JPH08188980A - 透明紙 - Google Patents

透明紙

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JPH08188980A
JPH08188980A JP128395A JP128395A JPH08188980A JP H08188980 A JPH08188980 A JP H08188980A JP 128395 A JP128395 A JP 128395A JP 128395 A JP128395 A JP 128395A JP H08188980 A JPH08188980 A JP H08188980A
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Japan
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pulp
paper
sheet
fine
water
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JP128395A
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Hiroshi Suenaga
浩 末永
Chitose Kawamata
千登勢 川又
Hisao Ishikawa
久夫 石川
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New Oji Paper Co Ltd
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、充分な透明性と紙強度を有し、設
計製図分野におけるトレーシングペーパー、PPC用第
二原図用紙、および包装紙等として使用でき、さらに、
油分の多い食品や冷凍食品などの包装、および解凍など
に適した耐油性および耐水性の優れた透明紙を提供す
る。 【構成】 JAPAN TAPPI No.26-78により規定される保水
度が210〜400%の値を有する微細繊維化パルプを
全原料パルプ中に50重量%以上含有し、坪量が20〜
130g/m2で、かつ不透明度が50%以下である透明
紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微細繊維化パルプを用い
た透明紙に関するものである。さらに詳しく述べるなら
ば、設計製図用のトレーシングペーパー、PPC用第二
原図用紙などの用途において充分な透明性と紙強度を有
し、さらにはクッキー、チョコレートや、ハンバーガー
など油分の多い食品の包装または解凍などに利用可能な
耐油性、耐水性の優れた透明紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、透明紙としては、特公昭45-38729
号公報、特公昭46-15723号公報、特公昭52-31445号公
報、特開平4-73298 号公報に記載されているように化学
パルプを高度に叩解して繊維間を密着させることで、パ
ルプ繊維内、シート内の空気を極力排除して抄造して得
られるシートまたはそれを応用したもの、および特公昭
54-6645 号公報、特公昭56-6650号公報に記載されてい
るようにパルプの叩解をあまり進めないで紙を製造し、
その後に流動パラフィン、可塑剤、高分子材料等の透明
化剤で処理したものが知られている。パルプの叩解によ
り製造される透明紙は、パルプをビーター、リファイナ
ー等の叩解機により処理されるが、叩解処理を進める
と、繊維は見かけ上柔軟になり繊維同士の接触面積が大
きくなることにより結合も強固となるため、紙の引張強
度、破裂強度、透明度は増大するが、同時にパルプ繊維
は短く切断され、パルプの損傷も大きくなり、特に引裂
強度が低下する問題がある。
【0003】従来、耐油紙としてはフッ素系樹脂やワッ
クスを使用するものが主流となっている。水溶性フッ素
樹脂を使用して紙に耐油性を付与する方法としては、フ
ッ素樹脂をパルプに混合してから抄紙する内添法とサイ
ズプレスまたはコーターなどにより塗布または含浸する
