試料7のチャージア
ップを判定するチャージアップ判定手段、試料7に照射
される電流値と2次電流による下限電流値との2次電子
放出比に応じて試料7のチャージアップを除去する簡易
電子銃22の加速電圧を求める加速電圧算出手段として
の各機能を有している。
【0028】具体的にチャージアップ判定手段は、試料
7に照射される電子ビームのビーム電流をI1 、試料7
を透過する電子ビームの電流を検出する透過電流をI
2 、2次電子による電流値の下限値をI3 とする場合、 |I1 −(I2 +I3 )| …(1) の値が所定値よりも大きくなったときにチャージアップ
と判定する、又は2次電子検出器8により検出される同
一観察場所の2次電子の信号レベルが次第に上昇又は下
降を示したときにチャージアップと判定する機能を有し
ている。
【0029】なお、試料7に照射される電子ビームのビ
ーム電流I1 は、プローブ電流検出絞り20により検出
された電子ビームの電流値と第1電磁レンズ5及び第2
電磁レンズ6に流れる各レンズ電流の値から求められ
る。
【0030】加速電圧算出手段は、試料7に照射される
電子ビームのビーム電流I1 と2次電流による電流の下
限値I3 との2次電子放出比δ δ=I3 /I1 …(2) に応じて試料7のチャージアップを除去する簡易電子銃
22の加速電圧を求める機能を有している。
【0031】すなわち、この加速電圧算出手段は、予め
図3に示す加速電圧に対する2次電子放出比δの関係を
示す曲線をデータベースに記憶している。この曲線は、
例えば試料7の各物質A、Bごとに複数記憶されてい
る。
【0032】この曲線において、2次電子放出比δがδ
>1の場合、試料7は正極「+」にチャージアップさ
れ、δ<1の場合、試料7は負極「−」にチャージアッ
プされていることを示す。
【0033】従って、加速電圧算出手段は、2次電子放
出比δから曲線を用いて逆極性にチャージアップする加
速電圧Vo を求め、かつそのときの観察領域の幅と加速
電圧Vo とに基づいて簡易電子銃22から放射される電
子ビームが試料7面上の所定領域内に集束するための集
束電極25及び偏向電極26の各印加電圧を算出する機
能を有している。
【0034】チャージアップ検出器31は、計算機30
からチャージアップ判定を受けた場合、計算機30によ
り求められた加速電圧Vo を簡易電子銃22のフィラメ
ント23に印加し、かつ計算機30により求められた集
束電極25及び偏向電極26の各印加電圧をそれぞれ集
束電極25及び偏向電極26に印加する機能を有してい
る。
【0035】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。電子銃2から電子ビームが放出される
と、この電子ビームは試料7上に照射される。このとき
電子ビームは偏向板により試料7上の所望領域に走査さ
れる。
【0036】この電子ビームが試料7に照射されると、
試料7からは二次電子が放出される。二次電子検出器8
はこれら2次電子を電流として検出し、この電流に応じ
た検出信号を出力する。
【0037】この2次電子検出器8により検出された2
次電子電流は、処理されて試料7の表面形状の画像デー
タとして画像保持回路11に保持され、画像信号切替え
器12を介して観察用CRT13に送られる。
【0038】この状態に、プローブ電流検出絞り20
は、試料7に照射される電子ビームの電流を検出してそ
の検出電流値を出力する。透過電流検出器21は、試料
7を透過する電子ビームの電流を検出してその検出電流
値I2 を出力する。
【0039】計算機30のチャージアップ判定手段は、
これらプローブ電流検出絞り20により検出された試料
7に照射される電子ビームの電流を入力し、この電流値
と第1電磁レンズ5及び第2電磁レンズ6に流れる各レ
ンズ電流の値から試料7に照射される電子ビームのビー
ム電流I1 を求める。
【0040】このチャージアップ判定手段は、このビー
ム電流I1 、さらに透過電流検出器21により検出され
た試料7を透過する電子ビームの電流値I2 を入力し、
2次電子による電流値の下限値をI3 とする場合、上記
式(1) において、 |I1 −(I2 +I3 )| の値が所定値よりも大きくなったときにチャージアップ
と判定する。
【0041】又、チャージアップ判定手段は、2次電子
検出器8により検出される同一観察場所の2次電子の信
号レベルが次第に上昇又は下降を示したときにチャージ
