JPH08188653A - 固体の添加剤をポリマー中に分散させる方法およびそれによって得られる製品 - Google Patents

固体の添加剤をポリマー中に分散させる方法およびそれによって得られる製品

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JPH08188653A
JPH08188653A JP162395A JP162395A JPH08188653A JP H08188653 A JPH08188653 A JP H08188653A JP 162395 A JP162395 A JP 162395A JP 162395 A JP162395 A JP 162395A JP H08188653 A JPH08188653 A JP H08188653A
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polymer
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Qamar Singh Bhatia
カマー・シング・バティア
Paul W Buckley
ポール・ウイリアム・バックレイ
Gary Charles Davis
ゲイリー・チャールス・デイビス
L Ho Robert
ロバート・エル・ホウ
Wie-Hin Pan
ウィエ−ヒン・パン
Elliott West Shanklin
エリオット・ウエスト・シャンクリン
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体形態の添加剤をポリマー中に分散させる
方法。 【構成】 本発明によれば、添加剤(1種または複数)
の分散液または溶液を管型ミキサー中で(好ましくは静
止ミキサーの存在下で)樹脂の溶液に加える。このミキ
サーは水蒸気沈殿工程に通じており、ここで混合物中の
流体成分がすべて揮発して、固体の添加剤と樹脂が所望
の比で残る。この結果、添加剤がポリマーマトリックス
中に均一に分散した分散体が得られる。高度に分散して
いるため、このポリマーマトリックスを添加した熱可塑
性樹脂の物理的性質が保持される。一例として、ポリカ
ーボネートに滴下防止添加剤としてPTFEを加える
と、熱可塑性成形用樹脂に添加したときに機械的性質を
損なうことなく改良された滴下防止性を有する高度に分
散したPTFE濃縮物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成の熱可塑性ポリマー
との混合物として固体の添加剤を分散させる方法および
それによって得られる製品に係る。ひとつの態様では粒
状化したポリカーボネート中に固体の添加剤を分散させ
るかまたは添加剤と粒状化したポリカーボネートを他の
熱可塑性樹脂と共にブレンドする技術に関する。
【0002】
【関連技術の簡単な説明】特許文献には、合成ポリマー
樹脂と各種固相添加剤との均一な混合物の製法に関する
記載が豊富である。その代表は、1987年3月10日
に発行されたクレス(Kress) らの米国特許第4,64
9,168号に記載されているものである。クレス(Kre
ss) らは、芳香族のポリカーボネート樹脂をベースとす
る成形用組成物中にポリテトラフルオロエチレン(以
下、簡単に「PTFE」とする)の粒子を分散させてい
る。簡単にいうと、この分散を実施するには、2種の成
分の水性エマルションを混和した後にそのエマルション
混合物を凝結させる。凝結は、噴霧乾燥、凍結乾燥、ま
たは、無機もしくは有機の塩、酸、塩基または水混和性
の有機溶媒の添加によって実施することができる。
【0003】クレス(Kress) らが記載した方法ではPT
FEがポリカーボネート樹脂中に微細に分散した分散物
が得られるが、その分散度は多くの変数に依存してお
り、厳密な制御が必要である。たとえば、2つの水性エ
マルションを互いに混合する場合、これら2種のエマル
ションが混ざっていく様子は主として、懸濁した粒子の
各々とこれら粒子が乳化する水相との相互作用によって
決まる。このことは、各相中に必然的に使用されている
界面活性剤が主たる要因になるということを意味してい
る。凝結の過程の間、これら2種のエマルションの分散
の制御は、次第にPTFE粒子とポリマー樹脂粒子の表
面間の相互作用によって支配されるようになる。よく知
られているように類似の粒子は互いに反発する傾向があ
るので、凝結の間これら2種の混合したエマルションの
凝離を生じさせる駆動力が本来存在しているのである。
【0004】さらに、樹脂粉末に水を添加する場合、そ
の水は粉末の表面に物理的に結合してこれを濡らす。こ
の表面に物理的に結合する水の量は、粉末表面の自由エ
ネルギー特性、利用できる表面積、および水とこの表面
との間の相互作用の自由エネルギーによって決まる。水
をベースとするPTFEエマルションを濡れ方の不十分
な粉末に添加すると、水の添加量が粉末の飽和容量より
少ない限り、水は添加したエマルションからすぐに除か
れることになる。その結果、このエマルションはそれか
ら水が除かれると存在することができないのでPTFE
エマルションの有効な凝結が生起する。樹脂粉末の各粒
子は水に対して決まった飽和容量をもっているので、各
樹脂粉末粒子は非常に少ない決まった量のエマルション
中の水とだけ反応することになる。この意味するところ
は、樹脂粉末の水濡れ特性によって決まる遠隔規模でP
TFEエマルションを凝結させる力が存在するというこ
とである。また、樹脂粉末の粒子の表面が水で飽和され
るかまたは充分に濡れるとすぐにそれ以上のPTFEエ
マルションの凝結を生起させる能力がなくなってしまう
ので、PTFEの分散が極度に不足するということも意
味している。このことは次いで、PTFEエマルション
のサイズに応じた遠隔規模でPTFEが粉末中に分散す
ることを保証する物理的限定要因となる。
【0005】本発明の方法は、分散を制御する変数が限
られているという点で特に有利である。本発明の方法は
単純であり、その結果常に良好な高度の分散が今までは
達成できなかった規模で得られる。得られる極めて均一
な分散物からは、優れた特性をもつ独特な製品が得られ
る。高割合の添加剤が機械的性質を損なうことなく均一
に分散する。たとえば、PTFEをポリカーボネート樹
脂に分散させる場合、機械的性質を犠牲にすることな
く、より高濃度のPTFEを容易に分散させることがで
きる。
【0006】本発明の方法では粒子構造の多孔性ポリカ
ーボネート樹脂中にPTFEを配合する。PTFEをポ
リカーボネート樹脂中に配合する初期の方法では、ポリ
カーボネートとPTFE(ラテックスとして)をボール
ミル、ゴム用ロール、エクストルーダーまたはバンバリ
ーミキサー中で混和・加工処理していた。たとえば、米
国特許第3,294,871号および第3,290,7
95号を参照されたい。米国特許第3,005,795
号では、PTFEとポリカーボネート樹脂の混和をベー
ス樹脂の「高流動性の溶液および溶融体」中で行なうこ
とが示唆されている。
【0007】最近になって、PTFEとポリカーボネー
ト樹脂をこれら2種の樹脂の共沈によって組み合わせる
と有利であることが判明した。この結果最終的にPTF
Eがポリカーボネート樹脂中に分散した分散物が得られ
るといわれている。1988年6月28日に発行された
カーター二世(Carter, Jr.) らの米国特許第4,75
3,994号参照。
【0008】この教示によると、PTFEの水性分散液
をポリカーボネート樹脂の溶液と混和し、エステル、芳
香族炭化水素、脂肪族炭化水素、アルコール、カーボネ
ート、エーテルまたはケトンを添加することによって共