外添法が知られている(特開昭55-142796 号公報、特開
昭57-191399 号公報)。従来からフッ素樹脂を含浸した
紙は、いちじるしく耐油性に優れているが、フッ素樹脂
自体が高価であることなどから得られる耐油紙の用途が
限られ、特に内添法の場合には紙力が低下するという問
題がある。一方、ワックス紙は、溶融状態に保持された
ワックスを紙表面に塗布したり、含浸したりして製造さ
れている。しかしながら、最近ワックス紙を食品包装に
使用した場合、食品にワックスが移行するという研究報
告があり、例えば、トフィーという菓子では、食品の中
に0.7g/kg(食品)ものワックスが検出されてい
る。(Laurence Castile ら,Food, Additives and Con
taminants, 1994, vol. 11, No.1, 79-89 参照)。この
ようにワックス紙ではワックスの食品への移行という問
題がある。また、水と触れやすい食品包装、機械包装等
の用途では、水の浸透によりシートの強度低下や外観の
悪化が起こる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は微細繊維化パ
ルプを用いた透明紙に関するものであり、透明性がよ
く、シート強度の優れたトレーシングペーパー、PPC
用第二原図用紙、あるいは包装紙等として使用可能であ
り、更には食品用途としても安全で安価な耐水耐油性の
優れた透明紙を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の透明紙は、JAPA
N TAPPI No.26-78により規定される保水度が210〜4
00%の値を有する微細繊維化パルプを全原料パルプ中
に50重量%以上含有し、坪量が20〜130g/m2で、
かつ不透明度が50%以下であることを特徴とする透明
紙である。本発明の透明紙において、前記微細繊維化パ
ルプが、パルプ水懸濁液を媒体撹拌ミル又は振動式ミル
により微細化処理して得られたものであることが好まし
い。さらに本発明の透明紙においては、前記全原料パル
プに対して、0.1〜10重量%の耐水化剤を含有する
することが好ましい。
【0006】
【作用】本発明に使用される微細繊維化パルプは、媒体
撹拌ミル(特開平4-18186 号公報)、又は振動ミル(特
開平6-10286 号公報)によりパルプを湿式粉砕処理する
ことにより得られる。これらの装置により湿式粉砕処理
されたパルプを通常の叩解装置であるリファイナーまた
はビーターで処理されたパルプと比較すると、パルプ繊
維への叩解作用に大きな相違があり、パルプ物性も大き
く異なることが判った。すなわち、通常のリファイナ
ー、又はビーター叩解に比べ、本発明の媒体撹拌ミル又
は振動ミルでの叩解では、特にパルプ繊維の短繊維化
が少ないことから、シート化した場合には引裂強度の強
いものが得られ、またパルプの柔軟性およびパルプ繊
維の微細化を評価する保水度が同一フリーネスで比較し
て高く、シート作製時のウェットプレス圧を同じくして
もシート密度が高くなり、非常に潰れやすい繊維である
等の特徴のあるパルプが得られる。この理由としては、
リファイナーやビーターではプレート間でパルプに強い
力が作用するためパルプの損傷が大きいのに対し、本発
明の媒体撹拌ミル、振動ミル処理では穏やかな剪断応力
が作用していること、またパルプ繊維の繊維壁は微細な
ミクロフィブリルが配向して形成されており、本発明の
媒体撹拌ミル、振動ミル処理ではこのミクロフィブリル
間の結合を弱め、効率的に微細化が進むように力が作用
しているため、パルプ繊維の損傷が少ないと考えられ
る。透明紙の場合、パルプを高度に叩解する必要がある
ため、上記のように叩解作用の違いが製品品質に大きな
影響を及ぼす。
【0007】媒体撹拌ミルは、固定した粉砕容器に挿入
した撹拌機を高速で回転させて、粉砕容器内に充填した
媒体(例、ガラスビーズ、アルミナビーズ等)と試料を
撹拌して剪断応力等の力を発生させて試料を粉砕する装
置であり、塔式、槽式、流通管式、アニュラー式等があ
るが、媒体撹拌方式であればどの装置でも使用可能であ
る。振動ミルは、粉砕容器を高速振動させることによ
