JPH08184937A - 輝尽蛍光体板の製造方法 - Google Patents

輝尽蛍光体板の製造方法

Info

Publication number
JPH08184937A
JPH08184937A JP32759294A JP32759294A JPH08184937A JP H08184937 A JPH08184937 A JP H08184937A JP 32759294 A JP32759294 A JP 32759294A JP 32759294 A JP32759294 A JP 32759294A JP H08184937 A JPH08184937 A JP H08184937A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
light
cell
phosphor plate
stimulable phosphor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP32759294A
Other languages
English (en)
Inventor
Shiro Takeda
志郎 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP32759294A priority Critical patent/JPH08184937A/ja
Publication of JPH08184937A publication Critical patent/JPH08184937A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、放射線ディジタル画像を得るための
放射線センサとして用いる輝尽蛍光体(蓄積性蛍光体)
板の製造方法に関し、機能の優れたセル構造体の輝尽蛍
光体板の製造方法を提供する。 【構成】複数枚の金属シートそれぞれの互いに対応する
位置に貫通孔(セル)を多数形成し、金属シートの貫通
孔内壁の光の反射率を向上させ、複数枚の金属シート
を、互いに対応する位置に形成された貫通孔どうしが連
通するように互いに重ね、積層された金属シートの片面
に、積層された金属シートの貫通孔の一方の開口を塞ぐ
保護シートを接着し、セル内に輝尽蛍光体を充填し、も
う一方の片面に光を透過する光透過性シートを接着す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射線ディジタル画像
を得るための放射線センサとして用いる輝尽蛍光体(蓄
積性蛍光体)板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、X線フィルム等に放射線画像を記
録しこの放射線画像の記録されたフィルムをそのまま観
察、診断等に供していたそれまでのシステムに代わり、
シート状もしくはパネル状に形成した輝尽蛍光体板(パ
ネル、シートを含む)に被写体を透過した放射線を照射
して該輝尽蛍光体板に放射線画像を蓄積記録し、その後
この放射線画像を光電的に読み取って画像信号を得、該
画像信号に適切な画像処理を施した後再生画像を得るシ
ステムが利用されてきている。この輝尽蛍光体板を用い
るシステムの基本的な方式としては、米国特許公報第
3,859,527号に詳述されている。ここで、輝尽
蛍光体とは、X線、α線、β線、γ線等の放射線が照射
されるとその放射線のエネルギーの一部をしばらくの間
内部に蓄積し、赤外光、可視光、紫外光等の励起光が照
射されると蓄積されたエネルギーを輝尽発光光として放
出する蛍光体をいい、その蛍光体の種類によりエネルギ
ーを蓄積し易い放射線の種類、輝尽発光光を放出し易い
励起光の波長、放出される輝尽発光光の波長等はそれぞ
れ異なっている。
【0003】この輝尽蛍光体板を用いたシステムは、こ
の輝尽蛍光体板に照射される放射線のエネルギーと励起
光の照射により放出される輝尽発光光の光量とが広いエ
ネルギー範囲に亘って比例することが認められており、
また励起光の光量によりこの比率を変えることができ、
したがって、放射線露光量の変動に影響されない放射線
画像を得ることができる。また人体のX線画像を得るシ
ステムにおいてはX線撮影における人体の被爆線量を低
減化することもできる。
【0004】図1は、輝尽蛍光体板を用いたシステムの
一構成例を示した図である。図1には立位型撮像装置2
6が示されており、撮影部の前に立った被写体12にX
線発生部11で発生されたX線13が照射され、この被
写体12を透過したX線13が輝尽蛍光体板15に照射
され、この輝尽蛍光体板15に被写体のX線画像が蓄積
記録される。
【0005】このようにして撮影が行なわれた後、輝尽
蛍光体板15は搬送経路18に沿って読取部19に搬送
されて読み取りが行なわれる。すなわち、読取部19で
は、搬送されてきた輝尽蛍光体板が励起光ビームによる
走査を受けこの走査により輝尽蛍光体板15から発せら
れた輝尽発光光が光電的に受光され、画像信号が生成さ
れる。この読取部19で生成された画像信号は、信号伝
達経路22を経由して画像処理部23に入力され、この
画像処理部23において周波数強調処理等の適切な画像
処理が施され、さらに信号伝達経路24を経由して画像
表示部25に入力され、例えばCRTディスプレイ画面
上に被写体12のX線画像が表示される。尚、画像を表
示する画像表示部25に代えて、もしくはこの画像表示
部25とともに、図示しないレーザプリンタ等の画像記
録装置を備え、例えば銀塩フィルム上にX線画像を再生
記録し、これを現像処理して可視画像としてのX線画像
を得るようにしてもよい。
【0006】また、読取部19で読取りの行われた輝尽
蛍光体板15は、搬送経路18に沿って消去部20に搬
送される。この消去部20では、輝尽蛍光体板15に消
去光が照射され、これによりこの輝尽蛍光体板15に残
存しているエネルギー(残像)の消去が行われる。この
残像の消去の行われた輝尽蛍光体板15はさらに搬送さ
れて再度撮影部に配置され、次の撮影に再使用される。
【0007】図2は、輝尽蛍光体板を用いた他のシステ
ムの構成例を示した図である。この図において、図1に
示したシステムの各構成要素と対応する構成要素には、
図1に付した番号と同一の番号を付して示し、相違点の
み説明する。この図2に示すシステムでは、輝尽蛍光体
板15は固定されており、読取部19および消去部20
が、輝尽蛍光体板15の、X線照射側を表面としたとき
の裏面側に沿って上下に移動して読取りおよび消去を行
なう構成のものである。
【0008】上記のような放射線撮像システムでは、種
々の組成の輝尽蛍光体を用いることができるが、その代
表的なものとして、ユウロピウムで活性化した塩化臭化
バリウム(BaClBr:Eu)を用いることができ
る。またこの他にも、例えば、Li,Na,K,Rb,
Cs,Fr等のIA族アルカリ金属と、Be,Mg,C
a,Sr,Ba,Ra等のアルカリ土類金属と、F,C
l,Br,I等のハロゲン元素又はO,S,Se等のカ
ルコゲン元素との化合物を母体とし、これにLa,C
e,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,D
y,Ho,Er,Tm,Yb,Luのランタナイド元
素、又はMo等の遷移金属元素、Tl,Bi等の発光中
心を含有させた蛍光体を用いることもできる。
【0009】この輝尽蛍光体を放射線センサとして用い
るためには、上述したようにシート状もしくはパネル状
に形成した輝尽蛍光体板が用いられるが、この輝尽蛍光
体板を製造するには、一般に、輝尽蛍光体粉末に有機溶
剤、樹脂等を混合し、基板上に塗布し硬化させることに
より、その基板上に輝尽蛍光体層を形成する。ところが
この輝尽蛍光体層を厚い膜厚に形成すると放射線に対す
る感度は増加するが、空間分解能が低下し、一方、空間
分解能を向上させようとして膜厚を薄くすると感度が低
下するという問題がある。その原因は、図3(A)に示
すように、輝尽蛍光体層内で、励起光やその励起光の照
射によって生じた輝尽発光光が大きく散乱することにあ
る。したがってこの散乱を押え、あるいはこの散乱を局
所にとどめることが、感度と空間分解能との双方を向上
させるのに有効である。
【0010】散乱を局所に留めるための工夫は種々なさ
れているが、そのうちの1つとして、基板上に微小な孔
(セル)を穿ち、そのセルの中に輝尽蛍光体を埋め込む
ことが提案されている。その場合、セルに照射された励
起光やセルの中で発光した輝尽発光光は、図3(B)に
示すようにセルの壁面で止まり、そのセル以外には進ま
ないため、空間分解能はセル径およびセル配置で決まる
値で保証される。また、散乱が止まるので輝尽蛍光体板
の厚みを幾ら厚くしてもよいから、感度を増加させるこ
とはある程度までは容易である。このように、セル構造
輝尽蛍光体板は理想的な放射線センサになり得るのでそ
の形状等に関する提案も幾つかなされているが、しか
し、実現はされていない。たとえば、ガラスのセル構造
(マイクロチャネルプレート)に蛍光体を埋め込む方法
では、大面積のもの、たとえば、半切サイズ(約14イ
ンチ×17インチ)を作ることは技術的にも、価格的に
も困難である。また、ゼラチンにリソグラフィ(エッチ
ング)でセルを作る方法は、セル構造はできても強度的
にも、寿命的にも使用に耐えない。
【0011】最も現実的と思われる方法は、セル製造を
輝尽蛍光体に適用した特開昭59−202100号公
報、あるいは、銀塩フィルム用の蛍光体板に適用した特