アップと判定する。
【0042】従って、チャージアップ判定手段は、上記
式(1) の値が所定値よりも大きくなった場合、又は2次
電子の信号レベルが上昇又は下降を示した場合のいずれ
か一方の場合において、試料7のチャージアップとして
判定してチャージアップ判定信号Jをチャージアップ検
出器31に送出する。
【0043】このようにチャージアップを判定した場
合、計算機30の加速電圧算出手段は、試料7に照射さ
れる電子ビームのビーム電流I1 と2次電流による電流
の下限値I3 との2次電子放出比δ(=I3 /I1 )を
求め、図3に示す2次電子放出比δと加速電圧Vo との
関係の曲線から試料7を逆極性にチャージアップする簡
易電子銃22の加速電圧Vo を求める。
【0044】例えば、2次電子放出比δに対する加速電
圧V1 であれば、試料7は負極「−」にチャージアップ
されているので、これを逆極性つまり正極「+」にチャ
ージアップする簡易電子銃22の加速電圧、例えばV2
を求める。
【0045】この加速電圧算出手段は、そのときの観察
領域の幅と加速電圧V2 に基づいて簡易電子銃22から
放射される電子ビームが試料7面上の所定領域内に集束
するための集束電極25及び偏向電極26の各印加電圧
を算出する。
【0046】チャージアップ検出器31は、計算機30
からチャージアップ判定信号jを受けた場合、計算機3
0により求められた加速電圧V2 、集束電極25及び偏
向電極26の各印加電圧を受け、簡易電子銃22のフィ
ラメント23に対して加速電圧V2 の制御信号を送出
し、かつ集束電極25及び偏向電極26の各印加電圧の
各制御信号をそれぞれ集束電極25及び偏向電極26に
送出する。
【0047】この簡易電子銃22は、フィラメント23
に対して加速電圧V2 が印加され、かつ集束電極25及
び偏向電極26に対して各電圧が印加され、これにより
電子ビームを放射する。
【0048】この電子ビームは、集束電極25により集
束され、かつ偏向電極26により偏向されて試料7上の
所定領域に照射される。この結果、試料7のチャージア
ップは、除去される。
【0049】なお、簡易電子銃22からの電子ビームの
照射は、一定期間毎に試料7の観察と交互に行われる。
すなわち、主コントローラ10は、一定期間毎に画像信
号切替え器12を切り替え動作して一定期間毎に試料7
の観察像を観察用CRT13に送る。
【0050】従って、観察用CRT13には、簡易電子
銃22からの電子ビームが試料7に照射される直前の2
次電子像が映し出される。そして、簡易電子銃22から
の電子ビームは、一定期間毎に試料7に照射されて試料
7のチャージアップが除去されるまで繰り返し行われ
る。
【0051】このように上記一実施例においては、試料
7に照射される電子ビームのビーム電流値I1 、試料7
を透過する電子ビームの電流値I2 を検出し、これら検
出された各電流値I1 、I2 に基づいて試料7のチャー
ジアップを判定し、チャージアップと判定した場合、2
次電子放出比δに応じて簡易電子銃22の加速電圧Vo
を求め、この加速電圧Vo を簡易電子銃22のフィラメ
ント23に印加して試料7のチャージアップを除去する
ようにしたので、試料7が薄膜でなければならないと
か、試料室が高真空の場合には適用できない、又レンズ
の軸合わせの技術的に困難な面が多かったり、さらに電
子銃2の加速電圧が固定される等の走査型電子顕微鏡の
機能に対する制限を加えることなく、電子銃2とは別の
簡易電子銃22を用いて試料7のチャージアップを除去
できる。
【0052】又、簡易電子銃22から放射される電子ビ
ームは、走査させる必要もなく、かつ電子銃2から放射
される電子ビームに対する軸合わせも必要ないので、チ
ャージアップ動作への切り替えが短時間で行え、試料7
を観察できない時間を短縮できる。
【0053】又、チャージアップ判定は、|I1 −(I
2 +I3 )|の値が所定値よりも大きくなったとき、又
は2次電子の信号レベルが次第に上昇又は下降を示した
ときのいずれか一方又は両方となった場合としているの
で、試料7のチャージアップを確実に検出できる。
【0054】又、各種の物質A、B等の加速電圧と2次
電子放出比との関係を示す曲線を記憶しているので、い
かなる種類の試料7に対しても適用できる。そのうえ、
試料7が正極「+」又は負極「−」にチャージアップさ
れても、このチャージアップを除去できる。
【0055】なお、本発明は、上記一実施例に限定され