り、容器内に充填されたビーズ、ボールまたはロッド間
で試料を衝撃、剪断等の力を作用させる粉砕装置であ
る。
【0008】本発明においては、保水度210〜400
%の微細繊維化パルプを全原料に対して50重量%以上
含有せしめて作製した透明シートは、キットナンバーが
7以上の優れた耐油性を有することが判明した。これ
は、微細繊維がパルプ繊維の長さ方向だけでなく3次元
的に広がっているため、微細繊維化パルプを用いたシー
トは、これらが密に結合しあい緻密な構造のシートとな
るため、その表面はセルロースの水酸基が密に存在する
ことになるため耐油化剤を使用しなくても油が浸透しに
くくなっているためと考えられる。本発明で使用する微
細繊維化パルプの保水度は、210〜400%であり、
好ましくは210〜350%である。この微細繊維化パ
ルプの保水度が210%未満の場合には、不透明度が5
0%を越える傾向にあり、さらに耐油性も低下して、耐
油度キットナンバーが通常の耐油紙として要求される値
6以下となる。また、保水度が高い微細繊維化パルプほ
ど緻密なシート構造をとることが可能となるため不透明
度が下がり(透明性がよくなり)、かつ耐油性も向上
し、キットナンバーは7〜12となるが、保水度が40
0%を越えると、本発明の媒体撹拌ミルまたは振動ミル
で処理したパルプでもパルプ繊維の損傷が大きくなり、
引裂強度が低下してくるので使用するのは好ましくな
い。
【0009】微細繊維化パルプの配合量は、全原料パル
プの50重量%以上、好ましくは60重量%以上であ
り、共に配合する通常叩解パルプの原料の種類(叩解広
葉樹漂白パルプ、叩解針葉樹漂白パルプ、コットン、リ
ンター等)や叩解度にもよるが、微細繊維化パルプの量
が50重量%未満では、微細繊維化パルプを使用するこ
とによる透明度または耐油度の優位性が得られない。ま
た、配合する通常叩解パルプは、叩解が不十分だと、繊
維の柔軟性が不足し、シートに配合した場合、緻密な構
造を取り難くなるためカナダ標準フリーネスは500m
l以下、好ましくは400ml以下であり、さらに好ま
しくは300ml以下である。上記のように、本発明の
媒体撹拌ミル、振動ミルで処理したパルプは、通常のリ
ファイナーやビーター等によって叩解されたパルプに比
べて、繊維自体が細く柔軟なため繊維同士の結合が起こ
りやすく、そのため繊維同士が密着し、シートが緻密な
構造となり、繊維表面での光の散乱が押さえられ透明性
が上がる結果となる。このようにパルプが微細で柔軟で
あるため、通常叩解パルプを配合しても通常叩解パルプ
間の、透明性を悪化させるように働く空隙を埋めるよう
に微細繊維化パルプは存在することが出来るため、通常
叩解パルプの配合がシートの原料パルプの50%未満で
あれば緻密な構造のシートができ、透明性の良いまた耐
油性のあるシートを作製することができる。本発明の媒
体撹拌ミル、振動ミルで処理した微細繊維化パルプの配
合率を高いほど不透明度が下がり、同時に耐油性が上が
るため、所望の不透明度または耐油性を得るために、パ
ルプの微細繊維化処理の度合いを変える方法だけでな
く、通常叩解パルプの配合比を変える方法によっても達
成することが出来る。
【0010】本発明の透明紙の透明性については、不透
明度が50%以下であり、本発明の使用用途の一つであ
る第二原図用などに用いた場合、鮮明な複写画像が得ら
れる。不透明度が50%を越えると、複写画像が不鮮明
となり、第二原図用透明紙として充分に機能しなくなる
ため適さない。本発明の透明紙の坪量は、20〜130
g/m2、好ましくは30〜120g/m2である。用途により
必要とされる坪量も変化してくるが、坪量20g/m2未満
では、透明紙の腰が弱いために、本発明の用途の一つで
あるPPC第二原図用紙として利用する際にPPC複写
機での通紙性が悪く、作業性に問題が生じてくる。ま
た、130g/m2以上の坪量になると、シートのカレンダ
ー処理をおこなってシートの密度を上げても、不透明度
が50%を越える傾向にある。
【0011】微細繊維化パルプの原料としては、クラフ
ト法、サルファイト法、アルカリ法等で得られる針葉
樹、広葉樹漂白化学パルプ、コットン、リンター、古紙