開昭60−171500号公報、特開昭60−1735
00号公報(これら3つの公開特許公報の内容はほぼ同
一であるので、以下輝尽蛍光体に適用した特開昭59−
202100号公報(以下、これを単に「公報」と称す
る場合がある)について説明する)に記載されている幾
つかの方法の中の1つであり、以下、その概略を説明す
る。
【0012】ニッケル板51をエッチングし、図4に示
すような基板を作製する。上記公報によると、この基板
のセルの大きさは、d=120μm、h=190μmで
あり、隔壁の厚さは最小のところでw=35μmであっ
たとのことである。次に輝尽蛍光体および結着剤を溶剤
を用いて混合分散して塗布液を作り、上記基板上に均一
に塗布して各セルに充填し、乾燥させることにより輝尽
蛍光体板を製造するというものである。
【0013】以上が、公報に記載されたセル構造蛍光体
板の作成に関する一態様であるが、本発明者が追試した
結果、幾つかの理由により上記公報の通りにはセル構造
体板を作成できなかった。追試の際の最も大きな技術的
困難は、セルの深さ、すなわち、板厚hに比べ、セル径
dとセルピッチp=d+wが小さいため、記載通りの形
状のセル構造体を得ることができなかったことである。
公報に記載されているような薄い金属板の両面からのエ
ッチングの場合、通常のエッチング技術では、板厚hに
よっても異なるが、セル径dはhの1.6倍以上、均一
なエッチングを望む場合2.0倍以上が必要であり、そ
れ以下ではセルが貫通しないか、貫通すると同時にセル
どうしがくっついてしまって、場合によっては全体が抜
け落ちてしまうことになる。それらの不良を避けるため
にはセルピッチpを大きくするしかなく、結果として寸
法の大きなセルとなってしまい、空間分解能が低下す
る。たとえば、公報に記載のh=190μmのときはd
≧304μm、あるいは安定なエッチングを得ようとす
る場合はd≧380μmでなければならない。したがっ
てセルピッチpは420μm以上となり、空間分解能が
低下する。なお、必要な空間分解能の限界は、一画素の
大きさが、胸腹部撮影に用いられる大角サイズもしくは
半切サイズの横幅14インチ(約356mm)を102
4画素に分割したときの値、すなわち約350μmであ
ると考えられる。また、***用については、40μmの
解像度が要求されるからセルの大きさは40μm以下、
例えば10μmあるいは20μmにする必要がある。
【0014】逆に、公報に記載の、d=120μm、p
=155μmを得ようとすると、hは75μm以下でな
ければ作れない。その結果、通常、150〜400μm
層厚に作られる従来の輝尽蛍光体板に比べ、厚さが薄す
ぎることとなり、輝尽蛍光体の絶対量が少なく、感度低
下が著しい。このため、やはり輝尽蛍光体板としての機
能を果たせなくなる。
【0015】そこで、本発明者らは、薄い複数の金属性
シートに多数の貫通孔(セル)を開けそれら複数の金属
シートを重ねることにより形成された、板厚に比べてピ
ッチが小さいセル構造体を提案した(特開平2−129
600号公報参照)。ところが、このような積層された
基板を、実際にどのようにして作製するか、また、その
ような積層された基板を用いてどのようにして放射線セ
ンサとしての輝尽蛍光体板を作製するかが問題となる。
【0016】本発明は、上記事情に鑑み、機能の優れた
セル構造体の輝尽蛍光体板を製造することのできる輝尽
蛍光体板の製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の輝尽蛍光体板の製造方法は、 (1)複数枚の金属シートそれぞれの互いに対応する位
置に貫通孔を多数形成する貫通孔形成工程 (2)上記金属シートの貫通孔内壁の光の反射率を向上
させる反射率改善工程 (3)金属シートを、互いに対応する位置に形成された
貫通孔どうしが連通するように互いに重ねる金属シート
積層工程 (4)積層された金属シートの片面に、該積層された金
属シートの貫通孔の一方の開口を塞ぐ保護シートを接着
する保護シート接着工程 (5)保護シートが接着された、積層された金属シート
の貫通孔内に、輝尽蛍光体を充填する輝尽蛍光体充填工
程 (6)貫通孔内に輝尽蛍光体が充填された、積層された
金属シートの前記片面とは反対側のもう一方の片面に、
光を透過する光透過性シートを接着する光透過性シート
接着工程 を備えたことを特徴とする。
【0018】ここで、上記本発明の輝尽蛍光体板の製造
方法において、 (7)反射率改善工程により貫通孔内壁の光の反射率が
向上した金属シートの周縁部を切断して除去する枠切断
工程 を備えることが好ましい。また、上記本発明の輝尽蛍光
体板の製造方法において、上記保護シートおよび上記光
透過性シートが、積層された金属シートの面積よりも大
面積のシートであり、上記(4)の保護シート接着工程
および上記(6)光透過性シート接着工程が、それぞ
れ、保護シートおよび光透過性シートの周縁部が金属シ
ートの周縁からはみ出すように金属シートに保護シート
および光透過性シートを接着するものであって、さらに (8)上記保護シートおよび上記光透過性シートの、上
記金属シートからはみ出した周縁部どうしの間にスペー
サを挟んだ状態に該保護シートの周縁部と該スペーサと
の間、および該スペーサと該光透過性シートとの間を接
着することにより、金属シートの貫通孔内に充填された
輝尽蛍光体を密封する輝尽蛍光体密封工程 を備えることも好ましい態様である。
【0019】また、本発明の輝尽蛍光体板の製造方法に
おいて、上記金属シートは、厚み10μm以上150μ
m以下のものであることが好ましく、また、その金属シ
ートが、上記(1)の貫通孔形成工程における貫通孔形
成の位置決めおよび上記(3)の金属シート積層工程に
おける金属シートどうしの重ね合わせの位置決めのため
の位置決め用孔を有するものであることが好ましい。
【0020】また本発明の輝尽蛍光体板の製造方法にお
いて、上記(1)の貫通孔形成工程は、エッチングによ
り貫通孔を形成する工程であることが好ましい。また上
記(1)の貫通孔形成工程が、少なくとも上記光透過性
シート側の第一層目に積層される金属シートについて、
その金属シートの、互いに隣接する貫通孔どうしの間の
隔壁の、光透過性シート側の表面が略半円の断面形状に
形成されるように貫通孔を形成するものであることが好
ましい。
【0021】さらに、本発明の輝尽蛍光体板の製造方法
において、上記(2)の反射率改善工程は、電解研磨、
化学研磨、無電解メッキ、および電解メッキから成る群
の中から選択された少なくとも1つの方法を用いて貫通
孔内壁の光の反射率を向上させる工程であることが好ま
しい。また、その中でも特に、上記(2)の反射率改善
工程が、電解研磨もしくは化学研磨を用いて貫通孔内壁
の光の反射率を向上させる工程であることが好ましい。
その場合に、さらに、上記(2)の反射率改善工程が、
上記金属シートを一方の電極板とするとともに、他方の
電極板をその金属シートに平行に配置し、さらに、これ
ら2枚の電極板どうしの間に、中央部ほど大きく、中央
部から周辺部に向かうにしたがって小さい径の孔が穿設
された電流制御用板を配置して、電解研磨を行なう工程
であることが好ましい。また、上記(2)の反射率改善
工程が、電解研磨もしくは化学研磨を用いて貫通孔内壁
の光の反射率を向上させる工程である場合に、さらに、
1.5μm以上かつ互いに隣接する貫通孔どうしの間に
隔壁が残存する範囲内の研磨量となるように、電解研磨
を行なう工程であることが好ましい。
【0022】さらに、上記(2)の反射率改善工程が、
その反射率改善工程終了後の、互いに隣接する貫通孔ど
うしの間の隔壁の厚さが貫通孔のピッチの20%以下と
なるようにして、貫通孔内壁の光の反射率を向上させる
工程であることが好ましい。また、上記(3)の金属シ
ート積層工程に関しては、その金属シート積層工程が、
金属シートの周縁の部分に接着シートを挟んだ状態に重
ね合わせる工程であることが好ましい。
【0023】また、上記(4)の保護シート接着工程に
関しては、上記保護シートが、少なくとも片面が研磨も
しくはメッキされた金属シートであって、その保護シー
ト接着工程が、その金属シートの研磨もしくはメッキさ
れた側の面を積層された金属シート側に向けて、その積
層された金属シートに、保護シートとしての金属シート
を接着する工程であることが好ましい。あるいは、上記
保護シートが、片面に光反射膜が形成された樹脂製もし
くはガラス製のシートであって、上記(4)の保護シー
ト接着工程が、その保護シートの光反射膜が形成された
側の面を積層された金属シート側に向けて、積層された
金属シートに保護シートを接着する工程であってもよ
い。
【0024】さらに、本発明の輝尽蛍光体板の製造方法
において、上記(5)の輝尽蛍光体充填工程が、保護シ
ートが接着された、積層された金属シートの貫通孔内
に、樹脂粉末を混合した輝尽蛍光体粉末を充填し、充填
された輝尽蛍光体粉末上に有機溶剤を散布し、該有機溶
剤を揮発させる工程であることが、好ましい態様の1つ
である。その場合に、輝尽蛍光体粉末に混合される樹脂
粉末の量が、輝尽蛍光体粉末に対し0.5体積%以上1
0体積%以下であることが好ましく、また、輝尽蛍光体
に混合された樹脂粉末が、ポリメチルメタクリレート
の、粒度分布のピークが5μm以下の粉末であることが
好ましい。さらに、貫通孔内に充填される輝尽蛍光体粉
末が、粒度分布のピークが0.2μm以下の白色無機粉
末が混合されたものであることが好ましい。この、輝尽