るものでなく次の通り変形してもよい。例えば、簡易電
子銃22の配置位置は、その電子ビームが試料7に照射
されるところであれば、その配置位置に制限はない。
又、試料7に照射される電子ビームのビーム電流I1
は、電子ビームの進行路上にビーム検出器を配置して直
接検出するようにしてもよい。
【0056】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、電
子顕微鏡本来の機能を制限することなく試料のチャージ
アップを除去できる走査型電子顕微鏡を提供できる。
又、本発明によれば、試料が薄膜でなく、試料室が高真
空でなくいも、又レンズの軸合わせの技術的に困難な面
が多くなく、さらに電子銃の加速電圧が固定される等の
走査型電子顕微鏡の機能に対する制限を加えることな
く、本来の電子銃とは別の簡易電子銃を用いて試料のチ
ャージアップを除去できる走査型電子顕微鏡を提供でき
る。
【0057】そのうえ本発明によれば、チャージアップ
動作への切り替えが短時間で行え、試料を観察できない
時間を短縮して試料のチャージアップを除去できる走査
型電子顕微鏡を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる走査型電子顕微鏡の一実施例を
示す構成図。
【図2】簡易電子銃の配置及び構成を示す拡大図。
【図3】加速電圧に対する二次電子放出比の関係を示す
図。
【図4】従来電子顕微鏡の構成図。
【図5】試料上のチャージアップを示す図。
【符号の説明】
1…顕微鏡本体、2…電子銃、5…第1電磁レンズ、6
…第2電磁レンズ、7…試料、8…二次電子検出器、1
0…主コントローラ、11…画像保持回路、12…画像
信号切替え器、13…観察用CRT、20…プローブ電
流検出絞り、21…透過電流検出器、22…簡易電子
銃、23…フィラメント、24…電源、25…集束電
極、26…偏向電極、30…計算機、31…チャージア
ップ検出器。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子銃から出力された電子ビームを試料
    に照射し、この試料から放出される2次電子を捕えて前
    記試料に対する表面測定を行う走査型電子顕微鏡におい
    て、 前記試料にチャージアップされた電荷を除去するための
    簡易電子銃と、 前記試料に照射される電子ビームのビーム電流を検出す
    るビーム電流検出手段と、 前記試料を透過する電子ビームの電流を検出する透過電
    流検出手段と、 少なくともこれら電流検出手段により検出された各電流
    値に基づいて前記試料のチャージアップを判定するチャ
    ージアップ判定手段と、 前記ビーム検出手段により検出されたビーム電流値と前
    記2次電流による下限電流値との2次電子放出比に応じ
    て前記試料のチャージアップを除去する前記簡易電子銃
    の加速電圧を求める加速電圧算出手段と、 前記判定手段からのチャージアップ判定を受けた場合、
    前記加速電圧算出手段により求められた加速電圧を前記
    簡易電子銃に印加するチャージアップ検出手段と、を具
    備したことを特徴とする走査型電子顕微鏡。
  2. 【請求項2】 チャージアップ判定手段は、試料に照射
    される電子ビームのビーム電流をI1 、前記試料を透過
    する電子ビームの電流を検出する透過電流をI2 、2次
    電子による電流値の下限値をI3 とする場合、 |I1 −(I2 +I3 )| の値が所定値よりも大きくなったときにチャージアップ
    と判定することを特徴とする請求項1記載の走査型電子
    顕微鏡。
  3. 【請求項3】 チャージアップ判定手段は、2次電子の
    信号レベルが次第に上昇又は下降を示したときにチャー
    ジアップと判定することを特徴とする請求項1記載の走
    査型電子顕微鏡。
  4. 【請求項4】 加速電圧算出手段は、加速電圧と2次電
    子放出比との関係を示す曲線から試料のチャージアップ
    を除去する簡易電子銃の加速電圧を求めることを特徴と
    する請求項1記載の走査型電子顕微鏡。
JP514595A 1995-01-17 1995-01-17 走査型電子顕微鏡 Pending JPH08195181A (ja)

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