パルプ等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。また、配合する通常叩解パルプの原料についても、
微細化パルプと同様にクラフト法、サルファイト法、ア
ルカリ法等で得られる針葉樹、広葉樹漂白化学パルプ、
コットン、リンター、古紙パルプ、機械パルプ等を使用
できるが、特に限定されるものではない。上記のように
微細繊維化パルプを使用したシートは、耐油性について
は著しく優れているが、耐水性についてもシートが緻密
な構造であるため一般の紙に比べてはるかに水の浸透は
起こりにくいが、水に浸漬した場合時間が経つとシート
の強度が低下してくる。この問題を解決するために種々
の紙薬品等について検討した結果、耐水化剤として、サ
イズ剤、および紙力増強剤等から選択して使用すること
により、微細化パルプの長所を全く損なうことなく、従
来にない効果があり、著しく耐水性(湿潤紙力)を向上
できることを見い出した。
【0012】前記サイズ剤としては、ロジン系サイズ
剤、又は反応性サイズ剤が好ましく、さらに反応性サイ
ズ剤の中でもアルキルケテンダイマー系、アルケニル無
水コハク酸系が好ましく、また紙力増強剤の中でも、グ
リオキザール、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホ
ルムアルデヒド樹脂、ポリアミド尿素ホルムアルデヒド
樹脂、ケトン樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン樹
脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、グ
リセロールポリグリシジルエーテル樹脂、ポリエチレン
イミン樹脂等の樹脂が好ましく使用される。これらの耐
水化剤は単独または2種以上を併用して使用してもよ
く、内添またはサイズプレス、塗工機にてシート表面に
塗布することにより耐水性を改善できる。これらの耐水
化剤の使用量は全原料パルプに対して0.1〜10重量
%が好ましい。本発明の透明紙を作製するにあたり、シ
ート形成後、シートをカレンダー処理することによりシ
ート密度を上げ、不透明度をさらに下げることが可能で
ある。カレンダー処理には、一段または複数段の金属ロ
ール、コットンロール、シリコンでコートされたロール
等が使用されているスーパーカレンダー、マシンカレン
ダー等を使用することが出来る。本発明の微細繊維化パ
ルプからシートを作製する場合、脱水性が通常叩解パル
プに比べて悪いが、例えば脱水能を強化した抄紙機や抄
紙機のワイヤー上または連続式流延装置のスチールベル
トの代わりにワイヤーベルトを使用したワイヤー上に、
固形分濃度0.5〜3%の原料を用い押出法により紙層
を形成し、その後プレス処理、乾燥処理することにより
シートを作製することができるが、これによりシート作
製法を限定するものではない。
【0013】
【実施例】以下に本発明の第一項を実施例を挙げてより
具体的に説明するが、勿論本発明はこれらに限定される
ものではない。又、実施例及び比較例において%とある
のはすべて重量%を示す。 実施例1 固形分濃度1.5%の針葉樹漂白クラフトパルプ懸濁液
を、実験用振動ミル(中央化工機(株)製、MB−1
型、容量3400ml)にて処理し、保水度220%、
長さ加重平均繊維長2.08mmの微細繊維化パルプ(カ
ナダ標準フリーネスは30ml)を得た。この微細繊維
化パルプを原料パルプとして用い、水を加えて6L(リ
ットル)の水懸濁液を調製し、よく撹拌後、25cm角の
手抄抄紙機(150メッシュのワイヤーを使用)を用い
て、絶乾坪量60g/m2の手抄シートを得た。なお、この
シートを作製するに際しては、通常比較的フリーネスの
高いパルプでは水懸濁液を合計16L(リットル)程度
に希釈して手抄を行うが、微細繊維化パルプを含む懸濁
液は濾水性が極度に悪いため、合計6Lになるように水
量を減らしてシートを作製した。これによって、シート
の地合が悪くなることは無かった。前記得られた微細繊
維化パルプの物性、および作製したシートの不透明度、
裂断長、引裂強度、鉛筆書き適性、鉛筆書きの消し適