蛍光体粉末に混合される白色無機粉末としては、酸化珪
素、炭酸カルシウム、酸化チタンからなる群の中から選
択された1種類もしくは複数種類からなる粉末であるこ
とが好ましい。
【0025】さらに、本発明の輝尽蛍光体板の製造方法
において、上記(5)の輝尽蛍光体充填工程が、保護シ
ートが接着された、積層された金属シート上に、有機溶
剤に樹脂を溶解した樹脂液を混合した輝尽蛍光体粉末を
塗布することにより貫通孔内に該輝尽蛍光体粉末を充填
し、減圧することにより貫通孔内の空気を樹脂液に置換
し、有機溶剤を揮発させる工程であることも好ましい態
様の1つである。
【0026】尚、本発明において、「シート」は、典型
的にはある程度可撓性のある薄板等を指すが、そのよう
な可撓性のあるものに限られず、可撓性のない、あるい
は可撓性に乏しいパネルもしくは板を含む概念である。
【0027】
【作用】本発明は、上記(1)〜(6)の各工程を備え
たものであり、特に金属シートを互いに積層することか
ら、必要な細かいピッチのセル(貫通孔)構造を有する
輝尽蛍光体板が製造される。また、本発明は、上記
(2)の反射率改善工程を有するため励起光をセルの奥
に送り込み、また、そのセル内の輝尽発光光を効率良く
放射させることができる。このように、本発明により、
機能の優れたセル構造体の輝尽蛍光体板が製造される。
【0028】ところで、上記(1)の貫通孔形成工程お
よび上記(2)の反射率改善工程によっては、その工程
を経ることによって、金属シートの厚みが変化する場合
がある。例えば、反射率改善工程において電解研磨を行
なう場合、電解研磨によって貫通孔の径が広がるととも
に金属シートの厚さが薄くなる。ところが、電解研磨に
おいては金属シート周縁部に電極が取り付けられ、その
電極を取り付けた部分は研磨されず、電解研磨後、金属
シートの電解研磨された中心部分と電極が取り付けられ
た周縁部とでは厚みが異なることになる。したがってこ
のような金属シートを複数枚を重ねると、金属シートど
うしの間に隙き間が出来てしまうことになる。
【0029】そこで、本発明において上記(7)の枠切
断工程を備えると、上記のように中央部と周縁部とで厚
みの変化する工程が存在しても、金属シートどうしを隙
間なく重ね合わせることができる。また、輝尽蛍光体の
種類によっては吸湿性を有するものがある。本発明で
は、輝尽蛍光体はセル内に充填され、そのセルの開口は
保護シートおよび光透過性シートで塞がれそのセル内は
一応密封された状態とはなるが、上記(8)の輝尽蛍光
体密封工程を備えると輝尽蛍光体がさらに確実に密封さ
れ、吸湿等が一層確実に防止される。
【0030】本発明において用いられる金属シートは、
10μm以上150μm以下であることが好ましい。1
50μmは、セル径、セルピッチからくる制約であり、
この厚さを越えると放射線センサとして必要な、径の小
さい、ピッチの細かいセル構造体を形成することが困難
である。一方、10μm以下の厚さのものではそのシー
トが薄過ぎて取り扱いにくく、また、必要な厚さにまで
積層する際の金属シートの枚数が多過ぎ、その枚数の多
い分だけ貫通孔どうしの位置合わせ等、誤差が増え、積
層処理が大変である。
【0031】また、本発明において用いられる金属シー
トが上述の位置決め用孔を有するものである場合、貫通
孔形成時の貫通孔の位置決め、および金属シート重ね合
わせ時の位置決めが容易となる。また、上記本発明にお
いて、上記(1)の貫通孔形成工程がエッチングにより
貫通孔を形成するものである場合、金属シートに、位置
精度、寸法精度の高い貫通孔が形成される。またこの貫
通孔形成工程が、光透過性シート側の第一層目に積層さ
れる金属シートの隔壁の、光透過性シート側の表面が、
略半円の断面形状を有するように貫通孔を形成するもの
である場合、各セルの見掛け上の開口が広がり隔壁表面
での励起光の反射が少なくなり、励起光が効率良くセル
内に入射し、その結果、発光効率の向上、場所による発
光光量のばらつきの低減が図られる。
【0032】また、本発明における反射率改善工程で
は、上述したように、電解研磨、化学研磨、無電解メッ
キ、および電解メッキの中から選択された少なくとも1
つの方法を採用することができ、いずれの場合のセル内
を光反射性にすることができる。無電解メッキ、電解メ
ッキの場合は、安価な設備でセル内壁を光反射性にする
ことができるという長所はあるが、そのメッキによって
セル径を狭めることになる。電解研磨および化学研磨の
場合は、セル内を光反射性とするためにセル径が広が
り、したがって光反射性の向上による感度の向上以上の
感度の向上が見込まれる。
【0033】電解研磨を行なう場合に、電極板どうしの
間に、上述の電流制御板を配置すると、金属シートのセ
ルの位置によらず均一な電解研磨が可能となる。電解研
磨もしくは化学研磨を行なうにあたっては、1.5μm
以下の電解研磨もしくは化学研磨の場合、研磨が進むほ
ど反射率が向上し、1.5μmで反射率がほぼ飽和す
る。そこで、反射率を極力向上させる目的から、1.5
μm以上の研磨を行なうことが好ましい。一方研磨が進
み過ぎるとセルどうしの間の隔壁がくずれて隣りのセル
とつながってしまい、その場合、あるセル内の蛍光や励
起光が隣接するセルに入り込むこととなり、空間分解能
が低下することになる。したがってセルどうしの間に隔
壁が残存する範囲であることが研磨の上限となる。ま
た、上述の(1)の貫通孔形成工程ともからむことであ
るが、セルピッチに比べセル径が小さ過ぎ、反射率改善
工程終了後の隔壁がセルピッチの20%以上もの厚さを
有するものである場合、開口率が小さ過ぎ、励起光がセ
ル内に入射される割合が低下し、発光光効率が低下する
結果となり、好ましくない。したがって反射率改善工程
終了後の隔壁の厚さは、セルピッチの20%以下である
ことが好ましい。
【0034】また、金属シート積層工程では、複数枚の
金属シートが位置ずれがなく積層されていれば必ずしも
互いに接着されている必要はないが、後の工程で位置ず
れが生じないよう、軽く接着する方が好ましい。接着す
る場合において、輝尽蛍光体等に悪影響を与えない限り
どのような接着方法を採用してもよいが、例えば、上述
したように、金属シートの周縁の部分に接着シートを挟
んだ状態に重ね合わせて加圧加熱する方法を採用するこ
とができる。
【0035】保護シートの、セル側の面は、各セルの底
面を形成する。セル内はできる限り光反射性であること
が好ましく、したがってその底面、すなわち保護シート
のセル側の面も光反射性であることが好ましい。したが
って、保護シートが、少なくとも片面が研磨もしくはメ
ッキされた金属シートであって、その金属シートの研磨
もしくはメッキされた側の面を積層された金属シート側
に向けて、その積層された金属シートに、保護シートと
しての金属シートを接着する場合、あるいは、保護シー
トが、片面に光反射膜が形成された樹脂製もしくはガラ
ス製のシートであって、その保護シートの光反射膜が形
成された側の面を積層された金属シート側に向けてその
積層された金属シートに保護シートを接着する場合、い
ずれの場合もセル内全体としての反射率が一層高まる。
【0036】また、上記(5)の輝尽蛍光体充填工程
が、保護シートが接着された、積層された金属シートの
貫通孔内に、樹脂粉末を混合した輝尽蛍光体粉末を充填
し、充填された輝尽蛍光体粉末上に有機溶剤を散布し、
その有機溶剤を揮発させる工程である場合、セル内に輝
尽蛍光体粉末が充填され易く、感度が向上する。この場
合に、輝尽蛍光体粉末に混合される樹脂の量は0.5体
積%以上10体積%以下であることが好ましい。0.5
体積%未満の場合、樹脂の量が少な過ぎて輝尽蛍光体粉
末どうしが樹脂により固定されにくくなり、一方10体
積%を越えると輝尽蛍光体の充填率が下がり感度の低下
をきたすからである。
【0037】輝尽蛍光体に混合される樹脂としては、ポ
リメチルメタクリレート(MMA)が好適であり、その
粒度分布のピークが5μm以下のものであることが好ま
しい。5μmを越えると、このMMA粉末によって輝尽
蛍光体粉末が密に充填することが妨げられ、輝尽蛍光体
粉末の充填率が低下するからである。また輝尽蛍光体粉
末に粒度分布のピークが0.2μm以下の白色無機粉末
を混合すると、そのような小さいな径の白色無機粉末に
より、径の比較的大きな輝尽蛍光体粉末の流動性が改良
され、輝尽蛍光体粉末の充填が容易となる。無機粉末が
白色であるとの要請は、セル内の光の吸収を防止するた
めであり、0.2μm以下という限定は径がこれを越え
ると輝尽蛍光体粉末の流動性の改善に乏しく、また、輝
尽蛍光体粉末どうしの隙き間に入り込む大きさでないと
輝尽蛍光体粉末の充填率の低下を招くからである。
【0038】上記の目的に使用可能な白色無機粉末とし
ては、上述したように、酸化珪素、炭酸カルシウム、酸
化チタン等を挙げることができるが、中でも酸化珪素が
好ましい。また、上記(5)の輝尽蛍光体充填工程は、
保護シートが接着された、積層された金属シートの貫通
孔上に、有機溶剤に樹脂を溶解した樹脂液を混合した輝
尽蛍光体粉末を塗布することにより該貫通孔内に該輝尽
蛍光体粉末を充填し、減圧することにより該貫通孔内の
空気を該樹脂液に置換し、該有機溶剤を揮発させる工程
であってもよい。塗料タイプの輝尽蛍光体の場合、この
方法を採用することにより、輝尽蛍光体をセル内に密に
充填することができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
5は、本発明の輝尽蛍光体板の製造方法の一実施例を表