沈を起こさせる。この共沈物はその後いくらか高価な方
法で単離、洗浄、乾燥して回収する必要がある。しかし
ながら、これら従来技術の方法では、本質的にそれより
単純で時間と費用がかからない本発明の方法で得られる
製品がもつ独特の特性、特に機械的性質の維持という特
性をもった製品は得られない。
【0009】
【発明の概要】本発明は熱可塑性の合成ポリマーの粒子
中に固体形態の添加剤を高度に分散した状態で混合する
ための方法に係り、この方法は、添加剤の流体混合物を
用意し、ポリマー樹脂の溶液を用意し、添加剤混合物を
ポリマー樹脂溶液と混合し、この混和物から流体と溶媒
を同時に除去することにより、添加剤とポリマー樹脂粉
末を前記混合物から共沈させることからなっている。
【0010】本発明はまた、本発明の方法によって得ら
れる熱可塑性組成物製品、それと熱可塑性樹脂とのブレ
ンド、およびそれから成形される物品にも係る。
【0011】
【発明の好ましい態様の詳細な説明】本発明の方法は、
広範囲の合成熱可塑性ポリマー中に固体の添加剤を高度
に分散させるのに使用できる。そのようなポリマーの代
表例は粒子形態で入手可能な有機のポリマーであり、そ
の特徴は炭素原子の連鎖にあるが、この連鎖には鎖中の
連結単位として極性の基を含有していてもよい。このよ
うなポリマーの具体例は次の一般式のものである。
【0012】
【化1】
【0013】ここで、nは約50より大きい整数であ
り、Aは次式の中から選択される式を有する二価の炭化
水素分子部分である。
【0014】
【化2】
【0015】ただし、mは1から20までの整数であ
り、Z′とZ″は各々水素およびアルキルの中から選択
される。また前記式中のBは次式で表わされる基の中か
ら選択される二価の結合基である。
【0016】
【化3】
【0017】ただし、Xは水素、アルキル、アリールお
よびハロゲンより成る群の中から選択され、Yは水素、
ハロゲン、ニトリル、カルボン酸エステル、アルコキシ
およびアセタールの中から選択され、Rは水素、アルキ
ル、アリール、アルカリールおよびアルコキシメチルの
中から選択される。この定義内に含まれる熱可塑性ポリ
マーとしては、ポリエチレン、他のポリオレフィンおよ
びエチレンと1‐オレフィンとのコポリマーのような炭
化水素ポリマー、ポリスチレン、ポリビニルハライド、
ポリビニリデンハライド、中でも特にポリメチルメタク
リレートを始めとするポリアクリレート、6〜10個の
炭素原子を含有する線状ジアミンまたはそのアミド形成
性誘導体の分子間重合によって作成される線状ポリカー
ボンアミドおよび4〜12個の炭素原子を含有するω‐
アミノ酸またはそのアミド形成性誘導体の分子内重合に
よって作成されるスーパーポリアミド(たとえば、ポリ
ヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカ
ミドおよびポリカプロラクタム)、ポリカーボンイミ
ド、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリオキシアル
キレン(特に、高分子量の熱安定性ポリオキシメチレ
ン)、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエ
ーテル樹脂(たとえば、ポリフェニレンエーテルとスチ
レンポリマーとのブレンド)、ポリカーボネートとアク
リロニトリル‐ブタジエン‐スチレンとのブレンド、ポ
リアルキレンテレフタレート(たとえば、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプ
ロピレンテレフタレートおよびこれらのブレンド)、ポ
リエーテルイミドエステル、ポリエーテルエステル、お
よびこれらのブレンド、ならびに、本発明の方法で作成
された生成物、たとえば水蒸気共沈したPTFEとポリ
カーボネート、とのブレンドがある。
【0018】本発明の方法は上述の各種熱可塑性ポリマ
ーに応用できるが、以下の説明では簡単にするために便
宜上芳香族ポリカーボネートを例に挙げて議論する。本
方法は、コポリエステル‐カーボネートを含めた芳香族
ポリカーボネートを加工・処理するのに使用すると特に
有利である。ポリカーボネートとコポリエステル‐カー
ボネートは周知のポリマーであリ、市販されている。界
面重合によってポリカーボネートを製造する方法もよく
知られている。たとえば、米国特許第3,028,36
5号、第3,334,154号、第3,275,601
号、第3,915,926号、第3,030,331
号、第3,169,121号、第3,027,814号
および第4,188,314号(すべて引用により本明
細書中に含まれているものとする)の詳細な説明を参照
されたい。
【0019】一般に、界面重合法は二価フェノールとハ
ロゲン化カルボニル(カーボネート前駆体)とを反応さ
せることからなる。この製造プロセスの反応条件はいろ
いろ変えられるが、いくつかの好ましい方法では、ジフ
ェノール反応体を苛性水溶液に溶解または分散させ、得
られた混合物を適切な水不混和性溶媒媒質に添加し、こ
れらの反応体を適切な触媒の存在下pH条件を調節しな
がらホスゲンのようなカーボネート前駆体と接触させる
のが普通である。最も普通に使われる水不混和性の溶媒
としてはメチレンクロライド、1,2‐ジクロロエタ
ン、クロロベンゼン、トルエンなどがある。
【0020】用いる触媒は、二価フェノール反応体とカ
ーボネート前駆体との重合速度を速めるものである。代
表的な触媒として、トリエチルアミンのような第三級ア
ミン、第四級ホスホニウム化合物、第四級アンモニウム
化合物などがあるが、これらに限定されるわけではな
い。ポリカーボネート樹脂を製造するのに好ましいプロ
セスはホスゲン化反応からなる。ホスゲン化反応が進行
する温度は0℃以下から100℃以上まで変化し得る。
ホスゲン化反応は室温(25℃)〜50℃の温度で好ま
しく進行する。この反応は発熱であるので、ホスゲンの
添加速度を利用して反応温度を制御できる。ホスゲンの
所要量は一般に二価フェノールの量に依存する。
【0021】用いる二価フェノールは公知であり、反応
性の基は2つのフェノール性ヒドロキシル基である。二
価フェノールのあるものは次の一般式で表わされる。
【0022】
【化4】
【0023】ここで、Aは1〜約15個の炭素原子を含
有する二価の炭化水素基、1〜約15個の炭素原子とハ
ロゲンのような置換基を含有する置換された二価の炭化
水素基、−S−、−SS−、−S(O)−、−S(O)
2 −、−O−、または−C−であり、Xは各々が独立し
ており、水素、ハロゲン、および、炭素原子1〜約8個
のアルキル基、炭素原子6〜18個のアリール基、炭素
原子7〜約14個のアラルキル基、炭素原子7〜約14
個のアルカリール基、炭素原子1〜約8個のアルコキシ
基または炭素原子6〜18個のアリールオキシ基のよう
な一価の炭化水素基より成る群の中から選択され、mは
0か1であり、nは0から4までの整数である。
【0024】用いる二価フェノールの典型例をいくつか
挙げると、ビス(4‐ヒドロキシフェニル)メタン、
2,2‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)プロパン(ビ
スフェノール‐Aともいわれる)、2,2‐ビス(4‐
ヒドロキシ‐3,5‐ジブロモフェニル)プロパンのよ
うなビスフェノール、ビス(4‐ヒドロキシフェニル)
エーテル、ビス(3,5‐ジクロロ‐4‐ヒドロキシフ
ェニル)エーテルのような二価フェノールエーテル、
p,p′‐ジヒドロキシジフェニル、3,3′‐ジクロ
ロ‐4,4′‐ジヒドロキシジフェニルのようなジヒド
ロキシジフェニル、ビス(4‐ヒドロキシフェニル)ス