性、靜電複写適性、耐油性撥油性、サイズ度、および湿
潤強度比などは下記の試験法により測定し、評価した。
結果を表1に示す。試験法 (1)微細繊維化パルプの保水度の測定 保水度は、JAPAN TAPPI No.26-78に準じて測定した。固
形分濃度5〜10%に濃縮した微細繊維化パルプを絶乾
約0.5g相当量をG2のガラスフィルターを有する遠
心分離器(型式:H−103N、国産遠心器社製)の遠
心管に入れ、遠心力3000Gで15分間遠心脱水し
た。遠心脱水処理したパルプを遠心管より取り出し、湿
潤状態の重量を測定し、その後105℃の乾燥機におい
て恒量になるまで乾燥し、乾燥重量を測定した。保水度
は、式(1)により算出した。 保水度(%)={(WーD)/D}×100・・・(1) 但し、式(1)中のWは、遠心脱水後のパルプの湿潤重
量(g)、Dはパルプの乾燥重量(g)である。(2)長さ加重平均繊維長の測定法 繊維の長さ加重平均繊維長は、繊維長測定装置(フィン
ランドKAJAANI社製、型式:FS−200)にて
測定した。(3)シートの不透明度の測定法 シートの不透明度の測定は、JIS−P−8138に基
づいて行った。(4)裂断長の測定法 シートの裂断長は、JIS−P−8113に準じて測定
した。。(5)引裂強さの測定方法 シートの引裂強さは、JIS−P−8116に準じて測
定した。PPC用第2原図用紙として使用するには、1
5(g)以上の引裂強さが必要である。(6)鉛筆書き適性の測定法 試料のシートに三菱uni−HB 0.5mm芯を使用
して紙面に対して直角に芯をあて400gの力を加えて
直線を引き、光学顕微鏡(30〜50倍)を用いてその
直線部分を観察した。直線部分全体のうち何%がカーボ
ンで覆われているかを目視で判断して、10%単位で報
告した。実用的には60%以上あれば十分なレバルであ
る。(7)鉛筆書きの消し特性の測定法 (4)の方法で試料の上に鉛筆で描かれた直線を(株)
トンボ社製MONOプラスチック消しゴムを用いて消
し、光学顕微鏡でその消し跡を観察した。カーボンが完
全に見えないものを○、カーボンが微かに残っているの
が認められるものを△、はっきりと残っているのが見え
るものを×、と三段階で評価した。(8)静電複写(トナーの定着)適性測定法 静電複写機(型式:Vivace 670、FUJI−
XEROX製)を用いて試料シートにサンプル図面の複
写を行い、光学顕微鏡を用いて図面の直線および文字部
におけるトナーの付着状態を観察し、○(良好)、△
(やや不良)、×(不良)の三段階で評価した。(9)耐油性撥油性試験の測定方法 シートの耐油性撥油性の試験はJ.TAPPI紙パルプ
試験方法No.41に規定されているキット法による方
法に従った。即ち、ひまし油、トルエン、n−ヘプタン
の3種類の薬品を規定の割合で混合することによって1
2種類のキット試薬を調製する。キットナンバーは1か
ら12まであり、数字が大きいほど撥油性が大きいこと
を示す。撥油度は、5枚の試験片について試験を行い、
キット試薬滴下後15秒を経過しても各試験片面に染み
を作らないキットナンバーの最高値を平均して報告す
る。耐油紙として実用的に必要なレベルはキットナンバ
ー7以上である。(10)サイズ度の測定方法 シートのサイズ度の測定は、JIS−P−8122のス
テキヒトサイズ度試験法に準じて測定した。(11)湿潤強度比の測定法 湿潤強度比は、JIS−P−8135の湿潤引張強さ試
験方法に基づいて、10分間水に浸漬した後の湿潤引張
強さを測定し、式(2)に基づいて計算した値である。
標準引張強さは乾燥状態での引張強度である。 湿潤強度比(%)=湿潤引張強さ(kg)/標準引張強さ(kg)×100・・(2)
【0014】実施例2 固形分濃度1%の広葉樹漂白クラフトパルプ懸濁液を、
1.5L容のダイノミル(型式:KDL−PILOT
型、シンマル・エンタープライゼス社製)を用いて、保
水度400%、長さ加重平均繊維長0.54mmの微細
繊維化パルプを得た。この微細繊維化パルプを原料パル
プとして用いた以外は実施例1と同様にして絶乾坪量6
0g/m2のシートを作製した。
【0015】実施例3 固形分濃度1%の広葉樹漂白クラフトパルプ懸濁液を、