わす工程図、図6は、本発明の輝尽蛍光体板の製造方法
の一実施例により製造された輝尽蛍光体板の構造を示す
平面図(A)および図6(A)に示す矢印X−Xに沿っ
た断面図(B)である。但し、図6において、セルの寸
法は、図示の都合上、大きく拡大して示されている。
【0040】(セルの配置構造)ここでは、図5の工程
図の説明に先立って、読み取り感度と空間分解能の両者
に大きな影響を与える、セルの配置構造について説明す
る。セル構造輝尽蛍光体板の長所は、間分解能を保証で
きることにある。しかし、セルが存在することは必然的
に隔壁が存在する。隔壁の部分に照射されて吸収もしく
は透過した放射線は、信号出力に全く寄与しない。ま
た、壁の部分に照射された励起光(レーザ光)も、隔壁
表面で吸収されたり反射されれば、全く寄与しない。さ
らに、隔壁の部分には輝尽蛍光体が存在しないから、輝
尽蛍光の発光光量もその分少なくなり、感度の低下を起
こす。したがって、隔壁の表裏の表面積をできるだけ小
さくすることが好ましい。結論的に言えば、最も隔壁の
表面積を小さくするセル配置はハニカムである。特開昭
59−202100号公報には、図7(A)に示すよう
なマトリックス型のセル構造が詳細に記載されている
が、このようなマトリックス型のセル構造ではなく、特
開昭59−202100号公報に記載のある、図7
(B)に示すような円の細密配置構造、すなわち、ハニ
カム構造が最も優れる。
【0041】本来、ハニカム構造でなくても、特開昭5
9−202100号公報にも記載のある四角形のセルを
作り、壁を薄くできればマトリックス型の構造でもよい
筈である。しかし、本発明者らの追試ではそれはできな
かった。セルのマスクのパターンが四角の場合であって
も、セルピッチとセルの大きさ、および、板厚が100
μm前後の値の場合、エッチング後のセル形状は四角で
はなく、ほぼ円となってしまう。無理に四角にしようと
すると隣接セル間の隔壁が無くなってしまう。その結
果、d=120μm、p=155μmの場合、セルの体
積率がセル型でない均一塗布型に比べて約47%に低下
する。これに対し、ハニカムセル構造とすると、セルの
体積率は約85%に低下するだけで済む。
【0042】また、空間分解能に関しては、ハニカムセ
ル構造とすることにより、励起光ビームの径にもよる
が、ピッチの50%までの空間分解能が与えられる。そ
れに対し、マトリックス構造ではピッチと同等の空間分
解能までしか保証されない。 (ハニカムセル構造体の材料)本実施例では、まず、1
枚の薄いシートにできるだけ壁の薄いセルを形成する工
程を経る。その結果、多数のセルを開けた部分(以下
「セル領域」と称する)は機械的強度が非常に低下する
ので、ハニカムセル構造体の材料としては、薄くても強
度があるステンレスシートがよい。特に、板厚が30μ
m、50μm、および100μmのステンレスシートは
量産品があり、価格も安いので使い易い。他の板厚も特
別注文で、あるいは、電解研磨等の手段で研磨して作る
ことができる。
【0043】(エッチング)ステンレスシート(SUS
304)を用い、両面エッチングによりセル深さ(板
厚)hの160%以上のセル径を得ることができる。ス
テンレスシートにできるだけ小さなセルピッチで、しか
もできるだけ大きなセル径のセルをエッチングによって
形成するとき、片面エッチングでは裏側のセル径が非常
に小さくなってしまうので、両面エッチングを行う。ス
テンレスシートは不透明なので両面に塗布したレジスト
のパターニングの際、セルの中心の位置ずれを起こしや
すいので、表裏のセルパターンの大きさを少し変えてセ
ルの中心の位置が若干ずれても必ず貫通孔(セル)を形
成できるようにする。その結果、片面エッチングのとき
程ではないが、表裏のセル径がやはり若干異なってしま
う。
【0044】表裏のセル径が異なると、複数のセル構造
ステンレスシートを重ねた輝尽蛍光体板のセル内に充填
した輝尽蛍光体粉末からの輝尽蛍光光あるいは励起光が
そのセル径の異なる部分で反射してしまうという性能上
の不都合、および、後に説明するメッキの際、表裏の隔
壁表面でのメッキの厚みが異なってしまい、歪みが入
り、ステンレスシートが歪んでしまって位置合わせが困
難になるという製造上の不都合を生じる。
【0045】そこで、小さなセル径の側の面のみをオー
バーエッチングするなどの方法によって表裏のセル径が
できるだけ等しくなるようにする。なお、ハニカムセル
構造のレジストパターニングにおいて、セル形状は六角
形に形成した。エッチング後のセルの形状はほぼ円であ
るが、円のパターンを用いる場合に比べて、若干貫通性
がよくなり、かつ、大きなセルを作ることができる。
【0046】(電解研磨)ステンレスシートの両面エッ
チングによって、ハニカムセル構造を作ることが可能で
あるが、セル内部の隔壁表面はエッチングの結果梨地肌
となり、光反射性が非常に悪い。セル内部の隔壁の反射
率が小さいということは、セル内部に充填した輝尽蛍光
体粉末が発光したとき隔壁で吸収されて、セル表面に出
てくる光量が少なくなることを意味する。特に、通常の
輝尽蛍光体板は強い光散乱性を示し、輝尽蛍光体粉末間
にある空気を透明樹脂等で覆ったとしても完全には透明
にはならず、若干の光散乱性を示す。このように強い光
散乱性を示すため、発光光は何度も隔壁にぶつかること
になり、セルの深さにもよるが、セルから出てくる発光
光量はセル内の極く表面からのみとなり、全発光光量に
比べ1/5〜1/100の光量がセルから出て来るに過
ぎないものと推定される。したがって特開昭59−20
2100号公報にも、「小房の内壁に励起光吸収層ある
いは励起光反射層を塗布あるいは蒸着等の方法で形成し
てもよい。」と記載されているように、何らかの方法で
セル壁面の光反射率を向上させることが必要である。し
かし、蒸着等の気相成長の方法では、セル内部の隔壁に
光反射層を形成するためにはステンレスシートを角度を
持たせて設置し、しかも回転させながら行う必要があ
り、半切サイズの大きさを想定したとき非常に大きな蒸
着釜など大掛かりな設備を要するという不都合がある。
【0047】本発明者は、セル内部の隔壁表面の光反射
性改善のため、化学研磨、超音波研磨、無電解メッキな
ど幾つかの方法を試みたが、優良な結果を得た方法は無
電解メッキ、電解メッキ、化学研磨、および電解研磨で
あった。特に、化学研磨もしくは電解研磨のみを行なう
か、もしくはその研磨のあと、無電解メッキを施すこと
が、歪みも少なく、最も優良な結果となる。
【0048】電解研磨は、燐酸塩系の液組成で行うこと
で、セル内部の隔壁表面の光反射性が大幅に改善される
だけでなく、セル径も大きくなることを見いだした。た
だし、ステンレスシートの厚みも薄くなるので、適当な
範囲の電解研磨量を選択し、かつ、全面に亘って均一な
研磨をしなければならない。設備的にはステンレスシー
トと電極を入れる槽があれば済む。
【0049】電解研磨の量は、光反射性を改善するため
には1.5μmで充分である。電解研磨を行なうにあた
っては、図8(A)に示すように、セル孔が形成された
ステンレスシートをプラス電極とし、もう1枚のステン
レスシートを用意し平行に配置してマイナス電極とし、
それらのステンレスシートの間に、プラスチック製の電
流制御用板を配置した。この電流制御用板は、図8
(B)に示すように中央部ほど大きな孔が形成されてお
り、周辺部に近づくほど小さい孔がまばらに形成されて
いる。
【0050】2枚の電極板(ステンレスシート)だけだ
と、周辺部にのみ電流が集中し、周辺部ほど強く電解研
磨が進むが、このような電流制御板を配置することによ
り、セルの位置によらず均一な電解研磨が行なわれる。
尚、電解研磨にあたっては、ステンレスシートの周縁部
は、電極枠で覆われ、したがってその周縁部は研磨され
ないので、有効なセル領域はその周縁部よりも内側の部
分に形成する必要がある。
【0051】図9は、セル構造のステンレスシートの、
反射率の測定方法の説明図である。ステンレスシートの
広がる平面に対し約10°傾いた方向からそのステンレ
スシートの片面(表面)に光を照射し、ステンレスシー
トの裏面にフード付きの光センサを配置して、表面を照
射した光がどれだけ裏面側に届くかを相対評価した。表
1に、その評価結果を示す。
【0052】
【表1】
【0053】エッチング後(電解研磨前)の反射率を1
00としたとき、1μm(セル径の増加は2μm)だけ
電解研磨を行なうと反射率が150に向上し、電解研磨
を1.5μm(セル径の増加は3μm)行なうと反射率
が400に向上した。ただしそれ以上電解研磨を行なっ
ても反射率の目立った増加はなかった。 (化学研磨)本実施例では、電解研磨を行なったステン
レスシートについて後述する各工程を進めたが、ここで
は、化学研磨の結果について記載しておく。
【0054】ここでは、オーステナイト系ステンレス鋼
の化学研磨剤(三新化学工業(株)の‘サンビット50
7’)を用いてエッチング後のステンレスシート(SU
S304)を化学研磨し、上記と同様にして反射率を相
対評価した(図9参照)。表2に、その評価結果を示
す。
【0055】
【表2】
【0056】表1の場合と同様に、エッチング後(電解
研磨前)の反射率を100としたとき、1μm(セル径
の増加は2μm)だけ化学研磨を行なうと反射率が20
0に向上し、化学研磨を1.5μm(セル径の増加は3
μm)行なうと反射率が450に向上した。化学研磨を
2.5μm(セル径の増加は5μm)行なっても、反射
率は、450のままであった。