ルホン、ビス(3,5‐ジメチル‐4‐ヒドロキシフェ
ニル)スルホンのようなジヒドロキシアリールスルホ
ン、レゾルシノール、ヒドロキノンのようなジヒドロキ
シベンゼン、1,4‐ジヒドロキシ‐2,5‐ジクロロ
ベンゼン、1,4‐ジヒドロキシ‐3‐メチルベンゼン
のようなハロ置換またはアルキル置換されたジヒドロキ
シベンゼン、ならびに、ビス(4‐ヒドロキシフェニ
ル)スルフィド、ビス(4‐ヒドロキシフェニル)スル
ホキシドおよびビス(3,5‐ジブロモ‐4‐ヒドロキ
シフェニル)スルホキシドのようなジヒドロキシジフェ
ニルのスルフィドまたはスルホキシドがある。別の各種
二価フェノールが入手可能であり、米国特許第2,99
9,835号、第3,028,365号および第3,1
53,008号(すべて引用により本明細書中に含まれ
ているものとする)に開示されている。もちろん、2種
以上の異なる二価フェノールまたは二価フェノールとグ
リコールとの組み合わせを使用することが可能である。
【0025】カーボネート前駆体はハロゲン化カルボニ
ル、ジアリールカーボネートまたはビスハロホルメート
のいずれかとすることができる。ハロゲン化カルボニル
としては臭化カルボニル、塩化カルボニルおよびこれら
の混合物がある。ビスハロホルメートとしては、2,2
‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2‐
ビス(4‐ヒドロキシ‐3,5‐ジクロロフェニル)プ
ロパン、ヒドロキノンなどのビスクロロホルメートのよ
うな二価フェノールのビスハロホルメート、または、エ
チレングリコールなどのビスハロホルメートのようなグ
リコールのビスハロホルメートがある。以上のカーボネ
ート前駆体はいずれも有用であるが、ホスゲンともいう
塩化カルボニルが好ましい。
【0026】ランダムに分枝した高分子量の熱可塑性ポ
リカーボネートもポリカーボネートの範囲内に含まれ
る。これらのランダムに分枝したポリカーボネートを製
造するには、前述の二価フェノールおよびカーボネート
前駆体に多官能性の有機化合物を同時に反応させる。分
枝ポリカーボネートを作成するのに有用な多官能性有機
化合物は米国特許第3,635,895号および第4,
001,184号(引用により本明細書中に含まれてい
るものとする)に記載されている。これらの多官能性化
合物は通常芳香族であり、カルボキシル、カルボン酸無
水物、フェノール、ハロホルミルまたはこれらの組み合
わせのような官能基を少なくとも3個含有している。こ
れらの多官能性芳香族化合物の非限定例をいくつか挙げ
ると、1,1,1‐トリ(4‐ヒドロキシフェニル)エ
タン、トリメリット酸無水物、トリメリット酸、トリメ
リトイルトリクロライド、4‐クロロホルミルフタル酸
無水物、ピロメリット酸、ピロメリット酸二無水物、メ
リット酸、メリット酸無水物、トリメシン酸、ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸無水物、などがある。好ましい多官能性の芳香族化
合物は1,1,1‐トリ(4‐ヒドロキシフェニル)エ
タン、トリメリット酸無水物もしくはトリメリット酸ま
たはこれらのハロホルミル誘導体である。また、線状の
ポリカーボネートと分枝ポリカーボネートのブレンドも
本発明に包含される。
【0027】本発明の方法で処理されるポリカーボネー
トは重量平均分子量(Mw )が比較的低いものでも、ま
たは比較的高いものでもよい。Mw が低めの樹脂は通常
末端がキャッピングされたポリカーボネートである。い
わゆる「末端がキャッピングされた」ポリカーボネート
は前述の芳香族カーボネートポリマーの製造手順によっ
て製造されるが、その際カーボネートポリマー上に末端
基をもたらす少量の分子量調節剤または連鎖停止剤を反
応混合物に含ませることによりポリカーボネートの分子
量を制御する。
【0028】分子量調節剤、すなわち連鎖停止剤を反応
体に添加するのは、一般に、反応体をカーボネート前駆
体と接触させる前かその接触中である。有用な分子量調
節剤としては、フェノール、クロマン‐I、p‐ter
t‐ブチルフェノール、p‐クミルフェノールなどがあ
るが、これらに限られるものではない。カーボネートポ
リマーの連鎖停止剤として機能する他の化合物も公知で
ある。たとえば、米国特許第3,085,992号には
連鎖停止剤としてのアルカノールアミンが、米国特許第
3,399,172号には連鎖停止剤としてのイミド
が、米国特許第3,275,601号には界面重合法に
よってポリカーボネートを製造する際にアニリンとメチ
ルアニリンが連鎖停止剤として働くことが、そして米国
特許第4,011,184号にはポリカーボネート用の
分子量調節剤としての第一級または第二級のアミンが、
それぞれ開示・教示されている。さらに、米国特許第
3,028,365号には、芳香族アミンや他の単官能
性化合物を使用してポリカーボネートの分子量を制御ま
たは調節することができ、その結果アリールカーバメー
ト末端基が形成されることが開示されている。またカー
バメート末端基を有する芳香族ポリカーボネートが米国
特許第4,111,910号に開示されている。これら
のポリカーボネートは、アンモニア、アンモニウム化合
物、第一級シクロアルキル、脂肪族またはアラルキルア
ミンおよび第二級シクロアルキル、アルキルまたはアラ
ルキルアミンを末端停止量で用いて製造されている。
【0029】上に述べたように、本発明の方法で処理さ
れる芳香族カーボネートポリマーには、コポリエステル
‐ポリカーボネートともいわれるポリエステルカーボネ
ートが包含される。これは、次式(IIa)の繰返しポリ
カーボネート連鎖単位に加えて、たとえば次式(IIb)
の反復または繰返しカルボキシレート単位を含有する樹
脂のことである。
【0030】
【化5】
【0031】
【化6】
【0032】ここで、Dは重合反応で使用した二価フェ
ノールに由来する二価の芳香族残基であり、R1 は以下
に定義する通りである。このコポリエステル‐ポリカー
ボネート樹脂もまた、当業者には周知の界面重合技術に
よって製造される。たとえば、米国特許第3,169,
121号および第4,487,896号を参照された
い。
【0033】一般に、コポリエステル‐ポリカーボネー
ト樹脂は、ポリカーボネートホモポリマーに関して前記
したようにして製造されるが、水不混和性溶媒中にジカ
ルボン酸(エステル前駆体)を添加して共存させる。通
常、コポリエステル‐カーボネート樹脂を製造する際に
は、線状ポリエステルの製造に従来から使われているジ
カルボン酸のいずれも利用できる。一般に、利用できる
ジカルボン酸には、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカル
ボン酸、脂肪族‐芳香族ジカルボン酸が包含される。こ
れらの酸は周知であり、たとえば米国特許第3,16
9,121号(引用により本明細書中に含まれるものと
する)に開示されている。そのような芳香族ジカルボン
酸の代表例は、次の一般式で表わされるものである。
【0034】 HOOC−R1 −COOH (III ) ここで、R1 はフェニレン、ナフチレン、ビフェニレ
ン、置換フェニレンなどのような芳香族基、アラルキル
基やアルカリール基のような二価の脂肪族‐芳香族炭化
水素基、または次式の非芳香族結合を介して連結された
2個以上の芳香族基を表わす。
【0035】−E− ただし、Eは二価のアルキレン基かアルキリデン基であ
る。Eはまた、非アルキレン基または非アルキリデン基
(たとえば、芳香族結合、第三級アミノ結合、エーテル
結合、カルボニル結合、ケイ素含有結合、または、スル
フィド、スルホキシド、スルホンなどのようなイオウ含