六筒式サンドグラインダー(アイメックス(株)製、処
理容量300ml)を用いて、保水度210%、長さ加
重平均繊維長0.75mmの微細繊維化パルプを得た。
この微細繊維化パルプを原料パルプとして用いたこと以
外は実施例1と同様にして、絶乾坪量30g/m2のシート
を作製した。
【0016】実施例4 固形分濃度1%の針葉樹漂白クラフトパルプ懸濁液を実
施例3と同様な六筒式サンドグラインダーにて処理し、
保水度400%、長さ加重平均繊維長1.66mmの微
細繊維化パルプ(A)を得た。一方、固形分濃度3%の
広葉樹漂白クラフトパルプ懸濁液を12インチ型シング
ルリファイナー(型式:DR30−300HB、熊谷理
機工業社製)にて処理し、カナダ標準フリーネス195
mlの叩解パルプ(B)を得た。微細繊維化パルプ
(A)50%とリファイナー叩解パルプ(B)50%の
配合で混合したものを原料パルプとして用いたこと以外
は、実施例1と同様にして、絶乾坪量30g/m2のシート
を作製した。
【0017】実施例5 実施例1と同様にして、絶乾坪量60g/m2のシートを作
製し、さらにこのシートに実験用マシーンカレンダーを
用いて、線圧75kg/cmにてカレンダー処理を行な
った。
【0018】実施例6 パルプとして針葉樹漂白クラフトパルプを用いた以外は
実施例2と同様に処理して、保水度400%、長さ加重
平均繊維長1.70mmの微細繊維化パルプを得た。こ
れを原料パルプとして用い、実施例1と同様にして、絶
乾坪量120g/m2のシートを作製し、さらにこのシート
に線圧75kg/cmにてカレンダー処理を行なった。
【0019】実施例7 実施例1と同様にして、絶乾坪量30g/m2のシートを作
製した。
【0020】実施例8 原料パルプ(微細繊維化パルプ100%)に対して、ロ
ジンサイズ剤(商標:サイズパインE、荒川化学(株)
製)を絶乾パルプ当たり0.5%、サイズ定着剤として
試薬の硫酸バンドを絶乾パルプ当たり2%加えた以外
は、実施例1と同様にして絶乾坪量60g/m2の手抄シ
ートを作製した。
【0021】実施例9 実施例2と同様にして作製したシートにアルキルケテン
ダイマーサイズ剤(商標:SPK、荒川化学(株)製)
を0.5g/m2塗布(外添)し、再乾燥した。
【0022】実施例10 原料パルプ(微細繊維化パルプ100%)に対して、湿
潤紙力増強剤(商標:スミレーズレジン614、尿素樹
脂系、住友化学工業(株)製)を絶乾パルプ当たり0.
7%内添した以外は、実施例3と同様にして、絶乾坪量
60g/m2の手抄シートを作製した。
【0023】実施例11 原料パルプ(微細繊維化パルプ50%とリファイナー叩
解パルプ50%配合した混合パルプ)に対して、湿潤紙
力増強剤(商標:リキロン603、ポリアミドエピクロ
ルヒドリン系、近代化学工業(株)製)を絶乾パルプ当
たり0.7%内添したこと以外は、実施例4と同様にし
て、絶乾坪量60g/m2の手抄シートを作製した。さら
に得られたシートにアルキルケテンダイマーサイズ剤
(商標:SPK、荒川化学(株)製)を0.5g/m2
布(外添)し再乾燥した。
【0024】実施例12 実施例8と同様にして得られた絶乾坪量60g/m2のシ
ートを、実験用マシーンカレンダーを用いて、線圧75
kg/cmにてカレンダー処理を行いシートを作製し
た。
【0025】比較例1 固形分濃度3%の針葉樹漂白クラフトパルプ懸濁液を1
2インチ型シングルリファイナー(型式:DR30−3
00HB、熊谷理機工業社製)にて処理してカナダ標準
フリーネス30mlの叩解パルプを得た。この叩解パル
プの保水度は180%、長さ加重平均繊維長は1.73
mmであった。この叩解パルプを原料パルプとして用い
た以外は、実施例1と同様にして絶乾坪量60g/m2のシ
ートを作製した。
【0026】比較例2 処理時間を変えた以外は実施例2と同様にして、保水度
450%、長さ加重平均繊維長0.49mmの微細繊維
化パルプを得た。この微細繊維化パルプを原料パルプと
して用いた以外は実施例2と同様にして絶乾坪量60g/
m2のシートを作製した。
【0027】比較例3 処理時間を変えた以外は実施例3と同様にして、保水度
198%、長さ加重平均繊維長0.69mmの微細繊維