【0057】(電解メッキ)電解研磨(もしくは化学研
磨)によってセル内部の隔壁表面の光反射性を改善でき
たが、光反射性をより改善するため、さらに金属メッキ
を行ってもよい。メッキをする金属の種類は多数考えら
れるが、たとえば、金や銅のメッキは光反射性は励起光
であるレーザの波長600nmないし800nmの光は
よく反射するが輝尽蛍光光の波長である400nm付近
の光をかなり吸収するので使用できない。アルミニウム
はメッキが難しいなどの欠点があり、結局、光反射性の
点からは銀あるいはニッケルのメッキがよく、経時変化
の点を考慮すると、電解ニッケルメッキもしくは無電解
ニッケルメッキが最適であることが分かった。なお、ス
テンレスへの直接メッキは難しく、前処理として0.1
μm程度のストライクニッケルメッキを施すことが好ま
しい。
【0058】しかも、電解ニッケルメッキは400nm
ないし800nmの光の反射率が高いだけでなく、ある
特殊な条件下では、表裏の隔壁表面上に、図10に示す
如く丸みを帯びてメッキされ、ある厚み以上では表裏面
の平坦な部分が線状になり、さらに部分的にのみ平坦な
部分が残る点状を示すようにメッキされることがわかっ
た。通常、メッキは被メッキ体に均一に付着するように
工夫がなされるが、本発明における電解ニッケルメッキ
は、逆に、付き回りが悪いような条件を選ぶ。
【0059】このように、表裏の隔壁が平坦な部分をほ
とんど持たないということは、それをハニカムセル構造
体の表面に設置することによって、励起光であるレーザ
ービームをハニカムセル構造体板上に走査したとき反射
光が少なくなり、殆どの励起光がセル内に入射すること
を意味する。その結果、発光効率が良くなるだけでな
く、場所による発光光量のバラツキも少なくなることを
意味する。なお、場所によるという意味は、セルの中心
線から励起光走査ビームの中心がずれたときそのずれ方
で隔壁での反射量が異なるため、発光量の周期的な変動
を生じることを指す。
【0060】このような特殊なメッキにより、シートの
厚みは電解研磨前のステンレスシートの0%ないし80
%もの増加となる。ただし、セル内部の隔壁表面にもメ
ッキが付き、セル径も小さくなるので0%ないし50%
の範囲の増加とし、メッキ後のセル間の最小壁厚がピッ
チの1/5以下であることが望ましい。なお、0%の厚
みの増加とは、電解研磨によって薄くなった分を補う程
度という意味である。
【0061】また、別のメッキ条件を選択すると表裏の
表面が比較的平坦にメッキされ、かつ、セル内の隔壁表
面には表裏の表面よりも薄くメッキすることができる。
したがって、上記2種類のメッキを選択的に行い、前者
をハニカムセル構造体の表面に用い、後者をそれ以外の
部分に用いる組み合わせが可能となる。本実施例で用い
るハニカムセル構造体のセル壁面の光反射性は、電解研
磨、および、電解メッキあるいは無電解メッキにより、
定量的な反射率は構造上測定不能ではあるが、非常に反
射率の優れたものとなっている。推定では、垂直(90
°)入射で80%以上であり、入射角度が小さければそ
れ以上になる。
【0062】表3にメッキによる反射率向上の評価結果
を示す。
【0063】
【表3】
【0064】表3には、表1,表2のときと同様、図9
に示す測定方法で測定し、エッチングを行なった後のス
テンレスシートの反射率を100としたときの相対値が
示されている。研磨を行なわず、ニッケル電解メッキ5
μmないしニッケル無電解メッキ5μmのみを行なった
場合であっても、反射率のかなりの向上が見られる。た
だし電解メッキの場合、メッキ後のステンレスシートに
歪みが生じやすいので注意を要する。また、電解メッ
キ、無電解メッキに拘らず、メッキの場合、隔壁が厚く
なり過ぎないよう注意を要する。
【0065】本実施例では、電解研磨を1.5μm(セ
ル径増加3μm)施こし、その後ニッケル無電解メッキ
を2.0μm厚施した。その結果、反射率は460(相
対値)を示した。 (積層・位置合わせ・接着)以上の工程で得られたハニ
カムセル構造のステンレスシートの積層は以下の方法で
行われる。幾つかの方法が可能であるが、いくつかの実
施形態について説明する。
【0066】接着剤を積層の前に塗布しておく方法では
2通り行った。いずれにしても、隔壁の、セル内の表面
には接着剤は付着せず、ステンレスシート片面の隔壁表
面にのみ接着剤層が形成されることが必要である。その
条件を満足する方法の1つは静電塗装による方法であ
り、もう1つはスクリーン印刷による方法である。静電
塗装は、電解研磨後のセル構造ステンレスシートを、セ
ル径の大きい方の面を上にして治具上に固定し、その
後、その上下に電極を設置し、電極と電極の間から樹脂
液を散布する。散布された樹脂液は下方の電極に引か
れ、セルの壁面を濡らさず通過し、セル表面にのみ付着
する。その結果、セルに目詰まりを起こさずに表面にだ
け樹脂を塗布することが可能となる。使用する樹脂は、
たとえば、エポキシ系を主体とする混合樹脂でセル構造
体板表面に付着した樹脂液が乾燥前に流動し難いよう
に、チクソトロピー性を与えるための微小粉末、たとえ
ば、粒径0.1μm以下のシリカや炭酸カルシウム等の
粉末を混合しておくのがよい。塗布後、溶剤を完全に乾
燥し、最上層用ハニカムセル構造シートを最上層に配置
し複数枚重ねて位置合わせをしたあと、テフロン板等の
重しを乗せて硬化する。
【0067】スクリーン印刷の場合も、微粉末を分散さ
せたチクソトロピックな粘性の樹脂液を用いる。塗布厚
さは、乾燥後の膜厚で、いずれの場合も約5μmであ
る。塗布場所はハニカム構造の、隣接する3つのセルの
間の三角の部分である(図7(B)参照)。塗布し、溶
剤を乾燥させた状態で積層する。積層は縦横480mm
移動可能なスクロール機能付きサンプル設置台を備えた
実体顕微鏡でセル位置を見ながら行った。元々のステン
レスシートには、セル領域の周囲に、位置合わせ用の孔
を幾つか開けてある(図6(A)参照)。最も離れた位
置にある少なくとも2つの位置合わせ用孔の位置をあわ
せれば、全てのセルの位置が一致する。複数のステンレ
スシートの位置合わせ用孔を合致させた状態にしてお
き、予め樹脂を塗布して、ある場合は重し板を乗せて恒
温槽に入れて硬化させ、固定する。予め樹脂を塗布して
いない場合は、位置合わせした状態で枠部分を接着剤で
固定する。特に、電解ニッケルメッキを施した場合は、
セル隔壁に樹脂を塗布するとセル内に樹脂が流れ込み易
いので、セル領域から外れた周辺の部分のみ接着を行っ
た。このとき、重要なことは、接着剤がセル内部に流れ
込ませないよう塗布量を制御することである。
【0068】次に、別の実施形態について説明する。こ
こでは、セル領域を読み取り領域より少し大きめに作っ
ておき、かつ電解研磨のみを行ったステンレスシートを
用いる。電解研磨時に、電極板との接触を図る部分は研
磨されないので、セル領域は枠よりも薄くなる。例え
ば、厚さ50μm、縦480mm、横400mmのステ
ンレスシートの中央の縦460mm、横370mmの大
きさの範囲(セル領域)に、ピッチ125μm、直径約
100μmのセルを図6に示すような、ステンレスシー
トの外周と15度傾斜を持たせたハニカムセル配置で、
約1200万個のセルを形成したハニカムセル構造ステ
ンレスシートを電解研磨し、セルの直径が20μm大き
くなるようにすると、セル領域の厚さは約12μm薄く
なり、約38μmになる。一方、セル領域の外の枠部分
は電極で覆われているので50μmのままである。
【0069】この状態でステンレスシートをセル領域と
枠領域とに切断して、セル領域のみのステンレスシート
とする。このセル領域外周部には位置合わせ用孔が開い
ており、位置合わせ用ピンを備えたプレスに乗せる。位
置合わせ後、細く切った接着シートをセル領域外周部に
乗せ、同様の手順で10数枚のステンレスシートを重ね
る。使用する接着シートは熱可塑性、もしくは熱硬化性
の厚さ35μm以下の両面接着シートであり、種類によ
って異なるが100℃以上の温度で流動性を示す。
【0070】プレス上板を乗せ、圧力を掛けた状態で加
温すると接着シートはセルの中に流れ込み、セル領域の
みのステンレスシートどうしが接着される。使用可能な
接着シートとしては、例えば、倉敷紡績株式会社性クラ
ンベターH−1760がある。この最後の方法では枠を
取り去って積層するため、最終的に出来上がる輝尽蛍光
体板の大きさを不必要に大きくしないで済むメリットが
ある。
【0071】このようにして、複数のステンレスシート
を母体とするハニカムセル構造体板がで上がる。積層す
る枚数は5ないし15枚まで試みた。 (保護シート)輝尽蛍光体板の構造は読み取り方法によ
って少しずつ異なり、本発明はいずれの構造にも対応可
能であるが、ここで記載する構造は、図2を参照して説
明した、輝尽蛍光体板固定型の装置に適用するためのハ
ニカムセル構造体板であり、最終的に作製される輝尽蛍
光体板の使用方法は、片面(表面)を被写体側に向けて
その表面側から放射線が照射され輝尽蛍光体粉末に吸収
されて潜像を形成し、その裏面側から読み取る。また、
その裏面は、励起光を走査して潜像から輝尽蛍光を発光
させ、その蛍光を集光できるように、カバーは光透過性
でなければならない。
【0072】被写体側の面のカバーを保護シートと呼ぶ
ことにする。保護シートに必要な物性は、(a)輝尽蛍
光体の劣化を避けるための防水性、(b)機械的強度、
(c)励起光と輝尽蛍光を反射させるためのセル底面で
の光反射性、および、(d)放射線透過性である。光反
射性に関し、保護シートの少なくともセル構造体板側に