有結合)によって連結された2個以上のアルキレン基ま
たはアルキリデン基から構成されていてもよい。さら
に、Eは炭素原子5〜7個の環式脂肪族基(たとえばシ
クロペンチル、シクロヘキシル)または炭素原子5〜7
個のシクロアルキリデン(たとえばシクロヘキシリデ
ン)であってもよい。またEは、スルフィド、スルホキ
シドもしくはスルホンのようなイオウを含み炭素を含ま
ない結合、エーテル結合、カルボニル基、直接結合、第
三級窒素基、または、シランやシロキシのようなケイ素
含有結合であってもよい。Eが表わし得るその他の基に
ついては当業者には明らかであろう。本発明の目的から
は芳香族ジカルボン酸が好ましい。したがって、式(II
I )の好ましい芳香族二官能性カルボン酸において、R
1 はフェニレン、ビフェニレン、ナフチレンまたは置換
フェニレンのような芳香族基である。本発明のポリ(エ
ステル‐カーボネート)またはポリアリーレート樹脂を
製造する際に使用できる芳香族ジカルボン酸の非限定例
をいくつか挙げると、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、ホモフタル酸、o‐、m‐またはp‐フェニレ
ン二酢酸、ならびに、ジフェニルジカルボン酸および異
性体のナフタレンジカルボン酸のような多核芳香族酸が
ある。これらの芳香族化合物は塩素、臭素、フッ素など
のような無機の原子、ニトロ基のような有機の基、また
はアルコキシのようなオキシ基で置換されていてもよ
く、必要なことはこれらの基が反応体と反応条件に対し
て不活性であると共にそれらの影響を受けないというこ
とである。特に有用な芳香族ジカルボン酸は次の一般式
で表わされるものである。
【0036】
【化7】
【0037】ここで、jは0から4までの値を有する整
数であり、R3 は各々が独立して、アルキル基、好まし
くは低級アルキル(炭素原子1〜約6個)より成る群の
中から選択される。これらのジカルボン酸の混合物も使
用できる。したがって、本明細書中でジカルボン酸とい
う用語を使用する場合その用語は2種以上のジカルボン
酸の混合物を包含して意味するものと理解されたい。
【0038】芳香族ジカルボン酸として最も好ましいの
はイソフタル酸、テレフタル酸およびこれらの混合物で
ある。ジカルボン酸そのものを使用する代わりに、その
酸の反応性誘導体を使用することが可能であり、時には
好ましくさえある。これらの反応性誘導体の代表例は酸
ハロゲン化物である。好ましい酸ハロゲン化物は酸二塩
化物と酸二臭化物である。したがって、たとえば、イソ
フタル酸、テレフタル酸またはそれらの混合物を使用す
る代わりに、イソフタロイルジクロライド、テレフタロ
イルジクロライドおよびこれらの混合物を用いることが
可能である。
【0039】このコポリエステル‐カーボネート樹脂を
製造するのに使用する反応体の割合は、この生成物樹脂
を含有する本発明のブレンドの目的とする用途に応じて
変化する。すでに引用した米国特許に記載されているよ
うに当業者には有用な割合が明らかである。一般に、エ
ステル結合の量はカーボネート結合に対して約5〜約9
0モル%でよい。たとえば、5モルのビスフェノールA
が4モルのイソフタロイルジクロライドおよび1モルの
ホスゲンと完全に反応するとエステル結合が80モル%
のコポリエステル‐カーボネートが得られる。
【0040】本発明の方法では有機ポリマーを溶液とし
て使用する。ポリカーボネートの場合、その溶媒はメチ
レンクロライドのような水不混和性溶媒が有利である
が、この樹脂に対する溶媒はいずれも使用できる。溶液
中のポリカーボネートの濃度には特に重要な意味はない
が、(一例として)約1〜約25重量%の範囲内にする
ことができる。
【0041】本発明の方法によると、この合成ポリマー
にいろいろな固体形態の添加剤を分散させることができ
る。これらの添加剤は熱可塑性プラスチック材料配合分
野において従来から広く使用されているものであり、た
とえば、充填材(粘土やタルクなど)、補助艶消し剤、
耐衝撃性改良剤、帯電防止剤、酸化防止剤、可塑剤、流
れ促進剤その他の加工助剤、安定剤、着色材、離型剤、
補助または相乗難燃剤(金属酸化物、塩など)、紫外線
遮断剤、などを挙げることができる。添加剤として必要
な唯一の要件は、その担体または溶媒(たとえば水)が
除去されたときに沈殿するように固体分散液、コロイド
状分散液または溶液として調製できるという点だけであ
る。
【0042】本発明の方法でポリカーボネートに適用す
るのに特に有用なものは、水性コロイド状分散液(ラテ
ックス)として調製されるフルオロポリマー添加剤、す
なわちフッ素化されたポリオレフィンである。このフル
オロポリマーはポリカーボネート樹脂成形用組成物に添
加されると難燃剤および滴下防止剤として機能する。部
分的にフッ素化されたポリオレフィンとしては、ポリ
(フッ化ビニリデン)、ポリ(フッ化ビニル)、ポリ
(トリフルオロエチレン)、ポリ(クロロトリフルオロ
エチレン)およびポリ(トリフルオロエチレンアルカリ
金属スルホン酸塩)があるが、これらに限られるわけで
はない。
【0043】本発明に最も有用なフッ素化ポリオレフィ
ンとその製法は、特に、1966年米国ニューヨーク州
ニューヨークのインターサイエンス・パブリッシャーズ
(Interscience Publishers) 刊ビルマイヤー(Billmeye
r, Fred W., Jr.) 著「ポリマー科学テキストブック(Te
xtbook of Polymer Science) 」第425〜427頁、
モナモソ(Monermoso, J.C.) 著ゴム化学技術(Rubber Ch
em. Tech.)第34巻第1521頁(1961年)、なら
びに、米国ニューヨーク州ニューヨークのラインホルト
・パブリッシング社(Reinhold Publishing Corp.) 刊ラ
ドナー(Rudner, M.A.)著「フルオロカーボン(Fluorocar
bons) 」および米国特許第4,663,391号(引用
により本明細書中に含まれるものとする)に記載されて
いる。
【0044】本発明の方法と組成物に使用するには、ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂が好まし
く、フィブリル(微小繊維)形態であるのが好ましい。
PTFEは、その重合反応で微粉末または毛羽状物とし
て製造される。この微細に分割された平均粒径0.1〜
0.2ミクロンの未処理ポリテトラフルオロエチレン樹
脂の集合物、たとえば、1952年「工業と工学の化学
(Ind. and Eng.Chem.) 」第44巻第1800頁のロン
ツ(J.F. Lontz)とハッポルト(W.B. Happoldt, Jr.)著
「『テフロン』、テトラフルオロエチレン樹脂分散液("
Teflon"; Tetrafluoroethylene Resin Dispersion)」と
題する論文の図1および図2に描かれているものを手で
揉むと、これらの粒子は互いにくっついて凝集体を形成
する傾向がある。この凝集体を引き伸ばして50〜10
0倍の顕微鏡で検査すると、いろいろなサイズの繊維が
見える。電子顕微鏡検査によると、これらの繊維はより
小さい繊維の束であり、そのうちの多くは粒子の直径の
1/4〜1/10以下の直径を有する非常に細いフィブ
リルで互いにつながった一次粒子の糸で構成されてい
る。本発明の実施の際には、機械的剪断力をかけながら
一緒に揉むと粒子同士が接着して超微細フィブリルに引
き伸ばされることができるポリテトラフルオロエチレン
が好ましい。
【0045】本発明方法の生成物を顕微鏡で検査する
と、ポリマーに包囲(カプセル封入)されたポリテトラ
フルオロエチレン粒子(PTFE)が存在している。こ