化パルプを得た。この微細繊維化パルプを原料パルプと
して用いた以外は実施例3と同様にして絶乾坪量30g/
m2のシートを作製した。
【0028】比較例4 実施例4で得られた微細繊維化パルプ(A)40%とリ
ファイナー叩解パルプ(B)60%を配合した混合パル
プを原料パルプとして用いた以外は、実施例4と同様に
して、絶乾坪量30g/m2のシートを作製した。
【0029】比較例5 実施例6と同様にして、絶乾坪量135g/m2のシートを
作製し、カレンダー処理を行なった。
【0030】比較例6 実施例7と同様にして、絶乾坪量18g/m2のシートを作
製した。
【0031】比較例7 比較例1で得られたリファイナー叩解パルプを原料パル
プとして用いた以外は実施例8と同様に、原料パルプに
対して、ロジンサイズ剤(商標:サイズパインE、荒川
化学(株)製)を絶乾パルプ当たり0.5%、サイズ定
着剤として試薬の硫酸バンドを絶乾パルプ当たり2%加
えて、絶乾坪量60g/m2の手抄シートを作製した。
【0032】上記各実施例および比較例で作製したシー
トの各種物性、品質特性などについての評価結果を表1
にまとめた。同一カナダ標準フリーネス(30ml)で
比較した場合、振動ミル処理により得られた微細繊維化
パルプは、リファイナーで叩解されたパルプより、保水
度が高く、長さ加重平均繊維長が長い。また、この微細
繊維化パルプを用いて作製されたシートは、リファイナ
ー叩解パルプによるシートよりも不透明度が低く、引裂
強度が高く、かつ耐油性も優れている(実施例1、比較
例1)。またシートをカレンダー処理することにより本
発明の透明紙の不透明度はさらに下がる(実施例5)。
しかし、媒体撹拌型ミル、振動ミル処理により得られた
微細繊維化パルプでも、保水度が400%を越えるまで
処理を進めた場合は、不透明度は低く、キットナンバー
も12であるものの、引裂強さが低下し、好ましくない
(比較例2)。逆に微細繊維化パルプの保水度が200
%に満たない場合は、不透明度が充分下がらず、また耐
油性も充分でなく適しない(比較例3)。媒体撹拌型ミ
ル、振動ミル処理によって得られた微細繊維化パルプに
対して、カナダ標準フリーネス500ml以下のパルプ
を50%を越えて混ぜると、不透明度が上がり、また耐
油性も悪く適さない(比較例4)。坪量が130g/m2
越えると必要な透明性が得られず適さない(比較例
5)。逆に坪量が20g/m2未満になると、充分な引裂強
度が得られず、またシートの腰が無く、本発明の用途の
一つであるPPC用第二原図用紙として使用しようとす
ると、しわや破れの問題が生じるため適さない(比較例
6)。さらにサイズ剤、湿潤紙力増強剤を添加すること
により、耐水性(湿潤強度比)を大幅に向上できる(実
施例8〜12)。一方リファイナー叩解パルプシートで
は、耐水化剤を用いても耐水性は、余り改善されない
(比較例7)。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明は、充分な透明性と紙強度を有
し、トレーシングペーパー、PPC用第二原図用紙、お
よび包装紙等として使用でき、さらに耐油耐水性も良好
で油分の多い食品や冷凍食品などの包装、および解凍な
どに適した透明紙を提供するという効果を奏する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JAPAN TAPPI No.26-78により規定される
    保水度が210〜400%の値を有する微細繊維化パル
    プを全原料パルプ中に50重量%以上含有し、坪量が2
    0〜130g/m2で、かつ不透明度が50%以下であるこ
    とを特徴とする透明紙。
  2. 【請求項2】 前記微細繊維化パルプが、パルプ水懸濁
    液を媒体撹拌ミル又は振動式ミルにより微細化処理して
    得られたものである請求項1記載の透明紙。
  3. 【請求項3】 前記全原料パルプに対して、0.1〜1
    0重量%の耐水化剤を含有する請求項1または請求項2
    記載の透明紙。
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