面する片面は光反射率のよい層を設けておく。あるいは
光反射率のよい材料を用いる。たとえば、薄いステンレ
ス板、あるいは、そのステンレス板にNiメッキを施し
たものであってもよいし、ガラス板に酸化チタン等の反
射率の高い粉末を含む白色塗料を塗布したものであって
もよい。蛍光体からの発光光は点光源と考えてよく、セ
ル底面に向かった光を光取り出し側に向けるためには、
保護シートを光反射率のよい状態にすることが必要であ
る。なお、この保護シートの光反射率は、均一塗布型の
蛍光体板の場合は感度増加の効果はあっても空間分解能
を低下させるのでむしろ低い方がよいが、セル型の場合
は空間分解能が保証されているので光反射率が高い方が
よい。
【0073】これらの条件をある程度満足させ、価格の
点も考慮して、ここでは、保護シートとして厚さ50μ
mのステンレスシートを使用することとした。ただし、
市販のステンレスシートの表面の光反射率は入射角80
度の反射角で測定したとき約70%であって、あまりよ
くない。片面を約10μmの電解研磨を行うことで、厚
みは約40μmとなり、放射線透過量が増加しただけで
なく、光反射率も約88%に増加した。なお、ステンレ
スの光反射率の波長依存性は、400nmないし800
nmの範囲内ではほとんどないといってよい。
【0074】尚、ステンレスシートの場合、接着性をあ
げるために、酸化処理を行なう必要がある。 (スペーサ)本実施例で使用した輝尽蛍光体はBaBr
2 :Euである。この蛍光体は非常に吸湿し易く、吸湿
すると著しい感度低下が起きる。BaFBr:Euなど
を用いれば、それ程ではないから必要ないかも知れない
が、ハニカムセル構造体板の周囲の枠部分の外側をしっ
かり防水することが好ましい。そのため、スペーサとし
て、エポキシ樹脂とかアクリル樹脂のような耐水性樹脂
を使用するが、保護シートの薄いステンレスシートと表
面カバーの間に樹脂を充填させると形状が不安定になる
ので、その体積のほとんどをスペーサで埋め、隙間をエ
ポキシ樹脂で接着した。
【0075】スペーサとして、各種の厚みのものを、ス
テンレスシートと同一材質のステンレスを酸化処理する
ことにより作っておき、一方、保護シートもしくは表面
カバーの全面に約3μmの厚みで室温液状の接着剤を塗
布し、ハニカムセル構造体板の厚みより少し厚めのスペ
ーサーを外側に置き、中央部分にハニカムセル構造体板
を置いて、重し板をのせて硬化させた。
【0076】(輝尽蛍光体粉末の粒度分布)本実施例で
使用するような細かなセルに粉末を充填するとき、少な
くともセル径以上の大きさの粉末は充填できない。ま
た、輝尽蛍光体粉末は単分散ではなく粒度分布を持つ。
検討の結果、粒度分布のピークがセル径の1/3以下で
あり、最大径がセル径の1/2以下でないと、目詰まり
を起こし易く充填し難いことがわかった。感度の点から
は粒径が大きい程よいので、輝尽蛍光体粉末の粒度分布
はピークがセル径の1/3ないし1/20で、できるだ
け分布の幅が小さいものを使用することがよい。
【0077】(輝尽蛍光体粉末の充填)輝尽蛍光体粉末
をセルの中に充填する工程について、以下説明する。特
開昭59−202100号公報に示されている構造のセ
ルに、蛍光体粉末を分散させた樹脂溶液を塗布しただけ
では十分には充填できなかった。その原因は、樹脂溶液
が塗布されることにより、蛍光体層基板の下部にある基
盤とセルに囲まれた空気が完全に密閉されるため、樹脂
溶液がセル内部に入ることができなくなったことにある
ものと考えられる。
【0078】本発明者が実施した充填方法は基本的に2
通りの方法がある。1つは、輝尽蛍光体粉末のみを、保
護シート上に接着されたハニカムセル構造体板上にばら
まき、全体をゆすることである。少しずつ輝尽蛍光体粉
末を足してはゆすり、若干余る程度まで足す。こうする
ことで、セル内の空気は全く邪魔にならずに輝尽蛍光体
粉末を充填することができる。セルに入りきれなかった
余分な輝尽蛍光体粉末は接着テープにくっ付けて除く。
このままではセル内に充填した粉末は不安定なので、表
面カバーに樹脂を塗布しておき、静かに積層し、硬化さ
せる。あるいは、溶媒に溶解した樹脂をスプレーで塗布
し、減圧ボックス内で減圧後常圧に戻したあと、加温し
て溶剤を完全に揮発させ、樹脂を硬化させることで粉末
をセル内に固定することができる。
【0079】輝尽蛍光体粉末を粉末のままで充填するも
う別の方法について述べる。樹脂粉末を輝尽蛍光体粉末
と混合して充填する方法である。使用する樹脂粉末の物
性は、(a)少なくとも膨潤する程度の親溶媒が存在す
るか、高温で溶融しうるものであること、(b)粉末の
大きさは0.1μmなしい5μm程度で、できればビー
ズ状であること、(c)400nmの光の透過率のよい
ことである。これらの条件を満足するものとして、例え
ば、粒径0.1μmないし5μmでビーズ状の非架橋タ
イプのポリメチルメタクリレートがあり、例えば、松本
油脂化学株式会社から入手できる。ただし、この樹脂粉
末は溶融はしない。
【0080】輝尽蛍光体粉末のセル内への充填し易さは
その流動性によっても影響される。ここで用いた輝尽蛍
光体粉末は粒度分布のピークが5μmなしい20μmで
あるので、元々流動性はよいが、微小な無機粉末を加え
ると更に流動性が改良されることを見いだした。使用で
きる無機粉末は400nm付近の光を吸収しない白色の
粉末であり、輝尽蛍光体粉末の間を遮る程度の大きさで
あることが必要であり、粒径が0.2μm以下がよい。
そのような無機粉末としては、酸化珪素、炭酸カルシウ
ム、酸化チタンなどがある。これらの粉末を0.1体積
%ないし2体積%加えることにより、流動性が大きく改
良される。
【0081】セル内に混合粉末を充填させたあと、余分
な粉末を除く。次に、親溶媒であるアセトンかトルエン
と貧溶媒であるイソプロピルアルコールを1:10で混
ぜ、スプレーでセル領域に振りかけ、しばらく放置した
あと、減圧ボックスに入れて大部分の溶剤を揮発させ、
最後に約80℃に加熱して残存溶剤を完全に揮発させ
る。
【0082】これらの操作により、輝尽蛍光体粉末はセ
ル内に固定されるが、輝尽蛍光体粉末の表面の大部分は
空気と接していることになる。その結果、輝尽蛍光体粉
末に入った励起光のレーザーは全反射角が小さいため、
輝尽蛍光体粉末の表面で反射し、外に出にくくなり、何
度も輝尽蛍光を発光させることになる。もし、輝尽蛍光
体粉末の表面を全て樹脂が覆うと全反射角は大きくな
り、励起光の利用効率は低下する。
【0083】もう一つの方法は最初から低濃度の樹脂溶
液に輝尽蛍光体粉末を分散させておき、減圧ボックス内
で減圧して、セル内部の空気と粉末分散系の樹脂溶液を
置換させたあと、溶剤を揮発させ、硬化する方法であ
る。この方法の場合、一度置換させたあと、もう一度粉
末分散系の樹脂溶液を加えて充填を完全なものとする方
がよく、溶剤がある程度揮発した段階で表面を拭って余
分な粉末を除去する。
【0084】(光透過性シート)以上のようにして作り
こまれた輝尽蛍光体粉末が充填されたハニカムセル構造
体の上に光透過性シートを被せ、輝尽蛍光体の保護を行
うと同時に励起光および輝尽発光光が透過できるように
する。その目的を果たすシートであれば全て使用可能で
あるが、本実施例では厚さ1mmのガラス板を用いた。
【0085】室温硬化型2液性エポキシ樹脂をスペーサ
ーの上に塗布し、保護シートと同じ大きさに切ったガラ
ス板を乗せ、1晩放置して硬化させた。これでハニカム
セル構造輝尽蛍光体板が完成した。 (輝尽蛍光体板の評価結果)図11は、上述のようにし
て製造したハニカムセル構造輝尽蛍光体板のMTFを、
比較例とともに示す図である。
【0086】図11中、Aは、ハニカムセル構造輝尽蛍
光体板の理論上のMTF、Bは、ステンレスシートを1
0層重ねた、セルの厚さが0.4mmのハニカムセル構
造輝尽蛍光体板のMTF、Cは、ステンレスシートを1
5層重ねた、セルの厚さが0.6mmのハニカムセル構
造輝尽蛍光体板のMTFである。いずれも、かなり良好
な空間分解能を有している。Gは、従来の均一塗布型の
輝尽蛍光体板(輝尽蛍光体層の厚さ0.3mm)のMT
F測定結果、D〜F,Hは、従来の銀塩フィルムのMT
F測定結果である。この図に示すように、本実施例によ
れば、空間分解能が大幅に向上した。
【0087】また表4は、感度の比較結果である。
【0088】
【表4】
【0089】従来の均一塗布型の輝尽蛍光体板(図11
に示すGに対応する)と本発明例(図11に示すB,C
に対応する)について、同一の条件でX線を照射し、同
一の条件で読み取りを行なったときの平均画素値が示さ
れている。この表4に示すように、本実施例でも従来と
同じレベルの感度を維持することができた。すなわち、
本実施例によれば、感度は従来と同レベルを保ったま
ま、空間分解能が大幅に向上した。
【0090】以下に、本発明の実施例からは外れるが、
上記のようにして作製した輝尽蛍光体板を用いた読取方
法、画像処理方法の概要について説明する。 (ハニカムセル構造輝尽蛍光体板の読取方法) (レーザービーム径)ハニカムセル構造輝尽蛍光体板は
ひとつひとつのセルが放射線センサであり、図11に示
すように、空間分解能と濃度分解能に優れている。ハニ
カムセル構造輝尽蛍光体板の空間分解能は、セルピッチ
の0.5倍まで存在する。従って、ハニカムセル構造輝
尽蛍光体板を放射線センサとして用いて放射線画像を読
み取るとき、レーザースキャナで走査されるレーザービ
ームの輝尽蛍光体板面でのビーム径がセルピッチの0.