れは、熱可塑性ポリマーとPTFEのような添加剤との
混合物から流体および/または溶媒が同時に除去された
結果であると考えられる。得られた固体混合物ではPT
FEが熱可塑性ポリマーによってカプセル包囲されてい
る。所望により、このポリテトラフルオロエチレン粒子
は、ベース樹脂に混合する前に、油のような適当な媒質
に分散させたとき高剪断速度で処理することによって、
または水切削のようなプロセスで、ミクロ繊維構造をと
らせることができ、そうすると2ミクロン未満の直径を
有するミクロ繊維が得られる。
【0046】本発明の方法によってポリカーボネート中
に混合されるフルオロポリマーの量は、約0.01〜約
70重量%、好ましくは約5〜約40%、さらに好まし
くは約15〜約30重量%の範囲内でよい。フルオロポ
リマーはその水性分散液またはラテックスとして使用す
るのが好ましく、分散した粒子は(平均して)0.05
〜0.5ミクロンのサイズ(直径)をもっているのが好
ましい。よく分散してないPTFEをポリカーボネート
樹脂成形用組成物に添加すると、それから成形される物
品の物理的性質の多くに悪影響を及ぼす。悪影響を受け
る可能性のある性質として衝撃抵抗性および外観があ
る。起こり得る主要な欠陥のひとつは、充分に分散して
ない大きなPTFE粒子が存在することに起因してい
る。これらの充分に分散してない粒子は、(1)亀裂の
伝播を開始させる傷となったり、(2)衝撃抵抗性を弱
めたり、(3)透過して見たとき黒いスペクトル汚点と
して見える光学的に不透明な大きい第二相粒子となった
り、または、(4)成形された物品の表面で表面欠陥と
して見えたりし得る。この最後の問題に限っては、前記
したクレス(Kress) らの方法で解決されたようにみえ
る。しかし、前の3つの問題は、本発明の方法が開発さ
れるまで未解決のままであったのである。
【0047】本発明者らはポリカーボネート樹脂成形用
組成物中にPTFEを導入する方法を発見した。本発明
の方法では、有利なことに欠陥のない表面と改良された
機械的・燃焼特性を有する成形品を得ることができる。
これらの有利な効果は、本発明の方法により、PTFE
をポリマー組成物で包囲すると共にポリマーと添加剤両
方の比較的小さくて均一な粒子を形成することによって
達成されるようである。得られるポリマー‐添加剤組成
物は、難燃・滴下防止用添加剤としてポリカーボネート
樹脂成形用組成物と共にブレンドしたり、または、他の
ポリマー性成形用組成物、たとえば、ポリエチレン、他
のポリオレフィンおよびエチレンと1‐オレフィンとの
コポリマーのような炭化水素ポリマー、ポリスチレン、
ポリビニルハライド、ポリビニリデンハライド、中でも
特にポリメチルメタクリレートを始めとするポリアクリ
レート、6〜10個の炭素原子を含有する線状ジアミン
またはそのアミド形成性誘導体の分子間重合によって作
成される線状ポリカーボンアミドおよび4〜12個の炭
素原子を含有するω‐アミノ酸またはそのアミド形成性
誘導体の分子内重合によって作成されるスーパーポリア
ミド(たとえば、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリ
ヘキサメチレンセバカミドおよびポリカプロラクタ
ム)、ポリカーボンイミド、ポリエーテル、ポリカーボ
ネート、ポリオキシアルキレン(特に、高分子量の熱安
定性ポリオキシメチレン)、ポリフェニレンエーテル、
変性ポリフェニレンエーテル樹脂(たとえば、ポリフェ
ニレンエーテルとスチレンポリマーとのブレンド)、ポ
リカーボネートとアクリロニトリル‐ブタジエン‐スチ
レンとのブレンド、ポリアルキレンテレフタレート(た
とえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリプロピレンテレフタレートおよびこ
れらのブレンド)、ポリエーテルイミドエステル、ポリ
エーテルエステル、およびこれらのブレンド、ならび
に、本発明の方法で形成された生成物、たとえば水蒸気
共沈したPTFEとポリカーボネート、とのブレンドな
どと共にブレンドするのに有用な濃縮物である。本明細
書の実施例の記載から分かるように、一緒に共沈した添
加剤と熱可塑性樹脂で構成されている濃縮物は、その濃
縮物を添加する相手の成形用組成物の衝撃特性その他の
特性に悪影響を与えることがない。
【0048】本発明の方法では、ふたつの成分、すなわ
ちポリカーボネートを含む流体とこれとは別のフルオロ
ポリマーを含む流体とを、たとえば、場合によって静止
ミキサーを備えていてもよい連続管型ミキサー中で、室
温または高温で互いに混合する。2つの流体を互いに接
触させる時の速度は本発明の方法にとって特に重要なわ
けではない。しかし、2つの成分を互いに接触させる時
の速度は、所与の時間の間ほぼ均一な速度であるのが有
利である。フルオロポリマーを「一度に投入して」ポリ
カーボネート中に入れるのを避け、代わりにフルオロポ
リマーを計量してポリカーボネート中に添加するように
すると、均一な混合物を得る上で有利である。2つの成
分の割合は、(PTFE:ポリマー樹脂)の重量比で、
70:30〜0.01:99.99、好ましくは40:
60〜5:95、最も好ましくは30:70〜15:8
5とするとよい。
【0049】2つの流体流を混合した後、ポリマーと添
加剤を共沈させるには、添加剤の担体とポリマーの溶媒
とを同時に除去する。このためには、添加剤の担体(水
など)とポリマーの溶媒(たとえば有機溶媒)との両者
を揮発させるとよい。揮発は、混合物を噴霧乾燥にかけ
て湿気が約1.0%以下の乾燥度にすることによって行
なうことができる。
【0050】固体粒子の流体分散物を噴霧乾燥する装置
は一般によく知られている。たとえば、米国特許第1,
140,453号、第2,249,359号、第2,3
25,112号、第2,647,796号、第3,45
2,931号、第3,581,997号および第3,9
01,449号に記載の噴霧乾燥機を参照されたい。圧
縮空気で作動する噴霧乾燥装置と「エアレス」スプレー
装置のどちらも使用できる。一般に、比較的稀薄なフル
オロポリマーラテックス(固形分30%未満)には空気
駆動型の噴霧乾燥機を使用するのが有利である。固形分
がそれより高くなるとエアレススプレー装置を使用する
のが好ましい。
【0051】本発明の好ましい態様の方法では、ポリマ
ーと添加剤の共沈を水蒸気沈殿によって実施する。すな
わち、成分中に水蒸気を注入し、これを解放して揮発さ
せることによって水と溶媒を同時に除去する。
【0052】
【実施例の記載】以下の製造例および実施例を参照する
と本発明がさらに充分に理解できるであろう。これらの
実施例は限定ではなく例示のために挙げるものであり、
本発明を実施する上で最良の実施態様と考えられるもの
である。以下で挙げられている試験に関する手順は次の
通りである。ノッチ付きアイゾット(NI) 125ミル厚の成形試料の衝撃強さはASTMのD−2
56法に従って測定した。特に断わらない限り、試験片
はすべて破壊時に100%延性であった。燃焼性 アンダーライターズ・ラボラトリー(Underwriter's Lab
oratory)のUL−945VA法およびUL−94 5V
B法に従って測定した。簡単に述べると、(貫通して穴
が開くほど)燃焼しない試験片は94−5VA、(貫通
して穴が開くほど)燃焼する試験片は94−5VBと分
類される。94−5VAは棒状試験片で、94−5VB
は平板状試験片で行なう。延性ダイナタップ(Dynatup) ダイナタップ(Dynatup) 衝撃測定は、125ミル厚の1
0.16cmディスクを使用してダイナタップ(Dynatu
p) 自動負荷機で行なった。タップの衝撃速度は12.