5倍以下であっても無意味である。
【0091】図11は、ハニカムセル構造輝尽蛍光体板
が持つ幾つかの欠点を補った結果得られたものである。
以下、その欠点と欠点の補い方について述べる。 (サンプリング間隔)欠点の一つは、比較的均一な層を
有する従来の塗布型輝尽蛍光体板と異なり、不均一であ
ることである。即ち、隔壁があり、しかも、一つのセル
が一つの画素に対応しているとは限らない。1画素の大
きさにより、2つ以上のセルが1画素に対応したり、か
つ、対応するセルの数が異なることもあり、しかも、そ
の変化は周期性を持つ。従って、均一な放射線を照射し
ても周期性を持つ感度変化を示す結果となる。
【0092】この周期的な出力変化を少なくするための
方法は幾つか考えられ、(a)ハニカムセル構造の最上
層メタルマスクに電解ニッケルメッキを施し、表面の隔
壁面が平面でないようにすること、(b)セル径をセル
ピッチにできるだけ近づけること、(c)セルピッチを
小さくすること、(d)ビーム径を大きくすること、
(e)1画素の大きさを大きくすること、そして、
(e)1画素内サンプリング数を多くすること、であ
る。
【0093】(a)ないし(c)はハニカムセル構造輝
尽蛍光体板の製造方法に関わるものであり、(d)と
(e)は使用目的(どんな病気を診断しようとするか)
によって決まるものである。そして、(e)がどのよう
な場合にも適用可能な技術である。検討の結果、1画素
内サンプリング数が1回の場合に比べ、サンプリング数
を2回にしてその平均値を1画素の値とすると大幅な改
良が認められ、3回以上にすると、1回と2回の出力変
化の改良の変化に比べて少ないが、さらに改良されるこ
とが分かった。
【0094】(全画素補正−充填率のバラツキの補正)
ハニカムセル構造輝尽蛍光体板はひとつひとつのセルが
放射線センサであり、図11に示すように空間分解能と
濃度分解能に優れているが、欠点として、比較的均一な
層を有する従来の塗布型輝尽蛍光体板と異なり、作り方
によってはセル毎に輝尽蛍光体粉末の充填量が異なる場
合がある。その結果、均一な放射線を照射しても5%な
いし20%の感度のバラツキを生じる。
【0095】この感度のバラツキを補正するため、以下
に示す全画素補正を行う。図2に示したように輝尽蛍光
体板を読取装置内の撮影部に固定してレーザースキャナ
部、集光受光部、および、消去部を移動して、撮影後の
輝尽蛍光体板に形成された潜像に比例した輝尽発光光を
光電変換器で電気信号としたあと、あるいは、図1に示
したように、レーザースキャナ部、集光受光部、およ
び、消去部を固定して、撮影された後の輝尽蛍光体板を
移動して潜像に比例した輝尽蛍光を光電変換器で電気信
号したあと、アナログディジタル変換器によりディジタ
ル画像信号に変化し、その後、該輝尽蛍光体板のセル毎
に異なる蛍光体粉末の充填率のバラツキによる画像信号
の変動を補正する。
【0096】具体的な補正方法は、まず、被写体のない
状態で輝尽蛍光体板に放射線を照射してその輝尽蛍光体
板の全ての画素の画素値を読み取り、それらの画素値の
最大値もしくは最小値で全ての画素値を除算して得られ
る全画素の補正値を記憶し、次に被写体を通して得られ
た全ての画素の画素値を、対応する画素の補正値で補正
する全画素補正の方法を用いる。
【0097】この補正方法は、従来の塗布型輝尽蛍光体
板の場合であっても、塗りむらの補正方法としてウイー
ナスペクトルに大幅な改善をもたらすことがあるが、必
ずしも必要とはしない。しかし、ハニカムセル構造輝尽
蛍光体板の場合には、この全画素補正により、セル毎の
充填率のバラツキだけでなく、前述の周期的な出力変動
もなくなり、必須の補正である。
【0098】(空間周波数処理)ハニカムセル構造輝尽
蛍光体板を放射線センサとして用いた場合、非常に高い
濃度分解能が得られるため、従来の塗布型輝尽蛍光体板
あるいは銀塩フィルムで得られる画像と異なるイメージ
の画像となる。そのため従来の画像を観察しながら診断
を行なってきた医師の診断基準と合わないことがある。
例えば、胸部の画像を例にとると、肺野辺縁部の細い血
管が見え過ぎると、正常であるにも拘らず、従来の診断
基準からすると、間質性疾患など何らかの病気を疑うこ
とになる。
【0099】このような事態を避けるため、従来のディ
ジタル放射線画像の場合に鮮鋭度を上げるために行って
きた空間周波数処理を、ハニカムセル構造輝尽蛍光体板
の場合には逆に鮮鋭度を下げるために用いた方がよい場
合が生ずる。即ち、処理画素の画素値をS、周囲の画素
の平均値をSm 、処理後の画素値をP、重み係数をkと
し、 P=S+k(S−Sm) を用いた空間周波数処理を行うとき、kを負とすること
が有効である。
【0100】但し、kの値は診断する医師の希望によっ
て変化できるようにすることが好ましく、また、濃度分
解能が必要な、縦隔部、心臓部、横隔膜部などでは鮮鋭
度を下げる必要はないから、肺野部のみの鮮鋭度を下げ
るように解剖学的領域別にkを選択できるようにしてお
くことも好ましい。解剖学的領域の判別は画素値のヒス
トグラム解析によって対応する画素値範囲を求める公知
の方法で容易に可能である。
【0101】(平均化処理)濃度分解能が高すぎたとき
の弊害はもう一つあり、照射される放射線量が少なくな
ったとき、従来は問題にならなかったような量子モトル
が現れることである。これの影響を少なくするため、局
所的な平均化処理が必要となる。即ち、得られた画像に
対し、処理画素を含めた、例えば周囲9画素ないし25
画素の平均値、もしくは、メディアン値を画素値とする
平均化処理を行う。平均化する画素の形状は正方形であ
っても、長方形であってもよい。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の輝尽蛍光
体板の製造方法によれば、感度、空間分解能とも高い、
機能の優れた輝尽蛍光体板が製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】輝尽蛍光体板を用いたシステムの一構成例を示
した図である。
【図2】輝尽蛍光体板を用いた他のシステムの構成例を
示した図である。
【図3】輝尽蛍光体層内での励起光の散乱の様子を示す
図である。
【図4】従来の、エッチングにより製作されたセル構造
の模式図である。
【図5】本発明の輝尽蛍光体板の製造方法の一実施例を
表わす工程図である。
【図6】本発明の輝尽蛍光体板の製造方法の一実施例に
より製造された輝尽蛍光体板の構造を示す平面図
(A)、および図6(A)に示す矢印がX−Xに沿った
断面図(B)である。
【図7】セルパターンを示す模式図である。
【図8】電解研磨の様子を示す模式図である。
【図9】セル構造のステンレスシートの、反射率の測定
方法の説明図である。
【図10】隔壁の断面図である。
【図11】ハニカムセル構造の輝尽蛍光体板のMTF
を、比較例とともに示す図である。
【符号の説明】
11 X線発生部 15 輝尽蛍光体板 19 読取部 20 消去部 23 画像処理部 25 画像表示部

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の金属シートそれぞれの互いに対
    応する位置に貫通孔を多数形成する貫通孔形成工程と、 前記金属シートの前記貫通孔内壁の光の反射率を向上さ
    せる反射率改善工程と、 前記金属シートを、互いに対応する位置に形成された貫
    通孔どうしが連通するように互いに重ねる金属シート積
    層工程と、 積層された金属シートの片面に、該積層された金属シー
    トの貫通孔の一方の開口を塞ぐ保護シートを接着する保
    護シート接着工程と、 前記保護シートが接着された、積層された金属シートの
    貫通孔内に、輝尽蛍光体を充填する輝尽蛍光体充填工程
    と、 貫通孔内に輝尽蛍光体が充填された、積層された金属シ
    ートの、前記片面とは反対側のもう一方の片面に、光を
    透過する光透過性シートを接着する光透過性シート接着
    工程とを備えたことを特徴とする輝尽蛍光体板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記反射率改善工程により前記貫通孔内
    壁の光の反射率が向上した前記金属シートの周縁部を切
    断して除去する枠切断工程を備えたことを特徴とする請
    求項1記載の輝尽蛍光体板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記保護シートおよび前記光透過性シー
    トが、積層された金属シートの面積よりも大面積のシー
    トであり、前記保護シート接着工程および前記光透過性
    シート接着工程が、それぞれ、該保護シートおよび該光
    透過性シートの周縁部が前記金属シートの周縁からはみ
    出すように該金属シートに該保護シートおよび該光透過
    性シートを接着するものであって、さらに前記保護シー
    トおよび前記光透過性シートの、前記金属シートからは
    み出した周縁部どうしの間にスペーサを挟んだ状態に、
    該保護シートの周縁部と該スペーサとの間、および該ス
    ペーサと該光透過性シートとの間を接着することによ
    り、前記金属シートの貫通孔内に充填された輝尽蛍光体
    を密封する輝尽蛍光体密封工程を備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の輝尽蛍光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記金属シートが、厚み10μm以上1
    50μm以下のものであることを特徴とする請求項1記
    載の輝尽蛍光体板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属シートが、前記貫通孔形成工程
    における貫通孔形成の位置決めおよび前記金属シート積
    層工程における前記金属シートどうしの重ね合わせの位
    置決めのための位置決め用孔を有することを特徴とする
    請求項1記載の輝尽蛍光体板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記貫通孔形成工程が、エッチングによ
    り前記貫通孔を形成する工程であることを特徴とする請
    求項1記載の輝尽蛍光体板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記貫通孔形成工程が、少なくとも前記
    光透過性シート側の第一層目に積層される前記金属シー
    トについて、該金属シートの、互いに隣接する貫通孔ど
    うしの間の隔壁の、前記光透過性シート側の表面が略半
    円の断面形状に形成されるように貫通孔を形成するもの
    であることを特徴とする請求項1記載の輝尽蛍光体板の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記反射率改善工程が、電解研磨、化学
    研磨、無電解メッキ、および電解メッキから成る群の中
    から選択された少なくとも1つの方法を用いて前記貫通
    孔内壁の光の反射率を向上させる工程であることを特徴
    とする請求項1記載の輝尽蛍光体板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記反射率改善工程が、電解研磨もしく