2ft/秒であり、衝撃エネルギーは148ft−lb
であった。最大負荷に達するまでのエネルギーを3回の
測定値の平均で示す。引張り試験 引張り破断と引張り伸びはASTMのD−638法に従
って測定した。
【0053】特に断わらない限り部はすべて重量部であ
る。「phr」は樹脂100部当たりの部を意味する。実施例1〜4および対照 添付の図面を参照しながら、PTFEを(滴下防止剤と
して)ポリカーボネート[レキサン(Lexan) (登録商
標)125、ビスフェノール‐Aのホスゲン化によって
製造したホモポリマー、米国インディアナ州マウントバ
ーノン(Mount Vernon)のゼネラル・エレクトリック社(G
eneral Electric Company)、固有粘度約0.4〜0.5
dl/g]に添加する製造例をいくつか実施する。
【0054】PTFEは、アイ・シー・アイ(ICI) から
フルオン(Fluon) AD−1として供給されている60%
PTFE水性ラテックスとして添加する。ポリカーボネ
ートは、10%メチレンクロライド溶液の形態である。
PTFEラテックスとポリカーボネート溶液は同時に計
量して、図示されているようにステンレススチール製圧
力容器10、12から管型ミキサー14中に導入する。
ポリカーボネート溶液は流量計15を介して1.5L/
分で加え、PTFEラテックスはメーター16を介して
ポリカーボネート溶液中のPTFEが5〜25重量%と
なるような速度で加えた。これらの流体流を多要素式静
止ミキサー18中で混合した。混合した流体は次に水蒸
気沈殿ノズル20に入り、ここでは高圧の過熱水蒸気
(80psi)が源21から80lbs/時の速度で添加さ
れる。この高圧の(活性な)水蒸気により、メチレンク
ロライド溶媒と水担体が同時に揮発し、粒子の形成が完
了する導管22中で共沈する間にポリカーボネートがP
TFEをカプセル封入してPTFE/ポリカーボネート
濃縮物が得られる。この共沈法により通常5ミクロン〜
5mmの範囲の粒径が得られ、これは本発明方法にとっ
て許容できる。次に、サイクロン分離器26により、水
蒸気とメチレンクロライド蒸気から濃縮粉末を分離す
る。沈殿した粉末を100℃、60mmHgのドライヤ
ー28で48時間真空乾燥して水分1%未満の自由流動
性粉末を得る。所望の生成物の分離と洗浄は実施が比較
的簡単・容易であることが分かる。
【0055】PTFE含量が24%と8%の2つのPT
FE濃縮物を調製した。各試料をポリカーボネート成形
用配合物中で難燃性滴下防止性添加剤として使用して、
PTFEが物理的性質と難燃性能に及ぼす影響を評価し
た。作成した配合物の組成を下記表Iに示す。表Iに示
した配合物をブレンドし、押出し、同じ成形条件下で熱
可塑的に成形して試験部品とした。成形した部品で得ら
れた試験結果も合わせて表Iに示す。また比較のための
対照配合物も挙げてあり、この配合物はPTFEラテッ
クスをポリカーボネート粉末に添加した後ブレンドし、
水蒸気で流体を揮発させて共沈させることなく乾燥して
製造したPTFE濃縮物を使用している。この対照配合
物の製造法では、本発明の方法の生成物と比較してPT
FEがうまく分散していないことが分かり、この分散性
の悪さは成形した物品の物理的性質に反映されている。 表 I 実施例 対 照 配 合(重量%) レキサン(Lexan)125、上記 96.5 99.05 89.53 97.0 98.0 SPTFE/PC濃縮物 3.5 1.0 (0.84/ (0.24/ 2.68) 0.76) SPTFE/PC濃縮物 10.5 3.0 (0.84/ (0.24/ 9.66) 2.76) PTFE/PCブレンド 2.0 (0.4/ 1.6) 離型剤(phr) 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 KSS(A)(phr) 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 試験結果 NI(kg/cm2 ) 1.08 1.02 1.08 0.98 1.00 (延性%) 100 100 100 100 100 ダイナタップ(kg/cm2 ) 2.81 2.96 3.02 2.96 2.39 (延性%) 100 100 100 100 100 引張り伸び(%) 104 105 109 96 63 UL94 5V(3.2mm) 合 格 不合格 合 格 不合格 不合格 (A)ジフェニルスルホンスルホネートのカリウム塩、
難燃性添加剤。
【0056】SPTFE/PC−水蒸気沈殿したPT
FEおよびポリカーボネート。 PTFE/PC−粉末化PTFEと粉末化ポリカーボ
ネートとの機械的ブレンド。 表Iに示されているように、本発明に従って製造したP
TFE濃縮物を含有する配合物からは物理的性質に優れ
た成形品が得られる。さらに、本発明に従って製造した
濃縮物においてPTFEレベルを0.24%から0.8
4%まで上昇させたとき特性には実際上大きな変化がな
い(実施例1、3と実施例2、4との比較)。添加剤が
ポリマーの物理的性質に悪い影響を与えないということ
は極めて望ましいことである。PTFEレベルを増大さ
せると、良好な物理的性質は保ったままで望ましいUL
94 5V性能が得られる(実施例1と3)。実施例5〜12および比較例A〜E PTFEと前記のレキサン(Lexan) (登録商標)125
ポリカーボネートをいろいろな割合で使用し、上記実施
例1〜4に従って本発明の方法を繰り返した。得られた
ポリカーボネートとPTFEの混和物に、次に、離型剤
0.3部と熱安定剤0.05部を配合した。これらのブ
レンドのいくつかには難燃剤としてジフェニルスルホン
スルホネートのカリウム塩を添加した。試験により、下
記表IIに実施例5〜12として示す物理的結果が得られ
た。
【0057】比較のために、PTFEをポリカーボネー
ト樹脂に添加する際に単にPTFEラテックスを粉末の
ポリカーボネートとブレンドした後乾燥しただけである
ことを除いて、上記と同様な配合物を製造した。ひとつ
の例(比較例E)では、ラテックスのPTFEの代わり
に、PTFEの乾燥粉末[フルオン(Fluon) (登録商
標)、CD−1、アイ・シー・アイ(ICI) ]をポリカー
ボネートの樹脂粉末とブレンドした。試験結果と組成