    は化学研磨を用いて前記貫通孔内壁の光の反射率を向上
    させる工程であることを特徴とする請求項1記載の輝尽
    蛍光体板の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記反射率改善工程が、前記金属シー
    トを一方の電極板とするとともに、他方の電極板を該金
    属シートに平行に配置し、さらに、これら2枚の電極板
    どうしの間に、中央部ほど大きく、中央部から周辺部に
    向かうにしたがって小さい径の孔が穿設された電流制御
    用板を配置して電解研磨を行なう工程であることを特徴
    とする請求項8記載の輝尽蛍光体板の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記反射率改善工程が、1.5μm以
    上かつ互いに隣接する前記貫通孔どうしの間に隔壁が残
    存する範囲内の研磨量となるように電解研磨もしくは化
    学研磨を行なう工程であることを特徴とする請求項8記
    載の輝尽蛍光体板の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記反射率改善工程が、該反射率改善
    工程終了後の、互いに隣接する前記貫通孔どうしの間の
    隔壁の厚さが前記貫通孔のピッチの20%以下となるよ
    うにして、前記貫通孔内壁の光の反射率を向上させる工
    程であることを特徴とする請求項1記載の輝尽蛍光体板
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記金属シート積層工程が、前記金属
    シートの周縁の部分に接着シートを挟んだ状態に重ね合
    わせる工程であることを特徴とする請求項1記載の輝尽
    蛍光体板の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記保護シートが、少なくとも片面が
    研磨もしくはメッキされた金属シートであって、前記保
    護シート接着工程が、該金属シートの研磨もしくはメッ
    キされた側の面を積層された金属シート側に向けて、該
    積層された金属シートに該保護シートとしての金属シー
    トを接着する工程であることを特徴とする請求項1記載
    の輝尽蛍光体板の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記保護シートが、片面に光反射膜が
    形成された樹脂製もしくはガラス製のシートであって、
    前記保護シート接着工程が、該保護シートの光反射膜が
    形成された側の面を積層された金属シート側に向けて、
    該積層された金属シートに該保護シートを接着する工程
    であることを特徴とする請求項1記載の輝尽蛍光体板の
    製造方法。
  16. 【請求項16】 前記輝尽蛍光体充填工程が、前記保護
    シートが接着された、積層された金属シートの貫通孔内
    に、樹脂粉末を混合した輝尽蛍光体粉末を充填し、充填
    された輝尽蛍光体粉末上に有機溶剤を散布し、該有機溶
    剤を揮発させる工程であることを特徴とする請求項1記
    載の輝尽蛍光体板の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記輝尽蛍光体粉末に混合される樹脂
    粉末の量が、該輝尽蛍光体粉末に対し0.5体積%以上
    10体積%以下であることを特徴とする請求項10記載
    の輝尽蛍光体板の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記輝尽蛍光体に混合された樹脂粉末
    が、ポリメチルメタクリレートの、粒度分布のピークが
    5μm以下の粉末であることを特徴とする請求項16記
    載の輝尽蛍光体板の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記貫通孔内に充填される輝尽蛍光体
    粉末が、粒度分布のピークが0.2μm以下の白色無機
    粉末が混合されたものであることを特徴とする請求項1
    6記載の輝尽蛍光体板の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記輝尽蛍光体粉末に混合された白色
    無機粉末が、酸化珪素、炭酸カルシウム、酸化チタンか
    らなる群の中から選択された1種類もしくは複数種類か
    らなる粉末であることを特徴とする請求項19記載の輝
    尽蛍光体板の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記輝尽蛍光体充填工程が、前記保護
    シートが接着された、積層された金属シート上に、有機
    溶剤に樹脂を溶解した樹脂液を混合した輝尽蛍光体粉末
    を塗布することにより前記貫通孔内に該輝尽蛍光体粉末
    を充填し、減圧することにより該貫通孔内の空気を該樹
    脂液に置換し、該有機溶剤を揮発させる工程であること
    を特徴とする請求項1記載の輝尽蛍光体板の製造方法。
JP32759294A 1994-12-28 1994-12-28 輝尽蛍光体板の製造方法 Withdrawn JPH08184937A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32759294A JPH08184937A (ja) 1994-12-28 1994-12-28 輝尽蛍光体板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32759294A JPH08184937A (ja) 1994-12-28 1994-12-28 輝尽蛍光体板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08184937A true JPH08184937A (ja) 1996-07-16

Family

ID=18200785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32759294A Withdrawn JPH08184937A (ja) 1994-12-28 1994-12-28 輝尽蛍光体板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08184937A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1271557A2 (en) * 2001-06-20 2003-01-02 Fuji Photo Film Co., Ltd. Stimulable phosphor sheet and method for manufacturing the same
JP2011137665A (ja) * 2009-12-26 2011-07-14 Canon Inc シンチレータパネル及び放射線撮像装置とその製造方法、ならびに放射線撮像システム
US11681055B1 (en) * 2021-01-26 2023-06-20 National Technology & Engineering Solutions Of Sandia, Llc Scintillator array for radiation detection

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1271557A2 (en) * 2001-06-20 2003-01-02 Fuji Photo Film Co., Ltd. Stimulable phosphor sheet and method for manufacturing the same
EP1271557A3 (en) * 2001-06-20 2008-08-13 FUJIFILM Corporation Stimulable phosphor sheet and method for manufacturing the same
JP2011137665A (ja) * 2009-12-26 2011-07-14 Canon Inc シンチレータパネル及び放射線撮像装置とその製造方法、ならびに放射線撮像システム
US11681055B1 (en) * 2021-01-26 2023-06-20 National Technology & Engineering Solutions Of Sandia, Llc Scintillator array for radiation detection

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7315031B2 (en) Radiation image storage panel
JP3479574B2 (ja) フロント側用放射線増感スクリーン及び放射線増感スクリーン組体
TW201743121A (zh) 閃爍器面板及其製造方法、以及放射線檢測裝置
JP6262419B2 (ja) 放射線画像検出器及び放射線画像検出器の製造方法
JP3270264B2 (ja) 放射線像変換パネルおよびその製造法
JPH08184937A (ja) 輝尽蛍光体板の製造方法
JP2004003955A (ja) 放射線像変換パネル
JP4168295B2 (ja) 輝尽性蛍光体プレート及び輝尽性蛍光体パネル
JP2003107197A (ja) 放射線像変換パネルおよびその製造方法
KR20020082566A (ko) 디지털 엑스레이 장치
JPH02129600A (ja) 放射線画像読取用螢光体板
JP2004085367A (ja) 放射線像変換パネル
JP3927036B2 (ja) 放射線画像情報読取方法
US20010030301A1 (en) Storage phosphor screen with thick outermost layer and a method for using the same
JP2002139599A (ja) 放射線画像変換パネル
JP2640021B2 (ja) 放射線像変換パネルと放射線像再生方法
JP2884350B2 (ja) 放射線画像変換パネル
JP2003098299A (ja) 放射線像変換パネル
US20080130830A1 (en) Radiation Image Capturing System for Mammography and Radiation Image Conversion Panel
WO1990012405A1 (fr) Plaque a substance fluorescente acceleree et lecteur prevu a cet effet
JPH11295828A (ja) 蛍光体プレートの貼り付け方法、貼り付け装置及び輝尽性蛍光体プレート
JP2003207599A (ja) 放射線画像変換パネル及び放射線画像変換パネルの作製方法
JP4254109B2 (ja) 放射線画像変換パネル
JP2004251882A (ja) 非晶質(a−C)炭素層を含む支持体を備えた結合剤のない貯蔵燐光体スクリーン
JP2002131495A (ja) 放射線画像変換パネル

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020305