を、下記表IIに比較例A〜Eとして示す。 表II−1 比較例 配 合(重量%) レキサン(Lexan)125、上記 99.61 98.80 99.61 99.80 99.61 KSS、上記 0.45 0.45 PTFE 0.04 0.40 PTFE 0.04 0.40 PTFE 0.04 SPTFE SPTFE SPTFE 試験結果 NI(kg/cm2 ) 125ミル 1.01 0.35 1.03 0.32 0.69 (20) * (20) * (60) * ダイナタップ(kg/cm2 ) 3.02 2.53 3.21 2.78 3.17 引張り伸び(%) 75 59 86 63 68 表II−2 実施例 配 合(重量%) レキサン(Lexan) 125、上記 KSS、上記 0.45 0.45 PTFE PTFE PTFE SPTFE 0.04 0.40 SPTFE 0.04 0.08 SPTFE 試験結果 NI(kg/cm2 ) 125 ミル 1.00 1.00 1.08 0.97 ダイナタップ(kg/cm2 ) 3.57 2.96 3.27 3.33 引張り伸び(%) 106 92 103 79 表II−3 実施例 10 11 12 配 合(重量%) レキサン(Lexan) 125、上記 KSS、上記 PTFE PTFE PTFE SPTFE SPTFE 0.40 SPTFE 0.04 0.08 0.32 試験結果 NI(kg/cm2 ) 、125 ミル 1.03 0.99 1.05 1.03 ダイナタップ(kg/cm2 ) 3.35 3.44 3.45 3.48 引張り伸び(%) 73 75 76 85 レキサン(Lexan) (登録商標)125は米国インディア
ナ州マウント・バーノン(Mt. Vernon)のゼネラル・エレ
クトリック社(General Electric Company)製で平均分子
量Mw 24,000のポリカーボネート粉末である。
【0058】PTFE−比較例のA、B、CおよびD
は、PTFEラテックス[それぞれデュポン(Dupont)T
30およびアイ・シー・アイ(ICI) のフルオン(Fluon)
AD1]をポリカーボネート粉末に添加した後ブレン
ド、乾燥して作成されたものである。 PTFE−比較例Eは粉末化PTFE[アイ・シー・
アイ(ICI) のフルオン(Fluon) CD1]である。
【0059】SPTFE−実施例5〜12は本発明に
よって作成されたものである。* NIは1/8″厚の試験棒で測定。括弧に入れた数は
延性の%を示している。表示がないものは延性破壊10
0%である。ダイナタップ(Dynatup) は1/8″×4″
の丸いディスクで測定。すべて100%延性。実施例13〜14および比較例F〜G これらの実施例では、ポリカーボネート樹脂[レキサン
(LEXAN) (登録商標)125]およびアクリロニトリル
‐ブタジエン‐スチレン樹脂(ABS)と共に使用した
ときに本発明の濃縮物で得られる性質について説明す
る。ここで使用したPTFE/PC濃縮物は、ポリカー
ボネート中PTFEが20重量%であったことを除けば
実施例1〜4の方法で形成したのと同じである。比較と
してのPTFE/ポリカーボネートの単なるブレンド
も、20重量%がPTFEで80重量%がポリカーボネ
ートである。試験片を調製し、実施例1〜12、表Iの
対照例および表IIの比較例A〜Eに記載したのと同じ試
験法に従って試験する。得られた結果を次の表III に示
す。 表 III 比較例 実施例 比較例 実施例 13 14 配 合(重量%) レキサン(Lexan) 125 79.75 79.75 77.75 77.75 ABS 10.5 10.5 10.5 10.5 FR 8.0 8.0 8.0 8.0 PTFE/PCブレンド 1.0 3.0 (0.2/0.8) (0.6/2.4) SPTFE/PC濃縮物 1.0 3.0 (0.2/0.8) (0.6/2.4) 安定剤 0.75 0.75 0.75 0.75 試験結果 NI(ft-lb/in) 9 11.5 8.6 12 ダイナタップ(Dynatup) 33.8 36.3 31.2 39.4 (合計エネルギー ft-lb) UL94 5VA(合格厚みmm) 3.2 3.2 3.2 2.8 UL94 5VB(合格厚みmm) 2.5 2.3 2.5 2.3 レキサン(Lexan) (登録商標)125は米国インディア
ナ州マウント・バーノン(Mt. Vernon)のゼネラル・エレ
クトリック社(General Electric Company)製で平均分子
量Mw 24,000のポリカーボネート粉末である。
【0060】ABS−アクリロニトリル‐ブタジエン
‐スチレン。 FR−アクゾ(AKZO)のホスフェート系難燃剤。 SPTFE/PC−本発明によって水蒸気沈殿させた
ポリカーボネート/PTFE。 PTFE/PC−実施例1〜4で使用したのと同じP
TFEとポリカーボネートの単なる直接ブレンド。
【0061】安定剤−離型剤とUV安定剤の組み合わ
せ。実施例15および比較例H ここでは実施例13〜14のPC/ABSの代わりにポ
リフェニレンエーテル/耐衝撃性ポリスチレンブレンド
組成物を使用した以外は実施例13〜14を繰り返し
た。
【0062】結果は下記表IVに示す。 表 IV 実施例 比較例 15 配 合(重量%) PPE 49.20 40.20 HIPS 25.26 25.26 FR 20 20 SPTFE/PC濃縮物 1.0 (0.2/0.8) PTFE/PCブレンド 1.0 (0.2/0.8) 安定剤 2.15 2.15 試験結果 NI(ft-lb/in) 5.4 5 ダイナタップ(Dynatup) 37.3 29.7 (合計エネルギー ft-lb) PPE−ゼネラル・エレクトリック社(General Electric Company)製 のポリフェニレンエーテル。
【0063】 HIPS−耐衝撃性ポリスチレン。 安定剤−ポリエチレンを含んでいる以外は表III と同じ。 その他はすべて表III と同じである。実施例16〜18および比較例I〜K 実施例13〜14および比較例F〜Gを繰り返したが、
ポリカーボネート/ABS系の代わりに、ポリブチレン
テレフタレート樹脂系を使用した。得られた結果を下記
表Vに示す。 表 V 実施例 実施例 実施例 比較例 比較例 比較例 16 17 18 配 合(重量%) PBT 77.25 76.25 75.25 77.25 76.25 75.25 FR 20.0 20.0 20.0 20.0 20.0 20.0 SPTFE/PC濃縮物 1 2 3 PTFE/PC ブレンド 1 2 3 安定剤 1.75 1.75 1.75 1.75 1.75 1.75 試験結果 NI(ft-lb/in) 1 1 1 1 1.2 1.3 1/8″ノッチなし 34.8 39.2 40 15.8 24.4 32.7 アイゾット(ft-lb/in) ノッチなし 100 100 100 20 40 20 アイゾットの延性% 引張り破断 9235 60440 116,100 2992 4114 34260 タイプV 1/8″ 引張り伸び(%) 150 165 178 63 121 138 タイプV 1/8″ PBT−米国インディアナ州マウント・バーノン(Mt.
Vernon)のゼネラル・エレクトリック社(General Elect
ric Company)製のバロックス(VALOX) (登録商標)ポリ
マー。
【0064】FR−臭素化エポキシ酸化アンチモン。 添加剤−離型剤とUV安定剤の組み合わせ 配合中の他の成分はすべて表I〜IVと同じ。 上記表IIから分かるように、本発明の方法によると、ポ
リマーに付随する物理的性質を実質的に損なうことなく
高重量の添加剤をポリマー樹脂中に分散させることがで
きる。特に、ポリカーボネート配合物に添加するPTF
Eのレベルを上げて、この配合物から成形される物品の
機械的性質を犠牲にすることなく滴下防止特性を高める
ことができる。
【0065】比較例Bで使用したPTFE濃縮物は表I
の対照配合物に使用したものと同じであることに注意さ
れたい。表Iと表IIのこれら2つの配合物の機械的性質
は異なっていることが分かる。この違いは、PTFEが
プラスチック配合物にうまく分散していない場合の際だ
った特徴である。表III 、IVおよびVから分かるよう
に、本発明の方法で作成した濃縮物を用いた組成物では
衝撃耐性が増大している。また、UL試験でより薄い断
面部が燃焼して貫通される表III に示されているよう
に、難燃性も増大している(5VBについては実施例1
3および14と比較例FおよびGとを比較し、5VAに
ついては実施例14と比較例Gとを比較されたい)。さ
らに、引張り破断と引張り伸びも大きく増大しているこ
とに注意されたい。
【0066】当業者には明らかなように、PTFEのポ
リカーボネート樹脂への分散に関して、本発明の思想と
範囲から逸脱することなく、上記本発明の方法に多くの
修正を施すことが可能である。たとえば、所与の樹脂に
2種以上の添加剤を同時に分散させてもよい。一般に任
意の添加剤を分散させることができる。特に、本発明の
方法で固体分散液もしくはコロイド状分散液または溶液
として供給することができるものであれば使用できる。
水蒸気沈殿のノズルサイズ、水蒸気圧力、粒径、および
成分の比などのような変数はすべて最適の結果が得られ
るように調節することができる。流体流の混合と共沈工
程はいずれも常温常圧で実施できるが高い温度・圧力を
排除するものではない。
【0067】PTFEのような固体粒子がそれと共に共
沈した熱可塑性樹脂中に個別にカプセル封入されるとい
うことは興味深い。言い換えると、本発明では、PTF
Eのような固体のコアとポリカーボネートのような熱可
塑性樹脂のシェルからなる粒子が共沈する。次いでこの
濃縮物は、固体添加剤の個別にカプセル封入された粒子
を取り囲んで連続相を形成する熱可塑性樹脂とさらにブ
レンドすることができる。すなわち、「個別にカプセル
封入された」という用語は、固体添加剤のコアと、連続
相樹脂によってさらに包囲されてもよい熱可塑性樹脂の
シェルとからなる粒子をいう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
10、12 ステンレススチール製圧力容器 14 管型ミキサー 20 蒸気沈殿ノズル 26 サイクロンドライヤー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ゲイリー・チャールス・デイビス アメリカ合衆国、ニューヨーク州、アルバ ニイ、フェリシア・コート、5番 (72)発明者 ロバート・エル・ホウ アメリカ合衆国、ニューヨーク州、グリー ンビル、ピーアール1・ボックス443(番 地なし) (72)発明者 ウィエ−ヒン・パン アメリカ合衆国、インディアナ州、エバン スビレ、サマーランド・コート、400番 (72)発明者 エリオット・ウエスト・シャンクリン アメリカ合衆国、ニューヨーク州、アルタ モント、リーサム・レーン、4イー(番地 なし)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性の合成ポリマーの粒子中に固体
    形態の添加剤を高度に分散した状態で混合するための方
    法であって、 前記添加剤の流体混合物を用意し、前記熱可塑性ポリマ
    ーの溶液を用意し、 前記添加剤混合物を前記熱可塑性ポリマー溶液と混合
    し、 前記混合物から前記流体と溶媒を同時に除去することに
    より、前記添加剤と熱可塑性ポリマーを前記混合物から
    共沈させることからなる方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂と請求項1記載の方法の生
    成物とを含む、熱可塑性樹脂成形用組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂が芳香族ポリカーボネート
    とアクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレンポリマーと
    のブレンドである、請求項2記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂がポリアルキレンテレフタ
    レート樹脂である、請求項2記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂がポリフェニレンエーテル
    とスチレンポリマーのブレンドである、請求項2記載の
    熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (A)熱可塑性ポリマーと、 (B)添加剤の固体粒子とを含む組成物であって、前記
    固体粒子が前記熱可塑性ポリマー中に高度に分散されカ
    プセル封入されており、前記粒子のカプセル封入は、前
    記熱可塑性ポリマーと前記添加剤粒子との混合物から流
    体と溶媒の両方を同時に除去することにより前記添加剤
    と前記熱可塑性ポリマーとを前記流体および溶媒の混合
    物から同時に共沈させることによって行なわれる、組成
    物。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性ポリマーが、ポリエチレン
    その他のポリオレフィンおよびエチレンと1‐オレフィ
    ンとのコポリマー、ポリスチレン、ポリビニルハライ
    ド、ポリビニリデンハライド、ポリアクリレート、線状
    ポリカーボンアミド、スーパーポリアミド、ポリカプロ
    ラクタム、ポリカーボンイミド、ポリエーテル、ポリカ
    ーボネートまたはポリオキシアルキレンの中から選択さ
    れる、請求項6記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記添加剤が、充填材、補助艶消し剤、
    耐衝撃性改良剤、帯電防止剤、酸化防止剤、可塑剤、流
    れ促進剤その他の加工助剤、安定剤、着色剤、離型剤、
    補助もしくは相乗性の難燃剤、または紫外線遮断剤より
    成る群の中から選択される、請求項6記載の組成物。
  9. 【請求項9】 熱可塑性ポリマー中に個別にカプセル封
    入されて高度に分散されたポリテトラフルオロエチレン
    の水蒸気共沈された固体粒子を含む組成物であって、前
    記粒子がこの組成物の約0.01〜約70重量%であ
    り、前記熱可塑性ポリマーがこの組成物の約30〜約9
    9.99重量%である、前記組成物。
  10. 【請求項10】 前記熱可塑性ポリマーが、ポリエチレ
    ンその他のポリオレフィンおよびエチレンと1‐オレフ
    ィンとのコポリマー、ポリスチレン、ポリビニルハライ
    ド、ポリビニリデンハライド、ポリアクリレート、線状
    ポリカーボンアミド、スーパーポリアミド、ポリカプロ
    ラクタム、ポリカーボンイミド、ポリエーテル、ポリカ
    ーボネートまたはポリオキシアルキレンの中から選択さ
    れる、請求項9記載の組成物。
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